阿羅野員外　１０巻

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作品集名	阿羅野員外　１０巻
作品集名読み	あらのいんがい
作成年月日	元禄二年三月（1689年4月頃）
場所

阿羅野員外　歌仙［むきをわすれ：素堂］

阿羅野員外　歌仙［とほあさや：亀洞］

阿羅野員外　歌仙［むきをわすれ：素堂］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	麦をわすれ華におぼれぬ鴈ならしむきをわすれ−はなにおほれぬ−かりならし素堂　(xxx)
00002	手をさしかざす峰のかげろふてをさしかさす−みねのかけろふ野水　(xxx)
00003	橇の路もしどろに春の来てかんしきの−みちもしとろに−はるのきて荷兮　(xxx)
00004	ものしづかなるおこし米うりものしつかなる−おこしこめうり越人　(xxx)
00005	門の石月待闇のやすらひにもんのいし−つきまつやみの−やすらひに水　(xxx)
00006	風の目利を初秋の雲かせのめききを−はつあきのくも兮　(xxx)
00007	武士の鷹うつ山もほど近しもののふの−たかうつやまも−ほとちかし人　(xxx)
00008	しをりについて滝の鳴る音しをりについて−たきのなるおと水　(xxx)
00009	袋より経とり出す草のうへふくろより−きやうとりいたす−くさのうへ兮　(xxx)
00010	づぶと降られて過るむら雨つふとふられて−すくるむらさめ人　(xxx)
00011	立かへり松明直ぎる道の端たちかへり−たいまつねきる−みちのはた水　(xxx)
00012	千句いとなむ北山のてらせんくいとなむ−きたやまのてら兮　(xxx)
00013	姥ざくら一重桜も咲残りうはさくら−ひとへさくらも−さきのこり人　(xxx)
00014	あてこともなき夕月夜かなあてこともなき−ゆふつきよかな水　(xxx)
00015	露の身は泥のやうなる物思ひつゆのみは−とろのやうなる−ものおもひ兮　(xxx)
00016	秋をなほなく盗人の妻あきをなほなく−ぬすひとのつま人　(xxx)
00017	明るやら西も東も鐘の声あくるやら−にしもひかしも−かねのこゑ水　(xxx)
00018	さぶうなりたる利根の川舟さふうなりたる−とねのかはふね兮　(xxx)
00019	冬の日のてかてかとしてかき曇ふゆのひの−てかてかとして−かきくもり人　(xxx)
00020	豕子に行と羽織うち着てゐのこにゆくと−はおりうちきて水　(xxx)
00021	ぶらぶらときのふの市の塩いなだふらふらと−きのふのいちの−しほいなた兮　(xxx)
00022	狐つきとや人の見るらむきつねつきとや−ひとのみるらむ人　(xxx)
00023	柏木の脚気の比のつくづくとかしはきの−かくけのころの−つくつくと水　(xxx)
00024	ささやくことのみな聞えつるささやくことの−みなきこえつる兮　(xxx)
00025	月の影より合にけり辻相撲つきのかけ−よりあひにけり−つしすまふ人　(xxx)
00026	秋になるより里の酒桶あきになるより−さとのさかをけ水　(xxx)
00027	露しぐれ歩鵜に出る暮かけてつゆしくれ−かちうにいつる−くれかけて兮　(xxx)
00028	うれしとしのぶ不破の万作うれしとしのふ−ふはのまんさく人　(xxx)
00029	かしこまる諌に涙こぼすらしかしこまる−いさめになみた−こほすらし水　(xxx)
00030	火箸のはねて手のあつき也ひはしのはねて−てのあつきなり兮　(xxx)
00031	かくすもの見せよと人の立かかりかくすもの−みせよとひとの−たちかかり人　(xxx)
00032	水せきとめて池のかへどりみつせきとめて−いけのかへとり水　(xxx)
00033	花ざかり都もいまだ定らずはなさかり−みやこもいまた−さたまらす兮　(xxx)
00034	捨て春ふる奉加帳なりすててはるふる−ほうかちやうなり人　(xxx)
00035	墨ぞめは正月ごとにわすれつつすみそめは−しやうくわつことに−わすれつつ水　(xxx)
00036	大根きざみて干にいそがしたいこんきさみて−ほすにいそかし兮　(xxx)

阿羅野員外　歌仙［とほあさや：亀洞］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	遠浅や浪にしめさす蜊とりとほあさや−なみにしめさす−あさりとり亀洞　(xxx)
00002	はるの舟間に酒のなき里はるのふなまに−さけのなきさと荷兮　(xxx)
00003	のどけしや早き泊に荷を解てのとけしや−はやきとまりに−にをときて昌碧　(xxx)
00004	百足の懼る薬たきけりむかてのおつる−くすりたきけり野水　(xxx)
00005	夕月の雲の白さをうち詠ゆふつきの−くものしろさを−うちなかめ舟泉　(xxx)
00006	夜寒の蓑を裾に引きせよさむのみのを−すそにひききせ釣雪　(xxx)
00007	荻の声どこともしらぬ所ぞやをきのこゑ−とこともしらぬ−ところそや筆　(xxx)
00008	一駄過して是も古綿いちたすこして−これもふるわた亀洞　(xxx)
00009	道の辺に立暮したる宜禰が麻みちのへに−たちくらしたる−きねかぬさ荷兮　(xxx)
00010	楽する比とおもふ年栄らくするころと−おもふとしはえ昌碧　(xxx)
00011	いくつともなくてめつたに蔵造いくつとも−なくてめつたに−くらつくり釣雪　(xxx)
00012	湯殿まゐりのもめむたつ也ゆとのまゐりの−もめむたつなり舟泉　(xxx)
00013	凉しやと莚もてくる川の端すすしやと−むしろもてくる−かはのはた野水　(xxx)
00014	たらかされしや彳る月たらかされしや−たたすめるつき荷兮　(xxx)
00015	秋風に女車の髭をとこあきかせに−をんなくるまの−ひけをとこ亀洞　(xxx)
00016	袖ぞ露けき嵯峨の法輪そてそつゆけき−さかのほふりん釣雪　(xxx)
00017	時時にものさへくはぬ花の春ときときに−ものさへくはぬ−はなのはる昌碧　(xxx)
00018	八重山吹ははたちなるべしやへやまふきは−はたちなるへし野水　(xxx)
00019	日のいでやけふは何せん暖にひのいてや−けふはなにせん−あたたかに舟泉　(xxx)
00020	心やすげに土もらふなりこころやすけに−つちもらふなり亀洞　(xxx)
00021	向まで突やるほどの小ぶねにてむかひまて−つきやるほとの−こふねにて荷兮　(xxx)
00022	垢離かく人の着ものの番こりかくひとの−きるもののはん昌碧　(xxx)
00023	配所にて干魚の加減覚えつつはいしよにて−ひうをのかけん−おほえつつ釣雪　(xxx)
00024	哥うたうたる声のほそぼそうたうたうたる−こゑのほそほそ舟泉　(xxx)
00025	むく起に物いひつけて亦睡りむくおきに−ものいひつけて−またねふり野水　(xxx)
00026	門を過行茄子よびこむかとをすきゆく−なすひよひこむ荷兮　(xxx)
00027	いりこみて足軽町の藪深しいりこみて−あしかるまちの−やふふかし亀洞　(xxx)
00028	おもひ逢たりどれも高田派おもひあひたり−とれもたかたは釣雪　(xxx)
00029	盃もわするばかりの下戸の月さかつきも−わするはかりの−けこのつき昌碧　(xxx)
00030	ややはつ秋のやみあがりなるややはつあきの−やみあかりなる野水　(xxx)
00031	つばくらもおほかた帰る寮の窓つはくらも−おほかたかへる−れうのまと舟泉　(xxx)
00032	水しほはゆき安房の小湊みつしほはゆき−あはのこみなと亀洞　(xxx)
00033	夏の日や見る間に泥の照付てなつのひや−みるまにとろの−てりつけて荷兮　(xxx)
00034	桶のかつらを入しまひけりをけのかつらを−いれしまひけり昌碧　(xxx)
00035	人なみに脇差さして花に行ひとなみに−わきさしさして−はなにゆく釣雪　(xxx)
00036	ついたづくりに落る精進ついたつくりに−おつるしやうしん野水　(xxx)

阿羅野員外　歌仙［うつくしき：舟泉］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	美しき鯲うきけり春の水うつくしき−とちやううきけり−はるのみつ舟泉　(xxx)
00002	柳のうらのかまきりの卵やなきのうらの−かまきりのかひ松芳　(xxx)
00003	夕霞染物とりてかへるらんゆふかすみ−そめものとりて−かへるらん冬文　(xxx)
00004	けぶたきやうに見ゆる月影けふたきやうに−みゆるつきかけ荷兮　(xxx)
00005	秋草のとてもなき程咲みだれあきくさの−とてもなきほと−さきみたれ松芳　(xxx)
00006	弓ひきたくる勝相撲とてゆみひきたくる−かちすまふとて舟泉　(xxx)
00007	けふも亦もの拾はむとたち出るけふもまた−ものひろはむと−たちいつる荷兮　(xxx)
00008	たまたま砂の中の木のはしたまたますなの−なかのきのはし冬文　(xxx)
00009	火鼠の皮の衣を尋きてひねすみの−かはのころもを−たすねきて舟泉　(xxx)
00010	涙見せじとうち笑ひつつなみたみせしと−うちわらひつつ松芳　(xxx)
00011	高みより踏はづしてぞ落にけるたかみより−ふみはつしてそ−おちにける冬文　(xxx)
00012	酒の半に膳もちてたつさけのなかはに−せんもちてたつ荷兮　(xxx)
00013	幾年を順礼もせず口をしきいくとせを−しゆんれいもせす−くちをしき松芳　(xxx)
00014	よまで双帋の絵を先にみるよまてさうしの−ゑをさきにみる舟泉　(xxx)
00015	なに事もうちしめりたる花の皃なにことも−うちしめりたる−はなのかほ荷兮　(xxx)
00016	月のおぼろや飛鳥井の君つきのおほろや−あすかゐのきみ冬文　(xxx)
00017	灯に手をおほひつつ春の風ともしひに−てをおほひつつ−はるのかせ舟泉　(xxx)
00018	数珠くりかけて脇息のうへしゆすくりかけて−けふそくのうへ松芳　(xxx)
00019	隆辰も入歯に声のしわがるるりゆうたつも−いれはにこゑの−しわかるる冬文　(xxx)
00020	十日のきくのをしき事也とをかのきくの−をしきことなり荷兮　(xxx)
00021	山里の秋めづらしと生鰯やまさとの−あきめつらしと−なまいわし松芳　(xxx)
00022	長持かうてかへるややさむなかもちかうて−かへるややさむ舟泉　(xxx)
00023	ざぶざぶとながれを渡る月の影さふさふと−なかれをわたる−つきのかけ荷兮　(xxx)
00024	馬のとほれば馬のいななくうまのとほれは−うまのいななく冬文　(xxx)
00025	さびしさは垂井の宿の冬の雨さひしさは−たるゐのやとの−ふゆのあめ舟泉　(xxx)
00026	莚ふまへて蕎麦あふつみゆむしろふまへて−そはあふつみゆ松芳　(xxx)
00027	つくづくと錦着る身のうとましくつくつくと−にしききるみの−うとましく冬文　(xxx)
00028	暁ふかく提婆品よむあかつきふかく−たいはほんよむ荷兮　(xxx)
00029	けしの花とりなほす間に散にけりけしのはな−とりなほすまに−ちりにけり松芳　(xxx)
00030	味噌するおとの隣さわがしみそするおとの−となりさわかし舟泉　(xxx)
00031	黄昏の門さまたげに薪分たそかれの−かとさまたけに−たききわけ荷兮　(xxx)
00032	次第次第にあたたかになるしたいしたいに−あたたかになる冬文　(xxx)
00033	春の朝赤貝はきてありく児はるのあさ−あかかひはきて−ありくちこ舟泉　(xxx)
00034	顔見にもどる花の旅だちかほみにもとる−はなのたひたち松芳　(xxx)
00035	きさらぎや曝をかひに夜をこめてきさらきや−さらしをかひに−よをこめて冬文　(xxx)
00036	そら面白き山口の家そらおもしろき−やまくちのいへ荷兮　(xxx)

阿羅野員外　歌仙［ほとときす：荷兮］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	ほととぎす待ぬ心の折もありほとときす−またぬこころの−をりもあり荷兮　(xxx)
00002	雨のわか葉にたてる戸の口あめのわかはに−たてるとのくち野水　(xxx)
00003	引捨し車は琵琶のかたぎにてひきすてし−くるまはひはの−かたきにて野水　(xxx)
00004	あらさがなくも人のからかひあらさかなくも−ひとのからかひ荷兮　(xxx)
00005	月の秋旅のしたさに出る也つきのあき−たひのしたさに−いつるなり荷兮　(xxx)
00006	一荷になひし露のきくらげいつかになひし−つゆのきくらけ野水　(xxx)
00007	初あらしはつせの寮の坊主共はつあらし−はつせのれうの−はうすとも水　(xxx)
00008	菜畑ふむなとよばりかけたりなはたふむなと−よはりかけたり兮　(xxx)
00009	土肥を夕夕にかきよせてつちこえを−ゆふへゆふへに−かきよせて兮　(xxx)
00010	印判おとす袖ぞ物うきいんはんおとす−そてそものうき水　(xxx)
00011	通路のついはりこけて逃かへりかよひちの−ついはりこけて−にけかへり水　(xxx)
00012	六位にありし恋のうはきさろくゐにありし−こひのうはきさ兮　(xxx)
00013	代まゐりただやすやすと請おひてたいまゐり−たたやすやすと−うけおひて兮　(xxx)
00014	銭一貫に鰹一節せにいつくわんに−かつをひとふし水　(xxx)
00015	月の朝鴬つけにいそぐらむつきのあさ−うくひすつけに−いそくらむ水　(xxx)
00016	花咲けりと心まめなりはなさきけりと−こころまめなり兮　(xxx)
00017	天仙蓼に冷食あさし春の暮またたひに−ひやめしあさし−はるのくれ兮　(xxx)
00018	かけがねかけよ看経の中かけかねかけよ−かんきんのうち水　(xxx)
00019	ただ人となりて着物うちはおりたたひとと−なりてきるもの−うちはおり水　(xxx)
00020	夕せはしき酒ついでやるゆふへせはしき−さけついてやる兮　(xxx)
00021	駒のやど昨日は信濃けふは甲斐こまのやと−きのふはしなの−けふはかひ水　(xxx)
00022	秋のあらしに昔浄瑠璃あきのあらしに−むかししやうるり兮　(xxx)
00023	めでたくもよばれにけらし生身魄めてたくも−よはれにけらし−いきみたま水　(xxx)
00024	八日の月のすきといるまでやうかのつきの−すきといるまて兮　(xxx)
00025	山の端に松と椴とのかすかなるやまのはに−まつともみとの−かすかなる水　(xxx)
00026	きつきたばこにくらくらとするきつきたはこに−くらくらとする兮　(xxx)
00027	暑き日や腹かけばかり引結びあつきひや−はらかけはかり−ひきむすひ兮　(xxx)
00028	太鼓たたきに階子のぼるかたいこたたきに−はしこのほるか水　(xxx)
00029	ころころと寐たる木賃の艸枕ころころと−ねたるきちんの−くさまくら兮　(xxx)
00030	気だてのよきと聟にほしがるきたてのよきと−むこにほしかる水　(xxx)
00031	忍ぶともしらぬ顔にて一二年しのふとも−しらぬかほにて−いちにねん水　(xxx)
00032	庇をつけて住居かはりぬひさしをつけて−すまひかはりぬ兮　(xxx)
00033	三方の数むつかしと火にくぶるさんはうの−かすむつかしと−ひにくふる兮　(xxx)
00034	供奉の艸鞋を谷へはきこみくふのわらちを−たにへはきこみ水　(xxx)
00035	段段や小塩大原嵯峨の花たんたんや−をしほおほはら−さかのはな水　(xxx)
00036	人おひに行はるの川岸ひとおひにゆく−はるのかはきし筆　(xxx)

阿羅野員外　歌仙［つきにえを：宗鑑］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	月に柄をさしたらばよき団哉つきにえを−さしたらはよき−うちはかな宗鑑　(xxx)
00002	蚊のをるばかり夏の夜の疵かのをるはかり−なつのよのきす越人　(xxx)
00003	とつくりを誰が置かへてころぶらんとつくりを−たかおきかへて−ころふらん傘下　(xxx)
00004	おもひがけなきかぜふきのそらおもひかけなき−かせふきのそら傘下　(xxx)
00005	真木柱つかへおさへてよりかかりまきはしら−つかへおさへて−よりかかり人　(xxx)
00006	使の者に返事またするつかひのものに−へんしまたする人　(xxx)
00007	あれこれと猫の子を選るさまざまにあれこれと−ねこのこをえる−さまさまに筆　(xxx)
00008	としたくるまであはう也けりとしたくるまて−あはうなりけり下　(xxx)
00009	どこでやら手の筋見せて物思ひとこてやら−てのすちみせて−ものおもひ下　(xxx)
00010	まみおもたげに泣はらすかほまみおもたけに−なきはらすかほ人　(xxx)
00011	大勢の人に法華をこなされておほせいの−ひとにほつけを−こなされて人　(xxx)
00012	月の夕に釣瓶縄うつつきのゆふへに−つるへなはうつ下　(xxx)
00013	喰ふ柿も又くふかきも皆渋しくふかきも−またくふかきも−みなしふし下　(xxx)
00014	秋のけしきの畑みる客あきのけしきの−はたけみるきやく人　(xxx)
00015	わがままにいつか此世を背くべきわかままに−いつかこのよを−そむくへき人　(xxx)
00016	寐ながら書か文字のゆがむ戸ねなからかくか−もしのゆかむと下　(xxx)
00017	花の賀にこらへかねたる涙落つはなのかに−こらへかねたる−なみたおつ下　(xxx)
00018	着ものの糊のこはき春かぜきものののりの−こはきはるかせ人　(xxx)
00019	うち群て浦の笘屋の塩干見ようちむれて−うらのとまやの−しほひみよ人　(xxx)
00020	内へはひりてなほほゆる犬うちへはひりて−なほほゆるいぬ下　(xxx)
00021	酔ざめの水の飲たき比なれやゑひさめの−みつののみたき−ころなれや下　(xxx)
00022	ただしづかなる雨の降出したたしつかなる−あめのふりたし人　(xxx)
00023	歌あはせ独古鎌首まゐらるるうたあはせ−とつこかまくひ−まゐらるる人　(xxx)
00024	また献立のみなちがひけりまたこんたての−みなちかひけり下　(xxx)
00025	灯台の油こぼして押かくしとうたいの−あふらこほして−おしかくし下　(xxx)
00026	臼をおこせばきりぎりす飛うすをおこせは−きりきりすとふ人　(xxx)
00027	ふく風にゑのころぐさのふらふらとふくかせに−ゑのころくさの−ふらふらと人　(xxx)
00028	半はこはす築やまの秋なかははこはす−つきやまのあき下　(xxx)
00029	むつむつと月みる顔の親に似てむつむつと−つきみるかほの−おやににて下　(xxx)
00030	人の請にはたつこともなしひとのうけには−たつこともなし人　(xxx)
00031	にぎはしく瓜や苴やを荷ひ込にきはしく−うりやあさやを−になひこみ下　(xxx)
00032	干せる畳のころぶ町中ほせるたたみの−ころふまちなか人　(xxx)
00033	おろおろと小諸の宿の昼時分おろおろと−こもろのやとの−ひるしふん下　(xxx)
00034	皆同音に申念仏みなとうおんに−まうすねんふつ人　(xxx)
00035	百万もくるひ所よ花の春ひやくまんも−くるひところよ−はなのはる下　(xxx)
00036	田楽きれてさくら淋しきてんかくきれて−さくらさひしき人　(xxx)

阿羅野員外　歌仙［かりかねも：越人］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	鴈がねもしづかに聞けばからびずやかりかねも−しつかにきけは−からひすや越人　(xxx)
00002	酒しひならふこの比の月さけしひならふ−このころのつき芭蕉　(xxx)
00003	藤ばかま誰窮窟にめでつらんふちはかま−たれきうくつに−めてつらん芭蕉　(xxx)
00004	理をはなれたる秋の夕ぐれりをはなれたる−あきのゆふくれ越人　(xxx)
00005	瓢箪の大きさ五石ばかり也へうたんの−おほきさここく−はかりなり越人　(xxx)
00006	風にふかれて帰る市人かせにふかれて−かへるいちひと芭蕉　(xxx)
00007	なに事も長安は是名利の地なにことも−ちやうあんはこれ−みやうりのち芭蕉　(xxx)
00008	医のおほきこそ目ぐるほしけれいのおほきこそ−めくるほしけれ越人　(xxx)
00009	いそがしと師走の空に立出ていそかしと−しはすのそらに−たちいてて芭蕉　(xxx)
00010	ひとり世話やく寺の跡とりひとりせわやく−てらのあととり越人　(xxx)
00011	此里に古き玄蕃の名をつたへこのさとに−ふるきけんはの−なをつたへ芭蕉　(xxx)
00012	足駄はかせぬ雨のあけぼのあしたはかせぬ−あめのあけほの越人　(xxx)
00013	きぬぎぬやあまりかぼそくあてやかにきぬきぬや−あまりかほそく−あてやかに芭蕉　(xxx)
00014	かぜひきたまふ声のうつくしかせひきたまふ−こゑのうつくし越人　(xxx)
00015	手もつかず昼の御膳もすべりきぬてもつかす−ひるのこせんも−すへりきぬ芭蕉　(xxx)
00016	物いそくさき船路なりけりものいそくさき−ふなちなりけり越人　(xxx)
00017	月と花比良の高ねを北にしてつきとはな−ひらのたかねを−きたにして芭蕉　(xxx)
00018	雲雀さへづるころの肌ぬぎひはりさへつる−ころのはたぬき越人　(xxx)
00019	破れ戸の釘うち付る春の末やふれとの−くきうちつくる−はるのすゑ越人　(xxx)
00020	みせはさびしき麦のひきわりみせはさひしき−むきのひきわり蕉　(xxx)
00021	家なくて服裟につつむ十寸鏡いへなくて−ふくさにつつむ−ますかかみ人　(xxx)
00022	ものおもひゐる神子のものいひものおもひゐる−みこのものいひ蕉　(xxx)
00023	人去ていまだ御坐の匂ひけるひとさりて−いまたおましの−にほひける人　(xxx)
00024	初瀬に籠る堂の片隅はつせにこもる−たうのかたすみ蕉　(xxx)
00025	ほととぎす鼠のあるる最中にほとときす−ねすみのあるる−さいちうに人　(xxx)
00026	垣穂のささげ露はこぼれてかきほのささけ−つゆはこほれて蕉　(xxx)
00027	あやにくに煩ふ妹が夕ながめあやにくに−わつらふいもか−ゆふなかめ人　(xxx)
00028	あの雲はたがなみだつつむぞあのくもはたか−なみたつつむそ蕉　(xxx)
00029	行月のうはの空にて消さうにゆくつきの−うはのそらにて−きえさうに人　(xxx)
00030	砧も遠く鞍にいねぶりきぬたもとほく−くらにいねふり蕉　(xxx)
00031	秋の田をからせぬ公事の長びきてあきのたを−からせぬくしの−なかひきて人　(xxx)
00032	さいさいながら文字問にくるさいさいなから−もしとひにくる蕉　(xxx)
00033	いかめしく瓦庇の木薬屋いかめしく−かはらひさしの−きくすりや人　(xxx)
00034	馳走する子の痩てかひなきちそうするこの−やせてかひなき蕉　(xxx)
00035	花の比談義参もうらやましはなのころ−たんきまゐりも−うらやまし人　(xxx)
00036	田にしをくうて腥きくちたにしをくうて−なまくさきくち蕉　(xxx)

阿羅野員外　歌仙［おちつきに：其角］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	落着に荷兮の文や天津雁おちつきに−かけいのふみや−あまつかり其角　(xxx)
00002	三夜さの月見雲なかりけりみよさのつきみ−くもなかりけり越人　(xxx)
00003	菊萩の庭に畳を引ずりてきくはきの−にはにたたみを−ひきすりて越人　(xxx)
00004	飲てわするる茶は水になるのみてわするる−ちやはみつになる角　(xxx)
00005	誰か来て裾にかけたる夏衣たれかきて−すそにかけたる−なつころも角　(xxx)
00006	歯ぎしりにさへあかつきのかねはきしりにさへ−あかつきのかね人　(xxx)
00007	恨たる泪まぶたにとどまりてうらみたる−なみたまふたに−ととまりて人　(xxx)
00008	静御前に舞をすすむるしつかこせんに−まひをすすむる角　(xxx)
00009	空蝉の離魂の煩のおそろしきうつせみの−かけのなやみの−おそろしき角　(xxx)
00010	あとなかりける金二万両あとなかりける−きんにまんりやう人　(xxx)
00011	いとほしき子を他人とも名付けたりいとほしき−こをたにんとも−なつけたり人　(xxx)
00012	やけどなほして見しつらきかなやけとなほして−みしつらきかな角　(xxx)
00013	酒熟き耳につきたるささめごとさかくさき−みみにつきたる−ささめこと角　(xxx)
00014	魚をもつらぬ月の江の舟うををもつらぬ−つきのえのふね人　(xxx)
00015	そめいろの富士は浅黄に秋のくれそめいろの−ふしはあさきに−あきのくれ人　(xxx)
00016	花とさしたる草の一瓶はなとさしたる−くさのひとかめ角　(xxx)
00017	饅頭をうれしき袖に包みけるまんちうを−うれしきそてに−つつみける角　(xxx)
00018	うき世につけて死ぬ人は損うきよにつけて−しぬひとはそん人　(xxx)
00019	西王母東方朔も目には見ずせいわうほ−とうはうさくも−めにはみす人　(xxx)
00020	よしや鸚鵡の舌のみじかきよしやあうむの−したのみしかき角　(xxx)
00021	あぢきなや戸にはさまるる衣の妻あちきなや−とにはさまるる−きぬのつま角　(xxx)
00022	恋の親とも逢ふ夜たのまんこひのおやとも−あふよたのまん人　(xxx)
00023	ややおもひ寐もしねられずうち臥てややおもひ−ねもしねられす−うちふして人　(xxx)
00024	米つく音は師走なりけりこめつくおとは−しはすなりけり角　(xxx)
00025	夕鴉宿の長さに腹のたつゆふからす−やとのなかさに−はらのたつ角　(xxx)
00026	いくつの笠を荷ふ強力いくつのかさを−になふかうりき人　(xxx)
00027	穴いちに塵うちはらひ草枕あないちに−ちりうちはらひ−くさまくら人　(xxx)
00028	ひひなかざりて伊勢の八朔ひひなかさりて−いせのはつさく角　(xxx)
00029	満月に不断桜を詠めばやまんけつに−ふたんさくらを−なかめはや角　(xxx)
00030	念者法師は秋のあきかぜねんしやほふしは−あきのあきかせ人　(xxx)
00031	夕まぐれまたうらめしき帋子夜着ゆふまくれ−またうらめしき−かみこよき人　(xxx)
00032	弓すすびたる突あげのまどゆみすすひたる−つきあけのまと角　(xxx)
00033	道ばたに乞食の鎮守垣ゆひてみちはたに−こしきのちんしゆ−かきゆひて角　(xxx)
00034	ものききわかぬ馬士の鬮とりものききわかぬ−まこのくしとり人　(xxx)
00035	花の香にあさつき膾みどり也はなのかに−あさつきなます−みとりなり人　(xxx)
00036	むしろ敷べき喚続の春むしろしくへき−よひつきのはる人　(xxx)

阿羅野員外　歌仙［われもらし：野水］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	1我もらじ新酒は人の醒やすきわれもらし−しんしゆはひとの−さめやすき嵐雪　(xxx)
00002	2秋うそ寒しいつも湯嫌あきうそさむし−いつもゆきらひ越人　(xxx)
00003	3月の宿書を引ちらす中にねてつきのやと−しよをひきちらす−なかにねて越人　(xxx)
00004	4外面薬の草わけに行そともくすりの−くさわけにゆく雪　(xxx)
00005	5はねあひて牧にまじらぬ里の馬はねあひて−まきにましらぬ−さとのうま雪　(xxx)
00006	6川越くれば城下のみちかはこえくれは−しろしたのみち人　(xxx)
00007	7疱瘡皃の透とほるほど歯のしろきいもかほの−すきとほるほと−はのしろき人　(xxx)
00008	8唱哥はしらず声ほそりやるしやうかはしらす−こゑほそりやる雪　(xxx)
00009	9なみだみるはなればなれのうき雲になみたみる−はなれはなれの−うきくもに雪　(xxx)
00010	0後ぞひよべといふがわりなきのちそひよへと−いふかわりなき越　(xxx)
00011	1今朝よりも油あげする玉だすきけさよりも−あふらあけする−たまたすき人　(xxx)
00012	2行燈はりてかへる浪人あんとんはりて−かへるらうにん嵐　(xxx)
00013	3着物を碪にうてと一つ脱きるものを−きぬたにうてと−ひとつぬき雪　(xxx)
00014	4明日は髪そる宵の月影あすはかみそる−よひのつきかけ越　(xxx)
00015	5しら露の群て泣ゐる女客しらつゆの−むれてなきゐる−をんなきやく人　(xxx)
00016	6つれなの医者の後姿やつれなのいしやの−うしろすかたや雪　(xxx)
00017	7ちる花に日はくるれども長咄ちるはなに−ひはくるれとも−なかはなし越　(xxx)
00018	8よぶこ鳥とは何をいふらんよふことりとは−なにをいふらん人　(xxx)
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阿羅野員外　歌仙［はつゆきや：野水］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	初雪やことしのびたる桐の木にはつゆきや−ことしのひたる−きりのきに野水　(xxx)
00002	日のみじかきと冬の朝起ひのみしかきと−ふゆのあさおき落梧　(xxx)
00003	山川や鵜の喰ものをさがすらんやまかはや−うのくひものを−さかすらん落梧　(xxx)
00004	賎を遠から見るべかりけりしつををちから−みるへかりけり野水　(xxx)
00005	おもふさま押合月に草臥つおもふさま−おしあふつきに−くたひれつ野水　(xxx)
00006	あらことごとし長櫃の萩あらことことし−なかひつのはき落梧　(xxx)
00007	川越の歩にさされ行龝の雨かはこしの−ふにさされゆく−あきのあめ水　(xxx)
00008	ねぶと痛がる顔のきたなきねふといたかる−かほのきたなき梧　(xxx)
00009	わがせこをわりなくかくす縁の下わかせこを−わりなくかくす−えんのした水　(xxx)
00010	すががぎ習ふ比のうきこひすかかきならふ−ころのうきこひ梧　(xxx)
00011	更る夜の湯はむつかしと水飲てふくるよの−ゆはむつかしと−みつのみて水　(xxx)
00012	こそぐり起す相住の僧こそくりおこす−あひすみのそう梧　(xxx)
00013	峯の松あぢなあたりを見出たりみねのまつ−あちなあたりを−みいてたり水　(xxx)
00014	旅するうちの心寄麗さたひするうちの−こころきれいさ梧　(xxx)
00015	烹た玉子なまのたまごも一文ににたたまこ−なまのたまこも−いちもんに水　(xxx)
00016	下戸は皆いく月のおぼろげけこはみないく−つきのおほろけ梧　(xxx)
00017	耳や歯やようても花の数ならずみみやはや−ようてもはなの−かすならす水　(xxx)
00018	具足めさせにけふの初午くそくめさせに−けふのはつうま梧　(xxx)
00019	いつやらも鴬聞ぬ此おくにいつやらも−うくひすきかぬ−このおくに梧　(xxx)
00020	山伏住て人しかるなりやまふしすみて−ひとしかるなり水　(xxx)
00021	くわらくわらとくさびぬけたる米車くわらくわらと−くさひぬけたる−こめくるま梧　(xxx)
00022	挑灯過て跡闇きくれてうちんすきて−あとくらきくれ水　(xxx)
00023	何事を泣けむ髪を振おほひなにことを−なきけむかみを−ふりおほひ梧　(xxx)
00024	しかじか物もいはぬつれなきしかしかものも−いはぬつれなき水　(xxx)
00025	はづかしといやがる馬にかきのせてはつかしと−いやかるうまに−かきのせて梧　(xxx)
00026	かかる府中を飴ねぶり行かかるふちうを−あめねふりゆく水　(xxx)
00027	雨やみて雲のちぎるる面白やあめやみて−くものちきるる−おもしろや梧　(xxx)
00028	柳ちるかと例の莚道やなきちるかと−れいのえんたう水　(xxx)
00029	軒ながく月こそさはれ五十間のきなかく−つきこそさはれ−こしつけん水　(xxx)
00030	寂しき秋を女夫居りけりさひしきあきを−めをとをりけり梧　(xxx)
00031	占を上手にめさるうらやましうらなひを−しやうすにめさる−うらやまし水　(xxx)
00032	黍もてはやすいにしへの酒きひもてはやす−いにしへのさけ水　(xxx)
00033	朝ごとの干魚備るみづ垣にあさことの−ひうをそなふる−みつかきに梧　(xxx)
00034	誰より花を先へ見てとるたれよりはなを−さきへみてとる梧　(xxx)
00035	春雨のくらがり峠こえすましはるさめの−くらかりたうけ−こえすまし水　(xxx)
00036	ねぶりころべと雲雀鳴也ねふりころへと−ひはりなくなり梧　(xxx)

阿羅野員外　歌仙［ひとさとの：一弁］

句番号	句／作者／異同資料句番号
00001	一里の炭売はいつ冬籠りひとさとの−すみうりはいつ−ふゆこもり一井　(xxx)
00002	かけひの先の瓶氷る朝かけひのさきの−かめこほるあさ鼠弾　(xxx)
00003	さきくさや正木を引に誘ふらんさきくさや−まさきをひきに−さそふらん胡及　(xxx)
00004	肩ぎぬはづれ酒によふ人かたきぬはつれ−さけによふひと長虹　(xxx)
00005	夕月の入ぎは早き塘ぎはゆふつきの−いりきははやき−つつみきは鼠弾　(xxx)
00006	たはらに☆をつかみこむ秋たはらにふなを−つかみこむあき一井　(xxx)
00007	里深く踊教に二三日さとふかく−をとるをしへに−にさんにち長虹　(xxx)
00008	宮司が妻にほれられて憂みやしかつまに−ほれられてうき胡及　(xxx)
00009	問はれても涙に物の云にくきとはれても−なみたにものの−いひにくき一井　(xxx)
00010	葛篭とどきて切ほどく文つつらとときて−きりほとくふみ鼠弾　(xxx)
00011	うとうとと寐起ながらに湯をわかすうとうとと−ねおきなからに−ゆをわかす胡及　(xxx)
00012	寒ゆく夜半の越の雪鋤さえゆくよはの−こしのゆきすき長虹　(xxx)
00013	なに事かよばりあひてはうち笑ひなにことか−よはりあひては−うちわらひ鼠弾　(xxx)
00014	蛤とりはみな女中也はまくりとりは−みなちよちうなり一井　(xxx)
00015	浦風に脛吹まくる月凉しうらかせに−はきふきまくる−つきすすし長虹　(xxx)
00016	みるもかしこき紀伊の御魂屋みるもかしこき−きいのおたまや胡及　(xxx)
00017	若者のさし矢射てをる花の陰わかものの−さしやいてをる−はなのかけ一井　(xxx)
00018	蒜くらふ香に遠ざかりけりにらくらふかに−とほさかりけり鼠弾　(xxx)
00019	はるのくれありきありきも睡るらんはるのくれ−ありきありきも−ねふるらん胡及　(xxx)
00020	帋子の綿の裾に落つつかみこのわたの−すそにおちつつ長虹　(xxx)
00021	はなしする内もさいさい手を洗はなしする−うちもさいさい−てをあらひ鼠弾　(xxx)
00022	座敷ほどある蚊屋を釣けりさしきほとある−かやをつりけり一井　(xxx)
00023	木ばさみにあかるうなりし松の枝きはさみに−あかるうなりし−まつのえた長虹　(xxx)
00024	秤にかかる人人の興はかりにかかる−ひとひとのきやう胡及　(xxx)
00025	此年になりて灸の跡もなきこのとしに−なりてやいとの−あともなき一井　(xxx)
00026	まくらもせずについ寐入月まくらもせすに−ついねいるつき鼠弾　(xxx)
00027	暮過て障子の陰のうそ寒きくれすきてしやうしのかけのうそさむき胡及　(xxx)
00028	こきたるやうにしぼむ萩のはこきたるやうに−しほむはきのは長虹　(xxx)
00029	御有様入道の宮のはかなげにおんありさま−にふたうのみやの−はかなけに鼠弾　(xxx)
00030	衣引かぶる人の足音きぬひきかふる−ひとのあしおと一井　(xxx)
00031	毒なりと瓜一きれも喰ぬ也とくなりと−うりひときれも−くはぬなり長虹　(xxx)
00032	片風たちて過る白雨かたかせたちて−すくるゆふたち胡及　(xxx)
00033	板へぎて踏所なき庭の内いたへきて−ふみところなき−にはのうち一井　(xxx)
00034	はねのぬけたる黒き唐丸はねのぬけたる−くろきたうまる鼠弾　(xxx)
00035	ぬくぬくと日足のしれぬ花曇ぬくぬくと−ひあしのしれぬ−はなくもり長虹　(xxx)
00036	見わたすほどはみなつつじ也みわたすほとは−みなつつしなり胡及　(xxx)

阿羅野員外 １０巻

阿羅野員外 歌仙［むきをわすれ：素堂］

阿羅野員外 歌仙［とほあさや：亀洞］

阿羅野員外 歌仙［うつくしき：舟泉］

阿羅野員外 歌仙［ほとときす：荷兮］

阿羅野員外 歌仙［つきにえを：宗鑑］

阿羅野員外 歌仙［かりかねも：越人］

阿羅野員外 歌仙［おちつきに：其角］

阿羅野員外 歌仙［われもらし：野水］

阿羅野員外 歌仙［はつゆきや：野水］

阿羅野員外 歌仙［ひとさとの：一弁］

阿羅野員外　１０巻

阿羅野員外　歌仙［むきをわすれ：素堂］

阿羅野員外　歌仙［とほあさや：亀洞］

阿羅野員外　歌仙［うつくしき：舟泉］

阿羅野員外　歌仙［ほとときす：荷兮］

阿羅野員外　歌仙［つきにえを：宗鑑］

阿羅野員外　歌仙［かりかねも：越人］

阿羅野員外　歌仙［おちつきに：其角］

阿羅野員外　歌仙［われもらし：野水］

阿羅野員外　歌仙［はつゆきや：野水］

阿羅野員外　歌仙［ひとさとの：一弁］