冬の日　６巻

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作品集名	冬の日　６巻
作品集名読み	ふゆのひ
作成年月日	貞享元年十一月（1684年12月頃）
場所
備考	刊記は、十七丁裏に「貞享甲子歳」（貞享元年（1684））とあるが、宝永四年（11707）の井筒屋編「誹諧書籍目録」には貞享二年となっており、成立事情からみても貞享二年の刊行であろう。

冬の日　歌仙［きやうくこからしの］

冬の日　歌仙［はつゆきの］

冬の日　歌仙［きやうくこからしの］

句番号	句／作者／異同資料句番号
001	狂句こがらしの身は竹斎に似たる哉きようくこからしの−みはちくさいに−にたるかな芭蕉　(xx1)
002	たそやとばしるかさの山茶花たそやとはしる−にはのささんくわ野水　(xx/)
003	有明の主水に酒屋つくらせてありあけの−もんとにさかや−つくらせて荷兮　(xx/)
004	かしらの露をふるふあかむまかしらのつゆを−はらふあかうま重五　(xx/)
005	朝鮮のほそりすすきのにほひなきてうせんの−ほそりすすきの−にほひなき杜国　(xx/)
006	日のちりちりに野に米を苅正平ひのちりちりに−のにこめをかる正平　(xx/)
007	わがいほは鷺にやどかすあたりにてわかいほは−さきにやとかす−あたりにて野水　(xx/)
008	髪はやすまをしのぶ身のほどかみはやすまを−しのふみのほと芭蕉　(xx1)
009	いつはりのつらしと乳をしぼりすていつはりの−つらしとちちを−しほりすて重五　(xx/)
010	きえぬそとばにすごすごとなくきえぬそとはに−すこすことなく荷兮　(xx/)
011	影法のあかつきさむく火を焼てかけほふの−あかつきさむく−ひをたきて芭蕉　(xx1)
012	あるじはひんにたえし虚家あるしはひんに−たえしからいへ杜国　(xx/)
013	田中なるこまんが柳落るころたなかなる−こまんかやなき−おつるころ荷兮　(xx/)
014	霧にふね引人はちんばかきりにふねひく−ひとはちんはか野水　(xx/)
015	たそがれを横にながむる月ほそしたそかれを−よこになかむる−つきほそし杜国　(xx/)
016	となりさかしき町に下り居るとなりさかしき−まちにおりゐる重五　(xx/)
017	二の尼に近衛の花のさかりきくにのあまに−このゑのはなの−さかりきく野水　(xx/)
018	蝶はむぐらにとばかり鼻かむてふはむくらに−とはかりはなかむ芭蕉　(xx1)
019	のり物に簾透顔おぼろなるのりものに−すたれすくかほ−おほろなる重五　(xx/)
020	いまぞ恨の矢をはなつ声いまそうらみの−やをはなつこゑ荷兮　(xx/)
021	ぬす人の記念の松の吹をれてぬすひとの−かたみのまつの−ふきをれて芭蕉　(xx1)
022	しばし宗祇の名を付し水しはしそうきの−なをつけしみつ杜国　(xx/)
023	笠ぬぎて無理にもぬるる北時雨かさぬきて−むりにもぬるる−きたしくれ荷兮　(xx/)
024	冬がれわけてひとり唐苣ふゆかれわけて−ひとりたうちさ野水　(xx/)
025	しらじらと砕けしは人の骨か何しらしらと−くたけしはひとの−ほねかなに杜国　(xx/)
026	烏賊はえびすの国のうらかたいかはえひすの−くにのうらかた重五　(xx/)
027	あはれさの謎にもとけし郭公あはれさの−なそにもとけし−ほとときす野水　(xx/)
028	秋水一斗もりつくす夜ぞしうすいいつと−もりつくすよそ芭蕉　(xx1)
029	日東の李白が坊に月を見てしつとうの−りはくかはうを−つきにみて重五　(xx/)
030	巾に木槿をはさむ琵琶打きんにむくけを−はさむひはうち荷兮　(xx/)
031	うしの跡とぶらふ草の夕ぐれにうしのあと−とふらふくさの−ゆふくれに芭蕉　(xx1)
032	箕に鮗の魚をいただきみにこのしろの−うををいたたき杜国　(xx/)
033	わがいのりあけがたの星孕むべくわかいのり−あけかたのほし−はらむへく荷兮　(xx/)
034	けふはいもとのまゆかきにゆきけふはいもとの−まゆかきにゆき野水　(xx/)
035	綾ひとへ居湯に志賀の花漉てあやひとへ−をりゆにしかの−はなこして杜国　(xx/)
036	廊下は藤のかげつたふ也らうかはふちの−かけつたふなり重五　(xx/)

冬の日　歌仙［はつゆきの］

句番号	句／作者／異同資料句番号
001	はつ雪のことしも袴きてかへるはつゆきの−ことしもはかま−きてかへる埜水　(xx/)
002	霜にまだ見る蕣の食しもにまたみる−あさかほのめし杜国　(xx/)
003	野菊までたづぬる蝶の羽をれてのきくまて−たつぬるてふの−はねをれて芭蕉　(xx1)
004	うづらふけれとくるまひきけりうつらふけれと−くるまひきけり荷兮　(xx/)
005	麻呂が月袖に鞨鼓をならすらんまろかつき−そてにかつこを−ならすらん重五　(xx/)
006	桃花をたをる貞徳の富たうくわをたをる−ていとくのとみ正平　(xx/)
007	雨こゆる浅香の田螺ほりうゑてあめこゆる−あさかのたにし−ほりうゑて杜国　(xx/)
008	奥のきさらぎを只なきになくおくのきさらきを−たたなきになく埜水　(xx/)
009	床ふけて語ればいとこなる男とこふけて−かたれはいとこ−なるをとこ荷兮　(xx/)
010	縁さまたげの恨みのこりしえんさまたけの−うらみのこりしばせを　(xx1)
011	ロをしと瘤をちぎるちからなきくちをしと−ふすへをちきる−ちからなき野水　(xx/)
012	明日はかたきにくび送りせんあすはかたきに−くひおくりせん重五　(xx/)
013	小三太に盃とらせひとつうたひこさうたに−さかつきとらせ−ひとつうたひ芭蕉　(xx1)
014	月は遅かれ牡丹ぬす人つきはおそかれ−ほたんぬすひと杜国　(xx/)
015	縄あみのかがりはやぶれ壁落てなはあみの−かかりはやふれ−かへおちて重五　(xx/)
016	こつこつとのみ地蔵切町こつこつとのみ−ちさうきるまち荷兮　(xx/)
017	初はなの世とや嫁のいかめしくはつはなの−よとやよめりの−いかめしく杜国　(xx/)
018	かぶろいくらの春ぞかはゆきかふろいくらの−はるそかはゆき野水　(xx/)
019	櫛ばこに餅すうるねやほのかなるくしはこに−もちすうるねや−ほのかなるかけい　(xx/)
020	うぐひす起よ帋燭とぼしてうくひすおきよ−しそくとほして芭蕉　(xx1)
021	篠ふかく梢は柿の蔕さびしささふかく−こすゑはかきの−へたさひし野水　(xx/)
022	三線からん不破のせき人さみせんからん−ふはのせきひと重五　(xx/)
023	道すがら美濃で打ける碁を忘るみちすから−みのてうちける−こをわする芭蕉　(xx1)
024	ねざめねざめのさても七十ねさめねさめの−さてもしちしふ杜国　(xx/)
025	奉加めす御堂に金うちになひほうかめす−みたうにこかね−うちになひ重五　(xx/)
026	ひとつの傘の下挙りさすひとつのかさの−したこそりさす荷兮　(xx/)
027	蓮池に鷺の子遊ぶ夕ま暮はすいけに−さきのこあそふ−ゆふまくれ杜国　(xx/)
028	まどに手づから薄様をすきまとにてつから−うすやうをすき野水　(xx/)
029	月にたてる唐輪の髪の赤枯てつきにたてる−からわのかみの−あかかれて荷兮　(xx/)
030	恋せねきぬた臨済をまつこひせぬきぬた−りんさいをまつばせを　(xx1)
031	秋蝉の虚に声きくしづかさはしうせんの−からにこゑきく−しつかさは野水　(xx/)
032	藤の実つたふ雫ぽつちりふちのみつたふ−しつくほつちり重五　(xx/)
033	袂より硯をひらき山かげにたもとより−すすりをひらき−やまかけに芭蕉　(xx1)
034	ひとりは典侍の局か内侍かひとりはすけの−つほねかないしか杜国　(xx/)
035	三ケの花鸚鵡尾ながの鳥いくさみかのはな−あうむほなかの−とりいくさ重五　(xx/)
036	しらがみいさむ越の独活苅しらかみいさむ−こしのうとかり荷兮　(xx/)

冬の日　歌仙［つつみかねて］

句番号	句／作者／異同資料句番号
001	つつみかねて月とり落す霽かなつつみかねて−つきとりおとす−しくれかな杜国　(xx/)
002	こほりふみ行水のいなづまこほりふみゆく−みつのいなつま重五　(xx/)
003	歯朶の葉を初狩人の矢に負てしたのはを−はつかりひとの−やをおひて野水　(xx/)
004	北の御門をおしあけのはるきたのこもんを−おしあけのはる芭蕉　(xx1)
005	馬糞掻あふぎに風の打かすみまくそかく−あふきにかせの−うちかすみ荷兮　(xx/)
006	茶の湯者をしむ野べの蒲公英ちやのゆしやをしむ−のへのたんほほ平正　(xx/)
007	らうたげに物よむ娘かしづきてらうたけに−ものよむむすめ−かしつきて重五　(xx/)
008	燈籠ふたつになさけくらぶるとうろふたつに−なさけくらふる杜国　(xx/)
009	つゆ萩のすまふ力を撰ばれずつゆはきの−すまふちからを−えらはれす芭蕉　(xx1)
010	蕎麦さへ青し滋賀楽の坊そはさへあをし−しからきのはう野水　(xx/)
011	朝月夜双六うちの旅ねしてあさつくよ−すころくうちの−たひねして杜国　(xx/)
012	紅花買みちにほととぎすきくへにかふみちに−ほとときすきく荷兮　(xx/)
013	しのぶまのわざとて雛を作り居るしのふまの−わさとてひなを−つくりゐる野水　(xx/)
014	命婦の君より米なんどこすみやうふのきみより−こめなんとこす重五　(xx/)
015	まがきまで津浪の水にくづれ行まかきまて−つなみのみつに−くつれゆき荷兮　(xx/)
016	仏喰たる魚解きけりほとけくふたる−うをほときけり芭蕉　(xx1)
017	県ふるはな見次郎と仰がれてあかたふる−はなみしらうと−あふかれて重五　(xx/)
018	五形菫の畠六反けんけすみれの−はたけろくたんとこく　(xx/)
019	うれしげに囀る雲雀ちりちりとうれしけに−さへつるひはり−ちりちりと芭蕉　(xx1)
020	真昼の馬のねぶたがほ也まひるのうまの−ねふたかほなり野水　(xx/)
021	をかざきや矢矧の橋のながきかなをかさきや−やはきのはしの−なかきかな杜国　(xx/)
022	庄屋のまつをよみて送りぬしやうやのまつを−よみておくりぬ荷兮　(xx/)
023	捨し子は柴苅長にのびつらんすてしこは−しはかるたけに−のひつらん野水　(xx/)
024	晦日をさむく刀売る年みそかをさむく−かたなうるとし重五　(xx/)
025	雪の狂呉の国の笠めづらしきゆきのきやう−このくにのかさ−めつらしき荷兮　(xx/)
026	襟に高雄が片袖をとくえりにたかをか−かたそてをとくばせを　(xx1)
027	あだ人と樽を棺に呑ほさんあたひとと−たるをひつきに−のみほさん重五　(xx/)
028	芥子のひとへに名をこぼす禅けしのひとへに−なをこほすせん杜国　(xx/)
029	三ケ月の東は暗く鐘の声みかつきの−ひかしはくらく−かねのこゑ芭蕉　(xx1)
030	秋湖かすかに琴かへす者しうこかすかに−ことかへすもの野水　(xx/)
031	烹る事をゆるしてはぜを放けるにることを−ゆるしてはせを−はなちける杜国　(xx/)
032	声よき念仏藪をへだつるこゑよきねふつ−やふをへたつる荷兮　(xx/)
033	かげうすき行燈けしに起佗てかけうすき−あんとんけしに−おきわひて野水　(xx/)
034	おもひかねつも夜るの帯引おもひかねつも−よるのおひひく重五　(xx/)
035	こがれ飛たましゐ花のかげに入こかれとふ−たましひはなの−かけにいる荷兮　(xx/)
036	その望の日を我もおなじくそのもちのひを−われもおなしくばせを　(xx1)

冬の日　歌仙［すみうりの］

句番号	句／作者／異同資料句番号
001	炭売のおのがつまこそ黒からめすみうりの−おのかつまこそ−くろからめ重五　(xx/)
002	ひとの粧ひを鏡磨寒ひとのよそひを−かかみときさむ荷兮　(xx/)
003	花棘馬骨の霜に咲かへりはないはら−はこつのしもに−さきかへり杜国　(xx/)
004	鶴見るまどの月かすかなりつるみるまとの−つきかすかなり野水　(xx/)
005	かぜ吹ぬ秋の日瓶に酒なき日かせふかぬ−あきのひかめに−さけなきひ芭蕉　(xx1)
006	荻織るかさを市に振するをきおるかさを−いちにふらする羽笠　(xx/)
007	賀茂川や胡磨千代祭り微近みかもかはや−こまちよまつり−ややちかみ荷兮　(xx/)
008	いはくらの聟なつかしのころいはくらのむこ−なつかしのころ重五　(xx/)
009	おもふこと布搗哥にわらはれておもふこと−ぬのつきうたに−わらはれて野水　(xx/)
010	うきははたちを越る三平うきははたちを−こゆるまるかほ杜国　(xx/)
011	捨られてくねるか鴛の離れ鳥すてられて−くねるかをしの−はなれとり羽笠　(xx/)
012	水おかぬ火燵なき人を見むひおかぬこたつ−なきひとをみん芭蕉　(xx1)
013	門守の翁に帋子かりて寝るかともりの−おきなにかみこ−かりてねる重五　(xx/)
014	血刀かくす月の暗きにちかたなかくす−つきのくらきに荷兮　(xx/)
015	霧下りて本郷の鐘七つきくきりおりて−ほんかうのかね−ななつきく杜国　(xx/)
016	ふゆまつ納豆たたくなるべしふゆまつなつとう−たたくなるへし野水　(xx/)
017	はなに泣桜の黴とすてにけるはなになく−さくらのかひと−すてにける芭蕉　(xx1)
018	僧ものいはず款冬を呑そうものいはす−くわんとうをのむ羽笠　(xx/)
019	白燕濁らぬ水に羽を洗ひしろつはめ−にこらぬみつに−はをあらひ荷兮　(xx/)
020	宣旨かしこく釵を鋳るせんしかしこく−かんさしをいる重五　(xx/)
021	八十年を三つ見る童母もちてやそとせを−みつみるわらは−ははもちて野水　(xx/)
022	なかだちそむる七夕のつまなかたちそむる−たなはたのつま杜国　(xx/)
023	西南に桂のはなのつぼむときせいなんに−かつらのはなの−つほむとき羽笠　(xx/)
024	蘭のあぶらに卜木うつ音らんのあふらに−しめきうつおと芭蕉　(xx1)
025	賎の家に賢なる女見てかへるしつのやに−むんなるをんな−みてかへる重五　(xx/)
026	釣瓶に粟をあらふ日のくれつるへにあはを−あらふひのくれ荷兮　(xx/)
027	はやり来て撫子かざる正月にはやりきて−なてしこかさる−しやうくわつに杜国　(xx/)
028	つづみ手向る弁慶の宮つつみたむくる−へんけいのみや野水　(xx/)
029	寅の日の旦を鍛冶の急起てとらのひの−あしたをかちの−とくおきて芭蕉　(xx1)
030	雲かうばしき南京の地くもかうはしき−なんきんのつち羽笠　(xx/)
031	いがきして誰ともしらぬ人の像いかきして−たれともしらぬ−ひとのさう荷兮　(xx/)
032	泥にこころのきよき芹の根とろにこころの−きよきせりのね重五　(xx/)
033	粥すするあかつき花にかしこまりかゆすする−あかつきはなに−かしこまりやすい　(xx/)
034	狩衣の下に鎧ふ春風かりきぬのしたに−よろふはるかせ芭蕉　(xx1)
035	北のかたなくなく簾おしやりてきたのかた−なくなくすたれ−おしやりて羽笠　(xx/)
036	ねられぬ夢を責るむら雨ねられぬゆめを−せむるむらさめ杜国　(xx/)

冬の日　歌仙［しもつきや］

句番号	句／作者／異同資料句番号
001	霜月や鸛の彳彳ならびゐてしもつきや−こふのつくつく−ならひゐて荷兮　(xx/)
002	冬の朝日のあはれなりけりふゆのあさひの−あはれなりけり芭蕉　(xx1)
003	樫桧山家の体を木の葉降かしひのき−さんかのていを−このはふり重五　(xx/)
004	ひきずるうしの塩こぼれつつひきするうしの−しほこほれつつ杜国　(xx/)
005	音もなき具足に月のうすうすとおともなき−くそくにつきの−うすうすと羽笠　(xx/)
006	酌とる童蘭切にいでしやくとるわつは−らんきりにいて埜水　(xx/)
007	秋のころ旅の御連歌いとかりにあきのころ−たひのおれんか−いとかりに芭蕉　(xx1)
008	漸漸はれて冨士みゆる寺やうやくはれて−ふしみゆるてら荷兮　(xx/)
009	寂として椿の花の落る音しやくとして−つはきのはなの−おつるおと杜国　(xx/)
010	茶に糸遊をそむる風の香ちやにいとゆふを−そむるかせのか重五　(xx/)
011	雉追に烏帽子の女五三十きしおひに−えほしのをんな−こさんしふ野水　(xx/)
012	庭に木曽作るこひの薄衣にはにきそつくる−こひのうすきぬ羽笠　(xx/)
013	なつふかき山橘にさくら見んなつふかき−やまたちはなに−さくらみん荷兮　(xx/)
014	麻かりといふ哥の集あむあさかりといふ−うたのしふあむ芭蕉　(xx1)
015	江を近く独楽庵と世を捨てえをちかく−とくらくあんと−よをすてて重五　(xx/)
016	我月出よ身はおぼろなるわかつきいてよ−みはおほろなる杜国　(xx/)
017	たび衣笛に落花を打払たひころも−ふえにらつくわを−うちはらひ羽笠　(xx/)
018	篭輿ゆるす木瓜の山あひろうこしゆるす−ほけのやまあひ野水　(xx/)
019	骨を見て坐に泪ぐみうちかへりこつをみて−そそろになみたくみ−うちかへり芭蕉　(xx1)
020	乞食の簑をもらふしののめこしきのみのを−もらふしののめ荷兮　(xx/)
021	泥のうへに尾を引鯉を拾ひ得てとろのうへに−ををひくこひを−ひろひえて杜国　(xx/)
022	御幸に進む水のみくすりみゆきにすすむ−みつのみくすり重五　(xx/)
023	ことにてる年の小角豆の花もろしことにてる−としのささけの−はなもろし野水　(xx/)
024	萱屋まばらに炭団つく臼かややまはらに−たとんつくうす羽笠　(xx/)
025	芥子あまの小坊交りに打むれてけしあまの−こはうましりに−うちむれて荷兮　(xx/)
026	をるるはすのみたてる蓮の実をるるはすのみ−たてるはすのみ芭蕉　(xx1)
027	しづかさに飯台のぞく月の前しつかさに−はんたいのそく−つきのまへ重五　(xx/)
028	露おくきつね風やかなしきつゆおくきつね−かせやかなしき杜国　(xx/)
029	釣柿に屋根ふかれたる片庇つりかきに−やねふかれたる−かたひさし羽笠　(xx/)
030	豆腐つくりて母の喪に入とうふつくりて−ははのもにいる野水　(xx/)
031	元政の草の袂も破ぬべしけんせいの−くさのたもとも−やれぬへし芭蕉　(xx1)
032	伏見木幡の鐘はなをうつふしみこはたの−かねはなをうつかけい　(xx/)
033	いろふかき男猫ひとつを捨かねていろふかき−をねこひとつを−すてかねて杜国　(xx/)
034	春のしらすの雪はきをよぶはるのしらすの−ゆきはきをよふ重五　(xx/)
035	水干を秀句の聖わかやかにすいかんを−しうくのひしり−わかやかに野水　(xx/)
036	山茶花匂ふ笠のこがらしささんくわにほふ−かさのこからしうりつ　(xx/)

冬の日　歌仙［いかにみよと］

句番号	句／作者／異同資料句番号
001	いかに見よと難面うしをうつ霰いかにみよと−つれなくうしを−うつあられ羽笠　(xx/)
002	樽火にあぶるかれはらの松たるひにあふる−かれはらのまつ荷兮　(xx/)
003	とくさ苅下着に髪をちやせんしてとくさかり−したきにかみを−ちやせんして重五　(xx/)
004	桧笠に宮をやつす朝露ひかさにみやを−やつすあさつゆ杜国　(xx/)
005	銀に蛤かはん月は海しろかねに−はまくりかはん−つきはうみ芭蕉　(xx1)
006	ひだりに橋をすかす岐阜山ひたりにはしを−すかすきふやま埜水　(xx/)
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冬の日 ６巻

冬の日 歌仙［きやうくこからしの］

冬の日 歌仙［はつゆきの］

冬の日 歌仙［つつみかねて］

冬の日 歌仙［すみうりの］

冬の日 歌仙［しもつきや］

冬の日 歌仙［いかにみよと］

冬の日　６巻

冬の日　歌仙［きやうくこからしの］

冬の日　歌仙［はつゆきの］

冬の日　歌仙［つつみかねて］

冬の日　歌仙［すみうりの］

冬の日　歌仙［しもつきや］

冬の日　歌仙［いかにみよと］