護王神社祭


データ番号071_2
作者名江馬務(えまつとむ)
解説万世一系の皇統を危急より救ひ奉りて泰山の安きにおき、平安の奠都を画策して一千年の王城の地となしし護国の神、平安の元勲和気清麿(わけのきよまろ)公を祀れる官幣社護王神社(ごおうじんじゃ)の祭は、有志の人々により去る明治卅一年(めいじさんじゅういちねん)に起りしかど、中頃中絶し大正(たいしょう)の御代に再興あり。例年四月十五日をもて定日とす。先太鼓につづいて楽人・鉦鼓・四神・御鉾・弓矢・剱杖次に鳳輦、あとに神馬・錦蓋・神人・和気会員の人々など供奉し、列を正して粛々と進む。かくて行列は祭神とゆかり深き桓武天皇(かんむてんのう)を奉祀せる平安神宮(へいあんじんぐう)に遷行、更に本社に還幸あり。祭儀は一見古への行幸に準じ、その尊厳優雅拝観の人々をしてそぞろ容を正さしむ。これも神徳のなせるわざなるべし。