データ番号 | 076_2 |
作者名 | 江馬務(えまつとむ) |
解説 | 麻の如く乱れにし天下を統一して、忠勤を抽んでし織田右府信長(おだうふのぶなが)公を祀れる別格官幣社建勲神社(けんくんじんじゃ)の祭は、例年十月十九日に行はる。戦国武将の祭なれば前列に槍隊あり甲隊あり。少年青年皆具足に身をよろひ、陣貝を吹き陣鉦太鼓を打ち、馬表長旗を押し立て、威武堂々と進む姿はげに尚武日本を示して余すところなし。御鉾楯弓矢などにつぎて、鳳輦は粛々として宮司等に供奉せられて附近を巡り、嘉楽校に一とたび休憩し再び本社に還幸あり。この祭は大正十一年頃(たいしょうじゅういちねんころ)より中興せられて、今日かかる偉観を呈することとなり、例年の儀とはなりぬ。織田右府の偉勲はいはずもがな、わが京洛の中興は正にこの武将の力なれば、市民の崇敬いやが上に篤からむこそ理なるべけれ。 |