[ 日文研トップ ] [ 日文研データベースの案内 ] [ データベースメニュー ]

仙洞五十番歌合


[ 作品集成立年順 | 作者名順 | 作品集名順 | 語句検索 ]
作品集名仙洞五十番歌合 
作品集名読みせんとうごじゅうばんうたあわせ 
作成年月日乾元二年四月廿九日(1303年5月16日)
場所 

00001
未入力 (xxx)

あすやいかにけふのなかめもあかぬまの夕の花に風たちぬなり

あすやいかに−けふのなかめも−あかぬまの−ゆふへのはなに−かせたちぬなり


00002
未入力 (xxx)

さそひくる梅や桜の色香にて風なつかしきむつき二月

さそひくる−うめやさくらの−いろかにて−かせなつかしき−むつききさらき


00003
未入力 (xxx)

かけろふのもゆる春日はなかくしてかすめる空に風そのとけき

かけろふの−もゆるはるひは−なかくして−かすめるそらに−かせそのとけき


00004
未入力 (xxx)

心とはちらぬになして吹きさそふあらしそ花のなさけそへける

こころとは−ちらぬになして−ふきさそふ−あらしそはなの−なさけそへける


00005
未入力 (xxx)

うすくもり霞みてにほふ花のうへをちらさぬ程にすくる春風

うすくもり−かすみてにほふ−はなのうへを−ちらさぬほとに−すくるはるかせ


00006
未入力 (xxx)

ちりしける庭の桜をふきたてて木のした曇る春の夕かせ

ちりしける−にはのさくらを−ふきたてて−このしたくもる−はるのゆふかせ


00007
未入力 (xxx)

さきぬへき山の桜の枝をおもみのとかにわたるきさらきのかせ

さきぬへき−やまのさくらの−えたをおもみ−のとかにわたる−きさらきのかせ


00008
未入力 (xxx)

明けわたる霞のをちはほのかにて軒の桜にかせかをるなり

あけわたる−かすみのをちは−ほのかにて−のきのさくらに−かせかをるなり


00009
未入力 (xxx)

かすむ空花の梢に吹きなれて風ものとけき春をしるらし

かすむそら−はなのこすゑに−ふきなれて−かせものとけき−はるをしるらし


00010
未入力 (xxx)

いとはすよさそひはたてぬ春かせの花に吹きよる夕くれの色

いとはすよ−さそひはたてぬ−はるかせの−はなにふきよる−ゆふくれのいろ


00011
未入力 (xxx)

暮れわたる霞の空はのとかにて柳によわき春のゆふ風

くれわたる−かすみのそらは−のとかにて−やなきによわき−はるのゆふかせ


00012
未入力 (xxx)

ふくとなき霞の下の春風に花の香ふかきやとの夕暮

ふくとなき−かすみのしたの−はるかせに−はなのかふかき−やとのゆふくれ


00013
未入力 (xxx)

梢よりよこきる花をさきたてて山本わたる春の夕かせ

こすゑより−よこきるはなを−さきたてて−やまもとわたる−はるのゆふかせ


00014
未入力 (xxx)

にほひをはこなたかなたにかはすとも花をちらさぬ春風もかな

にほひをは−こなたかなたに−かはすとも−はなをちらさぬ−はるかせもかな


00015
未入力 (xxx)

なほさりの風のつてしも梅かかの待ちとる袖にふかくしむらん

なほさりの−かせのつてしも−うめかかの−まちとるそてに−ふかくしむらむ


00016
未入力 (xxx)

花に吹き柳になひきさまさまの春のなさけは風そみせける

はなにふき−やなきになひき−さまさまの−はるのなさけは−かせそみせける


00017
未入力 (xxx)

緑あさき庭の柳に雨そそき春風なひく暮そのとけき

みとりあさき−にはのやなきに−あめそそき−はるかせなひく−くれそのとけき


00018
未入力 (xxx)

さそひくる花のにほひものとかにて霞にゆるき春の夕風

さそひくる−はなのにほひも−のとかにて−かすみにゆるき−はるのゆふかせ


00019
未入力 (xxx)

よも山は霞みわたりて遠かたの柳にすさふ春のあさかせ

よもやまは−かすみわたりて−をちかたの−やなきにすさふ−はるのあさかせ


00020
未入力 (xxx)

なへて世にふくともしらぬ春風を柳の糸のなひくにそみる

なへてよに−ふくともしらぬ−はるかせを−やなきのいとの−なひくにそみる


00021
未入力 (xxx)

緑そふ庭の梢の色きよみ夕暮すすし池のうへの雨

みとりそふ−にはのこすゑの−いろきよみ−ゆふくれすすし−いけのうへのあめ


00022
未入力 (xxx)

秋ちかき野はらの草のゆふかけに村雨ふりて風そすすしき

あきちかき−のはらのくさの−ゆふかけに−むらさめふりて−かせそすすしき


00023
未入力 (xxx)

あふち散る梢に雨はややはれて軒のあやめに残る玉水

あふちちる−こすゑにあめは−ややはれて−のきのあやめに−のこるたまみつ


00024
未入力 (xxx)

むら雨の音は軒はにのこれともおのれ過きぬるほとときすかな

むらさめの−おとはのきはに−のこれとも−おのれすきぬる−ほとときすかな


00025
未入力 (xxx)

時鳥まぢかき雲に声過きて軒はにおつる明方のあめ

ほとときす−まぢかきくもに−こゑすきて−のきはにおつる−あけかたのあめ


00026
未入力 (xxx)

片岡のならの木陰に立ちよりて夕たちすくすをちの旅人

かたをかの−ならのこかけに−たちよりて−ゆふたちすくす−をちのたひひと


00027
未入力 (xxx)

晴れやらぬ日かすはかねてふる雨のあすやさ月をくもりうつらん

はれやらぬ−ひかすはかねて−ふるあめの−あすやさつきを−くもりうつらむ


00028
未入力 (xxx)

夏草のみとりの若葉雨をうけてなひくすかたはみるもすすしき

なつくさの−みとりのわかは−あめをうけて−なひくすかたは−みるもすすしき


00029
未入力 (xxx)

露おもきわか葉の木すゑ一にて雨に木くらき夕暮の庭

つゆおもき−わかはのこすゑ−ひとつにて−あめにこくらき−ゆふくれのには


00030
未入力 (xxx)

村雨にしはしなひける若竹の涼しきくれは秋おほえけり

むらさめに−しはしなひける−わかたけの−すすしきくれは−あきおほえけり


00031
未入力 (xxx)

涼しさをしはしそとむる夕立の名残の露の庭の草むら

すすしさを−しはしそとむる−ゆふたちの−なこりのつゆの−にはのくさむら


00032
未入力 (xxx)

山のはは雲の底にてひとむらの木すゑかすめる五月雨の遠

やまのはは−くものそこにて−ひとむらの−こすゑかすめる−さみたれのをち


00033
未入力 (xxx)

うちなひく萩の若葉に露きよみ雨のあさけの庭そ涼しき

うちなひく−はきのわかはに−つゆきよみ−あめのあさけの−にはそすすしき


00034
未入力 (xxx)

かた岡のまきの村立雨過きてみとりもうすきなつ山の色

かたをかの−まきのむらたち−あめすきて−みとりもうすき−なつやまのいろ


00035
未入力 (xxx)

卯月そふ日数のほとにふりそめてはや五月雨と雲そかさなる

うつきそふ−ひかすのほとに−ふりそめて−はやさみたれと−くもそかさなる


00036
未入力 (xxx)

枝よわき若葉の竹は庭にふして雨こまかなる夏の夕暮

えたよわき−わかはのたけは−にはにふして−あめこまかなる−なつのゆふくれ


00037
未入力 (xxx)

ひとしきりはやく過きぬる夕立の名残の雲にいな妻の影

ひとしきり−はやくすきぬる−ゆふたちの−なこりのくもに−いなつまのかけ


00038
未入力 (xxx)

うちしめり雨はふりつつ夏草の緑すすしき夕くれの庭

うちしめり−あめはふりつつ−なつくさの−みとりすすしき−ゆふくれのには


00039
未入力 (xxx)

雲たゆる夕の雨のはれかたにかをりすすしき軒のたち花

くもたゆる−ゆふへのあめの−はれかたに−かをりすすしき−のきのたちはな


00040
未入力 (xxx)

緑こきをちの山のは晴れそめて雲たちのほる五月雨の空

みとりこき−をちのやまのは−はれそめて−くもたちのほる−さみたれのそら


00041
未入力 (xxx)

我もかなし草木も心いたむらし秋風ふれて露くたる比

われもかなし−くさきもこころ−いたむらし−あきかせふれて−つゆくたるころ


00042
未入力 (xxx)

すゑなひく千種の花の色をそめすかたをなすも秋の白露

すゑなひく−ちくさのはなの−いろをそめ−すかたをなすも−あきのしらつゆ


00043
未入力 (xxx)

ならの葉にした露つたふおとすなり岡へのきりのふかき夕暮

ならのはに−したつゆつたふ−おとすなり−をかへのきりの−ふかきゆふくれ


00044
未入力 (xxx)

色色の花ともいはし朝あけの露になかむる秋の草むら

いろいろの−はなともいはし−あさあけの−つゆになかむる−あきのくさむら


00045
未入力 (xxx)

しはしみん花もよのまのすかたにてまた風たたぬ萩の朝露

しはしみむ−はなもよのまの−すかたにて−またかせたたぬ−はきのあさつゆ


00046
未入力 (xxx)

霧りわたる朝けの籬うちしめり千種にあまる露の色かな

きりわたる−あさけのまかき−うちしめり−ちくさにあまる−つゆのいろかな


00047
未入力 (xxx)

秋はたたいく夜の露も袖におち月のやとりをいかにうつさて

あきはたた−いくよのつゆも−そてにおち−つきのやとりを−いかにうつさて


00048
未入力 (xxx)

霧うすき朝の原の草のうへにおきわたす露の色そきよけき

きりうすき−あしたのはらの−くさのうへに−おきわたすつゆの−いろそきよけき


00049
未入力 (xxx)

色染むる夜寒の露の行衛より秋を草木にうつしてそみる

いろそむる−よさむのつゆの−ゆくへより−あきをくさきに−うつしてそみる


00050
未入力 (xxx)

おきわたす露の光も月の色ものとかにふくるあさぢふの庭

おきわたす−つゆのひかりも−つきのいろも−のとかにふくる−あさちふのには


00051
未入力 (xxx)

夜すからの野分の跡はしほれはてて草のはしろき露の朝あけ

よすからの−のわきのあとは−しをれはてて−くさのはしろき−つゆのあさあけ


00052
未入力 (xxx)

花はまたさきもそめぬを萩かえに露のみ秋とおきまさるらん

はなはまた−さきもそめぬを−はきかえに−つゆのみあきと−おきまさるらむ


00053
未入力 (xxx)

をれかへり千種吹きしほる風のまへにおきあへぬ露のみたれてそちる

をれかへり−ちくさふきしをる−かせのまへに−おきあへぬつゆの−みたれてそちる


00054
未入力 (xxx)

秋はまつ草木にからぬ袖の露我かなみたにそ結ひそめける

あきはまつ−くさきにからぬ−そてのつゆ−わかなみたにそ−むすひそめける


00055
未入力 (xxx)

むら雨のあと吹きはらふ秋風に草葉みたれて露そあらそふ

むらさめの−あとふきはらふ−あきかせに−くさはみたれて−つゆそあらそふ


00056
未入力 (xxx)

秋風もまた吹きたたぬ朝明の草葉しつけき露のうへかな

あきかせも−またふきたたぬ−あさあけの−くさはしつけき−つゆのうへかな


00057
未入力 (xxx)

ひかりすむ月にみかける草の露夜さへ玉をかさる庭かな

ひかりすむ−つきにみかける−くさのつゆ−よるさへたまを−かさるにはかな


00058
未入力 (xxx)

物おもふといはぬはかりそ露かかる草木も秋の夕くれの色

ものおもふと−いはぬはかりそ−つゆかかる−くさきもあきの−ゆふくれのいろ


00059
未入力 (xxx)

うす霧のはるる朝けの庭みれは草にあまれる秋の白露

うすきりの−はるるあさけの−にはみれは−くさにあまれる−あきのしらつゆ


00060
未入力 (xxx)

しほれふす枝吹きかへす秋かせにとまらすおつる萩のうへの露

しをれふす−えたふきかへす−あきかせに−とまらすおつる−はきのうへのつゆ


00061
未入力 (xxx)

山あらしのすきの葉はらふ曙のむらむらなひく雪の白雲

やまあらしの−すきのははらふ−あけほのの−むらむらなひく−ゆきのしらくも


00062
未入力 (xxx)

みねの雪むらむら雲に吹きませてわたるあらしはかたもさためす

みねのゆき−むらむらくもに−ふきませて−わたるあらしは−かたもさためす


00063
未入力 (xxx)

明けしらむそなたを見れは山のはのよこ雲はかり時雨れてそゆく

あけしらむ−そなたをみれは−やまのはの−よこくもはかり−しくれてそゆく


00064
未入力 (xxx)

しくるるかをちの木すゑの夕くれにしはしかかれるうき雲の色

しくるるか−をちのこすゑの−ゆふくれに−しはしかかれる−うきくものいろ


00065
未入力 (xxx)

寒えかへる空にはかせの音もせてしつかにこほる雲の色かな

さえかへる−そらにはかせの−おともせて−しつかにこほる−くものいろかな


00066
未入力 (xxx)

けふも又外山のあらしさえくれぬ雲の雪気の日かすふる比

けふもまた−とやまのあらし−さえくれぬ−くものゆきけの−ひかすふるころ


00067
未入力 (xxx)

あられちりかせにあれつる空の色の雪になりては雲そしつまる

あられちり−かせにあれつる−そらのいろの−ゆきになりては−くもそしつまる


00068
未入力 (xxx)

竹はらふあらしの音ははけしくて雪気にむかふ雲そこほれる

たけはらふ−あらしのおとは−はけしくて−ゆきけにむかふ−くもそこほれる


00069
未入力 (xxx)

吹きまよふ嵐のつてにうかれきてあらくしくるる雲のひとむら

ふきまよふ−あらしのつてに−うかれきて−あらくしくるる−くものひとむら


00070
未入力 (xxx)

遠かたに重なる雲の色まてもさむくあれたる今日の空かな

をちかたに−かさなるくもの−いろまても−さむくあれたる−けふのそらかな


00071
未入力 (xxx)

ひと村のしくれの雲はうき過きて日影そみゆるをちの山のは

ひとむらの−しくれのくもは−うきすきて−ひかけそみゆる−をちのやまのは


00072
未入力 (xxx)

うきてゆく雲のたえたえかけ見えてしくるる山に夕日さすなり

うきてゆく−くものたえたえ−かけみえて−しくるるやまに−ゆふひさすなり


00073
未入力 (xxx)

ふりやらぬ雪けの空のさえかへりこほれる雲の下そ匂へる

ふりやらぬ−ゆきけのそらの−さえかへり−こほれるくもの−したそにほへる


00074
未入力 (xxx)

夕日さすみねのしくれのひとむらにみきりを過くる雲のかけかな

ゆふひさす−みねのしくれの−ひとむらに−みきりをすくる−くものかけかな


00075
未入力 (xxx)

雪あられいつれかさきにさそはれん雲さえわたる夕くれの色

ゆきあられ−いつれかさきに−さそはれむ−くもさえわたる−ゆふくれのいろ


00076
未入力 (xxx)

星のかけは雲にはつれてさゆる夜の梢に風の音そはけしき

ほしのかけは−くもにはつれて−さゆるよの−こすゑにかせの−おとそはけしき


00077
未入力 (xxx)

雪さそふと山のあらしはけしくて村雲さむき暮にも有るかな

ゆきさそふ−とやまのあらし−はけしくて−むらくもさむき−くれにもあるかな


00078
未入力 (xxx)

しくれにははれやすかりし村雲の行かたなきや雪けなるらん

しくれには−はれやすかりし−むらくもの−ゆくかたなきや−ゆきけなるらむ


00079
未入力 (xxx)

風の音のはけしくわたる梢よりむら雲さむきみか月の空

かせのおとの−はけしくわたる−こすゑより−むらくもさむき−みかつきのそら


00080
未入力 (xxx)

かせふかぬ雪気の空はさえとぢて雲しつかなる冬の夕暮

かせふかぬ−ゆきけのそらは−さえとちて−くもしつかなる−ふゆのゆふくれ


00081
未入力 (xxx)

たへすならん身をさへかけてかなしきはつらきをかきる今の夕くれ

たへすならむ−みをさへかけて−かなしきは−つらきをかきる−いまのゆふくれ


00082
未入力 (xxx)

くれことに思ひそまさる待ちし比うきあはれさのかはるいままて

くれことに−おもひそまさる−まちしころ−うきあはれさの−かはるいままて


00083
未入力 (xxx)

さすかもし思ひいつやとこの暮の雲のけしきを涙にそみる

さすかもし−おもひいつやと−このくれの−くものけしきを−なみたにそみる


00084
未入力 (xxx)

つくつくとなかめて思ふ夕暮の雲たにせめてあはれをはしれ

つくつくと−なかめておもふ−ゆふくれの−くもたにせめて−あはれをはしれ


00085
未入力 (xxx)

今もみる夕はおなしゆふへにて待ちしたのみそ昔なりける

いまもみる−ゆふへはおなし−ゆふへにて−まちしたのみそ−むかしなりける


00086
未入力 (xxx)

待ちしより今はのはての思ひまてつれなくむかふ夕暮の雲

まちしより−いまはのはての−おもひまて−つれなくむかふ−ゆふくれのくも


00087
未入力 (xxx)

あはれわか待ちし心はあらぬよにおも影はかり残る夕暮

あはれわか−まちしこころは−あらぬよに−おもかけはかり−のこるゆふくれ


00088
未入力 (xxx)

待ちなれし契はよその夕暮にひとりかなしき入逢のかね

まちなれし−ちきりはよその−ゆふくれに−ひとりかなしき−いりあひのかね


00089
未入力 (xxx)

恋暮し夕にむかふ心地よりあらぬ声そふいり逢のかね

こひくれし−ゆふへにむかふ−ここちより−あらぬこゑそふ−いりあひのかね


00090
未入力 (xxx)

思ひつもるつらさも今よ心よわしたたおも影の夕暮の空

おもひつも−るつらさもいま−よ心よわし−たたおもかけの−ゆふくれのそら


00091
未入力 (xxx)

いく夕またぬあはれになかめたへてつれなの身やとさらにしそ思ふ

いく夕また−ぬあはれになか−めたへてつ−れなのみやとさ−らにしそおもふ


00092
未入力 (xxx)

あらぬ身と今は思ふによしなくもみしよをさそふおなし夕暮

あらぬみと−いまはおもふに−よしなくも−みしよをさそふ−おなしゆふくれ


00093
未入力 (xxx)

わかかかる思ひのうちのいく夕さもそつれなくなかめたへぬる

わかかかる−おもひのうちの−いくゆふへ−さもそつれなく−なかめたへぬる


00094
未入力 (xxx)

ひとかたに待ちもやせまし偽のうきにならはぬ夕へなりせは

ひとかたに−まちもやせまし−いつはりの−うきにならはぬ−ゆふへなりせは


00095
未入力 (xxx)

いかにせむ雲のゆくかた風の音待ちなれしよににたる夕へを

いかにせむ−くものゆくかた−かせのおと−まちなれしよに−にたるゆふへを


00096
未入力 (xxx)

思ひとらんきはをみるへき此暮よくれたにはつな心よわきに

おもひとらむ−きはをみるへき−このくれよ−くれたにはつな−こころよわきに


00097
未入力 (xxx)

ひとかたにとはれすもなれや思ひたえんさのみむなしき暮はなかめし

ひとかたに−とはれすもなれや−おもひたえむ−さのみむなしき−くれはなかめし


00098
未入力 (xxx)

今さらになに歎くらむ偽のもとよりなれし夕暮の空

いまさらに−なになけくらむ−いつはりの−もとよりなれし−ゆふくれのそら


00099
未入力 (xxx)

うれしともひとかたにやはなかめらるる待つよにむかふ夕暮の空

うれしとも−ひとかたにやは−なかめらるる−まつよにむかふ−ゆふくれのそら


00100
未入力 (xxx)

いさやけさ別れつるまのなさけかと暮行く空を待ちそやすらふ

いさやけさ−わかれつるまの−なさけかと−くれゆくそらを−まちそやすらふ