データ番号 | 079_2 |
作者名 | 江馬務(えまつとむ) |
解説 | 古へ大宮人が大堰川(おおいがわ)に龍頭鷁首の船を浮べ、詩歌管弦三船の遊をなして春の花秋の紅葉の嵐山(あらしやま)の風光をめでにしは青史にのみ聞く。近年嵯峨野のほとり清原頼業(きよはらよりなり)公を祀れる車折神社(くるまざきじんじゃ)にては、毎年五月の日曜を撰び、船遊祭といふを始めぬ。午後一時唐車は祭列を整へて河畔に神幸、神霊御座船に乗御あり。龍頭鷁首の船には神人楽人舞人など数多供奉、御供船には和歌俳句書道音楽神酒の船など皆雅客をのせて技を揮はしむ。一たび川を遡り更に下る時、龍船の上にて迦陵頻胡蝶の舞を奏す。こを見むと漕ぎよする舟多く、沿岸人の波うつ。朱欄紅幔あなたの翠ISO/(5CE6)と相対して、そぞろ王朝の昔の盛るを偲ばしむ。 |