データ番号 | 025_2 |
作者名 | 江馬務(えまつとむ) |
解説 | 御霊祭は上下御霊社(かみしもごりょうじんじゃ)の祭礼なり。祭神は祟道天皇(すどうてんのう)伊予親王(いよしんのう)など祟られし八所の御霊におはします。されば歴朝皇室の御祟敬篤く、祭の列に幾多の鉾を献じ給ふ。現今は五月朔日上下社とも神幸、同十八日還幸あり。道筋夫々異なり、上御霊の御列には鉾十二本威儀物八乙女神馬東福門院(とうふくもんいん)御寄進の御車神輿三基あり。下社の御列には猿田彦御面鉾八本威儀物楽器唐鞍御馬鳳輿神輿二基あり。鉾は二種に分れ、一は幸鉾とて枠の上に組立て、棒二本にて四人が舁ぎ、一は祭鉾振鉾とて鉾を帯に立て、両手にて棒持するものにて、御鉾の中には皇宝の御紋に因ある菊鉾数本あるが、何れも外観華麗を極め技巧善美を尽くす。図中の枝菊は畏くも正親町天皇(おおぎまちてんのう)の御寄進とて、鉾中の白眉とす。沿道今日を晴れと店頭を解放し幕を張り、毛氈を敷き屏風立てわたして、大小人均しく歓楽するもめでたしや。 |