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江戸談林十百韻　１０巻

作品集名	江戸談林十百韻　１０巻
作品集名読み	えどだんりんとっぴゃくいん
作成年月日	延宝三年十一月（1675年12月頃）
場所

江戸談林十百韻　第一［さればここに：梅翁］

江戸談林十百韻　第二［あをがらし：松臼］

江戸談林十百韻　第一［さればここに：梅翁］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	されば爰に談林の木あり梅の花西山氏・梅翁　(xxx)
00002	世俗眠をさますうぐひす雪柴　(xxx)
00003	朝霞たばこの烟よこをれて在色　(xxx)
00004	駕籠かき過るあとの山風一鉄　(xxx)
00005	ながむれば供鑓つづく峯の松正友　(xxx)
00006	追手にちかきかけはしの月志斗　(xxx)
00007	小男鹿や藁人形におそるらん一朝　(xxx)
00008	五色の紙に萩の下露松臼　(xxx)
00009	星合の歌を吟ずる夕の風卜尺　(xxx)
00010	頭をかたぶけて水銀茶碗松意　(xxx)
00011	香☆散召上られて御覧ぜよ執筆　(xxx)
00012	なうなう旅人三伏の夏在色　(xxx)
00013	なみ松の声高うして馬やらう雪柴　(xxx)
00014	礒うつ波のさわぐ舟着正友　(xxx)
00015	傾城をあらそひかねてまくり切志斗　(xxx)
00016	泪の淵をくぐるさいの目一朝　(xxx)
00017	勘当や夢もむすばぬ袖枕松臼　(xxx)
00018	つよくいさめし分別の月卜尺　(xxx)
00019	お盃存じの外の露しぐれ松意　(xxx)
00020	ふらるるうらみ山の端の色雪柴　(xxx)
00021	一分は男自慢の花ざかり一鉄　(xxx)
00022	小知をすてて帰る雁金志斗　(xxx)
00023	欠鞍の春やむかしに墨衣在色　(xxx)
00024	いで其時の鉢ひらきにぞ松臼　(xxx)
00025	去間衆生済渡の辻談議正友　(xxx)
00026	三千世界からかさ一本松意　(xxx)
00027	ふんぎつて樹下石上をめくら飛一朝　(xxx)
00028	子どもがまなぶ吉野忠信一鉄　(xxx)
00029	草双紙よりより是を窓の雪卜尺　(xxx)
00030	風腰張をやぶる柴垣在色　(xxx)
00031	ゑりうすき衣かたしくす浪人雪柴　(xxx)
00032	住持のやつかい小莚の月正友　(xxx)
00033	山門の破損に秋やいたるらん志斗　(xxx)
00034	手代にまかせおけるしら露一朝　(xxx)
00035	御祓に伊勢の浜荻声そへて松臼　(xxx)
00036	上荷をはねる大淀の舟卜尺　(xxx)
00037	生肴五分一わけて帰る波松意　(xxx)
00038	すでに城下の明ぼのの風雪柴　(xxx)
00039	つき鐘に夢を残して代番一鉄　(xxx)
00040	あかぬ別に申万日志斗　(xxx)
00041	移り香の袖もか様に葉抹香在色　(xxx)
00042	思ひつもりて瘡頭かく松臼　(xxx)
00043	百とせの姥となりたる道の者正友　(xxx)
00044	むばらからたちすゑのはたご屋松意　(xxx)
00045	用心は残る所も候はず一朝
00046	風やふきけす有明の月一鉄　(xxx)
00047	扨こそな枕をまたく虫の声卜尺　(xxx)
00048	童子が好む秋なすの皮在色　(xxx)
00049	花娵を中につかんでかせ所帯雪柴　(xxx)
00050	りんきいさかひ春風ぞふく正友　(xxx)
00051	大泪そこらあたりの雪消て志斗　(xxx)
00052	五十二類や野辺の通ひ路一朝　(xxx)
00053	とめ山は下葉しげりて分もなし松臼　(xxx)
00054	爰にあら神千年の松卜尺　(xxx)
00055	要石なんぽほつてもぬけませぬ松意　(xxx)
00056	鯰の骨を足にぐつすり雪柴　(xxx)
00057	はきだめに瓢箪一つ候ひき一鉄　(xxx)
00058	肱をまげたるうら店の秋志斗　(xxx)
00059	藪医者も少工夫のさぢの月在色　(xxx)
00060	諸方のはじめ冷ておどろく松臼　(xxx)
00061	其形こりかたまりて今朝の露正友　(xxx)
00062	灰かきのけて見たるあだし野松意　(xxx)
00063	穴蔵の行衛いかにと忘水一朝　(xxx)
00064	宿がへをせし東路の果一鉄　(xxx)
00065	借銭は人のこころの敵となり卜尺　(xxx)
00066	桓武天皇九代の呑ぬけ在色　(xxx)
00067	道外舞塩辛壷とはやされたり雪柴　(xxx)
00068	戸棚をゆらりと飛猫の声正友　(xxx)
00069	恋せしは右衛門といひし見世守り志斗　(xxx)
00070	お町におゐて皆きせるやき一朝　(xxx)
00071	起請文既に宿老筆取にて松臼　(xxx)
00072	今度の訴訟白洲をまくら卜尺　(xxx)
00073	網引場月の出ばには西にあり松意　(xxx)
00074	木仏汚す蠣がらの露雪柴　(xxx)
00075	秋風をいたむ小寺の片庇一鉄　(xxx)
00076	新発心寒く成まさるらん志斗　(xxx)
00077	久堅の天狗のわるさ花の雪在色　(xxx)
00078	先谷ちかき百千鳥なく松臼　(xxx)
00079	音羽山かすみを分て礼返し正友　(xxx)
00080	関のこなたにばさばさあふぎ松意　(xxx)
00081	俄ぞりかかる藁屋を命にて一朝　(xxx)
00082	あはれ今年の内に病功一鉄　(xxx)
00083	青表紙かさなる山を枕もと卜尺　(xxx)
00084	一ツぷしかたる松の夜あらし在色　(xxx)
00085	色をふくむ二三の糸の片時雨雪柴　(xxx)
00086	君が格子によるとなく鹿正友　(xxx)
00087	文使山本さして野辺の秋志斗　(xxx)
00088	衆道のおこり嵯峨の月影一朝　(xxx)
00089	追腹やその古塚の女郎花松臼　(xxx)
00090	千石の家たてりとおもへば卜尺　(xxx)
00091	倹約を守といつぱ手鼻にて一鉄　(xxx)
00092	水風呂よりも寧洗足松意　(xxx)
00093	旅衣幾日かさねて気むつかし志斗　(xxx)
00094	その沢のほとりあと付枕松臼　(xxx)
00095	切どりはにげて野中の朝朗一朝　(xxx)
00096	代官殿へひびく松風雪柴　(xxx)
00097	つき臼を民のかまどに立ならべ在色　(xxx)
00098	難波の京に大力あり一鉄　(xxx)
00099	連俳や何を問ても花衣松意　(xxx)
00100	一座の崇敬万年の春正友　(xxx)

江戸談林十百韻　第二［あをがらし：松臼］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00101	青がらし目をおどろかす有様也出来氏・松臼　(xxx)
00102	磯うつなみのその鮒鱠卜尺　(xxx)
00103	客帆の台所ぶねかすみ来て一鉄　(xxx)
00104	小づかひのかねひびく夕暮一朝　(xxx)
00105	巾着の尾上に出し月の影正友　(xxx)
00106	瑚珀のむかし松の下露松意　(xxx)
00107	きのふこそ稲葉と見しが塵と変じ雪柴　(xxx)
00108	ねこだをくみしあとの秋風在色　(xxx)
00109	火影立へついの外に飛螢志斗　(xxx)
00110	でんがくでんがく宇治の川舟執筆　(xxx)
00111	日傭取ともに印をなびかせて卜尺　(xxx)
00112	材木出す山おろしふく松臼　(xxx)
00113	こもりくの泊瀬の寺の奉加帳一朝　(xxx)
00114	桧原を分し僧にて候一鉄　(xxx)
00115	淡雪の夕さびしき宿からう松意　(xxx)
00116	駒牽とめてたたく柴ィ門正友　(xxx)
00117	さればこそ琴かきならす遊び者在色　(xxx)
00118	膝をまくらに付ざし三盃雪柴　(xxx)
00119	腕を引漸こころを取直し松臼　(xxx)
00120	口説ののちに見る笑ひ皃志斗　(xxx)
00121	さく花の床入いそぐ暮の月正友　(xxx)
00122	中腰かけにかすむどらの音卜尺　(xxx)
00123	山寺の乗物下馬に雪消て雪柴　(xxx)
00124	禅尼の分る苔の細道一朝　(xxx)
00125	ぬり笠に松のあらしやめぐるらん一鉄　(xxx)
00126	手拍子ならす庭の夕暮松意　(xxx)
00127	どうづきも月にはみだるる心あり志斗　(xxx)
00128	五人張よりわたる雁また在色　(xxx)
00129	わたつ海みさごがあぐる素波の露卜尺　(xxx)
00130	須佐の入舟さす棹の歌松臼　(xxx)
00131	汐風に袖ひるがへす伽やらう一朝　(xxx)
00132	烟はそらにすい付たばこ正友　(xxx)
00133	朝ぼらけへだての雲にさらばさらば松意　(xxx)
00134	よしのの里のすゑのはたご屋雪柴　(xxx)
00135	水風呂に滝の流をせき入て松臼　(xxx)
00136	ちろりの酒に老をやしなふ一鉄　(xxx)
00137	腰もとは隠居の夢をおどろかし在色　(xxx)
00138	かはす手枕珠数御免あれ志斗　(xxx)
00139	思ひの色赤地のにしき袈裟衣正友　(xxx)
00140	あつぱれ和尚児性ずき也卜尺　(xxx)
00141	万石を茶の具にかへて身しりぞき雪柴　(xxx)
00142	遠嶋をたのしむ雪のあけぼの一朝　(xxx)
00143	そなれ松七言四句や吟ずらん一鉄　(xxx)
00144	蔵主の名残見する古塚松意　(xxx)
00145	すみ染の夕の月に化狐志斗　(xxx)
00146	深草の露ちる馬の骨松臼　(xxx)
00147	秋は金たのめしすゑの秤ざを卜尺　(xxx)
00148	水冷にくむくすり鍋在色　(xxx)
00149	湯の山や花の下枝のかけ作リ一朝　(xxx)
00150	宗祇その外うぐひすの声正友　(xxx)
00151	手鑑に文字をのこして帰雁松意　(xxx)
00152	刀わきざし朧夜の月雪柴　(xxx)
00153	難波潟質屋の見せの暮過て松臼　(xxx)
00154	出格子の前海わたる舟一鉄　(xxx)
00155	あだ波のながれの女小うなづき在色　(xxx)
00156	すすりなきには袖のぬれもの志斗　(xxx)
00157	敷たへのふとんの上の恋の道正友　(xxx)
00158	あはでうかりし文枕して卜尺　(xxx)
00159	むば玉の夢は在所の伝となり雪柴　(xxx)
00160	道心堅固ああ南無阿彌陀一朝　(xxx)
00161	斎米やあるかなきかの草の庵一鉄　(xxx)
00162	筧のしづくにごる水棚松意　(xxx)
00163	縄たぶら峯の浮雲引はへたり志斗　(xxx)
00164	山陰にして馬のすそする松臼　(xxx)
00165	明日はかまくら入と聞えけり卜尺　(xxx)
00166	うきかぎりぞと夫すて行在色　(xxx)
00167	所帯くづし契を余所に身を売て一朝　(xxx)
00168	大くべのはてむねの火とこそ正友　(xxx)
00169	扨も此野辺の土とは仕なしたり松意　(xxx)
00170	城山すかれてそよぐ粟稗一鉄　(xxx)
00171	わたり来る小鳥たがへぬ時の声松臼　(xxx)
00172	月落すでにおひ出しの鐘雪柴　(xxx)
00173	置銭や袖と袖との露なみだ在色　(xxx)
00174	おもひをつみてゆく舟問屋志斗　(xxx)
00175	浦手形此ものを人前髪あり正友　(xxx)
00176	詮議におよぶしら波の音卜尺　(xxx)
00177	山類の言葉をかりて花の滝一鉄　(xxx)
00178	いかに老翁かすむ岩橋一朝　(xxx)
00179	有難や社頭のとびらあけの春雪柴　(xxx)
00180	鏡のおもてしろじろと見る松意　(xxx)
00181	ロ中に若衆のいきやみがくらん志斗　(xxx)
00182	兼保のたれおもひみだるる松臼　(xxx)
00183	しのび路はつらき余所目の関の住卜尺　(xxx)
00184	首たけはまる中の藤川在色　(xxx)
00185	がら尻の駒うちなづみけし飛で一朝　(xxx)
00186	とある朽木をこすはや使正友　(xxx)
00187	すり火打きせる袋にからめかし松意　(xxx)
00188	こまもの店にわたる夕風一鉄　(xxx)
00189	寺町の鐘に命のおもはれて松臼　(xxx)
00190	かつしきのわかれ又いつの世か雪柴　(xxx)
00191	身が袖に出舟うらまん今日の月在色　(xxx)
00192	悋気いさかひ浜荻の声志斗　(xxx)
00193	あたら夜の床をひやしてうき思ひ正友　(xxx)
00194	此子のなやみうばがいたづら卜尺　(xxx)
00195	青き物又ある時はつまみ喰一鉄　(xxx)
00196	盆に何何むすび昆布あり一朝　(xxx)
00197	岩代の野辺に宗匠座をしめて雪柴　(xxx)
00198	たのむうき世の夢の追善在色　(xxx)
00199	一通義理をたてたる花軍志斗　(xxx)
00200	その七本のすゑの鑓梅松意　(xxx)

江戸談林十百韻　第三［いざをりて：雪柴］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00201	いざ析て人中見せん山桜雪柴　(xxx)
00202	懐そだちの谷のさわらび正友　(xxx)
00203	鼻紙の白雪残る方もなし松意　(xxx)
00204	揚枝の先に風わたる也卜尺　(xxx)
00205	朝ぽらけ氷をたたく手水鉢松臼　(xxx)
00206	なぐる一銭霜に寒ゆく在色　(xxx)
00207	今日の月宿かる橋にあめ博奕志斗　(xxx)
00208	馬士籠かき秋の雲介一鉄　(xxx)
00209	御上使や勢ひ猛にわたる雁一朝　(xxx)
00210	草木黄みすでに落城執筆　(xxx)
00211	獄門の眼にそそぐ露時雨正友　(xxx)
00212	にせ金ふきし跡のうき雲雪柴　(xxx)
00213	看板に風もうそぶく虎つかひ卜尺　(xxx)
00214	十郎なまめき□□□□□□□ 松意　(xxx)
00215	挙屋入たがひにえいやと引力に在色　(xxx)
00216	成はどおもき恋のもと綱松臼　(xxx)
00217	上り舟やさすが難所の泪川一鉄　(xxx)
00218	さかまく水に死骸たづぬる志斗　(xxx)
00219	すつぽんは波間かき分失にけり雪柴　(xxx)
00220	からさけうとき蓼の葉の露一朝　(xxx)
00221	楽や月花同じ☆☆瓶松臼　(xxx)
00222	世間をよそに春の山風正友　(xxx)
00223	抹香の煙をぬすめ薄霞松意　(xxx)
00224	卒都婆の文字に帰る雁金卜尺　(xxx)
00225	破損舟名こそをしけれ薩摩潟志斗　(xxx)
00226	かくなり果て肩に捧の津在色　(xxx)
00227	玉章に膓を断なま肴一朝　(xxx)
00228	ああ鳶ならば君がかたにぞ一鉄　(xxx)
00229	すて詞こはよせじとの縄ばりか正友　(xxx)
00230	おもひは色に出し葉たばこ雪柴　(xxx)
00231	若後家や油ひかずの髪の露卜尺　(xxx)
00232	おれうのしめしすむ胸の月松臼　(xxx)
00233	鹿の角きのふは今日のびんざさら在色　(xxx)
00234	をどりはありやありや山のおくにも松意　(xxx)
00235	今ぞ引宮木にみねの松丸太一鉄　(xxx)
00236	禰宜も算盤三一六ニノ志斗　(xxx)
00237	注連にきるあまりを以帳にとち雪柴　(xxx)
00238	かざりの竹をうぐひすの声一朝　(xxx)
00239	袴腰山もかすみて門の前松臼　(xxx)
00240	八丁鉦もさえかへるそら正友　(xxx)
00241	莚なら一枚敷ほど雪消て松意　(xxx)
00242	飼付による雉子鳴也卜尺　(xxx)
00243	山城の岩田の小野の地侍志斗　(xxx)
00244	そうがう額尾花波よる在色　(xxx)
00245	夕間暮なく虫薬虫ぐすり一朝　(xxx)
00246	あれ有明のののさまを見よ一鉄　(xxx)
00247	山颪の風うちまねくぬり団正友　(xxx)
00248	麓のまつりねるしやうぎ持チ雪柴　(xxx)
00249	神木の余花は袂に色をかし卜尺　(xxx)
00250	垢離かく水の影をにごすな松臼　(xxx)
00251	うごきなき岩井に立る売僧坊在色　(xxx)
00252	無辺なりけり山のむら雲松意　(xxx)
00253	一流の寸鑓の先や時雨るらん一鉄　(xxx)
00254	分捕高名冬陣にこそ志斗　(xxx)
00255	焼あとに残る松さへさびしくて雪柴　(xxx)
00256	三昧原に夕あらしふく一朝　(xxx)
00257	千日をむすぷ庵の露ふかし松臼　(xxx)
00258	邪見の心に月はいたらじ正友　(xxx)
00259	長き夜も口説其間に明はなれ松意　(xxx)
00260	なみだの末は目やにとぞなる卜尺　(xxx)
00261	記念とはおもはぬ物をふくさもの志斗　(xxx)
00262	あらためざるは父の印判在色　(xxx)
00263	借金や長柄の橋もつくる也一朝　(xxx)
00264	しまつらしきを何にたとへん一鉄　(xxx)
00265	初娵は飯がい取てわたくしなし正友　(xxx)
00266	家子が中言うらみなるべし雪柴　(xxx)
00267	返事神ぞ神ぞとかく斗卜尺　(xxx)
00268	あはれふかまを待し俤松臼　(xxx)
00269	友だちのかはらでつもる物語在色　(xxx)
00270	十万億の後世のみちすぢ松意　(xxx)
00271	珠数袋こしをさる事すべからず一鉄　(xxx)
00272	隠居の齢ひ山の端の雲志斗　(xxx)
00273	御病者は三室の奥の下屋敷雪柴　(xxx)
00274	ただ好色にめづる月影一朝　(xxx)
00275	虫の声かるるも同しぬめりぶし松臼　(xxx)
00276	釜中になきし黒豆の露正友　(xxx)
00277	あをによし奈良茶に花の香をとめて松意　(xxx)
00278	一座の執筆鳥のさへづり卜尺　(xxx)
00279	遠近の春風まねく勢揃志斗　(xxx)
00280	山もかすみてたつ番がはり在色　(xxx)
00281	大伽欄雲に隔たる朝朗一朝　(xxx)
00282	つとめの鐘に仏法僧なく一鉄　(xxx)
00283	煩悩の夢はやぶれし古衾正友　(xxx)
00284	小部屋の別れをしむ妻蔵雪柴　(xxx)
00285	玉ぶちの笠につらぬく泪しれ卜尺　(xxx)
00286	かたじけなさの恋につらるる松臼　(xxx)
00287	かはらじと君が詞のやき鼠在色　(xxx)
00288	鶉ごろものしきせ何ぞも松意　(xxx)
00289	見世守り床の山風夜寒にて一鉄　(xxx)
00290	秤のさらにあふみ路の月志斗　(xxx)
00291	合薬や松原さして匂ふらん雪柴　(xxx)
00292	真砂長じて石火矢の音一朝　(xxx)
00293	敵味方海山一度にどつさくさ松臼　(xxx)
00294	浄瑠璃芝居須磨の浦風正友　(xxx)
00295	巾着や三とせは爰にすりからし松意　(xxx)
00296	傾城あがり新まくらする在色　(xxx)
00297	伊達衣今は小夜ぎの袖はえて志斗　(xxx)
00298	旅のり物に眠る老らく卜尺　(xxx)
00299	道の記やちりかひくもる四方の花一朝　(xxx)
00300	あふのく山の春雨のそら一鉄　(xxx)

江戸談林十百韻　第四［ほととぎす：在色］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00301	郭公来べき宵也頭痛持野口氏・在色　(xxx)
00302	高まくらにて夏山の月松意　(xxx)
00303	涼風や一句のよせい吟ずらん正友　(xxx)
00304	旅乗物のゆくすゑの空松臼　(xxx)
00305	うき雲や烟をかづくたばこ盆志斗　(xxx)
00306	時雨をまぜて亭に手たたく雪柴　(xxx)
00307	欄干もあらしにうごく大笑一鉄　(xxx)
00308	酒酔おくるあとのしら波一朝　(xxx)
00309	蜑人の喉やかわきてぬれ衣卜尺　(xxx)
00310	かの海底の玉のあせかく執筆車
00311	さらさらともみにもうでぞ一いのり松意　(xxx)
00312	くだけて思ふ散銭なげさい在色　(xxx)
00313	まつ宵の更行かるた大明神松臼　(xxx)
00314	泪畳の塵にまじはる正友　(xxx)
00315	腹切はあしたの露と消にけり雪柴　(xxx)
00316	軍散じて野辺のうら枯志斗　(xxx)
00317	虫の髭人もかくこそ有べけれ一朝　(xxx)
00318	目がねにうつる夕月の影一鉄　(xxx)
00319	唐船は遠の嶋山乗すてて在色　(xxx)
00320	何万斤のいとによる波卜尺　(xxx)
00321	見あぐればああ千斤たり花の滝志斗　(xxx)
00322	孤雲の外に鳥はさへづる松意　(xxx)
00323	打かすむ山ふかうして谷の庵正友　(xxx)
00324	わらびよぢ折る苔の衣手松臼　(xxx)
00325	これも又王土をめぐる鉢ひらき一鉄　(xxx)
00326	慈悲はこころの鬼をほろぽす雪柴　(xxx)
00327	わつさりと一たび咄せなう女郎卜尺　(xxx)
00328	うき名は何のそれからそれ迄一朝　(xxx)
00329	御仕置ややぶれかぶれの衆道事松意　(xxx)
00330	家老をはじめすでに付ざし在色　(xxx)
00331	城の内あすをかぎりの八九人松臼　(xxx)
00332	しまひ普請のから堀の月志斗　(xxx)
00333	金山の秋をしらする雁鳴て雪柴　(xxx)
00334	訴訟のことは菊の花咲正友　(xxx)
00335	我宿の組中名ぬし罷出一朝　(xxx)
00336	売渡し申軒の下風一鉄　(xxx)
00337	一此ざうりわらんぢ雨過て在色　(xxx)
00338	死骸をおくる山ほととぎす卜尺　(xxx)
00339	奥の院花たちばなや匂ふらん志斗　(xxx)
00340	むかしは誰がたてし常灯松意　(xxx)
00341	舟入も広きめぐみの守護代リ正友　(xxx)
00342	四面にさうかの歌うたつてくる松臼　(xxx)
00343	銭さしに泪つらぬく夜の空一鉄　(xxx)
00344	念仏講も欠てゆく月雪柴　(xxx)
00345	相店の人の世中すゑの露卜尺　(xxx)
00346	分散何何なく虫の声一朝　(xxx)
00347	舟板のわれからくぐるあかの道松意　(xxx)
00348	あらがねの土うがつ穴蔵在色　(xxx)
00349	久堅の天目花生瀬戸物屋松臼　(xxx)
00350	目利はいかが見る庭の梅志斗　(xxx)
00351	出替りや大宮人の御座直し雪柴　(xxx)
00352	けはひけづりてけふもくらしつ正友　(xxx)
00353	俤やきり狂言にをしむらん一朝　(xxx)
00354	半畳敷ても命さまなら一鉄　(xxx)
00355	護摩の壇思ひの烟よこをれて在色　(xxx)
00356	ししつと笑ひさる狐つき卜尺　(xxx)
00357	鮗や舟ばたをたたいて取上たり志斗　(xxx)
00358	源平たがひにたうがらし味噌松意　(xxx)
00359	さもしやなかたがたは皆やつこ風正友　(xxx)
00360	金にはめでじ恋はいきごみ松臼　(xxx)
00361	労療の声にひかれて樽をいだき一鉄　(xxx)
00362	内二階より伽羅の追風雪柴　(xxx)
00363	ことさやぐ唐人宿の月を見て卜尺　(xxx)
00364	長き夜食のにはとりぞなく一朝　(xxx)
00365	下冷や衣かたしく骨うづき松意　(xxx)
00366	打たふされし道芝の露在色　(xxx)
00367	追からし昨日はむかし馬捨場松臼　(xxx)
00368	志賀のみやこにたかる青蝿志斗　(xxx)
00369	から崎の松がね枕昼ね坊雪柴　(xxx)
00370	朽たる木をもえる丸太舟正友　(xxx)
00371	石台や水縁にしてあきらか也一朝　(xxx)
00372	二十五間の物ほしの月一鉄　(xxx)
00373	秋の空西にむかへば角屋敷在色　(xxx)
00374	両替見世のすゑの雲霧卜尺　(xxx)
00375	袋もと峯立ならす鹿の皮志斗　(xxx)
00376	山の奥より風の三郎松意　(xxx)
00377	神鳴の太鞁の音に花散て正友　(xxx)
00378	罪業ふかき野辺のうぐひす雪柴　(xxx)
00379	雪汁のながれの女と成にけり一鉄　(xxx)
00380	袖に筏のさわぐそらなき松臼　(xxx)
00381	毒がひやむなしぎ跡の事とはん卜尺　(xxx)
00382	うはのが原にあはれ里人一朝　(xxx)
00383	これやこの鷹場の役に幾十度松意曲　(xxx)
00384	黒羽織きてたななし小舟在色　(xxx)
00385	津国の難波堀江のはやり医者雪柴　(xxx)
00386	玄関がまへみゆるあしぶき志斗　(xxx)
00387	さび鑓や門田を守る気色なり松臼　(xxx)
00388	一犬ほゆる佐野の夕月正友　(xxx)
00389	こもかぶり露打はらふかげもなし一朝　(xxx)
00390	疵に色なる草まくらして一鉄　(xxx)
00391	追剥や此辻堂のにし東在色　(xxx)
00392	弓手に高札め手に落書卜尺　(xxx)
00393	下馬先に御かご童僕みちみちたり志斗　(xxx)
00394	遠所の社花の最中松意　(xxx)
00395	ゆふしでやあらしも白し米桜正友　(xxx)
00396	雀は巣をぞかけ奉る雪柴　(xxx)
00397	やぶれては紙くづとなる歌枕一鉄　(xxx)
00398	ねり土にさへ伝受ありとや松臼　(xxx)
00399	見ひらくやさとりの眼大仏卜尺　(xxx)
00400	三千世界芝の海づら一朝　(xxx)

江戸談林十百韻　第五［くつろぐや：卜尺］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00401	くつろぐや凡天下の下涼み小沢氏・卜尺　(xxx)
00402	民のかまどはあふぎ一本松臼　(xxx)
00403	はやりぶし感ぜぬ者やなかるらん一朝　(xxx)
00404	乗かけつづくあけぽのの空在色　(xxx)
00405	遠山の雲や烟のきせる筒雪柴　(xxx)
00406	杣がうちわる峯の松風一鉄　(xxx)
00407	岩がねやかたぶく月に手木枕志斗　(xxx)
00408	そこなる清水橋台の露松意　(xxx)
00409	芋籠の下くぐり行ささら浪正友　(xxx)
00410	平鍋ひとつ志賀のから崎執筆　(xxx)
00411	火かぶるや大宮人の台所松臼　(xxx)
00412	神鳴とんとみまくはしさよ卜尺　(xxx)
00413	何と何と法性坊の腰の骨在色　(xxx)
00414	比叡の山よりやいとの烟一朝　(xxx)
00415	吹をろす杉の嵐の味噌くさい一鉄　(xxx)
00416	雑水腹にきくほととぎす雪柴　(xxx)
00417	村雨の空さだめなきつかへもち松意　(xxx)
00418	こはひ夢見し露の世の中志斗　(xxx)
00419	たまいたる女の念力月ふけて卜尺　(xxx)
00420	挙銭のかねうごく秋風正友　(xxx)
00421	ロ舌には花も紅葉もなかりけり一朝　(xxx)
00422	のきさりの身は谷の埋木松臼　(xxx)
00423	すごすごとかたげて過るつづら折雪柴　(xxx)
00424	やけ出されたるあとのうき雲在色　(xxx)
00425	落城や朝あらしとぞなりにける志斗　(xxx)
00426	はや馬はいはい松の下道一鉄　(xxx)
00427	此浦に今とりどりの生肴正友　(xxx)
00428	酢樽にさはぐ沖津しら波松意　(xxx)
00429	半切や入日をあらふそめ物屋松臼　(xxx)
00430	上京下京しぐれふり行卜尺　(xxx)
00431	ひかれ者木の葉表を高手小手在色　(xxx)
00432	神農のすゑ似せくすりうり一朝　(xxx)
00433	なで付の額を見ればこぶ二つ一鉄　(xxx)
00434	鬼が島よりやはら一流雪柴　(xxx)
00435	辻喧嘩度度に鎮西八郎兵衛松意　(xxx)
00436	公儀の御たづね二千里の月志斗　(xxx)
00437	廻状に初雁金のあととめて卜尺　(xxx)
00438	明後夕かた雲霧のそら正友　(xxx)
00439	引入は山の腰もとがつてんか一朝　(xxx)
00440	泪の滝の水くらはせう松臼　(xxx)
00441	待ぶせやおもひの淵へ後から雪柴　(xxx)
00442	いかに前髪比興さばくな在色　(xxx)
00443	御恩賞今つづまりて九寸五分志斗　(xxx)
00444	隠居このかた十徳の袖一鉄　(xxx)
00445	貝がらの内をたのしむ名膏あり正友　(xxx)
00446	蒔絵に見ゆる棚先の月松意　(xxx)
00447	町人の奢をなげく虫の声松臼　(xxx)
00448	庄屋九代のすへの露霜卜尺　(xxx)
00449	花の木や抑これはさかい杭在色　(xxx)
00450	国まはりする春の山風一朝　(xxx)
00451	鴬や小首をひねる歌まくら一鉄　(xxx)
00452	かうしてどうして雪のむら消雪柴　(xxx)
00453	むかふからうつてかからば飛火野に松意　(xxx)
00454	羽買の山の天狗そこのけ志斗　(xxx)
00455	八重の雲見通すやうな占算卜尺　(xxx)
00456	乙女が縁組しばしとどめん正友　(xxx)
00457	色好みしかも漁父にて大上戸在色　(xxx)
00458	よだれをながすなみだ幾度松臼　(xxx)
00459	肉食に牛も命やおしからん一朝　(xxx)
00460	はるかあつちの人の世中一鉄　(xxx)
00461	祖父と姥同じ台の念仏請雪柴　(xxx)
00462	つらぬく銭の高砂の松松意　(xxx)
00463	秋の月外山を出て官一つ志斗　(xxx)
00464	狐飛こすあとの夕露卜尺　(xxx)
00465	かうばしう爰に何やら野べの色正友　(xxx)
00466	柴の折戸にすりこぎの音在色　(xxx)
00467	去間ひとり坊主の朝ぼらけ松臼　(xxx)
00468	いやいや舟にはあとのしら波一朝　(xxx)
00469	革袋たしか桑名の泊まで一鉄　(xxx)
00470	古かねを買ふなみ松の声雪柴　(xxx)
00471	焼亡は片山里にきのふの雲松意　(xxx)
00472	☆にくみこむ滝の水上志斗　(xxx)
00473	そげ者はやせ馬引て帰る也卜尺　(xxx)
00474	談合やぶる佐野の秋風正友　(xxx)
00475	ぬすまれぬかねこそひびけ月の下在色　(xxx)
00476	目ざとく見えてうつから衣松臼　(xxx)
00477	花は根に夫はいまだ旅の空雪柴　(xxx)
00478	思ひは石のつばくらのこゑ一鉄　(xxx)
00479	春雨やなみだ等分手水鉢一朝　(xxx)
00480	一儀何とぞ神ならば神松意　(xxx)
00481	敵めを御鬮にまかせてくれう物志斗　(xxx)
00482	かけたてまつる四尺八寸卜尺　(xxx)
00483	看板はいづれ眼のつけどころ正友　(xxx)
00484	用の事どもおこたるべからず在色　(xxx)
00485	置頭市分別くさくまかり出松臼　(xxx)
00486	しもく杖にて馬場乗を見る雪柴　(xxx)
00487	朝まだきうら門ひらく下屋敷一鉄　(xxx)
00488	露と命はいづれ縄付一朝　(xxx)
00489	観音の首より先に月おちて松意　(xxx)
00490	奉加すすむる荻の上風志斗　(xxx)
00491	衣手か耳にはさみし筆津虫卜尺　(xxx)
00492	名所旧跡とをざかりゆく正友　(xxx)
00493	帆柱や八合もつてはしり舟在色　(xxx)
00494	すばる満時沖の汐さい松臼　(xxx)
00495	久堅の天地同根網の魚雪柴　(xxx)
00496	七歩のうちにたつ鰯雲一鉄　(xxx)
00497	捧手ふりそのままそこに卒中風一朝　(xxx)
00498	家主所謂大法四あり松意　(xxx)
00499	一町の公事あひ半花散て志斗　(xxx)
00500	証拠正しきうぐひすの声正友　(xxx)

江戸談林十百韻　第六［かみゆひや：一朝］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00501	髪ゆひや鶏啼て櫛の露一朝：豊島氏　(xxx)
00502	ロすすぎする手盤の月志斗　(xxx)
00503	秋の夜の千夜を一夜の大酒に卜尺　(xxx)
00504	詞のこりて意趣となりけん雪柴　(xxx)
00505	馬士は二疋があひにだうと落在色　(xxx)
00506	そこのきたまへみだけ銭あり松臼　(xxx)
00507	追出しの芝ゐ過行夕嵐正友　(xxx)
00508	茶弁当よりうき雲の空松意　(xxx)
00509	小坊主の袖なし羽織旅衣一鉄　(xxx)
00510	川御座下すあとのしら波執筆　(xxx)
00511	夕涼み淀のわたりの蔵屋敷志斗　(xxx)
00512	いで来し手かけと月を見る也一朝　(xxx)
00513	大分のかねごとの末雁の声雪柴　(xxx)
00514	勘当帳に四方の秋風卜尺　(xxx)
00515	町中を以碪の小袖ごひ松臼　(xxx)
00516	十市の里の愚僧也けり在色　(xxx)
00517	眼玉暮槃にさらして年久し松意　(xxx)
00518	どつとお声をたのむ蜘舞正友　(xxx)
00519	且那方まさるめでたき猿廻し一朝　(xxx)
00520	常風呂立て湯女いとまなし一鉄　(xxx)
00521	伽羅の香に心ときめく花衣在色　(xxx)
00522	出合の余情春の夜の夢志斗　(xxx)
00523	打果す野辺はあしたの雪消て卜尺　(xxx)
00524	御公儀沙汰のうぐひすの声雪柴　(xxx)
00525	谷の戸に拝借米やわたるらん正友　(xxx)
00526	二度家をうつす金山松臼　(xxx)
00527	傾城は錦を断て恋ごろも一鉄　(xxx)
00528	然ば古歌を今ぬめりぶし松意　(xxx)
00529	鬼神もころりとさせん付ざしに志斗　(xxx)
00530	あるひは巌をまくら問答一朝　(xxx)
00531	山道や末口ものの手木つかひ雪柴　(xxx)
00532	たばこのけぶりみねのしら雲在色　(xxx)
00533	籠鳥の羽虫をはらふ松の風正友　(xxx)
00534	月は軒端にのこる朝起卜尺　(xxx)
00535	露霜の其色こぽす豆腐箱松臼　(xxx)
00536	小鹿の角のさいの重六一鉄　(xxx)
00537	汐ふきし鯨油火かき立て松意　(xxx)
00538	浦の苫屋にすむ番太郎志斗　(xxx)
00539	辻喧嘩佗とこたへてまかり出一朝　(xxx)
00540	博奕の法ただすべら也雪柴　(xxx)
00541	見台に子曰くりかへし在色　(xxx)
00542	裏座敷なる窓の月影正友　(xxx)
00543	かこひ者心やすます秋の暮卜尺　(xxx)
00544	親ぢりさくればうき袖の露松臼　(xxx)
00545	かの町へかよひ路の橋取はなし一鉄　(xxx)
00546	ばつと川波苫に名の立松意　(xxx)
00547	かがり焼一寸先や胸の月志斗　(xxx)
00548	さらされ者にうしろゆびさす一朝　(xxx)
00549	かたわなる捨子の命花散て雪柴　(xxx)
00550	首の木札に東風かせぞふく在色　(xxx)
00551	組討の手柄を見せて帰る鳥正友　(xxx)
00552	春の海辺ににはか道心卜尺　(xxx)
00553	念仏は破る舟板の名残にて松臼　(xxx)
00554	法水たたゆる波のしがらみ一鉄　(xxx)
00555	叡山の嵐を分る夕月夜松意　(xxx)
00556	児の心中色かへぬ杉志斗　(xxx)
00557	しらせばや破籠のかい敷露泪一朝　(xxx)
00558	硯懐紙は手向也けり雪柴　(xxx)
00559	御前のぬさ取あげてふし拝み在色　(xxx)
00560	既にあがらせたまふ神詫正友　(xxx)
00561	武士のかうべをてらす星甲卜尺　(xxx)
00562	霰たばしる菊水の幕松臼　(xxx)
00563	風寒て吹上にかかる屋形舟一鉄　(xxx)
00564	小歌三味線田鶴鳴わたる松意　(xxx)
00565	妹にこひ松原越て一をどり志斗　(xxx)
00566	ほゝへさし込文月の影一朝　(xxx)
00567	後朝の露をなでたる鬢鏡雪柴　(xxx)
00568	挙屋の手水かけまくもおし在色　(xxx)
00569	心ざし起請の面にたつた今正友　(xxx)
00570	五人の子ども田地あらそひ卜尺　(xxx)
00571	草分の名主も終は老にほれて松臼　(xxx)
00572	御伝馬役に駑馬をさす也一鉄　(xxx)
00573	旗の文かく行とかかれたり松意　(xxx)
00574	木の下かげにおくるゑきれい志斗　(xxx)
00575	山伏や清水を垢離にむすぶらん一朝　(xxx)
00576	そこなる岩を火打つけ竹雪柴　(xxx)
00577	さかむかへ関をへだてて花莚卜尺　(xxx)
00578	家中の面面雲霞のごとし正友　(xxx)
00579	軍ぶれ忽きほふ春の風在色　(xxx)
00580	天狗といつぱ鳥のさへづり一朝　(xxx)
00581	朝戸明て看板てらす日の烏一鉄　(xxx)
00582	膏薬かざる森の下町松意　(xxx)
00583	飛神や爰に時雨の雲晴て正友　(xxx)
00584	謹上再拝あり明の月松臼　(xxx)
00585	見わたせば山河草木紅也雪柴　(xxx)
00586	坐にあひすあき樽の露卜尺　(xxx)
00587	紙くずに泪まじりの文一つ一朝　(xxx)
00588	思ひにやけてはたく石灰在色　(xxx)
00589	あはでのみ女郎は鰹の棚ざらし松臼　(xxx)
00590	人音まれに鎌倉海道一鉄　(xxx)
00591	草庵はちかきうしろの山の内松意　(xxx)
00592	岩井の水にかしぐ斎米志斗　(xxx)
00593	すりこぎの松のひびきに如是我聞卜尺　(xxx)
00594	たたけばさとるせんだく衣雪柴　(xxx)
00595	おもはくか故人なからん旅の空在色　(xxx)
00596	一盃つくすひとりねの床松意　(xxx)
00597	恋佗ておもきまくらの薬鍋一鉄　(xxx)
00598	うき中言の返事をうらむ松臼　(xxx)
00599	咲花のあるじをとへば又留主じや志斗　(xxx)
00600	すましかねたる金衣鳥なく正友　(xxx)

江戸談林十百韻　第七［みねたかし：志斗］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00601	峯高し上上めどをり松の月中村氏・志斗　(xxx)
00602	揚て無類な岩の下露一鉄　(xxx)
00603	礒清水喉に秋もやくぐるらん松臼　(xxx)
00604	葛の粉ちらす浜荻のこゑ正友　(xxx)
00605	海士の子がせんだく衣はり立て雪柴　(xxx)
00606	旅の幸便さだめかねつる一朝　(xxx)
00607	取あへず一筆令啓達候卜尺　(xxx)
00608	出来合料理御こころやすく在色　(xxx)
00609	居つづけに是非と挙屋の内二階松意　(xxx)
00610	誓紙その外申事あり執筆　(xxx)
00611	足利の何左衛門か役がはり一鉄　(xxx)
00612	御蔵にこれほど残ルそめ絹志斗　(xxx)
00613	入札は他の国より通ひ来て正友　(xxx)
00614	一座をもれて伽羅の香ぞする松臼　(xxx)
00615	酒盛はともあれ野郎の袖枕一朝　(xxx)
00616	思ひみだるるその薩摩ぶし雪柴　(xxx)
00617	立わかれ沖の小島の屋形舟在色　(xxx)
00618	花火の行衛波のよるみゆ卜尺　(xxx)
00619	いさや子ら試楽を照す秋の月志斗　(xxx)
00620	神慮にかなふ鈴虫の声松意　(xxx)
00621	金ひろふ鳴海の野辺のぬけ参松臼　(xxx)
00622	草のまくらに今朝のむだ夢一鉄　(xxx)
00623	ばかばかと一樹の陰の出合宿雪柴　(xxx)
00624	他生の縁の博奕うちども正友　(xxx)
00625	公儀沙汰かりそめながら是とても卜尺　(xxx)
00626	覚書見て行使番一朝　(xxx)
00627	門外にかし馬引よせゆらりと乗松意　(xxx)
00628	まはれば三里朝熊の山在色　(xxx)
00629	曇なき鏡の宮の境杭一鉄　(xxx)
00630	訴状をかづくむくつけ男志斗　(xxx)
00631	御白洲へ御息所やめされけん正友　(xxx)
00632	題は今宵の月にまつ恋松臼　(xxx)
00633	なく泪持と定むべし雁の声一朝　(xxx)
00634	胸よりおこす霧雲のそら雪柴　(xxx)
00635	大龍やひさげの水をあけつらん在色　(xxx)
00636	文学この時うがひせらるる卜尺　(xxx)
00637	二日酔高雄の山の朝ぼらけ志斗　(xxx)
00638	別にやせてとぎすとぞなく松意　(xxx)
00639	思ひの火四花息門にさればこそ一鉄　(xxx)
00640	終にかへほす人間の水正友　(xxx)
00641	世の中はごみに交る雑喉なれや松臼　(xxx)
00642	宮もわら屋もたてる味噌汁一朝　(xxx)
00643	子取ばばとり上見れば盲目也雪柴　(xxx)
00644	右や左に隠蜜の事在色　(xxx)
00645	くどきよる中は十六斗にて卜尺　(xxx)
00646	むずとくみふせ頼ずりをする志斗　(xxx)
00647	色好みあつばれそなたは日本一松意　(xxx)
00648	蛍をあつめ千話文をかく一鉄　(xxx)
00649	月はまだお町の涼み花莚正友　(xxx)
00650	名主を爰友にまねく瓜鉢松臼　(xxx)
00651	府中より武蔵野分て籠見廻一朝　(xxx)
00652	むかひの岡の公事の頭取り雪柴　(xxx)
00653	伐たふす松のいはれをながながと在色　(xxx)
00654	尉と姥とが臼のきね歌卜尺　(xxx)
00655	むかしさつと隣の娵の名を立て志斗　(xxx)
00656	なすび畠の味な事見た松意　(xxx)
00657	夕皃をしかとにぎれば五六寸一鉄　(xxx)
00658	うすばの疵に肝がつぶるる正友　(xxx)
00659	常常が麁相也けり納所坊松臼　(xxx)
00660	若衆のふくれもつとも至極一朝　(xxx)
00661	付ざしの酒にのまれて是は扨雪柴　(xxx)
00662	巾着ふるふ後朝の鐘在色　(xxx)
00663	女房に見付られたる月の影卜尺　(xxx)
00664	はらはんとせしもとゆひの露志斗　(xxx)
00665	そちがいさめいかにも聞えた虫の声松意　(xxx)
00666	野辺のうら枯後世をおどろく一鉄　(xxx)
00667	見わたせば千日寺の松の風正友　(xxx)
00668	常香のけぶりみねのうき雲松臼　(xxx)
00669	人中をはなれきつたる隠居住一朝　(xxx)
00670	岩井の流茶釜をあらふ雪柴　(xxx)
00671	二三枚木の下たよる苔莚在色　(xxx)
00672	眠をさます蝉のせつきやう卜尺　(xxx)
00673	夕立のあとや涼しき与七郎志斗　(xxx)
00674	箒木の先のみじか夜の月松意　(xxx)
00675	出来星は雲のいづこにきえつらん一鉄　(xxx)
00676	空さだめなき年代記也正友　(xxx)
00677	風わたるからくり芝ゐ花ちりて松臼　(xxx)
00678	所望か所望かうぐひすの声一朝　(xxx)
00679	手本紙おそらく残ンの雪の色雪柴　(xxx)
00680	がつそうあたま春風ぞふく在色　(xxx)
00681	青柳の糸もてまはる鎌つかひ卜尺　(xxx)
00682	葛城山の草をたばぬる志斗　(xxx)
00683	岩橋の夜のちぎりに蚊をいぶし松意　(xxx)
00684	枕に汗のかかる美目わる一鉄　(xxx)
00685	恋風や敗毒散にさめつらん正友　(xxx)
00686	なみだは袖に一ぱい半分松臼　(xxx)
00687	夕まぐれ貧女がともす油皿一朝　(xxx)
00688	夜なべに籠をつくる裏店雪柴　(xxx)
00689	雪隠のあたりにすだく蛬在色　(xxx)
00690	りつぱに見ゆる萩垣の露卜尺　(xxx)
00691	はき掃除尻からげして今朝の月志斗　(xxx)
00692	住持の数寄の山ほととぎす松意　(xxx)
00693	橘の喜内と中小性衆一鉄　(xxx)
00694	きのふはたれか軒の宿札正友　(xxx)
00695	洪水の流てはやき大井川松臼　(xxx)
00696	嵯峨丸太にて丸にたふるる一朝　(xxx)
00697	ぬかり道足にまかせて行ほどに雪柴　(xxx)
00698	作☆生かこれ畳の古床在色　(xxx)
00699	山寺を仕まふ大八花車卜尺　(xxx)
00700	鳶ロ帰る春の夕暮松意　(xxx)

江戸談林十百韻　第八［よもあけば：正友］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00701	夜も明ばけんぺきうたんから衣遠藤氏・正友　(xxx)
00702	ちりけもとより秋風ぞ吹松臼　(xxx)
00703	化もののすむ野の薄穂に出て一朝　(xxx)
00704	毛のはへた手のきりぎりす鳴松意　(xxx)
00705	大力ふけゆく月の枕引一鉄　(xxx)
00706	ゑいやゑいやに又かねのこゑ卜尺　(xxx)
00707	雲かかる尾上をさして何千余騎在色　(xxx)
00708	仮名実名山ほととぎす志斗　(xxx)
00709	お尋を草の庵の帳に見て雪柴　(xxx)
00710	奉加の金は太儀千万執筆　(xxx)
00711	わる狂ひさとれば同じ此世界松臼　(xxx)
00712	女房どもをとをくさる事正友　(xxx)
00713	手負かと立より見るに股をつき松意　(xxx)
00714	恋の重荷の青駄也けり一朝　(xxx)
00715	旅衣思ひの山をそろりそろり卜尺　(xxx)
00716	一首の趣向うき雲の空一鉄　(xxx)
00717	初雁は余情かぎりに羽をたたき志斗　(xxx)
00718	大まな板にのする月影在色　(xxx)
00719	水桶に秋こそかよへ御本陣正友　(xxx)
00720	いかに面面火用心火用心雪柴　(xxx)
00721	此所けしからずふく花に風一鉄　(xxx)
00722	そりやこそ見たか蛇柳の陰松臼　(xxx)
00723	消やらで罪科ふかき雪女一朝　(xxx)
00724	悋気つもつて山のしら雲松意　(xxx)
00725	通ひ路は遠き龍田の奥座敷在色　(xxx)
00726	けふも蜜談さほ鹿の声卜尺　(xxx)
00727	あの人にやらふやるまひ姫萩を雪柴　(xxx)
00728	何百石の秋の野の月志斗　(xxx)
00729	詠むれば道具一すぢ露分て松臼　(xxx)
00730	はり付柱まつ風の音正友　(xxx)
00731	江戸はづれ磯に波立むら烏松意　(xxx)
00732	御殿山より明ぽのの空一鉄　(xxx)
00733	木枕に掃除坊主の夢を残し卜尺　(xxx)
00734	小性の帰るあとのおもかげ一朝　(xxx)
00735	下帯の伽羅の烟を命にて志斗　(xxx)
00736	ちやかほこの声絶し揚り場在色　(xxx)
00737	水道や水の水上崩るらん正友　(xxx)
00738	立付あをる川おろしの風雪柴　(xxx)
00739	一駄荷の下知して曰ク舟に乗一鉄　(xxx)
00740	東国方より出し商人松臼　(xxx)
00741	わらんべをかどはさばやと存じ候一朝　(xxx)
00742	みだれたる世はただ風車卜尺　(xxx)
00743	其比は寿永の秋の影灯籠在色　(xxx)
00744	法然已後の衣手の月松意　(xxx)
00745	見渡ば霊岸島の霧晴て雪柴　(xxx)
00746	三俣をゆくふねをしぞ思ふ志斗　(xxx)
00747	全盛を何にたとへん夕涼み松臼　(xxx)
00748	中に名とりの大夫染きて正友　(xxx)
00749	かたばちに花をさかせてぬめりぶし卜尺　(xxx)
00750	入日をまねく酒旗の春風一鉄　(xxx)
00751	燕や水村はるかに渡るらん松意　(xxx)
00752	川浪たたく出シの捨石一朝　(xxx)
00753	人柱妙の一字にとどまりて志斗　(xxx)
00754	まじなひの秘事物いはじとぞ在色　(xxx)
00755	桃李今枝もたははにぶらさがり正友　(xxx)
00756	猿手をのばす谷川の月雪柴　(xxx)
00757	杣人にたかる虱の声もなし一鉄　(xxx)
00758	やまひの床の縄帯の露松臼　(xxx)
00759	鍋底にねるやねり湯の割の粥一朝　(xxx)
00760	せつかい持て行は誰が子ぞ卜尺　(xxx)
00761	さび長刀木の丸殿に何事か在色　(xxx)
00762	やせたれど馬立し神垣松意　(xxx)
00763	散銭は障子のあなたにからりとす雪柴　(xxx)
00764	談義の場へすでに禅尼の志斗　(xxx)
00765	ねがはくはかの西方へ鐘木杖松臼　(xxx)
00766	世は山がらの一飛の夢正友　(xxx)
00767	露むすぶ柿ふんどしもわかい時卜尺　(xxx)
00768	相撲におゐては信濃のたて石一鉄　(xxx)
00769	風越山爰なる木の根に月落て松意　(xxx)
00770	雲は麓にかよふ斧音一朝　(xxx)
00771	すは夜盗野寺の門に朝朗志斗　(xxx)
00772	日比ためたる金仏あり在色　(xxx)
00773	古郷へは錦のまもり肌に付て正友　(xxx)
00774	田園将に安堵の御判雪柴　(xxx)
00775	境杭子子孫孫に至まで一鉄　(xxx)
00776	舟着見する松の大木松臼　(xxx)
00777	志賀の山花待得たる旅行の暮在色　(xxx)
00778	京都のかすみのこる吸筒卜尺　(xxx)
00779	重の内みなれぬ鳥に雉子の声一朝　(xxx)
00780	焼野の見廻いはれぬ事を松意　(xxx)
00781	塗垂に妻もこもりて恙なし雪柴　(xxx)
00782	三年味噌の色ふかき中志斗　(xxx)
00783	この程のかたみの瘡気おし灸松臼　(xxx)
00784	それ者を立し末の松山正友　(xxx)
00785	仕出しては浪にはなるる舟問屋卜尺　(xxx)
00786	秤の棹に見る鴎尻一鉄　(xxx)
00787	白鷺の香を濃に割くだき松意　(xxx)
00788	釜の湯たぎる雪の明ぼの在色　(xxx)
00789	神詫に松の嵐もたゆむ也志斗　(xxx)
00790	岩根にじつと伊勢の三郎一朝　(xxx)
00791	夕月夜二見が浦の鮑とり正友　(xxx)
00792	波も色なる蛤の露雪柴　(xxx)
00793	状箱のかざしにさせる萩が花一鉄　(xxx)
00794	ようこそきたれ荻の上風松臼　(xxx)
00795	夕暮の空さだめなき約束に在色　(xxx)
00796	日もかさなりてはらむと云か卜尺　(xxx)
00797	そちに是を旅宿の名残小脇指一朝　(xxx)
00798	落られまいぞ尋常に死ね松意　(xxx)
00799	同じくは花に対して酔たふれ雪柴　(xxx)
00800	麁相に鐘を春の日はまだ志斗　(xxx)

江戸談林十百韻　第九［かはたびの：一鉄］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00801	革足袋のむかしは紅葉踏分たり一鉄：岡瀬氏　(xxx)
00802	尤頭巾の山おろしの風在色　(xxx)
00803	おほへいに峯の白雪めにかけて雪柴　(xxx)
00804	春ゆく水の林木奉行志斗　(xxx)
00805	青柳の岸のはね橋八年ぶり一朝　(xxx)
00806	又落書にかへるかりがね正友　(xxx)
00807	朧夜の月をうしろに負軍松意　(xxx)
00808	ひつぱがれぬるあけぼのの空卜尺　(xxx)
00809	うき世町枕のかねをふきあげて松臼　(xxx)
00810	わすれぬ恋の荷持歩行持執筆　(xxx)
00811	しのぶ山しのぴてかよふ駕籠も哉在色　(xxx)
00812	人のこころのかたき岩茸一鉄　(xxx)
00813	松の葉の露をがてんの隠家に志斗　(xxx)
00814	なる程せばき窓の月影雪柴　(xxx)
00815	ふいごより雲に嵐の音す也正友　(xxx)
00816	あん餅をうるかづらきの山一朝　(xxx)
00817	ふりにける豊等の寺の御開帳卜尺　(xxx)
00818	善の綱うらそよぐ竹の葉松意　(xxx)
00819	灯明やそれより出て飛蛍一鉄　(xxx)
00820	物おもふ身のこもる神前松臼　(xxx)
00821	血の泪扨は並木の花の雨一朝　(xxx)
00822	親はそらにて鳥の巣ばなれ在色　(xxx)
00823	うはばみは霞をのたる山の岫雪柴　(xxx)
00824	鎌おつ取てはしる柴人志斗　(xxx)
00825	野境の言葉たたかひ事おはり松意　(xxx)
00826	平家の方より塚をつく也正友　(xxx)
00827	庚申や九代の末にまつるらん松臼　(xxx)
00828	無間の鐘にには鳥の声一鉄　(xxx)
00829	別ばの思ひや胸の火の車在色　(xxx)
00830	なみだいくたびあげ屋の門を卜尺　(xxx)
00831	またるるはそれか雪踏の音絶て志斗　(xxx)
00832	この文ひとつ犬こころせよ一朝　(xxx)
00833	むば玉の夜ばひも夜討の手立あり正友　(xxx)
00834	富士のすそ野に落すふんどし雪柴　(xxx)
00835	白妙の雪の夕月厄はらひ一鉄　(xxx)
00836	煤をおさむる城の松風松意　(xxx)
00837	から鮭の尾上にちかき台所卜尺　(xxx)
00838	猫のにやぐにやぐいづれ山びこ松臼　(xxx)
00839	杣人やなたの下より悟るらん一朝　(xxx)
00840	苧くずの衣すさの塵の世在色　(xxx)
00841	信濃なる木曽屋が蔵も荒にけり雪柴　(xxx)
00842	押込強盗みやはとがめぬ志斗　(xxx)
00843	小男のさも小ざかしき同心衆松意　(xxx)
00844	消すに火のこのくぐる股ぐら正友　(xxx)
00845	長持を所せくまでかきすへて松臼　(xxx)
00846	此殿様へ浄留り大夫一鉄　(xxx)
00847	女郎客簾中ふかく入給ふ在色　(xxx)
00848	衣引かづきはや新枕卜尺　(xxx)
00849	花も月もなんでもない事恋の道志斗　(xxx)
00850	わづかのなさけ春の夜の夢一朝　(xxx)
00851	やぶ入や世のうき橋を渡るらん正友　(xxx)
00852	三人笑てたたく手みやげ雪柴　(xxx)
00853	たのしみやおはずかさずに子を愛し一鉄　(xxx)
00854	年のきはともしらぬ老鶴松意　(xxx)
00855	鎌倉の将軍以来の松の雪卜尺　(xxx)
00856	東海道にあらし寒ゆく松臼　(xxx)
00857	追出しの鐘に目覚て馬やらふ一朝　(xxx)
00858	人間万事まよふうかれめ在色　(xxx)
00859	方便や今此娑婆に仏御前雪柴　(xxx)
00860	夫おもんみる恋のみなもと志斗　(xxx)
00861	恨ては昼夜をすてね泪川松意　(xxx)
00862	水もたまらずあはれ一太刀正友　(xxx)
00863	真向にさしかざしたる月の色松臼　(xxx)
00864	すすみ出たるはつ雁の声一鉄　(xxx)
00865	秋風の吹につけても食つきて在色　(xxx)
00866	旅なれたりし萩の下露卜尺　(xxx)
00867	行暮て飛脚は野辺の仮枕志斗　(xxx)
00868	何十何里夢のかよひ路一朝　(xxx)
00869	あら海の岸による波泪じやもの正友　(xxx)
00870	誰が邪間入て中の破舟雪柴　(xxx)
00871	うき思ひ問屋次第にともかくも一鉄　(xxx)
00872	今此さとのりんきいさかひ松意　(xxx)
00873	ながむれば烟絶にしかせ所帯卜尺　(xxx)
00874	をきわたしたる質草の露松臼　(xxx)
00875	影てらす三月切にや虫の声一朝　(xxx)
00876	一夏はすでに秋いたる也在色　(xxx)
00877	法の花火江潮の波の夕気色正友　(xxx)
00878	ゆく舟屋かた終は彼岸志斗　(xxx)
00879	かやうとはおもはざりしをながし者雪柴　(xxx)
00880	七月半の喰あはせうき一鉄　(xxx)
00881	申さぬが脈にすすんであだ心松意　(xxx)
00882	朝ゐの床をはづる小娘卜尺　(xxx)
00883	しやなしやなとしししに行けば乱髪松臼　(xxx)
00884	乗物出しあとの追風一朝　(xxx)
00885	腹切やきのふはけふの峯の雲在色　(xxx)
00886	何百年の辻堂の月正友　(xxx)
00887	飛騨の工爰に沙汰してきりぎりす志斗　(xxx)
00888	金岡が筆くさむらの色雪柴　(xxx)
00889	片しぐれ価いくらの松の風一鉄　(xxx)
00890	美濃のお山の宿に夜あした松意　(xxx)
00891	洗足に垂井の水やむすぶらん卜尺　(xxx)
00892	追剥しまふあとの血刀松臼　(xxx)
00893	義盛がゆかりなるべしす牢人一朝　(xxx)
00894	夜日三日のくすりごしらへ在色　(xxx)
00895	水風呂や枯木をたたき焼立たり正友　(xxx)
00896	こぬかみだれて晴天の雨志斗　(xxx)
00897	まつ宵の油こぽるるうき泪雪柴　(xxx)
00898	かかる思ひをねずみひかぬか卜尺　(xxx)
00899	恨ては社の花に五寸釘松意曲　(xxx)
00900	中をかすめてうき天満橋松臼　(xxx)

江戸談林十百韻　第十［ゆきをれや：松意］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00901	雪おれやむかしに帰る笠の骨松意：田代氏　(xxx)
00902	落葉は土にうづむ下駄の歯一朝　(xxx)
00903	はきだめはあたかも軒の山と見て志斗　(xxx)
00904	平太に雲を分る舟入在色　(xxx)
00905	浪風もあたりをはらふ御成先卜尺　(xxx)
00906	すかぬやつめが訴状一通一鉄　(xxx)
00907	新田場人をとまれな今朝の月松臼　(xxx)
00908	小家三つ四つむすぶしら露雪柴　(xxx)
00909	きりぎりす念仏講にこゑそへて正友　(xxx)
00910	煮しめその外萩の花など執筆　(xxx)
00911	はるばると野路の玉川留守見廻一朝　(xxx)
00912	入魂中の勢田の長橋松意　(xxx)
00913	俵一つ御無心申かねのこゑ在色　(xxx)
00914	大雨にはかによその夕暮志斗　(xxx)
00915	ほととぎす万民是を賞翫す一鉄　(xxx)
00916	花柚をここにうける盃卜尺　(xxx)
00917	小刀の峯より月のかげ落て雪柴　(xxx)
00918	品玉とりや夜寒なるらむ松臼　(xxx)
00919	渡る雁そも神変はいさしらず松意　(xxx)
00920	鳥羽田の面の虫のまじなひ正友　(xxx)
00921	庭の花伏見の山をねこぎにて卜尺　(xxx)
00922	霞にむせぶうけ出され者一朝　(xxx)
00923	春やむかし忘れ形見の革つづら志斗　(xxx)
00924	なんだ足袋屋が板敷に落在色　(xxx)
00925	ごみほこりうき名つもりて高崎や松臼　(xxx)
00926	いのる妙喜の山おろしふく一鉄　(xxx)
00927	手あやまち三尺斗もえ揚り雪柴　(xxx)
00928	ゆがみをなはす棒は真二つ松意　(xxx)
00929	人らしき心もたずばもたせうぞ正友　(xxx)
00930	所帯を分てうさもつらさも卜尺　(xxx)
00931	世の中はへんてつ一衣かるい事一朝　(xxx)
00932	あかつきおきの瓢箪の音志斗　(xxx)
00933	小便やしばらく月にほととぎす在色　(xxx)
00934	病目もはるる夏山の雲松臼　(xxx)
00935	涼風や峯ふき送る薬師堂一鉄　(xxx)
00936	かけ奉る虎やうそぶく雪柴　(xxx)
00937	花生はもとこれ竹の林より松意　(xxx)
00938	相客七人はるのあけぽの正友　(xxx)
00939	比丘尼宿はやきぬぎぬに帰る鳥卜尺　(xxx)
00940	かはす誓紙のからす鳴也一朝　(xxx)
00941	終は是死尸さらす衆道事志斗　(xxx)
00942	豆腐のぐつ煮夢かうつつか在色　(xxx)
00943	す行者もこよひは爰にかり枕松臼　(xxx)
00944	番場とふげはつもる大雪一鉄　(xxx)
00945	駒とめて佐保山の城打ながめ雪柴　(xxx)
00946	朝日にさわぐはし台の波松意　(xxx)
00947	苔むすぶ石を袂に扨こそな正友　(xxx)
00948	子どもの小鬢かぜぞ過ゆく卜尺　(xxx)
00949	伽羅のあぶらかほる芝ゐの月明て一朝　(xxx)
00950	川原おもての貝がらの露志斗　(xxx)
00951	目前にうつす二見の秋の景在色　(xxx)
00952	反平をふむちどりなく也松臼　(xxx)
00953	出家おち妹がり行ば小夜更て一鉄　(xxx)
00954	諸行無常とひびくかね言雪柴　(xxx)
00955	付ざしのロに飛込気色あり松意　(xxx)
00956	蝿にならひて君に手をする正友　(xxx)
00957	はげあたま甲をぬいで旗を巻卜尺　(xxx)
00958	名は末代の分別どころ一朝　(xxx)
00959	有明の月の夜すがら発句帳志斗　(xxx)
00960	京都大坂江戸の秋風在色　(xxx)
00961	穀物の相場さだめぬ露時雨松臼　(xxx)
00962	先算盤に虫のかけ声一鉄　(xxx)
00963	綱うらは麓の野辺に御影石雪柴　(xxx)
00964	何院殿の法事なる覧松意　(xxx)
00965	籠払ひそれらが命拾ひもの正友　(xxx)
00966	角のはへてや来る伝馬町卜尺　(xxx)
00967	胸の火をかな輪にもやす亭女一朝　(xxx)
00968	別ばの酒寒いにま一つ志斗　(xxx)
00969	長枕寝肌の雪の朝ぼらけ在色　(xxx)
00970	待くたびれてうぐひすの声松臼　(xxx)
00971	峯の雲花とおどろく番太郎一鉄　(xxx)
00972	人丸が目やかすむ焼亡雪柴　(xxx)
00973	年月と送る藁屋のめし時分松意　(xxx)
00974	つとめの経やすみの衣手正友　(xxx)
00975	うき世かなおくれ先だつ夫婦中卜尺　(xxx)
00976	大和の国になみだ雨ふる一朝　(xxx)
00977	悋気にや宇野が一党さはぐらん志斗　(xxx)
00978	月に向ひて恋の先がけ在色　(xxx)
00979	文づかひ夕の露を七の図まで松臼　(xxx)
00980	木刀のすゑ尾花波よる一鉄　(xxx)
00981	一流のむさしの広く覚たり雪柴　(xxx)
00982	千家万家に分る水道松意　(xxx)
00983	下り酒名酒にてなどなかるべき正友　(xxx)
00984	大江山よりすゑのかし蔵卜尺　(xxx)
00985	踏分て生野の道の鼠くそ一朝　(xxx)
00986	笹枕にぞたてしあら鍔志斗　(xxx)
00987	鑓持や夢もむすばぬ玉霰在色　(xxx)
00988	口舌に中は不破の関守松臼　(xxx)
00989	年経たる杉の木陰の出合宿一鉄　(xxx)
00990	いかに待みむ魚くらひ坊雪柴　(xxx)
00991	一休を真似そこなひし胸の月松意　(xxx)
00992	三文もせぬ筆津虫なく正友　(xxx)
00993	智恵づけや先小学の窓の露卜尺　(xxx)
00994	薬をきざむ軒の呉竹一朝　(xxx)
00995	箱根路を我越来れば子をうむ音志斗　(xxx)
00996	狐にばかされ明てくやしき在色　(xxx)
00997	待ぽうけまつ毛のかはく隙もなし松臼　(xxx)
00998	思ひの色や晨砂なる覧正友　(xxx)
00999	玉垣の花をささげていのり事雪柴　(xxx)
01000	女性一人広前の春一鉄　(xxx)

江戸談林十百韻 １０巻

江戸談林十百韻 第一［さればここに：梅翁］

江戸談林十百韻 第二［あをがらし：松臼］

江戸談林十百韻 第三［いざをりて：雪柴］

江戸談林十百韻 第四［ほととぎす：在色］

江戸談林十百韻 第五［くつろぐや：卜尺］

江戸談林十百韻 第六［かみゆひや：一朝］

江戸談林十百韻 第七［みねたかし：志斗］

江戸談林十百韻 第八［よもあけば：正友］

江戸談林十百韻 第九［かはたびの：一鉄］

江戸談林十百韻 第十［ゆきをれや：松意］

江戸談林十百韻　１０巻

江戸談林十百韻　第一［さればここに：梅翁］

江戸談林十百韻　第二［あをがらし：松臼］

江戸談林十百韻　第三［いざをりて：雪柴］

江戸談林十百韻　第四［ほととぎす：在色］

江戸談林十百韻　第五［くつろぐや：卜尺］

江戸談林十百韻　第六［かみゆひや：一朝］

江戸談林十百韻　第七［みねたかし：志斗］

江戸談林十百韻　第八［よもあけば：正友］

江戸談林十百韻　第九［かはたびの：一鉄］

江戸談林十百韻　第十［ゆきをれや：松意］