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作品集名 | 古今集 |
作品集名読み | こきんしゅう |
作成年月日 | (延喜五年四月十八日)((905年5月24日)) |
場所 | |
備考 | 現存伝本には、延喜七年や延喜十三年三月十三日の歌も収められている。官職表記は、延喜十三、十四年、或いは延喜十年から十七年までわたるとされ、たとえ延喜五年に成立したとしても、その後しばらくは加除訂正が行われたとみられる。 |
00001 |
元方 在原元方 (169)
としのうちに春はきにけりひととせをこそとやいはむことしとやいはむ
としのうちに−はるはきにけり−ひととせを−こそとやいはむ−ことしとやいはむ
異同資料句番号:00001
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00002 |
貫之 紀貫之 (035)
袖ひちてむすひし水のこほれるを春立つけふの風やとくらむ
そてひちて−むすひしみつの−こほれるを−はるたつけふの−かせやとくらむ
異同資料句番号:00002
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00003 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春霞たてるやいつこみよしののよしのの山に雪はふりつつ
はるかすみ−たてるやいつこ−みよしのの−よしののやまに−ゆきはふりつつ
異同資料句番号:00003
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00004 |
番号外作者 二条のきさき (999)
雪の内に春はきにけりうくひすのこほれる涙今やとくらむ
ゆきのうちに−はるはきにけり−うくひすの−こほれるなみた−いまやとくらむ
異同資料句番号:00004
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00005 |
読人不知 よみ人しらす (000)
梅かえにきゐるうくひすはるかけてなけともいまた雪はふりつつ
うめかえに−きゐるうくひす−はるかけて−なけともいまた−ゆきはふりつつ
異同資料句番号:00005
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00006 |
素性 素性法師 (021)
春たては花とや見らむ白雪のかかれる枝にうくひすそなく
はるたては−はなとやみらむ−しらゆきの−かかれるえたに−うくひすそなく
異同資料句番号:00006
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00007 |
読人不知 よみ人しらす(一説、さきのおほきおほいまうちきみ) (000)
心さしふかくそめてし折りけれはきえあへぬ雪の花と見ゆらむ
こころさし−ふかくそめてし−をりけれは−きえあへぬゆきの−はなとみゆらむ
異同資料句番号:00007
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00008 |
康秀 文屋やすひて (022)
春の日のひかりにあたる我なれとかしらの雪となるそわひしき
はるのひの−ひかりにあたる−われなれと−かしらのゆきと−なるそわひしき
異同資料句番号:00008
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00009 |
貫之 きのつらゆき (035)
霞たちこのめもはるの雪ふれは花なきさとも花そちりける
かすみたち−このめもはるの−ゆきふれは−はななきさとも−はなそちりける
異同資料句番号:00009
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00010 |
番号外作者 ふちはらのことなほ (999)
はるやとき花やおそきとききわかむ鶯たにもなかすもあるかな
はるやとき−はなやおそきと−ききわかむ−うくひすたにも−なかすもあるかな
異同資料句番号:00010
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00011 |
忠峯 みふのたたみね (030)
春きぬと人はいへともうくひすのなかぬかきりはあらしとそ思ふ
はるきぬと−ひとはいへとも−うくひすの−なかぬかきりは−あらしとそおもふ
異同資料句番号:00011
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00012 |
番号外作者 源まさすみ (999)
谷風にとくるこほりのひまことにうちいつる浪や春のはつ花
たにかせに−とくるこほりの−ひまことに−うちいつるなみや−はるのはつはな
異同資料句番号:00012
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00013 |
友則 紀とものり (033)
花のかを風のたよりにたくへてそ鶯さそふしるへにはやる
はなのかを−かせのたよりに−たくへてそ−うくひすさそふ−しるへにはやる
異同資料句番号:00013
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00014 |
千里 大江千里 (023)
うくひすの谷よりいつるこゑなくは春くることをたれかしらまし
うくひすの−たによりいつる−こゑなくは−はるくることを−たれかしらまし
異同資料句番号:00014
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00015 |
棟梁 在原棟梁 (180)
春たてと花もにほはぬ山さとはものうかるねに鶯そなく
はるたてと−はなもにほはぬ−やまさとは−ものうかるねに−うくひすそなく
異同資料句番号:00015
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00016 |
読人不知 よみ人しらす (000)
野辺ちかくいへゐしせれはうくひすのなくなるこゑはあさなあさなきく
のへちかく−いへゐしせれは−うくひすの−なくなるこゑは−あさなあさなきく
異同資料句番号:00016
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00017 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かすかのはけふはなやきそわか草のつまもこもれり我もこもれり
かすかのは−けふはなやきそ−わかくさの−つまもこもれり−われもこもれり
異同資料句番号:00017
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00018 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かすかののとふひののもりいてて見よ今いくかありてわかなつみてむ
かすかのの−とふひののもり−いててみよ−いまいくかありて−わかなつみてむ
異同資料句番号:00018
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00019 |
読人不知 よみ人しらす (000)
み山には松の雪たにきえなくに宮こはのへのわかなつみけり
みやまには−まつのゆきたに−きえなくに−みやこはのへの−わかなつみけり
異同資料句番号:00019
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00020 |
読人不知 よみ人しらす (000)
梓弓おしてはるさめけふふりぬあすさへふらはわかなつみてむ
あつさゆみ−おしてはるさめ−けふふりぬ−あすさへふらは−わかなつみてむ
異同資料句番号:00020
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00021 |
光孝院 仁和のみかと (015)
君かため春ののにいててわかなつむわか衣手に雪はふりつつ
きみかため−はるののにいてて−わかなつむ−わかころもてに−ゆきはふりつつ
異同資料句番号:00021
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00022 |
貫之 つらゆき (035)
かすかののわかなつみにや白妙の袖ふりはへて人のゆくらむ
かすかのの−わかなつみにや−しろたへの−そてふりはへて−ひとのゆくらむ
異同資料句番号:00022
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00023 |
行平 在原行平朝臣 (016)
はるのきるかすみの衣ぬきをうすみ山風にこそみたるへらなれ
はるのきる−かすみのころも−ぬきをうすみ−やまかせにこそ−みたるへらなれ
異同資料句番号:00023
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00024 |
宗于 源むねゆきの朝臣 (028)
ときはなる松のみとりも春くれは今ひとしほの色まさりけり
ときはなる−まつのみとりも−はるくれは−いまひとしほの−いろまさりけり
異同資料句番号:00024
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00025 |
貫之 つらゆき (035)
わかせこか衣はるさめふることにのへのみとりそいろまさりける
わかせこか−ころもはるさめ−ふることに−のへのみとりそ−いろまさりける
異同資料句番号:00025
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00026 |
貫之 つらゆき (035)
あをやきのいとよりかくる春しもそみたれて花のほころひにける
あをやきの−いとよりかくる−はるしもそ−みたれてはなの−ほころひにける
異同資料句番号:00026
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00027 |
遍昭 僧正遍昭 (012)
あさみとりいとよりかけてしらつゆをたまにもぬける春の柳か
あさみとり−いとよりかけて−しらつゆを−たまにもぬける−はるのやなきか
異同資料句番号:00027
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00028 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ももちとりさへつる春は物ことにあらたまれとも我そふり行く
ももちとり−さへつるはるは−ものことに−あらたまれとも−われそふりゆく
異同資料句番号:00028
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00029 |
読人不知 よみ人しらす (000)
をちこちのたつきもしらぬ山なかにおほつかなくもよふことりかな
をちこちの−たつきもしらぬ−やまなかに−おほつかなくも−よふことりかな
異同資料句番号:00029
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00030 |
躬恒 凡河内みつね (029)
春くれはかりかへるなり白雲のみちゆきふりにことやつてまし
はるくれは−かりかへるなり−しらくもの−みちゆきふりに−ことやつてまし
異同資料句番号:00030
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00031 |
伊勢 (019)
はるかすみたつを見すててゆくかりは花なきさとにすみやならへる
はるかすみ−たつをみすてて−ゆくかりは−はななきさとに−すみやならへる
異同資料句番号:00031
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00032 |
読人不知 よみ人しらす (000)
折りつれは袖こそにほへ梅花有りとやここにうくひすのなく
をりつれは−そてこそにほへ−うめのはな−ありとやここに−うくひすのなく
異同資料句番号:00032
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00033 |
読人不知 よみ人しらす (000)
色よりもかこそあはれとおもほゆれたか袖ふれしやとの梅そも
いろよりも−かこそあはれと−おもほゆれ−たかそてふれし−やとのうめそも
異同資料句番号:00033
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00034 |
読人不知 よみ人しらす (000)
やとちかく梅の花うゑしあちきなくまつ人のかにあやまたれけり
やとちかく−うめのはなうゑし−あちきなく−まつひとのかに−あやまたれけり
異同資料句番号:00034
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00035 |
読人不知 よみ人しらす (000)
梅花たちよるはかりありしより人のとかむるかにそしみぬる
うめのはな−たちよるはかり−ありしより−ひとのとかむる−かにそしみぬる
異同資料句番号:00035
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00036 |
番号外作者 東三条の左のおほいまうちきみ (999)
鶯の笠にぬふといふ梅花折りてかささむおいかくるやと
うくひすの−かさにぬふといふ−うめのはな−をりてかささむ−おいかくるやと
異同資料句番号:00036
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00037 |
素性 素性法師 (021)
よそにのみあはれとそ見し梅花あかぬいろかは折りてなりけり
よそにのみ−あはれとそみし−うめのはな−あかぬいろかは−をりてなりけり
異同資料句番号:00037
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00038 |
友則 とものり (033)
君ならて誰にか見せむ梅花色をもかをもしる人そしる
きみならて−たれにかみせむ−うめのはな−いろをもかをも−しるひとそしる
異同資料句番号:00038
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00039 |
貫之 つらゆき (035)
梅花にほふ春へはくらふ山やみにこゆれとしるくそ有りける
うめのはな−にほふはるへは−くらふやま−やみにこゆれと−しるくそありける
異同資料句番号:00039
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00040 |
躬恒 みつね (029)
月夜にはそれとも見えす梅花かをたつねてそしるへかりける
つきよには−それともみえす−うめのはな−かをたつねてそ−しるへかりける
異同資料句番号:00040
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00041 |
躬恒 みつね (029)
春の夜のやみはあやなし梅花色こそ見えねかやはかくるる
はるのよの−やみはあやなし−うめのはな−いろこそみえね−かやはかくるる
異同資料句番号:00041
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00042 |
貫之 つらゆき (035)
人はいさ心もしらすふるさとは花そ昔のかににほひける
ひとはいさ−こころもしらす−ふるさとは−はなそむかしの−かににほひける
異同資料句番号:00042
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00043 |
伊勢 (019)
春ことになかるる河を花と見てをられぬ水に袖やぬれなむ
はることに−なかるるかはを−はなとみて−をられぬみつに−そてやぬれなむ
異同資料句番号:00043
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00044 |
伊勢 (019)
年をへて花のかかみとなる水はちりかかるをやくもるといふらむ
としをへて−はなのかかみと−なるみつは−ちりかかるをや−くもるといふらむ
異同資料句番号:00044
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00045 |
貫之 つらゆき (035)
くるとあくとめかれぬものを梅花いつの人まにうつろひぬらむ
くるとあくと−めかれぬものを−うめのはな−いつのひとまに−うつろひぬらむ
異同資料句番号:00045
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00046 |
読人不知 よみ人しらす (000)
梅かかをそてにうつしてととめては春はすくともかたみならまし
うめかかを−そてにうつして−ととめては−はるはすくとも−かたみならまし
異同資料句番号:00046
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00047 |
素性 素性法師 (021)
ちると見てあるへきものを梅花うたてにほひのそてにとまれる
ちるとみて−あるへきものを−うめのはな−うたてにほひの−そてにとまれる
異同資料句番号:00047
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00048 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ちりぬともかをたにのこせ梅花こひしき時のおもひいてにせむ
ちりぬとも−かをたにのこせ−うめのはな−こひしきときの−おもひいてにせむ
異同資料句番号:00048
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00049 |
貫之 つらゆき (035)
ことしより春しりそむるさくら花ちるといふ事はならはさらなむ
ことしより−はるしりそむる−さくらはな−ちるといふことは−ならはさらなむ
異同資料句番号:00049
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00050 |
読人不知 よみ人しらす (000)
山たかみ人もすさめぬさくら花いたくなわひそ我見はやさむ
やまたかみ−ひともすさへぬ−さくらはな−いたくなわひそ−われみはやさむ
異同資料句番号:00050
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00051 |
読人不知 よみ人しらす (000)
やまさくらわか見にくれは春霞峰にもをにもたちかくしつつ
やまさくら−わかみにくれは−はるかすみ−みねにもをにも−たちかくしつつ
異同資料句番号:00051
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00052 |
番号外作者 さきのおほきおほいまうちきみ (999)
年ふれはよはひはおいぬしかはあれと花をし見れはもの思ひもなし
としふれは−よはひはおいぬ−しかはあれと−はなをしみれは−ものおもひもなし
異同資料句番号:00052
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00053 |
業平 在原業平朝臣 (017)
世中にたえてさくらのなかりせは春の心はのとけからまし
よのなかに−たえてさくらの−なかりせは−はるのこころは−のとけからまし
異同資料句番号:00053
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00054 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いしはしるたきなくもかな桜花たをりてもこむ見ぬ人のため
いしはしる−たきなくもかな−さくらはな−たをりてもこむ−みぬひとのため
異同資料句番号:00054
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00055 |
素性 そせい法し (021)
見てのみや人にかたらむさくら花てことにをりていへつとにせむ
みてのみや−ひとにかたらむ−さくらはな−てことにをりて−いへつとにせむ
異同資料句番号:00055
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00056 |
素性 そせい法し (021)
みわたせは柳桜をこきませて宮こそ春の錦なりける
みわたせは−やなきさくらを−こきませて−みやこそはるの−にしきなりける
異同資料句番号:00056
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00057 |
友則 きのとものり (033)
いろもかもおなしむかしにさくらめと年ふる人そあらたまりける
いろもかも−おなしむかしに−さくらめと−としふるひとそ−あらたまりける
異同資料句番号:00057
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00058 |
貫之 つらゆき (035)
たれしかもとめてをりつる春霞たちかくすらむ山のさくらを
たれしかも−とめてをりつる−はるかすみ−たちかくすらむ−やまのさくらを
異同資料句番号:00058
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00059 |
貫之 つらゆき (035)
桜花さきにけらしなあしひきの山のかひより見ゆる白雲
さくらはな−さきにけらしな−あしひきの−やまのかひより−みゆるしらくも
異同資料句番号:00059
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00060 |
友則 とものり (033)
三吉野の山へにさけるさくら花雪かとのみそあやまたれける
みよしのの−やまへにさける−さくらはな−ゆきかとのみそ−あやまたれける
異同資料句番号:00060
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00061 |
伊勢 (019)
さくら花春くははれる年たにも人の心にあかれやはせぬ
さくらはな−はるくははれる−としたにも−ひとのこころに−あかれやはせぬ
異同資料句番号:00061
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00062 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あたなりとなにこそたてれ桜花年にまれなる人もまちけり
あたなりと−なにこそたてれ−さくらはな−としにまれなる−ひともまちけり
異同資料句番号:00062
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00063 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
けふこすはあすは雪とそふりなましきえすはありとも花と見ましや
けふこすは−あすはゆきとそ−ふりなまし−きえすはありとも−はなとみましや
異同資料句番号:00063
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00064 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ちりぬれはこふれとしるしなきものをけふこそさくらをらはをりてめ
ちりぬれは−こふれとしるし−なきものを−けふこそさくら−をらはをりてめ
異同資料句番号:00064
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00065 |
読人不知 よみ人しらす (000)
をりとらはをしけにもあるか桜花いさやとかりてちるまては見む
をりとらは−をしけにもあるか−さくらはな−いさやとかりて−ちるまてはみむ
異同資料句番号:00065
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00066 |
番号外作者 きのありとも (999)
さくらいろに衣はふかくそめてきむ花のちりなむのちのかたみに
さくらいろに−ころもはふかく−そめてきむ−はなのちりなむ−のちのかたみに
異同資料句番号:00066
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00067 |
躬恒 みつね (029)
わかやとの花見かてらにくる人はちりなむのちそこひしかるへき
わかやとの−はなみかてらに−くるひとは−ちりなむのちそ−こひしかるへき
異同資料句番号:00067
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00068 |
伊勢 (019)
見る人もなき山さとのさくら花ほかのちりなむのちそさかまし
みるひとも−なきやまさとの−さくらはな−ほかのちりなむ−のちそさかまし
異同資料句番号:00068
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00069 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春霞たなひく山のさくら花うつろはむとや色かはりゆく
はるかすみ−たなひくやまの−さくらはな−うつろはむとや−いろかはりゆく
異同資料句番号:00069
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00070 |
読人不知 よみ人しらす (000)
まてといふにちらてしとまる物ならはなにを桜に思ひまさまし
まてといふに−ちらてしとまる−ものならは−なにをさくらに−おもひまさまし
異同資料句番号:00070
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00071 |
読人不知 よみ人しらす (000)
のこりなくちるそめてたき桜花ありて世中はてのうけれは
のこりなく−ちるそめてたき−さくらはな−ありてよのなか−はてのうけれは
異同資料句番号:00071
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00072 |
読人不知 よみ人しらす (000)
このさとにたひねしぬへしさくら花ちりのまかひにいへちわすれて
このさとに−たひねしぬへし−さくらはな−ちりのまかひに−いへちわすれて
異同資料句番号:00072
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00073 |
読人不知 よみ人しらす (000)
空蝉の世にもにたるか花さくらさくと見しまにかつちりにけり
うつせみの−よにもにたるか−はなさくら−さくとみしまに−かつちりにけり
異同資料句番号:00073
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00074 |
番号外作者 これたかのみこ (999)
さくら花ちらはちらなむちらすとてふるさと人のきても見なくに
さくらはな−ちらはちらなむ−ちらすとて−ふるさとひとの−きてもみなくに
異同資料句番号:00074
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00075 |
番号外作者 そうく法師 (999)
桜ちる花の所は春なから雪そふりつつきえかてにする
さくらちる−はなのところは−はるなから−ゆきそふりつつ−きえかてにする
異同資料句番号:00075
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00076 |
素性 そせい法し (021)
花ちらす風のやとりはたれかしる我にをしへよ行きてうらみむ
はなちらす−かせのやとりは−たれかしる−われにをしへよ−ゆきてうらみむ
異同資料句番号:00076
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00077 |
番号外作者 そうく法し (999)
いささくら我もちりなむひとさかりありなは人にうきめ見えなむ
いささくら−われもちりなむ−ひとさかり−ありなはひとに−うきめみえなむ
異同資料句番号:00077
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00078 |
貫之 つらゆき (035)
ひとめ見し君もやくると桜花けふはまち見てちらはちらなむ
ひとめみし−きみもやくると−さくらはな−けふはまちみて−ちらはちらなむ
異同資料句番号:00078
|
00079 |
貫之 つらゆき (035)
春霞なにかくすらむ桜花ちるまをたにも見るへきものを
はるかすみ−なにかくすらむ−さくらはな−ちるまをたにも−みるへきものを
異同資料句番号:00079
|
00080 |
番号外作者 藤原よるかの朝臣 (999)
たれこめて春のゆくへもしらぬまにまちし桜もうつろひにけり
たれこめて−はるのゆくへも−しらぬまに−まちしさくらも−うつろひにけり
異同資料句番号:00080
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00081 |
番号外作者 すかのの高世 (999)
枝よりもあたにちりにし花なれはおちても水のあわとこそなれ
えたよりも−あたにちりにし−はななれは−おちてもみつの−あわとこそなれ
異同資料句番号:00081
|
00082 |
貫之 つらゆき (035)
ことならはさかすやはあらぬさくら花見る我さへにしつ心なし
ことならは−さかすやはあらぬ−さくらはな−みるわれさへに−しつこころなし
異同資料句番号:00082
|
00083 |
貫之 つらゆき (035)
さくら花とくちりぬともおもほえす人の心そ風も吹きあへぬ
さくらはな−とくちりぬとも−おもほえす−ひとのこころそ−かせもふきあへぬ
異同資料句番号:00083
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00084 |
友則 きのとものり (033)
久方のひかりのとけき春の日にしつ心なく花のちるらむ
ひさかたの−ひかりのとけき−はるのひに−しつこころなく−はなのちるらむ
異同資料句番号:00084
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00085 |
番号外作者 ふちはらのよしかせ (999)
春風は花のあたりをよきてふけ心つからやうつろふと見む
はるかせは−はなのあたりを−よきてふけ−こころつからや−うつろふとみむ
異同資料句番号:00085
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00086 |
躬恒 凡河内みつね (029)
雪とのみふるたにあるをさくら花いかにちれとか風の吹くらむ
ゆきとのみ−ふるたにあるを−さくらはな−いかにちれとか−かせのふくらむ
異同資料句番号:00086
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00087 |
貫之 つらゆき (035)
山たかみみつつわかこしさくら花風は心にまかすへらなり
やまたかみ−みつつわかこし−さくらはな−かせはこころに−まかすへらなり
異同資料句番号:00087
|
00088 |
黒主 つらゆき(一本大伴くろぬし) (501)
春雨のふるは涙かさくら花ちるををしまぬ人しなけれは
はるさめの−ふるはなみたか−さくらはな−ちるををしまぬ−ひとしなけれは
異同資料句番号:00088
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00089 |
貫之 つらゆき (035)
さくら花ちりぬる風のなこりには水なきそらに浪そたちける
さくらはな−ちりぬるかせの−なこりには−みつなきそらに−なみそたちける
異同資料句番号:00089
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00090 |
番号外作者 ならのみかと (999)
ふるさととなりにしならのみやこにも色はかはらす花はさきけり
ふるさとと−なりにしならの−みやこにも−いろはかはらす−はなはさきけり
異同資料句番号:00090
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00091 |
遍昭 よしみねのむねさた (012)
花の色はかすみにこめて見せすともかをたにぬすめ春の山かせ
はなのいろは−かすみにこめて−みせすとも−かをたにぬすめ−はるのやまかせ
異同資料句番号:00091
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00092 |
素性 そせい法し (021)
はなの木も今はほりうゑし春たてはうつろふ色に人ならひけり
はなのきも−いまはほりうゑし−はるたては−うつろふいろに−ひとならひけり
異同資料句番号:00092
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00093 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春の色のいたりいたらぬさとはあらしさけるさかさる花の見ゆらむ
はるのいろの−いたりいたらぬ−さとはあらし−さけるさかさる−はなのみゆらむ
異同資料句番号:00093
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00094 |
貫之 つらゆき (035)
三わ山をしかもかくすか春霞人にしられぬ花やさくらむ
みわやまを−しかもかくすか−はるかすみ−ひとにしられぬ−はなやさくらむ
異同資料句番号:00094
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00095 |
素性 そせい (021)
いさけふは春の山辺にましりなむくれなはなけの花のかけかは
いさけふは−はるのやまへに−ましりなむ−くれなはなけの−はなのかけかは
異同資料句番号:00095
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00096 |
素性 そせい (021)
いつまてか野辺に心のあくかれむ花しちらすは千世もへぬへし
いつまてか−のへにこころの−あくかれむ−はなしちらすは−ちよもへぬへし
異同資料句番号:00096
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00097 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春ことに花のさかりはありなめとあひ見む事はいのちなりけり
はることに−はなのさかりは−ありなめと−あひみむことは−いのちなりけり
異同資料句番号:00097
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00098 |
読人不知 よみ人しらす (000)
花のこと世のつねならはすくしてし昔は又もかへりきなまし
はなのこと−よのつねならは−すくしてし−むかしはまたも−かへりきなまし
異同資料句番号:00098
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00099 |
読人不知 よみ人しらす (000)
吹く風にあつらへつくる物ならはこのひともとはよきよといはまし
ふくかせに−あつらへつくる−ものならは−このひともとは−よきよといはまし
異同資料句番号:00099
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00100 |
読人不知 よみ人しらす (000)
まつ人もこぬものゆゑにうくひすのなきつる花ををりてけるかな
まつひとも−こぬものゆゑに−うくひすの−なきつるはなを−をりてけるかな
異同資料句番号:00100
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00101 |
興風 藤原おきかせ (034)
さく花は千くさなからにあたなれとたれかははるをうらみはてたる
さくはなは−ちくさなからに−あたなれと−たれかははるを−うらみはてたる
異同資料句番号:00101
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00102 |
興風 藤原おきかせ (034)
春霞色のちくさに見えつるはたなひく山の花のかけかも
はるかすみ−いろのちくさに−みえつるは−たなひくやまの−はなのかけかも
異同資料句番号:00102
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00103 |
元方 ありはらのもとかた (169)
霞立つ春の山へはとほけれと吹きくる風は花のかそする
かすみたつ−はるのやまへは−とほけれと−ふきくるかせは−はなのかそする
異同資料句番号:00103
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00104 |
躬恒 みつね (029)
花見れは心さへにそうつりけるいろにはいてし人もこそしれ
はなみれは−こころさへにそ−うつりける−いろにはいてし−ひともこそしれ
異同資料句番号:00104
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00105 |
読人不知 よみ人しらす (000)
鶯のなくのへことにきて見れはうつろふ花に風そふきける
うくひすの−なくのへことに−きてみれは−うつろふはなに−かせそふきける
異同資料句番号:00105
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00106 |
読人不知 よみ人しらす (000)
吹く風をなきてうらみよ鶯は我やは花に手たにふれたる
ふくかせを−なきてうらみよ−うくひすは−われやははなに−てたにふれたる
異同資料句番号:00106
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00107 |
番号外作者 典侍洽子朝臣 (999)
ちる花のなくにしとまる物ならは我鶯におとらましやは
ちるはなの−なくにしとまる−ものならは−われうくひすに−おとらましやは
異同資料句番号:00107
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00108 |
番号外作者 藤原のちかけ (999)
花のちることやわひしき春霞たつたの山のうくひすのこゑ
はなのちる−ことやわひしき−はるかすみ−たつたのやまの−うくひすのこゑ
異同資料句番号:00108
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00109 |
素性 そせい (021)
こつたへはおのかはかせにちる花をたれにおほせてここらなくらむ
こつたへは−おのかはかせに−ちるはなを−たれにおほせて−ここらなくらむ
異同資料句番号:00109
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00110 |
躬恒 みつね (029)
しるしなきねをもなくかなうくひすのことしのみちる花ならなくに
しるしなき−ねをもなくかな−うくひすの−ことしのみちる−はなならなくに
異同資料句番号:00110
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00111 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こまなめていさ見にゆかむふるさとは雪とのみこそ花はちるらめ
こまなへて−いさみにゆかむ−ふるさとは−ゆきとのみこそ−はなはちるらめ
異同資料句番号:00111
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00112 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ちる花をなにかうらみむ世中にわか身もともにあらむものかは
ちるはなを−なにかうらみむ−よのなかに−わかみもともに−あらむものかは
異同資料句番号:00112
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00113 |
小町 小野小町 (009)
花の色はうつりにけりないたつらにわか身世にふるなかめせしまに
はなのいろは−うつりにけりな−いたつらに−わかみよにふる−なかめせしまに
異同資料句番号:00113
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00114 |
素性 そせい (021)
をしと思ふ心はいとによられなむちる花ことにぬきてととめむ
をしとおもふ−こころはいとに−よられなむ−ちるはなことに−ぬきてととめむ
異同資料句番号:00114
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00115 |
貫之 つらゆき (035)
あつさゆみはるの山辺をこえくれは道もさりあへす花そちりける
あつさゆみ−はるのやまへを−こえくれは−みちもさりあへす−はなそちりける
異同資料句番号:00115
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00116 |
貫之 つらゆき (035)
春ののにわかなつまむとこしものをちりかふ花にみちはまとひぬ
はるののに−わかなつまむと−こしものを−ちりかふはなに−みちはまとひぬ
異同資料句番号:00116
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00117 |
貫之 つらゆき (035)
やとりして春の山辺にねたる夜は夢の内にも花そちりける
やとりして−はるのやまへに−ねたるよは−ゆめのうちにも−はなそちりける
異同資料句番号:00117
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00118 |
貫之 つらゆき (035)
吹く風と谷の水としなかりせはみ山かくれの花を見ましや
ふくかせと−たにのみつとし−なかりせは−みやまかくれの−はなをみましや
異同資料句番号:00118
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00119 |
遍昭 僧正遍昭 (012)
よそに見てかへらむ人にふちの花はひまつはれよえたはをるとも
よそにみて−かへらむひとに−ふちのはな−はひまつはれよ−えたはをるとも
異同資料句番号:00119
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00120 |
躬恒 みつね (029)
わかやとにさける藤波たちかへりすきかてにのみ人の見るらむ
わかやとに−さけるふちなみ−たちかへり−すきかてにのみ−ひとのみるらむ
異同資料句番号:00120
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00121 |
読人不知 よみ人しらす (000)
今もかもさきにほふらむ橘のこしまのさきの山吹の花
いまもかも−さきにほふらむ−たちはなの−こしまのさきの−やまふきのはな
異同資料句番号:00121
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00122 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春雨ににほへる色もあかなくにかさへなつかし山吹の花
はるさめに−にほへるいろも−あかなくに−かさへなつかし−やまふきのはな
異同資料句番号:00122
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00123 |
読人不知 よみ人しらす (000)
山ふきはあやななさきそ花見むとうゑけむ君かこよひこなくに
やまふきは−あやななさきそ−はなみむと−うゑけむきみか−こよひこなくに
異同資料句番号:00123
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00124 |
貫之 つらゆき (035)
吉野河岸の山吹ふくかせにそこの影さへうつろひにけり
よしのかは−きしのやまふき−ふくかせに−そこのかけさへ−うつろひにけり
異同資料句番号:00124
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00125 |
読人不知 よみ人しらす(一説、たちはなのきよとも) (000)
かはつなくゐての山吹ちりにけり花のさかりにあはましものを
かはつなく−ゐてのやまふき−ちりにけり−はなのさかりに−あはましものを
異同資料句番号:00125
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00126 |
素性 そせい (021)
おもふとち春の山辺にうちむれてそこともいはぬたひねしてしか
おもふとち−はるのやまへに−うちむれて−そこともいはぬ−たひねしてしか
異同資料句番号:00126
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00127 |
躬恒 みつね (029)
あつさゆみ春たちしより年月のいるかことくもおもほゆるかな
あつさゆみ−はるたちしより−としつきの−いるかことくも−おもほゆるかな
異同資料句番号:00127
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00128 |
貫之 つらゆき (035)
なきとむる花しなけれはうくひすもはては物うくなりぬへらなり
なきとむる−はなしなけれは−うくひすも−はてはものうく−なりぬへらなり
異同資料句番号:00128
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00129 |
深養父 ふかやふ (036)
花ちれる水のまにまにとめくれは山には春もなくなりにけり
はなちれる−みつのまにまに−とめくれは−やまにははるも−なくなりにけり
異同資料句番号:00129
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00130 |
元方 もとかた (169)
をしめともととまらなくに春霞かへる道にしたちぬとおもへは
をしめとも−ととまらなくに−はるかすみ−かへるみちにし−たちぬとおもへは
異同資料句番号:00130
|
00131 |
興風 おきかせ (034)
こゑたえすなけやうくひすひととせにふたたひとたにくへき春かは
こゑたえす−なけやうくひす−ひととせに−ふたたひとたに−くへきはるかは
異同資料句番号:00131
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00132 |
躬恒 みつね (029)
ととむへき物とはなしにはかなくもちる花ことにたくふこころか
ととむへき−ものとはなしに−はかなくも−ちるはなことに−たくふこころか
異同資料句番号:00132
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00133 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
ぬれつつそしひてをりつる年の内に春はいくかもあらしと思へは
ぬれつつそ−しひてをりつる−としのうちに−はるはいくかも−あらしとおもへは
異同資料句番号:00133
|
00134 |
躬恒 みつね (029)
けふのみと春をおもはぬ時たにも立つことやすき花のかけかは
けふのみと−はるをおもはぬ−ときたにも−たつことやすき−はなのかけかは
異同資料句番号:00134
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00135 |
読人不知 よみ人しらす(一説、かきのもとの人まろ) (000)
わかやとの池の藤波さきにけり山郭公いつかきなかむ
わかやとの−いけのふちなみ−さきにけり−やまほとときす−いつかきなかむ
異同資料句番号:00135
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00136 |
番号外作者 紀としさた (999)
あはれてふ事をあまたにやらしとや春におくれてひとりさくらむ
あはれてふ−ことをあまたに−やらしとや−はるにおくれて−ひとりさくらむ
異同資料句番号:00136
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00137 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さ月まつ山郭公うちはふき今もなかなむこそのふるこゑ
さつきまつ−やまほとときす−うちはふき−いまもなかなむ−こそのふるこゑ
異同資料句番号:00137
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00138 |
伊勢 (019)
五月こはなきもふりなむ郭公またしきほとのこゑをきかはや
さつきこは−なきもふりなむ−ほとときす−またしきほとの−こゑをきかはや
異同資料句番号:00138
|
00139 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さつきまつ花橘のかをかけは昔の人の袖のかそする
さつきまつ−はなたちはなの−かをかけは−むかしのひとの−そてのかそする
異同資料句番号:00139
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00140 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつのまにさ月きぬらむあしひきの山郭公今そなくなる
いつのまに−さつききぬらむ−あしひきの−やまほとときす−いまそなくなる
異同資料句番号:00140
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00141 |
読人不知 よみ人しらす (000)
けさきなきいまたたひなる郭公花たちはなにやとはからなむ
けさきなき−いまたたひなる−ほとときす−はなたちはなに−やとはからなむ
異同資料句番号:00141
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00142 |
友則 きのとものり (033)
おとは山けさこえくれは郭公こすゑはるかに今そなくなる
おとはやま−けさこえくれは−ほとときす−こすゑはるかに−いまそなくなる
異同資料句番号:00142
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00143 |
素性 そせい (021)
郭公はつこゑきけはあちきなくぬしさたまらぬこひせらるはた
ほとときす−はつこゑきけは−あちきなく−ぬしさたまらぬ−こひせらるはた
異同資料句番号:00143
|
00144 |
素性 そせい (021)
いそのかみふるき宮この郭公声はかりこそむかしなりけれ
いそのかみ−ふるきみやこの−ほとときす−こゑはかりこそ−むかしなりけれ
異同資料句番号:00144
|
00145 |
読人不知 よみ人しらす (000)
夏山になく郭公心あらは物思ふ我に声なきかせそ
なつやまに−なくほとときす−こころあらは−ものおもふわれに−こゑなきかせそ
異同資料句番号:00145
|
00146 |
読人不知 よみ人しらす (000)
郭公なくこゑきけはわかれにしふるさとさへそこひしかりける
ほとときす−なくこゑきけは−わかれにし−ふるさとさへそ−こひしかりける
異同資料句番号:00146
|
00147 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ほとときすなかなくさとのあまたあれは猶うとまれぬ思ふものから
ほとときす−なかなくさとの−あまたあれは−なほうとまれぬ−おもふものから
異同資料句番号:00147
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00148 |
読人不知 よみ人しらす (000)
思ひいつるときはの山の郭公唐紅のふりいててそなく
おもひいつる−ときはのやまの−ほとときす−からくれなゐの−ふりいててそなく
異同資料句番号:00148
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00149 |
読人不知 よみ人しらす (000)
声はして涙は見えぬ郭公わか衣手のひつをからなむ
こゑはして−なみたはみえぬ−ほとときす−わかころもての−ひつをからなむ
異同資料句番号:00149
|
00150 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あしひきの山郭公をりはへてたれかまさるとねをのみそなく
あしひきの−やまほとときす−をりはへて−たれかまさると−ねをのみそなく
異同資料句番号:00150
|
00151 |
読人不知 よみ人しらす (000)
今さらに山へかへるな郭公こゑのかきりはわかやとになけ
いまさらに−やまへかへるな−ほとときす−こゑのかきりは−わかやとになけ
異同資料句番号:00151
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00152 |
番号外作者 みくにのまち (999)
やよやまて山郭公事つてむ我世中にすみわひぬとよ
やよやまて−やまほとときす−ことつてむ−われよのなかに−すみわひぬとよ
異同資料句番号:00152
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00153 |
友則 紀とものり (033)
五月雨に物思ひをれは郭公夜ふかくなきていつちゆくらむ
さみたれに−ものおもひをれは−ほとときす−よふかくなきて−いつちゆくらむ
異同資料句番号:00153
|
00154 |
友則 紀とものり (033)
夜やくらき道やまとへるほとときすわかやとをしもすきかてになく
よやくらき−みちやまとへる−ほとときす−わかやとをしも−すきかてになく
異同資料句番号:00154
|
00155 |
千里 大江千里 (023)
やとりせし花橘もかれなくになとほとときすこゑたえぬらむ
やとりせし−はなたちはなも−かれなくに−なとほとときす−こゑたえぬらむ
異同資料句番号:00155
|
00156 |
貫之 きのつらゆき (035)
夏の夜のふすかとすれは郭公なくひとこゑにあくるしののめ
なつのよの−ふすかとすれは−ほとときす−なくひとこゑに−あくるしののめ
異同資料句番号:00156
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00157 |
忠峯 みふのたたみね (030)
くるるかと見れはあけぬるなつのよをあかすとやなく山郭公
くるるかと−みれはあけぬる−なつのよを−あかすとやなく−やまほとときす
異同資料句番号:00157
|
00158 |
番号外作者 紀秋岑 (999)
夏山にこひしき人やいりにけむ声ふりたててなく郭公
なつやまに−こひしきひとや−いりにけむ−こゑふりたてて−なくほとときす
異同資料句番号:00158
|
00159 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こその夏なきふるしてし郭公それかあらぬかこゑのかはらぬ
こそのなつ−なきふるしてし−ほとときす−それかあらぬか−こゑのかはらぬ
異同資料句番号:00159
|
00160 |
貫之 つらゆき (035)
五月雨のそらもととろに郭公なにをうしとかよたたなくらむ
さみたれの−そらもととろに−ほとときす−なにをうしとか−よたたなくらむ
異同資料句番号:00160
|
00161 |
躬恒 みつね (029)
ほとときすこゑもきこえす山ひこはほかになくねをこたへやはせぬ
ほとときす−こゑもきこえす−やまひこは−ほかになくねを−こたへやはせぬ
異同資料句番号:00161
|
00162 |
貫之 つらゆき (035)
郭公人まつ山になくなれは我うちつけにこひまさりけり
ほとときす−ひとまつやまに−なくなれは−われうちつけに−こひまさりけり
異同資料句番号:00162
|
00163 |
忠峯 たたみね (030)
むかしへや今もこひしき郭公ふるさとにしもなきてきつらむ
むかしへや−いまもこひしき−ほとときす−ふるさとにしも−なきてきつらむ
異同資料句番号:00163
|
00164 |
躬恒 みつね (029)
郭公我とはなしに卯花のうき世中になきわたるらむ
ほとときす−われとはなしに−うのはなの−うきよのなかに−なきわたるらむ
異同資料句番号:00164
|
00165 |
遍昭 僧正へんせう (012)
はちすはのにこりにしまぬ心もてなにかはつゆを玉とあさむく
はちすはの−にこりにしまぬ−こころもて−なにかはつゆを−たまとあさむく
異同資料句番号:00165
|
00166 |
深養父 (036)
夏の夜はまたよひなからあけぬるを雲のいつこに月やとるらむ
なつのよは−またよひなから−あけぬるを−くものいつこに−つきやとるらむ
異同資料句番号:00166
|
00167 |
躬恒 みつね (029)
ちりをたにすゑしとそ思ふさきしよりいもとわかぬるとこ夏のはな
ちりをたに−すゑしとそおもふ−さきしより−いもとわかぬる−とこなつのはな
異同資料句番号:00167
|
00168 |
躬恒 みつね (029)
夏と秋と行きかふそらのかよひちはかたへすすしき風やふくらむ
なつとあきと−ゆきかふそらの−かよひちは−かたへすすしき−かせやふくらむ
異同資料句番号:00168
|
00169 |
敏行 藤原敏行朝臣 (018)
あききぬとめにはさやかに見えねとも風のおとにそおとろかれぬる
あききぬと−めにはさやかに−みえねとも−かせのおとにそ−おとろかれぬる
異同資料句番号:00169
|
00170 |
貫之 つらゆき (035)
河風のすすしくもあるかうちよする浪とともにや秋は立つらむ
かはかせの−すすしくもあるか−うちよする−なみとともにや−あきはたつらむ
異同資料句番号:00170
|
00171 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかせこか衣のすそを吹返しうらめつらしき秋のはつ風
わかせこか−ころものすそを−ふきかへし−うらめつらしき−あきのはつかせ
異同資料句番号:00171
|
00172 |
読人不知 よみ人しらす (000)
きのふこそさなへとりしかいつのまにいなはそよきて秋風の吹く
きのふこそ−さなへとりしか−いつのまに−いなはそよきて−あきかせのふく
異同資料句番号:00172
|
00173 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋風の吹きにし日より久方のあまのかはらにたたぬ日はなし
あきかせの−ふきにしひより−ひさかたの−あまのかはらに−たたぬひはなし
異同資料句番号:00173
|
00174 |
読人不知 よみ人しらす (000)
久方のあまのかはらのわたしもり君わたりなはかちかくしてよ
ひさかたの−あまのかはらの−わたしもり−きみわたりなは−かちかくしてよ
異同資料句番号:00174
|
00175 |
読人不知 よみ人しらす (000)
天河紅葉をはしにわたせはやたなはたつめの秋をしもまつ
あまのかは−もみちをはしに−わたせはや−たなはたつめの−あきをしもまつ
異同資料句番号:00175
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00176 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こひこひてあふ夜はこよひあまの河きり立ちわたりあけすもあらなむ
こひこひて−あふよはこよひ−あまのかは−きりたちわたり−あけすもあらなむ
異同資料句番号:00176
|
00177 |
友則 とものり (033)
天河あさせしら浪たとりつつわたりはてねはあけそしにける
あまのかは−あさせしらなみ−たとりつつ−わたりはてねは−あけそしにける
異同資料句番号:00177
|
00178 |
興風 藤原おきかせ (034)
契りけむ心そつらきたなはたの年にひとたひあふはあふかは
ちきりけむ−こころそつらき−たなはたの−としにひとたひ−あふはあふかは
異同資料句番号:00178
|
00179 |
躬恒 凡河内みつね (029)
年ことにあふとはすれとたなはたのぬるよのかすそすくなかりける
としことに−あふとはすれと−たなはたの−ぬるよのかすそ−すくなかりける
異同資料句番号:00179
|
00180 |
躬恒 凡河内みつね (029)
織女にかしつる糸の打ちはへて年のをなかくこひやわたらむ
たなはたに−かしつるいとの−うちはへて−としのをなかく−こひやわたらむ
異同資料句番号:00180
|
00181 |
素性 そせい (021)
こよひこむ人にはあはしたなはたのひさしきほとにまちもこそすれ
こよひこむ−ひとにはあはし−たなはたの−ひさしきほとに−まちもこそすれ
異同資料句番号:00181
|
00182 |
宗于 源むねゆきの朝臣 (028)
今はとてわかるる時は天河わたらぬさきにそてそひちぬる
いまはとて−わかるるときは−あまのかは−わたらぬさきに−そてそひちぬる
異同資料句番号:00182
|
00183 |
忠峯 みふのたたみね (030)
けふよりはいまこむ年のきのふをそいつしかとのみまちわたるへき
けふよりは−いまこむとしの−きのふをそ−いつしかとのみ−まちわたるへき
異同資料句番号:00183
|
00184 |
読人不知 よみ人しらす (000)
このまよりもりくる月の影見れは心つくしの秋はきにけり
このまより−もりくるつきの−かけみれは−こころつくしの−あきはきにけり
異同資料句番号:00184
|
00185 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おほかたの秋くるからにわか身こそかなしき物と思ひしりぬれ
おほかたの−あきくるからに−わかみこそ−かなしきものと−おもひしりぬれ
異同資料句番号:00185
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00186 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかためにくる秋にしもあらなくにむしのねきけはまつそかなしき
わかために−くるあきにしも−あらなくに−むしのねきけは−まつそかなしき
異同資料句番号:00186
|
00187 |
読人不知 よみ人しらす (000)
物ことに秋そかなしきもみちつつうつろひゆくをかきりと思へは
ものことに−あきそかなしき−もみちつつ−うつろひゆくを−かきりとおもへは
異同資料句番号:00187
|
00188 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひとりぬるとこは草はにあらねとも秋くるよひはつゆけかりけり
ひとりぬる−とこはくさはに−あらねとも−あきくるよひは−つゆけかりけり
異同資料句番号:00188
|
00189 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつはとは時はわかねと秋のよそ物思ふ事のかきりなりける
いつはとは−ときはわかねと−あきのよそ−ものおもふことの−かきりなりける
異同資料句番号:00189
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00190 |
躬恒 みつね (029)
かくはかりをしと思ふ夜をいたつらにねてあかすらむ人さへそうき
かくはかり−をしとおもふよを−いたつらに−ねてあかすらむ−ひとさへそうき
異同資料句番号:00190
|
00191 |
読人不知 よみ人しらす (000)
白雲にはねうちかはしとふかりのかすさへ見ゆる秋のよの月
しらくもに−はねうちかはし−とふかりの−かすさへみゆる−あきのよのつき
異同資料句番号:00191
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00192 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さ夜なかと夜はふけぬらしかりかねのきこゆるそらに月わたる見ゆ
さよなかと−よはふけぬらし−かりかねの−きこゆるそらに−つきわたるみゆ
異同資料句番号:00192
|
00193 |
千里 大江千里 (023)
月見れはちちに物こそかなしけれわか身ひとつの秋にはあらねと
つきみれは−ちちにものこそ−かなしけれ−わかみひとつの−あきにはあらねと
異同資料句番号:00193
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00194 |
忠峯 たたみね (030)
久方の月の桂も秋は猶もみちすれはやてりまさるらむ
ひさかたの−つきのかつらも−あきはなほ−もみちすれはや−てりまさるらむ
異同資料句番号:00194
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00195 |
元方 在原元方 (169)
秋の夜の月のひかりしあかけれはくらふの山もこえぬへらなり
あきのよの−つきのひかりし−あかけれは−くらふのやまも−こえぬへらなり
異同資料句番号:00195
|
00196 |
忠房 藤原忠房 (182)
蟋蟀いたくななきそ秋の夜の長き思ひは我そまされる
きりきりす−いたくななきそ−あきのよの−なかきおもひは−われそまされる
異同資料句番号:00196
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00197 |
敏行 としゆきの朝臣 (018)
秋の夜のあくるもしらすなくむしはわかこと物やかなしかるらむ
あきのよの−あくるもしらす−なくむしは−わかことものや−かなしかるらむ
異同資料句番号:00197
|
00198 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あき萩も色つきぬれはきりきりすわかねぬことやよるはかなしき
あきはきも−いろつきぬれは−きりきりす−わかねぬことや−よるはかなしき
異同資料句番号:00198
|
00199 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋の夜はつゆこそことにさむからし草むらことにむしのわふれは
あきのよは−つゆこそことに−さむからし−くさむらことに−むしのわふれは
異同資料句番号:00199
|
00200 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君しのふ草にやつるるふるさとは松虫のねそかなしかりける
きみしのふ−くさにやつるる−ふるさとは−まつむしのねそ−かなしかりける
異同資料句番号:00200
|
00201 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋ののに道もまとひぬ松虫のこゑする方にやとやからまし
あきののに−みちもまとひぬ−まつむしの−こゑするかたに−やとやからまし
異同資料句番号:00201
|
00202 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あきののに人松虫のこゑすなり我かとゆきていさとふらはむ
あきののに−ひとまつむしの−こゑすなり−われかとゆきて−いさとふらはむ
異同資料句番号:00202
|
00203 |
読人不知 よみ人しらす (000)
もみちはのちりてつもれるわかやとに誰を松虫ここらなくらむ
もみちはの−ちりてつもれる−わかやとに−たれをまつむし−ここらなくらむ
異同資料句番号:00203
|
00204 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひくらしのなきつるなへに日はくれぬと思ふは山のかけにそありける
ひくらしの−なきつるなへに−ひはくれぬと−おもふはやまの−かけにそありける
異同資料句番号:00204
|
00205 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひくらしのなく山里のゆふくれは風よりほかにとふ人もなし
ひくらしの−なくやまさとの−ゆふくれは−かせよりほかに−とふひともなし
異同資料句番号:00205
|
00206 |
元方 在原元方 (169)
まつ人にあらぬものからはつかりのけさなくこゑのめつらしきかな
まつひとに−あらぬものから−はつかりの−けさなくこゑの−めつらしきかな
異同資料句番号:00206
|
00207 |
友則 とものり (033)
秋風にはつかりかねそきこゆなるたかたまつさをかけてきつらむ
あきかせに−はつかりかねそ−きこゆなる−たかたまつさを−かけてきつらむ
異同資料句番号:00207
|
00208 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかかとにいなおほせとりのなくなへにけさ吹く風にかりはきにけり
わかかとに−いなおほせとりの−なくなへに−けさふくかせに−かりはきにけり
異同資料句番号:00208
|
00209 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いとはやもなきぬるかりか白露のいろとる木木ももみちあへなくに
いとはやも−なきぬるかりか−しらつゆの−いろとるききも−もみちあへなくに
異同資料句番号:00209
|
00210 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春霞かすみていにしかりかねは今そなくなる秋きりのうへに
はるかすみ−かすみていにし−かりかねは−いまそなくなる−あききりのうへに
異同資料句番号:00210
|
00211 |
読人不知 よみ人しらす(一説、柿本の人まろ) (000)
夜をさむみ衣かりかねなくなへに萩のしたはもうつろひにけり
よをさむみ−ころもかりかね−なくなへに−はきのしたはも−うつろひにけり
異同資料句番号:00211
|
00212 |
番号外作者 藤原菅根朝臣 (999)
秋風にこゑをほにあけてくる舟はあまのとわたるかりにそありける
あきかせに−こゑをほにあけて−くるふねは−あまのとわたる−かりにそありける
異同資料句番号:00212
|
00213 |
躬恒 みつね (029)
うき事を思ひつらねてかりかねのなきこそわたれ秋のよなよな
うきことを−おもひつらねて−かりかねの−なきこそわたれ−あきのよなよな
異同資料句番号:00213
|
00214 |
忠峯 たたみね (030)
山里は秋こそことにわひしけれしかのなくねにめをさましつつ
やまさとは−あきこそことに−わひしけれ−しかのなくねに−めをさましつつ
異同資料句番号:00214
|
00215 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おく山に紅棄ふみわけなく鹿のこゑきく時そ秋は悲しき
おくやまに−もみちふみわけ−なくしかの−こゑきくときそ−あきはかなしき
異同資料句番号:00215
|
00216 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋はきにうらひれをれはあしひきの山したとよみしかのなくらむ
あきはきに−うらひれをれは−あしひきの−やましたとよみ−しかのなくらむ
異同資料句番号:00216
|
00217 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋はきをしからみふせてなくしかのめには見えすておとのさやけさ
あきはきを−しからみふせて−なくしかの−めにはみえすて−おとのさやけさ
異同資料句番号:00217
|
00218 |
敏行 藤原としゆきの朝臣 (018)
あきはきの花さきにけり高砂のをのへのしかは今やなくらむ
あきはきの−はなさきにけり−たかさこの−をのへのしかは−いまやなくらむ
異同資料句番号:00218
|
00219 |
躬恒 みつね (029)
秋はきのふるえにさける花見れは本の心はわすれさりけり
あきはきの−ふるえにさける−はなみれは−もとのこころは−わすれさりけり
異同資料句番号:00219
|
00220 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あきはきのしたは色つく今よりやひとりある人のいねかてにする
あきはきの−したはいろつく−いまよりや−ひとりあるひとの−いねかてにする
異同資料句番号:00220
|
00221 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なきわたるかりの涙やおちつらむ物思ふやとの萩のうへのつゆ
なきわたる−かりのなみたや−おちつらむ−ものおもふやとの−はきのうへのつゆ
異同資料句番号:00221
|
00222 |
読人不知 よみ人しらす(一説、ならのみかと) (000)
萩の露玉にぬかむととれはけぬよし見む人は枝なから見よ
はきのつゆ−たまにぬかむと−とれはけぬ−よしみむひとは−えたなからみよ
異同資料句番号:00222
|
00223 |
読人不知 よみ人しらす (000)
をりて見はおちそしぬへき秋はきの枝もたわわにおけるしらつゆ
をりてみは−おちそしぬへき−あきはきの−えたもたわわに−おけるしらつゆ
異同資料句番号:00223
|
00224 |
読人不知 よみ人しらす (000)
萩か花ちるらむをののつゆしもにぬれてをゆかむさ夜はふくとも
はきかはな−ちるらむをのの−つゆしもに−ぬれてをゆかむ−さよはふくとも
異同資料句番号:00224
|
00225 |
朝康 文屋あさやす (037)
秋ののにおくしらつゆは玉なれやつらぬきかくるくものいとすち
あきののに−おくしらつゆは−たまなれや−つらぬきかくる−くものいとすち
異同資料句番号:00225
|
00226 |
遍昭 僧正へんせう (012)
名にめててをれるはかりそをみなへし我おちにきと人にかたるな
なにめてて−をれるはかりそ−をみなへし−われおちにきと−ひとにかたるな
異同資料句番号:00226
|
00227 |
番号外作者 ふるのいまみち (999)
をみなへしうしと見つつそゆきすくるをとこ山にしたてりと思へは
をみなへし−うしとみつつそ−ゆきすくる−をとこやまにし−たてりとおもへは
異同資料句番号:00227
|
00228 |
敏行 としゆきの朝臣 (018)
秋ののにやとりはすへしをみなへし名をむつましみたひならなくに
あきののに−やとりはすへし−をみなへし−なをむつましみ−たひならなくに
異同資料句番号:00228
|
00229 |
番号外作者 をののよし木 (999)
をみなへしおほかるのへにやとりせはあやなくあたの名をやたちなむ
をみなへし−おほかるのへに−やとりせは−あやなくあたの−なをやたちなむ
異同資料句番号:00229
|
00230 |
時平 左のおほいまうちきみ (503)
をみなへし秋のの風にうちなひき心ひとつをたれによすらむ
をみなへし−あきののかせに−うちなひき−こころひとつを−たれによすらむ
異同資料句番号:00230
|
00231 |
定方 藤原定方朝臣 (025)
秋ならてあふことかたきをみなへしあまのかはらにおひぬものゆゑ
あきならて−あふことかたき−をみなへし−あまのかはらに−おひぬものゆゑ
異同資料句番号:00231
|
00232 |
貫之 つらゆき (035)
たか秋にあらぬものゆゑをみなへしなそ色にいててまたきうつろふ
たかあきに−あらぬものゆゑ−をみなへし−なそいろにいてて−またきうつろふ
異同資料句番号:00232
|
00233 |
躬恒 みつね (029)
つまこふるしかそなくなる女郎花おのかすむのの花としらすや
つまこふる−しかそなくなる−をみなへし−おのかすむのの−はなとしらすや
異同資料句番号:00233
|
00234 |
躬恒 みつね (029)
女郎花ふきすきてくる秋風はめには見えねとかこそしるけれ
をみなへし−ふきすきてくる−あきかせは−めにはみえねと−かこそしるけれ
異同資料句番号:00234
|
00235 |
忠峯 たたみね (030)
人の見る事やくるしきをみなへし秋きりにのみたちかくるらむ
ひとのみる−ことやくるしき−をみなへし−あききりにのみ−たちかくるらむ
異同資料句番号:00235
|
00236 |
忠峯 たたみね (030)
ひとりのみなかむるよりは女郎花わかすむやとにうゑて見ましを
ひとりのみ−なかむるよりは−をみなへし−わかすむやとに−うゑてみましを
異同資料句番号:00236
|
00237 |
兼覧王 (179)
をみなへしうしろめたくも見ゆるかなあれたるやとにひとりたてれは
をみなへし−うしろめたくも−みゆるかな−あれたるやとに−ひとりたてれは
異同資料句番号:00237
|
00238 |
貞文 平さたふん (161)
花にあかてなにかへるらむをみなへしおほかるのへにねなましものを
はなにあかて−なにかへるらむ−をみなへし−おほかるのへに−ねなましものを
異同資料句番号:00238
|
00239 |
敏行 としゆきの朝臣 (018)
なに人かきてぬきかけしふちはかまくる秋ことにのへをにほはす
なにひとか−きてぬきかけし−ふちはかま−くるあきことに−のへをにほはす
異同資料句番号:00239
|
00240 |
貫之 つらゆき (035)
やとりせし人のかたみかふちはかまわすられかたきかににほひつつ
やとりせし−ひとのかたみか−ふちはかま−わすられかたき−かににほひつつ
異同資料句番号:00240
|
00241 |
素性 そせい (021)
ぬししらぬかこそにほへれ秋ののにたかぬきかけしふちはかまそも
ぬししらぬ−かこそにほへれ−あきののに−たかぬきかけし−ふちはかまそも
異同資料句番号:00241
|
00242 |
貞文 平貞文 (161)
今よりはうゑてたに見し花すすきほにいつる秋はわひしかりけり
いまよりは−うゑてたにみし−はなすすき−ほにいつるあきは−わひしかりけり
異同資料句番号:00242
|
00243 |
棟梁 ありはらのむねやな (180)
秋の野の草のたもとか花すすきほにいててまねく袖と見ゆらむ
あきののの−くさのたもとか−はなすすき−ほにいててまねく−そてとみゆらむ
異同資料句番号:00243
|
00244 |
素性 素性法師 (021)
我のみやあはれとおもはむきりきりすなくゆふかけのやまとなてしこ
われのみや−あはれとおもはむ−きりきりす−なくゆふかけの−やまとなてしこ
異同資料句番号:00244
|
00245 |
読人不知 よみ人しらす (000)
みとりなるひとつ草とそ春は見し秋はいろいろの花にそありける
みとりなる−ひとつくさとそ−はるはみし−あきはいろいろの−はなにそありける
異同資料句番号:00245
|
00246 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ももくさの花のひもとく秋ののを思ひたはれむ人なとかめそ
ももくさの−はなのひもとく−あきののを−おもひたはれむ−ひとなとかめそ
異同資料句番号:00246
|
00247 |
読人不知 よみ人しらす (000)
月草に衣はすらむあさつゆにぬれてののちはうつろひぬとも
つきくさに−ころもはすらむ−あさつゆに−ぬれてののちは−うつろひぬとも
異同資料句番号:00247
|
00248 |
遍昭 僧正遍昭 (012)
さとはあれて人はふりにしやとなれや庭もまかきも秋ののらなる
さとはあれて−ひとはふりにし−やとなれや−にはもまかきも−あきののらなる
異同資料句番号:00248
|
00249 |
康秀 文屋やすひて (022)
吹くからに秋の草木のしをるれはむへ山かせをあらしといふらむ
ふくからに−あきのくさきの−しをるれは−うへやまかせを−あらしといふらむ
異同資料句番号:00249
|
00250 |
康秀 文屋やすひて (022)
草も木も色かはれともわたつうみの浪の花にそ秋なかりける
くさもきも−いろかはれとも−わたつうみの−なみのはなにそ−あきなかりける
異同資料句番号:00250
|
00251 |
番号外作者 紀よしもち (999)
紅葉せぬときはの山は吹く風のおとにや秋をききわたるらむ
もみちせぬ−ときはのやまは−ふくかせの−おとにやあきを−ききわたるらむ
異同資料句番号:00251
|
00252 |
読人不知 よみ人しらす (000)
霧立ちて雁そなくなる片岡の朝の原は紅葉しぬらむ
きりたちて−かりそなくなる−かたをかの−あしたのはらは−もみちしぬらむ
異同資料句番号:00252
|
00253 |
読人不知 よみ人しらす (000)
神な月時雨もいまたふらなくにかねてうつろふ神なひのもり
かみなつき−しくれもいまた−ふらなくに−かねてうつろふ−かみなひのもり
異同資料句番号:00253
|
00254 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ちはやふる神なひ山のもみちはに思ひはかけしうつろふものを
ちはやふる−かみなひやまの−もみちはに−おもひはかけし−うつろふものを
異同資料句番号:00254
|
00255 |
番号外作者 藤原かちおむ (999)
おなしえをわきてこのはのうつろふは西こそ秋のはしめなりけれ
おなしえを−わきてこのはの−うつろふは−にしこそあきの−はしめなりけれ
異同資料句番号:00255
|
00256 |
貫之 つらゆき (035)
秋風のふきにし日よりおとは山峰のこすゑも色つきにけり
あきかせの−ふきにしひより−おとはやま−みねのこすゑも−いろつきにけり
異同資料句番号:00256
|
00257 |
敏行 としゆきの朝臣 (018)
白露の色はひとつをいかにして秋のこのはをちちにそむらむ
しらつゆの−いろはひとつを−いかにして−あきのこのはを−ちちにそむらむ
異同資料句番号:00257
|
00258 |
忠峯 壬生忠岑 (030)
秋の夜のつゆをはつゆとおきなからかりの涙やのへをそむらむ
あきのよの−つゆをはつゆと−おきなから−かりのなみたや−のへをそむらむ
異同資料句番号:00258
|
00259 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あきのつゆいろいろことにおけはこそ山のこのはのちくさなるらめ
あきのつゆ−いろいろことに−おけはこそ−やまのこのはの−ちくさなるらめ
異同資料句番号:00259
|
00260 |
貫之 つらゆき (035)
しらつゆも時雨もいたくもる山はしたはのこらす色つきにけり
しらつゆも−しくれもいたく−もるやまは−したはのこらす−いろつきにけり
異同資料句番号:00260
|
00261 |
元方 在原元方 (169)
雨ふれとつゆももらしをかさとりの山はいかてかもみちそめけむ
あめふれと−つゆももらしを−かさとりの−やまはいかてか−もみちそめけむ
異同資料句番号:00261
|
00262 |
貫之 つらゆき (035)
ちはやふる神のいかきにはふくすも秋にはあへすうつろひにけり
ちはやふる−かみのいかきに−はふくすも−あきにはあへす−うつろひにけり
異同資料句番号:00262
|
00263 |
忠峯 たたみね (030)
あめふれはかさとり山のもみちははゆきかふ人のそてさへそてる
あめふれは−かさとりやまの−もみちはは−ゆきかふひとの−そてさへそてる
異同資料句番号:00263
|
00264 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ちらねともかねてそをしきもみちはは今は限の色と見つれは
ちらねとも−かねてそをしき−もみちはは−いまはかきりの−いろとみつれは
異同資料句番号:00264
|
00265 |
友則 きのとものり (033)
たかための錦なれはか秋きりのさほの山辺をたちかくすらむ
たかための−にしきなれはか−あききりの−さほのやまへを−たちかくすらむ
異同資料句番号:00265
|
00266 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋きりはけさはなたちそさほ山のははそのもみちよそにても見む
あききりは−けさはなたちそ−さほやまの−ははそのもみち−よそにてもみむ
異同資料句番号:00266
|
00267 |
是則 坂上是則 (031)
佐保山のははその色はうすけれと秋は深くもなりにけるかな
さほやまの−ははそのいろは−うすけれと−あきはふかくも−なりにけるかな
異同資料句番号:00267
|
00268 |
業平 在原なりひらの朝臣 (017)
うゑしうゑは秋なき時やさかさらむ花こそちらめねさへかれめや
うゑしうゑは−あきなきときや−さかさらむ−はなこそちらめ−ねさへかれめや
異同資料句番号:00268
|
00269 |
敏行 としゆきの朝臣 (018)
久方の雲のうへにて見る菊はあまつほしとそあやまたれける
ひさかたの−くものうへにて−みるきくは−あまつほしとそ−あやまたれける
異同資料句番号:00269
|
00270 |
友則 きのとものり (033)
露なからをりてかささむきくの花おいせぬ秋のひさしかるへく
つゆなから−をりてかささむ−きくのはな−おいせぬあきの−ひさしかるへく
異同資料句番号:00270
|
00271 |
千里 大江千里 (023)
うゑし時花まちとほにありしきくうつろふ秋にあはむとや見し
うゑしとき−はなまちとほに−ありしきく−うつろふあきに−あはむとやみし
異同資料句番号:00271
|
00272 |
道真 すかはらの朝臣 (024)
秋風の吹きあけにたてる白菊は花かあらぬか浪のよするか
あきかせの−ふきあけにたてる−しらきくは−はなかあらぬか−なみのよするか
異同資料句番号:00272
|
00273 |
素性 素性法師 (021)
ぬれてほす山ちの菊のつゆのまにいつかちとせを我はへにけむ
ぬれてほす−やまちのきくの−つゆのまに−いつかちとせを−われはへにけむ
異同資料句番号:00273
|
00274 |
友則 とものり (033)
花見つつ人まつ時はしろたへの袖かとのみそあやまたれける
はなみつつ−ひとまつときは−しろたへの−そてかとのみそ−あやまたれける
異同資料句番号:00274
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00275 |
友則 とものり (033)
ひともとと思ひしきくをおほさはの池のそこにもたれかうゑけむ
ひともとと−おもひしきくを−おほさはの−いけのそこにも−たれかうゑけむ
異同資料句番号:00275
|
00276 |
貫之 つらゆき (035)
秋の菊にほふかきりはかさしてむ花よりさきとしらぬわか身を
あきのきく−にほふかきりは−かさしてむ−はなよりさきと−しらぬわかみを
異同資料句番号:00276
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00277 |
躬恒 凡河内みつね (029)
心あてにをらはやをらむはつしものおきまとはせる白菊の花
こころあてに−をらはやをらむ−はつしもの−おきまとはせる−しらきくのはな
異同資料句番号:00277
|
00278 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いろかはる秋のきくをはひととせにふたたひにほふ花とこそ見れ
いろかはる−あきのきくをは−ひととせに−ふたたひにほふ−はなとこそみれ
異同資料句番号:00278
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00279 |
貞文 平さたふん (161)
秋をおきて時こそ有りけれ菊の花うつろふからに色のまされは
あきをおきて−ときこそありけれ−きくのはな−うつろふからに−いろのまされは
異同資料句番号:00279
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00280 |
貫之 つらゆき (035)
さきそめしやとしかはれは菊の花色さへにこそうつろひにけれ
さきそめし−やとしかはれは−きくのはな−いろさへにこそ−うつろひにけれ
異同資料句番号:00280
|
00281 |
読人不知 よみ人しらす (000)
佐保山のははそのもみちちりぬへみよるさへ見よとてらす月影
さほやまの−ははそのもみち−ちりぬへみ−よるさへみよと−てらすつきかけ
異同資料句番号:00281
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00282 |
番号外作者 藤原関雄 (999)
おく山のいはかきもみちちりぬへしてる日のひかり見る時なくて
おくやまの−いはかきもみち−ちりぬへし−てるひのひかり−みるときなくて
異同資料句番号:00282
|
00283 |
読人不知 よみ人しらす(一説、ならのみかと) (000)
竜田河もみちみたれて流るめりわたらは錦なかやたえなむ
たつたかは−もみちみたれて−なかるめり−わたらはにしき−なかやたえなむ
異同資料句番号:00283
|
00284 |
読人不知 よみ人しらす(一説、人丸) (000)
たつた河もみちは流る神なひのみむろの山に時雨ふるらし
たつたかは−もみちはなかる−かみなひの−みむろのやまに−しくれふるらし
異同資料句番号:00284
|
00285 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こひしくは見てもしのはむもみちはを吹きなちらしそ山おろしのかせ
こひしくは−みてもしのはむ−もみちはを−ふきなちらしそ−やまおろしのかせ
異同資料句番号:00285
|
00286 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋風にあへすちりぬるもみちはのゆくへさためぬ我そかなしき
あきかせに−あへすちりぬる−もみちはの−ゆくへさためぬ−われそかなしき
異同資料句番号:00286
|
00287 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あきはきぬ紅葉はやとにふりしきぬ道ふみわけてとふ人はなし
あきはきぬ−もみちはやとに−ふりしきぬ−みちふみわけて−とふひとはなし
異同資料句番号:00287
|
00288 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ふみわけてさらにやとはむもみちはのふりかくしてしみちとみなから
ふみわけて−さらにやとはむ−もみちはの−ふりかくしてし−みちとみなから
異同資料句番号:00288
|
00289 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋の月山辺さやかにてらせるはおつるもみちのかすを見よとか
あきのつき−やまへさやかに−てらせるは−おつるもみちの−かすをみよとか
異同資料句番号:00289
|
00290 |
読人不知 よみ人しらす (000)
吹く風の色のちくさに見えつるは秋のこのはのちれはなりけり
ふくかせの−いろのちくさに−みえつるは−あきのこのはの−ちれはなりけり
異同資料句番号:00290
|
00291 |
番号外作者 せきを (999)
霜のたてつゆのぬきこそよわからし山の錦のおれはかつちる
しものたて−つゆのぬきこそ−よわからし−やまのにしきの−おれはかつちる
異同資料句番号:00291
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00292 |
遍昭 僧正へんせう (012)
わひ人のわきてたちよるこの本はたのむかけなくもみちちりけり
わひひとの−わきてたちよる−このもとは−たのむかけなく−もみちちりけり
異同資料句番号:00292
|
00293 |
素性 そせい (021)
もみちはのなかれてとまるみなとには紅深き浪や立つらむ
もみちはの−なかれてとまる−みなとには−くれなゐふかき−なみやたつらむ
異同資料句番号:00293
|
00294 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
ちはやふる神世もきかす竜田河唐紅に水くくるとは
ちはやふる−かみよもきかす−たつたかは−からくれなゐに−みつくくるとは
異同資料句番号:00294
|
00295 |
敏行 としゆきの朝臣 (018)
わかきつる方もしられすくらふ山木木のこのはのちるとまかふに
わかきつる−かたもしられす−くらふやま−ききのこのはの−ちるとまかふに
異同資料句番号:00295
|
00296 |
忠峯 たたみね (030)
神なひのみむろの山を秋ゆけは錦たちきる心地こそすれ
かみなひの−みむろのやまを−あきゆけは−にしきたちきる−ここちこそすれ
異同資料句番号:00296
|
00297 |
貫之 つらゆき (035)
見る人もなくてちりぬるおく山の紅葉はよるのにしきなりけり
みるひとも−なくてちりぬる−おくやまの−もみちはよるの−にしきなりけり
異同資料句番号:00297
|
00298 |
兼覧王 かねみの王 (179)
竜田ひめたむくる神のあれはこそ秋のこのはのぬさとちるらめ
たつたひめ−たむくるかみの−あれはこそ−あきのこのはの−ぬさとちるらめ
異同資料句番号:00298
|
00299 |
貫之 つらゆき (035)
秋の山紅葉をぬさとたむくれはすむ我さへそたひ心ちする
あきのやま−もみちをぬさと−たむくれは−すむわれさへそ−たひここちする
異同資料句番号:00299
|
00300 |
深養父 きよはらのふかやふ (036)
神なひの山をすき行く秋なれはたつた河にそぬさはたむくる
かみなひの−やまをすきゆく−あきなれは−たつたかはにそ−ぬさはたむくる
異同資料句番号:00300
|
00301 |
興風 ふちはらのおきかせ (034)
白浪に秋のこのはのうかへるをあまのなかせる舟かとそ見る
しらなみに−あきのこのはの−うかへるを−あまのなかせる−ふねかとそみる
異同資料句番号:00301
|
00302 |
是則 坂上これのり (031)
もみちはのなかれさりせは竜田河水の秋をはたれかしらまし
もみちはの−なかれさりせは−たつたかは−みつのあきをは−たれかしらまし
異同資料句番号:00302
|
00303 |
列樹 はるみちのつらき (032)
山河に風のかけたるしからみは流れもあへぬ紅葉なりけり
やまかはに−かせのかけたる−しからみは−なかれもあへぬ−もみちなりけり
異同資料句番号:00303
|
00304 |
躬恒 みつね (029)
風ふけはおつるもみちは水きよみちらぬかけさへそこに見えつつ
かせふけは−おつるもみちは−みつきよみ−ちらぬかけさへ−そこにみえつつ
異同資料句番号:00304
|
00305 |
躬恒 みつね (029)
立ちとまり見てをわたらむもみちはは雨とふるとも水はまさらし
たちとまり−みてをわたらむ−もみちはは−あめとふるとも−みつはまさらし
異同資料句番号:00305
|
00306 |
忠峯 たたみね (030)
山田もる秋のかりいほにおくつゆはいなおほせ鳥の涙なりけり
やまたもる−あきのかりいほに−おくつゆは−いなおほせとりの−なみたなりけり
異同資料句番号:00306
|
00307 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ほにもいてぬ山田をもると藤衣いなはのつゆにぬれぬ日そなき
ほにもいてぬ−やまたをもると−ふちころも−いなはのつゆに−ぬれぬひそなき
異同資料句番号:00307
|
00308 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かれる田におふるひつちのほにいてぬは世を今更に秋はてぬとか
かれるたに−おふるひつちの−ほにいてぬは−よをいまさらに−あきはてぬとか
異同資料句番号:00308
|
00309 |
素性 そせい法し (021)
もみちはは袖にこきいれてもていてなむ秋は限と見む人のため
もみちはは−そてにこきいれて−もていてなむ−あきはかきりと−みむひとのため
異同資料句番号:00309
|
00310 |
興風 おきかせ (034)
み山よりおちくる水の色見てそ秋は限と思ひしりぬる
みやまより−おちくるみつの−いろみてそ−あきはかきりと−おもひしりぬる
異同資料句番号:00310
|
00311 |
貫之 つらゆき (035)
年ことにもみちはなかす竜田河みなとや秋のとまりなるらむ
としことに−もみちはなかす−たつたかは−みなとやあきの−とまりなるらむ
異同資料句番号:00311
|
00312 |
貫之 つらゆき (035)
ゆふつく夜をくらの山になくしかのこゑの内にや秋はくるらむ
ゆふつくよ−をくらのやまに−なくしかの−こゑのうちにや−あきはくるらむ
異同資料句番号:00312
|
00313 |
躬恒 みつね (029)
道しらはたつねもゆかむもみちはをぬさとたむけて秋はいにけり
みちしらは−たつねもゆかむ−もみちはを−ぬさとたむけて−あきはいにけり
異同資料句番号:00313
|
00314 |
読人不知 よみ人しらす (000)
竜田河綿おりかく神な月しくれの雨をたてぬきにして
たつたかは−にしきおりかく−かみなつき−しくれのあめを−たてぬきにして
異同資料句番号:00314
|
00315 |
宗于 源宗于朝臣 (028)
山里は冬そさひしさまさりける人めも草もかれぬと思へは
やまさとは−ふゆそさひしさ−まさりける−ひとめもくさも−かれぬとおもへは
異同資料句番号:00315
|
00316 |
読人不知 読人しらす (000)
おほそらの月のひかりしきよけれは影見し水そまつこほりける
おほそらの−つきのひかりし−きよけれは−かけみしみつそ−まつこほりける
異同資料句番号:00316
|
00317 |
読人不知 読人しらす (000)
ゆふされは衣手さむしみよしののよしのの山にみ雪ふるらし
ゆふされは−ころもてさむし−みよしのの−よしののやまに−みゆきふるらし
異同資料句番号:00317
|
00318 |
読人不知 読人しらす (000)
今よりはつきてふらなむわかやとのすすきおしなみふれるしら雪
いまよりは−つきてふらなむ−わかやとの−すすきおしなひ−ふれるしらゆき
異同資料句番号:00318
|
00319 |
読人不知 読人しらす (000)
ふる雪はかつそけぬらしあしひきの山のたきつせおとまさるなり
ふるゆきは−かつそけぬらし−あしひきの−やまのたきつせ−おとまさるなり
異同資料句番号:00319
|
00320 |
読人不知 読人しらす (000)
この河にもみちは流るおく山の雪けの水そ今まさるらし
このかはに−もみちはなかる−おくやまの−ゆきけのみつそ−いままさるらし
異同資料句番号:00320
|
00321 |
読人不知 読人しらす (000)
ふるさとはよしのの山しちかけれはひと日もみ雪ふらぬ日はなし
ふるさとは−よしののやまし−ちかけれは−ひとひもみゆき−ふらぬひはなし
異同資料句番号:00321
|
00322 |
読人不知 読人しらす (000)
わかやとは雪ふりしきてみちもなしふみわけてとふ人しなけれは
わかやとは−ゆきふりしきて−みちもなし−ふみわけてとふ−ひとしなけれは
異同資料句番号:00322
|
00323 |
貫之 紀貫之 (035)
雪ふれは冬こもりせる草も木も春にしられぬ花そさきける
ゆきふれは−ふゆこもりせる−くさもきも−はるにしられぬ−はなそさきける
異同資料句番号:00323
|
00324 |
番号外作者 紀あきみね (999)
白雪のところもわかすふりしけはいはほにもさく花とこそ見れ
しらゆきの−ところもわかす−ふりしけは−いはほにもさく−はなとこそみれ
異同資料句番号:00324
|
00325 |
是則 坂上これのり (031)
みよしのの山の白雪つもるらしふるさとさむくなりまさるなり
みよしのの−やまのしらゆき−つもるらし−ふるさとさむく−なりまさるなり
異同資料句番号:00325
|
00326 |
興風 ふちはらのおきかせ (034)
浦ちかくふりくる雪は白浪の末の松山こすかとそ見る
うらちかく−ふりくるゆきは−しらなみの−すゑのまつやま−こすかとそみる
異同資料句番号:00326
|
00327 |
忠峯 壬生忠岑 (030)
みよしのの山の白雪ふみわけて入りにし人のおとつれもせぬ
みよしのの−やまのしらゆき−ふみわけて−いりにしひとの−おとつれもせぬ
異同資料句番号:00327
|
00328 |
忠峯 壬生忠岑 (030)
白雪のふりてつもれる山さとはすむ人さへや思ひきゆらむ
しらゆきの−ふりてつもれる−やまさとは−すむひとさへや−おもひきゆらむ
異同資料句番号:00328
|
00329 |
躬恒 凡河内みつね (029)
ゆきふりて人もかよはぬみちなれやあとはかもなく思ひきゆらむ
ゆきふりて−ひともかよはぬ−みちなれや−あとはかもなく−おもひきゆらむ
異同資料句番号:00329
|
00330 |
深養父 きよはらのふかやふ (036)
冬なからそらより花のちりくるは雲のあなたは春にやあるらむ
ふゆなから−そらよりはなの−ちりくるは−くものあなたは−はるにやあるらむ
異同資料句番号:00330
|
00331 |
貫之 つらゆき (035)
ふゆこもり思ひかけぬをこのまより花と見るまて雪そふりける
ふゆこもり−おもひかけぬを−このまより−はなとみるまて−ゆきそふりける
異同資料句番号:00331
|
00332 |
是則 坂上これのり (031)
あさほらけありあけの月と見るまてによしののさとにふれるしらゆき
あさほらけ−ありあけのつきと−みるまてに−よしののさとに−ふれるしらゆき
異同資料句番号:00332
|
00333 |
読人不知 よみ人しらす (000)
けぬかうへに又もふりしけ春霞たちなはみ雪まれにこそ見め
けぬかうへに−またもふりしけ−はるかすみ−たちなはみゆき−まれにこそみめ
異同資料句番号:00333
|
00334 |
番号外作者 よみ人しらす(一説、柿本人まろ) (999)
梅花それとも見えす久方のあまきる雪のなへてふれれは
うめのはな−それともみえす−ひさかたの−あまきるゆきの−なへてふれれは
異同資料句番号:00334
|
00335 |
篁 小野たかむらの朝臣 (011)
花の色は雪にましりて見えすともかをたににほへ人のしるへく
はなのいろは−ゆきにましりて−みえすとも−かをたににほへ−ひとのしるへく
異同資料句番号:00335
|
00336 |
貫之 きのつらゆき (035)
梅のかのふりおける雪にまかひせはたれかことことわきてをらまし
うめのかの−ふりおけるゆきに−まかひせは−たれかことこと−わきてをらまし
異同資料句番号:00336
|
00337 |
友則 きのとものり (033)
雪ふれは木ことに花そさきにけるいつれを梅とわきてをらまし
ゆきふれは−きことにはなそ−さきにける−いつれをうめと−わきてをらまし
異同資料句番号:00337
|
00338 |
躬恒 みつね (029)
わかまたぬ年はきぬれと冬草のかれにし人はおとつれもせす
わかまたぬ−としはきぬれと−ふゆくさの−かれにしひとは−おとつれもせす
異同資料句番号:00338
|
00339 |
元方 在原もとかた (169)
あらたまの年のをはりになることに雪もわか身もふりまさりつつ
あらたまの−としのをはりに−なることに−ゆきもわかみも−ふりまさりつつ
異同資料句番号:00339
|
00340 |
読人不知 よみ人しらす (000)
雪ふりて年のくれぬる時にこそつひにもみちぬ松も見えけれ
ゆきふりて−としのくれぬる−ときにこそ−つひにもみちぬ−まつもみえけれ
異同資料句番号:00340
|
00341 |
列樹 はるみちのつらき (032)
昨日といひけふとくらしてあすかかは流れてはやき月日なりけり
きのふといひ−けふとくらして−あすかかは−なかれてはやき−つきひなりけり
異同資料句番号:00341
|
00342 |
貫之 きのつらゆき (035)
ゆく年のをしくもあるかなますかかみ見るかけさへにくれぬと思へは
ゆくとしの−をしくもあるかな−ますかかみ−みるかけさへに−くれぬとおもへは
異同資料句番号:00342
|
00343 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わか君は千世にやちよにさされいしのいはほとなりてこけのむすまて
わかきみは−ちよにやちよに−さされいしの−いはほとなりて−こけのむすまて
異同資料句番号:00343
|
00344 |
読人不知 よみ人しらす (000)
渡つ海の浜のまさこをかそへつつ君かちとせのありかすにせむ
わたつうみの−はまのまさこを−かそへつつ−きみかちとせの−ありかすにせむ
異同資料句番号:00344
|
00345 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しほの山さしてのいそにすむ千鳥きみかみ世をはやちよとそなく
しほのやま−さしてのいそに−すむちとり−きみかみよをは−やちよとそなく
異同資料句番号:00345
|
00346 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかよはひ君かやちよにとりそへてととめおきては思ひいてにせよ
わかよはひ−きみかやちよに−とりそへて−ととめおきては−おもひいてにせよ
異同資料句番号:00346
|
00347 |
光孝院 仁和帝 (015)
かくしつつとにもかくにもなからへて君かやちよにあふよしもかな
かくしつつ−とにもかくにも−なからへて−きみかやちよに−あふよしもかな
異同資料句番号:00347
|
00348 |
遍昭 僧正へんせう (012)
ちはやふる神やきりけむつくからにちとせの坂もこえぬへらなり
ちはやふる−かみやきりけむ−つくからに−ちとせのさかも−こえぬへらなり
異同資料句番号:00348
|
00349 |
業平 在原業平朝臣 (017)
さくら花ちりかひくもれおいらくのこむといふなる道まかふかに
さくらはな−ちりかひくもれ−おいらくの−こむといふなる−みちまかふかに
異同資料句番号:00349
|
00350 |
番号外作者 きのこれをか (999)
亀の尾の山のいはねをとめておつるたきの白玉千世のかすかも
かめのをの−やまのいはねを−とめておつる−たきのしらたま−ちよのかすかも
異同資料句番号:00350
|
00351 |
興風 ふちはらのおきかせ (034)
いたつらにすくす月日はおもほえて花見てくらす春そすくなき
いたつらに−すくすつきひは−おもほえて−はなみてくらす−はるそすくなき
異同資料句番号:00351
|
00352 |
貫之 きのつらゆき (035)
春くれはやとにまつさく梅花君かちとせのかさしとそ見る
はるくれは−やとにまつさく−うめのはな−きみかちとせの−かさしとそみる
異同資料句番号:00352
|
00353 |
素性 そせい法し (021)
いにしへにありきあらすはしらねともちとせのためし君にはしめむ
いにしへに−ありきあらすは−しらねとも−ちとせのためし−きみにはしめむ
異同資料句番号:00353
|
00354 |
素性 そせい法し (021)
ふしておもひおきてかそふるよろつよは神そしるらむわかきみのため
ふしておもひ−おきてかそふる−よろつよは−かみそしるらむ−わかきみのため
異同資料句番号:00354
|
00355 |
番号外作者 在原しけはる(一説、在原ときはる) (999)
鶴亀もちとせののちはしらなくにあかぬ心にまかせはててむ
つるかめも−ちとせののちは−しらなくに−あかぬこころに−まかせはててむ
異同資料句番号:00355
|
00356 |
素性 そせい法し (021)
よろつ世を松にそ君をいはひつるちとせのかけにすまむと思へは
よろつよを−まつにそきみを−いはひつる−ちとせのかけに−すまむとおもへは
異同資料句番号:00356
|
00357 |
素性 そせい法し (021)
かすかのにわかなつみつつよろつ世をいはふ心は神そしるらむ
かすかのに−わかなつみつつ−よろつよを−いはふこころは−かみそしるらむ
異同資料句番号:00357
|
00358 |
躬恒 そせい法し (029)
山たかみくもゐに見ゆるさくら花心の行きてをらぬ日そなき
やまたかみ−くもゐにみゆる−さくらはな−こころのゆきて−をらぬひそなき
異同資料句番号:00358
|
00359 |
友則 そせい法し (033)
めつらしきこゑならなくに郭公ここらの年をあかすもあるかな
めつらしき−こゑならなくに−ほとときす−ここらのとしを−あかすもあるかな
異同資料句番号:00359
|
00360 |
躬恒 そせい法し (029)
住の江の松を秋風吹くからにこゑうちそふるおきつ白浪
すみのえの−まつをあきかせ−ふくからに−こゑうちそふる−おきつしらなみ
異同資料句番号:00360
|
00361 |
忠峯 そせい法し (030)
千鳥なくさほの河きりたちぬらし山のこのはも色まさりゆく
ちとりなく−さほのかはきり−たちぬらし−やまのこのはも−いろまさりゆく
異同資料句番号:00361
|
00362 |
是則 そせい法し (031)
秋くれと色もかはらぬときは山よそのもみちを風そかしける
あきくれと−いろもかはらぬ−ときはやま−よそのもみちを−かせそかしける
異同資料句番号:00362
|
00363 |
貫之 そせい法し (035)
白雪のふりしく時はみよしのの山した風に花そちりける
しらゆきの−ふりしくときは−みよしのの−やましたかせに−はなそちりける
異同資料句番号:00363
|
00364 |
番号外作者 典侍藤原よるかの朝臣 (999)
峰たかきかすかの山にいつる日はくもる時なくてらすへらなり
みねたかき−かすかのやまに−いつるひは−くもるときなく−てらすへらなり
異同資料句番号:00364
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00365 |
行平 在原行平朝臣 (016)
立ちわかれいなはの山の峰におふる松としきかは今かへりこむ
たちわかれ−いなはのやまの−みねにおふる−まつとしきかは−いまかへりこむ
異同資料句番号:00365
|
00366 |
読人不知 よみ人しらす (000)
すかるなく秋のはきはらあさたちて旅行く人をいつとかまたむ
すかるなく−あきのはきはら−あさたちて−たひゆくひとを−いつとかまたむ
異同資料句番号:00366
|
00367 |
読人不知 よみ人しらす (000)
限なき雲ゐのよそにわかるとも人を心におくらさむやは
かきりなき−くもゐのよそに−わかるとも−ひとをこころに−おくらさむやは
異同資料句番号:00367
|
00368 |
番号外作者 をののちふるの母 (999)
たらちねのおやのまもりとあひそふる心はかりはせきなととめそ
たらちねの−おやのまもりと−あひそふる−こころはかりは−せきなととめそ
異同資料句番号:00368
|
00369 |
番号外作者 きのとしさた (999)
けふわかれあすはあふみとおもへとも夜やふけぬらむ袖のつゆけき
けふわかれ−あすはあふみと−おもへとも−よやふけぬらむ−そてのつゆけき
異同資料句番号:00369
|
00370 |
番号外作者 きのとしさた (999)
かへる山ありとはきけと春霞立別れなはこひしかるへし
かへるやま−ありとはきけと−はるかすみ−たちわかれなは−こひしかるへし
異同資料句番号:00370
|
00371 |
貫之 きのつらゆき (035)
をしむからこひしきものを白雲のたちなむのちはなに心地せむ
をしむから−こひしきものを−しらくもの−たちなむのちは−なにここちせむ
異同資料句番号:00371
|
00372 |
番号外作者 在原しけはる (999)
わかれてはほとをへたつとおもへはやかつ見なからにかねてこひしき
わかれては−ほとをへたつと−おもへはや−かつみなからに−かねてこひしき
異同資料句番号:00372
|
00373 |
番号外作者 いかこのあつゆき (999)
おもへとも身をしわけねはめに見えぬ心を君にたくへてそやる
おもへとも−みをしわけねは−めにみえぬ−こころをきみに−たくへてそやる
異同資料句番号:00373
|
00374 |
番号外作者 なにはのよろつを (999)
相坂の関しまさしき物ならはあかすわかるる君をととめよ
あふさかの−せきしまさしき−ものならは−あかすわかるる−きみをととめよ
異同資料句番号:00374
|
00375 |
読人不知 よみ人しらす (000)
唐衣たつ日はきかしあさつゆのおきてしゆけはけぬへきものを
からころも−たつひはきかし−あさつゆの−おきてしゆけは−けぬへきものを
異同資料句番号:00375
|
00376 |
番号外作者 寵 (999)
あさなけに見へききみとしたのまねは思ひたちぬる草枕なり
あさなけに−みへききみとし−たのまねは−おもひたちぬる−くさまくらなり
異同資料句番号:00376
|
00377 |
読人不知 よみ人しらす (000)
えそしらぬ今心みよいのちあらは我やわするる人やとはぬと
えそしらぬ−いまこころみよ−いのちあらは−われやわするる−ひとやとはぬと
異同資料句番号:00377
|
00378 |
深養父 ふかやふ (036)
雲ゐにもかよふ心のおくれねはわかると人に見ゆはかりなり
くもゐにも−かよふこころの−おくれねは−わかるとひとに−みゆはかりなり
異同資料句番号:00378
|
00379 |
番号外作者 よしみねのひてをか (999)
白雲のこなたかなたに立ちわかれ心をぬさとくたくたひかな
しらくもの−こなたかなたに−たちわかれ−こころをぬさと−くたくたひかな
異同資料句番号:00379
|
00380 |
貫之 つらゆき (035)
しらくものやへにかさなるをちにてもおもはむ人に心へたつな
しらくもの−やへにかさなる−をちにても−おもはむひとに−こころへたつな
異同資料句番号:00380
|
00381 |
貫之 つらゆき (035)
わかれてふ事はいろにもあらなくに心にしみてわひしかるらむ
わかれてふ−ことはいろにも−あらなくに−こころにしみて−わひしかるらむ
異同資料句番号:00381
|
00382 |
躬恒 凡河内みつね (029)
かへる山なにそはありてあるかひはきてもとまらぬ名にこそありけれ
かへるやま−なにそはありて−あるかひは−きてもとまらぬ−なにこそありけれ
異同資料句番号:00382
|
00383 |
躬恒 凡河内みつね (029)
よそにのみこひやわたらむしら山の雪見るへくもあらぬわか身は
よそにのみ−こひやわたらむ−しらやまの−ゆきみるへくも−あらぬわかみは
異同資料句番号:00383
|
00384 |
貫之 つらゆき (035)
おとは山こたかくなきて郭公君か別ををしむへらなり
おとはやま−こたかくなきて−ほとときす−きみかわかれを−をしむへらなり
異同資料句番号:00384
|
00385 |
番号外作者 ふちはらのかねもち (999)
もろともになきてととめよ蛬のわかれはをしくやはあらぬ
もろともに−なきてととめよ−きりきりす−あきのわかれは−をしくやはあらぬ
異同資料句番号:00385
|
00386 |
番号外作者 平もとのり (999)
秋霧のともにたちいててわかれなははれぬ思ひに恋ひや渡らむ
あききりの−ともにたちいてて−わかれなは−はれぬおもひに−こひやわたらむ
異同資料句番号:00386
|
00387 |
番号外作者 しろめ (999)
いのちたに心にかなふ物ならはなにか別のかなしからまし
いのちたに−こころにかなふ−ものならは−なにかわかれの−かなしからまし
異同資料句番号:00387
|
00388 |
番号外作者 源さね (999)
人やりの道ならなくにおほかたはいきうしといひていさ帰りなむ
ひとやりの−みちならなくに−おほかたは−いきうしといひて−いさかへりなむ
異同資料句番号:00388
|
00389 |
番号外作者 藤原かねもち (999)
したはれてきにし心の身にしあれは帰るさまには道もしられす
したはれて−きにしこころの−みにしあれは−かへるさまには−みちもしられす
異同資料句番号:00389
|
00390 |
貫之 つらゆき (035)
かつこえてわかれもゆくかあふさかは人たのめなる名にこそありけれ
かつこえて−わかれもゆくか−あふさかは−ひとたのめなる−なにこそありけれ
異同資料句番号:00390
|
00391 |
兼輔 藤原かねすけの朝臣 (027)
君かゆくこしのしら山しらねとも雪のまにまにあとはたつねむ
きみかゆく−こしのしらやま−しらねとも−ゆきのまにまに−あとはたつねむ
異同資料句番号:00391
|
00392 |
遍昭 僧正遍昭 (012)
ゆふくれのまかきは山と見えななむよるはこえしとやとりとるへく
ゆふくれの−まかきはやまと−みえななむ−よるはこえしと−やとりとるへく
異同資料句番号:00392
|
00393 |
番号外作者 幽仙法師 (999)
別をは山のさくらにまかせてむとめむとめしは花のまにまに
わかれをは−やまのさくらに−まかせてむ−とめむとめしは−はなのまにまに
異同資料句番号:00393
|
00394 |
遍昭 僧正へんせう (012)
山かせにさくらふきまきみたれなむ花のまきれにたちとまるへく
やまかせに−さくらふきまき−みたれなむ−はなのまきれに−たちとまるへく
異同資料句番号:00394
|
00395 |
番号外作者 幽仙法師 (999)
ことならは君とまるへくにほはなむかへすは花のうきにやはあらぬ
ことならは−きみとまるへく−にほはなむ−かへすははなの−うきにやはあらぬ
異同資料句番号:00395
|
00396 |
番号外作者 兼芸法し (999)
あかすしてわかるる涙滝にそふ水まさるとやしもは見るらむ
あかすして−わかるるなみた−たきにそふ−みつまさるとや−しもはみるらむ
異同資料句番号:00396
|
00397 |
貫之 つらゆき (035)
秋はきの花をは雨にぬらせとも君をはましてをしとこそおもへ
あきはきの−はなをはあめに−ぬらせとも−きみをはまして−をしとこそおもへ
異同資料句番号:00397
|
00398 |
兼覧王 (179)
をしむらむ人の心をしらぬまに秋の時雨と身そふりにける
をしむらむ−ひとのこころを−しらぬまに−あきのしくれと−みそふりにける
異同資料句番号:00398
|
00399 |
躬恒 みつね (029)
わかるれとうれしくもあるかこよひよりあひ見ぬさきになにをこひまし
わかるれと−うれしくもあるか−こよひより−あひみぬさきに−なにをこひまし
異同資料句番号:00399
|
00400 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あかすしてわかるるそてのしらたまを君かかたみとつつみてそ行く
あかすして−わかるるそての−しらたまを−きみかかたみと−つつみてそゆく
異同資料句番号:00400
|
00401 |
読人不知 よみ人しらす (000)
限なく思ふ涙にそほちぬる袖はかわかしあはむ日まてに
かきりなく−おもふなみたに−そほちぬる−そてはかわかし−あはむひまてに
異同資料句番号:00401
|
00402 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かきくらしことはふらなむ春雨にぬれきぬきせて君をととめむ
かきくらし−ことはふらなむ−はるさめに−ぬれきぬきせて−きみをととめむ
異同資料句番号:00402
|
00403 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しひて行く人をととめむ桜花いつれを道と迷ふまてちれ
しひてゆく−ひとをととめむ−さくらはな−いつれをみちと−まよふまてちれ
異同資料句番号:00403
|
00404 |
貫之 つらゆき (035)
むすふてのしつくににこる山の井のあかても人にわかれぬるかな
むすふての−しつくににこる−やまのゐの−あかてもひとに−わかれぬるかな
異同資料句番号:00404
|
00405 |
友則 とものり (033)
したのおひのみちはかたかたわかるとも行きめくりてもあはむとそ思ふ
したのおひの−みちはかたかた−わかるとも−ゆきめくりても−あはむとそおもふ
異同資料句番号:00405
|
00406 |
仲麿 安倍仲麿 (007)
あまの原ふりさけ見れはかすかなるみかさの山にいてし月かも
あまのはら−ふりさけみれは−かすかなる−みかさのやまに−いてしつきかも
異同資料句番号:00406
|
00407 |
篁 小野たかむらの朝臣 (011)
わたのはらやそしまかけてこきいてぬと人にはつけよあまのつり舟
わたのはら−やそしまかけて−こきいてぬと−ひとにはつけよ−あまのつりふね
異同資料句番号:00407
|
00408 |
読人不知 よみ人しらす (000)
都いてて今日みかの原いつみ河かは風さむし衣かせ山
みやこいてて−けふみかのはら−いつみかは−かはかせさむし−ころもかせやま
異同資料句番号:00408
|
00409 |
読人不知 よみ人しらす(一説、柿本人麿) (000)
ほのはのと明石の浦の朝霧に島かくれ行く舟をしそ思ふ
ほのほのと−あかしのうらの−あさきりに−しまかくれゆく−ふねをしそおもふ
異同資料句番号:00409
|
00410 |
業平 在原業平朝臣 (017)
唐衣きつつなれにしつましあれははるはるきぬるたひをしそ思ふ
からころも−きつつなれにし−つましあれは−はるはるきぬる−たひをしそおもふ
異同資料句番号:00410
|
00411 |
業平 在原業平朝臣 (017)
名にしおははいさ事とはむ宮ことりわか思ふ人はありやなしやと
なにしおはは−いさこととはむ−みやことり−わかおもふひとは−ありやなしやと
異同資料句番号:00411
|
00412 |
読人不知 よみ人しらす (000)
北へ行くかりそなくなるつれてこしかすはたらてそかへるへらなる
きたへゆく−かりそなくなる−つれてこし−かすはたらてそ−かへるへらなる
異同資料句番号:00412
|
00413 |
番号外作者 おと (999)
山かくす春の霞そうらめしきいつれみやこのさかひなるらむ
やまかくす−はるのかすみそ−うらめしき−いつれみやこの−さかひなるらむ
異同資料句番号:00413
|
00414 |
躬恒 みつね (029)
きえはつる時しなけれはこしちなる白山の名は雪にそありける
きえはつる−ときしなけれは−こしちなる−しらやまのなは−ゆきにそありける
異同資料句番号:00414
|
00415 |
貫之 つらゆき (035)
いとによる物ならなくにわかれちの心ほそくもおもほゆるかな
いとによる−ものならなくに−わかれちの−こころほそくも−おもほゆるかな
異同資料句番号:00415
|
00416 |
躬恒 みつね (029)
夜をさむみおくはつ霜をはらひつつ草の枕にあまたたひねぬ
よをさむみ−おくはつしもを−はらひつつ−くさのまくらに−あまたたひねぬ
異同資料句番号:00416
|
00417 |
兼輔 ふちはらのかねすけ (027)
ゆふつくよおほつかなきを玉匣ふたみの浦は曙てこそ見め
ゆふつくよ−おほつかなきを−たまくしけ−ふたみのうらは−あけてこそみめ
異同資料句番号:00417
|
00418 |
業平 在原なりひらの朝臣 (017)
かりくらしたなはたつめにやとからむあまのかはらに我はきにけり
かりくらし−たなはたつめに−やとからむ−あまのかはらに−われはきにけり
異同資料句番号:00418
|
00419 |
番号外作者 きのありつね (999)
ひととせにひとたひきます君まてはやとかす人もあらしとそ思ふ
ひととせに−ひとたひきます−きみまては−やとかすひとも−あらしとそおもふ
異同資料句番号:00419
|
00420 |
道真 すかはらの朝臣 (024)
このたひはぬさもとりあへすたむけ山紅葉の錦神のまにまに
このたひは−ぬさもとりあへす−たむけやま−もみちのにしき−かみのまにまに
異同資料句番号:00420
|
00421 |
素性 素性法師 (021)
たむけにはつつりの袖もきるへきにもみちにあける神やかへさむ
たむけには−つつりのそても−きるへきに−もみちにあける−かみやかへさむ
異同資料句番号:00421
|
00422 |
敏行 藤原としゆきの朝臣 (018)
心から花のしつくにそほちつつうくひすとのみ鳥のなくらむ
こころから−はなのしつくに−そほちつつ−うくひすとのみ−とりのなくらむ
異同資料句番号:00422
|
00423 |
敏行 藤原としゆきの朝臣 (018)
くへきほとときすきぬれやまちわひてなくなるこゑの人をとよむる
くへきほと−ときすきぬれや−まちわひて−なくなるこゑの−ひとをとよむる
異同資料句番号:00423
|
00424 |
番号外作者 在原しけはる (999)
浪のうつせみれはたまそみたれけるひろははそてにはかなからむや
なみのうつ−せみれはたまそ−みたれける−ひろははそてに−はかなからむや
異同資料句番号:00424
|
00425 |
忠峯 壬生忠岑 (030)
たもとよりはなれて玉をつつまめやこれなむそれとうつせ見むかし
たもとより−はなれてたまを−つつまめや−これなむそれと−うつせみむかし
異同資料句番号:00425
|
00426 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あなうめにつねなるへくも見えぬかなこひしかるへきかはにほひつつ
あなうめに−つねなるへくも−みえぬかな−こひしかるへき−かはにほひつつ
異同資料句番号:00426
|
00427 |
貫之 つらゆき (035)
かつけとも浪のなかにはさくられて風吹くことにうきしつむたま
かつけとも−なみのなかには−さくられて−かせふくことに−うきしつむたま
異同資料句番号:00427
|
00428 |
貫之 つらゆき (035)
今いくか春しなけれはうくひすもものはなかめて思ふへらなり
いまいくか−はるしなけれは−うくひすも−ものはなかめて−おもふへらなり
異同資料句番号:00428
|
00429 |
深養父 ふかやふ (036)
あふからもものはなほこそかなしけれわかれむ事をかねて思へは
あふからも−ものはなほこそ−かなしけれ−わかれむことを−かねておもへは
異同資料句番号:00429
|
00430 |
番号外作者 をののしけかけ (999)
葦引の山たちはなれ行く雲のやとりさためぬ世にこそ有りけれ
あしひきの−やまたちはなれ−ゆくくもの−やとりさためぬ−よにこそありけれ
異同資料句番号:00430
|
00431 |
友則 とものり (033)
みよしののよしののたきにうかひいつるあわをかたまのきゆと見つらむ
みよしのの−よしののたきに−うかひいつる−あわをかたまの−きゆとみつらむ
異同資料句番号:00431
|
00432 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋はきぬいまやまかきのきりきりすよなよななかむ風のさむさに
あきはきぬ−いまやまかきの−きりきりす−よなよななかむ−かせのさむさに
異同資料句番号:00432
|
00433 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かくはかりあふひのまれになる人をいかかつらしとおもはさるへき
かくはかり−あふひのまれに−なるひとを−いかかつらしと−おもはさるへき
異同資料句番号:00433
|
00434 |
読人不知 よみ人しらす (000)
人めゆゑのちにあふひのはるけくはわかつらきにや思ひなされむ
ひとめゆゑ−のちにあふひの−はるけくは−わかつらきにや−おもひなされむ
異同資料句番号:00434
|
00435 |
遍昭 僧正へんせう (012)
ちりぬれはのちはあくたになる花を思ひしらすもまとふてふかな
ちりぬれは−のちはあくたに−なるはなを−おもひしらすも−まとふてふかな
異同資料句番号:00435
|
00436 |
貫之 つらゆき (035)
我はけさうひにそ見つる花の色をあたなる物といふへかりけり
われはけさ−うひにそみつる−はなのいろを−あたなるものと−いふへかりけり
異同資料句番号:00436
|
00437 |
友則 とものり (033)
白露を玉にぬくやとささかにの花にも葉にもいとをみなへし
しらつゆを−たまにぬくやと−ささかにの−はなにもはにも−いとをみなへし
異同資料句番号:00437
|
00438 |
友則 とものり (033)
あさ露をわけそほちつつ花見むと今その山をみなへしりぬる
あさつゆを−わけそほちつつ−はなみむと−いまそのやまを−みなへしりぬる
異同資料句番号:00438
|
00439 |
貫之 つらゆき (035)
をくら山みねたちならしなくしかのへにけむ秋をしる人そなき
をくらやま−みねたちならし−なくしかの−へにけむあきを−しるひとそなき
異同資料句番号:00439
|
00440 |
友則 とものり (033)
秋ちかうのはなりにけり白露のおけるくさはも色かはりゆく
あきちかう−のはなりにけり−しらつゆの−おけるくさはも−いろかはりゆく
異同資料句番号:00440
|
00441 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ふりはへていさふるさとの花見むとこしをにほひそうつろひにける
ふりはへて−いさふるさとの−はなみむと−こしをにほひそ−うつろひにける
異同資料句番号:00441
|
00442 |
友則 とものり (033)
わかやとの花ふみしたくとりうたむのはなけれはやここにしもくる
わかやとの−はなふみしたく−とりうたむ−のはなけれはや−ここにしもくる
異同資料句番号:00442
|
00443 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ありと見てたのむそかたきうつせみの世をはなしとや思ひなしてむ
ありとみて−たのむそかたき−うつせみの−よをはなしとや−おもひなしてむ
異同資料句番号:00443
|
00444 |
番号外作者 やたへの名実 (999)
うちつけにこしとや花の色を見むおく白露のそむるはかりを
うちつけに−こしとやはなの−いろをみむ−おくしらつゆの−そむるはかりを
異同資料句番号:00444
|
00445 |
康秀 文屋やすひて (022)
花の木にあらさらめともさきにけりふりにしこのみなるときもかな
はなのきに−あらさらめとも−さきにけり−ふりにしこのみ−なるときもかな
異同資料句番号:00445
|
00446 |
番号外作者 きのとしさた (999)
山たかみつねに嵐の吹くさとはにほひもあへす花そちりける
やまたかみ−つねにあらしの−ふくさとは−にほひもあへす−はなそちりける
異同資料句番号:00446
|
00447 |
番号外作者 平あつゆき (999)
郭公みねのくもにやましりにしありとはきけと見るよしもなき
ほとときす−みねのくもにや−ましりにし−ありとはきけと−みるよしもなき
異同資料句番号:00447
|
00448 |
読人不知 よみ人しらす (000)
空蝉のからは木ことにととむれとたまのゆくへを見ぬそかなしき
うつせみの−からはきことに−ととむれと−たまのゆくへを−みぬそかなしき
異同資料句番号:00448
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00449 |
深養父 ふかやふ (036)
うはたまの夢になにかはなくさまむうつつにたにもあかぬ心は
うはたまの−ゆめになにかは−なくさまむ−うつつにたにも−あかぬこころは
異同資料句番号:00449
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00450 |
番号外作者 たかむこのとしはる (999)
花の色はたたひとさかりこけれとも返す返すそつゆはそめける
はなのいろは−たたひとさかり−こけれとも−かへすかへすそ−つゆはそめける
異同資料句番号:00450
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00451 |
番号外作者 しけはる (999)
いのちとてつゆをたのむにかたけれは物わひしらになくのへのむし
いのちとて−つゆをたのむに−かたけれは−ものわひしらに−なくのへのむし
異同資料句番号:00451
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00452 |
番号外作者 かけのりのおほきみ (999)
さ夜ふけてなかはたけゆく久方の月ふきかへせ秋の山風
さよふけて−なかはたけゆく−ひさかたの−つきふきかへせ−あきのやまかせ
異同資料句番号:00452
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00453 |
番号外作者 真せいほうし (999)
煙たちもゆとも見えぬ草のはをたれかわらひとなつけそめけむ
けふりたち−もゆともみえぬ−くさのはを−たれかわらひと−なつけそめけむ
異同資料句番号:00453
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00454 |
番号外作者 きのめのと (999)
いささめに時まつまにそ日はへぬる心はせをは人に見えつつ
いささめに−ときまつまにそ−ひはへぬる−こころはせをは−ひとにみえつつ
異同資料句番号:00454
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00455 |
番号外作者 兵衛 (999)
あちきなしなけきなつめそうき事にあひくるみをはすてぬものから
あちきなし−なけきなつめそ−うきことに−あひくるみをは−すてぬものから
異同資料句番号:00455
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00456 |
番号外作者 安倍清行朝臣 (999)
浪のおとのけさからことにきこゆるは春のしらへや改るらむ
なみのおとの−けさからことに−きこゆるは−はるのしらへや−あらたまるらむ
異同資料句番号:00456
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00457 |
兼覧王 (179)
かちにあたる浪のしつくを春なれはいかかさきちる花と見さらむ
かちにあたる−なみのしつくを−はるなれは−いかかさきちる−はなとみさらむ
異同資料句番号:00457
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00458 |
番号外作者 あほのつねみ (999)
かの方にいつからさきにわたりけむ浪ちはあとものこらさりけり
かのかたに−いつからさきに−わたりけむ−なみちはあとも−のこらさりけり
異同資料句番号:00458
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00459 |
伊勢 (019)
浪の花おきからさきてちりくめり水の春とは風やなるらむ
なみのはな−おきからさきて−ちりくめり−みつのはるとは−かせやなるらむ
異同資料句番号:00459
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00460 |
貫之 つらゆき (035)
うはたまのわかくろかみやかはるらむ鏡の影にふれるしらゆき
うはたまの−わかくろかみや−かはるらむ−かかみのかけに−ふれるしらゆき
異同資料句番号:00460
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00461 |
貫之 つらゆき (035)
あしひきの山へにをれは白雲のいかにせよとかはるる時なき
あしひきの−やまへにをれは−しらくもの−いかにせよとか−はるるときなき
異同資料句番号:00461
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00462 |
忠峯 たたみね (030)
夏草のうへはしけれるぬま水のゆくかたのなきわか心かな
なつくさの−うへはしけれる−ぬまみつの−ゆくかたのなき−わかこころかな
異同資料句番号:00462
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00463 |
番号外作者 源ほとこす (999)
秋くれは月のかつらのみやはなるひかりを花とちらすはかりを
あきくれは−つきのかつらの−みやはなる−ひかりをはなと−ちらすはかりを
異同資料句番号:00463
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00464 |
読人不知 よみ人しらす (000)
花ことにあかすちらしし風なれはいくそはくわかうしとかは思ふ
はなことに−あかすちらしし−かせなれは−いくそはくわか−うしとかはおもふ
異同資料句番号:00464
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00465 |
番号外作者 しけはる (999)
春かすみなかしかよひちなかりせは秋くるかりはかへらさらまし
はるかすみ−なかしかよひち−なかりせは−あきくるかりは−かへらさらまし
異同資料句番号:00465
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00466 |
番号外作者 みやこのよしか (999)
流れいつる方たに見えぬ涙河おきひむ時やそこはしられむ
なかれいつる−かたたにみえぬ−なみたかは−おきひむときや−そこはしられむ
異同資料句番号:00466
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00467 |
千里 大江千里 (023)
のちまきのおくれておふるなへなれとあたにはならぬたのみとそきく
のちまきの−おくれておふる−なへなれと−あたにはならぬ−たのみとそきく
異同資料句番号:00467
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00468 |
番号外作者 僧正聖宝 (999)
花のなかめにあくやとてわけゆけは心そともにちりぬへらなる
はなのなか−めにあくやとて−わけゆけは−こころそともに−ちりぬへらなる
異同資料句番号:00468
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00469 |
読人不知 読人しらす (000)
郭公なくやさ月のあやめくさあやめもしらぬこひもするかな
ほとときす−なくやさつきの−あやめくさ−あやめもしらぬ−こひもするかな
異同資料句番号:00469
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00470 |
素性 素性法師 (021)
おとにのみきくの白露よるはおきてひるは思ひにあへすけぬへし
おとにのみ−きくのしらつゆ−よるはおきて−ひるはおもひに−あへすけぬへし
異同資料句番号:00470
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00471 |
貫之 紀貫之 (035)
吉野河いは浪たかく行く水のはやくそ人を思ひそめてし
よしのかは−いはなみたかく−ゆくみつの−はやくそひとを−おもひそめてし
異同資料句番号:00471
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00472 |
番号外作者 藤原勝臣 (999)
白浪のあとなき方に行く舟も風そたよりのしるへなりける
しらなみの−あとなきかたに−ゆくふねも−かせそたよりの−しるへなりける
異同資料句番号:00472
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00473 |
元方 在原元方 (169)
おとは山おとにききつつ相坂の関のこなたに年をふるかな
おとはやま−おとにききつつ−あふさかの−せきのこなたに−としをふるかな
異同資料句番号:00473
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00474 |
元方 在原元方 (169)
立帰りあはれとそ思ふよそにても人に心をおきつ白浪
たちかへり−あはれとそおもふ−よそにても−ひとにこころを−おきつしらなみ
異同資料句番号:00474
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00475 |
貫之 つらゆき (035)
世中はかくこそ有りけれ吹く風のめに見ぬ人もこひしかりけり
よのなかは−かくこそありけれ−ふくかせの−めにみぬひとも−こひしかりけり
異同資料句番号:00475
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00476 |
業平 在原業平朝臣 (017)
見すもあらす見もせぬ人のこひしくはあやなくけふやなかめくらさむ
みすもあらす−みもせぬひとの−こひしくは−あやなくけふや−なかめくらさむ
異同資料句番号:00476
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00477 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しるしらぬなにかあやなくわきていはむ思ひのみこそしるへなりけれ
しるしらぬ−なにかあやなく−わきていはむ−おもひのみこそ−しるへなりけれ
異同資料句番号:00477
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00478 |
忠峯 みふのたたみね (030)
かすかののゆきまをわけておひいてくる草のはつかに見えしきみはも
かすかのの−ゆきまをわけて−おひいてくる−くさのはつかに−みえしきみはも
異同資料句番号:00478
|
00479 |
貫之 つらゆき (035)
山さくら霞のまよりほのかにも見てし人こそこひしかりけれ
やまさくら−かすみのまより−ほのかにも−みてしひとこそ−こひしかりけれ
異同資料句番号:00479
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00480 |
元方 もとかた (169)
たよりにもあらぬおもひのあやしきは心を人につくるなりけり
たよりにも−あらぬおもひの−あやしきは−こころをひとに−つくるなりけり
異同資料句番号:00480
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00481 |
躬恒 凡河内みつね (029)
はつかりのはつかにこゑをききしより中そらにのみ物を思ふかな
はつかりの−はつかにこゑを−ききしより−なかそらにのみ−ものをおもふかな
異同資料句番号:00481
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00482 |
貫之 つらゆき (035)
逢ふ事はくもゐはるかになる神のおとにききつつこひ渡るかな
あふことは−くもゐはるかに−なるかみの−おとにききつつ−こひわたるかな
異同資料句番号:00482
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00483 |
読人不知 読人しらす (000)
かたいとをこなたかなたによりかけてあはすはなにをたまのをにせむ
かたいとを−こなたかなたに−よりかけて−あはすはなにを−たまのをにせむ
異同資料句番号:00483
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00484 |
読人不知 読人しらす (000)
夕くれは雲のはたてに物そ思ふあまつそらなる人をこふとて
ゆふくれは−くものはたてに−ものそおもふ−あまつそらなる−ひとをこふとて
異同資料句番号:00484
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00485 |
読人不知 読人しらす (000)
かりこもの思ひみたれて我こふといもしるらめや人しつけすは
かりこもの−おもひみたれて−わかこふと−いもしるらめや−ひとしつけすは
異同資料句番号:00485
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00486 |
読人不知 読人しらす (000)
つれもなき人をやねたくしらつゆのおくとはなけきぬとはしのはむ
つれもなき−ひとをやねたく−しらつゆの−おくとはなけき−ぬとはしのはむ
異同資料句番号:00486
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00487 |
読人不知 読人しらす (000)
ちはやふるかもの社のゆふたすきひと日も君をかけぬ日はなし
ちはやふる−かものやしろの−ゆふたすき−ひとひもきみを−かけぬひはなし
異同資料句番号:00487
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00488 |
読人不知 読人しらす (000)
わかこひはむなしきそらにみちぬらし思ひやれともゆく方もなし
わかこひは−むなしきそらに−みちぬらし−おもひやれとも−ゆくかたもなし
異同資料句番号:00488
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00489 |
読人不知 読人しらす (000)
するかなるたこの浦浪たたぬひはあれとも君をこひぬ日はなし
するかなる−たこのうらなみ−たたぬひは−あれともきみを−こひぬひはなし
異同資料句番号:00489
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00490 |
読人不知 読人しらす (000)
ゆふつく夜さすやをかへの松のはのいつともわかぬこひもするかな
ゆふつくよ−さすやをかへの−まつのはの−いつともわかぬ−こひもするかな
異同資料句番号:00490
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00491 |
読人不知 読人しらす (000)
葦引の山した水のこかくれてたきつ心をせきそかねつる
あしひきの−やましたみつの−こかくれて−たきつこころを−せきそかねつる
異同資料句番号:00491
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00492 |
読人不知 読人しらす (000)
吉野河いはきりとほし行く水のおとにはたてしこひはしぬとも
よしのかは−いはきりとほし−ゆくみつの−おとにはたてし−こひはしぬとも
異同資料句番号:00492
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00493 |
読人不知 読人しらす (000)
たきつせのなかにもよとはありてふをなとわかこひのふちせともなき
たきつせの−なかにもよとは−ありてふを−なとわかこひの−ふちせともなき
異同資料句番号:00493
|
00494 |
読人不知 読人しらす (000)
山高みした行く水のしたにのみ流れてこひむこひはしぬとも
やまたかみ−したゆくみつの−したにのみ−なかれてこひむ−こひはしぬとも
異同資料句番号:00494
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00495 |
読人不知 読人しらす (000)
思ひいつるときはの山のいはつつしいはねはこそあれこひしきものを
おもひいつる−ときはのやまの−いはつつし−いはねはこそあれ−こひしきものを
異同資料句番号:00495
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00496 |
読人不知 読人しらす (000)
人しれすおもへはくるし紅のすゑつむ花のいろにいてなむ
ひとしれす−おもへはくるし−くれなゐの−すゑつむはなの−いろにいてなむ
異同資料句番号:00496
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00497 |
読人不知 読人しらす (000)
秋の野のをはなにましりさく花のいろにやこひむあふよしをなみ
あきののの−をはなにましり−さくはなの−いろにやこひむ−あふよしをなみ
異同資料句番号:00497
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00498 |
読人不知 読人しらす (000)
わかそのの梅のほつえに鶯のねになきぬへきこひもするかな
わかそのの−うめのほつえに−うくひすの−ねになきぬへき−こひもするかな
異同資料句番号:00498
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00499 |
読人不知 読人しらす (000)
あしひきの山郭公わかことや君にこひつついねかてにする
あしひきの−やまほとときす−わかことや−きみにこひつつ−いねかてにする
異同資料句番号:00499
|
00500 |
読人不知 読人しらす (000)
夏なれはやとにふすふるかやり火のいつまてわか身したもえをせむ
なつなれは−やとにふすふる−かやりひの−いつまてわかみ−したもえにせむ
異同資料句番号:00500
|
00501 |
読人不知 読人しらす (000)
恋せしとみたらし河にせしみそき神はうけすそなりにけらしも
こひせしと−みたらしかはに−せしみそき−かみはうけすそ−なりにけらしも
異同資料句番号:00501
|
00502 |
読人不知 読人しらす (000)
あはれてふ事たになくはなにをかは恋のみたれのつかねをにせむ
あはれてふ−ことたになくは−なにをかは−こひのみたれの−つかねをにせむ
異同資料句番号:00502
|
00503 |
読人不知 読人しらす (000)
おもふには忍ふる事そまけにける色にはいてしとおもひしものを
おもふには−しのふることそ−まけにける−いろにはいてしと−おもひしものを
異同資料句番号:00503
|
00504 |
読人不知 読人しらす (000)
わかこひを人しるらめや敷妙の枕のみこそしらはしるらめ
わかこひを−ひとしるらめや−しきたへの−まくらのみこそ−しらはしるらめ
異同資料句番号:00504
|
00505 |
読人不知 読人しらす (000)
あさちふのをののしの原しのふとも人しるらめやいふ人なしに
あさちふの−をののしのはら−しのふとも−ひとしるらめや−いふひとなしに
異同資料句番号:00505
|
00506 |
読人不知 読人しらす (000)
人しれぬ思ひやなそとあしかきのまちかけれともあふよしのなき
ひとしれぬ−おもひやなそと−あしかきの−まちかけれとも−あふよしのなき
異同資料句番号:00506
|
00507 |
読人不知 読人しらす (000)
思ふともこふともあはむ物なれやゆふてもたゆくとくるしたひも
おもふとも−こふともあはむ−ものなれや−ゆふてもたゆく−とくるしたひも
異同資料句番号:00507
|
00508 |
読人不知 読人しらす (000)
いて我を人なとかめそおほ舟のゆたのたゆたに物思ふころそ
いてわれを−ひとなとかめそ−おほふねの−ゆたのたゆたに−ものおもふころそ
異同資料句番号:00508
|
00509 |
読人不知 読人しらす (000)
伊勢の海につりするあまのうけなれや心ひとつを定めかねつる
いせのうみに−つりするあまの−うけなれや−こころひとつを−ささめかねつる
異同資料句番号:00509
|
00510 |
読人不知 読人しらす (000)
いせのうみのあまのつりなは打ちはへてくるしとのみや思ひ渡らむ
いせのうみの−あまのつりなは−うちはへて−くるしとのみや−おもひわたらむ
異同資料句番号:00510
|
00511 |
読人不知 読人しらす (000)
涙河何みなかみを尋ねけむ物思ふ時のわか身なりけり
なみたかは−なにみなかみを−たつねけむ−ものおもふときの−わかみなりけり
異同資料句番号:00511
|
00512 |
読人不知 読人しらす (000)
たねしあれはいはにも松はおひにけり恋をしこひはあはさらめやは
たねしあれは−いはにもまつは−おひにけり−こひをしこひは−あはさらめやは
異同資料句番号:00512
|
00513 |
読人不知 読人しらす (000)
あさなあさな立つ河霧のそらにのみうきて思ひのある世なりけり
あさなあさな−たつかはきりの−そらにのみ−うきておもひの−あるよなりけり
異同資料句番号:00513
|
00514 |
読人不知 読人しらす (000)
わすらるる時しなけれはあしたつの思ひみたれてねをのみそなく
わすらるる−ときしなけれは−あしたつの−おもひみたれて−ねをのみそなく
異同資料句番号:00514
|
00515 |
読人不知 読人しらす (000)
唐衣ひもゆふくれになる時は返す返すそ人はこひしき
からころも−ひもゆふくれに−なるときは−かへすかへすそ−ひとはこひしき
異同資料句番号:00515
|
00516 |
読人不知 読人しらす (000)
よひよひに枕さためむ方もなしいかにねし夜か夢に見えけむ
よひよひに−まくらさためむ−かたもなし−いかにねしよか−ゆめにみえけむ
異同資料句番号:00516
|
00517 |
読人不知 読人しらす (000)
恋しきに命をかふる物ならはしにはやすくそあるへかりける
こひしきに−いのちをかふる−ものならは−しにはやすくそ−あるへかりける
異同資料句番号:00517
|
00518 |
読人不知 読人しらす (000)
人の身もならはしものをあはすしていさ心みむこひやしぬると
ひとのみも−ならはしものを−あはすして−いさこころみむ−こひやしぬると
異同資料句番号:00518
|
00519 |
読人不知 読人しらす (000)
忍ふれは苦しきものを人しれす思ふてふ事誰にかたらむ
しのふれは−くるしきものを−ひとしれす−おもふてふこと−たれにかたらむ
異同資料句番号:00519
|
00520 |
読人不知 読人しらす (000)
こむ世にもはや成りななむ目の前につれなき人を昔とおもはむ
こむよにも−はやなりななむ−めのまへに−つれなきひとを−むかしとおもはむ
異同資料句番号:00520
|
00521 |
読人不知 読人しらす (000)
つれもなき人をこふとて山ひこのこたへするまてなけきつるかな
つれもなき−ひとをこふとて−やまひこの−こたへするまて−なけきつるかな
異同資料句番号:00521
|
00522 |
読人不知 読人しらす (000)
ゆく水にかすかくよりもはかなきはおもはぬ人を思ふなりけり
ゆくみつに−かすかくよりも−はかなきは−おもはぬひとを−おもふなりけり
異同資料句番号:00522
|
00523 |
読人不知 読人しらす (000)
人を思ふ心は我にあらねはや身の迷ふたにしられさるらむ
ひとをおもふ−こころはわれに−あらねはや−みのまよふたに−しられさるらむ
異同資料句番号:00523
|
00524 |
読人不知 読人しらす (000)
思ひやるさかひはるかになりやするまとふ夢ちにあふ人のなき
おもひやる−さかひはるかに−なりやする−まとふゆめちに−あふひとのなき
異同資料句番号:00524
|
00525 |
読人不知 読人しらす (000)
夢の内にあひ見む事をたのみつつくらせるよひはねむ方もなし
ゆめのうちに−あひみむことを−たのみつつ−くらせるよひは−ねむかたもなし
異同資料句番号:00525
|
00526 |
読人不知 読人しらす (000)
こひしねとするわさならしむはたまのよるはすからに夢に見えつつ
こひしねと−するわさならし−うはたまの−よるはすからに−ゆめにみえつつ
異同資料句番号:00526
|
00527 |
読人不知 読人しらす (000)
涙河枕なかるるうきねには夢もさたかに見えすそありける
なみたかは−まくらなかるる−うきねには−ゆめもさたかに−みえすそありける
異同資料句番号:00527
|
00528 |
読人不知 読人しらす (000)
恋すれはわか身は影と成りにけりさりとて人にそはぬものゆゑ
こひすれは−わかみはかけと−なりにけり−さりとてひとに−そはぬものゆゑ
異同資料句番号:00528
|
00529 |
読人不知 読人しらす (000)
篝火にあらぬわか身のなそもかく涙の河にうきてもゆらむ
かかりひに−あらぬわかみの−なそもかく−なみたのかはに−うきてもゆらむ
異同資料句番号:00529
|
00530 |
読人不知 読人しらす (000)
かかり火の影となる身のわひしきは流れてしたにもゆるなりけり
かかりひの−かけとなるみの−わひしきは−なかれてしたに−もゆるなりけり
異同資料句番号:00530
|
00531 |
読人不知 読人しらす (000)
はやきせに見るめおひせはわか袖の涙の河にうゑましものを
はやきせに−みるめおひせは−わかそての−なみたのかはに−うゑましものを
異同資料句番号:00531
|
00532 |
読人不知 読人しらす (000)
おきへにもよらぬたまもの浪のうへにみたれてのみやこひ渡りなむ
おきへにも−よらぬたまもの−なみのうへに−みたれてのみや−こひわたりなむ
異同資料句番号:00532
|
00533 |
読人不知 読人しらす (000)
あしかものさわく入江の白浪のしらすや人をかくこひむとは
あしかもの−さわくいりえの−しらなみの−しらすやひとを−かくこひむとは
異同資料句番号:00533
|
00534 |
読人不知 読人しらす (000)
人しれぬ思ひをつねにするかなるふしの山こそわか身なりけれ
ひとしれぬ−おもひをつねに−するかなる−ふしのやまこそ−わかみなりけれ
異同資料句番号:00534
|
00535 |
読人不知 読人しらす (000)
とふとりのこゑもきこえぬ奥山のふかき心を人はしらなむ
とふとりの−こゑもきこえぬ−おくやまの−ふかきこころを−ひとはしらなむ
異同資料句番号:00535
|
00536 |
読人不知 読人しらす (000)
相坂のゆふつけとりもわかことく人やこひしきねのみなくらむ
あふさかの−ゆふつけとりも−わかことく−ひとやこひしき−ねのみなくらむ
異同資料句番号:00536
|
00537 |
読人不知 読人しらす (000)
相坂の関になかるるいはし水いはて心に思ひこそすれ
あふさかの−せきになかるる−いはしみつ−いはてこころに−おもひこそすれ
異同資料句番号:00537
|
00538 |
読人不知 読人しらす (000)
うき草のうへはしけれるふちなれや深き心をしる人のなき
うきくさの−うへはしけれる−ふちなれや−ふかきこころを−しるひとのなき
異同資料句番号:00538
|
00539 |
読人不知 読人しらす (000)
打ちわひてよははむ声に山ひこのこたへぬ山はあらしとそ思ふ
うちわひて−よははむこゑに−やまひこの−こたへぬやまは−あらしとそおもふ
異同資料句番号:00539
|
00540 |
読人不知 読人しらす (000)
心かへする物にもかかたこひはくるしき物と人にしらせむ
こころかへ−するものにもか−かたこひは−くるしきものと−ひとにしらせむ
異同資料句番号:00540
|
00541 |
読人不知 読人しらす (000)
よそにしてこふれはくるしいれひものおなし心にいさむすひてむ
よそにして−こふれはくるし−いれひもの−おなしこころに−いさむすひてむ
異同資料句番号:00541
|
00542 |
読人不知 読人しらす (000)
春たてはきゆる氷ののこりなく君か心は我にとけなむ
はるたては−きゆるこほりの−のこりなく−きみかこころは−われにとけなむ
異同資料句番号:00542
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00543 |
読人不知 読人しらす (000)
あけたては蝉のをりはへなきくらしよるはほたるのもえこそわたれ
あけたては−せみのをりはへ−なきくらし−よるはほたるの−もえこそわたれ
異同資料句番号:00543
|
00544 |
読人不知 読人しらす (000)
夏虫の身をいたつらになすこともひとつ思ひによりてなりけり
なつむしの−みをいたつらに−なすことも−ひとつおもひに−よりてなりけり
異同資料句番号:00544
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00545 |
読人不知 読人しらす (000)
ゆふされはいととひかたきわかそてに秋のつゆさへおきそはりつつ
ゆふくれは−いととひかたき−わかそてに−あきのつゆさへ−おきそはりつつ
異同資料句番号:00545
|
00546 |
読人不知 読人しらす (000)
いつとてもこひしからすはあらねとも秋のゆふへはあやしかりけり
いつとても−こひしからすは−あらねとも−あきのゆふへは−あやしかりけり
異同資料句番号:00546
|
00547 |
読人不知 読人しらす (000)
秋の田のほにこそ人をこひさらめなとか心に忘れしもせむ
あきのたの−ほにこそひとを−こひさらめ−なとかこころに−わすれしもせむ
異同資料句番号:00547
|
00548 |
読人不知 読人しらす (000)
あきのたのほのうへをてらすいなつまのひかりのまにも我やわするる
あきのたの−ほのうへをてらす−いなつまの−ひかりのまにも−われやわするる
異同資料句番号:00548
|
00549 |
読人不知 読人しらす (000)
人めもる我かはあやな花すすきなとかほにいててこひすしもあらむ
ひとめもる−われかはあやな−はなすすき−なとかほにいてて−こひすしもあらむ
異同資料句番号:00549
|
00550 |
読人不知 読人しらす (000)
あは雪のたまれはかてにくたけつつわか物思ひのしけきころかな
あはゆきの−たまれはかてに−くたけつつ−わかものおもひの−しけきころかな
異同資料句番号:00550
|
00551 |
読人不知 読人しらす (000)
奥山の管のねしのきふる雪のけぬとかいはむこひのしけきに
おくやまの−すかのねしのき−ふるゆきの−けぬとかいはむ−こひのしけきに
異同資料句番号:00551
|
00552 |
小町 小野小町 (009)
思ひつつぬれはや人の見えつらむ夢としりせはさめさらましを
おもひつつ−ぬれはやひとの−みえつらむ−ゆめとしりせは−さめさらましを
異同資料句番号:00552
|
00553 |
小町 小野小町 (009)
うたたねに恋しきひとを見てしより夢てふ物は思みそめてき
うたたねに−こひしきひとを−みてしより−ゆめてふものは−たのみそめてき
異同資料句番号:00553
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00554 |
小町 小野小町 (009)
いとせめてこひしき時はむは玉のよるの衣を返してそきる
いとせめて−こひしきときは−うはたまの−よるのころもを−かへしてそきる
異同資料句番号:00554
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00555 |
素性 素性法師 (021)
秋風の身にさむけれはつれもなき人をそたのむくるる夜ことに
あきかせの−みにさむけれは−つれもなき−ひとをそたのむ−くるるよことに
異同資料句番号:00555
|
00556 |
番号外作者 あへのきよゆきの朝臣 (999)
つつめとも袖にたまらぬ白玉は人を見ぬめの涙なりけり
つつめとも−そてにたまらぬ−しらたまは−ひとをみぬめの−なみたなりけり
異同資料句番号:00556
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00557 |
小町 こまち (009)
おろかなる涙そそてに玉はなす我はせきあへすたきつせなれは
おろかなる−なみたそそてに−たまはなす−われはせきあへす−たきつせなれは
異同資料句番号:00557
|
00558 |
敏行 藤原としゆきの朝臣 (018)
恋ひわひて打ちぬる中に行きかよふ夢のたたちはうつつならなむ
こひわひて−うちぬるなかに−ゆきかよふ−ゆめのたたちは−うつつならなむ
異同資料句番号:00558
|
00559 |
敏行 藤原としゆきの朝臣 (018)
住の江の岸による浪よるさへやゆめのかよひち人めよくらむ
すみのえの−きしによるなみ−よるさへや−ゆめのかよひち−ひとめよくらむ
異同資料句番号:00559
|
00560 |
番号外作者 をののよしき (999)
わかこひはみ山かくれの草なれやしけさまされとしる人のなき
わかこひは−みやまかくれの−くさなれや−しけさまされと−しるひとのなき
異同資料句番号:00560
|
00561 |
友則 紀とものり (033)
よひのまもはかなく見ゆる夏虫に迷ひまされるこひもするかな
よひのまも−はかなくみゆる−なつむしに−まよひまされる−こひもするかな
異同資料句番号:00561
|
00562 |
友則 紀とものり (033)
ゆふされは蛍よりけにもゆれともひかり見ねはや人のつれなき
ゆふされは−ほたるよりけに−もゆれとも−ひかりみねはや−ひとのつれなき
異同資料句番号:00562
|
00563 |
友則 紀とものり (033)
ささのはにおく霜よりもひとりぬるわか衣手そさえまさりける
ささのはに−おくしもよりも−ひとりぬる−わかころもてそ−さえまさりける
異同資料句番号:00563
|
00564 |
友則 紀とものり (033)
わかやとの菊のかきねにおくしものきえかへりてそこひしかりける
わかやとの−きくのかきねに−おくしもの−きえかへりてそ−こひしかりける
異同資料句番号:00564
|
00565 |
友則 紀とものり (033)
河のせになひくたまものみかくれて人にしられぬこひもするかな
かはのせに−なひくたまもの−みかくれて−ひとにしられぬ−こひもするかな
異同資料句番号:00565
|
00566 |
忠峯 みふのたたみね (030)
かきくらしふる白雪のしたきえにきえて物思ふころにもあるかな
かきくらし−ふるしらゆきの−したきえに−きえてものおもふ−ころにもあるかな
異同資料句番号:00566
|
00567 |
興風 藤原おきかせ (034)
君こふる涙のとこにみちぬれはみをつくしとそ我はなりぬる
きみこふる−なみたのとこに−みちぬれは−みをつくしとそ−われはなりぬる
異同資料句番号:00567
|
00568 |
興風 藤原おきかせ (034)
しぬるいのちいきもやすると心みに玉のをはかりあはむといはなむ
しぬるいのち−いきもやすると−こころみに−たまのをはかり−あはむといはなむ
異同資料句番号:00568
|
00569 |
興風 藤原おきかせ (034)
わひぬれはしひてわすれむと思へとも夢といふ物そ人たのめなる
わひぬれは−しひてわすれむと−おもへとも−ゆめといふものそ−ひとたのめなる
異同資料句番号:00569
|
00570 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わりなくもねてもさめてもこひしきか心をいつちやらはわすれむ
わりなくも−ねてもさめても−こひしきか−こころをいつち−やらはわすれむ
異同資料句番号:00570
|
00571 |
読人不知 よみ人しらす (000)
恋しきにわひてたましひ迷ひなはむなしきからのなにやのこらむ
こひしきに−わひてたましひ−まよひなは−むなしきからの−なにやのこらむ
異同資料句番号:00571
|
00572 |
貫之 紀つらゆき (035)
君こふる涙しなくは唐衣むねのあたりは色もえなまし
きみこふる−なみたしなくは−からころも−むねのあたりは−いろもえなまし
異同資料句番号:00572
|
00573 |
貫之 紀つらゆき (035)
世とともに流れてそ行く涙河冬もこほらぬみなわなりけり
よとともに−なかれてそゆく−なみたかは−ふゆもこほらぬ−みなわなりけり
異同資料句番号:00573
|
00574 |
貫之 紀つらゆき (035)
夢ちにもつゆやおくらむよもすからかよへる袖のひちてかわかぬ
ゆめちにも−つゆやおくらむ−よもすから−かよへるそての−ひちてかわかぬ
異同資料句番号:00574
|
00575 |
素性 そせい法し (021)
はかなくて夢にも人を見つる夜は朝のとこそおきうかりける
はかなくて−ゆめにもひとを−みつるよは−あしたのとこそ−おきうかりける
異同資料句番号:00575
|
00576 |
忠房 藤原たたふさ (182)
いつはりの涙なりせは唐衣しのひに袖はしほらさらまし
いつはりの−なみたなりせは−からころも−しのひにそては−しほらさらまし
異同資料句番号:00576
|
00577 |
千里 大江千里 (023)
ねになきてひちにしかとも春さめにぬれにし袖ととははこたへむ
ねになきて−ひちにしかとも−はるさめに−ぬれにしそてと−とははこたへむ
異同資料句番号:00577
|
00578 |
敏行 としゆきの朝臣 (018)
わかことく物やかなしき郭公時そともなくよたたなくらむ
わかことく−ものやかなしき−ほとときす−ときそともなく−よたたなくらむ
異同資料句番号:00578
|
00579 |
貫之 つらゆき (035)
さ月山こすゑをたかみ郭公なくねそらなるこひもするかな
さつきやま−こすゑをたかみ−ほとときす−なくねそらなる−こひもするかな
異同資料句番号:00579
|
00580 |
躬恒 凡河内みつね (029)
秋きりのはるる時なき心にはたちゐのそらもおもほえなくに
あききりの−はるるときなき−こころには−たちゐのそらも−おもほえなくに
異同資料句番号:00580
|
00581 |
深養父 清原ふかやふ (036)
虫のこと声にたててはなかねとも涙のみこそしたになかるれ
むしのこと−こゑにたてては−なかねとも−なみたのみこそ−したになかるれ
異同資料句番号:00581
|
00582 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋なれは山とよむまてなくしかに我おとらめやひとりぬるよは
あきなれは−やまとよむまて−なくしかに−われおとらめや−ひとりぬるよは
異同資料句番号:00582
|
00583 |
貫之 つらゆき (035)
秋ののにみたれてさける花の色のちくさに物を思ふころかな
あきののに−みたれてさける−はなのいろの−ちくさにものを−おもふころかな
異同資料句番号:00583
|
00584 |
躬恒 みつね (029)
ひとりして物をおもへは秋のよのいなはのそよといふ人のなき
ひとりして−ものをおもへは−あきのよの−いなはのそよと−いふひとのなき
異同資料句番号:00584
|
00585 |
深養父 ふかやふ (036)
人を思ふ心はかりにあらねともくもゐにのみもなきわたるかな
ひとをおもふ−こころはかりに−あらねとも−くもゐにのみも−なきわたるかな
異同資料句番号:00585
|
00586 |
忠峯 たたみね (030)
秋風にかきなすことのこゑにさへはかなく人のこひしかるらむ
あきかせに−かきなすことの−こゑにさへ−はかなくひとの−こひしかるらむ
異同資料句番号:00586
|
00587 |
貫之 つらゆき (035)
まこもかるよとのさは水雨ふれはつねよりことにまさるわかこひ
まこもかる−よとのさはみつ−あめふれは−つねよりことに−まさるわかこひ
異同資料句番号:00587
|
00588 |
貫之 つらゆき (035)
こえぬまはよしのの山のさくら花人つてにのみききわたるかな
こえぬまは−よしののやまの−さくらはな−ひとつてにのみ−ききわたるかな
異同資料句番号:00588
|
00589 |
貫之 つらゆき (035)
露ならぬ心を花におきそめて風吹くことに物思ひそつく
つゆならぬ−こころをはなに−おきそめて−かせふくことに−ものおもひそつく
異同資料句番号:00589
|
00590 |
是則 坂上これのり (031)
わかこひにくらふの山のさくら花まなくちるともかすはまさらし
わかこひに−くらふのやまの−さくらはな−まなくちるとも−かすはまさらし
異同資料句番号:00590
|
00591 |
番号外作者 むねをかのおほより (999)
冬河のうへはこほれる我なれやしたになかれてこひわたるらむ
ふゆかはの−うへはこほれる−われなれや−したになかれて−こひわたるらむ
異同資料句番号:00591
|
00592 |
忠峯 たたみね (030)
たきつせにねさしととめぬうき草のうきたるこひも我はするかな
たきつせに−ねさしととめぬ−うきくさの−うきたるこひも−われはするかな
異同資料句番号:00592
|
00593 |
友則 とものり (033)
よひよひにぬきてわかぬるかり衣かけておもはぬ時のまもなし
よひよひに−ぬきてわかぬる−かりころも−かけておもはぬ−ときのまもなし
異同資料句番号:00593
|
00594 |
友則 とものり (033)
あつまちのさやの中山なかなかになにしか人を思ひそめけむ
あつまちの−さやのなかやま−なかなかに−なにしかひとを−おもひそめけむ
異同資料句番号:00594
|
00595 |
友則 とものり (033)
しきたへの枕のしたに海はあれと人を見るめはおひすそ有りける
しきたへの−まくらのしたに−うみはあれと−ひとをみるめは−おひすそありける
異同資料句番号:00595
|
00596 |
友則 とものり (033)
年をへてきえぬおもひは有りなからよるのたもとは猶こほりけり
としをへて−きえぬおもひは−ありなから−よるのたもとは−なほこほりけり
異同資料句番号:00596
|
00597 |
貫之 つらゆき (035)
わかこひはしらぬ山ちにあらなくに迷ふ心そわひしかりける
わかこひは−しらぬやまちに−あらなくに−まよふこころそ−わひしかりける
異同資料句番号:00597
|
00598 |
貫之 つらゆき (035)
紅のふりいてつつなく涙にはたもとのみこそ色まさりけれ
くれなゐの−ふりいてつつなく−なみたには−たもとのみこそ−いろまさりけれ
異同資料句番号:00598
|
00599 |
貫之 つらゆき (035)
白玉と見えし涙も年ふれはから紅にうつろひにけり
しらたまと−みえしなみたも−としふれは−からくれなゐに−うつろひにけり
異同資料句番号:00599
|
00600 |
躬恒 みつね (029)
夏虫をなにかいひけむ心から我も思ひにもえぬへらなり
なつむしを−なにかいひけむ−こころから−われもおもひに−もえぬへらなり
異同資料句番号:00600
|
00601 |
忠峯 たたみね (030)
風ふけは峰にわかるる白雲のたえてつれなき君か心か
かせふけは−みねにわかるる−しらくもの−たえてつれなき−きみかこころか
異同資料句番号:00601
|
00602 |
忠峯 たたみね (030)
月影にわか身をかふる物ならはつれなき人もあはれとや見む
つきかけに−わかみをかふる−ものならは−つれなきひとも−あはれとやみむ
異同資料句番号:00602
|
00603 |
深養父 ふかやふ (036)
こひしなはたか名はたたし世中のつねなき物といひはなすとも
こひしなは−たかなはたたし−よのなかの−つねなきものと−いひはなすとも
異同資料句番号:00603
|
00604 |
貫之 つらゆき (035)
つのくにのなにはのあしのめもはるにしけきわかこひ人しるらめや
つのくにの−なにはのあしの−めもはるに−しけきわかこひ−ひとしるらめや
異同資料句番号:00604
|
00605 |
貫之 つらゆき (035)
手もふれて月日へにけるしらま弓おきふしよるはいこそねられね
てもふれて−つきひへにける−しらまゆみ−おきふしよるは−いこそねられね
異同資料句番号:00605
|
00606 |
貫之 つらゆき (035)
人しれぬ思ひのみこそわひしけれわか歎をは我のみそしる
ひとしれぬ−おもひのみこそ−わひしけれ−わかなけきをは−われのみそしる
異同資料句番号:00606
|
00607 |
友則 とものり (033)
事にいてていはぬはかりそみなせ河したにかよひてこひしきものを
ことにいてて−いはぬはかりそ−みなせかは−したにかよひて−こひしきものを
異同資料句番号:00607
|
00608 |
躬恒 みつね (029)
君をのみ思ひねにねし夢なれはわか心から見つるなりけり
きみをのみ−おもひねにねし−ゆめなれは−わかこころから−みつるなりけり
異同資料句番号:00608
|
00609 |
忠峯 たたみね (030)
いのちにもまさりてをしくある物は見はてぬゆめのさむるなりけり
いのちにも−まさりてをしく−あるものは−みはてぬゆめの−さむるなりけり
異同資料句番号:00609
|
00610 |
列樹 はるみちのつらき (032)
梓弓ひけは本末わか方によるこそまされこひの心は
あつさゆみ−ひけはもとすゑ−わかかたに−よるこそまされ−こひのこころは
異同資料句番号:00610
|
00611 |
躬恒 みつね (029)
わかこひはゆくへもしらすはてもなし逢ふを限と思ふはかりそ
わかこひは−ゆくへもしらす−はてもなし−あふをかきりと−おもふはかりそ
異同資料句番号:00611
|
00612 |
躬恒 みつね (029)
我のみそかなしかりけるひこほしもあはてすくせる年しなけれは
われのみそ−かなしかりける−ひこほしも−あはてすくせる−とししなけれは
異同資料句番号:00612
|
00613 |
深養父 ふかやふ (036)
今ははやこひしなましをあひ見むとたのめし夢そいのちなりける
いまははや−こひしなましを−あひみむと−たのめしことそ−いのちなりける
異同資料句番号:00613
|
00614 |
躬恒 みつね (029)
たのめつつあはて年ふるいつはりにこりぬ心を人はしらなむ
たのめつつ−あはてとしふる−いつはりに−こりぬこころを−ひとはしらなむ
異同資料句番号:00614
|
00615 |
友則 とものり (033)
いのちやはなにそはつゆのあた物をあふにしかへはをしからなくに
いのちやは−なにそはつゆの−あたものを−あふにしかへは−をしからなくに
異同資料句番号:00615
|
00616 |
業平 在原業平朝臣 (017)
おきもせすねもせてよるをあかしては春の物とてなかめくらしつ
おきもせす−ねもせてよるを−あかしては−はるのものとて−なかめくらしつ
異同資料句番号:00616
|
00617 |
敏行 としゆきの朝臣 (018)
つれつれのなかめにまさる涙河袖のみぬれてあふよしもなし
つれつれの−なかめにまさる−なみたかは−そてのみぬれて−あふよしもなし
異同資料句番号:00617
|
00618 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
あさみこそ袖はひつらめ涙河身さへ流るときかはたのまむ
あさみこそ−そてはひつらめ−なみたかは−みさへなかると−きかはたのまむ
異同資料句番号:00618
|
00619 |
読人不知 よみ人しらす (000)
よるへなみ身をこそとほくへたてつれ心は君か影となりにき
よるへなみ−みをこそとほく−へたてつれ−こころはきみか−かけとなりにき
異同資料句番号:00619
|
00620 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いたつらに行きてはきぬるものゆゑに見まくほしさにいさなはれつつ
いたつらに−ゆきてはきぬる−ものゆゑに−みまくほしさに−いさなはれつつ
異同資料句番号:00620
|
00621 |
読人不知 よみ人しらす(一説、柿本人麿) (000)
あはぬ夜のふる白雪とつもりなは我さへともにけぬへきものを
あはぬよの−ふるしらゆきと−つもりなは−われさへともに−けぬへきものを
異同資料句番号:00621
|
00622 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
秋ののにささわけしあさの袖よりもあはてこしよそひちまさりける
あきののに−ささわけしあさの−そてよりも−あはてこしよそ−ひちまさりける
異同資料句番号:00622
|
00623 |
小町 をののこまち (009)
見るめなきわか身をうらとしらねはやかれなてあまのあしたゆくくる
みるめなき−わかみをうらと−しらねはや−かれなてあまの−あしたゆくくる
異同資料句番号:00623
|
00624 |
宗于 源むねゆきの朝臣 (028)
あはすしてこよひあけなは春の日の長くや人をつらしと思はむ
あはすして−こよひあけなは−はるのひの−なかくやひとを−つらしとおもはむ
異同資料句番号:00624
|
00625 |
忠峯 みふのたたみね (030)
有あけのつれなく見えし別より暁はかりうき物はなし
ありあけの−つれなくみえし−わかれより−あかつきはかり−うきものはなし
異同資料句番号:00625
|
00626 |
元方 在原元方 (169)
逢ふ事のなきさにしよる浪なれは怨みてのみそ立帰りける
あふことの−なきさにしよる−なみなれは−うらみてのみそ−たちかへりける
異同資料句番号:00626
|
00627 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かねてより風にさきたつ浪なれや逢ふ事なきにまたき立つらむ
かねてより−かせにさきたつ−なみなれや−あふことなきに−またきたつらむ
異同資料句番号:00627
|
00628 |
忠峯 たたみね (030)
みちのくに有りといふなるなとり河なきなとりてはくるしかりけり
みちのくに−ありといふなる−なとりかは−なきなとりては−くるしかりけり
異同資料句番号:00628
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00629 |
番号外作者 みはるのありすけ (999)
あやなくてまたきなきなのたつた河わたらてやまむ物ならなくに
あやなくて−またきなきなの−たつたかは−わたらてやまむ−ものならなくに
異同資料句番号:00629
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00630 |
元方 もとかた (169)
人はいさ我はなきなのをしけれは昔も今もしらすとをいはむ
ひとはいさ−われはなきなの−をしけれは−むかしもいまも−しらすとをいはむ
異同資料句番号:00630
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00631 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こりすまに又もなきなはたちぬへし人にくからぬ世にしすまへは
こりすまに−またもなきなは−たちぬへし−ひとにくからぬ−よにしすまへは
異同資料句番号:00631
|
00632 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
ひとしれぬわかかよひちの関守はよひよひことにうちもねななむ
ひとしれぬ−わかかよひちの−せきもりは−よひよひことに−うちもねななむ
異同資料句番号:00632
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00633 |
貫之 つらゆき (035)
しのふれとこひしき時はあしひきの山より月のいててこそくれ
しのふれと−こひしきときは−あしひきの−やまよりつきの−いててこそくれ
異同資料句番号:00633
|
00634 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こひこひてまれにこよひそ相坂のゆふつけ鳥はなかすもあらなむ
こひこひて−まれにこよひそ−あふさかの−ゆふつけとりは−なかすもあらなむ
異同資料句番号:00634
|
00635 |
小町 をののこまち (009)
秋の夜も名のみなりけりあふといへは事そともなくあけぬるものを
あきのよも−なのみなりけり−あふといへは−ことそともなく−あけぬるものを
異同資料句番号:00635
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00636 |
躬恒 凡河内みつね (029)
なかしとも思ひそはてぬ昔より逢ふ人からの秋のよなれは
なかしとも−おもひそはてぬ−むかしより−あふひとからの−あきのよなれは
異同資料句番号:00636
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00637 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しののめのほからほからとあけゆけはおのかきぬきぬなるそかなしき
しののめの−ほからほからと−あけゆけは−おのかきぬきぬ−なるそかなしき
異同資料句番号:00637
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00638 |
番号外作者 藤原国経朝臣 (999)
曙ぬとて今はの心つくからになといひしらぬ思ひそふらむ
あけぬとて−いまはのこころ−つくからに−なといひしらぬ−おもひそふらむ
異同資料句番号:00638
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00639 |
敏行 としゆきの朝臣 (018)
あけぬとてかへる道にはこきたれて雨も涙もふりそほちつつ
あけぬとて−かへるみちには−こきたれて−あめもなみたも−ふりそほちつつ
異同資料句番号:00639
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00640 |
番号外作者 寵 (999)
しののめの別ををしみ我そまつ鳥よりさきに鳴きはしめつる
しののめの−わかれををしみ−われそまつ−とりよりさきに−なきはしめつる
異同資料句番号:00640
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00641 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ほとときす夢かうつつかあさつゆのおきて別れし暁のこゑ
ほとときす−ゆめかうつつか−あさつゆの−おきてわかれし−あかつきのこゑ
異同資料句番号:00641
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00642 |
読人不知 よみ人しらす (000)
玉匣あけは君かなたちぬへみ夜ふかくこしを人見けむかも
たまくしけ−あけはきみかな−たちぬへみ−よふかくこしを−ひとみけむかも
異同資料句番号:00642
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00643 |
千里 大江千里 (023)
けさはしもおきけむ方もしらさりつ思ひいつるそきえてかなしき
けさはしも−おきけむかたも−しらさりつ−おもひいつるそ−きえてかなしき
異同資料句番号:00643
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00644 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
ねぬる夜の夢をはかなみまとろめはいやはかなにもなりまさるかな
ねぬるよの−ゆめをはかなみ−まとろめは−いやはかなにも−なりまさるかな
異同資料句番号:00644
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00645 |
読人不知 よみ人しらす (000)
きみやこし我や行きけむおもほえす夢かうつつかねてかさめてか
きみやこし−われやゆきけむ−おもほえす−ゆめかうつつか−ねてかさめてか
異同資料句番号:00645
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00646 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
かきくらす心のやみに迷ひにき夢うつつとは世人さためよ
かきくらす−こころのやみに−まよひにき−ゆめうつつとは−よひとさためよ
異同資料句番号:00646
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00647 |
読人不知 よみ人しらす (000)
むはたまのやみのうつつはさたかなる夢にいくらもまさらさりけり
うはたまの−やみのうつつは−さたかなる−ゆめにいくらも−まさらさりけり
異同資料句番号:00647
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00648 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さ夜ふけてあまのと渡る月影にあかすも君をあひ見つるかな
さよふけて−あまのとわたる−つきかけに−あかすもきみを−あひみつるかな
異同資料句番号:00648
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00649 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君か名もわかなもたてしなにはなるみつともいふなあひきともいはし
きみかなも−わかなもたてし−なにはなる−みつともいふな−あひきともいはし
異同資料句番号:00649
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00650 |
読人不知 よみ人しらす (000)
名とり河せせのむもれ木あらはれは如何にせむとかあひ見そめけむ
なとりかは−せせのうもれき−あらはれは−いかにせむとか−あひみそめけむ
異同資料句番号:00650
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00651 |
読人不知 よみ人しらす (000)
吉野河水の心ははやくともたきのおとにはたてしとそ思ふ
よしのかは−みつのこころは−はやくとも−たきのおとには−たてしとそおもふ
異同資料句番号:00651
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00652 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こひしくはしたにをおもへ紫のねすりの衣色にいつなゆめ
こひしくは−したにをおもへ−むらさきの−ねすりのころも−いろにいつなゆめ
異同資料句番号:00652
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00653 |
番号外作者 をののはるかせ (999)
花すすきほにいててこひは名ををしみしたゆふひものむすほほれつつ
はなすすき−ほにいててこひは−なををしみ−したゆふひもの−むすほほれつつ
異同資料句番号:00653
|
00654 |
読人不知 よみ人しらす (000)
思ふとちひとりひとりかこひしなはたれによそへてふち衣きむ
おもふとち−ひとりひとりか−こひしなは−たれによそへて−ふちころもきむ
異同資料句番号:00654
|
00655 |
番号外作者 たちはなのきよ木 (999)
なきこふる涙に袖のそほちなはぬきかへかてらよるこそはきめ
なきこふる−なみたにそての−そほちなは−ぬきかへかてら−よるこそはきめ
異同資料句番号:00655
|
00656 |
小町 こまち (009)
うつつにはさもこそあらめ夢にさへ人めをよくと見るかわひしさ
うつつには−さもこそあらめ−ゆめにさへ−ひとめをよくと−みるかわひしさ
異同資料句番号:00656
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00657 |
小町 こまち (009)
限なき思ひのままによるもこむゆめちをさへに人はとかめし
かきりなき−おもひのままに−よるもこむ−ゆめちをさへに−ひとはとかめし
異同資料句番号:00657
|
00658 |
小町 こまち (009)
夢ちにはあしもやすめすかよへともうつつにひとめ見しことはあらす
ゆめちには−あしもやすめす−かよへとも−うつつにひとめ−みしことはあらす
異同資料句番号:00658
|
00659 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おもへとも人めつつみのたかけれは河と見なからえこそわたらね
おもへとも−ひとめつつみの−たかけれは−かはとみなから−えこそわたらね
異同資料句番号:00659
|
00660 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たきつせのはやき心をなにしかも人めつつみのせきととむらむ
たきつせの−はやきこころを−なにしかも−ひとめつつみの−せきととむらむ
異同資料句番号:00660
|
00661 |
友則 きのとものり (033)
紅の色にはいてしかくれぬのしたにかよひてこひはしぬとも
くれなゐの−いろにはいてし−かくれぬの−したにかよひて−こひはしぬとも
異同資料句番号:00661
|
00662 |
躬恒 みつね (029)
冬の池にすむにほ鳥のつれもなくそこにかよふと人にしらすな
ふゆのいけに−すむにほとりの−つれもなく−そこにかよふと−ひとにしらすな
異同資料句番号:00662
|
00663 |
躬恒 みつね (029)
ささのはにおくはつしもの夜をさむみしみはつくとも色にいてめや
ささのはに−おくはつしもの−よをさむみ−しみはつくとも−いろにいてめや
異同資料句番号:00663
|
00664 |
読人不知 読人しらす(一説、あふみのうねめ) (000)
山しなのおとはの山のおとにたに人のしるへくわかこひめかも
やましなの−おとはのやまの−おとにたに−ひとのしるへく−わかこひめかも
異同資料句番号:00664
|
00665 |
深養父 清原ふかやふ (036)
みつしほの流れひるまをあひかたみみるめの浦によるをこそまて
みつしほの−なかれひるまを−あひかたみ−みるめのうらに−よるをこそまて
異同資料句番号:00665
|
00666 |
貞文 平貞文 (161)
白河のしらすともいはしそこきよみ流れて世世にすまむと思へは
しらかはの−しらすともいはし−そこきよみ−なかれてよよに−すまむとおもへは
異同資料句番号:00666
|
00667 |
友則 とものり (033)
したにのみこふれはくるし玉のをのたえてみたれむ人なとかめそ
したにのみ−こふれはくるし−たまのをの−たえてみたれむ−ひとなとかめそ
異同資料句番号:00667
|
00668 |
友則 とものり (033)
わかこひをしのひかねてはあしひきの山橘の色にいてぬへし
わかこひを−しのひかねては−あしひきの−やまたちはなの−いろにいてぬへし
異同資料句番号:00668
|
00669 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おほかたはわか名もみなとこきいてなむ世をうみへたに見るめすくなし
おほかたは−わかなもみなと−こきいてなむ−よをうみへたに−みるめすくなし
異同資料句番号:00669
|
00670 |
貞文 平貞文 (161)
枕より又しる人もなきこひを涙せきあへすもらしつるかな
まくらより−またしるひとも−なきこひを−なみたせきあへす−もらしつるかな
異同資料句番号:00670
|
00671 |
読人不知 よみ人しらす(一説、かきのもとの人まろ) (000)
風ふけは浪打つ岸の松なれやねにあらはれてなきぬへらなり
かせふけは−なみうつきしの−まつなれや−ねにあらはれて−なきぬへらなり
異同資料句番号:00671
|
00672 |
読人不知 よみ人しらす (000)
池にすむ名ををし鳥の水をあさみかくるとすれとあらはれにけり
いけにすむ−なををしとりの−みつをあさみ−かくるとすれと−あらはれにけり
異同資料句番号:00672
|
00673 |
読人不知 よみ人しらす (000)
逢ふ事は玉の緒はかり名のたつは吉野の河のたきつせのこと
あふことは−たまのをはかり−なのたつは−よしののかはの−たきつせのこと
異同資料句番号:00673
|
00674 |
読人不知 よみ人しらす (000)
むらとりのたちにしわか名今更にことなしふともしるしあらめや
むらとりの−たちにしわかな−いまさらに−ことなしむとも−しるしあらめや
異同資料句番号:00674
|
00675 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君によりわかなは花に春霞野にも山にもたちみちにけり
きみにより−わかなははなに−はるかすみ−のにもやまにも−たちみちにけり
異同資料句番号:00675
|
00676 |
伊勢 (019)
しるといへは枕たにせてねしものをちりならぬなのそらにたつらむ
しるといへは−まくらたにせて−ねしものを−ちりならぬなの−そらにたつらむ
異同資料句番号:00676
|
00677 |
読人不知 よみ人しらす (000)
みちのくのあさかのぬまの花かつみかつ見る人にこひやわたらむ
みちのくの−あさかのぬまの−はなかつみ−かつみるひとに−こひやわたらむ
異同資料句番号:00677
|
00678 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あひ見すはこひしきこともなからましおとにそ人をきくへかりける
あひみすは−こひしきことも−なからまし−おとにそひとを−きくへかりける
異同資料句番号:00678
|
00679 |
貫之 つらゆき (035)
いそのかみふるのなか道なかなかに見すはこひしと思はましやは
いそのかみ−ふるのなかみち−なかなかに−みすはこひしと−おもはましやは
異同資料句番号:00679
|
00680 |
番号外作者 ふちはらのたたゆき (999)
君てへは見まれ見すまれふしのねのめつらしけなくもゆるわかこひ
きみてへは−みまれみすまれ−ふしのねの−めつらしけなく−もゆるわかこひ
異同資料句番号:00680
|
00681 |
伊勢 (019)
夢にたに見ゆとは見えしあさなあさなわかおもかけにはつる身なれは
ゆめにたに−みゆとはみえし−あさなあさな−わかおもかけに−はつるみなれは
異同資料句番号:00681
|
00682 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いしま行く水の白浪立帰りかくこそは見めあかすもあるかな
いしまゆく−みつのしらなみ−たちかへり−かくこそはみめ−あかすもあるかな
異同資料句番号:00682
|
00683 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いせのあまのあさなゆふなにかつくてふみるめに人をあくよしもかな
いせのあまの−あさなゆふなに−かつくてふ−みるめにひとを−あくよしもかな
異同資料句番号:00683
|
00684 |
友則 とものり (033)
春霞たなひく山のさくら花見れともあかぬ君にもあるかな
はるかすみ−たなひくやまの−さくらはな−みれともあかぬ−きみにもあるかな
異同資料句番号:00684
|
00685 |
深養父 ふかやふ (036)
心をそわりなき物と思ひぬる見るものからやこひしかるへき
こころをそ−わりなきものと−おもひぬる−みるものからや−こひしかるへき
異同資料句番号:00685
|
00686 |
躬恒 凡河内みつね (029)
かれはてむのちをはしらて夏草の深くも人のおもほゆるかな
かれはてむ−のちをはしらて−なつくさの−ふかくもひとの−おもほゆるかな
異同資料句番号:00686
|
00687 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あすかかはふちはせになる世なりとも思ひそめてむ人はわすれし
あすかかは−ふちはせになる−よなりとも−おもひそめてむ−ひとはわすれし
異同資料句番号:00687
|
00688 |
読人不知 よみ人しらす (000)
思ふてふ事のはのみや秋をへて色もかはらぬ物にはあるらむ
おもふてふ−ことのはのみや−あきをへて−いろもかはらぬ−ものにはあるらむ
異同資料句番号:00688
|
00689 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さむしろに衣かたしきこよひもや我をまつらむうちのはしひめ
さむしろに−ころもかたしき−こよひもや−われをまつらむ−うちのはしひめ
異同資料句番号:00689
|
00690 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君やこむ我やゆかむのいさよひにまきのいたともささすねにけり
きみやこむ−われやゆかむの−いさよひに−まきのいたとも−ささすねにけり
異同資料句番号:00690
|
00691 |
素性 そせいほうし (021)
今こむといひしはかりに長月のありあけの月をまちいてつるかな
いまこむと−いひしはかりに−なかつきの−ありあけのつきを−まちいてつるかな
異同資料句番号:00691
|
00692 |
読人不知 よみ人しらす (000)
月夜よしよよしと人につけやらはこてふににたりまたすしもあらす
つきよよし−よよしとひとに−つけやらは−こてふににたり−またすしもあらす
異同資料句番号:00692
|
00693 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君こすはねやへもいらしこ紫わかもとゆひにしもはおくとも
きみこすは−ねやへもいらし−こむらさき−わかもとゆひに−しもはおくとも
異同資料句番号:00693
|
00694 |
読人不知 よみ人しらす (000)
宮木ののもとあらのこはきつゆをおもみ風をまつこときみをこそまて
みやきのの−もとあらのこはき−つゆをおもみ−かせをまつこと−きみをこそまて
異同資料句番号:00694
|
00695 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あなこひし今も見てしか山かつのかきほにさける山となてしこ
あなこひし−いまもみてしか−やまかつの−かきほにさける−やまとなてしこ
異同資料句番号:00695
|
00696 |
読人不知 よみ人しらす (000)
つのくにのなにはおもはす山しろのとはにあひ見むことをのみこそ
つのくにの−なにはおもはす−やましろの−とはにあひみむ−ことをのみこそ
異同資料句番号:00696
|
00697 |
貫之 つらゆき (035)
しきしまややまとにはあらぬ唐衣ころもへすしてあふよしもかな
しきしまや−やまとにはあらぬ−からころも−ころもへすして−あふよしもかな
異同資料句番号:00697
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00698 |
深養父 ふかやふ (036)
こひしとはたかなつけけむことならむしぬとそたたにいふへかりける
こひしとは−たかなつけけむ−ことならむ−しぬとそたたに−いふへかりける
異同資料句番号:00698
|
00699 |
読人不知 よみ人しらす (000)
三吉野のおほかはのへの藤波のなみにおもははわかこひめやは
みよしのの−おほかはのへの−ふちなみの−なみにおもはは−わかこひめやは
異同資料句番号:00699
|
00700 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かくこひむ物とは我も思ひにき心のうらそまさしかりける
かくこひむ−ものとはわれも−おもひにき−こころのうらそ−まさしかりける
異同資料句番号:00700
|
00701 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あまのはらふみととろかしなる神も思ふなかをはさくるものかは
あまのはら−ふみととろかし−なるかみも−おもふなかをは−さくるものかは
異同資料句番号:00701
|
00702 |
読人不知 よみ人しらす(一説、あめのみかと) (000)
梓弓ひきののつつらすゑつひにわか思ふ人に事のしけけむ
あつさゆみ−ひきののつつら−すゑつひに−わかおもふひとに−ことのしけけむ
異同資料句番号:00702
|
00703 |
読人不知 よみ人しらす(一説、あふみのうねめ) (000)
夏ひきのてひきのいとをくりかへし事しけくともたえむと思ふな
なつひきの−てひきのいとを−くりかへし−こしとけくとも−たえむとおもふな
異同資料句番号:00703
|
00704 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さと人の事は夏ののしけくともかれ行くきみにあはさらめやは
さとひとの−ことはなつのの−しけくとも−かれゆくきみに−あはさらめやは
異同資料句番号:00704
|
00705 |
業平 在原業平朝臣 (017)
かすかすにおもひおもはすとひかたみ身をしる雨はふりそまされる
かすかすに−おもひおもはす−とひかたみ−みをしるあめは−ふりそまされる
異同資料句番号:00705
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00706 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おほぬさのひくてあまたになりぬれはおもへとえこそたのまさりけれ
おほぬさの−ひくてあまたに−なりぬれは−おもへとえこそ−たのまさりけれ
異同資料句番号:00706
|
00707 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
おほぬさと名にこそたてれなかれてもつひによるせはありてふものを
おほぬさと−なにこそたてれ−なかれても−つひによるせは−ありてふものを
異同資料句番号:00707
|
00708 |
読人不知 よみ人しらす (000)
すまのあまのしほやく煙風をいたみおもはぬ方にたなひきにけり
すまのあまの−しほやくけふり−かせをいたみ−おもはぬかたに−たなひきにけり
異同資料句番号:00708
|
00709 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たまかつらはふ木あまたになりぬれはたえぬ心のうれしけもなし
たまかつら−はふきあまたに−なりぬれは−たえぬこころの−うれしけもなし
異同資料句番号:00709
|
00710 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たかさとに夜かれをしてか郭公たたここにしもねたるこゑする
たかさとに−よかれをしてか−ほとときす−たたここにしも−ねたるこゑする
異同資料句番号:00710
|
00711 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いて人は事のみそよき月草のうつし心はいろことにして
いてひとは−ことのみそよき−つきくさの−うつしこころは−いろことにして
異同資料句番号:00711
|
00712 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつはりのなき世なりせはいかはかり人のことのはうれしからまし
いつはりの−なきよなりせは−いかはかり−ひとのことのは−うれしからまし
異同資料句番号:00712
|
00713 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつはりと思ふものから今さらにたかまことをか我はたのまむ
いつはりと−おもふものから−いまさらに−たかまことをか−われはたのまむ
異同資料句番号:00713
|
00714 |
素性 素性法師 (021)
秋風に山のこのはのうつろへは人の心もいかかとそ思ふ
あきかせに−やまのこのはの−うつろへは−ひとのこころも−いかかとそおもふ
異同資料句番号:00714
|
00715 |
友則 とものり (033)
蝉のこゑきけはかなしな夏衣うすくや人のならむと思へは
せみのこゑ−きけはかなしな−なつころも−うすくやひとの−ならむとおもへは
異同資料句番号:00715
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00716 |
読人不知 よみ人しらす (000)
空蝉の世の人ことのしけけれはわすれぬもののかれぬへらなり
うつせみの−よのひとことの−しけけれは−わすれぬものの−かれぬへらなり
異同資料句番号:00716
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00717 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あかてこそおもはむなかははなれなめそをたにのちのわすれかたみに
あかてこそ−おもはむなかは−はなれなめ−そをたにのちの−わすれかたみに
異同資料句番号:00717
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00718 |
読人不知 よみ人しらす (000)
忘れなむと思ふ心のつくからに有りしよりけにまつそこひしき
わすれなむと−おもふこころの−つくからに−ありしよりけに−まつそこひしき
異同資料句番号:00718
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00719 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わすれなむ我をうらむな郭公人の秋にはあはむともせす
わすれなむ−われをうらむな−ほとときす−ひとのあきには−あはむともせす
異同資料句番号:00719
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00720 |
読人不知 よみ人しらす(一説、なかとみのあつま人) (000)
たえすゆくあすかの河のよとみなは心あるとや人のおもはむ
たえすゆく−あすかのかはの−よとみなは−こころあるとや−ひとのおもはむ
異同資料句番号:00720
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00721 |
読人不知 よみ人しらす (000)
よと河のよとむと人は見るらめと流れてふかき心あるものを
よとかはの−よとむとひとは−みるらめと−なかれてふかき−こころあるものを
異同資料句番号:00721
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00722 |
素性 そせい法し (021)
そこひなきふちやはさわく山河のあさきせにこそあたなみはたて
そこひなき−ふちやはさわく−やまかはの−あさきせにこそ−あたなみはたて
異同資料句番号:00722
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00723 |
読人不知 よみ人しらす (000)
紅のはつ花そめの色ふかく思ひし心我わすれめや
くれなゐの−はつはなそめの−いろふかく−おもひしこころ−われわすれめや
異同資料句番号:00723
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00724 |
融 河原左大臣 (014)
みちのくのしのふもちすりたれゆゑにみたれむと思ふ我ならなくに
みちのくの−しのふもちすり−たれゆゑに−みたれむとおもふ−われならなくに
異同資料句番号:00724
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00725 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おもふよりいかにせよとか秋風になひくあさちの色ことになる
おもふより−いかにせよとか−あきかせに−なひくあさちの−いろことになる
異同資料句番号:00725
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00726 |
読人不知 よみ人しらす (000)
千千の色にうつろふらめとしらなくに心し秋のもみちならねは
ちちのいろに−うつろふらめと−しらなくに−こころしあきの−もみちならねは
異同資料句番号:00726
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00727 |
小町 小野小町 (009)
あまのすむさとのしるへにあらなくに怨みむとのみ人のいふらむ
あまのすむ−さとのしるへに−あらなくに−うらみむとのみ−ひとのいふらむ
異同資料句番号:00727
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00728 |
番号外作者 しもつけのをむね (999)
くもり日の影としなれる我なれはめにこそ見えね身をははなれす
くもりひの−かけとしなれる−われなれは−めにこそみえね−みをははなれす
異同資料句番号:00728
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00729 |
貫之 つらゆき (035)
色もなき心を人にそめしよりうつろはむとはおもほえなくに
いろもなき−こころをひとに−そめしより−うつろはむとは−おもほえなくに
異同資料句番号:00729
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00730 |
読人不知 よみ人しらす (000)
めつらしき人を見むとやしかもせぬわかしたひものとけわたるらむ
めつらしき−ひとをみむとや−しかもせぬ−わかしたひもの−とけわたるらむ
異同資料句番号:00730
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00731 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かけろふのそれかあらぬか春雨のふる日となれはそてそぬれぬる
かけろふの−それかあらぬか−はるさめの−ふるひとなれは−そてそぬれぬる
異同資料句番号:00731
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00732 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ほり江こくたななしを舟こきかへりおなし人にやこひわたりなむ
ほりえこく−たななしをふね−こきかへり−おなしひとにや−こひわたりなむ
異同資料句番号:00732
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00733 |
伊勢 (019)
わたつみとあれにしとこを今更にはらははそてやあわとうきなむ
わたつみと−あれにしとこを−いまさらに−はらははそてや−あわとうきなむ
異同資料句番号:00733
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00734 |
貫之 つらゆき (035)
いにしへに猶立帰る心かなこひしきことに物わすれせて
いにしへに−なほたちかへる−こころかな−こひしきことに−ものわすれせて
異同資料句番号:00734
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00735 |
黒主 大伴くろぬし (501)
思ひいててこひしき時ははつかりのなきてわたると人しるらめや
おもひいてて−こひしきときは−はつかりの−なきてわたると−ひとしるらめや
異同資料句番号:00735
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00736 |
番号外作者 典侍藤原よるかの朝臣 (999)
たのめこし事のは今はかへしてむわか身ふるれはおきところなし
たのめこし−ことのはいまは−かへしてむ−わかみふるれは−おきところなし
異同資料句番号:00736
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00737 |
番号外作者 近院の右のおほいまうちきみ (999)
今はとてかへす事のはひろひおきておのかものからかたみとや見む
いまはとて−かへすことのは−ひろひおきて−おのかものから−かたみとやみむ
異同資料句番号:00737
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00738 |
番号外作者 よるかの朝臣 (999)
たまほこの追はつねにもまとはなむ人をとふとも我かとおもはむ
たまほこの−みちはつねにも−まとはなむ−ひとをとふとも−われかとおもはむ
異同資料句番号:00738
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00739 |
読人不知 よみ人しらす (000)
まてといははねてもゆかなむしひて行くこまのあしをれまへのたなはし
まてといはは−ねてもゆかなむ−しひてゆく−こまのあしをれ−まへのたなはし
異同資料句番号:00739
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00740 |
番号外作者 閑院 (999)
相坂のゆふつけ鳥にあらはこそ君かゆききをなくなくも見め
あふさかの−ゆふつけとりに−あらはこそ−きみかゆききを−なくなくもみめ
異同資料句番号:00740
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00741 |
伊勢 (019)
ふるさとにあらぬものからわかために人の心のあれて見ゆらむ
ふるさとに−あらぬものから−わかために−ひとのこころの−あれてみゆらむ
異同資料句番号:00741
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00742 |
番号外作者 寵 (999)
山かつのかきほにはへるあをつつら人はくれともことつてもなし
やまかつの−かきほにはへる−あをつつら−ひとはくれとも−ことつてもなし
異同資料句番号:00742
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00743 |
番号外作者 さかゐのひとさね (999)
おほそらはこひしき人のかたみかは物思ふことになかめらるらむ
おほそらは−こひしきひとの−かたみかは−ものおもふことに−なかめらるらむ
異同資料句番号:00743
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00744 |
読人不知 読人しらす (000)
あふまてのかたみも我はなにせむに見ても心のなくさまなくに
あふまての−かたみもわれは−なにせむに−みてもこころの−なくさまなくに
異同資料句番号:00744
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00745 |
興風 おきかせ (034)
あふまてのかたみとてこそととめけめ涙に浮ふもくつなりけり
あふまての−かたみとてこそ−ととめけめ−なみたにうかふ−もくつなりけり
異同資料句番号:00745
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00746 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かたみこそ今はあたなれこれなくはわするる時もあらましものを
かたみこそ−いまはあたなれ−これなくは−わするるときも−あらましものを
異同資料句番号:00746
|
00747 |
業平 在原業平朝臣 (017)
月やあらぬ春や昔の春ならぬわか身ひとつはもとの身にして
つきやあらぬ−はるやむかしの−はるならぬ−わかみひとつは−もとのみにして
異同資料句番号:00747
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00748 |
仲平 藤原なかひらの朝臣 (504)
花すすき我こそしたに思ひしかほにいてて人にむすはれにけり
はなすすき−われこそしたに−おもひしか−ほにいててひとに−むすはれにけり
異同資料句番号:00748
|
00749 |
兼輔 藤原かねすけの朝臣 (027)
よそにのみきかましものをおとは河渡るとなしに見なれそめけむ
よそにのみ−きかましものを−おとはかは−わたるとなしに−みなれそめけむ
異同資料句番号:00749
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00750 |
躬恒 凡河内みつね (029)
わかことく我をおもはむ人もかなさてもやうきと世を心みむ
わかことく−われをおもはむ−ひともかな−さてもやうきと−よをこころみむ
異同資料句番号:00750
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00751 |
元方 もとかた (169)
久方のあまつそらにもすまなくに人はよそにそ思ふへらなる
ひさかたの−あまつそらにも−すまなくに−ひとはよそにそ−おもふへらなる
異同資料句番号:00751
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00752 |
読人不知 よみひとしらす (000)
見ても又またも見まくのほしけれはなるるを人はいとふへらなり
みてもまた−またもみまくの−ほしけれは−なるるをひとは−いとふへらなり
異同資料句番号:00752
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00753 |
友則 きのとものり (033)
雲もなくなきたるあさの我なれやいとはれてのみ世をはへぬらむ
くももなく−なきたるあさの−われなれや−いとはれてのみ−よをはへぬらむ
異同資料句番号:00753
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00754 |
読人不知 よみ人しらす (000)
花かたみめならふ人のあまたあれはわすられぬらむかすならぬ身は
はなかたみ−めならふひとの−あまたあれは−わすられぬらむ−かすならぬみは
異同資料句番号:00754
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00755 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うきめのみおひて流るる浦なれはかりにのみこそあまはよるらめ
うきめのみ−おひてなかるる−うらなれは−かりにのみこそ−あまはよるらめ
異同資料句番号:00755
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00756 |
伊勢 (019)
あひにあひて物思ふころのわか袖にやとる月さへぬるるかほなる
あひにあひて−ものおもふころの−わかそてに−やとるつきさへ−ぬるるかほなる
異同資料句番号:00756
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00757 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋ならておく白露はねさめするわかた枕のしつくなりけり
あきならて−おくしらつゆは−ねさめする−わかたまくらの−しつくなりけり
異同資料句番号:00757
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00758 |
読人不知 よみ人しらす (000)
すまのあまのしほやき衣をさをあらみまとほにあれや君かきまさぬ
すまのあまの−しほやきころも−をさをあらみ−まとほにあれや−きみかきまさぬ
異同資料句番号:00758
|
00759 |
読人不知 よみ人しらす (000)
山しろのよとのわかこもかりにたにこぬ人たのむ我そはかなき
やましろの−よとのわかこも−かりにたに−こぬひとたのむ−われそはかなき
異同資料句番号:00759
|
00760 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あひ見ねはこひこそまされみなせ河なににふかめて思ひそめけむ
あひみねは−こひこそまされ−みなせかは−なににふかめて−おもひそめけむ
異同資料句番号:00760
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00761 |
読人不知 よみ人しらす (000)
暁のしきのはねかきももはかき君かこぬ夜は我そかすかく
あかつきの−しきのはねかき−ももはかき−きみかこぬよは−われそかすかく
異同資料句番号:00761
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00762 |
読人不知 よみ人しらす (000)
玉かつら今はたゆとや吹く風のおとにも人のきこえさるらむ
たまかつら−いまはたゆとや−ふくかせの−おとにもひとの−きこえさるらむ
異同資料句番号:00762
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00763 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わか袖にまたき時雨のふりぬるは君か心に秋やきぬらむ
わかそてに−またきしくれの−ふりぬるは−きみかこころに−あきやきぬらむ
異同資料句番号:00763
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00764 |
読人不知 よみ人しらす (000)
山の井の浅き心もおもはぬに影はかりのみ人の見ゆらむ
やまのゐの−あさきこころも−おもはぬに−かけはかりのみ−ひとのみゆらむ
異同資料句番号:00764
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00765 |
読人不知 よみ人しらす (000)
忘草たねとらましを逢ふ事のいとかくかたき物としりせは
わすれくさ−たねとらましを−あふことの−いとかくかたき−ものとしりせは
異同資料句番号:00765
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00766 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こふれとも逢ふ夜のなきは忘草夢ちにさへやおひしけるらむ
こふれとも−あふよのなきは−わすれくさ−ゆめちにさへや−おひしけるらむ
異同資料句番号:00766
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00767 |
読人不知 よみ人しらす (000)
夢にたにあふ事かたくなりゆくは我やいをねぬ人やわするる
ゆめにたに−あふことかたく−なりゆくは−われやいをねぬ−ひとやわするる
異同資料句番号:00767
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00768 |
番号外作者 けむけい法し (999)
もろこしも夢に見しかはちかかりきおもはぬ中そはるけかりける
もろこしも−ゆめにみしかは−ちかかりき−おもはぬなかそ−はるけかりける
異同資料句番号:00768
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00769 |
番号外作者 さたののほる (999)
独のみなかめふるやのつまなれは人を忍ふの草そおひける
ひとりのみ−なかめふるやの−つまなれは−ひとをしのふの−くさそおひける
異同資料句番号:00769
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00770 |
遍昭 僧正へんせう (012)
わかやとは道もなきまてあれにけりつれなき人をまつとせしまに
わかやとは−みちもなきまて−あれにけり−つれなきひとを−まつとせしまに
異同資料句番号:00770
|
00771 |
遍昭 僧正へんせう (012)
今こむといひてわかれし朝より思ひくらしのねをのみそなく
いまこむと−いひてわかれし−あしたより−おもひくらしの−ねをのみそなく
異同資料句番号:00771
|
00772 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こめやとは思ふものからひくらしのなくゆふくれはたちまたれつつ
こめやとは−おもふものから−ひくらしの−なくゆふくれは−たちまたれつつ
異同資料句番号:00772
|
00773 |
読人不知 よみ人しらす (000)
今しはとわひにしものをささかにの衣にかかり我をたのむる
いましはと−わひにしものを−ささかにの−ころもにかかり−われをたのむる
異同資料句番号:00773
|
00774 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いまはこしと思ふものから忘れつつまたるる事のまたもやまぬか
いまはこしと−おもふものから−わすれつつ−またるることの−またもやまぬか
異同資料句番号:00774
|
00775 |
読人不知 よみ人しらす (000)
月よにはこぬ人またるかきくもり雨もふらなむわひつつもねむ
つきよには−こぬひとまたる−かきくもり−あめもふらなむ−わひつつもねむ
異同資料句番号:00775
|
00776 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うゑていにし秋田かるまて見えこねはけさはつかりのねにそなきぬる
うゑていにし−あきたかるまて−みえこねは−けさはつかりの−ねにそなきぬる
異同資料句番号:00776
|
00777 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こぬ人をまつゆふくれの秋風はいかにふけはかわひしかるらむ
こぬひとを−まつゆふくれの−あきかせは−いかにふけはか−わひしかるらむ
異同資料句番号:00777
|
00778 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひさしくもなりにけるかなすみのえの松はくるしき物にそありける
ひさしくも−なりにけるかな−すみのえの−まつはくるしき−ものにそありける
異同資料句番号:00778
|
00779 |
兼覧王 かねみのおほきみ (179)
住の江の松ほとひさになりぬれはあしたつのねになかぬ日はなし
すみのえの−まつほとひさに−なりぬれは−あしたつのねに−なかぬひはなし
異同資料句番号:00779
|
00780 |
伊勢 (019)
みわの山いかにまち見む年ふともたつぬる人もあらしと思へは
みわのやま−いかにまちみむ−としふとも−たつぬるひとも−あらしとおもへは
異同資料句番号:00780
|
00781 |
番号外作者 雲林院のみこ (999)
吹きまよふ野風をさむみ秋はきのうつりも行くか人の心の
ふきまよふ−のかせをさむみ−あきはきの−うつりもゆくか−ひとのこころの
異同資料句番号:00781
|
00782 |
小町 をののこまち (009)
今はとてわか身時雨にふりぬれは事のはさへにうつろひにけり
いまはとて−わかみしくれに−ふりぬれは−ことのはさへに−うつろひにけり
異同資料句番号:00782
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00783 |
番号外作者 小野さたき (999)
人を思ふ心のこのはにあらはこそ風のまにまにちりみたれめ
ひとをおもふ−こころのこのはに−あらはこそ−かせのまにまに−ちりもみたれめ
異同資料句番号:00783
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00784 |
番号外作者 きのありつねかむすめ (999)
あま雲のよそにも人のなりゆくかさすかにめには見ゆるものから
あまくもの−よそにもひとの−なりゆくか−さすかにめには−みゆるものから
異同資料句番号:00784
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00785 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
ゆきかへりそらにのみしてふる事はわかゐる山の風はやみなり
ゆきかへり−そらにのみして−ふることは−わかゐるやまの−かせはやみなり
異同資料句番号:00785
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00786 |
番号外作者 かけのりのおほきみ (999)
唐衣なれは身にこそまつはれめかけてのみやはこひむと思ひし
からころも−なれはみにこそ−まつはれめ−かけてのみやは−こひむとおもひし
異同資料句番号:00786
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00787 |
友則 とものり (033)
秋風は身をわけてしもふかなくに人の心のそらになるらむ
あきかせは−みをわけてしも−ふかなくに−ひとのこころの−そらになるらむ
異同資料句番号:00787
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00788 |
宗于 源宗于朝臣 (028)
つれもなくなりゆく人の事のはそ秋よりさきのもみちなりける
つれもなく−なりゆくひとの−ことのはそ−あきよりさきの−もみちなりける
異同資料句番号:00788
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00789 |
番号外作者 兵衛 (999)
しての山ふもとを見てそかへりにしつらき人よりまつこえしとて
してのやま−ふもとをみてそ−かへりにし−つらきひとより−まつこえしとて
異同資料句番号:00789
|
00790 |
番号外作者 こまちかあね (999)
時すきてかれゆくをののあさちには今は思ひそたえすもえける
ときすきて−かれゆくをのの−あさちには−いまはおもひそ−たえすもえける
異同資料句番号:00790
|
00791 |
伊勢 (019)
冬かれののへとわか身を思ひせはもえても春をまたましものを
ふゆかれの−のへとわかみを−おもひせは−もえてもはるを−またましものを
異同資料句番号:00791
|
00792 |
友則 とものり (033)
水のあわのきえてうき身といひなから流れて猶もたのまるるかな
みつのあわの−きえてうきみと−いひなから−なかれてなほも−たのまるるかな
異同資料句番号:00792
|
00793 |
読人不知 よみ人しらす (000)
みなせ河有りて行く水なくはこそつひにわか身をたえぬと思はめ
みなせかは−ありてゆくみつ−なくはこそ−つひにわかみを−たえぬとおもはめ
異同資料句番号:00793
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00794 |
躬恒 みつね (029)
吉野河よしや人こそつらからめはやくいひてし事はわすれし
よしのかは−よしやひとこそ−つらからめ−はやくいひてし−ことはわすれし
異同資料句番号:00794
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00795 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世中の人の心は花そめのうつろひやすき色にそありける
よのなかの−ひとのこころは−はなそめの−うつろひやすき−いろにそありける
異同資料句番号:00795
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00796 |
読人不知 よみ人しらす (000)
心こそうたてにくけれそめさらはうつろふ事もをしからましや
こころこそ−うたてにくけれ−そめさらは−うつろふことも−をしからましや
異同資料句番号:00796
|
00797 |
小町 小野小町 (009)
色見えてうつろふ物は世中の人の心の花にそ有りける
いろみえて−うつろふものは−よのなかの−ひとのこころの−はなにそありける
異同資料句番号:00797
|
00798 |
読人不知 よみ人しらす (000)
我のみや世をうくひすとなきわひむ人の心の花とちりなは
われのみや−よをうくひすと−なきわひむ−ひとのこころの−はなとちりなは
異同資料句番号:00798
|
00799 |
素性 そせい法し (021)
思ふともかれなむ人をいかかせむあかすちりぬる花とこそ見め
おもふとも−かれなむひとを−いかかせむ−あかすちりぬる−はなとこそみめ
異同資料句番号:00799
|
00800 |
読人不知 よみ人しらす (000)
今はとて君かかれなはわかやとの花をはひとり見てやしのはむ
いまはとて−きみかかれなは−わかやとの−はなをはひとり−みてやしのはむ
異同資料句番号:00800
|
00801 |
宗于 むねゆきの朝臣 (028)
忘草かれもやするとつれもなき人の心にしもはおかなむ
わすれくさ−かれもやすると−つれもなき−ひとのこころに−しもはおかなむ
異同資料句番号:00801
|
00802 |
素性 そせい法し (021)
忘草なにをかたねと思ひしはつれなき人の心なりけり
わすれくさ−なにをかたねと−おもひしは−つれなきひとの−こころなりけり
異同資料句番号:00802
|
00803 |
素性 そせい法し (021)
秋の田のいねてふ事もかけなくに何をうしとか人のかるらむ
あきのたの−いねてふことも−かけなくに−なにをうしとか−ひとのかるらむ
異同資料句番号:00803
|
00804 |
貫之 きのつらゆき (035)
はつかりのなきこそわたれ世中の人の心の秋しうけれは
はつかりの−なきこそわたれ−よのなかの−ひとのこころの−あきしうけれは
異同資料句番号:00804
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00805 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あはれともうしとも物を思ふ時なとか涙のいとなかるらむ
あはれとも−うしともものを−おもふとき−なにかなみたの−いとなかるらむ
異同資料句番号:00805
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00806 |
読人不知 よみ人しらす (000)
身をうしと思ふにきえぬ物なれはかくてもへぬるよにこそ有りけれ
みをうしと−おもふにきえぬ−ものなれは−かくてもへぬる−よにこそありけれ
異同資料句番号:00806
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00807 |
番号外作者 典侍藤原直子朝臣 (999)
あまのかるもにすむむしの我からとねをこそなかめ世をはうらみし
あまのかる−もにすむむしの−われからと−ねをこそなかめ−よをはうらみし
異同資料句番号:00807
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00808 |
番号外作者 いなは (999)
あひ見ぬもうきもわか身のから衣思ひしらすもとくるひもかな
あひみぬも−うきもわかみの−からころも−おもひしらすも−とくるひもかな
異同資料句番号:00808
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00809 |
番号外作者 すかののたたおむ (999)
つれなきを今はこひしとおもへとも心よわくもおつる涙か
つれなきを−いまはこひしと−おもへとも−こころよわくも−おつるなみたか
異同資料句番号:00809
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00810 |
伊勢 (019)
人しれすたえなましかはわひつつもなき名そとたにいはましものを
ひとしれす−たえなましかは−わひつつも−なきなそとたに−いはましものを
異同資料句番号:00810
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00811 |
読人不知 よみ人しらす (000)
それをたに思ふ事とてわかやとを見きとないひそ人のきかくに
それをたに−おもふこととて−わかやとを−みきとないひそ−ひとのきかくに
異同資料句番号:00811
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00812 |
読人不知 よみ人しらす (000)
逢ふ事のもはらたえぬる時にこそ人のこひしきこともしりけれ
あふことの−もはらたえぬる−ときにこそ−ひとのこひしき−こともしりけれ
異同資料句番号:00812
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00813 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わひはつる時さへ物の悲しきはいつこをしのふ涙なるらむ
わひはつる−ときさへものの−かなしきは−いつこをしのふ−なみたなるらむ
異同資料句番号:00813
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00814 |
興風 藤原おきかせ (034)
怨みてもなきてもいはむ方そなきかかみに見ゆる影ならすして
うらみても−なきてもいはむ−かたそなき−かかみにみゆる−かけならすして
異同資料句番号:00814
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00815 |
読人不知 よみ人しらす (000)
夕されは人なきとこを打ちはらひなけかむためとなれるわかみか
ゆふされは−ひとなきとこを−うちはらひ−なけかむためと−なれるわかみか
異同資料句番号:00815
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00816 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わたつみのわか身こす浪立返りあまのすむてふうらみつるかな
わたつみの−わかみこすなみ−たちかへり−あまのすむてふ−うらみつるかな
異同資料句番号:00816
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00817 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あらを田をあらすきかへしかへしても人の心を見てこそやまめ
あらをたを−あらすきかへし−かへしても−ひとのこころを−みてこそやまめ
異同資料句番号:00817
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00818 |
読人不知 よみ人しらす (000)
有そ海の浜のまさことたのめしは忘るる事のかすにそ有りける
ありそうみの−はまのまさこと−たのめしは−わするることの−かすにそありける
異同資料句番号:00818
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00819 |
読人不知 よみ人しらす (000)
葦辺より雲ゐをさして行く雁のいやとほさかるわか身かなしも
あしへより−くもゐをさして−ゆくかりの−いやとほさかる−わかみかなしも
異同資料句番号:00819
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00820 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しくれつつもみつるよりも事のはの心の秋にあふそわひしき
しくれつつ−もみつるよりも−ことのはの−こころのあきに−あふそわひしき
異同資料句番号:00820
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00821 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋風のふきとふきぬるむさしのはなへて草はの色かはりけり
あきかせの−ふきとふきぬる−むさしのは−なへてくさはの−いろかはりけり
異同資料句番号:00821
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00822 |
小町 (009)
あきかせにあふたのみこそかなしけれわか身むなしくなりぬと思へは
あきかせに−あふたのみこそ−かなしけれ−わかみむなしく−なりぬとおもへは
異同資料句番号:00822
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00823 |
貞文 平貞文 (161)
秋風の吹きうらかへすくすのはのうらみても猶うらめしきかな
あきかせの−ふきうらかへす−くすのはの−うらみてもなほ−うらめしきかな
異同資料句番号:00823
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00824 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あきといへはよそにそききしあた人の我をふるせる名にこそ有りけれ
あきといへは−よそにそききし−あたひとの−われをふるせる−なにこそありけれ
異同資料句番号:00824
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00825 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わすらるる身をうちはしの中たえて人もかよはぬ年そへにける
わすらるる−みをうちはしの−なかたえて−ひともかよはぬ−としそへにける
異同資料句番号:00825
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00826 |
是則 坂上これのり (031)
あふ事をなからのはしのなからへてこひ渡るまに年そへにける
あふことを−なからのはしの−なからへて−こひわたるまに−としそへにける
異同資料句番号:00826
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00827 |
友則 とものり (033)
うきなからけぬるあわともなりななむ流れてとたにたのまれぬ身は
うきなから−けぬるあわとも−なりななむ−なかれてとたに−たのまれぬみは
異同資料句番号:00827
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00828 |
読人不知 読人しらす (000)
流れては妹背の山のなかにおつるよしのの河のよしや世中
なかれては−いもせのやまの−なかにおつる−よしののかはの−よしやよのなか
異同資料句番号:00828
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00829 |
篁 小野たかむらの朝臣 (011)
なく涙雨とふらなむわたり河水まさりなはかへりくるかに
なくなみた−あめとふらなむ−わたりかは−みつまさりなは−かへりくるかに
異同資料句番号:00829
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00830 |
素性 そせい法し (021)
ちの涙おちてそたきつ白河は君か世まての名にこそ有りけれ
ちのなみた−おちてそたきつ−しらかはは−きみかよまての−なにこそありけれ
異同資料句番号:00830
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00831 |
番号外作者 僧都勝延 (999)
空蝉はからを見つつもなくさめつ深草の山煙たにたて
うつせみは−からをみつつも−なくさめつ−ふかくさのやま−けふりたにたて
異同資料句番号:00831
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00832 |
番号外作者 かむつけのみねを (999)
ふかくさののへの桜し心あらはことしはかりはすみそめにさけ
ふかくさの−のへのさくらし−こころあらは−ことしはかりは−すみそめにさけ
異同資料句番号:00832
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00833 |
友則 きのとものり (033)
ねても見ゆねても見えけりおほかたは空蝉の世そ夢には有りける
ねてもみゆ−ねてもみえけり−おほかたは−うつせみのよそ−ゆめにはありける
異同資料句番号:00833
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00834 |
貫之 紀つらゆき (035)
夢とこそいふへかりけれ世中にうつつある物と思ひけるかな
ゆめとこそ−いふへかりけれ−よのなかに−うつつあるものと−おもひけるかな
異同資料句番号:00834
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00835 |
忠峯 みふのたたみね (030)
ぬるかうちに見るをのみやは夢といはむはかなき世をもうつつとは見す
ぬるかうちに−みるをのみやは−ゆめといはむ−はかなきよをも−うつつとはみす
異同資料句番号:00835
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00836 |
忠峯 みふのたたみね (030)
せをせけはふちとなりてもよとみけりわかれをとむるしからみそなき
せをせけは−ふちとなりても−よとみけり−わかれをとむる−しからみそなき
異同資料句番号:00836
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00837 |
番号外作者 閑院 (999)
さきたたぬくいのやちたひかなしきはなかるる水のかへりこぬなり
さきたたぬ−くいのやちたひ−かなしきは−なかるるみつの−かへりこぬなり
異同資料句番号:00837
|
00838 |
貫之 つらゆき (035)
あすしらぬわか身とおもへとくれぬまのけふは人こそかなしかりけれ
あすしらぬ−わかみとおもへと−くれぬまの−けふはひとこそ−かなしかりけれ
異同資料句番号:00838
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00839 |
忠峯 たたみね (030)
時しもあれ秋やは人のわかるへきあるを見るたにこひしきものを
ときしもあれ−あきやはひとの−わかるへき−あるをみるたに−こひしきものを
異同資料句番号:00839
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00840 |
躬恒 凡河内みつね (029)
神な月時雨にぬるるもみちははたたわひ人のたもとなりけり
かみなつき−しくれにぬるる−もみちはは−たたわひひとの−たもとなりけり
異同資料句番号:00840
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00841 |
忠峯 たたみね (030)
ふち衣はつるるいとはわひ人の涙の玉のをとそなりける
ふちころも−はつるるいとは−わひひとの−なみたのたまの−をとそなりける
異同資料句番号:00841
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00842 |
貫之 つらゆき (035)
あさ露のおくての山田かりそめにうき世中を思ひぬるかな
あさつゆの−おくてのやまた−かりそめに−うきよのなかを−おもひぬるかな
異同資料句番号:00842
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00843 |
忠峯 たたみね (030)
すみそめの君かたもとは雲なれやたえす涙の雨とのみふる
すみそめの−きみかたもとは−くもなれや−たえすなみたの−あめとのみふる
異同資料句番号:00843
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00844 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あしひきの山へに今はすみそめの衣の袖はひる時もなし
あしひきの−やまへにいまは−すみそめの−ころものそての−ひるときもなし
異同資料句番号:00844
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00845 |
篁 たかむらの朝臣 (011)
水のおもにしつく花の色さやかにも君かみかけのおもほゆるかな
みつのおもに−しつくはなのいろ−さやかにも−きみかみかけの−おもほゆるかな
異同資料句番号:00845
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00846 |
康秀 文屋やすひて (022)
草ふかき霞の谷に影かくしてるひのくれしけふにやはあらぬ
くさふかき−かすみのたにに−かけかくし−てるひのくれし−けふにやはあらぬ
異同資料句番号:00846
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00847 |
遍昭 僧正遍昭 (012)
みな人は花の衣になりぬなりこけのたもとよかわきたにせよ
みなひとは−はなのころもに−なりぬなり−こけのたもとよ−かわきたにせよ
異同資料句番号:00847
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00848 |
番号外作者 近院右のおほいまうちきみ (999)
うちつけにさひしくもあるかもみちはもぬしなきやとは色なかりけり
うちつけに−さひしくもあるか−もみちはも−ぬしなきやとは−いろなかりけり
異同資料句番号:00848
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00849 |
貫之 つらゆき (035)
郭公けさなくこゑにおとろけは君を別れし時にそありける
ほとときす−けさなくこゑに−おとろけは−きみにわかれし−ときにそありける
異同資料句番号:00849
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00850 |
番号外作者 きのもちゆき (999)
花よりも人こそあたになりにけれいつれをさきにこひむとか見し
はなよりも−ひとこそあたに−なりにけれ−いつれをさきに−こひむとかみし
異同資料句番号:00850
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00851 |
貫之 つらゆき (035)
色もかも昔のこさににほへともうゑけむ人の影そこひしき
いろもかも−むかしのこさに−にほへとも−うゑけむひとの−かけそこひしき
異同資料句番号:00851
|
00852 |
貫之 つらゆき (035)
君まさて煙たえにししほかまの浦さひしくも見え渡るかな
きみまさて−けふりたえにし−しほかまの−うらさひしくも−みえわたるかな
異同資料句番号:00852
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00853 |
番号外作者 みはるのありすけ (999)
きみかうゑしひとむらすすき虫のねのしけきのへともなりにけるかな
きみかうゑし−ひとむらすすき−むしのねの−しけきのへとも−なりにけるかな
異同資料句番号:00853
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00854 |
友則 とものり (033)
ことならは事のはさへもきえななむ見れは涙のたきまさりけり
ことならは−ことのはさへも−きえななむ−みれはなみたの−たきまさりけり
異同資料句番号:00854
|
00855 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なき人のやとにかよはは郭公かけてねにのみなくとつけなむ
なきひとの−やとにかよはは−ほとときす−かけてねにのみ−なくとつけなむ
異同資料句番号:00855
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00856 |
読人不知 よみ人しらす (000)
誰見よと花さけるらむ白雲のたつのとはやくなりにしものを
たれみよと−はなさけるらむ−しらくもの−たつのとはやく−なりにしものを
異同資料句番号:00856
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00857 |
番号外作者 閑院の五のみこ (999)
かすかすに我をわすれぬものならは山の霞をあはれとは見よ
かすかすに−われをわすれぬ−ものならは−やまのかすみを−あはれとはみよ
異同資料句番号:00857
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00858 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こゑをたにきかてわかるるたまよりもなきとこにねむ君そかなしき
こゑをたに−きかてわかるる−たまよりも−なきとこにねむ−きみそかなしき
異同資料句番号:00858
|
00859 |
千里 大江千里 (023)
もみちはを風にまかせて見るよりもはかなき物はいのちなりけり
もみちはを−かせにまかせて−みるよりも−はかなきものは−いのちなりけり
異同資料句番号:00859
|
00860 |
番号外作者 藤原これもと (999)
つゆをなとあたなる物と思ひけむわか身も草におかぬはかりを
つゆをなと−あたなるものと−おもひけむ−わかみもくさに−おかぬはかりを
異同資料句番号:00860
|
00861 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
つひにゆくみちとはかねてききしかときのふけふとはおもはさりしを
つひにゆく−みちとはかねて−ききしかと−きのふけふとは−おもはさりしを
異同資料句番号:00861
|
00862 |
番号外作者 在原しけはる (999)
かりそめのゆきかひちとそ思ひこし今はかきりのかとてなりけり
かりそめの−ゆきかひちとそ−おもひこし−いまはかきりの−かとてなりけり
異同資料句番号:00862
|
00863 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかうへに露そおくなるあまの河とわたる舟のかいのしつくか
わかうへに−つゆそおくなる−あまのかは−とわたるふねの−かいのしつくか
異同資料句番号:00863
|
00864 |
読人不知 よみ人しらす (000)
思ふとちまとゐせる夜は唐錦たたまくをしき物にそありける
おもふとち−まとゐせるよは−からにしき−たたまくをしき−ものにそありける
異同資料句番号:00864
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00865 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うれしきをなににつつまむ唐衣たもとゆたかにたてといはましを
うれしきを−なににつつまむ−からころも−たもとゆたかに−たてといはましを
異同資料句番号:00865
|
00866 |
読人不知 よみ人しらす(一説、さきのおほいまうち君) (000)
限なき君かためにとをる花はときしもわかぬ物にそ有りける
かきりなき−きみかためにと−をるはなは−ときしもわかぬ−ものにそありける
異同資料句番号:00866
|
00867 |
読人不知 よみ人しらす (000)
紫のひともとゆゑにむさしのの草はみなからあはれとそ見る
むらさきの−ひともとゆゑに−むさしのの−くさはみなから−あはれとそみる
異同資料句番号:00867
|
00868 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
紫の色こき時はめもはるに野なる草木そわかれさりける
むらさきの−いろこきときは−めもはるに−のなるくさきそ−わかれさりける
異同資料句番号:00868
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00869 |
番号外作者 近院右のおほいまうちきみ (999)
色なしと人や見るらむ昔よりふかき心にそめてしものを
いろなしと−ひとやみるらむ−むかしより−ふかきこころに−そめてしものを
異同資料句番号:00869
|
00870 |
番号外作者 ふるのいまみち (999)
日のひかりやふしわかねはいそのかみふりにしさとに花もさきけり
ひのひかり−やふしわかねは−いそのかみ−ふりにしさとに−はなもさきけり
異同資料句番号:00870
|
00871 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
おほはらやをしほの山もけふこそは神世の事も思ひいつらめ
おほはらや−をしほのやまも−けふこそは−かみよのことも−おもひいつらめ
異同資料句番号:00871
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00872 |
遍昭 よしみねのむねさた (012)
あまつかせ雲のかよひち吹きとちよをとめのすかたしはしととめむ
あまつかせ−くものかよひち−ふきとちよ−をとめのすかた−しはしととめむ
異同資料句番号:00872
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00873 |
融 河原の左のおほいまうちきみ (014)
ぬしやたれとへとしら玉いはなくにさらはなへてやあはれとおもはむ
ぬしやたれ−とへとしらたま−いはなくに−さらはなへてや−あはれとおもはむ
異同資料句番号:00873
|
00874 |
敏行 としゆきの朝臣 (018)
玉たれのこかめやいつらこよろきのいその浪わけおきにいてにけり
たまたれの−こかめやいつら−こよろきの−いそのなみわけ−おきにいてにけり
異同資料句番号:00874
|
00875 |
番号外作者 けむけいほうし (999)
かたちこそみ山かくれのくち木なれ心は花になさはなりなむ
かたちこそ−みやまかくれの−くちきなれ−こころははなに−なさはなりなむ
異同資料句番号:00875
|
00876 |
友則 きのとものり (033)
蝉のはのよるの衣はうすけれとうつりかこくもにほひぬるかな
せみのはの−よるのころもは−うすけれと−うつりかこくも−にほひぬるかな
異同資料句番号:00876
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00877 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おそくいつる月にもあるかな葦引の山のあなたもをしむへらなり
おそくいつる−つきにもあるかな−あしひきの−やまのあなたも−をしむへらなり
異同資料句番号:00877
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00878 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わか心なくさめかねつさらしなやをはすて山にてる月を見て
わかこころ−なくさめかねつ−さらしなや−をはすてやまに−てるつきをみて
異同資料句番号:00878
|
00879 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
おほかたは月をもめてしこれそこのつもれは人のおいとなるもの
おほかたは−つきをもめてし−これそこの−つもれはひとの−おいとなるもの
異同資料句番号:00879
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00880 |
貫之 きのつらゆき (035)
かつ見れとうとくもあるかな月影のいたらぬさともあらしと思へは
かつみれと−うとくもあるかな−つきかけの−いたらぬさとも−あらしとおもへは
異同資料句番号:00880
|
00881 |
貫之 きのつらゆき (035)
ふたつなき物と思ひしをみなそこに山のはならていつる月かけ
ふたつなき−ものとおもひしを−みなそこに−やまのはならて−いつるつきかけ
異同資料句番号:00881
|
00882 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あまの河雲のみをにてはやけれはひかりととめす月そなかるる
あまのかは−くものみをにて−はやけれは−ひかりととめす−つきそなかるる
異同資料句番号:00882
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00883 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あかすして月のかくるる山本はあなたおもてそこひしかりける
あかすして−つきのかくるる−やまもとは−あなたおもてそ−こひしかりける
異同資料句番号:00883
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00884 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
あかなくにまたきも月のかくるるか山のはにけていれすもあらなむ
あかなくに−またきもつきの−かくるるか−やまのはにけて−いれすもあらなむ
異同資料句番号:00884
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00885 |
番号外作者 あま敬信 (999)
おほそらをてりゆく月しきよけれは雲かくせともひかりけなくに
おほそらを−てりゆくつきし−きよけれは−くもかくせとも−ひかりけなくに
異同資料句番号:00885
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00886 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いそのかみふるからをののもとかしは本の心はわすられなくに
いそのかみ−ふるからをのの−もとかしは−もとのこころは−わすられなくに
異同資料句番号:00886
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00887 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いにしへの野中のし水ぬるけれと本の心をしる人そくむ
いにしへの−のなかのしみつ−ぬるけれと−もとのこころを−しるひとそくむ
異同資料句番号:00887
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00888 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いにしへのしつのをたまきいやしきもよきもさかりは有りしものなり
いにしへの−しつのをたまき−いやしきも−よきもさかりは−ありしものなり
異同資料句番号:00888
|
00889 |
読人不知 よみ人しらす (000)
今こそあれ我も昔はをとこ山さかゆく時も有りこしものを
いまこそあれ−われもむかしは−をとこやま−さかゆくときも−ありこしものを
異同資料句番号:00889
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00890 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世中にふりぬる物はつのくにのなからのはしと我となりけり
よのなかに−ふりぬるものは−つのくにの−なからのはしと−われとなりけり
異同資料句番号:00890
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00891 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ささのはにふりつむ雪のうれをおもみ本くたちゆくわかさかりはも
ささのはに−ふりつむゆきの−うれをおもみ−もとくたちゆく−わかさかりはも
異同資料句番号:00891
|
00892 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おほあらきのもりのした草おいぬれは駒もすさめすかる人もなし
おほあらきの−もりのしたくさ−おいぬれは−こまもすさへす−かるひともなし
異同資料句番号:00892
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00893 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かそふれはとまらぬ物を年といひてことしはいたくおいそしにける
かそふれは−とまらぬものを−としといひて−ことしはいたく−おいそしにける
異同資料句番号:00893
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00894 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おしてるやなにはのみつにやくしほのからくも我はおいにけるかな
おしてるや−なにはのみつに−やくしほの−からくもわれは−おいにけるかな
異同資料句番号:00894
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00895 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おいらくのこむとしりせはかとさしてなしとこたへてあはさらましを
おいらくの−こむとしりせは−かとさして−なしとこたへて−あはさらましを
異同資料句番号:00895
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00896 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さかさまに年もゆかなむとりもあへすすくるよはひやともにかへると
さかさまに−としもゆかなむ−とりもあへす−すくるよはひや−ともにかへると
異同資料句番号:00896
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00897 |
読人不知 よみ人しらす (000)
とりとむる物にしあらねは年月をあはれあなうとすくしつるかな
とりとむる−ものにしあらねは−としつきを−あはれあなうと−すくしつるかな
異同資料句番号:00897
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00898 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ととめあへすむへもとしとはいはれけりしかもつれなくすくるよはひか
ととめあへす−うへもとしとは−いはれけり−しかもつれなく−すくるよはひか
異同資料句番号:00898
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00899 |
読人不知 よみ人しらす(一説、おほとものくろぬし) (000)
鏡山いさ立ちよりて見てゆかむ年へぬる身はおいやしぬると
かかみやま−いさたちよりて−みてゆかむ−としへぬるみは−おいやしぬると
異同資料句番号:00899
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00900 |
番号外作者 業平朝臣のははのみこ (999)
老いぬれはさらぬ別もありといへはいよいよ見まくほしき君かな
おいぬれは−さらぬわかれも−ありといへは−いよいよみまく−ほしききみかな
異同資料句番号:00900
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00901 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
世中にさらぬ別のなくもかな千世もとなけく人のこのため
よのなかに−さらぬわかれの−なくもかな−ちよもとなけく−ひとのこのため
異同資料句番号:00901
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00902 |
棟梁 在原むねやな (180)
白雪のやへふりしけるかへる山かへるかへるもおいにけるかな
しらゆきの−やへふりしける−かへるやま−かへるかへるも−おいにけるかな
異同資料句番号:00902
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00903 |
敏行 としゆきの朝臣 (018)
おいぬとてなとかわか身をせめきけむおいすはけふにあはましものか
おいぬとて−なとかわかみを−せめきけむ−おいすはけふに−あはましものか
異同資料句番号:00903
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00904 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ちはやふる宇治の橋守なれをしそあはれとは思ふ年のへぬれは
ちはやふる−うちのはしもり−なれをしそ−あはれとはおもふ−としのへぬれは
異同資料句番号:00904
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00905 |
読人不知 よみ人しらす (000)
我見てもひさしく成りぬ住の江の岸の姫松いくよへぬらむ
われみても−ひさしくなりぬ−すみのえの−きしのひめまつ−いくよへぬらむ
異同資料句番号:00905
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00906 |
読人不知 よみ人しらす (000)
住吉の岸のひめ松人ならはいく世かへしととはましものを
すみよしの−きしのひめまつ−ひとならは−いくよかへしと−とはましものを
異同資料句番号:00906
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00907 |
読人不知 よみ人しらす(一説、柿本人麿) (000)
梓弓いそへのこ松たか世にかよろつ世かねてたねをまきけむ
あつさゆみ−いそへのこまつ−たかよにか−よろつよかねて−たねをまきけむ
異同資料句番号:00907
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00908 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かくしつつ世をやつくさむ高砂のをのへにたてる松ならなくに
かくしつつ−よをやつくさむ−たかさこの−をのへにたてる−まつならなくに
異同資料句番号:00908
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00909 |
興風 藤原おきかせ (034)
誰をかもしる人にせむ高砂の松も昔の友ならなくに
たれをかも−しるひとにせむ−たかさこの−まつもむかしの−ともならなくに
異同資料句番号:00909
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00910 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わたつ海のおきつしほあひにうかふあわのきえぬものからよる方もなし
わたつうみの−おきつしほあひに−うかふあわの−きえぬものから−よるかたもなし
異同資料句番号:00910
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00911 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わたつ海のかさしにさせる白妙の浪もてゆへる淡路しま山
わたつうみの−かさしにさせる−しろたへの−なみもてゆへる−あはちしまやま
異同資料句番号:00911
|
00912 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わたの原よせくる浪のしはしはも見まくのほしき玉津島かも
わたのはら−よせくるなみの−しはしはも−みまくのほしき−たまつしまかも
異同資料句番号:00912
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00913 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なにはかたしほみちくらしあま衣たみのの島にたつなき渡る
なにはかた−しほみちくらし−あまころも−たみののしまに−たつなきわたる
異同資料句番号:00913
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00914 |
忠房 藤原たたふさ (182)
君を思ひおきつのはまになくたつの尋ねくれはそありとたにきく
きみをおもひ−おきつのはまに−なくたつの−たつねくれはそ−ありとたにきく
異同資料句番号:00914
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00915 |
貫之 つらゆき (035)
おきつ浪たかしのはまの浜松の名にこそ君をまちわたりつれ
おきつなみ−たかしのはまの−はままつの−なにこそきみを−まちわたりつれ
異同資料句番号:00915
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00916 |
貫之 つらゆき (035)
なにはかたおふるたまもをかりそめのあまとそ我はなりぬへらなる
なにはかた−おふるたまもを−かりそめの−あまとそわれは−なりぬへらなる
異同資料句番号:00916
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00917 |
忠峯 みふのたたみね (030)
すみよしとあまはつくともなかゐすな人忘草おふといふなり
すみよしと−あまはつくとも−なかゐすな−ひとわすれくさ−おふといふなり
異同資料句番号:00917
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00918 |
貫之 つらゆき (035)
あめによりたみのの島をけふゆけと名にはかくれぬ物にそ有りける
あめにより−たみののしまを−けふゆけと−なにはかくれぬ−ものにそありける
異同資料句番号:00918
|
00919 |
貫之 法皇 (035)
あしたつのたてる河辺を吹く風によせてかへらぬ浪かとそ見る
あしたつの−たてるかはへを−ふくかせに−よせてかへらぬ−なみかとそみる
異同資料句番号:00919
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00920 |
伊勢 (019)
水のうへにうかへる舟の君ならはここそとまりといはましものを
みつのうへに−うかへるふねの−きみならは−ここそとまりと−いはましものを
異同資料句番号:00920
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00921 |
番号外作者 真せいほうし (999)
宮こまてひひきかよへるからことは浪のをすけてそひきける
みやこまて−ひひきかよへる−からことは−なみのをすけて−かせそひきける
異同資料句番号:00921
|
00922 |
行平 在原行平朝臣 (016)
こきちらすたきの白玉ひろひおきて世のうき時の涙にそかる
こきちらす−たきのしらいと−ひろひおきて−よのうきときの−なみたにそかる
異同資料句番号:00922
|
00923 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
ぬきみたる人こそあるらし白玉のまなくもちるか袖のせはきに
ぬきみたる−ひとこそあるらし−しらたまの−まなくもちるか−そてのせはきに
異同資料句番号:00923
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00924 |
番号外作者 承均法師 (999)
たかためにひきてさらせるぬのなれや世をへて見れととる人もなき
たかために−ひきてさらせる−ぬのなれや−よをへてみれと−とるひとのなき
異同資料句番号:00924
|
00925 |
番号外作者 神たい法し (999)
きよたきのせせのしらいとくりためて山わけ衣おりてきましを
きよたきの−せせのしらいと−くりためて−やまわけころも−おりてきましを
異同資料句番号:00925
|
00926 |
伊勢 (019)
たちぬはぬきぬきし人もなきものをなに山姫のぬのさらすらむ
たちぬはぬ−きぬきしひとも−なきものを−なにやまひめの−ぬのさらすらむ
異同資料句番号:00926
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00927 |
番号外作者 たちはなのなかもり (999)
ぬしなくてさらせるぬのをたなはたにわか心とやけふはかさまし
ぬしなくて−さらせるぬのを−たなはたに−わかこころとや−けふはかさまし
異同資料句番号:00927
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00928 |
忠峯 たたみね (030)
おちたきつたきのみなかみとしつもりおいにけらしなくろきすちなし
おちたきつ−たきのみなかみ−としつもり−おいにけらしな−くろきすちなし
異同資料句番号:00928
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00929 |
躬恒 みつね (029)
風ふけと所もさらぬ白雲はよをへておつる水にそ有りける
かせふけと−ところもさらぬ−しらくもは−よをへておつる−みつにそありける
異同資料句番号:00929
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00930 |
番号外作者 三条の町 (999)
おもひせく心の内のたきなれやおつとは見れとおとのきこえぬ
おもひせく−こころのうちの−たきなれや−おつとはみれと−おとのきこえぬ
異同資料句番号:00930
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00931 |
貫之 つらゆき (035)
さきそめし時よりのちはうちはへて世は春なれや色のつねなる
さきそめし−ときよりのちは−うちはへて−よははるなれや−いろのつねなる
異同資料句番号:00931
|
00932 |
是則 坂上これのり (031)
かりてほす山田のいねのこきたれてなきこそわたれ秋のうけれは
かりてほす−やまたのいねの−こきたれて−なきこそわたれ−あきのうけれは
異同資料句番号:00932
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00933 |
読人不知 読人しらす (000)
世中はなにかつねなるあすかかはきのふのふちそけふはせになる
よのなかは−なにかつねなる−あすかかは−きのふのふちそ−けふはせになる
異同資料句番号:00933
|
00934 |
読人不知 読人しらす (000)
いく世しもあらしわか身をなそもかくあまのかるもに思ひみたるる
いくよしも−あらしわかみを−なそもかく−あまのかるもに−おもひみたるる
異同資料句番号:00934
|
00935 |
読人不知 読人しらす (000)
雁のくる峰の朝霧はれすのみ思ひつきせぬ世中のうさ
かりのくる−みねのあさきり−はれすのみ−おもひつきせぬ−よのなかのうさ
異同資料句番号:00935
|
00936 |
篁 小野たかむらの朝臣 (011)
しかりとてそむかれなくに事しあれはまつなけかれぬあなう世中
しかりとて−そむかれなくに−ことしあれは−まつなけかれぬ−あなうよのなか
異同資料句番号:00936
|
00937 |
番号外作者 をののさたき (999)
宮こ人いかかととはは山たかみはれぬくもゐにわふとこたへよ
みやこひと−いかかととはは−やまたかみ−はれぬくもゐに−わふとこたへよ
異同資料句番号:00937
|
00938 |
小町 小野小町 (009)
わひぬれは身をうき草のねをたえてさそふ水あらはいなむとそ思ふ
わひぬれは−みをうきくさの−ねをたえて−さそふみつあらは−いなむとそおもふ
異同資料句番号:00938
|
00939 |
小町 小野小町 (009)
あはれてふ事こそうたて世中を思ひはなれぬほたしなりけれ
あはれてふ−ことこそうたて−よのなかを−おもひはなれぬ−ほたしなりけれ
異同資料句番号:00939
|
00940 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あはれてふ事のはことにおくつゆは昔をこふる涙なりけり
あはれてふ−ことのはことに−おくつゆは−むかしをこふる−なみたなりけり
異同資料句番号:00940
|
00941 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世中のうきもつらきもつけなくにまつしる物はなみたなりけり
よのなかの−うきもつらきも−つけなくに−まつしるものは−なみたなりけり
異同資料句番号:00941
|
00942 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世中は夢かうつつかうつつとも夢ともしらす有りてなけれは
よのなかは−ゆめかうつつか−うつつとも−ゆめともしらす−ありてなけれは
異同資料句番号:00942
|
00943 |
読人不知 よみ人しらす (000)
よのなかにいつらわか身のありてなしあはれとやいはむあなうとやいはむ
よのなかに−いつらわかみの−ありてなし−あはれとやいはむ−あなうとやいはむ
異同資料句番号:00943
|
00944 |
読人不知 よみ人しらす (000)
山里は物の惨慄き事こそあれ世のうきよりはすみよかりけり
やまさとは−もののさひしき−ことこそあれ−よのうきよりは−すみよかりけり
異同資料句番号:00944
|
00945 |
番号外作者 これたかのみこ (999)
白雲のたえすたなひく岑にたにすめはすみぬる世にこそ有りけれ
しらくもの−たえすたなひく−みねにたに−すめはすみぬる−よにこそありけれ
異同資料句番号:00945
|
00946 |
番号外作者 ふるのいまみち (999)
しりにけむききてもいとへ世中は浪のさわきに風そしくめる
しりにけむ−ききてもいとへ−よのなかは−なみのさわきに−かせそしくめる
異同資料句番号:00946
|
00947 |
素性 そせい (021)
いつこにか世をはいとはむ心こそのにも山にもまとふへらなれ
いつこにか−よをはいとはむ−こころこそ−のにもやまにも−まとふへらなれ
異同資料句番号:00947
|
00948 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世中は昔よりやはうかりけむわか身ひとつのためになれるか
よのなかは−むかしよりやは−うかりけむ−わかみひとつの−ためになれるか
異同資料句番号:00948
|
00949 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世中をいとふ山への草木とやあなうの花の色にいてにけむ
よのなかを−いとふやまへの−くさきとや−あなうのはなの−いろにいてにけむ
異同資料句番号:00949
|
00950 |
読人不知 よみ人しらす (000)
みよしのの山のあなたにやともかな世のうき時のかくれかにせむ
みよしのの−やまのあなたに−やともかな−よのうきときの−かくれかにせむ
異同資料句番号:00950
|
00951 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世にふれはうさこそまされみよしののいはのかけみちふみならしてむ
よにふれは−うさこそまされ−みよしのの−いはのかけみち−ふみならしてむ
異同資料句番号:00951
|
00952 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いかならむ巌の中にすまはかは世のうき事のきこえこさらむ
いかならむ−いはほのうちに−すまはかは−よのうきことの−きこえこさらむ
異同資料句番号:00952
|
00953 |
読人不知 よみ人しらす (000)
葦引の山のまにまにかくれなむうき世中はあるかひもなし
あしひきの−やまのまにまに−かくれなむ−うきよのなかは−あるかひもなし
異同資料句番号:00953
|
00954 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世中のうけくにあきぬ奥山のこのはにふれる雪やけなまし
よのなかの−うけくにあきぬ−おくやまの−このはにふれる−ゆきやけなまし
異同資料句番号:00954
|
00955 |
番号外作者 もののへのよしな (999)
よのうきめ見えぬ山ちへいらむにはおもふ人こそほたしなりけれ
よのうきめ−みえぬやまちへ−いらむには−おもふひとこそ−ほたしなりけれ
異同資料句番号:00955
|
00956 |
躬恒 凡河内みつね (029)
世をすてて山にいる人山にても猶うき時はいつちゆくらむ
よをすてて−やまにいるひと−やまにても−なほうきときは−いつちゆくらむ
異同資料句番号:00956
|
00957 |
躬恒 凡河内みつね (029)
今更になにおひいつらむ竹のこのうきふししけき世とはしらすや
いまさらに−なにおひいつらむ−たけのこの−うきふししけき−よとはしらすや
異同資料句番号:00957
|
00958 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世にふれは事のはしけきくれ竹のうきふしことに鶯そなく
よにふれは−ことのはしけき−くれたけの−うきふしことに−うくひすそなく
異同資料句番号:00958
|
00959 |
読人不知 よみ人しらす(一説、高津のみこ) (000)
木にもあらす草にもあらぬ竹のよのはしにわか身はなりぬへらなり
きにもあらす−くさにもあらぬ−たけのよの−はしにわかみは−なりぬへらなり
異同資料句番号:00959
|
00960 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わか身からうき世中となつけつつ人のためさへかなしかるらむ
わかみから−うきよのなかと−なけきつつ−ひとのためさへ−かなしかるらむ
異同資料句番号:00960
|
00961 |
篁 たかむらの朝臣 (011)
思ひきやひなのわかれにおとろへてあまのなはたきいさりせむとは
おもひきや−ひなのわかれに−おとろへて−あまのなはたき−いさりせむとは
異同資料句番号:00961
|
00962 |
行平 在原行平朝臣 (016)
わくらはにとふ人あらはすまの浦にもしほたれつつわふとこたへよ
わくらはに−とふひとあらは−すまのうらに−もしほたれつつ−わふとこたへよ
異同資料句番号:00962
|
00963 |
番号外作者 をののはるかせ (999)
あまひこのおとつれしとそ今は思ふ我か人かと身をたとるよに
あまひこの−おとつれしとそ−いまはおもふ−われかひとかと−みをたとるよに
異同資料句番号:00963
|
00964 |
貞文 平さたふん (161)
うき世にはかとさせりとも見えなくになとかわか身のいてかてにする
うきよには−かとさせりとも−みえなくに−なとかわかみの−いてかてにする
異同資料句番号:00964
|
00965 |
貞文 平さたふん (161)
有りはてぬいのちまつまのほとはかりうきことしけくおもはすもかな
ありはてぬ−いのちまつまの−ほとはかり−うきことしけく−おもはすもかな
異同資料句番号:00965
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00966 |
番号外作者 みやちのきよき (999)
つくはねのこの本ことに立ちそよる春のみ山のかけをこひつつ
つくはねの−このもとことに−たちそよる−はるのみやまの−かけをこひつつ
異同資料句番号:00966
|
00967 |
深養父 清原深事父 (036)
ひかりなき谷には春もよそなれはさきてとくちる物思ひもなし
ひかりなき−たににははるも−よそなれは−さきてとくちる−ものおもひもなし
異同資料句番号:00967
|
00968 |
伊勢 (019)
久方の中におひたるさとなれはひかりをのみそたのむへらなる
ひさかたの−うちにおひたる−さとなれは−ひかりをのみそ−たのむへらなる
異同資料句番号:00968
|
00969 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
今そしるくるしき物と人またむさとをはかれすとふへかりけり
いまそしる−くるしきものと−ひとまたむ−さとをはかれす−とふへかりけり
異同資料句番号:00969
|
00970 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
わすれては夢かとそ思ふおもひきや雪ふみわけて君を見むとは
わすれては−ゆめかとそおもふ−おもひきや−ゆきふみわけて−きみをみむとは
異同資料句番号:00970
|
00971 |
業平 なりひらの朝臣 (017)
年をへてすみこしさとをいてていなはいとと深草のとやなりなむ
としをへて−すみこしさとを−いてていなは−いととふかくさ−のとやなりなむ
異同資料句番号:00971
|
00972 |
読人不知 よみ人しらす (000)
野とならはうつらとなきて年はへむかりにたにやは君かこさらむ
のとならは−うつらとなきて−としはへむ−かりにたにやは−きみかこさらむ
異同資料句番号:00972
|
00973 |
読人不知 よみ人しらす (000)
我を君なにはの浦に有りしかはうきめをみつのあまとなりにき
われをきみ−なにはのうらに−ありしかは−うきめをみつの−あまとなりにき
異同資料句番号:00973
|
00974 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なにはかたうらむへきまもおもほえすいつこをみつのあまとかはなる
なにはかた−うらむへきまも−おもほえす−いつこをみつの−あまとかはなる
異同資料句番号:00974
|
00975 |
読人不知 よみ人しらす (000)
今更にとふへき人もおもほえすやへむくらしてかとさせりてへ
いまさらに−とふへきひとも−おもほえす−やへむくらして−かとさせりてへ
異同資料句番号:00975
|
00976 |
躬恒 みつね (029)
水のおもにおふるさ月のうき草のうき事あれやねをたえてこぬ
みつのおもに−おふるさつきの−うきくさの−うきことあれや−ねをたえてこぬ
異同資料句番号:00976
|
00977 |
躬恒 みつね (029)
身をすててゆきやしにけむ思ふより外なる物は心なりけり
みをすてて−ゆきやしにけむ−おもふより−ほかなるものは−こころなりけり
異同資料句番号:00977
|
00978 |
躬恒 みつね (029)
君か思ひ雪とつもらはたのまれす春よりのちはあらしとおもへは
きみかおもひ−ゆきとつもらは−たのまれす−はるよりのちは−あらしとおもへは
異同資料句番号:00978
|
00979 |
番号外作者 宗岳大頼 (999)
君をのみ思ひこしちのしら山はいつかは雪のきゆる時ある
きみをのみ−おもひこしちの−しらやまは−いつかはゆきの−きゆるときある
異同資料句番号:00979
|
00980 |
貫之 きのつらゆき (035)
思ひやるこしの白山しらねともひと夜も夢にこえぬよそなき
おもひやる−こしのしらやま−しらねとも−ひとよもゆめに−こえぬよそなき
異同資料句番号:00980
|
00981 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いさここにわか世はへなむ菅原や伏見の里のあれまくもをし
いさここに−わかよはへなむ−すかはらや−ふしみのさとの−あれまくもをし
異同資料句番号:00981
|
00982 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかいほはみわの山もとこひしくはとふらひきませすきたてるかと
わかいほは−みわのやまもと−こひしくは−とふらひきませ−すきたてるかと
異同資料句番号:00982
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00983 |
喜撰 きせんほうし (008)
わかいほは宮このたつみしかそすむ世をうち山と人はいふなり
わかいほは−みやこのたつみ−しかそすむ−よをうちやまと−ひとはいふなり
異同資料句番号:00983
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00984 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あれにけりあはれいくよのやとなれやすみけむ人のおとつれもせぬ
あれにけり−あはれいくよの−やとなれや−すみけむひとの−おとつれもせぬ
異同資料句番号:00984
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00985 |
遍昭 よしみねのむねさた (012)
わひひとのすむへきやとと見るなへに歎きくははることのねそする
わひひとの−すむへきやとと−みるなへに−なけきくははる−ことのねそする
異同資料句番号:00985
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00986 |
番号外作者 二条 (999)
人ふるすさとをいとひてこしかともならの宮こもうきななりけり
ひとふるす−さとをいとひて−こしかとも−ならのみやこも−うきななりけり
異同資料句番号:00986
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00987 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世中はいつれかさしてわかならむ行きとまるをそやととさたむる
よのなかは−いつれかさして−わかならむ−ゆきとまるをそ−やととさたむる
異同資料句番号:00987
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00988 |
読人不知 よみ人しらす (000)
相坂の嵐のかせはさむけれとゆくへしらねはわひつつそぬる
あふさかの−あらしのかせは−さむけれと−ゆくへしらねは−わひつつそぬる
異同資料句番号:00988
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00989 |
読人不知 よみ人しらす (000)
風のうへにありかさためぬちりの身はゆくへもしらすなりぬへらなり
かせのうへに−ありかさためぬ−ちりのみは−ゆくへもしらす−なりぬへらなり
異同資料句番号:00989
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00990 |
伊勢 (019)
あすかかはふちにもあらぬわかやともせにかはりゆく物にそ有りける
あすかかは−ふちにもあらぬ−わかやとも−せにかはりゆく−ものにそありける
異同資料句番号:00990
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00991 |
友則 きのとものり (033)
ふるさとは見しこともあらすをののえのくちし所そこひしかりける
ふるさとは−みしこともあらす−をののえの−くちしところそ−こひしかりける
異同資料句番号:00991
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00992 |
番号外作者 みちのく (999)
あかさりし袖のなかにやいりにけむわかたましひのなき心ちする
あかさりし−そてのなかにや−いりにけむ−わかたましひの−なきここちする
異同資料句番号:00992
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00993 |
忠房 ふちはらのたたふさ (182)
なよ竹のよなかきうへにはつしものおきゐて物を思ふころかな
なよたけの−よなかきうへに−はつしもの−おきゐてものを−おもふころかな
異同資料句番号:00993
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00994 |
読人不知 よみ人しらす (000)
風ふけはおきつ白浪たつた山よはにや君かひとりこゆらむ
かせふけは−おきつしらなみ−たつたやま−よはにやきみか−ひとりこゆらむ
異同資料句番号:00994
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00995 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たかみそきゆふつけ鳥か唐衣たつたの山にをりはへてなく
たかみそき−ゆふつけとりか−からころも−たつたのやまに−をりはへてなく
異同資料句番号:00995
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00996 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わすられむ時しのへとそ浜千鳥ゆくへもしらぬあとをととむる
わすられむ−ときしのへとそ−はまちとり−ゆくへもしらぬ−あとをととむる
異同資料句番号:00996
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00997 |
番号外作者 文屋ありすゑ (999)
神な月時雨ふりおけるならのはのなにおふ宮のふることそこれ
かみなつき−しくれふりおける−ならのはの−なにおふみやの−ふることそこれ
異同資料句番号:00997
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00998 |
千里 大江千里 (023)
あしたつのひとりおくれてなくこゑは雲のうへまてきこえつかなむ
あしたつの−ひとりおくれて−なくこゑは−くものうへまて−きこえつかなむ
異同資料句番号:00998
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00999 |
番号外作者 ふちはらのかちおむ (999)
ひとしれす思ふ心は春霞たちいててきみかめにも見えなむ
ひとしれす−おもふこころは−はるかすみ−たちいててきみか−めにもみえなむ
異同資料句番号:00999
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01000 |
伊勢 (019)
山河のおとにのみきくももしきを身をはやなから見るよしもかな
やまかはの−おとにのみきく−ももしきを−みをはやなから−みるよしもかな
異同資料句番号:01000
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01001 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あふことの まれなるいろに おもひそめ わか身はつねに あまくもの はるる時なく ふしのねの もえつつとはに おもへとも あふことかたし なにしかも 人をうらみむ わたつみの おきをふかめて おもひてし おもひはいまは いたつらに なりぬへらなり ゆく水の たゆる時なく かくなわに おもひみたれて ふるゆきの けなはけぬへく おもへとも えふの身なれは なほやます おもひはふかし あしひきの 山した水の こかくれて たきつ心を たれにかも あひかたらはむ いろにいては 人しりぬへみ すみそめの ゆふへになれは ひとりゐて あはれあはれと なけきあまり せむすへなみに にはにいてて たちやすらへは しろたへの 衣のそてに おくつゆの けなはけぬへく おもへとも なほなけかれぬ はるかすみ よそにも人に あはむとおもへは
あふことの−まれなるいろに−おもひそめ−わかみはつねに−あまくもの−はるるときなく−ふしのねの−もえつつとはに−おもへとも−あふことかたし−なにしかも−ひとをうらみむ−わたつみの−おきをふかめて−おもひてし−おもひをいまは−いたつらに−なりぬへらなり−ゆくみつの−たゆるときなく−かくなわに−おもひみたれて−ふるゆきの−けなはけぬへく−おもへとも−えふのみなれは−なほやます−おもひはふかし−あしひきの−やましたみつの−こかくれて−たきつこころを−たれにかも−あひかたらはむ−いろにいては−ひとしりぬへみ−すみそめの−ゆふへになれは−ひとりゐて−あはれあはれと−なけきあまり−せむすへなみに−にはにいてて−たちやすらへは−しろたへの−ころものそてに−おくつゆの−けなはけぬへく−おもへとも−なほなけかれぬ−はるかすみ−よそにもひとに−あはむとおもへは
異同資料句番号:01001
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01002 |
貫之 つらゆき (035)
ちはやふる 神のみよより くれ竹の 世世にもたえす あまひこの おとはの山の はるかすみ 思ひみたれて さみたれの そらもととろに さよふけて 山ほとときす なくことに たれもねさめて からにしき たつたの山の もみちはを 見てのみしのふ 神な月 しくれしくれて 冬の夜の 庭もはたれに ふるゆきの 猶きえかへり 年ことに 時につけつつ あはれてふ ことをいひつつ きみをのみ ちよにといはふ 世の人の おもひするかの ふしのねの もゆる思ひも あかすして わかるるなみた 藤衣 おれる心も やちくさの ことのはことに すへらきの おほせかしこみ まきまきの 中につくすと いせの海の うらのしほかひ ひろひあつめ とれりとすれと たまのをの みしかき心 思ひあへす 猶あらたまの 年をへて 大宮にのみ ひさかたの ひるよるわかす つかふとて かへりみもせぬ わかやとの しのふくさおふる いたまあらみ ふる春さめの もりやしぬらむ
ちはやふる−かみのみよより−くれたけの−よよにもたえす−あまひこの−おとはのやまの−はるかすみ−おもひみたれて−さみたれの−そらもととろに−さよふけて−やまほとときす−なくことに−たれもねさめて−からにしき−たつたのやまの−もみちはを−みてのみしのふ−かみなつき−しくれしくれて−ふゆのよの−にはもはたれに−ふるゆきの−なほきえかへり−としことに−ときにつけつつ−あはれてふ−ことをいひつつ−きみをのみ−ちよにといはふ−よのひとの−おもひするかの−ふしのねの−もゆるおもひも−あかすして−わかるるなみた−ふちころも−おれるこころも−やちくさの−ことのはことに−すめらきの−おほせかしこみ−まきまきの−うちにつくすと−いせのうみの−うらのしほかひ−ひろひあつめ−とれりとすれと−たまのをの−みしかきこころ−おもひあへす−なほあらたまの−としをへて−おほみやにのみ−ひさかたの−ひるよるわかす−つかふとて−かへりみもせぬ−わかやとの−しのふくさおふる−いたまあらみ−ふるはるさめの−もりやしぬらむ
異同資料句番号:01002
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01003 |
忠峯 壬生忠岑 (030)
くれ竹の 世世のふること なかりせは いかほのぬまの いかにして 思ふ心を のはへまし あはれむかしへ ありきてふ 人まろこそは うれしけれ 身はしもなから ことのはを あまつそらまて きこえあけ すゑのよまての あととなし 今もおほせの くたれるは ちりにつけとや ちりの身に つもれる事を とはるらむ これをおもへは けたものの くもにほえけむ 心地して ちちのなさけも おもほえす ひとつ心そ ほこらしき かくはあれとも てるひかり ちかきまもりの 身なりしを たれかは秋の くる方に あさむきいてて みかきより とのへもる身の みかきもり をさをさしくも おもほえす ここのかさねの なかにては あらしの風もきかさりき 今はの山し ちかけれは 春は霞に たなひかれ 夏はうつせみ なきくらし 秋は時雨に 袖をかし 冬はしもにそ せめらるる かかるわひしき 身なからに つもれるとしを しるせれは いつつのむつに なりにけり これにそはれる わたくしの おいのかすさへ やよけれは 身はいやしくて 年たかき ことのくるしさ かくしつつ なからのはしの なからへて なにはのうらに たつ浪の 浪のしわにや おほほれむ さすかにいのち をしけれは こしのくになる しら山の かしらはしろく なりぬとも おとはのたきの おとにきく おいすしなすの くすりかも 君かやちよを わかえつつ見む
くれたけの−よよのふること−なかりせは−いかほのぬまの−いかにして−おもふこころを−のはへまし−あはれむかしへ−ありきてふ−ひとまろこそは−うれしけれ−みはしもなから−ことのはを−あまつそらまて−きこえあけ−すゑのよよまて−あととなし−いまもおほせの−くたれるは−ちりにつけとや−ちりのみに−つもれることを−とはるらむ−これをおもへは−けたものの−くもにほえけむ−ここちして−ちちのなさけも−おもほえす−ひとつこころそ−ほこらしき−かくはあれとも−てるひかり−ちかきまもりの−みなりしを−たれかはあきの−くるかたに−あさむきいてて−みかきもり−とのへもるみの−みかきより−をさをさしくも−おもほえす−ここのかさねの−なかにては−あらしのかせも−きかさりき−いまはのやまし−ちかけれは−はるはかすみに−たなひかれ−なつはうつせみ−なきくらし−あきはしくれに−そてをかし−ふゆはしもにそ−せめらるる−かかるわひしき−みなからに−つもれるとしを−しるせれは−いつつのむつに−なりにけり−これにそはれる−わたくしの−おいのかすさへ−やよけれは−みはいやしくて−としたかき−ことのくるしさ−かくしつつ−なからのはしの−なからへて−なにはのうらに−たつなみの−なみのしわにや−おほほれむ−さすかにいのち−をしけれは−こしのくになる−しらやまの−かしらはしろく−なりぬとも−おとはのたきの−おとにきく−おいすしなすの−くすりかも−きみかやちよを−わかえつつみむ
異同資料句番号:01003
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01004 |
忠峯 壬生忠岑 (030)
君か世にあふさか山のいはし水こかくれたりと思ひけるかな
きみかよに−あふさかやまの−いはしみつ−こかくれたりと−おもひけるかな
異同資料句番号:01004
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01005 |
躬恒 凡河内躬恒 (029)
ちはやふる 神な月とや けさよりは くもりもあへす はつ時雨 紅葉とともに ふるさとの よしのの山の 山あらしも さむく日ことに なりゆけは たまのをとけて こきちらし あられみたれて しもこほり いやかたまれる にはのおもに むらむら見ゆる 冬草の うへにふりしく 白雪の つもりつもりて あらたまの としをあまたも すくしつるかな
ちはやふる−かみなつきとや−けさよりは−くもりもあへす−はつしくれ−もみちとともに−ふるさとの−よしののやまの−やまあらしも−さむくひことに−なりゆけは−たまのをとけて−こきちらし−あられみたれて−しもこほり−いやかたまれる−にはのおもに−むらむらみゆる−ふゆくさの−うへにふりしく−しらゆきの−つもりつもりて−あらたまの−としをあまたも−すくしつるかな
異同資料句番号:01005
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01006 |
伊勢 (019)
おきつなみ あれのみまさる 宮のうちは としへてすみし いせのあまも 舟なかしたる 心地して よらむ方なく かなしきに 涙の色の くれなゐは 我らかなかの 時雨にて 秋のもみちと 人人は おのかちりちり わかれなは たのむかけなく なりはてて とまる物とは 花すすき きみなき庭に むれたちて そらをまねかは はつかりの なき渡りつつ よそにこそ見め
おきつなみ−あれのみまさる−みやのうちは−としへてすみし−いせのあまも−ふねなかしたる−ここちして−よらむかたなく−かなしきに−なみたのいろの−くれなゐは−われらかなかの−しくれにて−あきのもみちと−ひとひとは−おのかちりちり−わかれなは−たのむかけなく−なりはてて−とまるものとは−はなすすき−きみなきにはに−むれたちて−そらをまかねは−はつかりの−なきわたりつつ−よそにこそみめ
異同資料句番号:01006
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01007 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うちわたすをち方人に物まうすわれそのそこにしろくさけるはなにの花そも
うちわたす−をちかたひとに−ものまうすわれ−そのそこに−しろくさけるは−なにのはなそも
異同資料句番号:01007
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01008 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君されはのへにまつさく見れとあかぬ花まひなしにたたなのるへき花のななれや
はるされは−のへにまつさく−みれとあかぬはな−まひなしに−たたなのるへき−はなのななれや
異同資料句番号:01008
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01009 |
読人不知 よみ人しらす (000)
はつせ河ふるかはのへにふたもとあるすき年をへて又もあひ見むふたもとあるすき
はつせかは−ふるかはのへに−ふたもとあるすき−としをへて−またもあひみむ−ふたもとあるすき
異同資料句番号:01009
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01010 |
貫之 つらゆき (035)
きみかさすみかさの山のもみちはのいろ神な月しくれのあめのそめるなりけり
きみかさす−みかさのやまの−もみちはのいろ−かみなつき−しくれのあめの−そめるなりけり
異同資料句番号:01010
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01011 |
読人不知 よみ人しらす (000)
梅花見にこそきつれ鶯の人く人くといとひしもをる
うめのはな−みにこそきつれ−うくひすの−ひとくひとくと−いとひしもをる
異同資料句番号:01011
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01012 |
素性 素性法師 (021)
山吹の花色衣ぬしやたれとへとこたへすくちなしにして
やまふきの−はないろころも−ぬしやたれ−とへとこたへす−くちなしにして
異同資料句番号:01012
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01013 |
敏行 藤原敏行朝臣 (018)
いくはくの田をつくれはか郭公してのたをさをあさなあさなよふ
いくはくの−たをつくれはか−ほとときす−してのたをさを−あさなあさなよふ
異同資料句番号:01013
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01014 |
兼輔 藤原かねすけの朝臣 (027)
いつしかとまたく心をはきにあけてあまのかはらをけふやわたらむ
いつしかと−またくこころを−はきにあけて−あまのかはらを−けふやわたらむ
異同資料句番号:01014
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01015 |
躬恒 凡河内みつね (029)
むつこともまたつきなくにあけぬめりいつらは秋のなかしてふよは
むつことも−またつきなくに−あけぬめり−いつらはあきの−なかしてふよは
異同資料句番号:01015
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01016 |
遍昭 僧正へんせう (012)
秋ののになまめきたてるをみなへしあなかしかまし花もひと時
あきののに−なまめきたてる−をみなへし−あなかしかまし−はなもひととき
異同資料句番号:01016
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01017 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あきくれはのへにたはるる女郎花いつれの人かつまて見るへき
あきくれは−のへにたはるる−をみなへし−いつれのひとか−つまてみるへき
異同資料句番号:01017
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01018 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋きりのはれてくもれはをみなへし花のすかたそ見えかくれする
あききりの−はれてくもれは−をみなへし−はなのすかたそ−みえかくれする
異同資料句番号:01018
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01019 |
読人不知 よみ人しらす (000)
花と見てをらむとすれはをみなへしうたたあるさまの名にこそ有りけれ
はなとみて−をらむとすれは−をみなへし−うたたあるさまの−なにこそありけれ
異同資料句番号:01019
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01020 |
棟梁 在原むねやな (180)
秋風にほころひぬらしふちはかまつつりさせてふ蟋蟀なく
あきかせに−ほころひぬらし−ふちはかま−つつりさせてふ−きりきりすなく
異同資料句番号:01020
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01021 |
深養父 清原ふかやふ (036)
冬なから春の隣のちかけれはなかかきよりそ花はちりける
ふゆなから−はるのとなりの−ちかけれは−なかかきよりそ−はなはちりける
異同資料句番号:01021
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01022 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いそのかみふりにしこひの神さひてたたるに我はいそねかねつる
いそのかみ−ふりにしこひの−かみさひて−たたるにわれは−いそねかねつる
異同資料句番号:01022
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01023 |
読人不知 よみ人しらす (000)
枕よりあとよりこひのせめくれはせむ方なみそとこなかにをる
まくらより−あとよりこひの−せめくれは−せむかたなみそ−とこなかにをる
異同資料句番号:01023
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01024 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こひしきか方も方こそ有りときけたてれをれともなき心ちかな
こひしきか−かたもかたこそ−ありときけ−たてれをれとも−なきここちかな
異同資料句番号:01024
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01025 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ありぬやと心みかてらあひ見ねはたはふれにくきまてそこひしき
ありぬやと−こころみかてら−あひみねは−たはふれにくき−まてそこひしき
異同資料句番号:01025
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01026 |
読人不知 よみ人しらす (000)
みみなしの山のくちなしえてしかな思ひの色のしたそめにせむ
みみなしの−やまのくちなし−えてしかな−おもひのいろの−したそめにせむ
異同資料句番号:01026
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01027 |
読人不知 よみ人しらす (000)
葦引の山田のそほつおのれさへ我をほしてふうれはしきこと
あしひきの−やまたのそほつ−おのれさへ−われをほしてふ−うれはしきこと
異同資料句番号:01027
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01028 |
番号外作者 きのめのと (999)
ふしのねのならぬおもひにもえはもえ神たにけたぬむなしけふりを
ふしのねの−ならぬおもひに−もえはもえ−かみたにけたぬ−むなしけふりを
異同資料句番号:01028
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01029 |
番号外作者 きのありとも (999)
あひ見まく星はかすなく有りなから人に月なみ迷ひこそすれ
あひみまく−ほしはかすなく−ありなから−ひとにつきなみ−まよひこそすれ
異同資料句番号:01029
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01030 |
小町 小野小町 (009)
人にあはむ月のなきには思ひおきてむねはしり火に心やけをり
ひとにあはむ−つきのなきには−おもひおきて−むねはしりひに−こころやけをり
異同資料句番号:01030
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01031 |
興風 藤原おきかせ (034)
春霞たなひくのへのわかなにもなり見てしかな人もつむやと
はるかすみ−たなひくのへの−わかなにも−なりみてしかな−ひともつむやと
異同資料句番号:01031
|
01032 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おもへとも猶うとまれぬ春霞かからぬ山もあらしとおもへは
おもへとも−なほうとまれぬ−はるかすみ−かからぬやまも−あらしとおもへは
異同資料句番号:01032
|
01033 |
貞文 平貞文 (161)
春の野のしけき草はのつまこひにとひたつきしのほろろとそなく
はるののの−しけきくさはの−つまこひに−とひたつきしの−ほろろとそなく
異同資料句番号:01033
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01034 |
番号外作者 きのよしひと (999)
秋ののにつまなきしかの年をへてなそわかこひのかひよとそなく
あきののに−つまなきしかの−としをへて−なそわかこひの−かひよとそなく
異同資料句番号:01034
|
01035 |
躬恒 みつね (029)
蝉の羽のひとへにうすき夏衣なれはよりなむ物にやはあらぬ
せみのはの−ひとへにうすき−なつころも−なれはよりなむ−ものにやはあらぬ
異同資料句番号:01035
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01036 |
忠峯 たたみね (030)
かくれぬのしたよりおふるねぬなはのねぬなはたてしくるないとひそ
かくれぬの−したよりおふる−ねぬなはの−ねぬなはたてし−くるないとひそ
異同資料句番号:01036
|
01037 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ことならは思はすとやはいひはてぬなそ世中のたまたすきなる
ことならは−おもはすとやは−いひはてぬ−なそよのなかの−たまたすきなる
異同資料句番号:01037
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01038 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おもふてふ人の心のくまことにたちかくれつつ見るよしもかな
おもふてふ−ひとのこころの−くまことに−たちかくれつつ−みるよしもかな
異同資料句番号:01038
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01039 |
読人不知 よみ人しらす (000)
思へともおもはすとのみいふなれはいなやおもはし思ふかひなし
おもへとも−おもはすとのみ−いふなれは−いなやおもはし−おもふかひなし
異同資料句番号:01039
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01040 |
読人不知 よみ人しらす (000)
我をのみ思ふといははあるへきをいてや心はおほぬさにして
われをのみ−おもふといはは−あるへきを−いてやこころは−おほぬさにして
異同資料句番号:01040
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01041 |
読人不知 よみ人しらす (000)
われを思ふ人をおもはぬむくいにやわか思ふ人の我をおもはぬ
われをおもふ−ひとをおもはぬ−むくひにや−わかおもふひとの−われをおもはぬ
異同資料句番号:01041
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01042 |
深養父 よみ人しらす(一本、ふかやふ) (036)
思ひけむ人をそともにおもはましまさしやむくいなかりけりやは
おもひけむ−ひとをそともに−おもはまし−まさしやむくひ−なかりけりやは
異同資料句番号:01042
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01043 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いててゆかむ人をととめむよしなきにとなりの方にはなもひぬかな
いててゆかむ−ひとをととめむ−よしなきに−となりのかたに−はなもひぬかな
異同資料句番号:01043
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01044 |
読人不知 よみ人しらす (000)
紅にそめし心もたのまれす人をあくにはうつるてふなり
くれなゐに−そめしこころも−たのまれす−ひとをあくには−うつるてふなり
異同資料句番号:01044
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01045 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いとはるるわか身ははるのこまなれやのかひかてらにはなちすてつる
いとはるる−わかみははるの−こまなれや−のかひかてらに−はなちすてつる
異同資料句番号:01045
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01046 |
読人不知 よみ人しらす (000)
鶯のこそのやとりのふるすとや我には人のつれなかるらむ
うくひすの−こそのやとりの−ふるすとや−われにはひとの−つれなかるらむ
異同資料句番号:01046
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01047 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さかしらに夏は人まねささのはのさやくしもよをわかひとりぬる
さかしらに−なつはひとまね−ささのはの−さやくしもよを−わかひとりぬる
異同資料句番号:01047
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01048 |
番号外作者 平中興 (999)
逢ふ事の今ははつかになりぬれは夜ふかからては月なかりけり
あふことの−いまははつかに−なりぬれは−よふかからては−つきなかりけり
異同資料句番号:01048
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01049 |
時平 左のおほいまうちきみ (503)
もろこしのよしのの山にこもるともおくれむと思ふ我ならなくに
もろこしの−よしののやまに−こもるとも−おくれむとおもふ−われならなくに
異同資料句番号:01049
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01050 |
番号外作者 なかき (999)
雲はれぬあさまの山のあさましや人の心を見てこそやまめ
くもはれぬ−あさまのやまの−あさましや−ひとのこころを−みてこそやまめ
異同資料句番号:01050
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01051 |
伊勢 (019)
なにはなるなからのはしもつくるなり今はわか身をなににたとへむ
なにはなる−なからのはしも−つくるなり−いまはわかみを−なににたとへむ
異同資料句番号:01051
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01052 |
読人不知 よみ人しらす (000)
まめなれとなにそはよけくかるかやのみたれてあれとあしけくもなし
まめなれと−なにそはよけく−かるかやの−みたれてあれと−あしけくもなし
異同資料句番号:01052
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01053 |
興風 おきかせ (034)
なにかその名の立つ事のをしからむしりてまとふは我ひとりかは
なにかその−なのたつことの−をしからむ−しりてまとふは−われひとりかは
異同資料句番号:01053
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01054 |
番号外作者 くそ (999)
よそなからわか身にいとのよるといへはたたいつはりにすくはかりなり
よそなから−わかみにいとの−よるといへは−たたいつはりに−すくはかりなり
異同資料句番号:01054
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01055 |
番号外作者 さぬき (999)
ねき事をさのみききけむやしろこそはてはなけきのもりとなるらめ
ねきことを−さのみききけむ−やしろこそ−はてはなけきの−もりとなるらめ
異同資料句番号:01055
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01056 |
大輔 (502)
なけきこる山としたかくなりぬれはつらつゑのみそまつつかれける
なけきこる−やまとしたかく−なりぬれは−つらつゑのみそ−まつつかれける
異同資料句番号:01056
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01057 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なけきをはこりのみつみてあしひきの山のかひなくなりぬへらなり
なけきをは−こりのみつみて−あしひきの−やまのかひなく−なりぬへらなり
異同資料句番号:01057
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01058 |
読人不知 よみ人しらす (000)
人こふる事をおもにとになひもてあふこなきこそわひしかりけれ
ひとこふる−ことをおもにと−になひもて−あふこなきこそ−わひしかりけれ
異同資料句番号:01058
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01059 |
読人不知 よみ人しらす (000)
よひのまにいてていりぬるみか月のわれて物思ふころにもあるかな
よひのまに−いてていりぬる−みかつきの−われてものおもふ−ころにもあるかな
異同資料句番号:01059
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01060 |
読人不知 よみ人しらす (000)
そゑにとてとすれはかかりかくすれはあないひしらすあふさきるさに
そゑにとて−とすれはかかり−かくすれは−あないひしらす−あふさきるさに
異同資料句番号:01060
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01061 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世中のうきたひことに身をなけはふかき谷こそあさくなりなめ
よのなかの−うきたひことに−みをなけは−ふかきたにこそ−あさくなりなめ
異同資料句番号:01061
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01062 |
元方 在原元方 (169)
よのなかはいかにくるしと思ふらむここらの人にうらみらるれは
よのなかは−いかにくるしと−おもふらむ−ここらのひとに−うらみらるれは
異同資料句番号:01062
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01063 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なにをして身のいたつらにおいぬらむ年のおもはむ事そやさしき
なにをして−みのいたつらに−おいぬらむ−としのおもはむ−ことそやさしき
異同資料句番号:01063
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01064 |
興風 おきかせ (034)
身はすてつ心をたにもはふらさしつひにはいかかなるとしるへく
みはすてつ−こころをたにも−はふらさし−つひにはいかか−なるとしるへく
異同資料句番号:01064
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01065 |
千里 千さと (023)
白雪の友にわか身はふりぬれと心はきえぬ物にそありける
しらゆきの−ともにわかみは−ふりぬれと−こころはきえぬ−ものにそありける
異同資料句番号:01065
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01066 |
読人不知 よみ人しらす (000)
梅花さきてののちの身なれはやすき物とのみ人のいふらむ
うめのはな−さきてののちの−みなれはや−すきものとのみ−ひとのいふらむ
異同資料句番号:01066
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01067 |
躬恒 みつね (029)
わひしらにましらななきそあしひきの山のかひあるけふにやはあらぬ
わひしらに−ましらななきそ−あしひきの−やまのかひある−けふにやはあらぬ
異同資料句番号:01067
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01068 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世をいとひこのもとことにたちよりてうつふしそめのあさのきぬなり
よをいとひ−このもとことに−たちよりて−うつふしそめの−あさのきぬなり
異同資料句番号:01068
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01069 |
番号外作者 無記 (999)
あたらしき年の始にかくしこそちとせをかねてたのしきをつめ
あたらしき−としのはしめに−かくしこそ−ちとせをかねて−たのしきをつめ
異同資料句番号:01069
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01070 |
番号外作者 無記 (999)
しもとゆふかつらき山にふる雪のまなく時なくおもほゆるかな
しもとゆふ−かつらきやまに−ふるゆきの−まなくときなく−おもほゆるかな
異同資料句番号:01070
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01071 |
番号外作者 無記 (999)
近江よりあさたちくれはうねののにたつそなくなるあけぬこのよは
あふみより−あさたちくれは−うねののに−たつそなくなる−あけぬこのよは
異同資料句番号:01071
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01072 |
番号外作者 無記 (999)
水くきのをかのやかたにいもとあれとねてのあさけのしものふりはも
みつくきの−をかのやかたに−いもとあれと−ねてのあさけの−しものふりはも
異同資料句番号:01072
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01073 |
番号外作者 無記 (999)
しはつ山うちいてて見れはかさゆひのしまこきかくるたななしをふね
しはつやま−うちいててみれは−かさゆひの−しまこきかくる−たななしをふね
異同資料句番号:01073
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01074 |
番号外作者 無記 (999)
神かきのみむろの山のさかきはは神のみまへにしけりあひにけり
かみかきの−みむろのやまの−さかきはは−かみのみまへに−しけりあひにけり
異同資料句番号:01074
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01075 |
番号外作者 無記 (999)
しもやたひおけとかれせぬさかきはのたちさかゆへき神のきねかも
しもやたひ−おけとかれせぬ−さかきはの−たちさかゆへき−かみのきねかも
異同資料句番号:01075
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01076 |
番号外作者 無記 (999)
まきもくのあなしの山の山人と人も見るかに山かつらせよ
まきもくの−あなしのやまの−やまひとと−ひともみるかに−やまかつらせよ
異同資料句番号:01076
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01077 |
番号外作者 無記 (999)
み山にはあられふるらしとやまなるまさきのかつらいろつきにけり
みやまには−あられふるらし−とやまなる−まさきのかつら−いろつきにけり
異同資料句番号:01077
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01078 |
番号外作者 無記 (999)
みちのくのあたちのまゆみわかひかはすゑさへよりこしのひしのひに
みちのくの−あたちのまゆみ−わかひかは−すゑさへよりこ−しのひしのひに
異同資料句番号:01078
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01079 |
番号外作者 無記 (999)
わかかとのいたゐのし水さととほみ人しくまねはみくさおひにけり
わかかとの−いたゐのしみつ−さととほみ−ひとしくまねは−みくさおひにけり
異同資料句番号:01079
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01080 |
番号外作者 無記 (999)
ささのくまひのくま河にこまとめてしはし水かへかけをたに見む
ささのくま−ひのくまかはに−こまとめて−しはしみつかへ−かけをたにみむ
異同資料句番号:01080
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01081 |
番号外作者 無記 (999)
あをやきをかたいとによりて鶯のぬふてふ笠は梅の花かさ
あをやきを−かたいとによりて−うくひすの−ぬふてふかさは−うめのはなかさ
異同資料句番号:01081
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01082 |
番号外作者 無記 (999)
まかねふくきひの中山おひにせるほそたに河のおとのさやけさ
まかねふく−きひのなかやま−おひにせる−ほそたにかはの−おとのさやけさ
異同資料句番号:01082
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01083 |
番号外作者 無記 (999)
美作やくめのさら山さらさらにわかなはたてしよろつよまてに
みまさかや−くめのさらやま−さらさらに−わかなはたてし−よろつよまてに
異同資料句番号:01083
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01084 |
番号外作者 無記 (999)
みののくに関のふち河たえすして君につかへむよろつよまてに
みののくに−せきのふちかは−たえすして−きみにつかへむ−よろつよまてに
異同資料句番号:01084
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01085 |
番号外作者 無記 (999)
きみか世は限もあらしなかはまのまさこのかすはよみつくすとも
きみかよは−かきりもあらし−なかはまの−まさこのかすは−よみつくすとも
異同資料句番号:01085
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01086 |
黒主 大伴くろぬし (501)
近江のやかかみの山をたてたれはかねてそ見ゆる君かちとせは
あふみのや−かかみのやまを−たてたれは−かねてそみゆる−きみかちとせは
異同資料句番号:01086
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01087 |
番号外作者 無記 (999)
あふくまに霧立ちくもりあけぬとも君をはやらしまてはすへなし
あふくまに−きりたちくもり−あけぬとも−きみをはやらし−まてはすへなし
異同資料句番号:01087
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01088 |
番号外作者 無記 (999)
みちのくはいつくはあれとしほかまの浦こく舟のつなてかなしも
みちのくは−いつくはあれと−しほかまの−うらこくふねの−つなてかなしも
異同資料句番号:01088
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01089 |
番号外作者 無記 (999)
わかせこを宮こにやりてしほかまのまかきのしまの松そこひしき
わかせこを−みやこにやりて−しほかまの−まかきのしまの−まつそこひしき
異同資料句番号:01089
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01090 |
番号外作者 無記 (999)
をくろさきみつのこしまの人ならは宮このつとにいさといはましを
をくろさき−みつのこしまの−ひとならは−みやこのつとに−いさといはましを
異同資料句番号:01090
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01091 |
番号外作者 無記 (999)
みさふらひみかさと申せ宮木ののこのしたつゆはあめにまされり
みさふらひ−みかさとまうせ−みやきのの−このしたつゆは−あめにまされり
異同資料句番号:01091
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01092 |
番号外作者 無記 (999)
もかみ河のほれはくたるいな舟のいなにはあらすこの月はかり
もかみかは−のほれはくたる−いなふねの−いなにはあらす−このつきはかり
異同資料句番号:01092
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01093 |
番号外作者 無記 (999)
君をおきてあたし心をわかもたはすゑの松山浪もこえなむ
きみをおきて−あたしこころを−わかもたは−すゑのまつやま−なみもこえなむ
異同資料句番号:01093
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01094 |
番号外作者 無記 (999)
こよろきのいそたちならしいそなつむめさしぬらすなおきにをれ浪
こよろきの−いそたちならし−いそなつむ−めさしぬらすな−おきにをれなみ
異同資料句番号:01094
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01095 |
番号外作者 無記 (999)
つくはねのこのもかのもに影はあれと君かみかけにますかけはなし
つくはねの−このもかのもに−かけはあれと−きみかみかけに−ますかけはなし
異同資料句番号:01095
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01096 |
番号外作者 無記 (999)
つくはねの峰のもみちはおちつもりしるもしらぬもなへてかなしも
つくはねの−みねのもみちは−おちつもり−しるもしらぬも−なへてかなしも
異同資料句番号:01096
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01097 |
番号外作者 無記 (999)
かひかねをさやにも見しかけけれなくよこほりふせるさやの中山
かひかねを−さやにもみしか−けけれなく−よこほりふせる−さやのなかやま
異同資料句番号:01097
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01098 |
番号外作者 無記 (999)
かひかねをねこし山こし吹く風を人にもかもや事つてやらむ
かひかねを−ねこしやまこし−ふくかせを−ひとにもかもや−ことつてやらむ
異同資料句番号:01098
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01099 |
番号外作者 無記 (999)
をふのうらにかたえさしおほひなるなしのなりもならすもねてかたらはむ
をふのうらに−かたえさしおほひ−なるなしの−なりもならすも−ねてかたらはむ
異同資料句番号:01099
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01100 |
敏行 藤原敏行朝臣 (018)
ちはやふるかものやしろのひめこまつよろつ世ふともいろはかはらし
ちはやふる−かものやしろの−ひめこまつ−よろつよふとも−いろはかはらし
異同資料句番号:01100
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01101 |
貫之 平あつゆき (035)
そま人は宮木ひくらしあしひきの山の山ひこよひとよむなり
そまひとは−みやきひくらし−あしひきの−やまのやまひこ−よひとよむなり
異同資料句番号:01101
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01102 |
番号外作者 勝臣 (999)
かけりてもなにをかたまのきても見むからはほのほとなりにしものを
かけりても−なにをかたまの−きてもみむ−からはほのほと−なりにしものを
異同資料句番号:01102
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01103 |
貫之 つらゆき (035)
こし時とこひつつをれはゆふくれのおもかけにのみ見えわたるかな
こしときと−こひつつをれは−ゆふくれの−おもかけにのみ−みえわたるかな
異同資料句番号:01103
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01104 |
小町 をののこまち (009)
おきのゐて身をやくよりもかなしきは宮こしまへのわかれなりけり
おきのゐて−みをやくよりも−かなしきは−みやこしまへの−わかれなりけり
異同資料句番号:01104
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01105 |
番号外作者 あやもち (999)
うきめをはよそめとのみそのかれゆく雲のあはたつ山のふもとに
うきめをは−よそめとのみそ−のかれゆく−くものあはたつ−やまのふもとに
異同資料句番号:01105
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01106 |
番号外作者 よみ人しらす (999)
けふ人をこふる心は大井河なかるる水におとらさりけり
けふひとを−こふるこころは−おほゐかは−なかるるみつに−おとらさりけり
異同資料句番号:01106
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01107 |
番号外作者 よみ人しらす (999)
わきもこにあふさか山のしのすすきほにはいてすもこひわたるかな
わきもこに−あふさかやまの−しのすすき−ほにはいてすも−こひわたるかな
異同資料句番号:01107
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01108 |
番号外作者 よみ人しらす(一説、あめのみかと) (999)
いぬかみのとこの山なるなとり河いさとこたへよわかなもらすな
いぬかみの−とこのやまなる−なとりかは−いさとこたへよ−わかなもらすな
異同資料句番号:01108
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01109 |
番号外作者 あふみのうねめ (999)
山しなのおとはのたきのおとにのみ人のしるへくわかこひめやも
やましなの−おとはのたきの−おとにのみ−ひとのしるへく−わかこひめやも
異同資料句番号:01109
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01110 |
番号外作者 そとほりひめ (999)
わかせこかくへきよひなりささかにのくものふるまひかねてしるしも
わかせこか−くへきよひなり−ささかにの−くものふるまひ−かねてしるしも
異同資料句番号:01110
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01111 |
貫之 つらゆき (035)
みちしらはつみにもゆかむすみのえの岸におふてふこひわすれくさ
みちしらは−つみにもゆかむ−すみのえの−きしにおふてふ−こひわすれくさ
異同資料句番号:01111
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