木津太鼓祭


データ番号090_2
作者名江馬務(えまつとむ)
解説洛南木津の村社御霊神社を中心とする秋祭に太鼓祭といふあり。はじめは村の若人太鼓を舁ぎて九月廿日に此の社に詣でしことより起り、今は十月廿日木津廿六区の青年など九基の太鼓神輿を舁ぎて午前中は各区を巡行し、午後は十日の抽籤にて定りし順にこれを御霊神社に舁ぎ入る。此の神輿は屋根に紅の大蒲団を三重ねとし隅に堤灯を吊す。四本柱の舁台の中には大太鼓を入れ、小児三四人宛四隅に乗り組み太鼓を打ち、前の青年揃の浴衣にて之を舁ぐ。舁台の四方に色とりどりの垂あり。風のまにまに飜りてうるはし。一台の費用約一千円、鄙にも稀なる祭なるがその起原はさまで古からず、明治六年の頃よりなりとか。大阪の夏祭に多き蒲団太鼓より移りしものなることあきらけし。