春の日　４巻　

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作品集名	春の日　４巻
作品集名読み	はるのひ
作成年月日	貞享三年八月（1686年9月頃）
場所

春の日　歌仙［はるめくや：荷兮］

春の日　歌仙［ならさかや：旦藁］

春の日　歌仙［かはつのみ：野水］

春の日　歌仙［やまふきの：越人］

春の日　歌仙［はるめくや：荷兮］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	春めくや人さまざまの伊勢まゐりはるめくや−ひとさまさまの−いせまゐり荷兮　(xxx)
00002	桜ちる中馬ながく連さくらちるなか−うまなかくつれ重五　(xxx)
00003	山かすむ月一時に館立てやまかすむ−つきいつときに−いへたてて雨桐　(xxx)
00004	鎧ながらの火にあたる也よろひなからの−ひにあたるなり李風　(xxx)
00005	しほ風によくよく聞ば鴎なくしほかせに−よくよくきけは−かもめなく昌圭　(xxx)
00006	くもりに沖の岩黒く見えくもりにおきの−いはくろくみえ執筆　(xxx)
00007	須磨寺に汗の帷子脱かへむすまてらに−あせのかたひら−ぬきかへむ重五　(xxx)
00008	おのおのなみだ笛を戴くおのおのなみた−ふえをいたたく荷兮　(xxx)
00009	文王のはやしにけふも土つりてふんわうの−はやしにけふも−つちつりて李風　(xxx)
00010	雨の雫の角のなき草あめのしつくの−つののなきくさ雨桐　(xxx)
00011	肌寒み一度は骨をほどく世にはたさむみ−いちとはほねを−ほとくよに荷兮　(xxx)
00012	傾城乳をかくす晨明けいせいちちを−かくすありあけ昌圭　(xxx)
00013	霧はらふ鏡に人の影移りきりはらふ−かかみにひとの−かけうつり雨桐　(xxx)
00014	わやわやとのみ神輿かく里わやわやとのみ−みこしかくさと重五　(xxx)
00015	鳥居より半道奥の砂行てとりゐより−はんみちおくの−すなゆきて昌圭　(xxx)
00016	花に長男の帋鳶あぐる比はなにおとなの−たこあくるころ李風　(xxx)
00017	柳よき陰ぞここらに鞠なきややなきよき−かけそここらに−まりなきや重五　(xxx)
00018	入かかる日に蝶いそぐなりいりかかるひに−てふいそくなり荷兮　(xxx)
00019	うつかりと麦なぐる家に連待てうつかりと−むきなくるやに−つれまちて李風　(xxx)
00020	かほ懐に梓ききゐるかほふところに−あつさききゐる雨桐　(xxx)
00021	黒髪をたばぬるほどに切残しくろかみを−たはぬるほとに−きりのこし荷兮　(xxx)
00022	いともかしこき五位の針立いともかしこき−こゐのはりたて昌圭　(xxx)
00023	松の木に宮司が門はうつぶきてまつのきに−みやしかかとは−うつふきて雨桐　(xxx)
00024	はだしの跡も見えぬ時雨ぞはたしのあとも−みえぬしくれそ重五　(xxx)
00025	朝朗豆腐を鳶にとられけるあさほらけ−とうふをとひに−とられける昌圭　(xxx)
00026	念仏さぶげに秋あはれ也ねふつさふけに−あきあはれなり李風　(xxx)
00027	穂蓼生ふ蔵を住ひに佗なしてほたておふ−くらをすまひに−わひなして重五　(xxx)
00028	我名を橋の名によばる月わかなをはしの−なによはるつき荷兮　(xxx)
00029	傘の内近付になる雨の昏にかさのうち−ちかつきになる−あめのくれに李風　(xxx)
00030	朝熊おるる出家ぼくぼくあさくまおるる−しゆつけほくほく雨桐　(xxx)
00031	ほととぎす西行ならば哥よまんほとときす−さいきやうならは−うたよまん荷兮　(xxx)
00032	釣瓶ひとつを二人してわけつるへひとつを−ふたりしてわけ昌圭　(xxx)
00033	世にあはぬ局涙に年とりてよにあはぬ−つほねなみたに−としとりて雨桐　(xxx)
00034	記念にもらふ嵯峨の苣畑かたみにもらふ−さかのちさはた重五　(xxx)
00035	いく春を花と竹とにいそがしくいくはるを−はなとたけとに−いそかしく昌圭　(xxx)
00036	弟も兄も鳥とりにゆくおとともあにも−とりとりにゆく李風　(xxx)

春の日　歌仙［ならさかや：旦藁］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	なら坂や畑うつ山の八重ざくらならさかや−はたうつやまの−やへさくら旦藁　(xxx)
00002	おもしろうかすむかたがたの鐘おもしろうかすむ−かたかたのかね野水　(xxx)
00003	春の旅節供なるらん袴着てはるのたひ−せつくなるらん−はかまきて荷兮　(xxx)
00004	口すすぐべき清水ながるるくちすすくへき−しみつなかるる越人　(xxx)
00005	松風にたふれぬ程の酒の酔まつかせに−たふれぬほとの−さけのゑひ羽笠　(xxx)
00006	売のこしたる虫はなつ月うりのこしたる−むしはなつつき執筆　(xxx)
00007	笠白き太秦祭過にけりかさしろき−うつまさまつり−すきにけり野水　(xxx)
00008	菊ある垣によい子見ておくきくあるかきに−よいこみておく旦藁　(xxx)
00009	表町ゆづりて二人髪剃んおもてまち−ゆつりてふたり−かみそらん越人　(xxx)
00010	暁いかに車ゆくすぢあかつきいかに−くるまゆくすち荷兮　(xxx)
00011	鱈負うて大津の浜に入にけりたらおうて−おほつのはまに−いりにけり旦藁　(xxx)
00012	何やら聞ん我国の声なにやらきかん−わかくにのこゑ越人　(xxx)
00013	旅衣あたまばかりを蚊やかりてたひころも−あたまはかりを−かやかりて羽笠　(xxx)
00014	萩ふみたふす万日のはらはきふみたふす−まんにちのはら野水　(xxx)
00015	里人に薦を施す秋の雨さとひとに−こもをほとこす−あきのあめ越人　(xxx)
00016	月なき浪に重石おく橋つきなきなみに−おもしおくはし羽笠　(xxx)
00017	ころびたる木の根に花の鮎とらんころひたる−きのねにはなの−あゆとらん野水　(xxx)
00018	諷尽せる春の湯の山うたひつくせる−はるのゆのやま旦藁　(xxx)
00019	のどけしや筑紫の袂伊勢の帯のとけしや−つくしのたもと−いせのおひ越人　(xxx)
00020	内侍のえらぶ代代の眉の図ないしのえらふ−よよのまゆのつ荷兮　(xxx)
00021	物おもふ軍の中は片わきにものおもふ−いくさのなかは−かたわきに羽笠　(xxx)
00022	名もかち栗とぢぢ申上ゲなもかちくりと−ちちまうしあけ野水　(xxx)
00023	大年は念仏となふる恵美酒棚おほとしは−ねふつとなふる−えひすたな旦藁　(xxx)
00024	ものごと無我によき隣也ものことむかに−よきとなりなり越人　(xxx)
00025	朝夕の若葉のために拘杞うゑてあさゆふの−わかはのために−くこうゑて荷兮　(xxx)
00026	宮古に廿日はやき麦の粉みやこにはつか−はやきむきのこ羽笠　(xxx)
00027	一夜かる宿は馬かふ寺なれやひとよかる−やとはうまかふ−てらなれや野水　(xxx)
00028	こは魂まつるきさらぎの月こはたままつる−きさらきのつき旦藁　(xxx)
00029	陽炎のもえのこりたる夫婦にてかけろふの−もえのこりたる−めをとにて越人　(xxx)
00030	春雨袖に御哥いただくはるさめそてに−おうたいたたく荷兮　(xxx)
00031	田を持て花みる里に生けりたをもちて−はなみるさとに−うまれけり羽笠　(xxx)
00032	力の筋をつぎし中の子ちからのすちを−つきしなかのこ野水　(xxx)
00033	漣や三井の末寺の跡とりにささなみや−みゐのまつしの−あととりに旦藁　(xxx)
00034	高びくのみぞ雪の山山たかひくのみそ−ゆきのやまやま越人　(xxx)
00035	見つけたり廿九日の月さむきみつけたり−にしふくにちの−つきさむき荷兮　(xxx)
00036	君のつとめに氷ふみわけきみのつとめに−こほりふみわけ羽笠　(xxx)

春の日　歌仙［かはつのみ：野水］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	蛙のみききてゆゆしき寐覚かなかはつのみ−ききてゆゆしき−ねさめかな野水　(xxx)
00002	額にあたるはる雨のもりひたひにあたる−はるさめのもり旦藁　(xxx)
00003	蕨烹る岩木の臭き宿かりてわらひにる−いはきのくさき−やとかりて越人　(xxx)
00004	まじまじ人をみたる馬の子ましましひとを−みたるうまのこ荷兮　(xxx)
00005	立てのる渡しの舟の月影にたちてのる−わたしのふねの−つきかけに冬文　(xxx)
00006	芦の穂を借る傘の端あしのほをかる−からかさのはし執筆　(xxx)
00007	磯ぎはに施餓鬼の僧の集りていそきはに−せかきのそうの−あつまりて旦藁　(xxx)
00008	岩のあひより蔵みゆる里いはのあひより−くらみゆるさと野水　(xxx)
00009	雨の日も瓶焼やらん煙たつあめのひも−かめやくやらん−けふりたつ荷兮　(xxx)
00010	ひだるき事も旅の一つにひたるきことも−たひのひとつに越人　(xxx)
00011	尋よる坊主は住まず錠おりてたつねよる−はうすはすます−ちやうおりて野水　(xxx)
00012	解てやおかん枝むすぶ松ときてやおかん−えたむすふまつ冬文　(xxx)
00013	咲わけの菊にはをしき白露ぞさきわけの−きくにはをしき−しらつゆそ越人　(xxx)
00014	秋の和名にかかる順あきのわみやうに−かかるしたかふ旦藁　(xxx)
00015	初雁の声にみづから火を打ぬはつかりの−こゑにみつから−ひをうちぬ冬文　(xxx)
00016	別の月になみだあらはせわかれのつきに−なみたあらはせ荷兮　(xxx)
00017	跡ぞ花四の宮よりは唐輪にてあとそはな−しのみやよりは−からわにて旦藁　(xxx)
00018	春ゆく道の笠もむつかしはるゆくみちの−かさもむつかし野水　(xxx)
00019	永き日や今朝を昨日に忘るらんなかきひや−けさをきのふに−わするらん荷兮　(xxx)
00020	簀の子茸生ふる五月雨の中すのこたけおふる−さみたれのうち越人　(xxx)
00021	紹鴎が瓢はありて米はなくせうおうか−ふくへはありて−こめはなく野水　(xxx)
00022	連哥のもとにあたるいそがしれんかのもとに−あたるいそかし冬文　(xxx)
00023	滝壷に柴押まげて音とめんたきつほに−しはおしまけて−おととめん越人　(xxx)
00024	岩苔とりの篭にさげられいはこけとりの−かこにさけられ旦藁　(xxx)
00025	むさぼりに帛着てありく世の中はむさほりに−きぬきてありく−よのなかは冬文　(xxx)
00026	莚二枚もひろき我庵むしろにまいも−ひろきわかいほ越人　(xxx)
00027	朝毎の露あはれさに麦作ルあさことの−つゆあはれさに−むきつくる旦藁　(xxx)
00028	碁うちを送るきぬぎぬの月こうちをおくる−きぬきぬのつき野水　(xxx)
00029	風のなき秋の日舟に網入よかせのなき−あきのひふねに−あみいれよ荷兮　(xxx)
00030	鳥羽の湊のをどり笑ひにとはのみなとの−をとりわらひに冬文　(xxx)
00031	あらましのざこね筑摩も見て過ぬあらましの−さこねつくまも−みてすきぬ野水　(xxx)
00032	つらつら一期聟の名もなしつらつらいちこ−むこのなもなし荷兮　(xxx)
00033	我春の若水汲に昼起てわかはるの−わかみつくみに−ひるおきて越人　(xxx)
00034	餅を喰つついはふ君が代もちをくひつつ−いはふきみかよ旦藁　(xxx)
00035	山は花所のこらず遊ぶ日にやまははな−ところのこらす−あそふひに冬文　(xxx)
00036	くもらずてらず雲雀鳴也くもらすてらす−ひはりなくなり荷兮　(xxx)

春の日　歌仙［やまふきの：越人］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	山吹のあぶなき岨のくづれ哉やまふきの−あふなきそはの−くつれかな越人　(xxx)
00002	蝶水のみにおるる岩ばしてふみつのみに−おるるいははし舟泉　(xxx)
00003	きさらぎや餅晒すべき雪ありてきさらきや−もちさらすへき−ゆきありて聴雪　(xxx)
00004	行幸のために洗ふ土器みゆきのために−あらふかはらけ螽髭　(xxx)
00005	朔日を鷹もつ鍛冶のいかめしくついたちを−たかもつかちの−いかめしく荷兮　(xxx)
00006	月なき空の門はやくあけつきなきそらの−もんはやくあけ執筆　(xxx)
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春の日 ４巻

春の日 歌仙［はるめくや：荷兮］

春の日 歌仙［ならさかや：旦藁］

春の日 歌仙［かはつのみ：野水］

春の日 歌仙［やまふきの：越人］

春の日　４巻　

春の日　歌仙［はるめくや：荷兮］

春の日　歌仙［ならさかや：旦藁］

春の日　歌仙［かはつのみ：野水］

春の日　歌仙［やまふきの：越人］