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人物名 |
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本文 |
師は黄檗、独湛禅師の法嗣なり。観音菩薩を信ずること人に過。かゝれば即円通を称とせるにや。きはめて無我の道人なり。ある録の跋をこはれて自書す。草書の意にまかせたるものにて、よめぬ所所多ければ、人携来てとふに、やがてうち返し返し見て、吾も亦よみ得ず。吾が筆は、弟子の某が能よむ也、それによますべしといふ。ある時、京にして訪べき家も名も忘て、其あたりに行て、加賀の円通が行べき家はこゝにやこゝにや、と尋あるかれしもをかしかりしとぞ。 |