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天満千句　１１巻　

作品集名	天満千句　１１巻
作品集名読み	てんませんく
作成年月日	（延宝四年冬）（（1676年11月頃））
場所	天満（てんま）
備考	しかし、追加表八句の発句が、冬季なので延宝四年冬の興行と推定され、その挙句から、同年十月下旬伊勢に下向する宗因への餞の意をこめた興行ではなかったかと思われる。

天満千句　第一　梅：米何［さすえだの：梅翁］

天満千句　第二　初灸：何箸［そのあとや：西似］

天満千句　第三　花：麹何［せきひつや：如見］

天満千句　第四　時鳥：何礫［すみぬりの：利方］

天満千句　第五　若竹：何釘［わかたけや：武仙］

天満千句　第六　跳：何桜［いせのにじや：未学］

天満千句　第七　月：二字返音［のりみづに：宗恭］

天満千句　第八　菊：芋何［こつつりと：西花］

天満千句　第九　水鳥：何蔵［ふなまくや：素玄］

天満千句　第十　雪：餅何［なをうづむな：西鬼］

天満千句　追加［ながもちや：直成］

天満千句　第一　梅：米何［さすえだの：梅翁］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	さす枝のむめや一座の年頭梅翁：西山　(xxx)
00002	是非床脇の鴬の声西似　(xxx)
00003	朝霞盃のみに詣出て素玄　(xxx)
00004	やがて御無事に山立別宗恭　(xxx)
00005	子子共のまつとしきかば状にても如見　(xxx)
00006	土産其外わたる雁金直成　(xxx)
00007	詠やる箱に入たる空の月西鬼　(xxx)
00008	伝受はいかに秋のはつ風未学　(xxx)
00009	血判や野山の色にまがふらん武仙　(xxx)
00010	死なばもろとも草の下露利方　(xxx)
00011	鰒汁夕べ夕べのかり枕西花　(xxx)
00012	大酒をして古郷の夢執筆　(xxx)
00013	三人は笑つて過る五十年西似　(xxx)
00014	釈迦の説法出来た僧脇梅翁　(xxx)
00015	鷲の峯のぼり下を踏分て直成　(xxx)
00016	紫雲棚引乗掛の馬西鬼　(xxx)
00017	貫ざしも乱て風の樗原宗恭　(xxx)
00018	しこり博奕転に短夜の月素玄　(xxx)
00019	御奉行の耳に入たる郭公利方　(xxx)
00020	扨町中へかかるむら雨西花　(xxx)
00021	花聟に手桶の水を後から未学　(xxx)
00022	髪に香炉をたき初の風呂如見　(xxx)
00023	節小袖きませと斗待宵に梅翁　(xxx)
00024	塗長持もあくるわびしき武仙　(xxx)
00025	大神楽太鼓の音も絶ぬべし西鬼　(xxx)
00026	今朝迄岩戸の夜番寝て居西似　(xxx)
00027	枕もとへやれ日がさすは十二灯如見　(xxx)
00028	南無や勧世の面箱をだせ利方　(xxx)
00029	本膳はたとへ枯たる木にだにも素玄　(xxx)
00030	殿の威光は飛鳥の糞梅翁　(xxx)
00031	追腹は丸薬にても叶まじ西花　(xxx)
00032	豆腐のかすにさ湯を一盃直成　(xxx)
00033	飢饉年あさから晩迄思ひやれ武仙　(xxx)
00034	恋にくちなん身は骨と皮西鬼　(xxx)
00035	寝屋の月或は情かまぼこも宗恭　(xxx)
00036	世間寺とぞタ暮の露素玄　(xxx)
00037	所領一跡願ふ後生の秋更て梅翁　(xxx)
00038	夫西方は十万石ほど如見　(xxx)
00039	入舟は白象とこそ成にけれ直成　(xxx)
00040	犀の角よりとがる浦風未学　(xxx)
00041	いきづかひのがれがたしや我命西鬼　(xxx)
00042	夢幻におそはりやつたか宗恭　(xxx)
00043	是は是はこはい事よの粟の食西似　(xxx)
00044	彼をみなへしはがぬけたもの素玄　(xxx)
00045	六歳の駒からおちて露ちりて利方　(xxx)
00046	念仏衆生躍り三味線梅翁　(xxx)
00047	月見れば極楽世界の揚屋也西花　(xxx)
00048	千々に物こそ思ふ君様武仙　(xxx)
00049	どうしても何も進ぬ花に風如見　(xxx)
00050	今起起の雲雀囀る直成　(xxx)
00051	うがひ手水野田の沢水ぬるみ来て宗恭　(xxx)
00052	判金結を玉川の末利方　(xxx)
00053	盛成其卯の花の具足櫃素玄　(xxx)
00054	土用も今は十八九とぞ如見　(xxx)
00055	夜な夜なの衆道もつぱら間日なしに西似　(xxx)
00056	水でのまする起請文也西鬼　(xxx)
00057	堀川の深い工があらはれて武仙　(xxx)
00058	古金からかねかし銀の公事梅翁　(xxx)
00059	地黄煎何のかのとて云延し直成　(xxx)
00060	温鈍蕎麦きりきりぎりす鳴未学　(xxx)
00061	芭蕉葉の破れし喧嘩扱て利方　(xxx)
00062	夜毎に女の出過たる月西似　(xxx)
00063	露涙牛の一さん襟西花　(xxx)
00064	時付にして書くどかるる宗恭　(xxx)
00065	国方の実定めなき相場物武仙　(xxx)
00066	あがりを得たる時雨ふり行西花　(xxx)
00067	雲に龍ありやありや西の海よりも直成　(xxx)
00068	山に千年入日かかやく如鬼　(xxx)
00069	峯の松幾度笠をかたむけて西鬼　(xxx)
00070	真紅の緒よりしらむ琴の音利方　(xxx)
00071	かしこきはめかへの酒や友ならん未学　(xxx)
00072	飢たる虎は足がひよろつく素玄　(xxx)
00073	以の外鬼のふんどしゆるまりて宗恭　(xxx)
00074	其時あさひな各乗夕露梅翁　(xxx)
00075	秋の風門のほとりや扣らん西似　(xxx)
00076	四五人うちに入がたの月直成　(xxx)
00077	朝茶湯花を生たる折しもあれ素玄　(xxx)
00078	空は霞に横物の雁宗恭　(xxx)
00079	春風はかざめのかふに吹あてて未学　(xxx)
00080	下もえのする鍋尻にこそ西鬼　(xxx)
00081	野は曇る定て雨が降さうな武仙　(xxx)
00082	あすの御能は先よしにせう西花　(xxx)
00083	近年は三間梁の移徒に梅翁　(xxx)
00084	引物一本五両に付られ如見　(xxx)
00085	奉加帳いか成山の奥までも利方　(xxx)
00086	天もひびけと鹿ぞ鳴なる素玄　(xxx)
00087	ことの葉の褒美まじりに初紅葉宗恭　(xxx)
00088	是は当座の秋袷なり梅翁　(xxx)
00089	草履取先行着に暮の月如見　(xxx)
00090	宿の不首尾を告る虫の音利方　(xxx)
00091	ないないの吝気つのつてさよあらし直成　(xxx)
00092	うらみをなさんと宇治の川瀬に西似　(xxx)
00093	網代木に釘を打てやみせぬらん素玄　(xxx)
00094	涼み所にかやの夕影宗恭　(xxx)
00095	蚤の息空にあがれば雨の跡未学　(xxx)
00096	爪の先にて鞠やけぬらん西花　(xxx)
00097	十露盤に花はほろりと落る共梅翁　(xxx)
00098	帰一倍にもみどり立松武仙　(xxx)
00099	やす伽羅に空の霞も匂ひ来て利方　(xxx)
00100	貨物の利分みよし野の山如見　(xxx)

天満千句　第二　初灸：何箸［そのあとや：西似］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	その跡やてん何を云初灸西似　(xxx)
00002	塩一つまみ残る白雪如見　(xxx)
00003	かまぼこに雲雀あがれる山みえて梅翁　(xxx)
00004	茅原が末の道に砂置素玄　(xxx)
00005	夕立の晴間を急ぐ御上洛宗恭　(xxx)
00006	五十三次かぎる馬の背武仙　(xxx)
00007	影更るやぶれ蒲団に月もりて利方　(xxx)
00008	あれての後は火燵の用心直成　(xxx)
00009	手の長ひ大若衆やさぐるらん西鬼　(xxx)
00010	蛸の首尺おもふ中中西花　(xxx)
00011	此寺の法もあらたに起請文未学　(xxx)
00012	下界の地にはひらく傘執筆　(xxx)
00013	舞台より飛んで落るは魔道也如未　(xxx)
00014	其時長良かへせやかへせや梅翁　(xxx)
00015	迯るにも深い知略が有さうな素玄　(xxx)
00016	高札書て入捨にして利方　(xxx)
00017	穴一の一文勝負なりとても直成　(xxx)
00018	身過にかかるすいなうの露宗恭　(xxx)
00019	つつおはき浮世をわたる雁の声西花　(xxx)
00020	さす月の色あるひは北浜西似　(xxx)
00021	蔵屋敷出舟入舟花の波武仙　(xxx)
00022	御参勤とて殿風春風西鬼　(xxx)
00023	広ぶたに霞のきぬを一かさね未学　(xxx)
00024	はさみ箱より明ぼのの空如見　(xxx)
00025	こゑたつる是は烏丸通りにて利方　(xxx)
00026	手水の水をかけたのかけぬの素玄　(xxx)
00027	誰やらん石菖鉢をまふたつに梅翁　(xxx)
00028	まなこ三寸くつろげてこそ西鬼　(xxx)
00029	俎にえらを落して押直し宗恭　(xxx)
00030	取もちがほの宗八宗八直成　(xxx)
00031	立つ居つ座敷をするも見とむない武仙　(xxx)
00032	ちとたしなみやれそちの小便西似　(xxx)
00033	若い時はひともじなどをまゐるなよ西花　(xxx)
00034	つよう出られたたたきごぼ様梅翁　(xxx)
00035	思ひ念通してみせう月下の門素玄　(xxx)
00036	射るや矢数の玉章の露未学　(xxx)
00037	傾城と一度はなせば秋の風直成　(xxx)
00038	その生爪に涙色づく利方　(xxx)
00039	比興げに怪我をしたらばしたままよ梅翁　(xxx)
00040	わきまへさするは武士に似合ぬ武仙　(xxx)
00041	請人にかかりがましきうしろがみ西鬼　(xxx)
00042	借屋をたてて須磨の山風宗恭　(xxx)
00043	薪見せ柴と云物の候へば如見　(xxx)
00044	ちぎのおもりにおほぢのふぐり未学　(xxx)
00045	涎くり西は三十三ケ国西似　(xxx)
00046	平家の一類牛は牛づれ梅翁　(xxx)
00047	引物も波にうかびて見えたるぞや素玄　(xxx)
00048	初献り過て台所ぶね直成　(xxx)
00049	最前は是からまはつた月と花西花　(xxx)
00050	中山道やかすむ山みち如見　(xxx)
00051	春風の手勢勝て何万騎利方　(xxx)
00052	家家の旗いかのぼり也西似　(xxx)
00053	西陣や京わらんべの夕間暮直成　(xxx)
00054	名のなき事は北野の松原武仙　(xxx)
00055	御仏に五白羅漢を作り添宗恭　(xxx)
00056	目の内其侭親にようにた素玄　(xxx)
00057	そよとする障子の透間物ごしの未学　(xxx)
00058	様ではなうて夏の夜のむし直成　(xxx)
00059	我思ひ愚人の及ぬ所まで梅翁　(xxx)
00060	歌のひじりの作がはたらく利方　(xxx)
00061	申請新開なる小倉山西似　(xxx)
00062	嵯峨松茸をたつた一種に如見　(xxx)
00063	お斎にはあはで果べき今朝の月西鬼　(xxx)
00064	孔子は既露よなみだよ西花　(xxx)
00065	蛬あざや野べに立ぬらん未学　(xxx)
00066	かたかなつくる色色の草梅翁　(xxx)
00067	よ入道その味ひをかんがへて西鬼　(xxx)
00068	斗圭をしかけ出る化物如見　(xxx)
00069	朝朗姫路の城の番替り武仙　(xxx)
00070	こぎ行舟の切手何枚素玄　(xxx)
00071	氏系図釣のいとまも波の上利方　(xxx)
00072	入聟を取身しりぞく也西鬼　(xxx)
00073	恋ごろも今十徳に染なして宗恭　(xxx)
00074	揚屋へいては上座におく露西花　(xxx)
00075	よい鳥がかかつた床の月の影直成　(xxx)
00076	籠にうづらや引跡の雲利方　(xxx)
00077	花に金子或は短冊付られたり梅翁　(xxx)
00078	巾着ぶらり箙の梅が枝西似　(xxx)
00079	水ぬるし一ぬけぬけた生田川如見　(xxx)
00080	流せるわなをいづちをし鳥宗恭　(xxx)
00081	さむ風のむせんで声を上えぬは西花　(xxx)
00082	添乳のまくら胸に手が有武仙　(xxx)
00083	さられたらどうせうかうせう分別を素玄　(xxx)
00084	摺子木ならで知人もなし梅翁　(xxx)
00085	地蔵かしら悟りの道をおもへただ直成　(xxx)
00086	なんぢ元来石切ぢやもの如見　(xxx)
00087	あだし世に消ては残燧箱宗恭　(xxx)
00088	御たてえぼしきせる一本西鬼　(xxx)
00089	有かやいこれに候草履取利方　(xxx)
00090	くらいところのばばかいて捨素玄　(xxx)
00091	さぐり足あの辺りぞと溝のはた西似　(xxx)
00092	熊手にかかる月にむら雲未学　(xxx)
00093	まつ先に陶山こみ山秋の山素玄　(xxx)
00094	時をつくつて小男鹿の声如見　(xxx)
00095	御機嫌の折しも今は花紅葉西似　(xxx)
00096	はやし物して浦の苫屋に直成　(xxx)
00097	すゑもただどんどやどんど夕煙利方　(xxx)
00098	身は下ながら書初の文宗恭　(xxx)
00099	寒かへるひびあかがりのきれ果て未学　(xxx)
00100	見給へつねに隙のない事梅翁　(xxx)

天満千句　第三　花：麹何［せきひつや：如見］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	石筆や他山のおぼえ時の花如見　(xxx)
00002	はじめて此峯存立春利方　(xxx)
00003	かへる雁乗物舁を抱置て西似　(xxx)
00004	医のみち筋に残る白雪西鬼　(xxx)
00005	一の難二の難所をや越ぬらん未学　(xxx)
00006	四十過てはなほる仕合西花　(xxx)
00007	分別もひろきゐなかの宿の月宗恭　(xxx)
00008	いなば靡てお百性ども梅翁　(xxx)
00009	とり立るかきあげ城の旗薄素玄　(xxx)
00010	兵粮づめによわる虫の音直成　(xxx)
00011	古へは寸百筋の者なれど武仙　(xxx)
00012	小町もいまは腰より下か執筆　(xxx)
00013	恋心移りにけりな阿波嶋殿西鬼　(xxx)
00014	いとまの太鼓えならぬ匂ひ如見　(xxx)
00015	おねまきを只此ままに揚屋より利方　(xxx)
00016	瘧ふるひをおくる挑灯西似　(xxx)
00017	何がしの僧都の小者ふつつかは梅翁　(xxx)
00018	秋はてぬれば隙をとらする素玄　(xxx)
00019	京江戸の外にて鹿の鳴ばなけ未学　(xxx)
00020	出見世本宅萩の下道宗恭　(xxx)
00021	夕月の食通ひにとをみなへし直成　(xxx)
00022	物をならふと人にかたるな武仙　(xxx)
00023	兵法は仮初ながら大事也西花　(xxx)
00024	けふより五日にあたる毒断素玄　(xxx)
00025	相むしろ踏にかかつた競馬にて西鬼　(xxx)
00026	神さび心もすめる小借屋梅翁　(xxx)
00027	油銭御灯のひかりなんどにこそ如見　(xxx)
00028	爰は山崎宝蔵あり利方　(xxx)
00029	淀川は赤がね土樋のながれにて宗恭　(xxx)
00030	緑青と見る真菰みだるる未学　(xxx)
00031	絵師がいはくまんづ南は夏に似た梅翁　(xxx)
00032	月は平砂を扱も藤代如見　(xxx)
00033	かりの声一音なくては若山に直成　(xxx)
00034	すずりを出せははるる雲霧西似　(xxx)
00035	痃癖をすゑぬ先から気がようて素玄　(xxx)
00036	うばらたつもも足がかるいぞ西花　(xxx)
00037	住吉へいつ時の間に参りたり武仙　(xxx)
00038	お弓のごとし光陰の影直成　(xxx)
00039	千金をのべてものびぬは一命也梅翁　(xxx)
00040	扨あつかひにかかる密夫利方　(xxx)
00041	大坂陣跡より恋の責くれば西鬼　(xxx)
00042	わかれのかねをつく山の寺未学　(xxx)
00043	迷ひぬる親子のための契りには如見　(xxx)
00044	かたみの小袖のこる跡職武仙　(xxx)
00045	御広間へ荷なひ出せるかは葛籠西似　(xxx)
00046	色鳥にさへとまり番あり素玄　(xxx)
00047	中衆がさいてとつたる米の露利方　(xxx)
00048	月のたもともおもう見えたり西花　(xxx)
00049	花よりも此いとしいを懐に宗恭　(xxx)
00050	霞の淵へだんぶりせうか梅翁　(xxx)
00051	鳴蛙心にこめておもふやう西鬼　(xxx)
00052	もつ大筒の玉川の波宗恭　(xxx)
00053	陸奥守片目ふさいでかからるる梅翁　(xxx)
00054	土風みだす火消し役人武仙　(xxx)
00055	より棒で天狗だふしは夥し西花　(xxx)
00056	でんがくの舞見する木戸口素玄　(xxx)
00057	先が高いおぬぎやれやれ三笠山直成　(xxx)
00058	駕籠いひつけて出し月かも西似　(xxx)
00059	秋風の吹おくらるる生肴如見　(xxx)
00060	しかれば手樽篠の葉の露梅翁　(xxx)
00061	おさないを豊等の寺へ智恵付に素玄　(xxx)
00062	廿五日はけふ飛鳥川未学　(xxx)
00063	売家を神もあはれと思しめせ利方　(xxx)
00064	夜ぬけのあとははらり散米如見　(xxx)
00065	かかを置てとととととととの別路に梅翁　(xxx)
00066	なみだをながす目を突をつた西鬼　(xxx)
00067	からすみに書もつくさじ我思ひ宗恭　(xxx)
00068	鯖のはらが大きいものを素玄　(xxx)
00069	たとひ客二人三人おほく共西似　(xxx)
00070	かならず祭りに一夜さ泊り武仙　(xxx)
00071	井戸硯底に移れる出合星未学　(xxx)
00072	たがひに影を文月幾日西花　(xxx)
00073	色このむ連理の枝とならんとて素玄　(xxx)
00074	死んだら花のねにうづまれん梅翁　(xxx)
00075	さればこそ其二月の十五日直成　(xxx)
00076	あひあひ牛の田を返す比利方　(xxx)
00077	右近左近か村の通路雪消て梅翁　(xxx)
00078	濁つて出る水帳のすゑ如見　(xxx)
00079	世こぞつて皆皆御前を立ませい西鬼　(xxx)
00080	玄関の板日にほされつつ西花　(xxx)
00081	薬取またする程に侍ほどに武仙　(xxx)
00082	これできかずば山ほととぎす利方　(xxx)
00083	卯の花の散かかりたる糠に釘未学　(xxx)
00084	賎が垣根の香の物桶宗恭　(xxx)
00085	むかしみし台所とはあれ果て西似　(xxx)
00086	やせおとろへた猫が一疋梅翁　(xxx)
00087	我恋はどうでもかうでも真葛原直成　(xxx)
00088	松をしぐれのそむる血判素玄　(xxx)
00089	ながれたる美濃のを山の国の月利方　(xxx)
00090	裸になつて養老が滝西鬼　(xxx)
00091	岩くゞる水はつきねど負博奕如見　(xxx)
00092	あの馬士は鯉の勢ひ未学　(xxx)
00093	藁しべや鬢もそそけずたばねあげ宗恭　(xxx)
00094	一風呂ふいた後のぬれもの直成　(xxx)
00095	大根のあつい涙のくどき事素玄　(xxx)
00096	朝夕御そばに添かひもなし利方　(xxx)
00097	心付いか成恩をもたぶべきを西似　(xxx)
00098	不堪忍にて行末の空梅翁　(xxx)
00099	咲花をすこしの事に切ちらし西鬼　(xxx)
00100	ゆがみ柱にかまふ梅が枝武仙　(xxx)

天満千句　第四　時鳥：何礫［すみぬりの：利方］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	墨塗の空音や夕郭公利方　(xxx)
00002	咲卯の花の白き鬢髭武仙　(xxx)
00003	削りかけの甲の星の顕れて西鬼　(xxx)
00004	あれみよ蛇体蜂と云もの未学　(xxx)
00005	小芝居も今はじまると口笛に西花　(xxx)
00006	銭二三文遅いのはやいの如見　(xxx)
00007	月爰に出かかつて居るわたし舟素玄　(xxx)
00008	すでに初汐ありやなしやと西似　(xxx)
00009	世間ははまぐり貝のうす霧に直成　(xxx)
00010	末期の水の露をあはれむ宗恭　(xxx)
00011	おいとしやねくだれ髪はそれながら梅翁　(xxx)
00012	むかしむかしの移り香もなし執筆　(xxx)
00013	猿が尻赤い小袖を脱捨て武仙　(xxx)
00014	山のかいある狂言狂言利方　(xxx)
00015	よせ太鼓雲と也又雨と也西似　(xxx)
00016	古金からかねいかづちのこゑ西鬼　(xxx)
00017	釜の蓋賀茂の川瀬の水さして如見　(xxx)
00018	御供には先ことし米をば西花　(xxx)
00019	神に祈七十五日露の命未学　(xxx)
00020	くだらせ給ふ腹もよい月梅翁　(xxx)
00021	花の山上戸生立の分入て宗恭　(xxx)
00022	のちほど色の青い鴬素玄　(xxx)
00023	負に成公事場の雪の村消に直成　(xxx)
00024	飛火の野辺をいそぐ駕篭かき未学　(xxx)
00025	馬追も喧嘩につよう出て見よ利方　(xxx)
00026	片肌脱で此川水に如見　(xxx)
00027	お代官堤に物をきらさるる梅翁　(xxx)
00028	平家の打手に鍬をかたげて西似　(xxx)
00029	葬礼に赤旗白旗みだれ入西鬼　(xxx)
00030	いか成天魔閻魔王でも武仙　(xxx)
00031	豆はやす男の留守に来る物か素玄　(xxx)
00032	恥を思もやれ年忘して梅翁　(xxx)
00033	大雑書会稽山にこめにけり西花　(xxx)
00034	着るや錦を裁初によし宗恭　(xxx)
00035	行末を守り袋に旅の月如見　(xxx)
00036	九寸四五分の道の小すすき利方　(xxx)
00037	持あふぎいらぬ斗の秋の風宗恭　(xxx)
00038	さだまり駄賃空に覚て素玄　(xxx)
00039	富士のけぶりみやはとがめぬ刀さし未学　(xxx)
00040	はやり医者成雪の曙武仙　(xxx)
00041	玄関の松におとする銀子台梅翁　(xxx)
00042	いかに諸礼のならひ有とは如見　(xxx)
00043	連判のおくれ先だつ月の影西鬼　(xxx)
00044	かしらをふまへた髪筋の露直成　(xxx)
00045	桀場に鴉の声は冷じや素玄　(xxx)
00046	鑓をひつさげもいのとおしやる西花　(xxx)
00047	こちへまはれ宝蔵院の供のもの如見　(xxx)
00048	高野からなら湯漬でもまづ西似　(xxx)
00049	急けりわたくし雨に花盛利方　(xxx)
00050	隙をもらうて宿の藤波宗恭　(xxx)
00051	鳴蛙老母のいたはり候へば西花　(xxx)
00052	ながれの末にうづむ生れ子西鬼　(xxx)
00053	朝敵も見えず成行捨小舟素玄　(xxx)
00054	琴をみやこに引わたさるる利方　(xxx)
00055	山鉾に峯の松風通ふらし直成　(xxx)
00056	夢はびつくり金棒の音如見　(xxx)
00057	手枕は一の胴迄打込て西鬼　(xxx)
00058	勘十郎が加言むつ言未学　(xxx)
00059	替るまじ売若衆の身成共宗恭　(xxx)
00060	明日はとうからあさてもござれ梅翁　(xxx)
00061	今少千句の残りありければ西似　(xxx)
00062	ここは三嶋の宿の食つぎ素玄　(xxx)
00063	問よりも十人前の箱根山如見　(xxx)
00064	切手の通り明らかな月武仙　(xxx)
00065	白露か何か御用は安い事梅翁　(xxx)
00066	久しうひとり住む女郎花素玄　(xxx)
00067	ものおもひ数をくらべて男山未学　(xxx)
00068	かしら煎じに神風恋風直成　(xxx)
00069	狩のつかひ上羽二重のよるの物利方　(xxx)
00070	当月切の行すゑの空西鬼　(xxx)
00071	霊宝の所は爰もおなじ名の西花　(xxx)
00072	ふしぎや牛の玉川の里宗恭　(xxx)
00073	人肌にあふせ嬉しき下の帯素玄　(xxx)
00074	相撲一番のこるおもかげ如見　(xxx)
00075	御位本意なくみゆる夜半の月西似　(xxx)
00076	寿永の末のうき初嵐梅翁　(xxx)
00077	古帳にかけちらかした花紅葉直成　(xxx)
00078	うらの苫屋も仕舞物店武仙　(xxx)
00079	藻屑たく大晦日の夜る迄は宗恭　(xxx)
00080	足を空にしてほねが違うた素玄　(xxx)
00081	蜘舞はいつ野ざらしと成ぬらん未学　(xxx)
00082	草ばしかるなさがりはの声梅翁　(xxx)
00083	蛇のしめ買をして損をして利方　(xxx)
00084	二妻狂ひや横に寝らるる直成　(xxx)
00085	はれやれやれ高安通ひ草臥た西花　(xxx)
00086	脇の大事は行水してから西似　(xxx)
00087	珍客のばんの泊りはかなどまり梅翁　(xxx)
00088	御機嫌よろしくめでたくかしこ宗恭　(xxx)
00089	いとまの儀披露申て有けるに如見　(xxx)
00090	わかう様こそうなづき給ふ西鬼　(xxx)
00091	すむ月の宵のまどひの小いねぶり直成　(xxx)
00092	咄しの跡先しれぬ虫の音梅翁　(xxx)
00093	秋雨のかかるふか手にてましませば西似　(xxx)
00094	たまりもあへず落る夕露西花　(xxx)
00095	なま道心さうであらうと思うたが素玄　(xxx)
00096	さて廻文をもどされにけり利方　(xxx)
00097	御謀叛を進申せばお盃宗恭　(xxx)
00098	すすみ出たる臣下一人梅翁　(xxx)
00099	馬にくらあぶみふんばり花の枝西鬼　(xxx)
00100	柳のいとにてこのほの勢直成　(xxx)

天満千句　第五　若竹：何釘［わかたけや：武仙］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	若竹やわれても末に分まはし武仙　(xxx)
00002	舟かあらぬかほたる火の影未学　(xxx)
00003	沢水のながれを溜て灰吹に利方　(xxx)
00004	萍のつるつづく金山直成　(xxx)
00005	下宰共いなんとぞ思ふ夕ま暮西鬼　(xxx)
00006	しきせすくなきすゑのうき雲素玄　(xxx)
00007	月はひとつ二季の空やうつるらん梅翁　(xxx)
00008	夜るの車に春秋の風如見　(xxx)
00009	綿つむぐ声を争ふ雁鳴て宗恭　(xxx)
00010	壁どなりこそすみよしの浜西花　(xxx)
00011	高砂のうらから裏へ留守頼む西似　(xxx)
00012	内に尾上のかねはなけれど執筆　(xxx)
00013	されば世を祈る契りはから大名如見　(xxx)
00014	ふたりが中にたそ有かやい西鬼　(xxx)
00015	付ざしの盃すけてもらひたい素玄　(xxx)
00016	せいてすらりとぬいてかかつた武仙　(xxx)
00017	鼻毛には目に物みせんと云侭に西花　(xxx)
00018	たはけがよりし飴箱の露利方　(xxx)
00019	橋の上月に咄しや残るらん直成　(xxx)
00020	千人切の跡のむしの音西似　(xxx)
00021	石塔は供養の為の花の陰未学　(xxx)
00022	定家やう成藤の葉かづら梅翁　(xxx)
00023	春雨の降込斗色紙窓宗恭　(xxx)
00024	糸もてぬけるきぬの裏打如見　(xxx)
00025	ささ蜘の蛛の巣まじり煤出して未学　(xxx)
00026	泊瀬の観音堂の色付西花　(xxx)
00027	酒ひとつ右近とかやも参べし西似　(xxx)
00028	海道くだり何か扨扨直成　(xxx)
00029	三指を人まつ本につくとのう梅翁　(xxx)
00030	脉のあがつた墓しるして西鬼　(xxx)
00031	国里をくはしく尋て候へば利方　(xxx)
00032	いの字というて跡かたもなし宗恭　(xxx)
00033	大き成うそをついたる柱口如見　(xxx)
00034	ちかひの舟の釈迦いかにせん素玄　(xxx)
00035	月影に天狗は化て出にけり西花　(xxx)
00036	ただ今ただ今色に成杉西似　(xxx)
00037	あたまから水申請露しぐれ素玄　(xxx)
00038	より朝殿は息がきれたか未学　(xxx)
00039	そろりそろりさぐつてみたる節木穴西鬼　(xxx)
00040	一夜倹校たつる家蔵利方　(xxx)
00041	宇治橋をかけて頼し神仏西花　(xxx)
00042	祈し縁は初むかし也梅翁　(xxx)
00043	彼まどひ過るは夢の内なれや如見　(xxx)
00044	枕に残る此地黄丸素玄　(xxx)
00045	手木先や次第次第につよるらん西似　(xxx)
00046	其日ぐらしの新米の市直成　(xxx)
00047	はやづくりくめば月こそ桶に有宗恭　(xxx)
00048	七歩の才に水し冷行西鬼　(xxx)
00049	さく花の庭働もよしをして梅翁　(xxx)
00050	四五年きりに霞むかね言西花　(xxx)
00051	春毎にかならず雪はなしくづし素玄　(xxx)
00052	鳴事斗うぐひすの声西鬼　(xxx)
00053	呉竹のふしぶしいかになえ中風利方　(xxx)
00054	孫子があれば杖柱にも西似　(xxx)
00055	斧の柄はたとひ明日が日朽る共西花　(xxx)
00056	二度峯入せぬ法はさて如見　(xxx)
00057	一葉散材木山を留られて直成　(xxx)
00058	うてる極印の跡の秋風未学　(xxx)
00059	月白き銀座は頓而立かかり西似　(xxx)
00060	伽羅幾焼のみこし入道利方　(xxx)
00061	佗数奇の亡魂いまもあらはれて梅翁　(xxx)
00062	鉦うちたたきうかび給へば直成　(xxx)
00063	代まちも身を捨ててこそ淵もあれ未学　(xxx)
00064	お主のためにかける悪筆素玄　(xxx)
00065	蘭縫てしたてて下されて利方　(xxx)
00066	伜がかたへ鳴きりぎりす宗恭　(xxx)
00067	明日は御出被成るる月の影西鬼　(xxx)
00068	先正面に絵むしろをしけ西花　(xxx)
00069	見渡しの三間四間のその間梅翁　(xxx)
00070	取分崩れし石垣にこそ西似　(xxx)
00071	責口はここでなうては叶まじ素玄　(xxx)
00072	あらしや花の一句あそばせ利方　(xxx)
00073	春日影流石名を得し座頭の坊直成　(xxx)
00074	お伽のとがにする其身とて梅翁　(xxx)
00075	平産をめされしよりも此かたは宗恭　(xxx)
00076	のぞことままよ茨残す屋ね素玄　(xxx)
00077	引たつる障子紙には指の跡未学　(xxx)
00078	此川波は腫気やさすらん如見　(xxx)
00079	所がら淀鯉常にきこしめせ素玄　(xxx)
00080	琵琶に和琴に俎の音利方　(xxx)
00081	世間に地獄があれば極楽も梅翁　(xxx)
00082	涼しい風の吹てたて山未学　(xxx)
00083	郭公身の毛もふるふ斗也西鬼　(xxx)
00084	長田をたのむ木の下の雨西花　(xxx)
00085	鉄砲もただやみやみとうたれたり西似　(xxx)
00086	岩戸の前や追手からめて梅翁　(xxx)
00087	講まゐり人数をたててぞひかへける如見　(xxx)
00088	無精進こそ恥さらしなれ直成　(xxx)
00089	揚屋にて金の御嵩をつかひ捨利方　(xxx)
00090	こころたてける象の中山宗恭　(xxx)
00091	空の月命也けりさればいの未学　(xxx)
00092	露をねぶつて日ぐらしの声素玄　(xxx)
00093	此野辺の鹿の毛ながら結あつめ利方　(xxx)
00094	尾花なみよる末のうら辻直成　(xxx)
00095	浜風にようみて廻れ火の廻り素玄　(xxx)
00096	あの嶋先を過る類船如見　(xxx)
00097	遥なる八重の汐路の薩摩米梅翁　(xxx)
00098	しらぬ新羅の山城の内宗恭　(xxx)
00099	花の枝弓のごとくに引たわめ西花　(xxx)
00100	名をば雲井に鳥のさへづり西鬼　(xxx)

天満千句　第六　跳：何桜［いせのにじや：未学］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	伊勢の二字やされば男女の中跳未学　(xxx)
00002	太鼓つづみにさわぐ浜荻宗恭　(xxx)
00003	天よりも真の月の影落て武仙　(xxx)
00004	雲うちはるる穴市にこそ西花　(xxx)
00005	今爰に見せの下迄吹嵐西似　(xxx)
00006	御用心御用心大吠る声梅翁　(xxx)
00007	なま酔を竹より奥にさしこめて素玄　(xxx)
00008	喧嘩はこちがさばく染衣利方　(xxx)
00009	衆道狂ひ京へのぼせて有ければ如見　(xxx)
00010	東寺あたりの腕の生疵西鬼　(xxx)
00011	作る詩の跡をしたうて追かくる直成　(xxx)
00012	もすそに付る蜘の糸筋執筆　(xxx)
00013	広袖にあれたる駒の模様して宗恭　(xxx)
00014	声をかしくも道外壱人未学　(xxx)
00015	浄留りの過て跡には拍子とり西花　(xxx)
00016	すずしめ給へ日待する宿武仙　(xxx)
00017	神慮をも切麦素麺なんどにこそ梅翁　(xxx)
00018	からしかつを木おける白露西似　(xxx)
00019	秋風や雲に分入疝気やみ利方　(xxx)
00020	不かんにみえて行月のあし素玄　(xxx)
00021	花をふんでおなじく麒麟も老ぬれば西鬼　(xxx)
00022	孔子時代の鴬の声如見　(xxx)
00023	挨拶のかたい中より雪消て直成　(xxx)
00024	数奇屋がかりの窓の呉竹宗恭　(xxx)
00025	手水鉢筧の水はかはれども素玄　(xxx)
00026	谷のながれをたつる仮契り利方　(xxx)
00027	岩がねの五分三分うき思ひ武仙　(xxx)
00028	松はひさしき茯苓人参梅翁　(xxx)
00029	紙袋あけ行空の時鳥西似　(xxx)
00030	すでに廻向も急雨の跡西鬼　(xxx)
00031	爰に来て逆縁ながら弔はん如見　(xxx)
00032	お宿をかりて一会輿行西花　(xxx)
00033	途中より宗祇を同道申たり梅翁　(xxx)
00034	紀国の事皆埒があく素玄　(xxx)
00035	裏判の威光を以て月の影未学　(xxx)
00036	七高祖をもかけて置露如見　(xxx)
00037	秋の雨自力の心ふり捨て西鬼　(xxx)
00038	奉加でならば此破れ堂直成　(xxx)
00039	彼帝おはしまさざる其後は西似　(xxx)
00040	六十余年の国ぞさびしき利方　(xxx)
00041	高野若衆思ひつづけて独ゐの西花　(xxx)
00042	留守に付ざしくみやしつらん武仙　(xxx)
00043	此上は宮守のしるしあらためん宗恭　(xxx)
00044	扨調伏の檀にあがつて如見　(xxx)
00045	おし出す博多の海の舟や蔵利方　(xxx)
00046	ねり酒一樽ざさんざの秋梅翁　(xxx)
00047	庭訓の道行人にも馴る月武仙　(xxx)
00048	叡山のかたへ露のことづて未学　(xxx)
00049	花に吹嵐も寒し布子着よ素玄　(xxx)
00050	病あがり成鳥の囀り西似　(xxx)
00051	一日の日二日の雑煮もよそにみて梅翁　(xxx)
00052	旅だつ空はえ方也けり利方　(xxx)
00053	鼻もひぬ隣にむかひ大小便未学　(xxx)
00054	やしなひ君や姥がふところ宗恭　(xxx)
00055	朝夕に撫つさすつつ此茶入西鬼　(xxx)
00056	夜市はじまるすみよしの里武仙　(xxx)
00057	松かさのかづきもの成露しぐれ直成　(xxx)
00058	紅葉こきまぜくろ木はくろ木は梅翁　(xxx)
00059	野の宮も不案内なる暮の月素玄　(xxx)
00060	深いか浅いか此有栖川未学　(xxx)
00061	鮎釣つた罪も報も後の世も如見　(xxx)
00062	わすれはあてて蓼酢する也西似　(xxx)
00063	げに真練木は下女にもんまるる梅翁　(xxx)
00064	悋気の後は投足をして西鬼　(xxx)
00065	恋風や揚屋が軒に通ふらん利方　(xxx)
00066	二人が中をひやしもの也直成　(xxx)
00067	おろそとはこは情なき仰にて宗恭　(xxx)
00068	たより渚の跡の遠平梅翁　(xxx)
00069	飛かねたる千鳥一疋波に有西花　(xxx)
00070	古風な句作り寒き川風如見　(xxx)
00071	都出て立圃と申者なるが西似　(xxx)
00072	伏見にかかる銀の口あひ素玄　(xxx)
00073	お城山当月切に責よせて西鬼　(xxx)
00074	七日くづれの跡の秋風武仙　(xxx)
00075	どやどやと法事過れば散露に如見　(xxx)
00076	見よ幽霊の影の晨明宗恭　(xxx)
00077	待うたひ花に声する斗也直成　(xxx)
00078	うけ持て居る霞をちやうど未学　(xxx)
00079	春風のかかる一太刀まゐつたの梅翁　(xxx)
00080	うらみも何もはれ□□の雨西似　(xxx)
00081	夕鳶の羽ねかはしたる其時は素玄　(xxx)
00082	地にあらば又鼠のしんだの直成　(xxx)
00083	五穀をもはかり取べき舛の内宗恭　(xxx)
00084	すでに句践かたき焼印梅翁　(xxx)
00085	繰かへすむかしを今の新上荷未学　(xxx)
00086	まそをの糸やのぼる長崎利方　(xxx)
00087	四郎ざゑもん跡をひかへて相場書西鬼　(xxx)
00088	呼よせられて飛脚それそれ宗恭　(xxx)
00089	山里の花にと急ぐ喰通ひ梅翁　(xxx)
00090	大工小屋にも春は来にけり武仙　(xxx)
00091	さればこそ砥水に移る朧月西花　(xxx)
00092	くろ茶染にはしく物もなし如見　(xxx)
00093	兵法の道においては誰あらう宗恭　(xxx)
00094	ふみちらかして沓落す也素玄　(xxx)
00095	碓も暮に数そふ鞠の曲西似　(xxx)
00096	小家がちなる裏をかりましよ直成　(xxx)
00097	くだり腹折しもあしき京の町武仙　(xxx)
00098	上は賀茂川水をすごして利方　(xxx)
00099	悪酒をわけいかづちはあがらるる西鬼　(xxx)
00100	大かはらけのへそをかくした西花　(xxx)

天満千句　第七　月：二字返音［のりみづに：宗恭］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	糊水に月吹かへせ窓障子宗恭　(xxx)
00002	軒のもがりや笛竹の露西花　(xxx)
00003	かけ目安おもひよらざる鹿鳴て未学　(xxx)
00004	かさねて急度すます雁音武仙　(xxx)
00005	まだ残るうら一順に今朝の雲利方　(xxx)
00006	雨気に成てけぶる線香西鬼　(xxx)
00007	神鳴の其ふんどしやしめるらん西似　(xxx)
00008	あなやといへど舟がすわつた素玄　(xxx)
00009	淀川の落得ん事は不定也梅翁　(xxx)
00010	大橋小橋かかる入札如見　(xxx)
00011	万代の守りもかたき城の門直成　(xxx)
00012	神やきりけんつく棒さすまた執筆　(xxx)
00013	むくりこくりかくのごとくに御成敗西花　(xxx)
00014	扱にし向にもろこしの海宗恭　(xxx)
00015	黒舟をこぎのけ給へ人々よ武仙　(xxx)
00016	石火失の音きくもあぶなや未学　(xxx)
00017	殿守よりゆらりと飛で時鳥西鬼　(xxx)
00018	あつぱれ武者ぶり村雨の露利方　(xxx)
00019	長刀の匁風につるる初あらし素玄　(xxx)
00020	水車やらめぐる月影西似　(xxx)
00021	花あれば嵯峨の御寺尋来て如見　(xxx)
00022	すなはち霞む太鼓かねの音梅翁　(xxx)
00023	さへづれる鳥井をたてて幾廻未学　(xxx)
00024	古跡をとへば野の宮の春直成　(xxx)
00025	いま爰に分入給ふ境目論梅翁　(xxx)
00026	山山嵩嵩谷の水縄武仙　(xxx)
00027	えいやつと筏の床を組立て宗恭　(xxx)
00028	川のむかひへ鳶口の先利方　(xxx)
00029	火消し衆唯一人の下知によりて如見　(xxx)
00030	女車と見たる宗匠素玄　(xxx)
00031	木綿わた季に成ぬとて置ざりに西鬼　(xxx)
00032	在在所所の質札のきり宗恭　(xxx)
00033	盗み物脇より訴人出たらば利方　(xxx)
00034	天しる地しる右の条条梅翁　(xxx)
00035	影てらす卯月八日の曙に素玄　(xxx)
00036	おほぢの髭はすらりと落行西花　(xxx)
00037	世をとつて廿余年に矢蔵をあげ未学　(xxx)
00038	ただ夢の間の火燵也けり西似　(xxx)
00039	結び昆布むすびも果ぬ草枕宗恭　(xxx)
00040	こよひ爰にお茶をまゐれの西鬼　(xxx)
00041	引炭の住あらしては侯へど直成　(xxx)
00042	点者とあれば是非に及ばず利方　(xxx)
00043	灸はかたさがりなる空の雲梅翁　(xxx)
00044	乗物かきか山路すたすた武仙　(xxx)
00045	嫁入はかちはだしにて参るべし西鬼　(xxx)
00046	ますほの薄風ななりふり宗恭　(xxx)
00047	露しぐれはれ行雲のかかへ帯西鬼　(xxx)
00048	既馬より落かかる月如見　(xxx)
00049	咲花の日よりについて物申そ利方　(xxx)
00050	我其そこにいてとくる跡素玄　(xxx)
00051	用あらば尋て来ませ春の風直成　(xxx)
00052	何時成と入相のかね梅翁　(xxx)
00053	舞の内人人ねぶつてゐる程に素玄　(xxx)
00054	いさやなりひら鼻をふすべう如見　(xxx)
00055	色なうて匂ひ残れる青松葉宗恭　(xxx)
00056	吹秋風に酒がたらぬか西似　(xxx)
00057	霧晴て江戸の広いがしられたり梅翁　(xxx)
00058	しかれば古歌にも武蔵野の月直成　(xxx)
00059	此心つまもこもつて面白い如見　(xxx)
00060	さて二の汁もそもじのわけなら素玄　(xxx)
00061	どうなりとはないてからは胡桝の粉西鬼　(xxx)
00062	千の矢先の末のくつさめ梅翁　(xxx)
00063	えいざんの其名も高き園右衛門武仙　(xxx)
00064	はたち斗の器量こつがら利方　(xxx)
00065	樫の木の杖柱とも思ひしに梅翁　(xxx)
00066	蚊にくはれたるでつち一人未学　(xxx)
00067	腰かけに古団でもあらばこそ西似　(xxx)
00068	茶屋の豆腐はやがて其侭西花　(xxx)
00069	桶ながら道頓堀の墓所利方　(xxx)
00070	世はさだめなくかくる揚銭素玄　(xxx)
00071	空泣の涙の淵やかはるらん直成　(xxx)
00072	さらばといはばよう身を投うぞ梅翁　(xxx)
00073	短気ゆゑ袂に石は拾へども西鬼　(xxx)
00074	峯入してもいかに無作法宗恭　(xxx)
00075	月もしれ柴刈風情の事なれば如見　(xxx)
00076	こしらへ麁相な鎌におく露武仙　(xxx)
00077	花盛今をはじめの稽吉鑓素玄　(xxx)
00078	梅の立枝や弐間半ほど直成　(xxx)
00079	小借屋の軒の東風風吹落て宗恭　(xxx)
00080	請人にとる山王権現西花　(xxx)
00081	遣ひ入る猿は本より手が長い西鬼　(xxx)
00082	印可ゆるしもすむ水の月利方　(xxx)
00083	秋の田をどこで成とも弐百石素玄　(xxx)
00084	与力はなれてわたるかりがね梅翁　(xxx)
00085	内内の謀反を破るうす霧に直成　(xxx)
00086	宮は五戒をきのふまでこそ未学　(xxx)
00087	沙弥を経るすゑは何とか鳴海がた如見　(xxx)
00088	まはれば野辺になつみ水くみ素玄　(xxx)
00089	お薬のお影によつて独下女利方　(xxx)
00090	呼付た名の亀の尾の山宗恭　(xxx)
00091	峯の松成人の後扱何と西似　(xxx)
00092	琴の一曲わすれましたは武仙　(xxx)
00093	恥かいて皃はあかしの入道か西花　(xxx)
00094	常に場中をみぬ友千鳥素玄　(xxx)
00095	土龍茅原が末や持ぬらん宗恭　(xxx)
00096	古郷人の鍬をすてつつ梅翁　(xxx)
00097	みよしのも花はあれ共釜はなし西似　(xxx)
00098	山もかすみて見ゆる佗数奇武仙　(xxx)
00099	とび石にしたる巌は春の色未学　(xxx)
00100	ひがしより来てすわる碁所利方　(xxx)

天満千句　第八　菊：芋何［こつつりと：西花］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	こつつりと是を見彼を菊の酒西花　(xxx)
00002	しはぶきそふる秋風の音素玄　(xxx)
00003	抜みだす鼻毛の雫露もなし宗恭　(xxx)
00004	あはうげすつきり晴わたる月梅翁　(xxx)
00005	在郷は二千里の外町なれて直成　(xxx)
00006	もめんならびにあつち縮綿如見　(xxx)
00007	あなづつてもらいますまい土用干武仙　(xxx)
00008	ロ惜かるべし空に鳴蝉西似　(xxx)
00009	我娘うつくしよしと名がたたば利方　(xxx)
00010	ひじりは則うき別れして西鬼　(xxx)
00011	かた見とて残し置れし古葛籠未学　(xxx)
00012	涙に曇る鏡とがうよ執筆　(xxx)
00013	生れ付心の肉に恥かしや素玄　(xxx)
00014	など柄鮫のさらり共せで直成　(xxx)
00015	わび言はささらより猶手をすれど梅翁　(xxx)
00016	馬の蹴あげのかかる水垢武仙　(xxx)
00017	行人は覚えずしさつて通りけり西鬼　(xxx)
00018	主のおほせはあら□の露未学　(xxx)
00019	鎌倉を月に打立石風呂に如見　(xxx)
00020	今度の軍の深手身にしむ利方　(xxx)
00021	散花に中中外科も叶ふまじ西似　(xxx)
00022	風に柳の青きふらすこ宗恭　(xxx)
00023	唐土より降て来りし春の雨西花　(xxx)
00024	名は先立て塞打ときく梅翁　(xxx)
00025	御后美人といふもおろか也直成　(xxx)
00026	思ひの火をば身より出せる西似　(xxx)
00027	貴布弥神に祈誓をかけまくも宗恭　(xxx)
00028	氷と共にくだくかんたん武仙　(xxx)
00029	五十年も夜る茶を煮たる間にて未学　(xxx)
00030	隠居をしては家に杖つく素玄　(xxx)
00031	大風の吹につけても物淋し如見　(xxx)
00032	世のうきよりはまだたたき番西鬼　(xxx)
00033	乞食の中にとつても与次郎めか梅翁　(xxx)
00034	こしらへはよき打鑰にこそ西花　(xxx)
00035	月の色くれなゐ照すしばり縄素玄　(xxx)
00036	不動の猛火霧よ煙よ利方　(xxx)
00037	あの滝のおつる所が冷じや西似　(xxx)
00038	名誉瘧にきく山おろし梅翁　(xxx)
00039	時鳥あつたら物といひながら直成　(xxx)
00040	代句にしたる五月雨の空如見　(xxx)
00041	あやめ刈紀の有常は罷出素玄　(xxx)
00042	離別の神は引ぞ煩ふ西鬼　(xxx)
00043	三行半納戸の奥に取籠り西花　(xxx)
00044	米櫃あくればみゆるよこ物西似　(xxx)
00045	暁の雲に起伏鉢ひらき宗恭　(xxx)
00046	さて京ちかき山寺の秋直成　(xxx)
00047	習ひぬる筆の跡さへゑひもせす如見　(xxx)
00048	草履取してくるる月影利方　(xxx)
00049	さく花の羽柴とかやの其昔未学　(xxx)
00050	無常のけぶりかすむ遠山宗恭　(xxx)
00051	春風の鼻をふさいで紀の路かた直成　(xxx)
00052	いま貫之が空ね入して素玄　(xxx)
00053	あの様な咄す中にも手が悪い武仙　(xxx)
00054	異見いへどもよめぬ千話文西鬼　(xxx)
00055	大酒の後の朝の事なるに如見　(xxx)
00056	長者がもとにて食がくはれぬ西花　(xxx)
00057	灸一火すゑを頼て落給ふ利方　(xxx)
00058	大和路さして蜘はどちやら武仙　(xxx)
00059	熱釜のおとに聞えし山桜宗恭　(xxx)
00060	古かね店に雲よかすみよ西似　(xxx)
00061	水鳥も春は囀るおし小路素玄　(xxx)
00062	二条川原の陸にまどへり如見　(xxx)
00063	呼かへす戻り駕籠には月をのせて梅翁　(xxx)
00064	もそつとまつたらまけん松茸利方　(xxx)
00065	嵯峨よりも告て来りし雁の声西似　(xxx)
00066	釈迦は鑓にて大喧嘩あり梅翁　(xxx)
00067	弥陀は道そこを引なと云侭に西花　(xxx)
00068	弘誓の舟の水尾が替つた素玄　(xxx)
00069	川口に至りいたれば是はさて武仙　(xxx)
00070	関の釘貫結構な事宗恭　(xxx)
00071	引幕は杉村松かは色色に梅翁　(xxx)
00072	三輪の味酒ざさんざの声利方　(xxx)
00073	泊瀬めを招よせては戯れて直成　(xxx)
00074	その玉かづら薄の中でも如見　(xxx)
00075	打出す風一声に野べの月宗恭　(xxx)
00076	燧つけ竹露ぞこぼるる梅翁　(xxx)
00077	花盛床方の勢を催して西鬼　(xxx)
00078	うぐひすの声辰の時どり未学　(xxx)
00079	旅のつれまたるる物は春の空武仙　(xxx)
00080	菅笠をきて君はまどろめ西花　(xxx)
00081	田植歌恋の歌をば御夢想に直成　(xxx)
00082	折ふし郭公こきやこうの声梅翁　(xxx)
00083	あふ坂の関に用る正気散素玄　(xxx)
00084	一盃半にくむ岩清水宗恭　(xxx)
00085	糊つくる苔の衣もいかなれや西花　(xxx)
00086	坐禅のとこにしやちばつてゐる直成　(xxx)
00087	ほし蛸の入道是に罷あり梅翁　(xxx)
00088	煮ても焼てもいかぬ清盛西鬼　(xxx)
00089	六はらをさすりあぐれば心の臓未学　(xxx)
00090	たつた一夜でとまると覚て西似　(xxx)
00091	月もしれ思ひの煙旅籠宿利方　(xxx)
00092	露も路銭も残る執心如見　(xxx)
00093	手日記に是見給へや蔦かづら宗恭　(xxx)
00094	男もすなる壁土の陰西似　(xxx)
00095	引さき紙其印にやたてぬらん西鬼　(xxx)
00096	正面よりも二三畳あと如見　(xxx)
00097	によつと出る四日五日の朝日影未学　(xxx)
00098	節供過より花の最中梅翁　(xxx)
00099	蓬餅薇のはえたを重箱に直成　(xxx)
00100	春雨たびたび古き宿がへ素玄　(xxx)

天満千句　第九　水鳥：何蔵［ふなまくや：素玄］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	舟幕や波にうかべる鳥緞子素玄　(xxx)
00002	水引すゑの寒き風体西鬼　(xxx)
00003	斤秤に一むら芦やみだるらん直成　(xxx)
00004	さだまり駄賃ほたる飛影如見　(xxx)
00005	秋すでに立渡りたる札の辻梅翁　(xxx)
00006	御知行替の田面色づく西似　(xxx)
00007	慈悲心上より下るけふの月未学　(xxx)
00008	先雨露を親分にして宗恭　(xxx)
00009	是なりと請取てすむ破れ家武仙　(xxx)
00010	狸の穴を日用ほりつつ西花　(xxx)
00011	吹皮を指図の外に隙入て利方　(xxx)
00012	山をみたつる所さだめず執筆　(xxx)
00013	疱瘡も出やうによりて替るらん西鬼　(xxx)
00014	中もみ本もみ扨ひぢりめん素玄　(xxx)
00015	泊客有とは兼て夜着蒲団西似　(xxx)
00016	初瀬の宿に蔦籠長持直成　(xxx)
00017	小盗人横川の僧都に見付られ如見　(xxx)
00018	五つのいましめはや縄の露梅翁　(xxx)
00019	秋風の手先を折てそれ放下宗恭　(xxx)
00020	扨ロ上を野べの月かげ利方　(xxx)
00021	しつかりと台にのせたる花の枝西花　(xxx)
00022	ふたりして持軒の鑓梅武仙　(xxx)
00023	江戸家老又国家老春しりて素玄　(xxx)
00024	書状を以てけふの取沙汰未学　(xxx)
00025	御近所に夜前子細は存ねど梅翁　(xxx)
00026	両方の門うたれ給ひし如見　(xxx)
00027	西ひがし扨其後に兼平は武仙　(xxx)
00028	刃のひかり今朝の明星宗恭　(xxx)
00029	伊勢路にて風与気違に行合せ直成　(xxx)
00030	ましてやまぢかくすごき目の内西鬼　(xxx)
00031	狼をあますまじとて二つ玉利方　(xxx)
00032	源平たがひに夜道山道梅翁　(xxx)
00033	はや飛脚舟と陸との其間如見　(xxx)
00034	酒の相場を割付にして西似　(xxx)
00035	一順箱夕べの月の大まはし西鬼　(xxx)
00036	諷のふしをきいた虫の音西花　(xxx)
00037	秋更るみよしのんのと草はえて梅翁　(xxx)
00038	さても気侭にあるる古郷利方　(xxx)
00039	残しおく妻や子共は数多有宗恭　(xxx)
00040	跡職ならびに涙を添て如見　(xxx)
00041	釜の下恋に朽なん灰迄も未学　(xxx)
00042	あだことの葉はただ猫の糞直成　(xxx)
00043	大熱気さし足をして蚊帳のはし西似　(xxx)
00044	入道どののお目をさまさじ素玄　(xxx)
00045	生れ付木の実斗を茶菓子にて武仙　(xxx)
00046	青磁の鉢の露の世の中宗恭　(xxx)
00047	いか様に堀出したる夜半の月西花　(xxx)
00048	つるについたる金山の□ 西鬼　(xxx)
00049	かん鍋に花有香有傾城有如見　(xxx)
00050	今此時かや死ねしのの春梅翁　(xxx)
00051	御兄弟見捨てどちへ消る雪素玄　(xxx)
00052	さんしやう太夫か袖の山風武仙　(xxx)
00053	豆腐豆腐赤装束をめされたり直成　(xxx)
00054	小見世かざりて住よしをどり利方　(xxx)
00055	有付て岸の姫松目出度さよ梅翁　(xxx)
00056	二季の仕着せにさそふ浦風西似　(xxx)
00057	はな紙を一折たたむ浪小舟宗恭　(xxx)
00058	ちち大臣をおもふなみだに西鬼　(xxx)
00059	古郷を三日三夜ねた間にも武仙　(xxx)
00060	形見の肌着もつてまはつた如見　(xxx)
00061	かし駕籠や恋の重荷と成ぬらん利方　(xxx)
00062	二十貫目にあまる俤梅翁　(xxx)
00063	むら紅葉薪にわりし夕間暮西鬼　(xxx)
00064	茶船一艘川水の月素玄　(xxx)
00065	大坂の露のすぎはひとはれし時梅翁　(xxx)
00066	おく算盤の玉造り口宗恭　(xxx)
00067	欠落は小町が果の名也けり素玄　(xxx)
00068	せなかにおへるおもひいか程直成　(xxx)
00069	是からは桟敷までの道の法如見　(xxx)
00070	賀茂の競馬に飛車で参う梅翁　(xxx)
00071	たとへ我香合には負とも宗恭　(xxx)
00072	何時にても腕おしならば西似　(xxx)
00073	朝夕の食の過たる腹心利方　(xxx)
00074	霧立のぼるたばこの煙未学　(xxx)
00075	両袖の露もまだひぬ端売女西鬼　(xxx)
00076	匂ひの玉の別路の月如見　(xxx)
00077	細物店花に八声の鳥が鳴西似　(xxx)
00078	駒うちかすむ末は追分素玄　(xxx)
00079	ししししし志賀の都は春めきて未学　(xxx)
00080	細波よする迹の小便武仙　(xxx)
00081	菜畑に浜の真砂はつくる□ 西花　(xxx)
00082	仏につかふる同じ君が代梅翁　(xxx)
00083	墨染の天の羽衣袈裟かけて利方　(xxx)
00084	麁飯の御斎しばしとどめん西鬼　(xxx)
00085	さる程に夜中の酒気残らん直成　(xxx)
00086	火もとは遠い先先ねませう西花　(xxx)
00087	かの后好ませ給ふ長枕素玄　(xxx)
00088	帯なされしより青梅の由宗恭　(xxx)
00089	紫蘇の葉の色帷子で風呂上り梅翁　(xxx)
00090	汗気をさつて跡の草臥西似　(xxx)
00091	すつぽんも手足ぐにやつく浪の月武仙　(xxx)
00092	肥前の秋に生れそこなひ如見　(xxx)
00093	是今度西国よりものぼる露素玄　(xxx)
00094	分てとらぬかやすい俵物武仙　(xxx)
00095	は喧嘩は□□□ら様の其後に西似　(xxx)
00096	大盃をさしあげさしあげ西鬼　(xxx)
00097	殿様へ慮外ながらも此目安利方　(xxx)
00098	腰をかがめて広縁の先如見　(xxx)
00099	かこひなすにじり上りの花の庭宗恭　(xxx)
00100	屏風をゆらり飛で鴬未学　(xxx)

天満千句　第十　雪：餅何［なをうづむな：西鬼］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	名をうづむな骨はくだくと笠の雪西鬼　(xxx)
00002	一奉公は嵐木がらし梅翁　(xxx)
00003	雲迷ふ御馬の先に山越て如見　(xxx)
00004	かねて瀬ぶみをきく郭公西似　(xxx)
00005	月移る浦の男を呼出し素玄　(xxx)
00006	かち荷それそれ秋風の声宗恭　(xxx)
00007	ふと縄でからげ付たる萩薄直成　(xxx)
00008	干□いづれ露ぞみだるる武仙　(xxx)
00009	やせこけて目にもたまらず泣わたり西花　(xxx)
00010	それは袖乞是は別れ路利方　(xxx)
00011	いとまごひぞと云文字の悲しけれ未学　(xxx)
00012	ちりけ本より恨たらたら執筆　(xxx)
00013	二火三火すゑはともあれかくもあれ梅翁　(xxx)
00014	かなぐり放し御意に任て西鬼　(xxx)
00015	罷立て湖を結んで手水とし武仙　(xxx)
00016	舟遊びにも濃茶成らん素玄　(xxx)
00017	ふくさ物とめて逢瀬の波枕西似　(xxx)
00018	旅ねに置しかね言の露如見　(xxx)
00019	待て居や追付江戸より上る月利方　(xxx)
00020	互に無事にひぐらしの声直成　(xxx)
00021	春は花秋は栄て身体も西花　(xxx)
00022	芝居の入はふき付る程宗恭　(xxx)
00023	一風呂や四条川原の水煙未学　(xxx)
00024	下屋敷にて祝ふ初聟梅翁　(xxx)
00025	小指の先きりにかかつた友柳西鬼　(xxx)
00026	時分はよいと誓紙かく也武仙　(xxx)
00027	年の程目付にしても何か扨素玄　(xxx)
00028	太夫ばしらや談合柱利方　(xxx)
00029	山田では誰か御座らう床脇に直成　(xxx)
00030	其守武を宗匠にして如見　(xxx)
00031	天文の比よりつたはる持扇子宗恭　(xxx)
00032	扨も久しい聞書がある西似　(xxx)
00033	れいぜいは許のごとく声立て西花　(xxx)
00034	又しては又あじやらばかりを未学　(xxx)
00035	月影もくらい所でしやひよんな梅翁　(xxx)
00036	けうといかほを見する雲霧宗恭　(xxx)
00037	びつくりと驚かれぬる秋の風利方　(xxx)
00038	とんとはなしてすつかりの声如見　(xxx)
00039	ける鞠は垣のあちらへ落ました武仙　(xxx)
00040	精進ばなれとみすのおもかげ西鬼　(xxx)
00041	心中なら我をいざなへ極楽へ素玄　(xxx)
00042	七万八万十万億土梅翁　(xxx)
00043	米俵蔵より外にあまるらん西似　(xxx)
00044	近年鼠にふとりがついた西花　(xxx)
00045	駕籠をやめて乗て行べき馬の尾の未学　(xxx)
00046	小銭がたまらぬすいなうの露利方　(xxx)
00047	夕月の星の違うためつた的宗恭　(xxx)
00048	かぶとのはちに嵐すさまじ素玄　(xxx)
00049	後より引ちぎつたる花の枝西鬼　(xxx)
00050	是見てたもれ青柳のかみ直成　(xxx)
00051	佐保姫のかくすとすれど移る瘡利方　(xxx)
00052	かすみの衣熱湯かけたり武仙　(xxx)
00053	御坊様そこつ者をもつかやれば梅翁　(xxx)
00054	くちなしばらをしきりに立ます西花　(xxx)
00055	今少腫物の針ははやさうな直成　(xxx)
00056	ただ独子のちんばになつたら西花　(xxx)
00057	玉にあらず石と見ながら印地打未学　(xxx)
00058	正月すでに五月なりけり梅翁　(xxx)
00059	門松と葉色はおなじあやめふく素玄　(xxx)
00060	草の庵の塀に袖垣宗恭　(xxx)
00061	むかし見し妹が事をば落書に西鬼　(xxx)
00062	水戸佐竹をば前渡して未学　(xxx)
00063	よせ勢も川を隔て空の月如見　(xxx)
00064	相図の太皷秋風のおと西似　(xxx)
00065	籠人の身ははかなしや露よりも宗恭　(xxx)
00066	小便なめて見たがロをし素玄　(xxx)
00067	いかに殿の熱におかされ給ても梅翁　(xxx)
00068	枕にたてる蜘切があり西鬼　(xxx)
00069	放下師も来べき宵也所望せん武仙　(xxx)
00070	日待と申若い衆といひ利方　(xxx)
00071	穢るるにれうじな事をめさるるな如見　(xxx)
00072	筋をきいたか縁辺は先梅翁　(xxx)
00073	媒も手の裏かへすばかり也西鬼　(xxx)
00074	扨数奇屋には葛の葉かづら宗恭　(xxx)
00075	水鉢に風さわぐ也秋の空西似　(xxx)
00076	盆石すなはち山の端の月直成　(xxx)
00077	花あれば駿河の府中に入にけり素玄　(xxx)
00078	雉子のめんどり抱しめてしめて武仙　(xxx)
00079	くちなはの其執心は穴を出西花　(xxx)
00080	はふてこ□□を塚の印に未学　(xxx)
00081	其太刀にかけ残したる鮫が有宗恭　(xxx)
00082	貴所のおさない袴着しやらば素玄　(xxx)
00083	俄なれど明日はれな客を得る梅翁　(xxx)
00084	急雨のして炉路の打水武仙　(xxx)
00085	六尺は懐手にてゐたりけり直成　(xxx)
00086	扨扨慮外な長いふんどし西似　(xxx)
00087	天道の恐もしらぬ棹の端如見　(xxx)
00088	私用をはたらく銀の懸やう西鬼　(xxx)
00089	てにはといひ喰さき紙の付はだへ未学　(xxx)
00090	今人倫にのぞむかうやく宗恭　(xxx)
00091	なすび畑月をば誰かほめざらん西似　(xxx)
00092	扨うつくしき十八ささげ利方　(xxx)
00093	我等式憚ながら文ひとつ宗恭　(xxx)
00094	つつとよれとて遊也の御前如見　(xxx)
00095	権現の詫宣の程きかせうぞ素玄　(xxx)
00096	是は伝受の箱根山也利方　(xxx)
00097	曽我殿はまづしけれ共一包西鬼　(xxx)
00098	諸礼にいはく先心ざし西花　(xxx)
00099	朋友の道をはじめの花の春梅翁　(xxx)
00100	行すゑ頼もし猶家桜西似　(xxx)

天満千句　追加［ながもちや：直成］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	長持やひらき給へば大神楽直成　(xxx)
00002	日月ひかり寒る白銀執筆　(xxx)
00003	山は雪三十余丈に降つみて西花　(xxx)
00004	足の俣よりみねの松風素玄　(xxx)
00005	狼をいづれの村迄切売に西似　(xxx)
00006	維て銭さし火縄の煙未学　(xxx)
00007	立役者かうべに花を戴て西鬼　(xxx)
00008	京からくだる梅の一枝如見　(xxx)

天満千句 １１巻

天満千句 第一 梅：米何［さすえだの：梅翁］

天満千句 第二 初灸：何箸［そのあとや：西似］

天満千句 第三 花：麹何［せきひつや：如見］

天満千句 第四 時鳥：何礫［すみぬりの：利方］

天満千句 第五 若竹：何釘［わかたけや：武仙］

天満千句 第六 跳：何桜［いせのにじや：未学］

天満千句 第七 月：二字返音［のりみづに：宗恭］

天満千句 第八 菊：芋何［こつつりと：西花］

天満千句 第九 水鳥：何蔵［ふなまくや：素玄］

天満千句 第十 雪：餅何［なをうづむな：西鬼］

天満千句 追加［ながもちや：直成］

天満千句　１１巻　

天満千句　第一　梅：米何［さすえだの：梅翁］

天満千句　第二　初灸：何箸［そのあとや：西似］

天満千句　第三　花：麹何［せきひつや：如見］

天満千句　第四　時鳥：何礫［すみぬりの：利方］

天満千句　第五　若竹：何釘［わかたけや：武仙］

天満千句　第六　跳：何桜［いせのにじや：未学］

天満千句　第七　月：二字返音［のりみづに：宗恭］

天満千句　第八　菊：芋何［こつつりと：西花］

天満千句　第九　水鳥：何蔵［ふなまくや：素玄］

天満千句　第十　雪：餅何［なをうづむな：西鬼］

天満千句　追加［ながもちや：直成］