大坂檀林桜千句　１１巻

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作品集名	大坂檀林桜千句　１１巻
作品集名読み	おおさかだんりんさくらせんく
作成年月日	延宝六年五月（1678年6月頃）
場所

大坂檀林桜千句　第一　初桜：銀何［だんりんの：益翁］

大坂檀林桜千句　第二　山桜：何腸［やまざくら：友雪］

大坂檀林桜千句　第三　一村桜：茶何［せいさつや：均朋］

大坂檀林桜千句　第四　薄花桜：何薬［ふんべつや：夕烏］

大坂檀林桜千句　第五　並木桜：中何［つぎわけや：素敬］

大坂檀林桜千句　第六　深山桜：何刀［よすてばうず：如昔］

大坂檀林桜千句　第七　一重桜：藍何［あましやうじ：柴舟］

大坂檀林桜千句　第八　千本桜：何食［ぎをんばはき：益友］

大坂檀林桜千句　第九　墨染桜：帳何［はことひや：本秋］

大坂檀林桜千句　第十　遅桜：何謡［ぶたつしやな：由平］

大坂檀林桜千句　追加　渦桜：□□［さかづきや：西鶴］

大坂檀林桜千句　第一　初桜：銀何［だんりんの：益翁］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	檀林の山やひらきて初桜益翁　(xxx)
00002	板木のかすみ天下一枚友雪　(xxx)
00003	増駄賃さだまる道の雪消て由平　(xxx)
00004	新若草もふとり宍也均朋　(xxx)
00005	薄着する袂にもるる春の風本秋　(xxx)
00006	さあ井戸替の水のしら浪夕烏　(xxx)
00007	真砂地の月に声ある鶴の箸益友　(xxx)
00008	大俎板の松の下露素敬　(xxx)
00009	散つくす正木のかつらに帳とぢて柴舟　(xxx)
00010	谷の奄の奉加のおもむき如昔　(xxx)
00011	世をすてて中比帝ましますか執筆　(xxx)
00012	数のたからのたましひ一つ西鶴　(xxx)
00013	土性の人も蓬が嶋に来て友雪　(xxx)
00014	ふらふら病ひ薬もとめん益翁　(xxx)
00015	物ごとをただ打捨て若隠居均朋　(xxx)
00016	つとめていたる江戸義もつぱら由平　(xxx)
00017	けふもまた勘定方のおさいそく夕烏　(xxx)
00018	未進のこりて稲葉こぽるる本秋　(xxx)
00019	負退にうつわたりてや月に雁素敬　(xxx)
00020	しなへにもろき霧の下風益友　(xxx)
00021	花の水ぬれた詞にまよはれて如昔　(xxx)
00022	かこひに惜き袖の藤浪柴舟　(xxx)
00023	廿三か四か五か六か春の暮西鶴　(xxx)
00024	かすみも遠き桟敷取して友雪　(xxx)
00025	から荼毘に山のすがたも今ははや柴舟　(xxx)
00026	蝉の梢の床は病中均朋　(xxx)
00027	長ばなし無用と告る松の風益翁　(xxx)
00028	烟いづこにきせるはなさぬ夕烏　(xxx)
00029	てんがうも目覚る程の朝朗益友　(xxx)
00030	誰が墨つけし宇治の川づら西鶴　(xxx)
00031	水しろうさらす細布ひろとりて由平　(xxx)
00032	つくり物には陰の卯花如昔　(xxx)
00033	うたふたる五言七言ほととぎす夕烏　(xxx)
00034	琵琶琴あればひびく山彦益翁　(xxx)
00035	峯の月今見し事も千部の経本秋　(xxx)
00036	かくて御堂にのこる夕露素敬　(xxx)
00037	売掛や秋をかさねし衣番西鶴　(xxx)
00038	みがかばひかれそろばんの玉由平　(xxx)
00039	枕箱ふして立居がならずとも均朋　(xxx)
00040	不自由ながらも浪の川御座益友　(xxx)
00041	念者嫌ひされど鼓はほうほうほう友雪　(xxx)
00042	其後まことの文のとりやり柴舟　(xxx)
00043	部屋住は唯極楽のこころして益翁　(xxx)
00044	千話のあまりに笑仏か西鶴　(xxx)
00045	天にあらば比翼の鳥の三具足如昔　(xxx)
00046	ぴかぴかとする月と日と星夕烏　(xxx)
00047	露ふかき野を分衣紋づくし益友　(xxx)
00048	役者の名付筆つ虫啼素敬　(xxx)
00049	篠屋より花のしら輿かき出して由平　(xxx)
00050	宮は落させたまふ春風本秋　(xxx)
00051	いか幟いともかしこき行末は西鶴　(xxx)
00052	竹のはやしのから子幾人益翁　(xxx)
00053	線香立霜の烟の立のぽり本秋　(xxx)
00054	はやい付句に鴛鴨の声柴舟　(xxx)
00055	池浪のよるはなら茶に朝は粥夕烏　(xxx)
00056	やみあがりとて髭あらふ也友雪　(xxx)
00057	陸奥の夷が女房そばにねな均朋　(xxx)
00058	子のとまるべきつぽのいしぶみ西鶴　(xxx)
00059	からうすに南の風の音添て益翁　(xxx)
00060	久しく残る菊の酒部屋由平　(xxx)
00061	あら莚打はらふにも秋の露素敬　(xxx)
00062	いつはて芝居霧の夕暮益友　(xxx)
00063	からかさをかたげて出る空の月如昔　(xxx)
00064	邪邪馬とむる鹿の通路本秋　(xxx)
00065	中間の栖はいづく谷隠れ益友　(xxx)
00066	もとゆひひねる滝のしら糸如昔　(xxx)
00067	火渡や水のうたかた消かかり柴舟　(xxx)
00068	浪のしがらみ赤がねの網均朋　(xxx)
00069	地より三里のぼるうき雲空とぢて由平　(xxx)
00070	煙に籠る富士の胴骨益翁　(xxx)
00071	笹竹に浮世を見する☆うり西鶴　(xxx)
00072	大みや人もよはる腎情夕烏　(xxx)
00073	狩衣青い皃して恋わたり本秋　(xxx)
00074	紅葉みだれてあとの酔ざめ素敬　(xxx)
00075	一風呂に月の夕風吹おくり均朋　(xxx)
00076	剃刀あはす露のした水益友　(xxx)
00077	死んで名は土に埋むと花心友雪　(xxx)
00078	霞に響くかねは出来物由平　(xxx)
00079	鴬のひな引つるるたいこ持素敬　(xxx)
00080	もらひ羽織や雉のちよろけん西鶴　(xxx)
00081	野辺見ればやきなほしたる草の色由平　(xxx)
00082	はらやをうつす霜のむら消本秋　(xxx)
00083	手道具を明初るより朝日影益友　(xxx)
00084	声する鳥毛す鑓長刀友雪　(xxx)
00085	宿入は今逢坂の関越て柴舟　(xxx)
00086	穢多中間や志賀の浦人益翁　(xxx)
00087	犬が吠て幾度袖をはらはまし夕烏　(xxx)
00088	一百三十六道の辻均朋　(xxx)
00089	かし銭や救ひとらるる御はうべん西鶴　(xxx)
00090	目をふさぐまの博奕也けり如昔　(xxx)
00091	めつた的月にむかへばあぶないぞ益翁　(xxx)
00092	半たんばかり霧の海づら由平　(xxx)
00093	木綿帆に秋風しろき浪の舟益友　(xxx)
00094	又御城銀しほのぽる也本秋　(xxx)
00095	苫屋形さて蔵屋敷求られ柴舟　(xxx)
00096	商ひとくい小田のますら男益翁　(xxx)
00097	くり綿の弓持かたの眉ねかき如昔　(xxx)
00098	われ物つめよ猫がそばゆる友雪　(xxx)
00099	匂ひ来る花は鰹のたたきにて西鶴　(xxx)
00100	樽は青柳うつす酒しほ由平　(xxx)

大坂檀林桜千句　第二　山桜：何腸［やまざくら：友雪］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00101	山桜雲やとぎ出す高蒔絵友雪　(xxx)
00102	みだれ箱より風の青柳均朋　(xxx)
00103	たばこ火入消ぬ朝の雪散て益翁　(xxx)
00104	桟敷はるかに雨すぐるなり夕烏　(xxx)
00105	ひつかづく鐘や響て聞ゆらん由平　(xxx)
00106	やはらのあて身いとふ夜嵐素敬　(xxx)
00107	勝相撲むりな所に月落て本秋　(xxx)
00108	殿の威勢になびく小薄如昔　(xxx)
00109	馬さしもはひゆく野べに鳴鶉益友　(xxx)
00110	大津八丁すゑは深草柴舟　(xxx)
00111	丹緑青竹の葉山をうつされて執筆　(xxx)
00112	やす挑灯にほたる飛たつ西鶴　(xxx)
00113	五月闇道がわるいに送らせう均朋　(xxx)
00114	樗の蔭に小御座さしゆく友雪　(xxx)
00115	ねぶり顔法師の色はかはらじを夕烏　(xxx)
00116	今臨終は血のなみだ也益翁　(xxx)
00117	見ぬ先にこはいと聞しわたり川素敬　(xxx)
00118	箱根は越そか旅の秋風由平　(xxx)
00119	月に雁とほり手形をあらためて如昔　(xxx)
00120	大名銀もくだるしら露本秋　(xxx)
00121	花の種ひらき初てはおためづく柴舟　(xxx)
00122	山吹衣つよい紬ぢや益友　(xxx)
00123	小盥にいざのりかはん春の水西鶴　(xxx)
00124	日影しづかに横町の暮夕烏　(xxx)
00125	二重門見あぐる空の雲晴て由平　(xxx)
00126	御めしの公事人きくほととぎす均朋　(xxx)
00127	山は是宮地寺地の杉がくれ益翁　(xxx)
00128	縁起の次第雪こまか也如昔　(xxx)
00129	柴薪負せて出る牛の玉友雪　(xxx)
00130	しほくみ車まはるねり薬由平　(xxx)
00131	見渡せば松の木柱に竹のへら素敬　(xxx)
00132	よしのの山の腰ふざけなり西鶴　(xxx)
00133	彼翁例のせんきがとがめては本秋　(xxx)
00134	七度迄こそ酒が過たれ柴舟　(xxx)
00135	地黄丸まるめてみれば空の月夕烏　(xxx)
00136	ぬり看板や鹿のつまがた益友　(xxx)
00137	色になる千草の数を物覚如昔　(xxx)
00138	座頭の胸は広きむさし野益翁　(xxx)
00139	按摩とる跡しづかなる富士颪益友　(xxx)
00140	気がさはさはとめぐる夕だち均朋　(xxx)
00141	情とて虹のかけたる端女郎西鶴　(xxx)
00142	べんがら嶋の袖のうつり香柴舟　(xxx)
00143	うき契一夜泊りの旅ぶとん本秋　(xxx)
00144	なみだながれて末はかは氈友雪　(xxx)
00145	わかれ路の名残はおなじ銭勝負益翁　(xxx)
00146	坊主きけとてうつあさ衣西鶴　(xxx)
00147	夕露も文台脇にさしかかり夕烏　(xxx)
00148	月待つけて料理出します益友　(xxx)
00149	木のもとの花のあるじはふうがよい由平　(xxx)
00150	長い羽織や袖の春風素敬　(xxx)
00151	けんによもない鳥が囀る苧桶がら西鶴　(xxx)
00152	雁は帰ろと請とらぬふみ柴舟　(xxx)
00153	兄分の名古曾の関はくだすまい如昔　(xxx)
00154	敵うつ身は世をしのぶ山本秋　(xxx)
00155	えりつきや薄き着こみの下紅葉均朋　(xxx)
00156	大母衣負し秋の神わざ益友　(xxx)
00157	さばき髪みだせる露の木綿だすき素敬　(xxx)
00158	月もしらけて幽霊の真似益翁　(xxx)
00159	散つくす柳の蔭になまい陀ぶ友雪　(xxx)
00160	舟よりがつぱと浦浪の音夕烏　(xxx)
00161	材木をおろするかたの磯千鳥益友　(xxx)
00162	国やくかかるむら時雨行西鶴　(xxx)
00163	是はまた猿楽米の小田のはら本秋　(xxx)
00164	あれたらおのれつつてくれうぞ由平　(xxx)
00165	棚板は不破の中山すみかへて柴舟　(xxx)
00166	とぎ舟よする藤川の浪友雪　(xxx)
00167	鉄手木も君につかへる道具也如昔　(xxx)
00168	まくら言葉の玉の汗水均朋　(xxx)
00169	朝もよひ気色のはどが気にかかる由平　(xxx)
00170	振舞のべて煙淋しき益友　(xxx)
00171	なり物の法度をふるる草の庵友雪　(xxx)
00172	苔のころもや黄檗の山本秋　(xxx)
00173	手づくりの茶薗のみどり岑の松益翁　(xxx)
00174	月の夜込や雪のあけぽの由平　(xxx)
00175	日千句に嵐の雲やさわぐらん素敬　(xxx)
00176	鳴門の舟もかるいいきやう夕烏　(xxx)
00177	おもへば世菰なげるまの花の浪西鶴　(xxx)
00178	誰がうみながし梅の下水益翁　(xxx)
00179	どうよくな主にかかれば春の雨均朋　(xxx)
00180	一ぱいきりの飯もりの山西鶴　(xxx)
00181	ひらかたをめてにみなしてゆく程に由平　(xxx)
00182	指図のにしは舟あり川有友雪　(xxx)
00183	墨壷もおもへば弥陀の御手の糸素敬　(xxx)
00184	かた目ふさいでしやりかんだ也柴舟　(xxx)
00185	此うへは浮木の亀に入聟を益翁　(xxx)
00186	浦島が子は若衆のよし由平　(xxx)
00187	とめ伽羅のはこやの山は常盤にて益友　(xxx)
00188	ひむく白むく鶴の毛衣如昔　(xxx)
00189	三本の松の葉ごしに後の出は本秋　(xxx)
00190	吸物いそげおくの武隈夕烏　(xxx)
00191	鍋所又塩竃のうらの月西鶴　(xxx)
00192	いつか来にけん秋の野がけに益翁　(xxx)
00193	女郎花ともになまめく☆帯益友　(xxx)
00194	うつくしよしと手かけ足掛友雪　(xxx)
00195	下屋敷つてがあろなら拝みたい由平　(xxx)
00196	行ては帰る六条まゐり夕烏　(xxx)
00197	しら浪もたたみながらにすきすはう本秋　(xxx)
00198	まづよこ笛の穴師ふく風西鶴　(xxx)
00199	巻向の花に相図を合点か益翁　(xxx)
00200	大からくりの跡かすむ山素敬　(xxx)

大坂檀林桜千句　第三　一村桜：茶何［せいさつや：均朋］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00201	制札や一むら桜折とる事均朋　(xxx)
00202	池の鯉鮒岸の藤浪夕烏　(xxx)
00203	龍骨車に暮行春の水越て友雪　(xxx)
00204	あぶらのしづく霞ながるる素敬　(xxx)
00205	箔紙のひかりや峯に残すらん益翁　(xxx)
00206	火縄のしめり月の下風如昔　(xxx)
00207	手刻のかをりにうづむ空の霧由平　(xxx)
00208	太鼓の音になびく秋萩柴舟　(xxx)
00209	鳴鹿の妻をあへなく討たとや本秋　(xxx)
00210	なみだの時雨狂言の種益友　(xxx)
00211	通路の土手に松などあしらひて執筆　(xxx)
00212	口舌しかける前置の草西鶴　(xxx)
00213	うは髭のつらをば一つぴつしやりと夕烏　(xxx)
00214	中間部屋になにかはしらず均朋　(xxx)
00215	銭つかひ百物がたり時すぎて素敬　(xxx)
00216	霊宝をがみかへるさのみち友雪　(xxx)
00217	是ぢや是ぢや生死の海の生捕ぢや如昔　(xxx)
00218	すでに平家を引わたす霧益翁　(xxx)
00219	御当所の御田は過て秋の月柴舟　(xxx)
00220	六尺にきるさをのかりがね由平　(xxx)
00221	夕山の花染衣とほしえり益友　(xxx)
00222	伽奉公は春雨の中本秋　(xxx)
00223	臍の緒も今落水に鳴蛙西鶴　(xxx)
00224	ふと股あらふ玉川の浪如昔　(xxx)
00225	布さらす女に通をうしなうて益翁　(xxx)
00226	おもひに煙るひしやや木の灰夕烏　(xxx)
00227	手水鉢もれぬる中のうき契本秋　(xxx)
00228	袖は泪にぬれ縁のさき均朋　(xxx)
00229	かし座敷余所に見なして清見潟友雪　(xxx)
00230	千鳥のあとは当分の請益友　(xxx)
00231	さし捨し芦間の小舟御城米柴舟　(xxx)
00232	一にぎりづつこぼす露霜西鶴　(xxx)
00233	打しまふ暮石も白き今朝の月素敬　(xxx)
00234	扈従まじりに鳴たちさわぐ益翁　(xxx)
00235	心なき身にも衆道はしられけり由平　(xxx)
00236	大師已来もまた恋の山友雪　(xxx)
00237	朝鉢にしげき小篠を分分て均朋　(xxx)
00238	雀飛さる錫杖の音本秋　(xxx)
00239	弓と矢に甲の立もの取合友雪　(xxx)
00240	彼大床もふる道具見世夕烏　(xxx)
00241	国替や俄の風に庭の松西鶴　(xxx)
00242	けさ烏なきわるいとおもうた由平　(xxx)
00243	江戸の水ながれに洗ふくさり魚益友　(xxx)
00244	あつたらものを海士のすて舟柴舟　(xxx)
00245	よい娘終に藻塩の夕煙本秋　(xxx)
00246	部屋に残せし其おもひ草如昔　(xxx)
00247	二心ないととめたる筆の露由平　(xxx)
00248	五人の子共奥州の月西鶴　(xxx)
00249	歌読の御代栄んと花咲て益翁　(xxx)
00250	いの字のついた雁帰る空素敬　(xxx)
00251	春の海移りて青き畳割益友　(xxx)
00252	ひえん中間のひかりいざよふ本秋　(xxx)
00253	雲の袖修多羅維結にみだれきて西鶴　(xxx)
00254	天津乙女や手ききなるらん由平　(xxx)
00255	たか給のかねの響きは初瀬山素敬　(xxx)
00256	上酒いるる杉の二もと益翁　(xxx)
00257	忍冬もおなじかづらに苔むして本秋　(xxx)
00258	湯風呂たき立あらふ頸筋夕烏　(xxx)
00259	禿事けふよりしては女郎分均朋　(xxx)
00260	器用はだなる袖の玉章益友　(xxx)
00261	入大工ゆきてはかへりかへりては益翁　(xxx)
00262	竹田の月に駄賃取して友雪　(xxx)
00263	衣季や儒半一つに秋寒し如昔　(xxx)
00264	獅子舞つかふ露の夕暮柴舟　(xxx)
00265	張貫の文珠も動く荻薄本秋　(xxx)
00266	なぐさみ的をかすが野の原素敬　(xxx)
00267	数円座烟みじかき莨☆盆由平　(xxx)
00268	けふは礼場に人の身の上西鶴　(xxx)
00269	落所定めぬ鞠の沓わたし益友　(xxx)
00270	遊行の柳いまあそび寺益翁　(xxx)
00271	煮ざましにあらめの杓子春みえて柴舟　(xxx)
00272	囀る鳥のわり玉子なり如昔　(xxx)
00273	香箱に匂ふ雷やこぽすらん友雪　(xxx)
00274	きりし小指のちしほある花由平　(xxx)
00275	しののめの別をつぐる石の鳥井夕烏　(xxx)
00276	琴を枕に茶屋の月影均朋　(xxx)
00277	泉水に七夕渡す橋かけて西鶴　(xxx)
00278	下踏にてわくる霧の下道柴舟　(xxx)
00279	八重雲の立かさなりて肴市益翁　(xxx)
00280	はんぎり潰の塩の山また西鶴　(xxx)
00281	しら土にさしでの磯の浪かけて均朋　(xxx)
00282	君が千年をこめし内蔵友雪　(xxx)
00283	節なしの常盤の松を材木屋如昔　(xxx)
00284	たがはぬ月や極印なるらん夕烏　(xxx)
00285	御面体露も忘れぬ薄みつちや本秋　(xxx)
00286	目もとにこぼす秋の村雨由平　(xxx)
00287	きいた様子今ゐやうなら時鳥西鶴　(xxx)
00288	草の庵の跡渡そもの柴舟　(xxx)
00289	捨し身はいかずとかるうやり句して益友　(xxx)
00290	油単一つに名所一見益翁　(xxx)
00291	焼食の烟は空に扨も扨も由平　(xxx)
00292	養歯にけづる三穂の浦松素敬　(xxx)
00293	鼻紙もしろくながるる沖つ浪均朋　(xxx)
00294	うみをし出すあとの釣舟本秋　(xxx)
00295	爰に又ひとりの翁しかみ顔益友　(xxx)
00296	ふし見の里をひらく分別友雪　(xxx)
00297	入札もかさなる峯や木幡山素敬　(xxx)
00298	つもりてはじく滝の白玉由平　(xxx)
00299	竹箆やおとする花をさらへ書西鶴　(xxx)
00300	是なる梅の蔭にちやうはん益翁　(xxx)

大坂檀林桜千句　第四　薄花桜：何薬［ふんべつや：夕烏］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00301	分別や薄花桜ちつての後夕烏　(xxx)
00302	酒に酔狂水に款冬素敬　(xxx)
00303	三味線に歌の蛙も友呼て均朋　(xxx)
00304	類船つなぐ雨の夕暮如昔　(xxx)
00305	遠山の雲もかさなる御城米友雪　(xxx)
00306	手形たしかにたつ鳥の跡柴舟　(xxx)
00307	影たのむ役者究も今朝の月益翁　(xxx)
00308	公方の威光色かへぬ松益友　(xxx)
00309	金山や銀山高し秋のかぜ由平　(xxx)
00310	はや唐施餓鬼暮そむる空本秋　(xxx)
00311	置露の玉散かかるあぶらあせ執筆　(xxx)
00312	水気ののかぬ猿沢の池西鶴　(xxx)
00313	渋張のつづらをり山見わたして素敬　(xxx)
00314	草分ごろも旅芝居也夕烏　(xxx)
00315	吹送る風の手付はなんぼ程如昔　(xxx)
00316	力持するかたへ涼しき均朋　(xxx)
00317	住吉の浜も碁盤の上に置柴舟　(xxx)
00318	薬師の御影月をたふとむ友雪　(xxx)
00319	鳴虫の病気次第に験みせて益友　(xxx)
00320	露をたのしむさかな腹中益翁　(xxx)
00321	散花の色にみだるる世間寺本秋　(xxx)
00322	はひりの柳髪ながかある由平　(xxx)
00323	籠はらひ恋には科の薄がすみ西鶴　(xxx)
00324	どなたの年忌泪すすむる益友　(xxx)
00325	親祖父老母のよめる歌なれば益翁　(xxx)
00326	柴の庵に残すかけ物如昔　(xxx)
00327	どつくどく下樋の水の音はして夕烏　(xxx)
00328	よき合点に真金堀ゐる本秋　(xxx)
00329	新枕吉備の中山帯とかせ柴舟　(xxx)
00330	尻とおもへば螢飛たつ素敬　(xxx)
00331	にが焼の烟は雲の上までも均朋　(xxx)
00332	王は十せん椀家具の音西鶴　(xxx)
00333	雑巾に妙なるたもとしぽられて益友　(xxx)
00334	法の台も今は板じき益翁　(xxx)
00335	月やあらぬ我身ひとつの取置に由平　(xxx)
00336	旅だつ秋は破籠弁当友雪　(xxx)
00337	露時雨かかれとてしも合羽箱均朋　(xxx)
00338	ほそ引たぐる葛のはかづら本秋　(xxx)
00339	水茎の同にうかみは出たれども夕烏　(xxx)
00340	数書すつる経木のおもて柴舟　(xxx)
00341	張立て今はすがたも阿彌陀笠西鶴　(xxx)
00342	十万億もかねの草鞋由平　(xxx)
00343	ゑひもせず京も田舎も掛とりて益翁　(xxx)
00344	糸もの端もの送る荷印均朋　(xxx)
00345	縁組もけふきはまつて其後に如昔　(xxx)
00346	花とおちよぽとたけとこしもと西鶴　(xxx)
00347	方引の縄もみだるる我思ひ友雪　(xxx)
00348	出駕籠からせてしのび路の春益友　(xxx)
00349	むら霞立よるかたの一つ茶屋由平　(xxx)
00350	かけづくりには浪の月影素敬　(xxx)
00351	釣朴も風ある萩の夕なびき益友　(xxx)
00352	玉ぞつらぬく針がねの露友雪　(xxx)
00353	窓蓋をあくれば通る鹿の声本秋　(xxx)
00354	尾上の松もわくの水風炉益翁　(xxx)
00355	栄耀者夫婦一所に旅衣西鶴　(xxx)
00356	かさね蒲団の色ふかき中如昔　(xxx)
00357	むつ言を語り出すより御大将柴舟　(xxx)
00358	子共あそびも又来ん世迄益友　(xxx)
00359	あばら屋の所をかえて川原町由平　(xxx)
00360	佗た涼みの常夏の花夕烏　(xxx)
00361	塵をだにすゑじとはらふちわ莚益翁　(xxx)
00362	かまけにいるる月の山風西鶴　(xxx)
00363	貫ざしにむすび添たる野べの露素敬　(xxx)
00364	乗かけ馬や甘暮て行秋均朋　(xxx)
00365	白う見えて我☆も富士の雪夕烏　(xxx)
00366	腰がかがめばあはれ塩じり柴舟　(xxx)
00367	おそれては時宜して通る松の風本秋　(xxx)
00368	もはや責まい鷺の一むら益友　(xxx)
00369	田づらゆくあなたの石に御目がある友雪　(xxx)
00370	苫ふく庵にあぢなつき山均朋　(xxx)
00371	ながれ来る木に☆継の竹が島西鶴　(xxx)
00372	藻屑の烟きえて灰よせ由平　(xxx)
00373	ながむれば伏猪の床に香くらべ素敬　(xxx)
00374	ふくさづくしや野路の色色益翁　(xxx)
00375	☆出るなたや出立の袖の月均朋　(xxx)
00376	気は狼に衣うつ音西鶴　(xxx)
00377	古さとの人の口には花ぢやとて由平　(xxx)
00378	ひくやかすみの筋がわるいぞ如昔　(xxx)
00379	弓箭にかかる泪や春の雨柴舟　(xxx)
00380	まづ象眼の燕飛かふ夕烏
00381	文沈に跡をつけつつ帰鳩益翁　(xxx)
00382	通事にまかす浦浪の声本秋　(xxx)
00383	御扶持医者中にすぐれて松一木友雪　(xxx)
00384	そろへ衣裳の其をとこ山素敬　(xxx)
00385	木戸迄もたてりとおもへば大踊西鶴　(xxx)
00386	爰にねよかさて橋の露霜由平　(xxx)
00387	新乞食いたくななきそ蛬如昔　(xxx)
00388	秋はかなしきやけ出され也益翁　(xxx)
00389	山里の月を手にとる骨仏本秋　(xxx)
00390	錦のふくろふかきみよし野均朋　(xxx)
00391	名方にすずふく風やさますらん由平　(xxx)
00392	子孫の外は霰みだすな益友　(xxx)
00393	それぞれに猪名野の末も譲状素敬　(xxx)
00394	酒のかぶには武庫の山本夕烏　(xxx)
00395	片見世は質取暮す軒の松均朋　(xxx)
00396	かるた打ちる浦風の音本秋　(xxx)
00397	さらさらとうちよせてはあはす空貝由平　(xxx)
00398	難波の浪も入残しあり西鶴　(xxx)
00399	花に行泊瀬も遠しはやり風呂益翁　(xxx)
00400	躑躅のひかり数たばこ盆益友　(xxx)

大坂檀林桜千句　第五　並木桜：中何［つぎわけや：素敬］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00401	継分や並木のさくら右左素敬　(xxx)
00402	御下屋敷の山かすむ空如昔　(xxx)
00403	額の文字雁の名残や惜むらん夕烏　(xxx)
00404	朱色となりて夕日いざよふ柴舟　(xxx)
00405	盃に蒔絵の松の枝さびて均朋　(xxx)
00406	誰が定紋の蔦の葉かづら益友　(xxx)
00407	送り荷に月影遅き岩根道友雪　(xxx)
00408	楽屋取して臥鹿の声本秋　(xxx)
00409	霜消てかりへつついの薄煙益翁　(xxx)
00410	薬喰には夕暮の空由平　(xxx)
00411	出嶋にもよする汐風かをり来て執筆
00412	いづれ住家は鬼の雪隠西鶴　(xxx)
00413	馬下踏を南がしらに歩ませ行如昔　(xxx)
00414	人形づかひ紀伊の関守素敬　(xxx)
00415	姥がつぐまだ奥さまは若の浦柴舟　(xxx)
00416	ぬり乗物をこひわすれ貝夕烏　(xxx)
00417	いとまあらば忍びて逢ん御所奉公益友　(xxx)
00418	ことに下下等が通路の露均朋　(xxx)
00419	待宵の月を誘ひて其日すぎ本秋　(xxx)
00420	須磨の初汐うつすとめ帳友雪　(xxx)
00421	長点をかくる若木の花の風由平　(xxx)
00422	名香くらべ梅匂ふやま益翁　(xxx)
00423	一の宮二の宮さまの朝がすみ西鶴　(xxx)
00424	蒔銭みだす春雨の音均朋　(xxx)
00425	博奕わざ軒の鴛声添て柴舟　(xxx)
00426	あがりまたるる物は買置如昔　(xxx)
00427	囲ひよりつづけてはなしはなしては本秋　(xxx)
00428	茶事すぐれば恋の酒組益友　(xxx)
00429	栂の尾の寺をひらきてうき蔵主友雪　(xxx)
00430	嵯峨はもつともしのぴ所ぢや由平　(xxx)
00431	御幸ある跡をしたひて敵持均朋　(xxx)
00432	紅葉の目つけ習ふ打太刀西鶴　(xxx)
00433	秋の日も先片足をふんごみて素敬　(xxx)
00434	南無三泥に入水の月益翁　(xxx)
00435	広沢の池の鯲を誰かまた由平　(xxx)
00436	愛宕の山の太郎どこいた夕烏　(xxx)
00437	御百味の松のみどりを下されて如昔　(xxx)
00438	瘧はいつぞ落るしら雪由平　(xxx)
00439	夜あらしもぞつとする程こはい皃本秋　(xxx)
00440	きられ役者も籠る柴の戸益友　(xxx)
00441	さき織はむかしにかはるくくり袖西鶴　(xxx)
00442	代はをさまりて長持の底柴舟　(xxx)
00443	雨くだる神鳴ぎらひもつともの益翁　(xxx)
00444	それやいし臼のあぐる浮雲本秋　(xxx)
00445	ふきふけば風にみだるるこけら鮨夕烏　(xxx)
00446	京都の見舞よき上り舟友雪　(xxx)
00447	門徒衆おもひ立日を幸に均朋　(xxx)
00448	生死のふたつ散花出る月西鶴　(xxx)
00449	結講な雲の春風吹過て素敬　(xxx)
00450	連歌言葉を鳥の囀り益翁　(xxx)
00451	しづかなる十一日の朝ぽらけ由平　(xxx)
00452	芳野の里にむすぶ伊勢講柴舟　(xxx)
00453	何にても時の国栖物料理して益友　(xxx)
00454	しぶう御座れとのこる挽置本秋　(xxx)
00455	綿糸やふしかね染と成ぬらん友雪　(xxx)
00456	東京舟も渡るこのたび如昔　(xxx)
00457	世界の図或は山も各別に西鶴　(xxx)
00458	女房ざかりやはたちかさぬる均朋　(xxx)
00459	心中づくとつて引よせふた刀益翁　(xxx)
00460	肉食となる別路の鳥益友　(xxx)
00461	月の顔物が出来たらわるからう夕烏　(xxx)
00462	つめにかかりて落るしら露由平　(xxx)
00463	ごとくにも烟はなびく空の霧素敬　(xxx)
00464	むろのやしまになほす水さし西鶴　(xxx)
00465	よい中もわるう成たる友千鳥柴舟　(xxx)
00466	妹がりゆくを親仁が聞て均朋　(xxx)
00467	待宵のかね持異見度度に本秋　(xxx)
00468	世間をやめてしのぶ閨の戸素敬　(xxx)
00469	法体もこころの花は色ふかし益友　(xxx)
00470	藤のゆかりやむらさき頭巾益翁　(xxx)
00471	おとし子も里で育て鳴雉子西鶴　(xxx)
00472	あしたのはらやわるい物喰本秋　(xxx)
00473	養生をしとげぬ中に忘水由平　(xxx)
00474	一まはりふる五月雨の雲友雪　(xxx)
00475	火渡しもいつしか消て行螢益翁　(xxx)
00476	地獄めいたる陰の草むら夕烏　(xxx)
00477	人穴に入かた見するけさの月如昔　(xxx)
00478	埋んですつるうれひの雲霧西鶴　(xxx)
00479	猫の糞かをりをよきよ秋の風均朋　(xxx)
00480	鶉やあるじ古家のやね益友　(xxx)
00481	栗石の岩田の小野を詠れば夕烏　(xxx)
00482	行者は科にあふ坂の山如昔　(xxx)
00483	杉の葉の白いうそつく法の道西鶴　(xxx)
00484	歌念仏をきくほととぎす益翁　(xxx)
00485	立ならぶ庵あまたの借屋中益友　(xxx)
00486	市女も今は人仕事して本秋　(xxx)
00487	菅の笠ぬふてふ針やききぬらん由平　(xxx)
00488	出来合畳旅のかりぶし素敬　(xxx)
00489	江戸詰の又もめぐりて年替り友雪　(xxx)
00490	猿楽中間月を友とす柴舟　(xxx)
00491	音高き奢ふるまひ荻の声益翁　(xxx)
00492	しらべすましてひく糸薄由平　(xxx)
00493	小鼓のつばもながれて露の色均朋　(xxx)
00494	寺傍輩の袖のゆきずり益友　(xxx)
00495	今日も請たる所作をくり返し本秋　(xxx)
00496	しづのをだ巻かはり狂言柴舟　(xxx)
00497	をかしさは腹から臍からよれてきて由平　(xxx)
00498	十二つがひははなれさうなぞ西鶴　(xxx)
00499	咲花の俤のこす古屏風益翁　(xxx)
00500	筆のかすみやためいへ為相夕烏　(xxx)

大坂檀林桜千句　第六　深山桜：何刀［よすてばうず：如昔］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00501	世捨坊主深山桜をいのち哉如昔　(xxx)
00502	茶釜一つに雪の玉水柴舟　(xxx)
00503	小征楼かさなる雲に東風なぎて素敬　(xxx)
00504	今雛事をしののめの空益友　(xxx)
00505	張貫の鳥もねぐらを立さわぎ夕烏　(xxx)
00506	うき沓あれば鴛鴨の声本秋　(xxx)
00507	おも脇の袖ふる霜に月寒く均朋　(xxx)
00508	初巻の発句高き松がえ由平　(xxx)
00509	御当家や千世をかさねていはふらん友雪　(xxx)
00510	八十島かけてわたるおらんだ益翁　(xxx)
00511	ふらすこもうつりて青き波の色執筆　(xxx)
00512	藻塩のけぶり焼出しの皿西鶴　(xxx)
00513	苫屋形客めづらしきあたま数柴舟　(xxx)
00514	穐の夕は恋の大よせ如昔　(xxx)
00515	袖は露うは気斗の添ぶしに益友　(xxx)
00516	焼亡だきやかをるしら菊素敬　(xxx)
00517	定に入山路の月の影きえて本秋　(xxx)
00518	鉦鼓たたけば響く雁がね夕烏　(xxx)
00519	浮雲のみえつかくれつする程に由平　(xxx)
00520	駿河の名所是でとどめた均朋　(xxx)
00521	花に旅江戸の広さがおもはるる益翁　(xxx)
00522	さく藤つづらあくるさき店友雪　(xxx)
00523	春日影めぐり来ぬれば八丁鉦西鶴　(xxx)
00524	空はかすみのけぶる大筒益翁　(xxx)
00525	一むらの竹もなびきて剪だめに夕烏　(xxx)
00526	莨☆をしめす水の川ぎし素敬　(xxx)
00527	石仏にながるる血をやとめぬらん友雪　(xxx)
00528	真ただ中をさす舟いくさ由平　(xxx)
00529	でんがくに人の心をたばかりて如昔　(xxx)
00530	月次会のせきのめんめん益友　(xxx)
00531	よひよひにうちもねななん半囃子素敬　(xxx)
00532	みじか袴の麻のさごろも本秋　(xxx)
00533	山賎も今かすいちと成はてて益翁　(xxx)
00534	伏猪の床にはや物がたり西鶴　(xxx)
00535	木やりする声打かはす岩根松均朋　(xxx)
00536	道外頭巾のうら浪の月柴舟　(xxx)
00537	殿の気に入海遠く霧晴て益友　(xxx)
00538	呉服所その外苫の屋の秋均朋　(xxx)
00539	文の字の銭ふき出しの朝嵐西鶴　(xxx)
00540	うかれ烏も子どもたらして夕烏　(xxx)
00541	すかぬ奴うるまの市に合点か由平　(xxx)
00542	博奕賽ふり莚田の末友雪　(xxx)
00543	御法度も守らぬ君か代代を経て本秋　(xxx)
00544	なげしくり戸に玉のきざはし益友　(xxx)
00545	寺参老の歩も足よわく益翁　(xxx)
00546	夜寒の衣十徳にして如昔　(xxx)
00547	きりぎりす哀いづ国の物もらひ柴舟　(xxx)
00548	くれて草葉の月もかけ五器西鶴　(xxx)
00549	咲花の匂ひをうつす古上戸素敬　(xxx)
00550	米見世あれば鴬の声由平　(xxx)
00551	春は猶吉備の申仙金が出る友雪　(xxx)
00552	今朝はかすみの帯をとかする本秋　(xxx)
00553	てんがうに雲は五色の石だたみ西鶴　(xxx)
00554	唐人寺の軒のらく書夕烏　(xxx)
00555	一棒を追取のべてみしらせて由平　(xxx)
00556	まつ繰綿も終にやはらぐ益翁　(xxx)
00557	膏薬をつけてはおもふ歌のさま本秋　(xxx)
00558	たつて見せうか足引の山西鶴　(xxx)
00559	天乙女はやり踊の袖ふれて益友　(xxx)
00560	大酒のあとはいざよひの月素敬　(xxx)
00561	稲妻のはやい脇指あぶないぞ益翁　(xxx)
00562	乗かけ馬のかづらきの山如昔　(xxx)
00563	降つもる雪ふみ分て講参柴舟　(xxx)
00564	おうらおもても杉の一むら均朋　(xxx)
00565	恋はなし爰をせにせんほととぎす夕烏　(xxx)
00566	雨なつかしき傾城のはて益友　(xxx)
00567	ながめやる空行雲はとほりもの均朋　(xxx)
00568	みがききせるや煙る富士の根素敬　(xxx)
00569	人づきあひ亀甲輪違花ざかり西鶴　(xxx)
00570	紺に浅黄に山吹の色由平　(xxx)
00571	霞さへうすく残せる上表紙益友　(xxx)
00572	いんかゆるしの奥はみよし野益翁　(xxx)
00573	高足をうけてながする滝津川如昔　(xxx)
00574	瀬にふす鮎の水衣きて友雪　(xxx)
00575	発起して月にむくひも後の世も由平　(xxx)
00576	これうき秋のうまれそこなひ西鶴　(xxx)
00577	巻下に色を見せたる露の玉本秋　(xxx)
00578	よい口上や荻のおとづれ柴舟　(xxx)
00579	床入の寐覚の枕逢はじめ素敬　(xxx)
00580	ふしみの里にむすめきもいる均朋　(xxx)
00581	かし小袖ある櫃川を打わたり西鶴　(xxx)
00582	若葉の桜ちりて灰よせ益友　(xxx)
00583	夏山の麓ひらきてこやしして友雪　(xxx)
00584	鼻にあてたる蝉のはごろも如昔　(xxx)
00585	すゑものの竹よりほそき夕日影均朋　(xxx)
00586	時雨の露をはらふきり柄由平　(xxx)
00587	秋風や雲をみせたるかもじ昆布益翁　(xxx)
00588	もみぢぬ杉の三方の上本秋　(xxx)
00589	月ひとり稲荷の山のうすをたて夕烏　(xxx)
00590	つれなき人のわるいとりなり柴舟　(xxx)
00591	はづかしや縁なれば社我おもひ由平　(xxx)
00592	大蛇のすがた見つけられたは益翁　(xxx)
00593	ひつたくるかねは則湯と成て素敬　(xxx)
00594	足あらうたる年の暮かな西鶴　(xxx)
00595	壁土もこなしし跡は谷の庵益友　(xxx)
00596	身をすて人も終に黒やき均朋　(xxx)
00597	阿弥陀仏銭がさ程や光るらん夕烏　(xxx)
00598	宇治のあじろに爪がかかつた益翁　(xxx)
00599	下見するまきの嶋より花散て由平　(xxx)
00600	あかりしやうじに春風ぞふく友雪　(xxx)

大坂檀林桜千句　第七　一重桜：藍何［あましやうじ：柴舟］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00601	雨障子一重桜や花ぐもり柴舟　(xxx)
00602	旅のりものの窓の春風益友　(xxx)
00603	香炉箱鳥も初音を囀りて如昔　(xxx)
00604	茶の湯の朝雲しづか也本秋　(xxx)
00605	影のこる月のすがたも丸円座素敬　(xxx)
00606	薄の穂波ばんやちり行由平　(xxx)
00607	火打石岩根に残る露消て夕烏　(xxx)
00608	鹿の跡ふむ馬追のつれ益翁　(xxx)
00609	米蔵もおなじ年ふる小倉山均朋　(xxx)
00610	敷となりぬる峯の松が枝友雪　(xxx)
00611	上機に鶴の毛衣織はえて執筆　(xxx)
00612	伊津貫川の浪のより糸西鶴　(xxx)
00613	ばい廻したたみ重ぬる莚田に益友　(xxx)
00614	鉛と見えて氷柱ゐにけり柴舟　(xxx)
00615	軒寒き嵐をふせぐ包羅紗本秋　(xxx)
00616	鼻紙入のうら波の音如昔　(xxx)
00617	巾着を切や仲間の友小舟由平　(xxx)
00618	せがれをおもふ国本の秋素敬　(xxx)
00619	雁のつて扨又外にかかが事益翁　(xxx)
00620	銭かねあづけひとり寝の月夕烏　(xxx)
00621	飛脚宿かはらぬ春の花咲て友雪　(xxx)
00622	天下のおふれ風の梅が香均朋　(xxx)
00623	ころびにてもなき鴬の経の声西鶴　(xxx)
00624	大酒しても朝寐せられぬ柴舟　(xxx)
00625	見し夢の破れし中をなほされて均朋　(xxx)
00626	とかく利口なばせうの女友雪　(xxx)
00627	しら露も坊主も落る寺の庭夕烏　(xxx)
00628	鞠ははづれて秋風のおと素敬　(xxx)
00629	なく虫もいたくなわびそ耳ひかう益翁　(xxx)
00630	あんまとる手の袖の夕月均朋　(xxx)
00631	荒はてて寂しき宿のはなし伽益友　(xxx)
00632	京にかはつた葎しげりて西鶴　(xxx)
00633	琴の音におかしい歌やかよふらん如昔　(xxx)
00634	かけぬなさけの夜は何時ぞ由平　(xxx)
00635	うらみなりはや鐘をつく心だま本秋　(xxx)
00636	今百とせの姥も談義へ益翁　(xxx)
00637	用桶にいり前の事おもはれて西鶴　(xxx)
00638	西にむかへばはやらぬ局友雪　(xxx)
00639	松浦がたひぜんといふもうつり瘡由平　(xxx)
00640	絹につつみし八重の汐風如昔　(xxx)
00641	袋子の啼声告るむら千鳥益翁　(xxx)
00642	浅茅がはらはべんべんとして本秋　(xxx)
00643	内普請いつかはてしのあらち山素敬　(xxx)
00644	谷のしたたり湯殿せついん均朋　(xxx)
00645	埋木もまだ捨やらぬ奇麗ずき如昔　(xxx)
00646	おくれの花も各とり川さま西鶴　(xxx)
00647	臥籠にも袖のしがらみ春暮て柴舟　(xxx)
00648	すがた見となれ朧夜の月由平　(xxx)
00649	雲かかる山をうつして絵看板夕烏　(xxx)
00650	灸と上手や雪の柴人益友　(xxx)
00651	みよし野や去年ならぬ木もなるやうに友雪　(xxx)
00652	すずかけ衣うち歩なるらん均朋　(xxx)
00653	たち出る旅路の秋にきれ小判益友　(xxx)
00654	駿河といふも宿入の月柴舟　(xxx)
00655	たき立て烟は空に釜が淵西鶴　(xxx)
00656	かしやくの責に隙がなかつた夕烏　(xxx)
00657	掛とりは是まであらはれ参たり均朋　(xxx)
00658	矢たて一つにすみよしの松素敬　(xxx)
00659	敷嶋の道を尋て急ぎ候由平　(xxx)
00660	いさまだしらぬ小用所益翁　(xxx)
00661	人心それとは見へず明めくら本秋　(xxx)
00662	願ひの山にいろはにはへど西鶴　(xxx)
00663	くり出す遠い名所の夕詠如昔　(xxx)
00664	木綿の色や江天の雪由平　(xxx)
00665	飛鷺鳥の羽風になびく竹秤益翁　(xxx)
00666	升かけ渡す真砂地の上本秋　(xxx)
00667	老の浪八十八も今こえて西鶴　(xxx)
00668	名残の霜におつとめの声如昔　(xxx)
00669	幾春も江戸は首尾よぎ茶師の家友雪　(xxx)
00670	かすみの衣時服拝領益友　(xxx)
00671	この度の療治に上る夕雲雀本秋　(xxx)
00672	六人まはしに分るむら草益翁　(xxx)
00673	白露も百まんべんの玉なして素敬　(xxx)
00674	月を見はつる往生すずめ西鶴　(xxx)
00675	鳴虫も終には喉がごろごろと柴舟　(xxx)
00676	真葛がはらの猫かはゆがり均朋　(xxx)
00677	花と見る妹が機嫌を取兼て由平　(xxx)
00678	もどす起請のかすみながるる夕烏　(xxx)
00679	初蝶の夢と成ゆく習ひ事益翁　(xxx)
00680	外面の草もみな料理がた益友　(xxx)
00681	柴の戸も流石か数寄者の栖にて如昔　(xxx)
00682	諸行無常と響く臍鉦素敬　(xxx)
00683	神鳴や三井寺に早く落にけり柴舟　(xxx)
00684	高観音は留守でありつろ由平　(xxx)
00685	用心は我等がためのわかけがね西鶴　(xxx)
00686	風の前にはつらぬあんどん友雪　(xxx)
00687	中露地を一とをりふる村時雨素敬　(xxx)
00688	うは足袋ぬいではらふ夕露益翁　(xxx)
00689	葬礼のかへるさおもふ野べの色均朋　(xxx)
00690	狐たちまち影きゆる月本秋　(xxx)
00691	ふつとふく指のまたより秋の風由平　(xxx)
00692	すぱすぱのふできせるてんがう夕烏　(xxx)
00693	云尽す長物がたり今ははや益友　(xxx)
00694	尾がしらかけて三輪の神山西鶴　(xxx)
00695	時鳥鳴声鵺に似たりけり素敬　(xxx)
00696	ねつけにむすぶ雲の一筋本秋　(xxx)
00697	夕虹や羽織の紐にかかるらん友雪　(xxx)
00698	もはや降まいさらば出ませう由平　(xxx)
00699	のぽるのぼる龍がのぽるぞ花の山益翁　(xxx)
00700	絵簾おろす春雨の音均朋　(xxx)

大坂檀林桜千句　第八　千本桜：何食［ぎをんばはき：益友］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00701	祇園帚千本の桜や朝清め益友　(xxx)
00702	客待茶屋の軒の鴬本秋　(xxx)
00703	浅黄椀うすき霞の色消て柴舟　(xxx)
00704	入日をながす半切の水由平　(xxx)
00705	漉紙もかさねて白き波がくれ如昔　(xxx)
00706	蛍とらへて袂すずしき益翁　(xxx)
00707	夏の夜の月を伴ふわるさども素敬　(xxx)
00708	大しよく一しては夢もむすばず友雪　(xxx)
00709	のら犬もあれて淋しき松の声夕烏　(xxx)
00710	鷺おどろかす人の生首均朋　(xxx)
00711	降雪や指図の箱にあまるらん執筆　(xxx)
00712	鋸すみつぽかねかすかなり西鶴　(xxx)
00713	地奉行ものこらずめぐる峯の雲本秋　(xxx)
00714	留山ふかき伊駒かづらき益友　(xxx)
00715	いつの間に大ふり袖の下紅葉由平　(xxx)
00716	念者もわけをきく鹿の声柴舟　(xxx)
00717	里の秋家買うとても惜からず益翁　(xxx)
00718	月のすがたにあたま丸めて如昔　(xxx)
00719	晴わたる雲井の空の内裏雛友雪　(xxx)
00720	食は小豆の大納言どの素敬　(xxx)
00721	およろこび御三人家の花の時均朋　(xxx)
00722	歌の集にも万代の春夕烏　(xxx)
00723	先伊の字石蔵山を引かすみ西鶴　(xxx)
00724	つめがた付て行ほととぎす本秋　(xxx)
00725	神鳴の落た所の雨の空友雪　(xxx)
00726	屋根のつづくりしがらきの奥均朋　(xxx)
00727	宍料の損のそま川浪よせて由平　(xxx)
00728	酒舟うかむ雪の山水益翁　(xxx)
00729	柚まくりゑふりをかへす片時雨柴舟　(xxx)
00730	木の葉衣のかかる竿あげ西鶴　(xxx)
00731	うちなびくうなぎ織に小夜嵐如昔　(xxx)
00732	赤紙青紙むら雲の空友雪　(xxx)
00733	峯高くちいさい草鞋踏分て夕烏　(xxx)
00734	先達ひとり難義千万由平　(xxx)
00735	見る月のむかし連歌は気尽に益友　(xxx)
00736	萩すりごろもはかま十徳素敬　(xxx)
00737	秋立て先散そむる柳ごり益翁　(xxx)
00738	昼めしすこしさほの山越柴舟　(xxx)
00739	いにしへのなら座の楽屋見渡ば素敬　(xxx)
00740	石ずえのみの丸太挽板益友　(xxx)
00741	着到やきのふの烟消ぬらん西鶴　(xxx)
00742	敵も味方も夢の世がたり如昔　(xxx)
00743	御子息の跡歎かるる人形箱均朋　(xxx)
00744	庵を捨し身はやぶれ幕素敬　(xxx)
00745	煮売見世虎臥野べに住かへて由平　(xxx)
00746	千里つづいたからさけの露西鶴　(xxx)
00747	浪の月ほとばかしたる汐ざかい夕烏　(xxx)
00748	花火の舟も小鞁のかは益翁　(xxx)
00749	打まじる野郎子共の伊達衣装友雪　(xxx)
00750	恋がつもつてなんもくの勝本秋　(xxx)
00751	無仕合暮まつ床の畳算由平　(xxx)
00752	旅あきなひに憂は中宿益友　(xxx)
00753	わる銀をかづきの蜑に尋より西鶴　(xxx)
00754	一つの利剣あらみなるらん素敬　(xxx)
00755	二の胴にのりの車はこけ出て柴舟　(xxx)
00756	弥陀の教に灸すすむる本秋　(xxx)
00757	もろもろの衆生といつぱ大事の子益友　(xxx)
00758	腰本中居山姥もあり由平　(xxx)
00759	恋衣うしろ帯して舞ふよう益翁　(xxx)
00760	見ぬおもひとは是目なしどち西鶴　(xxx)
00761	写し絵にとやのあら鷹書なして友雪　(xxx)
00762	検地をいるる雪のまつまへ如昔　(xxx)
00763	荒にける夷が千島の大額夕烏　(xxx)
00764	月はめでても喧嘩もつぱら均朋　(xxx)
00765	入聟も世は稲妻をうらみにて素敬　(xxx)
00766	門徒坊主もつらき秋風益翁　(xxx)
00767	行雲の跡さへ白き御斎米均朋　(xxx)
00768	山はこぶかき曲物のうち本秋　(xxx)
00769	惜まるる花に夕日の鞠はさみ西鶴　(xxx)
00770	胡蝶も同じ五所もん益友　(xxx)
00771	遊びぬる糸は萌黄の糸はへて由平　(xxx)
00772	かすみかさなる具足一両素敬　(xxx)
00773	百出して拝ふて帰る吉野山益翁　(xxx)
00774	六田の淀をこゆるはやみち友雪　(xxx)
00775	行水に片尻かけて高瀬舟如昔　(xxx)
00776	大用小用さざ浪の音西鶴　(xxx)
00777	月は雲藻屑煙て薬鍋柴舟　(xxx)
00778	桐油ひいたる袖の薄霧夕烏　(xxx)
00779	秋ながら麻鮮扇手にふれて益友　(xxx)
00780	小風呂の内にはらふ夕風均朋　(xxx)
00781	しら波や粉糠と共に乱すらん本秋　(xxx)
00782	あぶらこぽする藻塩火の跡素敬　(xxx)
00783	大鯨引よせ見れば磯の松友雪　(xxx)
00784	是なるつかは庖丁魚箸益翁　(xxx)
00785	過去帳も幾重かさねて袋閉如昔　(xxx)
00786	餉あれば御茶湯もあり本秋　(xxx)
00787	法華経に旅の心を読れたり由平　(xxx)
00788	川は鵜舟に陸は乗掛柴舟　(xxx)
00789	半弓の戸難瀬の滝の末かけて益翁　(xxx)
00790	浮世の嵯峨の竹は物ほし夕烏　(xxx)
00791	夜習の身は墨染の暮の月西鶴　(xxx)
00792	ついて死なれぬ夢の秋風由平　(xxx)
00793	雁啼て柏崎へといそぎ候素敬　(xxx)
00794	今一声の越の海づら益友　(xxx)
00795	かぶりふる袖の白雪埋れて如昔　(xxx)
00796	はり貫にやんも山おろしふく均朋　(xxx)
00797	きざみたばこはげしかれとは思はぬに益翁　(xxx)
00798	主取すれば石火の光り西鶴　(xxx)
00799	こやのせの背にしむ斗花に雨由平　(xxx)
00800	しほふる鳥のくろさきの春柴舟　(xxx)

大坂檀林桜千句　第九　墨染桜：帳何［はことひや：本秋］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00801	箱戸樋や墨染桜花の雨本秋　(xxx)
00802	春のみどりもふかき松脂由平　(xxx)
00803	雲に帰雁飛人形の数つれて益友　(xxx)
00804	切合事も峯たしか也益翁　(xxx)
00805	明そむる山路分行手習子柴舟　(xxx)
00806	柴ずり衣よごれ着る物友雪　(xxx)
00807	上塗やおなじ軒端の月も雪も如昔　(xxx)
00808	ちらし薬や風のくれ竹均朋　(xxx)
00809	しやぽんふく夕のひかりゆく蛍素敬　(xxx)
00810	雲のは袖もせんたくの物夕烏　(xxx)
00811	幾度か天津乙女も宿はいり執筆　(xxx)
00812	だいて楽寝のあしがらの山西鶴　(xxx)
00813	浮島がはらませうとはおもはねど由平　(xxx)
00814	ついながれたる浪の水銀本秋　(xxx)
00815	行川の岸に生てふ竹の筒益翁　(xxx)
00816	人かみ犬もつなぐ筏士益友　(xxx)
00817	一いのりぽろをんぼろをん散紅葉友雪　(xxx)
00818	八坂の塔もかげ高き月柴舟　(xxx)
00819	女房茶屋袖ふる露にぬれ初て均崩　(xxx)
00820	おもひこがるる鶉かまぽこ如昔　(xxx)
00821	足打ももとの梢の花の風夕烏　(xxx)
00822	さばきうるしの色うすき梅素敬　(xxx)
00823	塵ほこりかすみの残る吉野紙西鶴　(xxx)
00824	くろろの穴に滝のふる声均朋　(xxx)
00825	夜這人も伝ふて上る岩根道如昔　(xxx)
00826	問屋はすはのおたけ松が枝友雪　(xxx)
00827	降雪に跡つけそむる桐木履益友　(xxx)
00828	千鳥の立居いざり也けり益翁　(xxx)
00829	何べんも汐風こして薬湯に由平　(xxx)
00830	これる油を升に一ばい夕烏　(xxx)
00831	くろ髪もみだれてかかる砂持て素敬　(xxx)
00832	御成御門に待宵の床益友　(xxx)
00833	ほり物にあかぬ別の鳥までも益翁　(xxx)
00834	まくらならべてさぐる耳かき西鶴　(xxx)
00835	首尾といひかやうの隙に暮の月本秋　(xxx)
00836	京うちまいりこの秋の空柴舟　(xxx)
00837	東山西山北山露時雨夕烏　(xxx)
00838	真葛がはらも名所付也均朋　(xxx)
00839	道行をかたる声してきりぎりす素敬　(xxx)
00840	銭なげらるる小莚のうへ如昔　(xxx)
00841	舟渡しあがりいそぎの浪立て西鶴　(xxx)
00842	これ成狂女怪我をしやるな柴舟　(xxx)
00843	鬼門かと御とがめ有しゆへなれば均朋　(xxx)
00844	叡山こえて今大江山由平　(xxx)
00845	天狗殿鳥羽田の里にましますか益翁　(xxx)
00846	三熱めぐる小車の露西鶴　(xxx)
00847	入道も奢極めて見る月に益友　(xxx)
00848	なくや男鹿も天晴御馬友雪　(xxx)
00849	十種香は花と紅葉の色分て由平　(xxx)
00850	うらの苫屋ももとは内裏家本秋　(xxx)
00851	羽のある呼子の島も伝受事西鶴　(xxx)
00852	さてまた今度人魚一疋由平　(xxx)
00853	御尋の様子をきけばあつちざた柴舟　(xxx)
00854	脈は次第に弱うならるる均朋　(xxx)
00855	朝皃の花を歎きて時かはり本秋　(xxx)
00856	千日寺の衣手の露益友　(xxx)
00857	はり出しの苫葺のひま月もりて由平　(xxx)
00858	風に麹の米柳ちる西鶴　(xxx)
00859	味噌桶の葛城山をながむれば益翁　(xxx)
00860	大せつかいになづる岩はし素敬　(xxx)
00861	そぎ袖の友呼かはす猿の声友雪　(xxx)
00862	雪の柴木人むかしふう也柴舟　(xxx)
00863	時雨には雲をのこさぬ四ツ手付如昔　(xxx)
00864	水かさまされる川越の駕籠夕烏　(xxx)
00865	金谷迄やれ命也佐夜の山西鶴　(xxx)
00866	袖枕してとまる旅籠屋均朋　(xxx)
00867	兼言に秤をかりて妹と我夕烏　(xxx)
00868	けちぎり狂ひ水茎の岡素敬　(xxx)
00869	つとめとて数書すつる杉原に如昔　(xxx)
00870	仏のねがひ煮物やき物益翁　(xxx)
00871	町中をよべばこそ爰に来りたれ均朋　(xxx)
00872	よい☆のかかる公事宿西鶴　(xxx)
00873	分別のふかい堀をば埋させて柴舟　(xxx)
00874	底には秋の通ふ水学由平　(xxx)
00875	露みだす風の便の魚荷籠益友　(xxx)
00876	都の月に染地四五たん友雪　(xxx)
00877	一筋に花の浮雲かたし幕益翁　(xxx)
00878	火屋あらたむる野べの下萌本秋　(xxx)
00879	雪消ぬ或は十町二十町由平　(xxx)
00880	手勢勝つて武庫の山陰如昔　(xxx)
00881	大普請難波の浦にさしかかり友雪　(xxx)
00882	粘つくしの浜の真砂地夕烏　(xxx)
00883	八百日ゆく戻りは挑灯ともさせて西鶴　(xxx)
00884	けふも揚屋にはなす君が代本秋　(xxx)
00885	我恋はさはぎとなりて松の風柴舟　(xxx)
00886	泪の海に舟がわれるか益翁　(xxx)
00887	杉焼に藻居の烟跡消て夕烏　(xxx)
00888	額板残る芦の八重ぶき均朋　(xxx)
00889	荷ひ物涼しき秋に飛蛍益友　(xxx)
00890	稲妻てらす後光の勧進由平　(xxx)
00891	南楼の月影うすきむかし箔益翁　(xxx)
00892	御所水引や滝の糸なみ素敬　(xxx)
00893	仙家にも長柄にうつす酒酌て本秋　(xxx)
00894	老せず契る☆どり聟どり益友　(xxx)
00895	すがた見をいざ立よりて見てゆかん素敬　(xxx)
00896	大書院よりすぐに囲に友雪　(xxx)
00897	御口上御直に仰きけられん由平　(xxx)
00898	かし下されし先年のかね益翁　(xxx)
00899	人なつておばの気に入花の山西鶴　(xxx)
00900	かいなをにぎる谷のさわらび如昔　(xxx)

大坂檀林桜千句　第十　遅桜：何謡［ぶたつしやな：由平］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00901	不達者な人も待けり遅桜由平　(xxx)
00902	肥満劫して八重霞む山益翁　(xxx)
00903	酒ずきはみだるる雲の春雨に本秋　(xxx)
00904	野辺のみどりや青酢なるらん友雪　(xxx)
00905	銅もみさびに残る池ふりて益友　(xxx)
00906	付髪むすぶ水の秋風均朋　(xxx)
00907	小鞁の音もかすかに空の月柴舟　(xxx)
00908	吹しめしたる歌口の露夕烏　(xxx)
00909	たばこ切人の心をやはらげて如昔　(xxx)
00910	君待暮の床の半畳素敬　(xxx)
00911	うき思ひ後は祈祷の檀かざり執筆
00912	心底のこさずかたる四段目西鶴　(xxx)
00913	伝受してひゆうやらりを此様に益翁　(xxx)
00914	阿蘭陀口をつかふ膏薬由平　(xxx)
00915	入札に是も落くる竹の皮友雪　(xxx)
00916	講まいりする神の真榊本秋　(xxx)
00917	極楽の風も涼しき御禊川均朋　(xxx)
00918	昼寝のまくら夏の夕月益友　(xxx)
00919	隙すぎた宿に待るる郭公夕烏　(xxx)
00920	むかしをおもふけふの身あがり柴舟　(xxx)
00921	花は浪恋の淵瀬はたすげ舟素敬　(xxx)
00922	鳶口くま手すみれやまぶき如昔　(xxx)
00923	なく雉子きのままでのく火消役西鶴　(xxx)
00924	金くそ砕く岩がねの床本秋　(xxx)
00925	飾屋も苔の莚を片敷て均朋　(xxx)
00926	太夫格子に遊ぶ山姫夕烏　(xxx)
00927	滝の糸軒端に落て濡言葉由平　(xxx)
00928	若いお皃や老をやしなふ益翁　(xxx)
00929	孝行の道引出す花車本秋　(xxx)
00930	地震のがるるあとは藤浪西鶴　(xxx)
00931	茶碗売しらぬ里間ふ春暮て如昔　(xxx)
00932	もと高原も古歌ののけ土柴舟　(xxx)
00933	内墓に露を憐む寺つづき益友　(xxx)
00934	後家にてなげく芭焦の女由平　(xxx)
00935	浅黄帽子おもひにみだす風の月素敬　(xxx)
00936	稲妻ひかる紗綾の手覆友雪　(xxx)
00937	鎌つかひ軍は秋の野にあれて柴舟　(xxx)
00938	浄瑠璃かたる里の村人均朋　(xxx)
00939	御年貢の時に哀をとどめたり如昔　(xxx)
00940	さいの川原をのぽす鬮舟本秋　(xxx)
00941	印には無常の風の吹ぬきを西鶴　(xxx)
00942	孔雀鳳凰からす鴟烏賊素敬　(xxx)
00943	金の間の野に燕もゐさせじと均朋　(xxx)
00944	かすみながれて御盃いただく益翁　(xxx)
00945	幾度も参りて拝む愛宕山友雪　(xxx)
00946	名誉な家かのこる松風西鶴　(xxx)
00947	雪舟の筆のながれに零鳴て益友　(xxx)
00948	蒔ちらしたる真砂地の色由平　(xxx)
00949	よみがるたきりの笆に秋の月益翁　(xxx)
00950	百人一首言の葉の露夕烏　(xxx)
00951	大番衆たげき心も花薄西鶴　(xxx)
00952	宿札のこる夢のふる里益友　(xxx)
00953	伏見山諸役免許の跡とめて均朋　(xxx)
00954	あほうでくらす深草の奥友雪　(xxx)
00955	身体はからに成たる蝉の声素敬　(xxx)
00956	あまり公儀が過る白雨益翁　(xxx)
00957	茶湯にはいさら小川の水汲て益友　(xxx)
00958	ながるる石もさびた盆山如昔　(xxx)
00959	箱植の松はもとよりぬれ色に由平　(xxx)
00960	なたでこころを見する雪の夜西鶴　(xxx)
00961	新宮の衆道けやけさ閨の月夕烏　(xxx)
00962	泪の滝にうたれぬる秋本秋　(xxx)
00963	かすかなる鹿の音遠きかな聾益翁　(xxx)
00964	しかたをしても霧まよふ野べ柴舟　(xxx)
00965	神道はかるうおもはぬ草の露本秋　(xxx)
00966	魔法の種となれる沢水素敬　(xxx)
00967	橋を八つ目ふる間にかけられて西鶴　(xxx)
00968	湯桁の内は養生のため夕烏　(xxx)
00969	濡縁も椅麗にしたるかし座敷柴舟　(xxx)
00970	風鈴にさますうたたねの夢由平　(xxx)
00971	あへ物に花橘のかほり来て素敬　(xxx)
00972	むかしの人をめつたになぶるな均朋　(xxx)
00973	すりなをす懐紙にうつす志賀の山益友　(xxx)
00974	浪は五色のたくぼくの糸益翁　(xxx)
00975	住なるる蜑のしはざの車かせ如昔　(xxx)
00976	花見ぬうらはあるる両の手西鶴　(xxx)
00977	塗樽に朧の月はもらねども由平　(xxx)
00978	独弁当で遠山の春友雪　(xxx)
00979	立帰る奉行桟敷の雁の声益翁　(xxx)
00980	鑓長刀やいく筋の雲柴舟　(xxx)
00981	霊宝に天津乙女も稀に来て均崩　(xxx)
00982	一千年の余古の海づら由平　(xxx)
00983	螺の貝とんではわかる浪の月西鶴　(xxx)
00984	時をとつとぞ荻の夕声本秋　(xxx)
00985	さき綱で根こぎにしたる野路のはぎ友雪　(xxx)
00986	親と小猫の首玉の露夕烏　(xxx)
00987	鈴の音や廊下伝ひにひびくらん柴舟　(xxx)
00988	常香きらす奥の長谷寺益友　(xxx)
00989	包ぬるふだらく銭もまのあたり素敬　(xxx)
00990	とうふ屋たてて今ぞ栄ん益翁　(xxx)
00991	松がはな神はあがらせ給ひけり由平　(xxx)
00992	篠ふりあげてさわぐ白鷺如昔　(xxx)
00993	煤掃も仕舞となれば夕日影益友　(xxx)
00994	表具にかかる山の端の雲均朋　(xxx)
00995	吹つくす嵐の籠る桐の箱素敬　(xxx)
00996	唐物店を明ぼののそら夕烏　(xxx)
00997	お江戸京大坂堺長崎迄由平　(xxx)
00998	作意ひろむる当流の波西鶴　(xxx)
00999	延宝の時なるかなや花の昼益翁　(xxx)
01000	松は五葉の若みどり様本秋　(xxx)

大坂檀林桜千句　追加　渦桜：□□［さかづきや：西鶴］

句番号	句／作者／異同資料句番号
01001	盃やなるとの入日渦桜西鶴　(xxx)
01002	提重にほふ梅の花貝由平　(xxx)
01003	竹細工削る春風手にふれて益翁　(xxx)
01004	そくいひのばす雪の下たり本秋　(xxx)
01005	巻紙昏の末はるかなる谷がくれ均朋　(xxx)
01006	つつみこせうの木葉ちる山益友　(xxx)
01007	二の椀の片われ月にさよ時雨夕烏　(xxx)
01008	雲の衣もきぬぶきん也柴舟　(xxx)
01009	尺八に吹あはせたる夕嵐素敬　(xxx)
01010	からすがなけば鶴の巣籠如昔　(xxx)
01011	島台の松は常盤の色みえて友雪　(xxx)
01012	君が代久に御祝言事執筆　(xxx)

大坂檀林桜千句 １１巻

大坂檀林桜千句 第一 初桜：銀何［だんりんの：益翁］

大坂檀林桜千句 第二 山桜：何腸［やまざくら：友雪］

大坂檀林桜千句 第三 一村桜：茶何［せいさつや：均朋］

大坂檀林桜千句 第四 薄花桜：何薬［ふんべつや：夕烏］

大坂檀林桜千句 第五 並木桜：中何［つぎわけや：素敬］

大坂檀林桜千句 第六 深山桜：何刀［よすてばうず：如昔］

大坂檀林桜千句 第七 一重桜：藍何［あましやうじ：柴舟］

大坂檀林桜千句 第八 千本桜：何食［ぎをんばはき：益友］

大坂檀林桜千句 第九 墨染桜：帳何［はことひや：本秋］

大坂檀林桜千句 第十 遅桜：何謡［ぶたつしやな：由平］

大坂檀林桜千句 追加 渦桜：□□［さかづきや：西鶴］

大坂檀林桜千句　１１巻

大坂檀林桜千句　第一　初桜：銀何［だんりんの：益翁］

大坂檀林桜千句　第二　山桜：何腸［やまざくら：友雪］

大坂檀林桜千句　第三　一村桜：茶何［せいさつや：均朋］

大坂檀林桜千句　第四　薄花桜：何薬［ふんべつや：夕烏］

大坂檀林桜千句　第五　並木桜：中何［つぎわけや：素敬］

大坂檀林桜千句　第六　深山桜：何刀［よすてばうず：如昔］

大坂檀林桜千句　第七　一重桜：藍何［あましやうじ：柴舟］

大坂檀林桜千句　第八　千本桜：何食［ぎをんばはき：益友］

大坂檀林桜千句　第九　墨染桜：帳何［はことひや：本秋］

大坂檀林桜千句　第十　遅桜：何謡［ぶたつしやな：由平］

大坂檀林桜千句　追加　渦桜：□□［さかづきや：西鶴］