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作品集名 | 拾遺集 |
作品集名読み | しゅういしゅう |
作成年月日 | 寛弘二年六月十九日-寛弘四年一月二十八日頃(1005年7月27日-1007年2月18日) |
場所 |
00001 |
忠峯 壬生忠岑 (030)
はるたつといふはかりにや三吉野の山もかすみてけさは見ゆらん
はるたつと−いふはかりにや−みよしのの−やまもかすみて−けさはみゆらむ
異同資料句番号:00001
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00002 |
番号外作者 紀文幹 (999)
春霞たてるを見れは荒玉の年は山よりこゆるなりけり
はるかすみ−たてるをみれは−あらたまの−としはやまより−こゆるなりけり
異同資料句番号:00002
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00003 |
赤人 山辺赤人 (004)
昨日こそ年はくれしか春霞かすかの山にはやたちにけり
きのふこそ−としはくれしか−はるかすみ−かすかのやまに−はやたちにけり
異同資料句番号:00003
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00004 |
重之 源重之 (048)
吉野山峯の白雪いつきえてけさは霞の立ちかはるらん
よしのやま−みねのしらゆき−いつきえて−けさはかすみの−たちかはるらむ
異同資料句番号:00004
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00005 |
素性 素性法師 (021)
あらたまの年立帰る朝よりまたるる物はうくひすのこゑ
あらたまの−としたちかへる−あしたより−またるるものは−うくひすのこゑ
異同資料句番号:00005
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00006 |
順 源順 (130)
氷たにとまらぬ春の谷風にまたうちとけぬ鴬の声
こほりたに−とまらぬはるの−たにかせに−またうちとけぬ−うくひすのこゑ
異同資料句番号:00006
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00007 |
番号外作者 平祐挙 (999)
春立ちて朝の原の雪見れはまたふる年の心地こそすれ
はるたちて−あしたのはらの−ゆきみれは−またふるとしの−ここちこそすれ
異同資料句番号:00007
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00008 |
躬恒 みつね (029)
春立ちて猶ふる宮は梅の花さくほともなくちるかとそ見る
はるたちて−なほふるゆきは−うめのはな−さくほともなく−ちるかとそみる
異同資料句番号:00008
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00009 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかやとの梅にならひてみよしのの山の雪をも花とこそ見れ
わかやとの−うめにならひて−みよしのの−やまのゆきをも−はなとこそみれ
異同資料句番号:00009
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00010 |
朝忠 中納言朝忠 (044)
鴬の声なかりせは雪きえぬ山さといかてはるをしらまし
うくひすの−こゑなかりせは−ゆききえぬ−やまさといかて−はるをしらまし
異同資料句番号:00010
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00011 |
家持 大伴家持 (006)
うちきらし雪はふりつつしかすかにわか家のそのに鴬そなく
うちきらし−ゆきはふりつつ−しかすかに−わかいへのそのに−うくひすそなく
異同資料句番号:00011
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00012 |
人麿 柿本人麿 (003)
梅の花それとも見えす久方のあまきるこのなへてふれれは
うめのはな−それともみえす−ひさかたの−あまきるゆきの−なへてふれれは
異同資料句番号:00012
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00013 |
貫之 つらゆき (035)
むめかえにふりかかりてそ白雪の花のたよりにをらるへらなる
うめかえに−ふりかかりてそ−しらゆきの−はなのたよりに−をらるへらなる
異同資料句番号:00013
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00014 |
躬恒 みつね (029)
ふる雪に色はまかひぬ梅の花かにこそにたる物なかりけれ
ふるゆきに−いろはまかひぬ−うめのはな−かにこそにたる−ものなかりけれ
異同資料句番号:00014
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00015 |
兼盛 平兼盛 (040)
わかやとの梅のたちえや見えつらん思ひの外に君かきませる
わかやとの−うめのたちえや−みえつらむ−おもひのほかに−きみかきませる
異同資料句番号:00015
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00016 |
躬恒 みつね (029)
かをとめてたれをらさらん梅の花あやなし霞たちなかくしそ
かをとめて−たれをらさらむ−うめのはな−あやなしかすみ−たちなかくしそ
異同資料句番号:00016
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00017 |
貫之 つらゆき (035)
白妙のいもか衣にむめの花色をもかをもわきそかねつる
しろたへの−いもかころもに−うめのはな−いろをもかをも−わきそかねつる
異同資料句番号:00017
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00018 |
人麿 (003)
あすからはわかなつまむとかたをかの朝の原はけふそやくめる
あすからは−わかなつまむと−かたをかの−あしたのはらは−けふそやくめる
異同資料句番号:00018
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00019 |
貫之 つらゆき (035)
野辺見れはわかなつみけりむへしこそかきねの草もはるめきにけれ
のへみれは−わかなつみけり−うへしこそ−かきねのくさも−はるめきにけれ
異同資料句番号:00019
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00020 |
番号外作者 円融院御製 (999)
かすか野におほくの年はつみつれとおいせぬ物はわかななりけり
かすかのに−おほくのとしは−つみつれと−おいせぬものは−わかななりけり
異同資料句番号:00020
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00021 |
家持 大伴家持 (006)
春ののにあさるききすのつまこひにおのかありかを人にしれつつ
はるののに−あさるききすの−つまこひに−おのかありかを−ひとにしれつつ
異同資料句番号:00021
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00022 |
番号外作者 宮内 (999)
松のうへになく鴬のこゑをこそはつねの日とはいふへかりけれ
まつのうへに−なくうくひすの−こゑをこそ−はつねのひとは−いふへかりけれ
異同資料句番号:00022
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00023 |
忠峯 たたみね (030)
子の日するのへにこ松のなかりせは千世のためしになにをひかまし
ねのひする−のへにこまつの−なかりせは−ちよのためしに−なにをひかまし
異同資料句番号:00023
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00024 |
能宣 大中臣よしのふ (049)
ちとせまてかきれる松もけふよりは君にひかれて万代やへむ
ちとせまて−かきれるまつも−けふよりは−きみにひかれて−よろつよやへむ
異同資料句番号:00024
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00025 |
貫之 つらゆき (035)
梅の花またちらねともゆく水のそこにうつれるかけそ見えける
うめのはな−またちらねとも−ゆくみつの−そこにうつれる−かけそみえける
異同資料句番号:00025
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00026 |
読人不知 よみ人しらす (000)
つみたむることのかたきは鴬の声するのへのわかななりけり
つみたむる−ことのかたきは−うくひすの−こゑするのへの−わかななりけり
異同資料句番号:00026
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00027 |
読人不知 よみ人しらす (000)
梅の花よそなから見むわきもこかとかむはかりのかにもこそしめ
うめのはな−よそなからみむ−わきもこか−とかむはかりの−かにもこそしめ
異同資料句番号:00027
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00028 |
読人不知 よみ人しらす (000)
袖たれていさわかそのにうくひすのこつたひちらす梅の花見む
そてたれて−いさわかそのに−うくひすの−こつたひちらす−うめのはなみむ
異同資料句番号:00028
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00029 |
元良親王 兵部卿元良親王 (020)
あさまたきおきてそ見つる梅の花夜のまの風のうしろめたさに
あさまたき−おきてそみつる−うめのはな−よのまのかせの−うしろめたさに
異同資料句番号:00029
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00030 |
躬恒 みつね (029)
吹く風をなにいとひけん梅の花ちりくる時そかはまさりける
ふくかせを−なにいとひけむ−うめのはな−ちりくるときそ−かはまさりける
異同資料句番号:00030
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00031 |
能宣 大中臣能宣 (049)
匂をは風にそふとも梅の花色さへあやなあたにちらすな
にほひをは−かせにそふとも−うめのはな−いろさへあやな−あたにちらすな
異同資料句番号:00031
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00032 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ともすれは風のよるにそ青柳のいとは中中みたれそめける
ともすれは−かせのよるにそ−あをやきの−いとはなかなか−みたれそめける
異同資料句番号:00032
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00033 |
能宣 大中臣能宣 (049)
ちかくてそ色もまされるあをやきの糸はよりてそ見るへかりける
ちかくてそ−いろもまされる−あをやきの−いとはよりてそ−みるへかりける
異同資料句番号:00033
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00034 |
躬恒 凡河内躬恒 (029)
青柳の花田のいとをよりあはせてたえすもなくか鴬のこゑ
あをやきの−はなたのいとを−よりあはせて−たえすもなくか−うくひすのこゑ
異同資料句番号:00034
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00035 |
読人不知 よみ人しらす (000)
花見にはむれてゆけとも青柳の糸のもとにはくる人もなし
はなみには−むれてゆけとも−あをやきの−いとのもとには−くるひともなし
異同資料句番号:00035
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00036 |
中務 (136)
さけはちるさかねはこひし山桜思ひたえせぬ花のうへかな
さけはちる−さかねはこひし−やまさくら−おもひたえせぬ−はなのうへかな
異同資料句番号:00036
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00037 |
中務 (136)
吉野山たえす霞のたなひくは人にしられぬ花やさくらん
よしのやま−たえすかすみの−たなひくは−ひとにしられぬ−はなやさくらむ
異同資料句番号:00037
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00038 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さきさかすよそにても見む山さくら峯の白雲たちなかくしそ
さきさかす−よそにてもみむ−やまさくら−みねのしらくも−たちなかくしそ
異同資料句番号:00038
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00039 |
読人不知 よみ人しらす (000)
吹く風にあらそひかねてあしひきの山の桜はほころひにけり
ふくかせに−あらそひかねて−あしひきの−やまのさくらは−ほころひにけり
異同資料句番号:00039
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00040 |
読人不知 よみ人しらす (000)
浅緑のへの霞はつつめともこほれてにほふ花さくらかな
あさみとり−のへのかすみは−つつめとも−こほれてにほふ−はなさくらかな
異同資料句番号:00040
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00041 |
読人不知 よみ人しらす (000)
吉野山きえせぬ雪と見えつるは峯つつきさくさくらなりけり
よしのやま−きえせぬゆきと−みえつるは−みねつつきさく−さくらなりけり
異同資料句番号:00041
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00042 |
元輔 清原元輔 (042)
春霞立ちなへたてそ花さかりみてたにあかぬ山のさくらを
はるかすみ−たちなへたてそ−はなさかり−みてたにあかぬ−やまのさくらを
異同資料句番号:00042
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00043 |
忠峯 たたみね (030)
はるは猶我にてしりぬ花さかり心のとけき人はあらしな
はるはなほ−われにてしりぬ−はなさかり−こころのとけき−ひとはあらしな
異同資料句番号:00043
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00044 |
番号外作者 藤原千景 (999)
さきそめていく世へぬらんさくら花色をは人にあかす見せつつ
さきそめて−いくよへぬらむ−さくらはな−いろをはひとに−あかすみせつつ
異同資料句番号:00044
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00045 |
忠見 たた見 (041)
春くれはまつそうち見るいその神めつらしけなき山田なれとも
はるくれは−まつそうちみる−いそのかみ−めつらしけなき−やまたなれとも
異同資料句番号:00045
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00046 |
元方 在原元方 (169)
はるくれは山田の氷打ちとけて人の心にまかすへらなり
はるくれは−やまたのこほり−うちとけて−ひとのこころに−まかすへらなり
異同資料句番号:00046
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00047 |
番号外作者 斎宮内侍 (999)
春の田を人にまかせて我はたた花に心をつくるころかな
はるのたを−ひとにまかせて−われはたた−はなにこころを−つくるころかな
異同資料句番号:00047
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00048 |
貫之 つらゆき (035)
あたなれとさくらのみこそ旧里の昔なからの物には有りけれ
あたなれと−さくらのみこそ−ふるさとの−むかしなからの−ものにはありけれ
異同資料句番号:00048
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00049 |
伊勢 (019)
ちりちらすきかまほしきをふるさとの花見て帰る人もあはなん
ちりちらす−きかまほしきを−ふるさとの−はなみてかへる−ひともあはなむ
異同資料句番号:00049
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00050 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さくらかり雨はふりきぬおなしくはぬるとも花の影にかくれむ
さくらかり−あめはふりきぬ−おなしくは−ぬるともはなの−かけにかくれむ
異同資料句番号:00050
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00051 |
元輔 もとすけ (042)
とふ人もあらしと思ひし山さとに花のたよりに人め見るかな
とふひとも−あらしとおもひし−やまさとに−はなのたよりに−ひとめみるかな
異同資料句番号:00051
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00052 |
兼盛 平兼盛 (040)
花の木をうゑしもしるく春くれはわかやとすきて行く人そなき
はなのきを−うゑしもしるく−はるくれは−わかやとすきて−ゆくひとそなき
異同資料句番号:00052
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00053 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さくら色にわか身は深く成りぬらん心にしめて花ををしめは
さくらいろに−わかみはふかく−なりぬらむ−こころにしめて−はなををしめは
異同資料句番号:00053
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00054 |
長能 藤原長能 (176)
身にかへてあやなく花を惜むかないけらはのちのはるもこそあれ
みにかへて−あやなくはなを−をしむかな−いけらはのちの−はるもこそあれ
異同資料句番号:00054
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00055 |
読人不知 よみ人しらす (000)
見れとあかぬ花のさかりに帰る雁猶ふるさとのはるやこひしき
みれとあかぬ−はなのさかりに−かへるかり−なほふるさとの−はるやこひしき
異同資料句番号:00055
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00056 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ふるさとの霞とひわけゆくかりはたひのそらにやはるをくらさむ
ふるさとの−かすみとひわけ−ゆくかりは−たひのそらにや−はるをくらさむ
異同資料句番号:00056
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00057 |
仲文 藤原清正 (125)
ちりぬへき花見る時はすかのねのなかきはる日もみしかかりけり
ちりぬへき−はなみるときは−すかのねの−なかきはるひも−みしかかりけり
異同資料句番号:00057
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00058 |
読人不知 よみ人しらす (000)
つけやらんまにもちりなはさくら花いつはり人に我やなりなん
つけやらむ−まにもちりなは−さくらはな−いつはりひとに−われやなりなむ
異同資料句番号:00058
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00059 |
能宣 よしのふ (049)
ちりそむる花を見すててかへらめやおほつかなしといもはまつとも
ちりそむる−はなをみすてて−かへらめや−おほつかなしと−いもはまつとも
異同資料句番号:00059
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00060 |
読人不知 よみ人しらす (000)
見もはててゆくとおもへはちる花につけて心のそらになるかな
みもはてて−ゆくとおもへは−ちるはなに−つけてこころの−そらになるかな
異同資料句番号:00060
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00061 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あさことにわかはくやとのにはさくら花ちるほとはてもふれて見む
あさことに−わかはくやとの−にはさくら−はなちるほとは−てもふれてみむ
異同資料句番号:00061
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00062 |
恵慶 恵慶法師 (047)
あさちはらぬしなきやとの桜花心やすくや風にちるらん
あさちはら−ぬしなきやとの−さくらはな−こころやすくや−かせにちるらむ
異同資料句番号:00062
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00063 |
貫之 つらゆき (035)
春ふかくなりぬと思ふをさくら花ちるこのもとはまた雪そふる
はるふかく−なりぬとおもふを−さくらはな−ちるこのもとは−またゆきそふる
異同資料句番号:00063
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00064 |
貫之 つらゆき (035)
さくらちるこのした風はさむからてそらにしられぬゆきそふりける
さくらちる−このしたかせは−さむからて−そらにしられぬ−ゆきそふりける
異同資料句番号:00064
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00065 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あしひきの山ちにちれる桜花きえせぬはるの雪かとそ見る
あしひきの−やまちにちれる−さくらはな−きえせぬはるの−ゆきかとそみる
異同資料句番号:00065
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00066 |
番号外作者 小弐命婦 (999)
あしひきの山かくれなるさくら花ちりのこれりと風にしらるな
あしひきの−やまかくれなる−さくらはな−ちりのこれりと−かせにしらるな
異同資料句番号:00066
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00067 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いはまをもわけくるたきの水をいかてちりつむ花のせきととむらん
いはまをも−わけくるたきの−みつをいかて−ちりつむはなの−せきととむらむ
異同資料句番号:00067
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00068 |
順 源したかふ (130)
春ふかみゐてのかは浪たちかへり見てこそゆかめ山吹の花
はるふかみ−ゐてのかはなみ−たちかへり−みてこそゆかめ−やまふきのはな
異同資料句番号:00068
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00069 |
恵慶 恵慶法師 (047)
山吹の花のさかりにゐてにきてこのさと人になりぬへきかな
やまふきの−はなのさかりに−ゐてにきて−このさとひとに−なりぬへきかな
異同資料句番号:00069
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00070 |
元輔 もとすけ (042)
物もいはてなかめてそふる山吹の花に心そうつろひぬらん
ものもいはて−なかめてそふる−やまふきの−はなにこころそ−うつろひぬらむ
異同資料句番号:00070
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00071 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さは水にかはつなくなり山吹のうつろふ影やそこに見ゆらん
さはみつに−かはつなくなり−やまふきの−うつろふかけや−そこにみゆらむ
異同資料句番号:00071
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00072 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかやとのやへ山吹はひとへたにちりのこらなんはるのかたみに
わかやとの−やへやまふきは−ひとへたに−ちりのこらなむ−はるのかたみに
異同資料句番号:00072
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00073 |
是則 坂上是則 (031)
花の色をうつしととめよ鏡山春よりのちの影や見ゆると
はなのいろを−うつしととめよ−かかみやま−はるよりのちの−かけやみゆると
異同資料句番号:00073
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00074 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春霞たちわかれゆく山みちは花こそぬさとちりまかひけれ
はるかすみ−たちわかれゆく−やまみちは−はなこそぬさと−ちりまかひけれ
異同資料句番号:00074
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00075 |
読人不知 よみ人しらす (000)
年の内はみな春なからくれななん花見てたにもうきよすくさん
としのうちは−みなはるなから−くれななむ−はなみてたにも−うきよすくさむ
異同資料句番号:00075
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00076 |
貫之 つらゆき (035)
風ふけは方もさためすちる花をいつ方へゆくはるとかは見む
かせふけは−かたもさためす−ちるはなを−いつかたへゆく−はるとかはみむ
異同資料句番号:00076
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00077 |
貫之 つらゆき (035)
花もみなちりぬるやとは行く春のふるさととこそなりぬへらなれ
はなもみな−ちりぬるやとは−ゆくはるの−ふるさととこそ−なりぬへらなれ
異同資料句番号:00077
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00078 |
躬恒 みつね (029)
つねよりものとけかりつるはるなれとけふのくるるはあかすそありける
つねよりも−のとけかりつる−はるなれと−けふのくるるは−あかすそありける
異同資料句番号:00078
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00079 |
能宣 大中臣能宣 (049)
なくこゑはまたきかねともせみのはのうすき衣はたちそきてける
なくこゑは−またきかねとも−せみのはの−うすきころもは−たちそきてける
異同資料句番号:00079
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00080 |
順 したかふ (130)
わかやとのかきねやはるをへたつらん夏きにけりと見ゆる卯の花
わかやとの−かきねやはるを−へたつらむ−なつきにけりと−みゆるうのはな
異同資料句番号:00080
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00081 |
重之 源重之 (048)
花の色にそめしたもとのをしけれは衣かへうきけふにもあるかな
はなのいろに−そめしたもとの−をしけれは−ころもかへうき−けふにもあるかな
異同資料句番号:00081
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00082 |
番号外作者 盛明のみこ (999)
花ちるといとひしものを夏衣たつやおそきと風をまつかな
はなちると−いとひしものを−なつころも−たつやおそきと−かせをまつかな
異同資料句番号:00082
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00083 |
重之 しけゆき (048)
夏にこそさきかかりけれふちの花松にとのみも思ひけるかな
なつにこそ−さきかかりけれ−ふちのはな−まつにとのみも−おもひけるかな
異同資料句番号:00083
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00084 |
兼盛 平かねもり (040)
住吉の岸のふちなみわかやとの松のこすゑに色はまさらし
すみよしの−きしのふちなみ−わかやとの−まつのこすゑに−いろはまさらし
異同資料句番号:00084
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00085 |
順 したかふ (130)
紫のふちさく松のこすゑにはもとのみとりもみえすそありける
むらさきの−ふちさくまつの−こすゑには−もとのみとりも−みえすそありける
異同資料句番号:00085
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00086 |
実頼 小野宮太政大臣 (511)
うすくこくみたれてさける藤の花ひとしき色はあらしとそ思ふ
うすくこく−みたれてさける−ふちのはな−ひとしきいろは−あらしとそおもふ
異同資料句番号:00086
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00087 |
躬恒 (029)
手もふれてをしむかひなく藤の花そこにうつれは浪そをりける
てもふれて−をしむかひなく−ふちのはな−そこにうつれは−なみそをりける
異同資料句番号:00087
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00088 |
人麿 柿本人麿 (003)
たこの浦のそこさへにほふ藤浪をかさしてゆかん見ぬ人のため
たこのうらの−そこさへにほふ−ふちなみを−かさしてゆかむ−みぬひとのため
異同資料句番号:00088
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00089 |
番号外作者 平公誠 (999)
卯の花をちりにしむめにまかへてや夏のかきねに鴬のなく
うのはなを−ちりにしうめに−まかへてや−なつのかきねに−うくひすのなく
異同資料句番号:00089
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00090 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うの花のさけるかきねはみちのくのまかきのしまの浪かとそ見る
うのはなの−さけるかきねは−みちのくの−まかきのしまの−なみかとそみる
異同資料句番号:00090
|
00091 |
躬恒 みつね (029)
神まつる卯月にさける卯の花はしろくもきねかしらけたるかな
かみまつる−うつきにさける−うのはなは−しろくもきねか−しらけたるかな
異同資料句番号:00091
|
00092 |
貫之 つらゆき (035)
かみまつるやとの卯の花白妙のみてくらかとそあやまたれける
かみまつる−やとのうのはな−しろたへの−みてくらかとそ−あやまたれける
異同資料句番号:00092
|
00093 |
読人不知 よみ人しらす (000)
山かつのかきねにさける卯の花はたか白妙の衣かけしそ
やまかつの−かきねにさける−うのはなは−たかしろたへの−ころもかけしそ
異同資料句番号:00093
|
00094 |
読人不知 よみ人しらす (000)
時わかすふれる雪かと見るまてにかきねもたわにさける卯の花
ときわかす−ふれるゆきかと−みるまてに−かきねもたわに−さけるうのはな
異同資料句番号:00094
|
00095 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春かけてきかむともこそ思ひしか山郭公おそくなくらん
はるかけて−きかむともこそ−おもひしか−やまほとときす−おそくなくらむ
異同資料句番号:00095
|
00096 |
読人不知 よみ人しらす (000)
はつこゑのきかまほしさに郭公夜深くめをもさましつるかな
はつこゑの−きかまほしさに−ほとときす−よふかくめをも−さましつるかな
異同資料句番号:00096
|
00097 |
番号外作者 久米広縄 (999)
家にきてなにをかたらむあしひきの山郭公ひとこゑもかな
いへにきて−なにをかたらむ−あしひきの−やまほとときす−ひとこゑもかな
異同資料句番号:00097
|
00098 |
貫之 つらゆき (035)
山さとにしる人もかな郭公なきぬときかはつけにくるかに
やまさとに−しるひともかな−ほとときす−なきぬときかは−つけにくるかに
異同資料句番号:00098
|
00099 |
読人不知 よみ人しらす (000)
やまさとにやとらさりせは郭公きく人もなきねをやなかまし
やまさとに−やとらさりせは−ほとときす−きくひともなき−ねをやなかまし
異同資料句番号:00099
|
00100 |
番号外作者 坂上望城 (999)
髣髴にそ鳴渡るなる郭公み山をいつるけさのはつ声
ほのかにそ−なきわたるなる−ほとときす−みやまをいつる−けさのはつこゑ
異同資料句番号:00100
|
00101 |
兼盛 平兼盛 (040)
み山いてて夜はにやきつる郭公暁かけてこゑのきこゆる
みやまいてて−よはにやきつる−ほとときす−あかつきかけて−こゑのきこゆる
異同資料句番号:00101
|
00102 |
道綱母 右大将道綱母 (053)
宮こ人ねてまつらめや郭公今そ山へをなきていつなる
みやこひと−ねてまつらめや−ほとときす−いまそやまへを−なきていつなる
異同資料句番号:00102
|
00103 |
是則 坂上是則 (031)
山かつと人はいへとも郭公まつはつこゑは我のみそきく
やまかつと−ひとはいへとも−ほとときす−まつはつこゑは−われのみそきく
異同資料句番号:00103
|
00104 |
忠見 壬生忠見 (041)
さ夜ふけてねさめさりせは郭公人つてにこそきくへかりけれ
さよふけて−ねさめさりせは−ほとときす−ひとつてにこそ−きくへかりけれ
異同資料句番号:00104
|
00105 |
伊勢 (019)
ふたこゑときくとはなしに郭公夜深くめをもさましつるかな
ふたこゑと−きくとはなしに−ほとときす−よふかくめをも−さましつるかな
異同資料句番号:00105
|
00106 |
公忠 源公忠朝臣 (117)
行きやらて山ちくらしつほとときす今ひとこゑのきかまほしさに
ゆきやらて−やまちくらしつ−ほとときす−いまひとこゑの−きかまほしさに
異同資料句番号:00106
|
00107 |
貫之 つらゆき (035)
このさとにいかなる人かいへゐして山郭公たえすきくらむ
このさとに−いかなるひとか−いへゐして−やまほとときす−たえすきくらむ
異同資料句番号:00107
|
00108 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さみたれはちかくなるらしよと河のあやめの草もみくさおひにけり
さみたれは−ちかくなるらし−よとかはの−あやめのくさも−みくさおひにけり
異同資料句番号:00108
|
00109 |
能宣 大中臣能宣 (049)
昨日まてよそに思ひしあやめ草けふわかやとのつまと見るかな
きのふまて−よそにおもひし−あやめくさ−けふわかやとの−つまとみるかな
異同資料句番号:00109
|
00110 |
読人不知 よみ人しらす (000)
けふ見れは玉のうてなもなかりけりあやめの草のいほりのみして
けふみれは−たまのうてなも−なかりけり−あやめのくさの−いほりのみして
異同資料句番号:00110
|
00111 |
番号外作者 延喜御製 (999)
葦引の山郭公けふとてやあやめの草のねにたててなく
あしひきの−やまほとときす−けふとてや−あやめのくさの−ねにたててなく
異同資料句番号:00111
|
00112 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たかそてに思ひよそへて郭公花橘のえたになくらん
たかそてに−おもひよそへて−ほとときす−はなたちはなの−えたになくらむ
異同資料句番号:00112
|
00113 |
忠見 壬生忠見 (041)
いつ方になきてゆくらむ郭公よとのわたりのまたよふかきに
いつかたに−なきてゆくらむ−ほとときす−よとのわたりの−またよふかきに
異同資料句番号:00113
|
00114 |
忠見 壬生忠見 (041)
しけることまこものおふるよとのにはつゆのやとりを人そかりける
しけること−まこものおふる−よとのには−つゆのやとりを−ひとそかりける
異同資料句番号:00114
|
00115 |
貫之 つらゆき (035)
かの方にはやこきよせよ郭公道になきつと人にかたらん
かのかたに−はやこきよせよ−ほとときす−みちになきつと−ひとにかたらむ
異同資料句番号:00115
|
00116 |
躬恒 みつね (029)
郭公をちかへりなけうなゐこかうちたれかみのさみたれのそら
ほとときす−をちかへりなけ−うなゐこか−うちたれかみの−さみたれのそら
異同資料句番号:00116
|
00117 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なけやなけたか田の山の郭公このさみたれにこゑなをしみそ
なけやなけ−たかたのやまの−ほとときす−このさみたれに−こゑなをしみそ
異同資料句番号:00117
|
00118 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さみたれはいこそねられね郭公夜ふかくなかむこゑをまつとて
さみたれは−いこそねられね−ほとときす−よふかくなかむ−こゑをまつとて
異同資料句番号:00118
|
00119 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うたて人おもはむものをほとときすよるしもなとかわかやとになく
うたてひと−おもはむものを−ほとときす−よるしもなとか−わかやとになく
異同資料句番号:00119
|
00120 |
坂上郎女 大伴坂上郎女 (521)
郭公いたくななきそひとりゐていのねられぬにきけはくるしも
ほとときす−いたくななきそ−ひとりゐて−いのねられぬに−きけはくるしも
異同資料句番号:00120
|
00121 |
中務 (136)
夏の夜の心をしれるほとときすはやもなかなんあけもこそすれ
なつのよの−こころをしれる−ほとときす−はやもなかなむ−あけもこそすれ
異同資料句番号:00121
|
00122 |
中務 (136)
なつのよは浦島のこかはこなれやはかなくあけてくやしかるらん
なつのよは−うらしまのこか−はこなれや−はかなくあけて−くやしかるらむ
異同資料句番号:00122
|
00123 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なつくれは深草山の郭公なくこゑしけくなりまさるなり
なつくれは−ふかくさやまの−ほとときす−なくこゑしけく−なりまさるなり
異同資料句番号:00123
|
00124 |
実方 藤原実方朝臣 (051)
さ月やみくらはし山の郭公おほつかなくもなきわたるかな
さつきやみ−くらはしやまの−ほとときす−おほつかなくも−なきわたるかな
異同資料句番号:00124
|
00125 |
読人不知 よみ人しらす (000)
郭公なくやさ月のみしかよもひとりしぬれはあかしかねつも
ほとときす−なくやさつきの−みしかよも−ひとりしぬれは−あかしかねつも
異同資料句番号:00125
|
00126 |
順 源したかふ (130)
ほとときす松につけてやともしする人も山へによをあかすらん
ほとときす−まつにつけてや−ともしする−ひともやまへに−よをあかすらむ
異同資料句番号:00126
|
00127 |
貫之 つらゆき (035)
さ月山このしたやみにともす火はしかのたちとのしるへなりけり
さつきやま−このしたやみに−ともすひは−しかのたちとの−しるへなりけり
異同資料句番号:00127
|
00128 |
兼盛 平兼盛 (040)
あやしくもしかのたちとの見えぬかなをくらの山に我やきぬらん
あやしくも−しかのたちとの−みえぬかな−をくらのやまに−われやきぬらむ
異同資料句番号:00128
|
00129 |
躬恒 みつね (029)
ゆくすゑはまたとほけれと夏山のこのしたかけそたちうかりける
ゆくすゑは−またとほけれと−なつやまの−このしたかけそ−たちうかりける
異同資料句番号:00129
|
00130 |
貫之 つらゆき (035)
夏山の影をしけみやたまほこの道行く人も立ちとまるらん
なつやまの−かけをしけみや−たまほこの−みちゆくひとも−たちとまるらむ
異同資料句番号:00130
|
00131 |
恵慶 恵慶法師 (047)
松影のいはゐの水をむすひあけて夏なきとしと思ひけるかな
まつかけの−いはゐのみつを−むすひあけて−なつなきとしと−おもひけるかな
異同資料句番号:00131
|
00132 |
伊勢 (019)
いつこにもさきはすらめとわかやとの山となてしこたれに見せまし
いつこにも−さきはすらめと−わかやとの−やまとなてしこ−たれにみせまし
異同資料句番号:00132
|
00133 |
読人不知 よみ人しらす (000)
そこきよみなかるる河のさやかにもはらふることを神はきかなん
そこきよみ−なかるるかはの−さやかにも−はらふることを−かみはきかなむ
異同資料句番号:00133
|
00134 |
長能 藤原長能 (176)
さはへなすあらふる神もおしなへてけふはなこしの祓なりけり
さはへなす−あらふるかみも−おしなへて−けふはなこしの−はらへなりけり
異同資料句番号:00134
|
00135 |
読人不知 よみ人しらす (000)
もみちせはあかくなりなんをくら山秋まつほとのなにこそありけれ
もみちせは−あかくなりなむ−をくらやま−あきまつほとの−なにこそありけれ
異同資料句番号:00135
|
00136 |
忠峯 たたみね (030)
おほあらきのもりのした草しけりあひて深くも夏のなりにけるかな
おほあらきの−もりのしたくさ−しけりあひて−ふかくもなつの−なりにけるかな
異同資料句番号:00136
|
00137 |
安法 安法法師 (185)
夏衣またひとへなるうたたねに心してふけ秋のはつ風
なつころも−またひとへなる−うたたねに−こころしてふけ−あきのはつかせ
異同資料句番号:00137
|
00138 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋はきぬ竜田の山も見てしかなしくれぬさきに色やかはると
あきはきぬ−たつたのやまも−みてしかな−しくれぬさきに−いろやかはると
異同資料句番号:00138
|
00139 |
貫之 つらゆき (035)
荻の葉のそよくねとこそ秋風の人にしらるる始なりけれ
をきのはの−そよくおとこそ−あきかせの−ひとにしらるる−はしめなりけれ
異同資料句番号:00139
|
00140 |
恵慶 恵慶法師 (047)
やへむくらしけれるやとのさひしきに人こそ見えね秋はきにけり
やへむくら−しけれるやとの−さひしきに−ひとこそみえね−あきはきにけり
異同資料句番号:00140
|
00141 |
番号外作者 安貴玉 (999)
秋立ちていく日もあらねとこのねぬるあさけの風はたもとすすしも
あきたちて−いくかもあらねと−このねぬる−あさけのかせは−たもとすすしも
異同資料句番号:00141
|
00142 |
躬恒 みつね (029)
ひこほしのつままつよひの秋思に我さへあやな人そこひしき
ひこほしの−つままつよひの−あきかせに−われさへあやな−ひとそこひしき
異同資料句番号:00142
|
00143 |
貫之 つらゆき (035)
秋風に夜のふけゆけはあまの河かはせに浪のたちゐこそまて
あきかせに−よのふけゆけは−あまのかは−かはせになみの−たちゐこそまて
異同資料句番号:00143
|
00144 |
人麿 柿本人まろ (003)
あまの河とほき渡にあらねとも君かふなては年にこそまて
あまのかは−とほきわたりに−あらねとも−きみかふなては−としにこそまて
異同資料句番号:00144
|
00145 |
人麿 柿本人まろ (003)
天の河こその渡のうつろへはあさせふむまに夜そふけにける
あまのかは−こそのわたりの−うつろへは−あさせふむまに−よそふけにける
異同資料句番号:00145
|
00146 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さ夜ふけてあまの河をそいてて見る思ふさまなる雲や渡ると
さよふけて−あまのかはをそ−いててみる−おもふさまなる−くもやわたると
異同資料句番号:00146
|
00147 |
番号外作者 湯原玉 (999)
ひこほしの思ひますらん事よりも見る我くるしよのふけゆけは
ひこほしの−おもひますらむ−ことよりも−みるわれくるし−よのふけゆけは
異同資料句番号:00147
|
00148 |
人麿 人まろ (003)
年に有りてひとよいもにあふひこほしも我にまさりて思ふらんやそ
としにありて−ひとよいもにあふ−ひこほしも−われにまさりて−おもふらむやそ
異同資料句番号:00148
|
00149 |
貫之 つらゆき (035)
たなはたにぬきてかしつる唐衣いとと涙に袖やぬるらん
たなはたに−ぬきてかしつる−からころも−いととなみたに−そてやぬるらむ
異同資料句番号:00149
|
00150 |
貫之 つらゆき (035)
ひととせにひとよとおもへとたなはたのあひ見む秋の限なきかな
ひととせに−ひとよとおもへと−たなはたの−あひみむあきの−かきりなきかな
異同資料句番号:00150
|
00151 |
恵慶 恵慶法師 (047)
いたつらにすくる月日をたなはたのあふよのかすと思はましかは
いたつらに−すくるつきひを−たなはたの−あふよのかすと−おもはましかは
異同資料句番号:00151
|
00152 |
元輔 もとすけ (042)
いととしくいもねさるらんと思ふかなけふのこよひにあへるたなはた
いととしく−いもねさるらむと−おもふかな−けふのこよひに−あへるたなはた
異同資料句番号:00152
|
00153 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あひ見てもあはてもなけくたなはたはいつか心ののとけかるへき
あひみても−あはてもなけく−たなはたは−いつかこころの−のとけかるへき
異同資料句番号:00153
|
00154 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかいのる事はひとつそ天の河そらにしりてもたかへさらなん
わかいのる−ことはひとつそ−あまのかは−そらにしりても−たかへさらなむ
異同資料句番号:00154
|
00155 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君こすは誰に見せましわかやとのかきねにさける槿の花
きみこすは−たれにみせまし−わかやとの−かきねにさける−あさかほのはな
異同資料句番号:00155
|
00156 |
読人不知 よみ人しらす (000)
女郎花おほかるのへに花すすきいつれをさしてまねくなるらん
をみなへし−おほかるのへに−はなすすき−いつれをさして−まねくなるらむ
異同資料句番号:00156
|
00157 |
読人不知 よみ人しらす (000)
手もたゆくうゑしもしるく女郎花色ゆゑ君かやとりぬるかな
てもたゆく−うゑしもしるく−をみなへし−いろゆゑきみか−やとりぬるかな
異同資料句番号:00157
|
00158 |
実頼 小野宮太政大臣 (511)
くちなしの色をそたのむ女郎花はなにめてつと人にかたるな
くちなしの−いろをそたのむ−をみなへし−はなにめてつと−ひとにかたるな
異同資料句番号:00158
|
00159 |
能宣 よしのふ (049)
女郎花にほふあたりにむつるれはあやなくつゆや心おくらん
をみなへし−にほふあたりに−むつるれは−あやなくつゆや−こころおくらむ
異同資料句番号:00159
|
00160 |
読人不知 よみ人しらす (000)
白露のおくつまにする女郎花あなわつらはし人なてふれそ
しらつゆの−おくつまにする−をみなへし−あなわつらはし−ひとなてふれそ
異同資料句番号:00160
|
00161 |
長能 藤原長能 (176)
日くらしに見れともあかぬをみなへしのへにやこよひたひねしなまし
ひくらしに−みれともあかぬ−をみなへし−のへにやこよひ−たひねしなまし
異同資料句番号:00161
|
00162 |
恵慶 恵慶法師 (047)
荻の葉もややうちそよくほとなるをなとかりかねのおとなかるらん
をきのはも−ややうちそよく−ほとなるを−なとかりかねの−おとなかるらむ
異同資料句番号:00162
|
00163 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かりにとてくへかりけりや秋の野の花見るほとに日もくれぬへし
かりにとて−くへかりけりや−あきののの−はなみるほとに−ひもくれぬへし
異同資料句番号:00163
|
00164 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋の野の花のなたてに女郎花かりにのみこむ人にをらるな
あきののの−はなのなたてに−をみなへし−かりにのみこむ−ひとにをらるな
異同資料句番号:00164
|
00165 |
貫之 紀貫之 (035)
かりにとて我はきつれとをみなへし見るに心そ思ひつきぬる
かりにとて−われはきつれと−をみなへし−みるにこころそ−おもひつきぬる
異同資料句番号:00165
|
00166 |
貫之 紀貫之 (035)
かりにのみ人の見ゆれはをみなへし花のたもとそつゆけかりける
かりにのみ−ひとのみゆれは−をみなへし−はなのたもとそ−つゆけかりける
異同資料句番号:00166
|
00167 |
伊勢 (019)
栽ゑたてて君かしめゆふ花なれは玉と見えてやつゆもおくらん
うゑたてて−きみかしめゆふ−はななれは−たまとみえてや−つゆもおくらむ
異同資料句番号:00167
|
00168 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こてすくす秋はなけれとはつかりのきくたひことにめつらしきかな
こてすくす−あきはなけれと−はつかりの−きくたひことに−めつらしきかな
異同資料句番号:00168
|
00169 |
高遠 大弐高遠 (171)
相坂の関のいはかとふみならし山たちいつるきりはらのこま
あふさかの−せきのいはかと−ふみならし−やまたちいつる−きりはらのこま
異同資料句番号:00169
|
00170 |
貫之 つらゆき (035)
あふさかの関のし水に影見えて今やひくらんもち月のこま
あふさかの−せきのしみつに−かけみえて−いまやひくらむ−もちつきのこま
異同資料句番号:00170
|
00171 |
順 源したかふ (130)
水のおもにてる月浪をかそふれはこよひそ秋のもなかなりける
みつのおもに−てるつきなみを−かそふれは−こよひそあきの−もなかなりける
異同資料句番号:00171
|
00172 |
能宣 よしのふ (049)
秋の月浪のそこにそいてにけるまつらん山のかひやなからん
あきのつき−なみのそこにそ−いてにける−まつらむやまの−かひやなからむ
異同資料句番号:00172
|
00173 |
番号外作者 源景明 (999)
あきの月西にあるかと見えつるはふけゆくよはの影にそ有りける
あきのつき−にしにあるかと−みえつるは−ふけゆくよはの−かけにそありける
異同資料句番号:00173
|
00174 |
元輔 もとすけ (042)
あかすのみおもほえむをはいかかせんかくこそは見め秋のよの月
あかすのみ−おもほえむをは−いかかせむ−かくこそはみめ−あきのよのつき
異同資料句番号:00174
|
00175 |
番号外作者 藤原経臣 (999)
ここにたにひかりさやけき秋の月雲のうへこそ思ひやらるれ
ここにたに−ひかりさやけき−あきのつき−くものうへこそ−おもひやらるれ
異同資料句番号:00175
|
00176 |
躬恒 みつね (029)
いつこにか今夜の月の見えさらんあかぬは人の心なりけり
いつこにか−こよひのつきの−みえさらむ−あかぬはひとの−こころなりけり
異同資料句番号:00176
|
00177 |
兼盛 かねもり (040)
終夜見てをあかさむ秋の月こよひのそらにくもなからなん
よもすから−みてをあかさむ−あきのつき−こよひのそらに−くもなからなむ
異同資料句番号:00177
|
00178 |
番号外作者 藤原為頼 (999)
おほつかないつこなるらん虫のねをたつねは草の露やみたれん
おほつかな−いつこなるらむ−むしのねを−たつねはくさの−つゆやみたれむ
異同資料句番号:00178
|
00179 |
伊勢 (019)
いつこにも草の枕をすすむしはここをたひとも思はさらなん
いつこにも−くさのまくらを−すすむしは−ここをたひとも−おもはさらなむ
異同資料句番号:00179
|
00180 |
貫之 つらゆき (035)
秋くれははたおる虫のあるなへに唐錦にも見ゆるのへかな
あきくれは−はたおるむしの−あるなへに−からにしきにも−みゆるのへかな
異同資料句番号:00180
|
00181 |
読人不知 よみ人しらす (000)
契りけん程や過きぬる秋ののに人松虫の声のたえせぬ
ちきりけむ−ほとやすきぬる−あきののに−ひとまつむしの−こゑのたえせぬ
異同資料句番号:00181
|
00182 |
躬恒 みつね (029)
露けくてわか衣手はぬれぬとも折りてをゆかん秋はきの花
つゆけくて−わかころもては−ぬれぬとも−をりてをゆかむ−あきはきのはな
異同資料句番号:00182
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00183 |
伊勢 (019)
うつろはむ事たに惜しき秋萩ををれぬはかりもおける露かな
うつろはむ−ことたにをしき−あきはきを−をれぬはかりも−おけるつゆかな
異同資料句番号:00183
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00184 |
元輔 もとすけ (042)
わかやとの菊の白露けふことにいく世つもりて淵となるらん
わかやとの−きくのしらつゆ−けふことに−いくよつもりて−ふちとなるらむ
異同資料句番号:00184
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00185 |
躬恒 みつね (029)
長月のここぬかことにつむ菊の花もかひなくおいにけるかな
なかつきの−ここぬかことに−つむきくの−はなもかひなく−おいにけるかな
異同資料句番号:00185
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00186 |
忠峯 たたみね (030)
千鳥なくさほの河きり立ちぬらし山のこのはも色かはり行く
ちとりなく−さほのかはきり−たちぬらし−やまのこのはも−いろかはりゆく
異同資料句番号:00186
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00187 |
貫之 つらゆき (035)
風さむみわかから衣うつ時そ萩のしたはもいろまさりける
かせさむみ−わかからころも−うつときそ−はきのしたはも−いろまさりける
異同資料句番号:00187
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00188 |
好忠 曾禰好忠 (046)
神なひのみむろの山をけふみれはした草かけて色つきにけり
かみなひの−みむろのやまを−けふみれは−したくさかけて−いろつきにけり
異同資料句番号:00188
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00189 |
能宣 大中臣能宣 (049)
紅葉せぬときはの山は吹く風のおとにや秋をききわたるらん
もみちせぬ−ときはのやまは−ふくかせの−おとにやあきを−ききわたるらむ
異同資料句番号:00189
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00190 |
能宣 大中臣能宣 (049)
もみちせぬときはの山にすむしかはおのれなきてや秋をしるらん
もみちせぬ−ときはのやまに−すむしかは−おのれなきてや−あきをしるらむ
異同資料句番号:00190
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00191 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋風の打吹くことに高砂のをのへのしかのなかぬ日そなき
あきかせの−うちふくことに−たかさこの−をのへのしかの−なかぬひそなき
異同資料句番号:00191
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00192 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あきかせをそむくものから花すすきゆく方をなとまねくなるらん
あきかせを−そむくものから−はなすすき−ゆくかたをなと−まねくなるらむ
異同資料句番号:00192
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00193 |
恵慶 恵慶法師 (047)
もみち見にやとれる我としらねはやさほの河きりたちかくすらん
もみちみに−やとれるわれと−しらねはや−さほのかはきり−たちかくすらむ
異同資料句番号:00193
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00194 |
読人不知 よみ人しらす (000)
もみちはの色をしそへてなかるれはあさくも見えす山河の水
もみちはの−いろをしそへて−なかるれは−あさくもみえす−やまかはのみつ
異同資料句番号:00194
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00195 |
能宣 よしのふ (049)
もみち葉をけふは猶見むくれぬともをくらの山の名にはさはらし
もみちはを−けふはなほみむ−くれぬとも−をくらのやまの−なにはさはらし
異同資料句番号:00195
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00196 |
読人不知 読人しらす (000)
秋きりのたたまくをしき山ちかなもみちの錦おりつもりつつ
あききりの−たたまくをしき−やまちかな−もみちのにしき−おりつもりつつ
異同資料句番号:00196
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00197 |
番号外作者 健守法師 (999)
水のあやに紅葉の鏡かさねつつ河せに浪のたたぬ日そなき
みつのあやに−もみちのにしき−かさねつつ−かはせになみの−たたぬひそなき
異同資料句番号:00197
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00198 |
順 したかふ (130)
名をきけは昔なからの山なれとしくるる秋は色まさりけり
なをきけは−むかしなからの−やまなれと−しくるるあきは−いろまさりけり
異同資料句番号:00198
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00199 |
恵慶 恵慶法師 (047)
昨日よりけふはまされるもみちはのあすの色をは見てややみなん
きのふより−けふはまされる−もみちはの−あすのいろをは−みてややみなむ
異同資料句番号:00199
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00200 |
番号外作者 源延光朝臣 (999)
もみち葉を手ことにをりてかへりなん風の心もうしろめたきに
もみちはを−てことにをりて−かへりなむ−かせのこころも−うしろめたきに
異同資料句番号:00200
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00201 |
番号外作者 源兼光 (999)
枝なから見てをかへらんもみちははをらんほとにもちりもこそすれ
えたなから−みてをかへらむ−もみちはは−をらむほとにも−ちりもこそすれ
異同資料句番号:00201
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00202 |
深養父 ふかやふ (036)
河霧のふもとをこめて立ちぬれはそらにそ秋の山は見えける
かはきりの−ふもとをこめて−たちぬれは−そらにそあきの−やまはみえける
異同資料句番号:00202
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00203 |
番号外作者 法橋観教 (999)
水うみに秋の山へをうつしてははたはりひろき錦とそ見る
みつうみに−あきのやまへを−うつしては−はたはりひろき−にしきとそみる
異同資料句番号:00203
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00204 |
恵慶 恵慶法師 (047)
今よりは紅葉のもとにやとりせしをしむに旅の日かすへぬへし
いまよりは−もみちのもとに−やとりせし−をしむにたひの−ひかすへぬへし
異同資料句番号:00204
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00205 |
読人不知 よみ人しらす (000)
とふ人も今はあらしの山かせに人松虫のこゑそかなしき
とふひとも−いまはあらしの−やまかせに−ひとまつむしの−こゑそかなしき
異同資料句番号:00205
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00206 |
貫之 つらゆき (035)
ちりぬへき山の紅葉を秋きりのやすくも見せす立ちかくすらん
ちりぬへき−やまのもみちを−あききりの−やすくもみせす−たちかくすらむ
異同資料句番号:00206
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00207 |
遍昭 僧正遍昭 (012)
秋山のあらしのこゑをきく時はこのはならねと物そかなしき
あきやまの−あらしのこゑを−きくときは−このはならねと−ものそかなしき
異同資料句番号:00207
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00208 |
貫之 つらゆき (035)
あきの夜に雨ときこえてふる物は風にしたかふ紅葉なりけり
あきのよに−あめときこえて−ふるものは−かせにしたかふ−もみちなりけり
異同資料句番号:00208
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00209 |
貫之 つらゆき (035)
心もてちらんたにこそをしからめなとか紅葉に風の吹くらん
こころもて−ちらむたにこそ−をしからめ−なとかもみちに−かせのふくらむ
異同資料句番号:00209
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00210 |
公任 右衛門督公任 (055)
あさまたき嵐の山のさむけれは紅葉の錦きぬ人そなき
あさまたき−あらしのやまの−さむけれは−もみちのにしき−きぬひとそなき
異同資料句番号:00210
|
00211 |
能宣 よしのふ (049)
秋きりの峯にもをにもたつ山はもみちの錦たまらさりけり
あききりの−みねにもをにも−たつやまは−もみちのにしき−たまらさりけり
異同資料句番号:00211
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00212 |
忠峯 壬生忠岑 (030)
いろいろのこのはなかるる大井河しもは桂のもみちとや見ん
いろいろの−このはなかるる−おほゐかは−しもはかつらの−もみちとやみむ
異同資料句番号:00212
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00213 |
好忠 よしたた (046)
まねくとて立ちもとまらぬ秋ゆゑにあはれかたよる花すすきかな
まねくとて−たちもとまらぬ−あきゆゑに−あはれかたよる−はなすすきかな
異同資料句番号:00213
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00214 |
兼盛 平兼盛 (040)
くれてゆく秋のかたみにおく物はわかもとゆひのしもにそ有りける
くれてゆく−あきのかたみに−おくものは−わかもとゆひの−しもにそありける
異同資料句番号:00214
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00215 |
貫之 紀貫之 (035)
あしひきの山かきくもりしくるれと紅葉はいととてりまさりけり
あしひきの−やまかきくもり−しくるれと−もみちはいとと−てりまさりけり
異同資料句番号:00215
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00216 |
読人不知 よみ人しらす (000)
綱代木にかけつつ洗ふ唐錦日をへてよする紅葉なりけり
あしろきに−かけつつあらふ−からにしき−ひをへてよする−もみちなりけり
異同資料句番号:00216
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00217 |
貫之 つらゆき (035)
かきくらししくるるそらをなかめつつ思ひこそやれ神なひのもり
かきくらし−しくるるそらを−なかめつつ−おもひこそやれ−かみなひのもり
異同資料句番号:00217
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00218 |
読人不知 よみ人しらす (000)
神な月時雨しぬらしくすのはのうらこかるねに鹿もなくなり
かみなつき−しくれしぬらし−くすのはの−うちこかるねに−しかもなくなり
異同資料句番号:00218
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00219 |
人麿 柿本人麿 (003)
竜田河もみち葉なかる神なひのみむろの山に時雨ふるらし
たつたかは−もみちはなかる−かみなひの−みむろのやまに−しくれふるらし
異同資料句番号:00219
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00220 |
遍昭 僧正遍昭 (012)
唐錦枝にひとむらのこれるは秋のかたみをたたぬなりけり
からにしき−えたにひとむら−のこれるは−あきのかたみを−たたぬなりけり
異同資料句番号:00220
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00221 |
貫之 つらゆき (035)
流れくるもみち葉見れはからにしき滝のいともておれるなりけり
なかれくる−もみちはみれは−からにしき−たきのいともて−おれるなりけり
異同資料句番号:00221
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00222 |
兼盛 平兼盛 (040)
時雨ゆゑかつくたもとをよそ人はもみちをはらふ袖かとや見ん
しくれゆゑ−かつくたもとを−よそひとは−もみちをはらふ−そてかとやみむ
異同資料句番号:00222
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00223 |
重之 源重之 (048)
あしのはにかくれてすみしつのくにのこやもあらはに冬はきにけり
あしのはに−かくれてすみし−つのくにの−こやもあらはに−ふゆはきにけり
異同資料句番号:00223
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00224 |
貫之 つらゆき (035)
思ひかねいもかりゆけは冬の夜の河風さむみちとりなくなり
おもひかね−いもかりゆけは−ふゆのよの−かはかせさむみ−ちとりなくなり
異同資料句番号:00224
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00225 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひねもすに見れともあかぬもみちははいかなる山の嵐なるらん
ひねもすに−みれともあかぬ−もみちはは−いかなるやまの−あらしなるらむ
異同資料句番号:00225
|
00226 |
読人不知 よみ人しらす (000)
夜をさむみねさめてきけはをしとりの浦山しくもみなるなるかな
よをさむみ−ねさめてきけは−をしとりの−うらやましくも−みなるなるかな
異同資料句番号:00226
|
00227 |
読人不知 よみ人しらす (000)
水鳥のしたやすからぬ思ひにはあたりの水もこほらさりけり
みつとりの−したやすからぬ−おもひには−あたりのみつも−こほらさりけり
異同資料句番号:00227
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00228 |
読人不知 よみ人しらす (000)
夜をさむみねさめてきけはをしそなく払ひもあへす霜やおくらん
よをさむみ−ねさめてきけは−をしそなく−はらひもあへす−しもやおくらむ
異同資料句番号:00228
|
00229 |
読人不知 よみ人しらす (000)
霜のうへにふるはつゆきのあさ氷とけすも物を思ふころかな
しものうへに−ふるはつゆきの−あさこほり−とけすもものを−おもふころかな
異同資料句番号:00229
|
00230 |
公任 右衛門督公任 (055)
しもおかぬ袖たにさゆる冬の夜にかものうはけを思ひこそやれ
しもおかぬ−そてたにさゆる−ふゆのよに−かものうはけを−おもひこそやれ
異同資料句番号:00230
|
00231 |
番号外作者 たちはなのゆきより (999)
池水や氷とくらむあしかもの夜ふかくこゑのさわくなるかな
いけみつや−こほりとくらむ−あしかもの−よふかくこゑの−さわくなるかな
異同資料句番号:00231
|
00232 |
友則 紀友則 (033)
とひかよふをしのはかせのさむけれは池の氷そさえまさりける
とひかよふ−をしのはかせの−さむけれは−いけのこほりそ−さえまさりける
異同資料句番号:00232
|
00233 |
読人不知 よみ人しらす (000)
水のうへに思ひしものを冬の夜の氷は袖の物にそ有りける
みつのうへに−おもひしものを−ふゆのよの−こほりはそての−ものにそありける
異同資料句番号:00233
|
00234 |
兼盛 平兼盛 (040)
ふしつけしよとの渡をけさ見れはとけんこもなく氷しにけり
ふしつけし−よとのわたりを−けさみれは−とけむこもなく−こほりしにけり
異同資料句番号:00234
|
00235 |
読人不知 よみ人しらす (000)
冬さむみこほらぬ水はなけれとも吉野のたきはたゆるよもなし
ふゆさむみ−こほらぬみつは−なけれとも−よしののたきは−たゆるよもなし
異同資料句番号:00235
|
00236 |
能宣 よしのふ (049)
ふゆされは嵐のこゑもたかさこの松につけてそきくへかりける
ふゆされは−あらしのこゑも−たかさこの−まつにつけてそ−きくへかりける
異同資料句番号:00236
|
00237 |
元輔 もとすけ (042)
高砂の松にすむつる冬くれはをのへの霜やおきまさるらん
たかさこの−まつにすむつる−ふゆくれは−をのへのしもや−おきまさるらむ
異同資料句番号:00237
|
00238 |
友則 紀とものり (033)
ゆふされはさほのかはらの河きりに友まとはせる千鳥なくなり
ゆふされは−さほのかはらの−かはきりに−ともまとはせる−ちとりなくなり
異同資料句番号:00238
|
00239 |
人麿 (003)
浦ちかくふりくる雪はしら浪の末の松山こすかとそ見る
うらちかく−ふりくるゆきは−しらなみの−すゑのまつやま−こすかとそみる
異同資料句番号:00239
|
00240 |
元輔 もとすけ (042)
冬の夜の池の氷のさやけきは月の光のみかくなりけり
ふゆのよの−いけのこほりの−さやけきは−つきのひかりの−みかくなりけり
異同資料句番号:00240
|
00241 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ふゆの池のうへは氷にとちられていかてか月のそこに入るらん
ふゆのいけの−うへはこほりに−とちられて−いかてかつきの−そこにいるらむ
異同資料句番号:00241
|
00242 |
恵慶 恵慶法師 (047)
あまの原そらさへさえや渡るらん氷と見ゆる冬の夜の月
あまのはら−そらさへさえや−わたるらむ−こほりとみゆる−ふゆのよのつき
異同資料句番号:00242
|
00243 |
番号外作者 源景明 (999)
宮こにてめつらしと見るはつ雪はよしのの山にふりやしぬらん
みやこにて−めつらしとみる−はつゆきは−よしののやまに−ふりやしぬらむ
異同資料句番号:00243
|
00244 |
元輔 もとすけ (042)
ふるほともはかなく見ゆるあはゆきのうら山しくも打ちとくるかな
ふるほとも−はかなくみゆる−あはゆきの−うらやましくも−うちとくるかな
異同資料句番号:00244
|
00245 |
伊勢 (019)
あしひきの山ゐにふれる白雪はすれる衣の心地こそすれ
あしひきの−やまゐにふれる−しらゆきは−すれるころもの−ここちこそすれ
異同資料句番号:00245
|
00246 |
貫之 つらゆき (035)
よるならは月とそ見ましわかやとの庭しろたへにふれるしらゆき
よるならは−つきとそみまし−わかやとの−にはしろたへに−ふれるしらゆき
異同資料句番号:00246
|
00247 |
能宣 よしのふ (049)
わかやとの雪につけてそふるさとのよしのの山は思ひやらるる
わかやとの−ゆきにつけてそ−ふるさとの−よしののやまは−おもひやらるる
異同資料句番号:00247
|
00248 |
番号外作者 藤原佐忠朝臣 (999)
我ひとりこしの山ちにこしかとも雪ふりにける跡を見るかな
われひとり−こしのやまちに−こしかとも−ゆきふりにける−あとをみるかな
異同資料句番号:00248
|
00249 |
忠見 たたみ (041)
年ふれはこしのしら山おいにけりおほくの冬の雪つもりつつ
としふれは−こしのしらやま−おいにけり−おほくのふゆの−ゆきつもりつつ
異同資料句番号:00249
|
00250 |
兼盛 かねもり (040)
見わたせは松のはしろきよしの山いくよつもれる雪にかあるらん
みわたせは−まつのはしろき−よしのやま−いくよつもれる−ゆきにかあるらむ
異同資料句番号:00250
|
00251 |
兼盛 かねもり (040)
山さとは雪ふりつみて道もなしけふこむ人をあはれとは見む
やまさとは−ゆきふりつみて−みちもなし−けふこむひとを−あはれとはみむ
異同資料句番号:00251
|
00252 |
人麿 人まろ (003)
あしひきの山ちもしらすしらかしの枝にもはにも雪のふれれは
あしひきの−やまちもしらす−しらかしの−えたにもはにも−ゆきのふれれは
異同資料句番号:00252
|
00253 |
貫之 つらゆき (035)
白雪のふりしく時はみよしのの山した風に花そちりける
しらゆきの−ふりしくときは−みよしのの−やましたかせに−はなそちりける
異同資料句番号:00253
|
00254 |
兼盛 かねもり (040)
人しれす春をこそまてはらふへき人なきやとにふれるしらゆき
ひとしれす−はるをこそまて−はらふへき−ひとなきやとに−ふれるしらゆき
異同資料句番号:00254
|
00255 |
能宣 よしのふ (049)
あたらしきはるさへちかくなりゆけはふりのみまさる年の雪かな
あたらしき−はるさへちかく−なりゆけは−ふりのみまさる−としのゆきかな
異同資料句番号:00255
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00256 |
公任 右衛門督公任 (055)
梅かえにふりつむ雪はひととせにふたたひさける花かとそ見る
うめかえに−ふりつむゆきは−ひととせに−ふたたひさける−はなかとそみる
異同資料句番号:00256
|
00257 |
能宣 よしのふ (049)
おきあかす霜とともにやけさはみな冬の夜ふかきつみもけぬらん
おきあかす−しもとともにや−けさはみな−ふゆのよふかき−つみもけぬらむ
異同資料句番号:00257
|
00258 |
貫之 つらゆき (035)
年の内につもれるつみはかきくらしふる白雪とともにきえなん
としのうちに−つもれるつみは−かきくらし−ふるしらゆきと−ともにきえなむ
異同資料句番号:00258
|
00259 |
能宣 よしのふ (049)
雪ふかき山ちになににかへるらん春まつ花のかけにとまらて
ゆきふかき−やまちになにに−かへるらむ−はるまつはなの−かけにとまらて
異同資料句番号:00259
|
00260 |
兼盛 かねもり (040)
人はいさをかしやすらん冬くれは年のみつもるゆきとこそ見れ
ひとはいさ−をかしやすらむ−ふゆくれは−としのみつもる−ゆきとこそみれ
異同資料句番号:00260
|
00261 |
兼盛 かねもり (040)
かそふれはわか身につもる年月を送り迎ふとなにいそくらん
かそふれは−わかみにつもる−としつきを−おくりむかふと−なにいそくらむ
異同資料句番号:00261
|
00262 |
重之 源重之 (048)
ゆきつもるおのか年をはしらすしてはるをはあすときくそうれしき
ゆきつもる−おのかとしをは−しらすして−はるをはあすと−きくそうれしき
異同資料句番号:00262
|
00263 |
朝忠 中納言朝忠 (044)
よろつ世の始とけふをいのりおきて今行末は神そしるらん
よろつよの−はしめとけふを−いのりおきて−いまゆくすゑは−かみそしるらむ
異同資料句番号:00263
|
00264 |
能宣 大中臣能宣 (049)
ちはやふるひらのの松の枝しけみ千世もやちよも色はかはらし
ちはやふる−ひらののまつの−えたしけみ−ちよもやちよも−いろはかはらし
異同資料句番号:00264
|
00265 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かまふののたまのを山にすむつるの千とせは君かみよのかすなり
かまふのの−たまのをやまに−すむつるの−ちとせはきみか−みよのかすなり
異同資料句番号:00265
|
00266 |
元輔 清原元輔 (042)
あさまたききりふのをかにたつきしは千世の日つきの始なりけり
あさまたき−きりふのをかに−たつきしは−ちよのひつきの−はしめなりけり
異同資料句番号:00266
|
00267 |
能宣 よしのふ (049)
ふたはよりたのもしきかなかすか山こたかき松のたねそとおもへは
ふたはより−たのもしきかな−かすかやま−こたかきまつの−たねそとおもへは
異同資料句番号:00267
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00268 |
能宣 よしのふ (049)
君かへむやほよろつ世をかそふれはかつかつけふそなぬかなりける
きみかへむ−やほよろつよを−かそふれは−かつかつけふそ−なぬかなりける
異同資料句番号:00268
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00269 |
兼盛 平かねもり (040)
ことしおひの松はなぬかになりにけりのこりの程を思ひこそやれ
ことしおひの−まつはなぬかに−なりにけり−のこりのほとを−おもひこそやれ
異同資料句番号:00269
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00270 |
能宣 よしのふ (049)
千とせともかすはさためす世の中に限なき身と人もいふへく
ちとせとも−かすはさためす−よのなかに−かきりなきみと−ひともいふへく
異同資料句番号:00270
|
00271 |
順 源したかふ (130)
老いぬれはおなし事こそせられけれきみはちよませきみはちよませ
おいぬれは−おなしことこそ−せられけれ−きみはちよませ−きみはちよませ
異同資料句番号:00271
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00272 |
能宣 よしのふ (049)
ゆひそむるはつもとゆひのこむらさき衣の色にうつれとそ思ふ
ゆひそむる−はつもとゆひの−こむらさき−ころものいろに−うつれとそおもふ
異同資料句番号:00272
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00273 |
兼盛 かねもり (040)
山しなの山のいはねに松をうゑてときはかきはにいのりつるかな
やましなの−やまのいはねに−まつをうゑて−ときはかきはに−いのりつるかな
異同資料句番号:00273
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00274 |
番号外作者 仲算法師 (999)
声たかくみかさの山そよはふなるあめのしたこそたのしかるらし
こゑたかく−みかさのやまそ−よはふなる−あめのしたこそ−たのしかるらし
異同資料句番号:00274
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00275 |
番号外作者 斎宮内侍 (999)
色かへぬ松と竹とのすゑの世をいつれひさしと君のみそ見む
いろかへぬ−まつとたけとの−すゑのよを−いつれひさしと−きみのみそみむ
異同資料句番号:00275
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00276 |
頼基 大中臣頼基 (120)
ひとふしに千世をこめたる杖なれはつくともつきし君かよはひは
ひとふしに−ちよをこめたる−つゑなれは−つくともつきし−きみかよはひは
異同資料句番号:00276
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00277 |
元輔 もとすけ (042)
君か世をなににたとへんさされいしのいはほとならんほともあかねは
きみかよを−なににたとへむ−さされいしの−いはほとならむ−ほともあかねは
異同資料句番号:00277
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00278 |
元輔 もとすけ (042)
あをやきの緑の糸をくり返しいくらはかりのはるをへぬらん
あをやきの−みとりのいとを−くりかへし−いくらはかりの−はるをへぬらむ
異同資料句番号:00278
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00279 |
兼盛 かねもり (040)
わかやとにさけるさくらの花さかりちとせ見るともあかしとそ思ふ
わかやとに−さけるさくらの−はなさかり−ちとせみるとも−あかしとそおもふ
異同資料句番号:00279
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00280 |
能宣 よしのふ (049)
君かためけふきる竹の杖なれはまたもつきせぬ世世そこもれる
きみかため−けふきるたけの−つゑなれは−またもつきせぬ−よよそこもれる
異同資料句番号:00280
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00281 |
能宣 よしのふ (049)
位山峯まてつける杖なれと今よろつよのさかのためなり
くらゐやま−みねまてつける−つゑなれと−いまよろつよの−さかのためなり
異同資料句番号:00281
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00282 |
番号外作者 小野好古朝臣 (999)
吹く風によその紅葉はちりくれと君かときはの影そのとけき
ふくかせに−よそのもみちは−ちりくれと−きみかときはの−かけそのとけき
異同資料句番号:00282
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00283 |
公忠 源公忠朝臣 (117)
よろつ世も猶こそあかね君かため思ふ心のかきりなけれは
よろつよも−なほこそあかね−きみかため−おもふこころの−かきりなけれは
異同資料句番号:00283
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00284 |
伊勢 (019)
おほそらにむれたるたつのさしなから思ふ心のありけなるかな
おほそらに−むれたるたつの−さしなから−おもふこころの−ありけなるかな
異同資料句番号:00284
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00285 |
伊勢 (019)
春の野のわかなならねときみかため年のかすをもつまんとそ思ふ
はるののの−わかなならねと−きみかため−としのかすをも−つまむとそおもふ
異同資料句番号:00285
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00286 |
師輔 九条右大臣 (513)
さくら花今夜かさしにさしなからかくてちとせの春をこそへめ
さくらはな−こよひかさしに−さしなから−かくてちとせの−はるをこそへめ
異同資料句番号:00286
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00287 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かつ見つつちとせの春をすくすともいつかは花の色にあくへき
かつみつつ−ちとせのはるを−すくすとも−いつかははなの−いろにあくへき
異同資料句番号:00287
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00288 |
躬恒 みつね (029)
みちとせになるてふもものことしより花さく春にあひにけるかな
みちとせに−なるてふももの−ことしより−はなさくはるに−あひにけるかな
異同資料句番号:00288
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00289 |
番号外作者 藤原のふかた (999)
めつらしきちよのはしめの子の日にはまつけふをこそひくへかりけれ
めつらしき−ちよのはしめの−ねのひには−まつけふをこそ−ひくへかりけれ
異同資料句番号:00289
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00290 |
番号外作者 三条太政大臣 (999)
ゆくすゑも子の日の松のためしには君かちとせをひかむとそ思ふ
ゆくすゑも−ねのひのまつの−ためしには−きみかちとせを−ひかむとそおもふ
異同資料句番号:00290
|
00291 |
貫之 つらゆき (035)
松をのみときはと思ふに世とともになかす泉もみとりなりけり
まつをのみ−ときはとおもふに−よとともに−なかすいつみも−みとりなりけり
異同資料句番号:00291
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00292 |
読人不知 よみ人しらす (000)
みな月のなこしのはらへする人は千とせのいのちのふといふなり
みなつきの−なこしのはらへ−するひとは−ちとせのいのち−のふといふなり
異同資料句番号:00292
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00293 |
番号外作者 参議伊衡 (999)
みそきして思ふ事をそ祈りつるやほよろつよの神のまにまに
みそきして−おもふことをそ−いのりつる−やほよろつよの−かみのまにまに
異同資料句番号:00293
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00294 |
実頼 小野宮太政大臣 (511)
よろつ世にかはらぬ花の色なれはいつれの秋かきみか見さらん
よろつよに−かはらぬはなの−いろなれは−いつれのあきか−きみかみさらむ
異同資料句番号:00294
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00295 |
兼盛 平兼盛 (040)
ちとせとそ草むらことにきこゆなるこや松虫のこゑにはあるらん
ちとせとそ−くさむらことに−きこゆなる−こやまつむしの−こゑにはあるらむ
異同資料句番号:00295
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00296 |
貫之 つらゆき (035)
たか年のかすとかは見むゆきかへり千鳥なくなるはまのまさこを
たかとしの−かすとかはみむ−ゆきかへり−ちとりなくなる−はまのまさこを
異同資料句番号:00296
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00297 |
能宣 よしのふ (049)
おひそむるねよりそしるきふえ竹のすゑの世なかくならん物とは
おひそむる−ねよりそしるき−ふえたけの−すゑのよなかく−ならむものとは
異同資料句番号:00297
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00298 |
伊勢 (019)
千とせともなにかいのらんうらにすむたつのうへをそ見るへかりける
ちとせとも−なにかいのらむ−うらにすむ−たつのうへをそ−みるへかりける
異同資料句番号:00298
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00299 |
読人不知 よみ人しらす (000)
きみか世はあまのは衣まれにきてなつともつきぬいはほならなん
きみかよは−あまのはころも−まれにきて−なつともつきぬ−いはほならなむ
異同資料句番号:00299
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00300 |
元輔 もとすけ (042)
うこきなきいはほのはてもきみそ見むをとめのそてのなてつくすまて
うこきなき−いはほのはても−きみそみむ−をとめのそての−なてつくすまて
異同資料句番号:00300
|
00301 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春霞たつあか月を見るからに心そそらになりぬへらなる
はるかすみ−たつあかつきを−みるからに−こころそそらに−なりぬへらなる
異同資料句番号:00301
|
00302 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さくら花つゆにぬれたるかほみれはなきて別れし人そこひしき
さくらはな−つゆにぬれたる−かほみれは−なきてわかれし−ひとそこひしき
異同資料句番号:00302
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00303 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ちる花は道見えぬまてうつまなんわかるる人もたちやとまると
ちるはなは−みちみえぬまて−うつまなむ−わかるるひとも−たちやとまると
異同資料句番号:00303
|
00304 |
好忠 曾禰のよしたた (046)
かりかねの帰るをきけはわかれちは雲井はるかに思ふはかりそ
かりかねの−かへるをきけは−わかれちは−くもゐはるかに−おもふはかりそ
異同資料句番号:00304
|
00305 |
村上院 御製 (512)
夏衣たちわかるへき今夜こそひとへにをしき思ひそひぬれ
なつころも−たちわかるへき−こよひこそ−ひとへにをしき−おもひそひぬれ
異同資料句番号:00305
|
00306 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わするなよわかれちにおふるくすのはの秋風ふかは今帰りこむ
わするなよ−わかれちにおふる−くすのはの−あきかせふかは−いまかへりこむ
異同資料句番号:00306
|
00307 |
読人不知 よみ人しらす (000)
別てふ事は誰かは始めけんくるしき物としらすやありけん
わかれてふ−ことはたれかは−はしめけむ−くるしきものと−しらすやありけむ
異同資料句番号:00307
|
00308 |
読人不知 よみ人しらす (000)
時しもあれ秋しも人のわかるれはいととたもとそつゆけかりける
ときしもあれ−あきしもひとの−わかるれは−いととたもとそ−つゆけかりける
異同資料句番号:00308
|
00309 |
村上院 御製 (512)
君か世を長月とたにおもはすはいかに別のかなしからまし
きみかよを−なかつきとたに−おもはすは−いかにわかれの−かなしからまし
異同資料句番号:00309
|
00310 |
忠見 たたみ (041)
露にたにあてしと思ひし人しもそ時雨ふるころたひにゆきける
つゆにたに−あてしとおもひし−ひとしもそ−しくれふるころ−たひにゆきける
異同資料句番号:00310
|
00311 |
能宣 よしのふ (049)
わかれちをへたつる雲のためにこそ扇の風をやらまほしけれ
わかれちを−へたつるくもの−ためにこそ−あふきのかせを−やらまほしけれ
異同資料句番号:00311
|
00312 |
読人不知 よみ人しらす (000)
別れてはあはむあはしそ定なきこのゆふくれや限なるらん
わかれては−あはむあはしそ−さためなき−このゆふくれや−かきりなるらむ
異同資料句番号:00312
|
00313 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかれちはこひしき人のふみなれややらてのみこそ見まくほしけれ
わかれちは−こひしきひとの−ふみなれや−やらてのみこそ−みまくほしけれ
異同資料句番号:00313
|
00314 |
貫之 つらゆき (035)
別れゆくけふはまとひぬあふさかは帰りこむ日のなにこそ有りけれ
わかれゆく−けふはまとひぬ−あふさかは−かへりこむひの−なにこそありけれ
異同資料句番号:00314
|
00315 |
能宣 よしのふ (049)
ゆくすゑのいのちもしらぬ別ちはけふ相坂やかきりなるらん
ゆくすゑの−いのちもしらぬ−わかれちは−けふあふさかや−かきりなるらむ
異同資料句番号:00315
|
00316 |
赤染衛門 (059)
惜むともなきものゆゑにしかすかの渡ときけはたたならぬかな
をしむとも−なきものゆゑに−しかすかの−わたりときけは−たたならぬかな
異同資料句番号:00316
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00317 |
番号外作者 源のよしたねの妻 (999)
もろともにゆかぬみかはのやつはしはこひしとのみや思ひわたらん
もろともに−ゆかぬみかはの−やつはしは−こひしとのみや−おもひわたらむ
異同資料句番号:00317
|
00318 |
順 源したかふ (130)
別ちはわたせるはしもなきものをいかてかつねにこひ渡るへき
わかれちは−わたせるはしも−なきものを−いかてかつねに−こひわたるへき
異同資料句番号:00318
|
00319 |
貫之 つらゆき (035)
月影はあかす見るともさらしなの山のふもとになかゐすな君
つきかけは−あかすみるとも−さらしなの−やまのふもとに−なかゐすなきみ
異同資料句番号:00319
|
00320 |
村上院 天暦御製 (512)
わかるれは心をのみそつくしくしさしてあふへきほとをしらねは
わかるれは−こころをのみそ−つくしくし−さしてあふへき−ほとをしらねは
異同資料句番号:00320
|
00321 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ゆく人をととめかたみのから衣たつよりそてのつゆけかるらん
ゆくひとを−ととめかたみの−からころも−たつよりそての−つゆけかるらむ
異同資料句番号:00321
|
00322 |
番号外作者 御めのと少納言 (999)
をしむともかたしやわかれ心なる涙をたにもえやはととむる
をしむとも−かたしやわかれ−こころなる−なみたをたにも−えやはととむる
異同資料句番号:00322
|
00323 |
番号外作者 女蔵人参河 (999)
あつまちの草はをわけん人よりもおくるる袖そまつはつゆけき
あつまちの−くさはをわけむ−ひとよりも−おくるるそてそ−まつはつゆけき
異同資料句番号:00323
|
00324 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかるれはまつ涙こそさきにたていかておくるる袖のぬるらん
わかるれは−まつなみたこそ−さきにたて−いかておくるる−そてのぬるらむ
異同資料句番号:00324
|
00325 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかるるををしとそ思ふつる木はの身をよりくたく心ちのみして
わかるるを−をしとそおもふ−つるきはの−みをよりくたく−ここちのみして
異同資料句番号:00325
|
00326 |
番号外作者 三条太皇太后宮 (999)
旅人の露はらふへき唐衣またきも袖のぬれにけるかな
たひひとの−つゆはらふへき−からころも−またきもそての−ぬれにけるかな
異同資料句番号:00326
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00327 |
貫之 つらゆき (035)
あまたにはぬひかさねねと唐衣思ふ心はちへにそありける
あまたには−ぬひかさねねと−からころも−おもふこころは−ちへにそありける
異同資料句番号:00327
|
00328 |
貫之 つらゆき (035)
とほくゆく人のためにはわかそての涙の玉もをしからなくに
とほくゆく−ひとのためには−わかそての−なみたのたまも−をしからなくに
異同資料句番号:00328
|
00329 |
読人不知 よみ人しらす (000)
惜むとてとまる事こそかたからめわか衣手をほしてたにゆけ
をしむとて−とまることこそ−かたからめ−わかころもてを−ほしてたにゆけ
異同資料句番号:00329
|
00330 |
貫之 つらゆき (035)
糸による物ならなくにわかれちは心ほそくもおもほゆるかな
いとによる−ものならなくに−わかれちは−こころほそくも−おもほゆるかな
異同資料句番号:00330
|
00331 |
番号外作者 戒秀法師 (999)
かめ山にいくくすりのみ有りけれはととむる方もなき別かな
かめやまに−いくくすりのみ−ありけれは−ととむるかたも−なきわかれかな
異同資料句番号:00331
|
00332 |
仲文 藤原清正 (125)
思ふ人ある方へゆくわかれちを惜む心そかつはわりなき
おもふひと−あるかたへゆく−わかれちを−をしむこころそ−かつはわりなき
異同資料句番号:00332
|
00333 |
元輔 もとすけ (042)
いかはかり思ふらむとか思ふらんおいてわかるるとほきわかれを
いかはかり−おもふらむとか−おもふらむ−おいてわかるる−とほきわかれを
異同資料句番号:00333
|
00334 |
番号外作者 源満中朝臣 (999)
君はよし行末とほしとまる身のまつほといかかあらむとすらん
きみはよし−ゆくすゑとほし−とまるみの−まつほといかか−あらむとすらむ
異同資料句番号:00334
|
00335 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おくれゐてわかこひをれは白雲のたなひく山をけふやこゆらん
おくれゐて−わかこひをれは−しらくもの−たなひくやまを−けふやこゆらむ
異同資料句番号:00335
|
00336 |
番号外作者 右衛門 (999)
命をそいかならむとは思ひこしいきてわかるる世にこそ有りけれ
いのちをそ−いかならむとは−おもひこし−いきてわかるる−よにこそありけれ
異同資料句番号:00336
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00337 |
番号外作者 橘倚平 (999)
昔見しいきの松原事とははわすれぬ人も有りとこたへよ
むかしみし−いきのまつはら−こととはは−わすれぬひとも−ありとこたへよ
異同資料句番号:00337
|
00338 |
番号外作者 藤原為順 (999)
たけくまの松を見つつやなくさめん君かちとせの影にならひて
たけくまの−まつをみつつや−なくさめむ−きみかちとせの−かけにならひて
異同資料句番号:00338
|
00339 |
兼盛 平兼盛 (040)
たよりあらはいかて宮こへつけやらむけふ白河の関はこえぬと
たよりあらは−いかてみやこへ−つけやらむ−けふしらかはの−せきはこえぬと
異同資料句番号:00339
|
00340 |
公任 右衛門督公任 (055)
あつまちのこのしたくらくなりゆかは宮この月をこひさらめやは
あつまちの−このしたくらく−なりゆかは−みやこのつきを−こひさらめやは
異同資料句番号:00340
|
00341 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たひゆかはそてこそぬるれもる山のしつくにのみはおほせさらなん
たひゆかは−そてこそぬるれ−もるやまの−しつくにのみは−おほせさらなむ
異同資料句番号:00341
|
00342 |
兼盛 かねもり (040)
しほみてるほとにゆきかふ旅人やはまなのはしとなつけそめけん
しほみてる−ほとにゆきかふ−たひひとや−はまなのはしと−なつけそめけむ
異同資料句番号:00342
|
00343 |
貫之 つらゆき (035)
雨によりたみののしまをわけゆけと名にはかくれぬ物にそ有りける
あめにより−たみののしまを−わけゆけと−なにはかくれぬ−ものにそありける
異同資料句番号:00343
|
00344 |
伊勢 (019)
郭公ねくらなからのこゑきけは草の枕そつゆけかりける
ほとときす−ねくらなからの−こゑきけは−くさのまくらそ−つゆけかりける
異同資料句番号:00344
|
00345 |
能宣 よしのふ (049)
草枕我のみならすかりかねもたひのそらにそなき渡るなる
くさまくら−われのみならす−かりかねも−たひのそらにそ−なきわたるなる
異同資料句番号:00345
|
00346 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君をのみこひつつたひの草枕つゆしけからぬあか月そなき
きみをのみ−こひつつたひの−くさまくら−つゆしけからぬ−あかつきそなき
異同資料句番号:00346
|
00347 |
兼盛 平兼盛 (040)
はるかなるたひのそらにもおくれねはうら山しきは秋のよの月
はるかなる−たひのそらにも−おくれねは−うらやましきは−あきのよのつき
異同資料句番号:00347
|
00348 |
能宣 よしのふ (049)
をみなへし我にやとかせいなみののいなといふともここをすきめや
をみなへし−われにやとかせ−いなみのの−いなといふとも−ここをすきめや
異同資料句番号:00348
|
00349 |
重之 (048)
ふなちには草の枕もむすはねはおきなからこそ夢も見えけれ
ふなちには−くさのまくらも−むすはねは−おきなからこそ−ゆめもみえけれ
異同資料句番号:00349
|
00350 |
嘉言 ゆけのよしとき (163)
思ひいてもなきふるさとの山なれとかくれゆくはたあはれなりけり
おもひいても−なきふるさとの−やまなれと−かくれゆくはた−あはれなりけり
異同資料句番号:00350
|
00351 |
道真 贈太政大臣 (024)
君かすむやとのこすゑのゆくゆくとかくるるまてにかへりみしはや
きみかすむ−やとのこすゑの−ゆくゆくと−かくるるまてに−かへりみしはや
異同資料句番号:00351
|
00352 |
番号外作者 かなをか (999)
浪のうへに見えしこしまのしまかくれゆくそらもなしきみにわかれて
なみのうへに−みえしこしまの−しまかくれ−ゆくそらもなし−きみにわかれて
異同資料句番号:00352
|
00353 |
人麿 かきのもとの人まろ (003)
あまとふやかりのつかひにいつしかもならのみやこにことつてやらん
あまとふや−かりのつかひに−いつしかも−ならのみやこに−ことつてやらむ
異同資料句番号:00353
|
00354 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うくひすのすつくる枝を折りつれはこうはいかてかうまむとすらん
うくひすの−すつくるえたを−をりつれは−こをはいかてか−うまむとすらむ
異同資料句番号:00354
|
00355 |
読人不知 よみ人しらす (000)
花の色をあらはにめてはあためきぬいさくらやみになりてかささむ
はなのいろを−あらはにめては−あためきぬ−いさくらやみに−なりてかささむ
異同資料句番号:00355
|
00356 |
番号外作者 藤原すけみ (999)
たひのいはやなきとこにもねられけり草の枕につゆはおけとも
たひのいは−やなきとこにも−ねられけり−くさのまくらに−つゆはおけとも
異同資料句番号:00356
|
00357 |
番号外作者 藤原すけみ (999)
なくこゑはあまたすれとも鴬にまさるとりのはなくこそ有りけれ
なくこゑは−あまたすれとも−うくひすに−まさるとりのは−なくこそありけれ
異同資料句番号:00357
|
00358 |
伊勢 (019)
わたつ海のおきなかにひのはなれいててもゆと見ゆるはあまのいさりか
わたつうみの−おきなかにひの−はなれいてて−もゆとみゆるは−あまのいさりか
異同資料句番号:00358
|
00359 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こき色かいつはたうすくうつろはむ花に心もつけさらんかも
こきいろか−いつはたうすく−うつろはむ−はなにこころも−つけさらむかも
異同資料句番号:00359
|
00360 |
高光 如覚法師 (116)
紫の色にはさくなむさしのの草のゆかりと人もこそ見れ
むらさきの−いろにはさくな−むさしのの−くさのゆかりと−ひともこそみれ
異同資料句番号:00360
|
00361 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うゑて見る君たにしらぬ花の名を我しもつけん事のあやしさ
うゑてみる−きみたにしらぬ−はなのなを−われしもつけむ−ことのあやしさ
異同資料句番号:00361
|
00362 |
読人不知 よみ人しらす (000)
河かみに今よりうたむあしろにはまつもみちはやよらむとすらん
かはかみに−いまよりうたむ−あしろには−まつもみちはや−よらむとすらむ
異同資料句番号:00362
|
00363 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あた人のまかきちかうな花うゑそにほひもあへす折りつくしけり
あたひとの−まかきちかうな−はなうゑそ−にほひもあへす−をりつくしけり
異同資料句番号:00363
|
00364 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかやとの花の葉にのみぬるてふのいかなるあさかほかよりはくる
わかやとの−はなのはにのみ−ぬるてふの−いかなるあさか−ほかよりはくる
異同資料句番号:00364
|
00365 |
読人不知 よみ人しらす (000)
忘れにし人のさらにもこひしきかむけにこしとは思ふものから
わすれにし−ひとのさらにも−こひしきか−むけにこしとは−おもふものから
異同資料句番号:00365
|
00366 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋ののに花てふ花を折りつれはわひしらにこそ虫もなきけれ
あきののに−はなてふはなを−をりつれは−わひしらにこそ−むしもなきけれ
異同資料句番号:00366
|
00367 |
忠峯 忠岑 (030)
白露のかかるかやかてきえさらは草はそたまのくしけならまし
しらつゆの−かかるかやかて−きえさらは−くさはそたまの−くしけならまし
異同資料句番号:00367
|
00368 |
忠峯 忠岑 (030)
山河はきのはなかれすあさきせをせけはふちとそ秋はなるらん
やまかはは−きのはなかれす−あさきせを−せけはふちとそ−あきはなるらむ
異同資料句番号:00368
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00369 |
忠峯 忠岑 (030)
たきつせのなかにたまつむしらなみは流るる水ををにそぬきける
たきつせの−なかにたまつむ−しらなみは−なかるるみつを−をにそぬきける
異同資料句番号:00369
|
00370 |
忠峯 忠岑 (030)
今こむといひて別れしあしたよりおもひくらしのねをのみそなく
いまこむと−いひてわかれし−あしたより−おもひくらしの−ねをのみそなく
異同資料句番号:00370
|
00371 |
貫之 つらゆき (035)
そま人は宮木ひくらしあしひきの山の山ひこ声とよむなり
そまひとは−みやきひくらし−あしひきの−やまのやまひこ−こゑとよむなり
異同資料句番号:00371
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00372 |
貫之 つらゆき (035)
松のねは秋のしらへにきこゆなりたかくせめあけて鳥そひくらし
まつのねは−あきのしらへに−きこゆなり−たかくせめあけて−かせそひくらし
異同資料句番号:00372
|
00373 |
番号外作者 すけみ (999)
あたなりとひともときくるのへしもそ花のあたりをすきかてにする
あたなりと−ひともときくる−ものしもそ−はなのあたりを−すきかてにする
異同資料句番号:00373
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00374 |
番号外作者 すけみ (999)
鴬のすはうこけともぬしもなし風にまかせていつちいぬらん
うくひすの−すはうこけとも−ぬしもなし−かせにまかせて−いつちいぬらむ
異同資料句番号:00374
|
00375 |
番号外作者 すけみ (999)
ふるみちに我やまとはむいにしへの野中の草はしけりあひにけり
ふるみちに−われやまとはむ−いにしへの−のなかのくさは−しけりあひにけり
異同資料句番号:00375
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00376 |
番号外作者 すけみ (999)
すみよしのをかの松かささしつれは雨はふるともいなみのはきし
すみよしの−をかのまつかさ−さしつれは−あめはふるとも−いなみのはきし
異同資料句番号:00376
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00377 |
番号外作者 すけみ (999)
白浪のうちかくるすのかわかぬにわかたもとこそおとらさりけれ
しらなみの−うちかくるすの−かわかぬに−わかたもとこそ−おとらさりけれ
異同資料句番号:00377
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00378 |
番号外作者 すけみ (999)
水もなく舟もかよはぬこのしまにいかてかあまのなまめかるらん
みつもなく−ふねもかよはぬ−このしまに−いかてかあまの−なまめかるらむ
異同資料句番号:00378
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00379 |
元方 在原元方 (169)
うゑていにし人もみなくに秋はきのたれ見よとかは花のさきけむ
うゑていにし−ひともみなくに−あきはきの−たれみよとかは−はなのさきけむ
異同資料句番号:00379
|
00380 |
貫之 つらゆき (035)
あしひきの山辺にをれは白雲のいかにせよとかはるる時なき
あしひきの−やまへにをれは−しらくもの−いかにせよとか−はるるときなき
異同資料句番号:00380
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00381 |
業平 在原業平朝臣 (017)
つくしよりここまてくれとつともなしたちのをかはのはしのみそある
つくしより−ここまてくれと−つともなし−たちのをかはの−はしのみそある
異同資料句番号:00381
|
00382 |
読人不知 よみ人しらす (000)
身をすてて山に入りにし我なれはくまのくらはむこともおほえす
みをすてて−やまにいりにし−われなれは−くまのくらはむ−こともおほえす
異同資料句番号:00382
|
00383 |
読人不知 よみ人しらす (000)
鳥のこはまたひななからたちていぬかひの見ゆるはすもりなりけり
とりのこは−またひななから−たちていぬ−かひのみゆるは−すもりなりけり
異同資料句番号:00383
|
00384 |
番号外作者 すけみ (999)
くきもはもみな緑なるふかせりはあらふねのみやしろく見ゆらん
くきもはも−みなみとりなる−ふかせりは−あらふねのみや−しろくみゆらむ
異同資料句番号:00384
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00385 |
重之 しけゆき (048)
あたなりなとりのこほりにおりゐるはしたよりとくる事はしらぬか
あたなりな−とりのこほりに−おりゐるは−したよりとくる−ことはしらぬか
異同資料句番号:00385
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00386 |
兼盛 かねもり (040)
おほつかな雲のかよひち見てしかなとりのみゆけはあとはかもなし
おほつかな−くものかよひち−みてしかな−とりのみゆけは−あとはかもなし
異同資料句番号:00386
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00387 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あかすしてわかれし人のすむさとはさはこの見ゆる山のあなたか
あかすして−わかれしひとの−すむさとは−さはこのみゆる−やまのあなたか
異同資料句番号:00387
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00388 |
番号外作者 紀輔時 (999)
かかり火の所さためす見えつるは流れつつのみたけはなりけり
かかりひの−ところさためす−みえつるは−なかれつつのみ−たけはなりけり
異同資料句番号:00388
|
00389 |
番号外作者 高向草春 (999)
神なひのみむろのきしやくつるらん竜田の河の水のにこれる
かみなひの−みむろのきしや−くつるらむ−たつたのかはの−みつのにこれる
異同資料句番号:00389
|
00390 |
番号外作者 すけみ (999)
いかりゐのいしをくくみてかみこしはきさのきにこそおとらさりけれ
いかりゐの−いしをくくみて−かみこしは−きさのきにこそ−おとらさりけれ
異同資料句番号:00390
|
00391 |
番号外作者 仙慶法師 (999)
五月雨にならぬ限は郭公なにかはなかむしのふはかりに
さみたれに−ならぬかきりは−ほとときす−なにかはなかむ−しのふはかりに
異同資料句番号:00391
|
00392 |
番号外作者 すけみ (999)
心さしふかき時にはそこのももかつきいてぬる物にそ有りける
こころさし−ふかきときには−そこのもも−かつきいてぬる−ものにそありける
異同資料句番号:00392
|
00393 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おもかけにしはしは見ゆる君なれと恋しき事そ時そともなき
おもかけに−しはしはみゆる−きみなれと−こひしきことそ−ときそともなき
異同資料句番号:00393
|
00394 |
番号外作者 すけみ (999)
いにしへはおこれりしかとわひぬれはとねりかきぬも今はきつへし
いにしへは−おこれりしかと−わひぬれは−とねりかきぬも−いまはきつへし
異同資料句番号:00394
|
00395 |
番号外作者 すけみ (999)
池をはりこめたる水のおほかれはいひのくちよりあまるなるへし
いけをはり−こめたるみつの−おほかれは−いひのくちより−あまるなるへし
異同資料句番号:00395
|
00396 |
番号外作者 すけみ (999)
あしひきの山した水にぬれにけりその火まつたけ衣あふらん
あしひきの−やましたみつに−ぬれにけり−そのひまつたけ−ころもあふらむ
異同資料句番号:00396
|
00397 |
番号外作者 すけみ (999)
いとへともつらきかたみを見る時はまつたけからぬねこそなかるれ
いとへとも−つらきかたみを−みるときは−まつたけからぬ−ねこそなかるれ
異同資料句番号:00397
|
00398 |
番号外作者 すけみ (999)
山たかみ花の色をも見るへきににくくたちぬる春かすみかな
やまたかみ−はなのいろをも−みるへきに−にくくたちぬる−はるかすみかな
異同資料句番号:00398
|
00399 |
番号外作者 すけみ (999)
野を見れは春めきにけりあをつつらこにやくまましわかなつむへく
のをみれは−はるめきにけり−あをつつら−こにやくままし−わかなつむへく
異同資料句番号:00399
|
00400 |
番号外作者 高岳相如 (999)
いさりせしあまのをしへしいつくそやしまめくるとてありといひしは
いさりせし−あまのをしへし−いつくそや−しまめくるとて−ありといひしは
異同資料句番号:00400
|
00401 |
番号外作者 すけみ (999)
河きしのをとりおるへき所あらはうきにしにせぬ身はなけてまし
かはきしの−をとりおるへき−ところあらは−うきにしにせぬ−みはなけてまし
異同資料句番号:00401
|
00402 |
番号外作者 すけみ (999)
もみちはに衣の色はしみにけり秋のやまからめくりこしまに
もみちはに−ころものいろは−しみにけり−あきのやまから−めくりこしまに
異同資料句番号:00402
|
00403 |
番号外作者 すけみ (999)
なにとかやくきのすかたはおもほえてあやしく花の名こそわするれ
なにとかや−くきのすかたは−おもほえて−あやしくはなの−なこそわするれ
異同資料句番号:00403
|
00404 |
黒主 大伴黒主 (501)
わか心あやしくあたに春くれは花につく身となとてなりけん
わかこころ−あやしくあたに−はるくれは−はなにつくみと−なとてなりけむ
異同資料句番号:00404
|
00405 |
黒主 大伴黒主 (501)
さく花に思ひつくみのあちきなさ身にいたつきのいるもしらすて
さくはなに−おもひつくみの−あちきなさ−みにいたつきの−いるもしらすて
異同資料句番号:00405
|
00406 |
番号外作者 すけみ (999)
なにはつはくらめにのみそ舟はつく朝の風のさためなけれは
なにはつは−くらめにのみそ−ふねはつく−あしたのかせの−さためなけれは
異同資料句番号:00406
|
00407 |
元輔 もとすけ (042)
みよしのもわかなつむらんわきもこかひはらかすみて日かすへぬれは
みよしのも−わかなつむらむ−わきもこか−ひはらかすみて−ひかすへぬれは
異同資料句番号:00407
|
00408 |
番号外作者 すけみ (999)
あしきぬはさけからみてそ人はきるひろやたらぬと思ふなるへし
あしきぬは−さけからみてそ−ひとはきる−ひろやたらぬと−おもふなるへし
異同資料句番号:00408
|
00409 |
番号外作者 すけみ (999)
雲まよひほしのあゆくと見えつるは蛍のそらにとふにそ有りける
くもまよひ−ほしのあゆくと−みえつるは−ほたるのそらに−とふにそありける
異同資料句番号:00409
|
00410 |
番号外作者 すけみ (999)
はしたかのをきゑにせんとかまへたるおしあゆかすなねすみとるへく
はしたかの−をきゑにせむと−かまへたる−おしあゆかすな−ねすみとるへく
異同資料句番号:00410
|
00411 |
番号外作者 すけみ (999)
わきもこか身をすてしよりさるさはの池のつつみやきみはこひしき
わきもこか−みをすてしより−さるさはの−いけのつつみや−きみはこひしき
異同資料句番号:00411
|
00412 |
重之 しけゆき (048)
この家はうるかいりても見てしかなあるしなからもかはんとそ思ふ
このいへは−うるかいりても−みてしかな−あるしなからも−かはむとそおもふ
異同資料句番号:00412
|
00413 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あつまにてやしなはれたる人のこはしたたみてこそ物はいひけれ
あつまにて−やしなはれたる−ひとのこは−したたみてこそ−ものはいひけれ
異同資料句番号:00413
|
00414 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春風のけさはやけれは鴬の花の衣もほころひにけり
はるかせの−けさはやけれは−うくひすの−はなのころもも−ほころひにけり
異同資料句番号:00414
|
00415 |
読人不知 よみ人しらす (000)
霞わけいまかり帰る物ならは秋くるまてはこひやわたらん
かすみわけ−いまかりかへる−ものならは−あきくるまては−こひやわたらむ
異同資料句番号:00415
|
00416 |
番号外作者 すけみ (999)
思ふとちところもかへすすみへなんたちはなれなはこひしかるへし
おもふとち−ところもかへす−すみへなむ−たちはなれなは−こひしかるへし
異同資料句番号:00416
|
00417 |
番号外作者 すけみ (999)
あしひきの山のこのはのおちくちはいろのをしきそあはれなりける
あしひきの−やまのこのはの−おちくちは−いろのをしきそ−あはれなりける
異同資料句番号:00417
|
00418 |
番号外作者 すけみ (999)
つのくにのなにはわたりにつくる田はあしかなへかとえこそ見わかね
つのくにの−なにはわたりに−つくるたは−あしかなへかと−えこそみわかね
異同資料句番号:00418
|
00419 |
番号外作者 すけみ (999)
たかかひのまたもこなくにつなきいぬのはなれていかむなくるまつほと
たかかひの−またもこなくに−つなきいぬの−はなれてゆかむ−なくるまつほと
異同資料句番号:00419
|
00420 |
躬恒 みつね (029)
ことそともききたにわかすわりなくも人のいかるかにけやしなまし
ことそとも−ききたにわかす−わりなくも−ひとのいかるか−にけやしなまし
異同資料句番号:00420
|
00421 |
番号外作者 すけみ (999)
年をへて君をのみこそねすみつれことはらにやはこをはうむへき
としをへて−きみをのみこそ−ねすみつれ−ことはらにやは−こをはうむへき
異同資料句番号:00421
|
00422 |
番号外作者 すけみ (999)
久方のつきのきぬをはきたれともひかりはそはぬわか身なりけり
ひさかたの−つきのきぬをは−きたれとも−ひかりはそはぬ−わかみなりけり
異同資料句番号:00422
|
00423 |
番号外作者 すけみ (999)
世とともにしほやくあまのたえせねはなきさのきのはこかれてそちる
よとともに−しほやくあまの−たえせねは−なきさのきのは−こかれてそちる
異同資料句番号:00423
|
00424 |
番号外作者 すけみ (999)
鴬のなかむしろには我そなく花のにほひやしはしとまると
うくひすの−なかむしろには−われそなく−はなのにほひや−しはしとまると
異同資料句番号:00424
|
00425 |
番号外作者 すけみ (999)
そこへうのかは浪わけていりぬるかまつほとすきて見えすもあるかな
そこへうの−かはなみわけて−いりぬるか−まつほとすきて−みえすもあるかな
異同資料句番号:00425
|
00426 |
番号外作者 すけみ (999)
かのかはのむかはきすきてふかからはわたらてたたにかへるはかりそ
かのかはの−むかはきすきて−ふかからは−わたらてたたに−かへるはかりそ
異同資料句番号:00426
|
00427 |
番号外作者 すけみ (999)
かのえさる舟まてしはし事とはんおきのしらなみまたたたぬまに
かのえさる−ふねまてしはし−こととはむ−おきのしらなみ−またたたぬまに
異同資料句番号:00427
|
00428 |
恵慶 恵慶法師 (047)
さをしかの友まとはせる声すなりつまやこひしき秋の山へに
さをしかの−ともまとはせる−こゑすなり−つまやこひしき−あきのやまへに
異同資料句番号:00428
|
00429 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひと夜ねてうしとらこそは思ひけめうきなたつみそわひしかりける
ひとよねて−うしとらこそは−おもひけめ−うきなたつみそ−わひしかりける
異同資料句番号:00429
|
00430 |
読人不知 よみ人しらす (000)
むまれよりひつしつくれは山にさるひとりいぬるにひとゐていませ
うまれより−ひつしつくれは−やまにさる−ひとりいぬるに−ひとゐていませ
異同資料句番号:00430
|
00431 |
番号外作者 すけみ (999)
秋風のよもの山よりおのかししふくにちりぬるもみちかなしな
あきかせの−よものやまより−おのかしし−ふくにちりぬる−もみちかなしな
異同資料句番号:00431
|
00432 |
後醍醐院 中務卿具平親王 (623)
世にふるに物思ふとしもなけれとも月にいくたひなかめしつらん
よにふるに−ものおもふとしも−なけれとも−つきにいくたひ−なかめしつらむ
異同資料句番号:00432
|
00433 |
貫之 つらゆき (035)
思ふ事有りとはなしに久方の月よとなれはねられさりけり
おもふこと−ありとはなしに−ひさかたの−つきよとなれは−ねられさりけり
異同資料句番号:00433
|
00434 |
番号外作者 大江為基 (999)
なかむるに物思ふ事のなくさむは月はうき世の外よりやゆく
なかむるに−ものおもふことの−なくさむは−つきはうきよの−ほかよりやゆく
異同資料句番号:00434
|
00435 |
高光 藤原たかみつ (116)
かくはかりへかたく見ゆる世の中にうら山しくもすめる月かな
かくはかり−へかたくみゆる−よのなかに−うらやましくも−すめるつきかな
異同資料句番号:00435
|
00436 |
藤原仲文 (132)
ありあけの月のひかりをまつほとにわか世のいたくふけにけるかな
ありあけの−つきのひかりを−まつほとに−わかよのいたく−ふけにけるかな
異同資料句番号:00436
|
00437 |
伊勢 (019)
くもゐにてあひかたらはぬ月たにもわかやとすきてゆく時はなし
くもゐにて−あひかたらはぬ−つきたにも−わかやとすきて−ゆくときはなし
異同資料句番号:00437
|
00438 |
素性 素性法師 (021)
もち月のこまよりおそくいてつれはたとるたとるそ山はこえつる
もちつきの−こまよりおそく−いてつれは−たとるたとるそ−やまはこえつる
異同資料句番号:00438
|
00439 |
貫之 つらゆき (035)
つねよりもてりまさるかな山のはの紅葉をわけていつる月影
つねよりも−てりまさるかな−やまのはの−もみちをわけて−いつるつきかけ
異同資料句番号:00439
|
00440 |
躬恒 みつね (029)
久方のあまつそらなる月なれといつれの水に影やとるらん
ひさかたの−あまつそらなる−つきなれと−いつれのみつに−かけやとるらむ
異同資料句番号:00440
|
00441 |
番号外作者 左大将済時 (999)
みなそこにやとる月たにうかへるを沈むやなにのみくつなるらん
みなそこに−やとるつきたに−うかへるを−しつむやなにの−みくつなるらむ
異同資料句番号:00441
|
00442 |
番号外作者 式部大輔文時 (999)
水のおもに月の沈むを見さりせは我ひとりとや思ひはてまし
みつのおもに−つきのしつむを−みさりせは−われひとりとや−おもひはてまし
異同資料句番号:00442
|
00443 |
元輔 もとすけ (042)
年ことにたえぬ渡やつもりつついととふかくは身をしつむらん
としことに−たえぬなみたや−つもりつつ−いととふかくは−みをしつむらむ
異同資料句番号:00443
|
00444 |
順 したかふ (130)
ほともなく泉はかりに沈む身はいかなるつみのふかきなるらん
ほともなく−いつみはかりに−しつむみは−いかなるつみの−ふかきなるらむ
異同資料句番号:00444
|
00445 |
伊勢 (019)
おとは河せきいれておとすたきつせに人の心の見えもするかな
おとはかは−せきいれておとす−たきつせに−ひとのこころの−みえもするかな
異同資料句番号:00445
|
00446 |
中務 (136)
君かくるやとにたえせぬたきのいとはへて見まほしき物にそ有りける
きみかくる−やとにたえせぬ−たきのいと−はへてみまほしき−ものにそありける
異同資料句番号:00446
|
00447 |
貫之 つらゆき (035)
なかれくる滝のしらいとたえすしていくらの玉の緒とかなるらん
なかれくる−たきのしらいと−たえすして−いくらのたまの−をとかなるらむ
異同資料句番号:00447
|
00448 |
貫之 つらゆき (035)
流れくるたきのいとこそよわからしぬけとみたれておつる白玉
なかれくる−たきのいとこそ−よわからし−ぬけとみたれて−おつるしらたま
異同資料句番号:00448
|
00449 |
公任 右衛門督公任 (055)
たきの糸はたえてひさしく成りぬれと名こそ流れて猶きこえけれ
たきのいとは−たえてひさしく−なりぬれと−なこそなかれて−なほきこえけれ
異同資料句番号:00449
|
00450 |
躬恒 みつね (029)
おほそらをなかめそくらす吹く風のおとはすれともめにも見えねは
おほそらを−なかめそくらす−ふくかせの−おとはすれとも−めにもみえねは
異同資料句番号:00450
|
00451 |
斎宮女御 (119)
ことのねに峯の松風かよふらしいつれのをよりしらへそめけん
ことのねに−みねのまつかせ−かよふらし−いつれのをより−しらへそめけむ
異同資料句番号:00451
|
00452 |
斎宮女御 (119)
松風のおとにみたるることのねをひけは子の日の心地こそすれ
まつかせの−おとにみたるる−ことのねを−ひけはねのひの−ここちこそすれ
異同資料句番号:00452
|
00453 |
忠見 (041)
をのへなる松のこすゑは打ちなひき浪の声にそ風もふきける
をのへなる−まつのこすゑは−うちなひき−なみのこゑにそ−かせもふきける
異同資料句番号:00453
|
00454 |
貫之 つらゆき (035)
雨ふると吹く松風はきこゆれと池のみきははまさらさりけり
あめふると−ふくまつかせは−きこゆれと−いけのみきはは−まさらさりけり
異同資料句番号:00454
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00455 |
貫之 つらゆき (035)
大井河かはへの松に事とはむかかるみゆきやありし昔も
おほゐかは−かはへのまつに−こととはむ−かかるみゆきや−ありしむかしも
異同資料句番号:00455
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00456 |
貫之 つらゆき (035)
おとにのみきき渡りつる住吉の松のちとせをけふ見つるかな
おとにのみ−ききわたりつる−すみよしの−まつのちとせを−けふみつるかな
異同資料句番号:00456
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00457 |
伊勢 (019)
海にのみひちたる松のふかみとりいくしほとかはしるへかるらん
うみにのみ−ひちたるまつの−ふかみとり−いくしほとかは−しるへかるらむ
異同資料句番号:00457
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00458 |
能宣 よしのふ (049)
わたつみの浪にもぬれぬうきしまの松に心をよせてたのまん
わたつみの−なみにもぬれぬ−うきしまの−まつにこころを−よせてたのまむ
異同資料句番号:00458
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00459 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かこのしま松原こしになくたつのあななかなかしきく人なしに
かこのしま−まつはらこしに−なくたつの−あななかなかし−きくひとなしに
異同資料句番号:00459
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00460 |
能宣 よしのふ (049)
いかて猶わか身にかへてたけくまの松ともならむ行人のため
いかてなほ−わかみにかへて−たけくまの−まつともならむ−ゆくひとのため
異同資料句番号:00460
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00461 |
道済 源道済 (164)
行末のしるしはかりにのこるへき松さへいたくおいにけるかな
ゆくすゑの−しるしはかりに−のこるへき−まつさへいたく−おいにけるかな
異同資料句番号:00461
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00462 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世の中を住吉としもおもはぬになにをまつとてわか身へぬらん
よのなかを−すみよしとしも−おもはぬに−なにをまつとて−わかみへぬらむ
異同資料句番号:00462
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00463 |
貫之 つらゆき (035)
いたつらに世にふる物と高砂の松も我をや友と見るらん
いたつらに−よにふるものと−たかさこの−まつもわれをや−ともとみるらむ
異同資料句番号:00463
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00464 |
番号外作者 源為憲 (999)
世とともにあかしの浦の松原は浪をのみこそよるとしるらめ
よとともに−あかしのうらの−まつはらは−なみをのみこそ−よるとしるらめ
異同資料句番号:00464
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00465 |
読人不知 よみ人しらす (000)
もかり舟今そなきさにきよすなるみきはのたつのこゑさわくなり
もかりふね−いまそなきさに−きよすなる−みきはのたつの−こゑさわくなり
異同資料句番号:00465
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00466 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うちしのひいさすみの江の忘草わすれて人のまたやつまぬと
うちしのひ−いさすみのえの−わすれくさ−わすれてひとの−またやつまぬと
異同資料句番号:00466
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00467 |
番号外作者 左大将済時 (999)
あさほらけひくらしのこゑきこゆなりこやあけくれと人のいふらん
あさほらけ−ひくらしのこゑ−きこゆなり−こやあけくれと−ひとのいふらむ
異同資料句番号:00467
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00468 |
仲文 藤原きよたた (125)
あしまより見ゆるなからのはしはしら昔のあとのしろへなりけり
あしまより−みゆるなからの−はしはしら−むかしのあとの−しるへなりけり
異同資料句番号:00468
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00469 |
読人不知 よみ人しらす (000)
けふまてと見るに涙のますかかみなれにし影を人にかたるな
けふまてと−みるになみたの−ますかかみ−なれにしかけを−ひとにかたるな
異同資料句番号:00469
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00470 |
番号外作者 よみ人しらす (999)
わするなよほとは雲ゐに成りぬともそら行く月の廻りあふまて
わするなよ−ほとはくもゐに−なりぬとも−そらゆくつきの−めくりあふまて
異同資料句番号:00470
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00471 |
貫之 つらゆき (035)
年月は昔にあらす成りゆけとこひしきことはかはらさりけり
としつきは−むかしにあらす−なりゆけと−こひしきことは−かはらさりけり
異同資料句番号:00471
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00472 |
番号外作者 藤原後生 (999)
昔わか折りし桂のかひもなし月の林のめしにいらねは
むかしわか−をりしかつらの−かひもなし−つきのはやしの−めしにいらねは
異同資料句番号:00472
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00473 |
番号外作者 菅原の大臣の母 (999)
久方の月の桂もをるはかり家の風をもふかせてしかな
ひさかたの−つきのかつらも−をるはかり−いへのかせをも−ふかせてしかな
異同資料句番号:00473
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00474 |
人麿 人まろ (003)
月草に衣はすらんあさつゆにぬれてののちはうつろひぬとも
つきくさに−ころもはすらむ−あさつゆに−ぬれてののちは−うつろひぬとも
異同資料句番号:00474
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00475 |
人麿 人まろ (003)
ちちわくに人はいふともおりてきむわかはた物にしろきあさきぬ
ちちわくに−ひとはいふとも−おりてきむ−わかはたものに−しろきあさきぬ
異同資料句番号:00475
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00476 |
人麿 人まろ (003)
久方のあめにはきぬをあやしくもわか衣手のひる時もなき
ひさかたの−あめにはきぬを−あやしくも−わかころもての−ひるときもなき
異同資料句番号:00476
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00477 |
人麿 人まろ (003)
白浪はたてと衣にかさならすあかしもすまもおのかうらうら
しらなみは−たてところもに−かさならす−あかしもすまも−おのかうらうら
異同資料句番号:00477
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00478 |
人麿 人まろ (003)
ゆふされは衣手さむしわきもこかときあらひ衣行きてはやきむ
ゆふされは−ころもてさむし−わきもこか−ときあらひころも−ゆきてはやきむ
異同資料句番号:00478
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00479 |
道真 贈太政大臣 (024)
あまつほし道もやとりも有りなからそらにうきてもおもほゆるかな
あまつほし−みちもやとりも−ありなから−そらにうきても−おもほゆるかな
異同資料句番号:00479
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00480 |
道真 贈太政大臣 (024)
なかれ木も三とせ有りてはあひ見てん世のうき事そかへらさりける
なかれきも−みとせありては−あひみてむ−よのうきことそ−かへらさりける
異同資料句番号:00480
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00481 |
貞文 平定文 (161)
うき世にはかとさせりとも見えなくになとかわか身のいてかてにする
うきよには−かとさせりとも−みえなくに−なとかわかみの−いてかてにする
異同資料句番号:00481
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00482 |
伊勢 (019)
木にもおひすはねもならへてなにしかも浪ちへたてて君をきくらん
きにもおひす−はねもならへて−なにしかも−なみちへたてて−きみをきくらむ
異同資料句番号:00482
|
00483 |
人麿 人まろ (003)
ささなみやあふみの宮は名のみして霞たなひき宮きもりなし
ささなみや−あふみのみやは−なのみして−かすみたなひき−みやきもりなし
異同資料句番号:00483
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00484 |
能宣 よしのふ (049)
暁のねさめの千鳥たかためかさほのかはらにをちかへりなく
あかつきの−ねさめのちとり−たかためか−さほのかはらに−をちかへりなく
異同資料句番号:00484
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00485 |
能宣 よしのふ (049)
あさからぬちきりむすへる心ははたむけの神そしるへかりける
あさからぬ−ちきりむすへる−こころはは−たむけのかみそ−しるへかりける
異同資料句番号:00485
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00486 |
元輔 もとすけ (042)
みわの山しるしのすきは有りなからをしへし人はなくていくよそ
みわのやま−しるしのすきは−ありなから−をしへしひとは−なくていくよそ
異同資料句番号:00486
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00487 |
番号外作者 肥前 (999)
おきつしま雲井の岸を行きかへりふみかよはさむまはろしもかな
おきつしま−くもゐのきしを−ゆきかへり−ふみかよはさむ−まほろしもかな
異同資料句番号:00487
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00488 |
人麿 人まろ (003)
そらの海に雲の浪たち月の舟里の林にこきかくる見ゆ
そらのうみに−くものなみたち−つきのふね−ほしのはやしに−こきかくるみゆ
異同資料句番号:00488
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00489 |
人麿 人まろ (003)
河のせのうつまく見れは玉もかるちりみたれたるかはの舟かも
かはのせの−うつまくみれは−たまもかる−ちりみたれたる−かはのふねかも
異同資料句番号:00489
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00490 |
人麿 人まろ (003)
なる神のおとにのみきくまきもくのひはらの山をけふ見つるかな
なるかみの−おとにのみきく−まきもくの−ひはらのやまを−けふみつるかな
異同資料句番号:00490
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00491 |
人麿 人まろ (003)
いにしへに有りけむ人もわかことやみわのひはらにかさし折りけん
いにしへに−ありけむひとも−わかことや−みわのひはらに−かさしをりけむ
異同資料句番号:00491
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00492 |
貫之 つらゆき (035)
人しれすこゆと思ふらしあしひきの山した水にかけは見えつつ
ひとしれす−こゆとおもふらし−あしひきの−やましたみつに−かけはみえつつ
異同資料句番号:00492
|
00493 |
人麿 人まろ (003)
おふの海にふなのりすらんわきもこかあかものすそにしほみつらんか
をふのうみに−ふなのりすらむ−わきもこか−あかものすそに−しほみつらむか
異同資料句番号:00493
|
00494 |
村上院 御製 (512)
思ふ事なるといふなるすすか山こえてうれしきさかひとそきく
おもふこと−なるといふなる−すすかやま−こえてうれしき−さかひとそきく
異同資料句番号:00494
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00495 |
斎宮女御 (119)
世にふれは又もこえけりすすか山昔の今になるにやあるらん
よにふれは−またもこえけり−すすかやま−むかしのいまに−なるにやあらむ
異同資料句番号:00495
|
00496 |
人麿 人まろ (003)
あすかかはしからみわたしせかませはなかるる水ものとけからまし
あすかかは−しからみわたし−せかませは−なかるるみつも−のとけからまし
異同資料句番号:00496
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00497 |
実頼 小野宮太政大臣 (511)
おくれゐてなくなるよりはあしたつのなとかよはひをゆつらさりけん
おくれゐて−なくなるよりは−あしたつの−なとかよはひを−ゆつらさりけむ
異同資料句番号:00497
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00498 |
番号外作者 愛宮 (999)
年をへてたちならしつるあしたつのいかなる方にあとととむらん
としをへて−たちならしつる−あしたつの−いかなるかたに−あとととむらむ
異同資料句番号:00498
|
00499 |
元輔 もとすけ (042)
ゆくすゑの忍草にも有りやとてつゆのかたみもおかんとそ思ふ
ゆくすゑの−しのふくさにも−ありやとて−つゆのかたみも−おかむとそおもふ
異同資料句番号:00499
|
00500 |
中務 (136)
うゑて見る草葉そ世をはしらせけるおきてはきゆるけさの朝露
うゑてみる−くさはそよをは−しらせける−おきてはきゆる−けさのあさつゆ
異同資料句番号:00500
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00501 |
嘉言 ゆけのよしとき (163)
露のいのちをしとにはあらす君を又見てやと思ふそかなしかりける
つゆのいのち−をしとにはあらす−きみをまた−みてやとおもふそ−かなしかりける
異同資料句番号:00501
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00502 |
元輔 もとすけ (042)
をしからぬいのちやさらにのひぬらんをはりの煙しむるのへにて
をしからぬ−いのちやさらに−のひぬらむ−をはりのけふり−しむるのへにて
異同資料句番号:00502
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00503 |
番号外作者 佐伯清忠 (999)
限なき涙のつゆにむすはれて人のしもとはなるにやあるらん
かきりなき−なみたのつゆに−むすはれて−ひとのしもとは−なるにやあるらむ
異同資料句番号:00503
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00504 |
元輔 もとすけ (042)
うき世には行きかくれなてかきくもりふるは思ひのほかにもあるかな
うきよには−ゆきかくれなて−かきくもり−ふるはおもひの−ほかにもあるかな
異同資料句番号:00504
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00505 |
番号外作者 源景明 (999)
わひ人はうき世の中にいけらしと思ふ事さへかなはさりけり
わひひとは−うきよのなかに−いけらしと−おもふことさへ−かなはさりけり
異同資料句番号:00505
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00506 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世の中にあらぬ所もえてしかな年ふりにたるかたちかくさむ
よのなかに−あらぬところも−えてしかな−としふりにたる−かたちかくさむ
異同資料句番号:00506
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00507 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世の中をかくいひいひのはてはてはいかにやいかにならむとすらん
よのなかを−かくいひいひの−はてはては−いかにやいかに−ならむとすらむ
異同資料句番号:00507
|
00508 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いにしへのとらのたくひに身をなけはさかとはかりはとはむとそ思ふ
いにしへの−とらのたくひに−みをなけは−さかとはかりは−とはむとそおもふ
異同資料句番号:00508
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00509 |
貫之 紀貫之 (035)
春秋に思ひみたれてわきかねつ時につけつつうつる心は
はるあきに−おもひみたれて−わきかねつ−ときにつけつつ−うつるこころは
異同資料句番号:00509
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00510 |
番号外作者 承香殿のとしこ (999)
おほかたの秋に心はよせしかと花見る時はいつれともなし
おほかたの−あきにこころは−よせしかそ−はなみるときは−いつれともなし
異同資料句番号:00510
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00511 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春はたた花のひとへにさくはかり物のあはれは秋そまされる
はるはたた−はなのひとへに−さくはかり−もののあはれは−あきそまされる
異同資料句番号:00511
|
00512 |
番号外作者 大納言朝光 (999)
折からにいつれともなき鳥のねもいかかさためむ時ならぬ身は
をりからに−いつれともなき−とりのねも−いかかさためむ−ときならぬみは
異同資料句番号:00512
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00513 |
番号外作者 参譲伊衡 (999)
白露はうへよりおくをいかなれは萩のしたはのまつもみつらん
しらつゆは−うへよりおくを−いかなれは−はきのしたはの−まつもみつらむ
異同資料句番号:00513
|
00514 |
躬恒 みつね (029)
さをしかのしからみふする秋萩はしたはやうへになりかへるらん
さをしかの−しからみふする−あきはきは−したはやうへに−なりかへるらむ
異同資料句番号:00514
|
00515 |
忠峯 たたみね (030)
秋はきはまつさすえよりうつろふをつゆのわくとは思はさらなむ
あきはきは−まつさすえより−うつろふを−つゆのわくとは−おもはさらなむ
異同資料句番号:00515
|
00516 |
番号外作者 これひら (999)
ちとせふる松のしたはのいろつくはたかしたかみにかけてかへすそ
ちとせふる−まつのしたはの−いろつくは−たかしたかみに−かけてかへすそ
異同資料句番号:00516
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00517 |
躬恒 みつね (029)
松といへとちとせの秋にあひくれはしのひにおつるしたはなりけり
まつといへと−ちとせのあきに−あひくれは−しのひにおつる−したはなりけり
異同資料句番号:00517
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00518 |
番号外作者 これひら (999)
白妙のしろき月をも紅の色をもなとかあかしといふらん
しろたへの−しろきつきをも−くれなゐの−いろをもなとか−あかしといふらむ
異同資料句番号:00518
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00519 |
躬恒 みつね (029)
昔よりいひしきにける事なれは我らはいかか今はさためん
むかしより−いひしきにける−ことなれは−われらはいかか−いまはさためむ
異同資料句番号:00519
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00520 |
番号外作者 これひら (999)
かけ見れはひかりなきをも衣ぬふいとをもなとかよるといふらん
かけみれは−ひかりなきをも−ころもぬふ−いとをもなとか−よるといふらむ
異同資料句番号:00520
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00521 |
躬恒 みつね (029)
むはたまのよるはこひしき人にあひていとをもよれはあふとやは見ぬ
うはたまの−よるはこひしき−ひとにあひて−いとをもよれは−あふとやはみぬ
異同資料句番号:00521
|
00522 |
番号外作者 伊衡 (999)
よるひるのかすはみそちにあまらぬをなと長月といひはしめけん
よるひるの−かすはみそちに−あまらぬを−なとなかつきと−いひはしめけむ
異同資料句番号:00522
|
00523 |
躬恒 みつね (029)
秋ふかみこひする人のあかしかね夜を長月といふにやあるらん
あきふかみ−こひするひとの−あかしかね−よをなかつきと−いふにやあるらむ
異同資料句番号:00523
|
00524 |
読人不知 よみ人しらす (000)
水のあわやたねとなるらんうきくさのまく人なみのうへにおふれは
みつのあわや−たねとなるらむ−うきくさの−まくひとなみの−うへにおふれは
異同資料句番号:00524
|
00525 |
恵慶 恵慶法師 (047)
たねなくてなき物草はおひにけりまくてふ事はあらしとそ思ふ
たねなくて−なきものくさは−おひにけり−まくてふことは−あらしとそおもふ
異同資料句番号:00525
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00526 |
好忠 そねのよしたた (046)
わか事はえもいはしろの結松ちとせをふともたれかとくへき
わかことは−えもいはしろの−むすひまつ−ちとせをふとも−たれかとくへき
異同資料句番号:00526
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00527 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あしひきの山のこてらにすむ人はわかいふこともかなはさりけり
あしひきの−やまのこてらに−すむひとは−わかいふことも−かなはさりけり
異同資料句番号:00527
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00528 |
番号外作者 源経房朝臣 (999)
山ならぬすみかあまたにきく人の野ふしにとくも成りにけるかな
やまならぬ−すみかあまたに−きくひとの−のふしにとくも−なりにけるかな
異同資料句番号:00528
|
00529 |
番号外作者 健守法師 (999)
やまふしものふしもかくて心みつ今はとねりのねやそゆかしき
やまふしも−のふしもかくて−こころみつ−いまはとねりの−ねやそゆかしき
異同資料句番号:00529
|
00530 |
道綱母 右大将道綱母 (053)
わたつ海はあまの舟こそありときけのりたかへてもこきいてたるかな
わたつうみは−あまのふねこそ−ありときけ−のりたかへても−こきいてたるかな
異同資料句番号:00530
|
00531 |
読人不知 よみ人しらす (000)
勅なれはいともかしこし鴬のやとはととははいかかこたへむ
ちよくなれは−いともかしこし−うくひすの−やとはととはは−いかかこたへむ
異同資料句番号:00531
|
00532 |
番号外作者 寿玄法師 (999)
いなをらしつゆにたもとのぬれたらは物思ひけりと人もこそ見れ
いなをらし−つゆにたもとの−ぬれたらは−ものおもひけりと−ひともこそみれ
異同資料句番号:00532
|
00533 |
能宣 よしのふ (049)
あつさゆみはるかに見ゆる山のはをいかてか月のさして入るらん
あつさゆみ−はるかにみゆる−やまのはを−いかてかつきの−さしているらむ
異同資料句番号:00533
|
00534 |
伊勢 (019)
そらめをそ君はみたらし河の水あさしやふかしそれは我かは
そらめをそ−きみはみたらし−かはのみつ−あさしやふかし−それはわれかは
異同資料句番号:00534
|
00535 |
藤原仲文 (132)
かをさしてむまといふ人ありけれはかもをもをしと思ふなるへし
かをさして−うまといふひと−ありけれは−かもをもをしと−おもふなるへし
異同資料句番号:00535
|
00536 |
能宣 よしのふ (049)
なしといへはをしむかもとや思ふらんしかやむまとそいふへかりける
なしといへは−をしむかもとや−おもふらむ−しかやうまとそ−いふへかりける
異同資料句番号:00536
|
00537 |
恵慶 恵慶法師 (047)
なにはえのあしのはなけのましれるはつのくにかひのこまにやあるらん
なにはえの−あしのはなけの−ましれるは−つのくにかひの−こまにやあるらむ
異同資料句番号:00537
|
00538 |
忠見 たたみ (041)
難波かたしけりあへるはきみかよにあしかるわさをせねはなるへし
なにはかた−しけりあへるは−きみかよに−あしかるわさを−せねはなるへし
異同資料句番号:00538
|
00539 |
忠見 たたみ (041)
宮こにはすみわひはててつのくにの住吉ときくさとにこそゆけ
みやこには−すみわひはてて−つのくにの−すみよしときく−さとにこそゆけ
異同資料句番号:00539
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00540 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君なくてあしかりけりと思ふにもいととなにはの浦そすみうき
きみなくて−あしかりけりと−おもふにも−いととなにはの−うらそすみうき
異同資料句番号:00540
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00541 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あしからしよからむとてそわかれけんなにかなにはの浦はすみうき
あしからし−よからむとてそ−わかれけむ−なにかなにはの−うらはすみうき
異同資料句番号:00541
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00542 |
番号外作者 麗景殿みやのきみ (999)
なき人のかたみと思ふにあやしきはゑみても袖のぬるるなりけり
なきひとの−かたみとおもふに−あやしきは−ゑみてもそての−ぬるるなりけり
異同資料句番号:00542
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00543 |
番号外作者 菅原道雅女 (999)
みつせ河渡るみさをもなかりけりなにに衣をぬきてかくらん
みつせかは−わたるみさをも−なかりけり−なににころもを−ぬきてかくらむ
異同資料句番号:00543
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00544 |
番号外作者 皇太后宮権大夫国章 (999)
かくしこそ春の始はうれしけれつらきは秋のをはりなりけり
かくしこそ−はるのはしめは−うれしけれ−つらきはあきの−をはりなりけり
異同資料句番号:00544
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00545 |
番号外作者 源重之の叔母 (999)
おやのおやとおもはましかはとひてましわかこのこにはあらぬなるへし
おやのおやと−おもはましかは−とひてまし−わかこのこには−あらぬなるへし
異同資料句番号:00545
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00546 |
人麿 人まろ (003)
山高みゆふ日かくれぬあさち原後見むためにしめゆはましを
やまたかみ−ゆふひかくれぬ−あさちはら−のちみむために−しめゆはましを
異同資料句番号:00546
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00547 |
貫之 (035)
名のみして山は三笠もなかりけりあさ日ゆふ日のさすをいふかも
なのみして−やまはみかさも−なかりけり−あさひゆふひの−さすをいふかも
異同資料句番号:00547
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00548 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なのみしてなれるも見えす梅津河ゐせきの水ももれはなりけり
なのみして−なれるもみえす−うめつかは−ゐせきのみつも−もれはなりけり
異同資料句番号:00548
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00549 |
読人不知 よみ人しらす (000)
名にはいへとくろくも見えすうるし河さすかに渡る水はぬるめり
なにはいへと−くろくもみえす−うるしかは−さすかにわたる−みつはぬるめり
異同資料句番号:00549
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00550 |
恵慶 恵慶法師 (047)
世の中にあやしき物は雨ふれと大原河のひるにそありける
よのなかに−あやしきものは−あめふれと−おほはらかはの−ひるにそありける
異同資料句番号:00550
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00551 |
仲文 (132)
河柳いとはみとりにあるものをいつれかあけの衣なるらん
かはやなき−いとはみとりに−あるものを−いつれかあけの−ころもなるらむ
異同資料句番号:00551
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00552 |
村上院 御製 (512)
しら浪の打ちやかへすとまつほとにはまのまさこのかすそつもれる
しらなみの−うちやかへすと−まつほとに−はまのまさこの−かすそつもれる
異同資料句番号:00552
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00553 |
実頼 小野宮太政大臣 (511)
いつしかとあけて見たれははま千鳥跡あることにあとのなきかな
いつしかと−あけてみたれは−はまちとり−あとあることに−あとのなきかな
異同資料句番号:00553
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00554 |
馬内侍 右大将実資 (172)
ととめてもなににかはせん浜千鳥ふりぬるあとは浪にきえつつ
ととめても−なににかはせむ−はまちとり−ふりぬるあとは−なみにきえつつ
異同資料句番号:00554
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00555 |
読人不知 よみ人しらす (000)
みなそこのわくはかりにやくくるらんよる人もなきたきのしらいと
みなそこの−わくはかりにや−くくるらむ−よるひともなき−たきのいらいと
異同資料句番号:00555
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00556 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おとにきくつつみのたきをうち見れはたた山河のなるにそ有りける
おとにきく−つつみのたきを−うちみれは−たたやまかはの−なるにそありける
異同資料句番号:00556
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00557 |
番号外作者 三位国章 (999)
おとにきくこまの渡のうりつくりとなりかくなりなる心かな
おとにきく−こまのわたりの−うりつくり−となりかくなり−なるこころかな
異同資料句番号:00557
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00558 |
番号外作者 大納言朝光 (999)
さためなくなるなるうりのつら見てもたちやよりこむこまのすきもの
さためなく−なるなるうりの−つらみても−たちやよりこむ−こまのすきもの
異同資料句番号:00558
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00559 |
兼盛 かねもり (040)
みちのくのあたちのはらのくろつかにおにこもれりときくはまことか
みちのくの−あたちのはらの−くろつかに−おにこもれりと−いふはまことか
異同資料句番号:00559
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00560 |
番号外作者 藤原為順 (999)
ぬす人のたつたの山に入りにけりおなしかさしの名にやけかれん
ぬすひとの−たつたのやまに−いりにけり−おなしかさしの−なにやけかれむ
異同資料句番号:00560
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00561 |
番号外作者 藤原為順 (999)
なき名のみたつたの山のふもとには世にもあらしの風もふかなん
なきなのみ−たつたのやまの−ふもとには−よにもあらしの−かせもふかなむ
異同資料句番号:00561
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00562 |
番号外作者 八条のおほいきみ (999)
なき名のみたかをの山といひたつる君はあたこの峯にやあるらん
なきなのみ−たかをのやまと−いひたつる−きみはあたこの−みねにやあるらむ
異同資料句番号:00562
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00563 |
元輔 もとすけ (042)
いにしへものほりやしけんよしの山やまよりたかきよはひなる人
いにしへも−のほりやしけむ−よしのやま−やまよりたかき−よはひなるひと
異同資料句番号:00563
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00564 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おいはてて雪の山をはいたたけとしもと見るにそ身はひえにける
おいはてて−ゆきのやまをは−いたたけと−しもとみるにそ−みはひえにける
異同資料句番号:00564
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00565 |
番号外作者 よみ人しらす (999)
ますかかみそこなるかけにむかひゐて見る時にこそしらぬおきなにあふ心地すれ
ますかかみ−そこなるかけに−むかひゐて−みるときにこそ−しらぬおきなに−あふここちすれ
異同資料句番号:00565
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00566 |
人麿 柿本人まろ (003)
ますかかみみしかと思ふいもにあはむかもたまのをのたえたるこひのしけきこのころ
ますかかみ−みしかとおもふ−いもにあはむかも−たまのをの−たえたるこひの−しけきこのころ
異同資料句番号:00566
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00567 |
人麿 柿本人まろ (003)
かのをかに草かるをのこしかなかりそありつつもきみかきまさむみまくさにせん
かのをかに−くさかるをのこ−しかなかりそ−ありつつも−きみかきまさむ−みまくさにせむ
異同資料句番号:00567
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00568 |
番号外作者 源かけあきら (999)
あつさゆみおもはすにしていりにしをさもねたくひきととめてそふすへかりける
あつさゆみ−おもはすにして−いりにしを−さもねたく−ひきととめてそ−ふすへかりける
異同資料句番号:00568
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00569 |
人麿 人まろ (003)
ちはやふる わかおほきみの きこしめす あめのしたなる 草の葉も うるひにたりと 山河の すめるかうちと みこころを よしののくにの 花さかり 秋つののへに 宮はしら ふとしきまして ももしきの 大宮人は 舟ならへ あさ河わたり ふなくらへ ゆふかはわたり この河の たゆる事なく この山の いやたかからし たま水の たきつの宮こ 見れとあかぬかも
ちはやふる−わかおほきみの−きこしめす−あめのしたなる−くさのはも−うるひにたりと−やまかはの−すめるかふちと−みこころを−よしののくにの−はなさかり−あきつののへに−みやはしら−ふとしきまして−ももしきの−おほみやひとは−ふねならへ−あさかはわたり−ふなくらへ−ゆふかはわたり−このかはの−たゆることなく−このやまの−いやたかからし−たまみつの−たきつのみやこ−みれとあかぬかも
異同資料句番号:00569
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00570 |
人麿 人まろ (003)
見れとあかぬよしのの河の流れてもたゆる時なく行きかへり見む
みれとあかぬ−よしののかはの−なかれても−たゆるときなく−ゆきかへりみむ
異同資料句番号:00570
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00571 |
順 源したかふ (130)
あらたまの 年のはたちに たらさりし 時はの山の 山さむみ 風もさはらぬ ふち衣 ふたたひたちし あさきりに 心もそらに まとひそめ みなしこ草に なりしより 物思ふことの 葉をしけみ けぬへきつゆの よるはおきて 夏はみきはに もえわたる ほたるをそてに ひろひつつ 冬は花かと 見えまかひ このもかのもに ふりつもる 雪をたもとに あつめつつ ふみみていてし 道は猶 身のうきにのみ 有りけれは ここもかしこも あしねはふ したにのみこそ しつみけれ たれここのつの さは水に なくたつのねを 久方の くものうへまて かくれなみ たかくきこゆる かひありて いひなかしけん 人は猶 かひもなきさに みつしほの 世にはからくて すみの江の 松はいたつら おいぬれと みとりの衣 ぬきすてむ はるはいつとも しらなみの なみちにいたく ゆきかよひ ゆもとりあへす なりにける 舟のわれをし きみしらは あはれいまたに しつめしと あまのつりなは うちはへて ひくとしきかは 物はおもはし
あらたまの−としのはたちに−たらさりし−ときはのやまの−やまさむみ−かせもさはらぬ−ふちころも−ふたたひたちし−あさきりに−こころもそらに−まとひそめ−みなしこくさに−なりしより−ものおもふことの−はをしけみ−けぬへきつゆの−よるはおきて−なつはみきはに−もえわたる−ほたるをそてに−ひろひつつ−ふゆははなかと−みえまかひ−このもかのもに−ふりつもる−ゆきをたもとに−あつめつつ−ふみみていてし−みちはなほ−みのうきにのみ−ありけれは−ここもかしこも−あしねはふ−したにのみこそ−しつみけれ−たれここのつの−さはみつに−なくたつのねを−ひさかたの−くものうへまて−かくれなみ−たかくきこゆる−かひありて−いひなかしけむ−ひとはなほ−かひもなきさに−みつしほの−よにはからくて−すみのえの−まつはいたつら−おいぬれと−みとりのころも−ぬきすてむ−はるはいつとも−しらなみの−なみちにいたく−ゆきかよひ−ゆもとりあへす−なりにける−ふねのわれをし−きみしらは−あはれいまたに−しつめしと−あまのつりなは−うちはへて−ひくとしきかは−ものはおもはし
異同資料句番号:00571
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00572 |
能宣 よしのふ (049)
世の中を おもへはくるし わするれは えもわすられす たれもみな おなしみ山の 松かえと かるる事なく すへらきの ちよもやちよも つかへんと たかきたのみを かくれぬの したよりねさす あやめくさ あやなき身にも 人なみに かかる心を 思ひつつ 世にふるゆきを きみはしも 冬はとりつみ 夏は又 草のほたるを あつめつつ ひかりさやけき 久方の 月のかつらを をるまてに 時雨にそほち つゆにぬれ へにけむそての ふかみとり いろあせかたに 今はなり かつしたはより くれなゐに うつろひはてん 秋にあはは まつひらけなん 花よりも こたかきかけと あふかれん 物とこそ見し しほかまの うらさひしけに なそもかく 世をしも思ひ なすのゆの たきるゆゑをも かまへつつ わか身を人の 身になして おもひくらへよ ももしきに あかしくらして とこ夏の くもゐはるけき みな人に おくれてなひく 我もあるらし
よのなかを−おもへはくるし−わするれは−えもわすられす−たれもみな−おなしみやまの−まつかえと−かるることなく−すめらきの−ちよもやちよも−つかへむと−たかきたのみを−かくれぬの−したよりねさす−あやめくさ−あやなきみにも−ひとなみに−かかるこころを−おもひつつ−よにふるゆきを−きみはしも−ふゆはとりつみ−なつはまた−くさのほたるを−あつめつつ−ひかりさやけき−ひさかたの−つきのかつらを−をるまてに−しくれにそほち−つゆにぬれ−へにけむそての−ふかみとり−いろあせかたに−いまはなり−かつしたはより−くれなゐに−うつろひはてむ−あきにあはは−まつひらけなむ−はなよりも−こたかきかけと−あふかれむ−ものとこそみし−しほかまの−うらさひしけに−なそもかく−よをしもおもひ−なすのゆの−たきるゆゑをも−かまへつつ−わかみをひとの−みになして−おもひくらへよ−ももしきに−あかしくらして−とこなつの−くもゐはるけき−みなひとに−おくれてなひく−われもあるらし
異同資料句番号:00572
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00573 |
読人不知 よみ人しらす (000)
今はとも いはさりしかと やをとめの たつやかすかの ふるさとに かへりやくると まつち山 まつほとすきて かりかねの 雲のよそにも きこえねは 我はむなしき たまつさを かくてもたゆく むすひおきて つてやる風の たよりたに なきさにきゐる ゆふちとり うらみはふかく みつしほに そてのみいとと ぬれつつそ あともおもはぬ きみにより かひなきこひに なにしかも 我のみひとり うきふねの こかれてよには わたるらん とさへそはては かやり火の くゆる心も つきぬへく 思ひなるまて おとつれす おほつかなくて かへれとも けふみつくきの あとみれは ちきりし事は 君も又 わすれさりけり しかしあらは たれもうきよの あさつゆに ひかりまつまの 身にしあれは おもはしいかて とこ夏の 花のうつろふ 秋もなく おなしあたりに すみの江の きしのひめ松 ねをむすひ 世世をへつつも しもゆきの ふるにもぬれぬ なかとなりなむ
いまはとも−いはさりしかと−やをとめの−たつやかすかの−ふるさとに−かへりやくると−まつちやま−まつほとすきて−かりかねの−くものよそにも−きこえねは−われはむなしき−たまつさを−かくてもたゆく−むすひおきて−つてやるかせの−たよりたに−なきさにきゐる−ゆふちとり−うらみはふかく−みつしほに−そてのみいとと−ぬれつつそ−あともおもはぬ−きみにより−かひなきこひに−なにしかも−われのみひとり−うきふねの−こかれてよには−わたるらむ−とさへそはては−かやりひの−くゆるこころも−つきぬへく−おもひなるまて−おとつれす−おほつかなくて−かへれとも−けふみつくきの−あとみれは−ちきりしことは−きみもまた−わすれさりけり−しかしあらは−たれもうきよの−あさつゆに−ひかりまつまの−みにしあれは−おもはしいかて−とこなつの−はなのうつろふ−あきもなく−おなしあたりに−すみのえの−きしのひめまつ−ねをむすひ−よよをへつつも−しもゆきの−ふるにもぬれぬ−なかとなりなむ
異同資料句番号:00573
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00574 |
番号外作者 東三条太政大臣 (999)
あはれわれ いつつの宮の 宮人と そのかすならぬ 身をなして おもひし事は かけまくも かしこけれとも たのもしき かけにふたたひ おくれたる ふたはの草を 吹く風の あらき方には あてしとて せはきたもとを ふせきつつ ちりもすゑしと みかきては たまのひかりを たれか見む と思ふ心に おほけなく かみつえたをは さしこえて 花さく春の 宮人と なりし時はは いかはかり しけきかけとか たのまれし すゑの世まてと 思ひつつ ここのかさねの そのなかに いつきすゑしも ことてしも たれならなくに を山田を 人にまかせて 我はたた たもとそほつに 身をなして ふたはるみはる すくしつつ その秋冬の あさきりの たえまにたにもと 思ひしを 峯の白雲 よこさまに たちかはりぬと 見てしかは 身をかきりとは おもひにき いのちあらはと たのみしは 人におくるる ななりけり 思ふもしるし 山河の みなしもなりし もろ人も うこかぬきしに まもりあけて しつむみくつの はてはては かきなかされし 神な月 うすき氷に とちられて とまれる方も なきわふる なみたしつみて かそふれは 冬も三月に なりにけり なかきよなよな しきたへの ふさすやすます あけくらし おもへとも猶 かなしきは やそうち人も あたら世の ためしなりとそ さわくなる ましてかすかの すきむらに いまたかれたる 枝はあらし 大原野辺の つほすみれ つみをかしある 物ならは てる日も見よと いふことを 年のをはりに きよめすは わか身そつひに くちぬへき たにのむもれ木 春くとも さてややみなむ 年の内に 春吹く風も 心あらは そての氷を とけとふかなむ
あはれわれ−いつつのみやの−みやひとと−そのかすならぬ−みをなして−おもひしことは−かけまくも−かしこけれとも−たのもしき−かけにふたたひ−おくれたる−ふたはのくさを−ふくかせの−あらきかたには−あてしとて−せはきたもとを−ふせきつつ−ちりもすゑしと−みかきては−たまのひかりを−たれかみむと−おもふこころに−おほけなく−かみつえたをは−さしこえて−はなさくはるの−みやひとと−なりしときはは−いかはかり−しけきかけとか−たのまれし−すゑのよまてと−おもひつつ−ここのかさねの−そのなかに−いつきすゑしも−ことてしも−たれならなくに−をやまたを−ひとにまかせて−われはたた−たもとそほつに−みをなして−ふたはるみはる−すくしつつ−そのあきふゆの−あさきりの−たえまにたにもと−おもひしを−みねのしらくも−よこさまに−たちかはりぬと−みてしかは−みをかきりとは−おもひにき−いのちあらはと−たのみしは−ひとにおくるる−ななりけり−おもふもしるし−やまかはの−みなしもなりし−もろひとも−うこかぬきしに−まもりあけて−しつむみくつの−はてはては−かきなかされし−かみなつき−うすきこほりに−とちられて−とまれるかたも−なきわふる−なみたしつみて−かそふれは−ふゆもみつきに−なりにけり−なかきよなよな−しきたへの−ふさすやすます−あけくらし−おもへともなほ−かなしきは−やそうちひとも−あたらよの−ためしなりとそ−さわくなる−ましてかすかの−すきむらに−いまたかれたる−えたはあらし−おほはらのへの−つほすみれ−つみをかしある−ものならは−てるひもみよと−いふことを−としのをはりに−きよめすは−わかみそつひに−くちぬへき−たにのうもれき−はるくとも−さてややみなむ−としのうちに−はるふくかせも−こころあらは−そてのこほりを−とけとふかなむ
異同資料句番号:00574
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00575 |
番号外作者 東三条太政大臣 (999)
如何せむわか身くたれるいな舟のしはしはかりのいのちたえすは
いかにせむ−わかみくたれる−いなふねの−しはしはかりの−いのちたえすは
異同資料句番号:00575
|
00576 |
番号外作者 不記 (999)
さかきはにゆふしてかけてたか世にか神のみまへにいはひそめけん
さかきはに−ゆふしてかけて−たかよにか−かみのみまへに−いはひそめけむ
異同資料句番号:00576
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00577 |
番号外作者 不記 (999)
さか木葉のかをかくはしみとめくれはやそうち人そまとゐせりける
さかきはの−かをかくはしみ−とめくれは−やそうちひとそ−まとゐせりける
異同資料句番号:00577
|
00578 |
番号外作者 不記 (999)
みてくらにならましものをすへ神のみてにとられてなつさはましを
みてくらに−ならましものを−すめかみの−みてにとられて−なつさはましを
異同資料句番号:00578
|
00579 |
番号外作者 不記 (999)
みてくらはわかにはあらすあめにますとよをかひめの宮のみてくら
みてくらは−わかにはあらす−あめにます−とよをかひめの−みやのみてくら
異同資料句番号:00579
|
00580 |
番号外作者 不記 (999)
あふさかをけさこえくれは山人のちとせつけとてきれるつゑなり
あふさかを−けさこえくれは−やまひとの−ちとせつけとて−きれるつゑなり
異同資料句番号:00580
|
00581 |
番号外作者 不記 (999)
よも山の人のたからにするゆみを神のみまへにけふたてまつる
よもやまの−ひとのたからに−するゆみを−かみのみまへに−けふたてまつる
異同資料句番号:00581
|
00582 |
番号外作者 不記 (999)
いその神ふるやをとこのたちもかなくみのをしてて宮ちかよはむ
いそのかみ−ふるやをとこの−たちもかな−くみのをしてて−みやちかよはむ
異同資料句番号:00582
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00583 |
番号外作者 不記 (999)
銀のめぬきのたちをさけはきてならの宮こをねるやたかこそ
しろかねの−めぬきのたちを−さけはきて−ならのみやこを−ねるやたかこそ
異同資料句番号:00583
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00584 |
番号外作者 不記 (999)
わか駒ははやくゆかなんあさひこかやへさすをかのたまささのうへに
わかこまは−はやくゆかなむ−あさひこか−やへさすをかの−たまささのうへに
異同資料句番号:00584
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00585 |
番号外作者 不記 (999)
さいはりに衣はそめん雨ふれとうつろひかたしふかくそめては
さいはりに−ころもはそめむ−あめふれと−うつろひかたし−ふかくそめては
異同資料句番号:00585
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00586 |
番号外作者 不記 (999)
しなかとりゐなのふし原とひわたるしきかはねおとおもしろきかな
しなかとり−ゐなのふしはら−とひわたる−しきかはねおと−おもしろきかな
異同資料句番号:00586
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00587 |
番号外作者 不記 (999)
住吉のきしもせさらんものゆゑにねたくや人に松といはれむ
すみよしの−きしもせさらむ−ものゆゑに−ねたくやひとに−まつといはれむ
異同資料句番号:00587
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00588 |
番号外作者 不記 (999)
ゆふたすきかくるたもとはわつらはしゆたけにとけてあらむとをしれ
ゆふたすき−かくるたもとは−わつらはし−ゆたけにとけて−あらむとをしれ
異同資料句番号:00588
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00589 |
安法 安法法師 (185)
あまくたるあら人神のあひおひをおもへはひさし住吉の松
あまくたる−あらひとかみの−あひおひを−おもへはひさし−すみよしのまつ
異同資料句番号:00589
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00590 |
恵慶 恵慶法師 (047)
我とはは神世の事もこたへなん昔をしれるすみよしのまつ
われとはは−かみよのことも−こたへなむ−むかしをしれる−すみよしのまつ
異同資料句番号:00590
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00591 |
重之 (048)
いく世にかかたりつたへむはこさきの松のちとせのひとつならねは
いくよにか−かたりつたへむ−はこさきの−まつのちとせの−ひとつならねは
異同資料句番号:00591
|
00592 |
元輔 もとすけ (042)
おひしけれひらのの原のあやすきよこき紫にたちかさぬへく
おひしけれ−ひらののはらの−あやすきよ−こきむらさきに−たちかさぬへく
異同資料句番号:00592
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00593 |
番号外作者 僧都実因 (999)
ねきかくるひえの社のゆふたすきくさのかきはもことやめてきけ
ねきかくる−ひえのやしろの−ゆふたすき−くさのかきはも−ことやめてきけ
異同資料句番号:00593
|
00594 |
番号外作者 源兼澄 (999)
おほよとのみそきいくよになりぬらん神さひにたる浦のひめ松
おほよとの−みそきいくよに−なりぬらむ−かみさひにたる−うらのひめまつ
異同資料句番号:00594
|
00595 |
番号外作者 平祐挙 (999)
みそきするけふからさきにおろすあみは神のうけひくしるしなりけり
みそきする−けふからさきに−おろすあみは−かみのうけひく−しるしなりけり
異同資料句番号:00595
|
00596 |
人麿 人まろ (003)
ちはやふる神のたもてるいのちをはたれかためにか長くと思はん
ちはやふる−かみのたもてる−いのちをは−たれかためにか−なかくとおもはむ
異同資料句番号:00596
|
00597 |
人麿 人まろ (003)
千早振かみも思ひのあれはこそ年へてふしの山ももゆらめ
ちはやふる−かみもおもひの−あれはこそ−としへてふしの−やまももゆらめ
異同資料句番号:00597
|
00598 |
能宣 大中臣能宣 (049)
君か世のなからの山のかひありとのとけき雲のゐる時そ見る
きみかよの−なからのやまの−かひありと−のとけきくもの−ゐるときそみる
異同資料句番号:00598
|
00599 |
能宣 大中臣能宣 (049)
ささなみのなからの山のなからへてたのしかるへき君かみよかな
ささなみの−なからのやまの−なからへて−たのしかるへき−きみかみよかな
異同資料句番号:00599
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00600 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うこきなきいはくら山にきみかよをはこひおきつつちよをこそつめ
うこきなき−いはくらやまに−きみかよを−はこひおきつつ−ちよをこそつめ
異同資料句番号:00600
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00601 |
能宣 よしのふ (049)
ちはやふるみ神の山のさか木ははさかえそまさるすゑの世まてに
ちはやふる−みかみのやまの−さかきはは−さかえそまさる−すゑのよまてに
異同資料句番号:00601
|
00602 |
読人不知 よみ人しらす (000)
万代の色もかはらぬさか木ははみかみの山におふるなりけり
よろつよの−いろもかはらぬ−さかきはは−みかみのやまに−おふるなりけり
異同資料句番号:00602
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00603 |
元輔 もとすけ (042)
よろつ世をみかみの山のひひくにはやす河の水すみそあひにける
よろつよを−みかみのやまの−ひひくには−やすかはのみつ−すみそあひにける
異同資料句番号:00603
|
00604 |
能宣 よしのふ (049)
みつきつむおほくら山はときはにていろもかはらすよろつ世そへむ
みつきつむ−おほくらやまは−ときはにて−いろもかはらす−よろつよそへむ
異同資料句番号:00604
|
00605 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たかしまやみをの中山そまたててつくりかさねよちよのなみくら
たかしまや−みをのなかやま−そまたてて−つくりかさねよ−ちよのなみくら
異同資料句番号:00605
|
00606 |
能宣 よしのふ (049)
みかきける心もしるく鏡山くもりなきよにあふかたのしさ
みかきける−こころもしるく−かかみやま−くもりなきよに−あふかたのしさ
異同資料句番号:00606
|
00607 |
元輔 清原元輔 (042)
ちとせふる松かさきにはむれゐつつたつさへあそふ心あるらし
ちとせふる−まつかさきには−むれゐつつ−たつさへあそふ−こころあるらし
異同資料句番号:00607
|
00608 |
兼盛 かねもり (040)
ととこほる時もあらしな近江なるおもののはまのあまのひつきは
ととこほる−ときもあらしな−あふみなる−おもののはまの−あまのひつきは
異同資料句番号:00608
|
00609 |
能宣 よしのふ (049)
ことしよりちとせの山はこゑたえす君かみよをそいのるへらなる
ことしより−ちとせのやまは−こゑたえす−きみかみよをそ−いのるへらなる
異同資料句番号:00609
|
00610 |
兼盛 かねもり (040)
近江なるいやたか山のさか木にて君かちよをはいのりかささん
あふみなる−いやたかやまの−さかきにて−きみかちよをは−いのりかささむ
異同資料句番号:00610
|
00611 |
能宣 よしのふ (049)
いのりくるみかみの山のかひしあれはちとせの影にかくてつかへん
いのりくる−みかみのやまの−かひしあれは−ちとせのかけに−かくてつかへむ
異同資料句番号:00611
|
00612 |
能宣 よしのふ (049)
けふよりはいはくら山に万代をうこきなくのみつまむとそ思ふ
けふよりは−いはくらやまに−よろつよを−うこきなくのみ−つまむとそおもふ
異同資料句番号:00612
|
00613 |
中務 (136)
万代をあきらけく見むかかみ山ちとせのほとはちりもくもらし
よろつよを−あきらけくみむ−かかみやま−ちとせのほとは−ちりもくもらし
異同資料句番号:00613
|
00614 |
兼盛 かねもり (040)
年もよしこかひもえたりおほくにのさとたのもしくおもほゆるかな
としもよし−こかひもえたり−おほくにの−さとたのもしく−おもほゆるかな
異同資料句番号:00614
|
00615 |
兼盛 かねもり (040)
名にたてるよしたのさとの杖なれはつくともつきし君かよろつ世
なにたてる−よしたのさとの−つゑなれは−つくともつきし−きみかよろつよ
異同資料句番号:00615
|
00616 |
兼盛 かねもり (040)
泉河のとけき水のそこ見れはことしはかけそすみまさりける
いつみかは−のとけきみつの−そこみれは−ことしはかけそ−すみまさりける
異同資料句番号:00616
|
00617 |
兼盛 かねもり (040)
つるのすむ松かさきにはならへたる千世のためしを見するなりけり
つるのすむ−まつかさきには−ならへたる−ちよのためしを−みするなりけり
異同資料句番号:00617
|
00618 |
貫之 つらゆき (035)
あしひきの山のさかきはときはなるかけにさかゆる神のきねかな
あしひきの−やまのさかきは−ときはなる−かけにさかゆる−かみのきねかな
異同資料句番号:00618
|
00619 |
人麿 人まろ (003)
おほなむちすくなみ神のつくれりし妹背の山を見るそうれしき
おほなむち−すくなみかみの−つくれりし−いもせのやまを−みるそうれしき
異同資料句番号:00619
|
00620 |
忠房 藤原忠房 (182)
めつらしきけふのかすかのやをとめを神もうれしとしのはさらめや
めつらしき−けふのかすかの−やをとめを−かみもうれしと−しのはさらめや
異同資料句番号:00620
|
00621 |
忠見 壬生忠見 (041)
こひすてふわか名はまたき立ちにけり人しれすこそ思ひそめしか
こひすてふ−わかなはまたき−たちにけり−ひとしれすこそ−おもひそめしか
異同資料句番号:00621
|
00622 |
兼盛 平兼盛 (040)
しのふれと色にいてにけりわか恋は物や思ふと人のとふまて
しのふれと−いろにいてにけり−わかこひは−ものやおもふと−ひとのとふまて
異同資料句番号:00622
|
00623 |
貫之 (035)
いろならはうつるはかりもそめてまし思ふ心をしる人のなさ
いろならは−うつるはかりも−そめてまし−おもふこころを−しるひとのなき
異同資料句番号:00623
|
00624 |
番号外作者 平公誠 (999)
しのふるも誰ゆゑならぬ物なれは今は何かは君にへたてむ
しのふるも−たれゆゑならぬ−ものなれは−いまはなにかは−きみにへたてむ
異同資料句番号:00624
|
00625 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なけきあまりつひに色にそいてぬへきいはぬを人のしらはこそあらめ
なけきあまり−つひにいろにそ−いてぬへき−いはぬをひとの−しらはこそあらめ
異同資料句番号:00625
|
00626 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あふことを松にて年のへぬるかな身は住の江におひぬものゆゑ
あふことを−まつにてとしの−へぬるかな−みはすみのえに−おひぬものゆゑ
異同資料句番号:00626
|
00627 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おとにきく人に心をつくはねのみねとこひしききみにもあるかな
おとにきく−ひとにこころを−つくはねの−みねとこひしき−きみにもあるかな
異同資料句番号:00627
|
00628 |
人麿 (003)
あまくものやへ雲かくれなる神のおとにのみやはきき渡るへき
あまくもの−やへくもかくれ−なるかみの−おとにのみやは−ききわたるへき
異同資料句番号:00628
|
00629 |
読人不知 よみ人しらす (000)
見ぬ人のこひしきやなそおほつかな誰とかしらむゆめに見ゆとも
みぬひとの−こひしきやなそ−おほつかな−たれとかしらむ−ゆめにみゆとも
異同資料句番号:00629
|
00630 |
読人不知 よみ人しらす (000)
夢よりそ恋しき人を見そめつる今はあはする人もあらなん
ゆめよりそ−こひしきひとを−みそめつる−いまはあはする−ひともあらなむ
異同資料句番号:00630
|
00631 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かくてのみありその浦の浜千鳥よそになきつつこひやわたらむ
かくてのみ−ありそのうらの−はまちとり−よそになきつつ−こひやわたらむ
異同資料句番号:00631
|
00632 |
読人不知 よみ人しらす (000)
よそにのみ見てやはこひむ紅のすゑつむ花のいろにいてすは
よそにのみ−みてやはこひむ−くれなゐの−すゑつむはなの−いろにいてすは
異同資料句番号:00632
|
00633 |
敦忠 権中納言敦忠 (043)
身にしみて思ふ心の年ふれはつひに色にもいてぬへきかな
みにしみて−おもふこころの−としふれは−つひにいろにも−いてぬへきかな
異同資料句番号:00633
|
00634 |
番号外作者 くにまさ (999)
いかてかはしらせそむへき人しれす思ふ心のいろにいてすは
いかてかは−しらせそむへき−ひとしれす−おもふこころの−いろにいてすは
異同資料句番号:00634
|
00635 |
敦忠 権中納言敦忠 (043)
いかてかはかく思ふてふ事をたに人つてならてきみにしらせむ
いかてかは−かくおもふてふ−ことをたに−ひとつてならて−きみにしらせむ
異同資料句番号:00635
|
00636 |
実頼 小野宮太政大臣 (511)
あなこひしはつかに人をみつのあわのきえかへるともしらせてしかな
あなこひし−はつかにひとを−みつのあわの−きえかへるとも−しらせてしかな
異同資料句番号:00636
|
00637 |
番号外作者 つつみの中納言のみやす所 (999)
なかからしと思ふ心は水のあわによそふる人のたのまれぬかな
なかからしと−おもふこころは−みつのあわに−よそふるひとの−たのまれぬかな
異同資料句番号:00637
|
00638 |
読人不知 よみ人しらす (000)
みなといつるあまのを舟のいかりなはくるしき物とこひをしりぬる
みなといつる−あまのをふねの−いかりなは−くるしきものと−こひをしりぬる
異同資料句番号:00638
|
00639 |
読人不知 よみ人しらす (000)
大井河くたすいかたのみなれさを見なれぬ人もこひしかりけり
おほゐかは−くたすいかたの−みなれさを−みなれぬひとも−こひしかりけり
異同資料句番号:00639
|
00640 |
人麿 人まろ (003)
みなそこにおふるたまものうちなひき心をよせてこふるこのころ
みなそこに−おふるたまもの−うちなひき−こころをよせて−こふるこのころ
異同資料句番号:00640
|
00641 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おとにのみききつるこひを人しれすつれなき人にならひぬるかな
おとにのみ−ききつるこひを−ひとしれす−つれなきひとに−ならひぬるかな
異同資料句番号:00641
|
00642 |
読人不知 よみ人しらす (000)
如何せむいのちはかきりあるものをこひはわすれす人はつれなし
いかにせむ−いのちはかきり−あるものを−こひはわすれす−ひとはつれなし
異同資料句番号:00642
|
00643 |
読人不知 よみ人しらす (000)
山ひこもこたへぬ山のよふことり我ひとりのみなきやわたらむ
やまひこも−こたへぬやまの−よふことり−われひとりのみ−なきやわたらむ
異同資料句番号:00643
|
00644 |
読人不知 よみ人しらす (000)
やまひこは君にもにたる心かな我こゑせねはおとつれもせす
やまひこは−きみにもにたる−こころかな−わかこゑせねは−おとつれもせす
異同資料句番号:00644
|
00645 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あしひきの山したとよみ行く水の時そともなくこひ渡るかな
あしひきの−やましたとよみ−ゆくみつの−ときそともなく−こひわたるかな
異同資料句番号:00645
|
00646 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いかにしてしはしわすれんいのちたにあらはあふよのありもこそすれ
いかにして−しはしわすれむ−いのちたに−あらはあふよの−ありもこそすれ
異同資料句番号:00646
|
00647 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ぬきみたる涙の玉もとまるやとたまのをはかりあはむといはなん
ぬきみたる−なみたのたまも−とまるやと−たまのをはかり−あはむといはなむ
異同資料句番号:00647
|
00648 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いはのうへにおふるこ松もひきつれと猶ねかたきは君にそ有りける
いはのうへに−おふるこまつも−ひきつれと−なほねかたきは−きみにそありける
異同資料句番号:00648
|
00649 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たなはたもあふよありけりあまの河この渡にはわたるせもなし
たなはたも−あふよありけり−あまのかは−このわたりには−わたるせもなし
異同資料句番号:00649
|
00650 |
師輔 九条右大臣 (513)
さはにのみ年はへぬれとあしたつの心は雲のうへにのみこそ
さはにのみ−としはへぬれと−あしたつの−こころはくもの−うへにのみこそ
異同資料句番号:00650
|
00651 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おほそらはくもらさりけり神な月時雨ここちは我のみそする
おほそらは−くもらさりけり−かみなつき−しくれここちは−われのみそする
異同資料句番号:00651
|
00652 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しのふれと猶しひてこそおもほゆれ恋といふ物の身をしさらねは
しのふれと−なほしひてこそ−おもほゆれ−こひといふものの−みをしさらねは
異同資料句番号:00652
|
00653 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あはれともおもはしものをしらゆきのしたにきえつつ猶もふるかな
あはれとも−おもはしものを−しらゆきの−したにきえつつ−なほもふるかな
異同資料句番号:00653
|
00654 |
中務 (136)
ほともなくきえぬる雪はかひもなし身をつみてこそあはれとおもはめ
ほともなく−きえぬるゆきは−かひもなし−みをつみてこそ−あはれとおもはめ
異同資料句番号:00654
|
00655 |
読人不知 よみ人しらす (000)
よそなからあひ見ぬほとにこひしなは何にかへたるいのちとかいはむ
よそなから−あひみぬほとに−こひしなは−なににかへたる−いのちとかいはむ
異同資料句番号:00655
|
00656 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつとてかわかこひやまむちはやふるあさまのたけのけふりたゆとも
いつとてか−わかこひやまむ−ちはやふる−あさまのたけの−けふりたゆとも
異同資料句番号:00656
|
00657 |
伊尹 一条摂政 (045)
おほはらの神もしるらむわかこひはけふ氏人の心やらなむ
おほはらの−かみもしるらむ−わかこひは−けふうちひとの−こころやらなむ
異同資料句番号:00657
|
00658 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さか木はの春さす枝のあまたあれはとかむる神もあらしとそおもふ
さかきはの−はるさすえたの−あまたあれは−とかむるかみも−あらしとそおもふ
異同資料句番号:00658
|
00659 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あめつちの神そしるらん君かため思ふ心のかきりなけれは
あめつちの−かみそしるらむ−きみかため−おもふこころの−かきりなけれは
異同資料句番号:00659
|
00660 |
読人不知 よみ人しらす (000)
海もあさし山もほとなしわかこひをなにによそへて君にいはまし
うみもあさし−やまもほとなし−わかこひを−なにによそへて−きみにいはまし
異同資料句番号:00660
|
00661 |
人麿 人まろ (003)
おく山のいはかきぬまのみこもりにこひや渡らんあふよしをなみ
おくやまの−いはかきぬまの−みこもりに−こひやわたらむ−あふよしをなみ
異同資料句番号:00661
|
00662 |
番号外作者 寛祐法師 (999)
あまた見しとよのみそきのもろ人の君しも物を思はするかな
あまたみし−とよのみそきの−もろひとの−きみしもものを−おもはするかな
異同資料句番号:00662
|
00663 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たますたれいとのたえまに人を見てすける心は思ひかけてき
たますたれ−いとのたえまに−ひとをみて−すけるこころは−おもひかけてき
異同資料句番号:00663
|
00664 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たまたれのすける心と見てしよりつらしてふ事かけぬ日はなし
たまたれの−すけるこころと−みてしより−つらしてふこと−かけぬひはなし
異同資料句番号:00664
|
00665 |
読人不知 よみ人しらす (000)
我こそや見ぬ人こふるやまひすれあふ日ならてはやむくすりなし
われこそや−みぬひとこふる−やまひすれ−あふひならては−やむくすりなし
異同資料句番号:00665
|
00666 |
読人不知 よみ人しらす (000)
玉江こくこもかり舟のさしはへて浪まもあらはよらむとそ思ふ
たまえこく−こもかりふねの−さしはへて−なみまもあらは−よらむとそおもふ
異同資料句番号:00666
|
00667 |
読人不知 よみ人しらす (000)
みるめかるあまとはなしに君こふるわか衣手のかわく時なき
みるめかる−あまとはなしに−きみこふる−わかころもての−かわくときなき
異同資料句番号:00667
|
00668 |
人麿 柿本人麿 (003)
みくまのの浦のはまゆふももへなる心はおもへとたたにあはぬかも
みくまのの−うらのはまゆふ−ももへなる−こころはおもへと−たたにあはぬかも
異同資料句番号:00668
|
00669 |
貫之 つらゆき (035)
あさなあさなけつれはつもるおちかみのみたれて物を思ふころかな
あさなあさな−けつれはつもる−おちかみの−みたれてものを−おもふころかな
異同資料句番号:00669
|
00670 |
実方 藤原実方朝臣 (051)
わかためはたなゐのし水ぬるけれと猶かきやらむさてはすむやと
わかためは−たなゐのしみつ−ぬるけれと−なほかきやらむ−さてはすむやと
異同資料句番号:00670
|
00671 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かきやらはにこりこそせめあさきせのみくつはたれかすませても見む
かきやらは−にこりこそせめ−あさきせの−みくつはたれか−すませてもみむ
異同資料句番号:00671
|
00672 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひとしれぬ心の内を見せたらは今まてつらき人はあらしな
ひとしれぬ−こころのうちを−みせたらは−いままてつらき−ひとはあらしな
異同資料句番号:00672
|
00673 |
実頼 小野宮太政大臣 (511)
人しれぬ思ひは年もへにけれと我のみしるはかひなかりけり
ひとしれぬ−おもひはとしも−へにけれと−われのみしるは−かひなかりけり
異同資料句番号:00673
|
00674 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひとしれぬ涙に袖は朽ちにけりあふよもあらはなににつつまむ
ひとしれぬ−なみたにそては−くちにけり−あふよもあらは−なににつつまむ
異同資料句番号:00674
|
00675 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君はたた袖はかりをやくたすらん逢ふには身をもかふとこそきけ
きみはたた−そてはかりをや−くたすらむ−あふにはみをも−かふとこそきけ
異同資料句番号:00675
|
00676 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひとしれすおつる涙はつのくにのなかすと見えて袖そくちぬる
ひとしれす−おつるなみたは−つのくにの−なかすとみえて−そてそくちぬる
異同資料句番号:00676
|
00677 |
読人不知 よみ人しらす (000)
恋といへはおなしなにこそ思ふらめいかてわか身を人にしらせん
こひといへは−おなしなにこそ−おもふらめ−いかてわかみを−ひとにしらせむ
異同資料句番号:00677
|
00678 |
朝忠 中納言朝忠 (044)
あふ事のたえてしなくは中中に人をも身をも怨みさらまし
あふことの−たえてしなくは−なかなかに−ひとをもみをも−うらみさらまし
異同資料句番号:00678
|
00679 |
兼盛 かねもり (040)
逢ふ事はかたゐさりするみとりこのたたむ月にもあはしとやする
あふことは−かたゐさりする−みとりこの−たたむつきにも−あはしとやする
異同資料句番号:00679
|
00680 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あふことを月日にそへてまつ時はけふ行末になりねとそ思ふ
あふことを−つきひにそへて−まつときは−けふゆくすゑに−なりねとそおもふ
異同資料句番号:00680
|
00681 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あふ事をいつともしらて君かいはむ時はの山の松そくるしき
あふことを−いつともしらて−きみかいはむ−ときはのやまの−まつそくるしき
異同資料句番号:00681
|
00682 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いのちをは逢ふにかふとかききしかと我やためしにあはぬしにせん
いのちをは−あふにかふとか−ききしかと−われやためしに−あはぬしにせむ
異同資料句番号:00682
|
00683 |
貫之 つらゆき (035)
行末はつひにすきつつ道ふウの年月なきそわひしかりける
ゆくすゑは−つひにすきつつ−あふことの−としつきなきそ−わひしかりける
異同資料句番号:00683
|
00684 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いきたれはこひする事のくるしきを猶いのちをはあふにかへてん
いきたれは−こひすることの−くるしきを−なほいのちをは−あふにかへてむ
異同資料句番号:00684
|
00685 |
番号外作者 大伴百世 (999)
こひしなむのちはなにせんいける日のためこそ人の見まくほしけれ
こひしなむ−のちはなにせむ−いけるひの−ためこそひとの−みまくほしけれ
異同資料句番号:00685
|
00686 |
番号外作者 源経基 (999)
あはれとしきみたにいははこひわひてしなんいのちもをしからなくに
あはれとし−きみたにいはは−こひわひて−しなむいのちも−をしからなくに
異同資料句番号:00686
|
00687 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひとしれす思ふ心をととめつついくたひ君かやとをすくらん
ひとしれす−おもふこころを−ととめつつ−いくたひきみか−やとをすくらむ
異同資料句番号:00687
|
00688 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しくれにも雨にもあらて君こふる年のふるにも袖はぬれけり
しくれにも−あめにもあらて−きみこふる−としのふるにも−そてはぬれけり
異同資料句番号:00688
|
00689 |
輔昭 菅原輔昭 (183)
露はかりたのめしほとのすきゆけはきえぬはかりの心地こそすれ
つゆはかり−たのめしほとの−すきゆけは−きえぬはかりの−ここちこそすれ
異同資料句番号:00689
|
00690 |
読人不知 よみ人しらす (000)
つゆはかりたのむることもなきものをあやしやなにに思ひおきけん
つゆはかり−たのむることも−なきものを−あやしやなにに−おもひおきけむ
異同資料句番号:00690
|
00691 |
読人不知 よみ人しらす (000)
流れてとたのむるよりは山河のこひしきせせにわたりやはせぬ
なかれてと−たのむるよりは−やまかはの−こひしきせせに−わたりやはせぬ
異同資料句番号:00691
|
00692 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あひ見てはしにせぬ身とそなりぬへきたのむるにたにのふるいのちは
あひみては−しにせぬみとそ−なりぬへき−たのむるにたに−のふるいのちは
異同資料句番号:00692
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00693 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いかてかと思ふ心のある時はおほめくさへそうれしかりける
いかてかと−おもふこころの−あるときは−おほめくさへそ−うれしかりける
異同資料句番号:00693
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00694 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わひつつも昨日はかりはすくしてきけふやわか身のかきりなるらん
わひつつも−きのふはかりは−すくしてき−けふやわかみの−かきりなるらむ
異同資料句番号:00694
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00695 |
人麿 人まろ (003)
こひつつもけふはくらしつ霞立つあすのはる日をいかてくらさん
こひつつも−けふはくらしつ−かすみたつ−あすのはるひを−いかてくらさむ
異同資料句番号:00695
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00696 |
人麿 人まろ (003)
恋ひつつもけふは有りなんたまくしけあけんあしたをいかてくらさむ
こひつつも−けふはありなむ−たまくしけ−あけむあしたを−いかてくらさむ
異同資料句番号:00696
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00697 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君をのみ思ひかけこのたまくしけあけたつことにこひぬ日はなし
きみをのみ−おもひかけこの−たまくしけ−あけたつことに−こひぬひはなし
異同資料句番号:00697
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00698 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春の野におふるなきなのわひしきは身をつみてたに人のしらぬよ
はるののに−おふるなきなの−わひしきは−みをつみてたに−ひとのしらぬよ
異同資料句番号:00698
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00699 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なき名のみたつたの山のあをつつら又くる人も見えぬ所に
なきなのみ−たつたのやまの−あをつつら−またくるひとも−みえぬところに
異同資料句番号:00699
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00700 |
人麿 (003)
無き名のみたつの市とはさわけともいさまた人をうるよしもなし
なきなのみ−たつのいちとは−さわけとも−いさまたひとを−うるよしもなし
異同資料句番号:00700
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00701 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なき事をいはれの池のうきぬなはくるしき物は世にこそ有りけれ
なきことを−いはれのいけの−うきぬなは−くるしきものは−よにこそありけれ
異同資料句番号:00701
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00702 |
人麿 人まろ (003)
竹の葉におきゐる事のまろひあひてぬるとはなしに立つわかなかな
たけのはに−おきゐるつゆの−まろひあひて−ぬるとはなしに−たつわかなかな
異同資料句番号:00702
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00703 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あちきなやわかなはたちて唐衣身にもならさてやみぬへきかな
あちきなや−わかなはたちて−からころも−みにもならさて−やみぬへきかな
異同資料句番号:00703
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00704 |
読人不知 よみ人しらす (000)
唐衣我はかたなのふれなくにまつたつ物はなき名なりけり
からころも−われはかたなの−ふれなくに−まつたつものは−なきななりけり
異同資料句番号:00704
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00705 |
重之 源重之 (048)
そめ河にやとかる浪のはやけれはなき名立つとも今は怨みし
そめかはに−やとかるなみの−はやけれは−なきなたつとも−いまはうらみし
異同資料句番号:00705
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00706 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こはた河こはたかいひし事のはそなきなすすかむたきつせもなし
こはたかは−こはたかいひし−ことのはそ−なきなすすかむ−たきつせもなし
異同資料句番号:00706
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00707 |
忠房 藤原忠房朝臣 (182)
君か名の立つにとかなき身なりせはおほよそ人になして見ましや
きみかなの−たつにとかなき−みなりせは−おほよそひとに−なしてみましや
異同資料句番号:00707
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00708 |
読人不知 よみ人しらす (000)
夢かとも思ふへけれとねやはせしなにそ心にわすれかたきは
ゆめかとも−おもふへけれと−ねやはせし−なにそこころに−わすれかたきは
異同資料句番号:00708
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00709 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ゆめよゆめこひしき人にあひ見すなさめてののちにわひしかりけり
ゆめよゆめ−こひしきひとに−あひみすな−さめてののちに−わひしかりけり
異同資料句番号:00709
|
00710 |
敦忠 権中納言敦忠 (043)
あひ見てののちの心にくらふれは昔は物もおもはさりけり
あひみての−のちのこころに−くらふれは−むかしはものも−おもはさりけり
異同資料句番号:00710
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00711 |
是則 坂上是則 (031)
あひみてはなくさむやとそ思ひしをなこりしもこそこひしかりけれ
あひみては−なくさむやとそ−おもひしを−なこりしもこそ−こひしかりけれ
異同資料句番号:00711
|
00712 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あひ見てもありにしものをいつのまにならひて人のこひしかるらん
あひみても−ありにしものを−いつのまに−ならひてひとの−こひしかるらむ
異同資料句番号:00712
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00713 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わか恋は猶あひ見てもなくさますいやまさりなる心地のみして
わかこひは−なほあひみても−なくさます−いやまさりなる−ここちのみして
異同資料句番号:00713
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00714 |
能宣 よしのふ (049)
逢ふ事をまちし月日のほとよりもけふのくれこそひさしかりけれ
あふことを−まちしつきひの−ほとよりも−けふのくれこそ−ひさしかりけれ
異同資料句番号:00714
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00715 |
貫之 つらゆき (035)
暁のなからましかは白露のおきてわひしき別せましや
あかつきの−なからましかは−しらつゆの−おきてわひしき−わかれせましや
異同資料句番号:00715
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00716 |
貫之 つらゆき (035)
あひ見ても猶なくさまぬ心かないくちよねてかこひのさむへき
あひみても−なほなくさまぬ−こころかな−いくちよねてか−こひのさむへき
異同資料句番号:00716
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00717 |
人麿 人まろ (003)
むはたまのこよひなあけそあけゆかはあさゆく君をまつくるしきに
うはたまの−こよひなあけそ−あけゆかは−あさゆくきみを−まつくるしきに
異同資料句番号:00717
|
00718 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひとりねし時はまたれし鳥のねもまれにあふよはわひしかりけり
ひとりねし−ときはまたれし−とりのねも−まれにあふよは−わひしかりけり
異同資料句番号:00718
|
00719 |
読人不知 よみ人しらす (000)
葛木や我やはくめのはしつくりあけゆくほとは物をこそおもへ
かつらきや−われやはくめの−はしつくり−あけゆくほとは−ものをこそおもへ
異同資料句番号:00719
|
00720 |
番号外作者 平行時 (999)
あさまたき露わけきつる衣手のひるまはかりにこひしきやなそ
あさまたき−つゆわけきつる−ころもての−ひるまはかりに−こひしきやなそ
異同資料句番号:00720
|
00721 |
番号外作者 大納言源きよかけ (999)
ふたつなき心は君におきつるを又ほともなくこひしきやなそ
ふたつなき−こころはきみに−おきつるを−またほともなく−こひしきやなそ
異同資料句番号:00721
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00722 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつしかとくれをまつまのおほそらはくもるさへこそうれしかりけれ
いつしかと−くれをまつまの−おほそらは−くもるさへこそ−うれしかりけれ
異同資料句番号:00722
|
00723 |
番号外作者 大江為基 (999)
日のうちに物をふたたひ思ふかなとくあけぬるとおそくくるると
ひのうちに−ものをふたたひ−おもふかな−とくあけぬると−おそくくるると
異同資料句番号:00723
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00724 |
貫之 つらゆき (035)
ももはかきはねかくしきもわかことく朝わひしきかすはまさらし
ももはかき−はねかくしきも−わかことく−あしたわひしき−かすはまさらし
異同資料句番号:00724
|
00725 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うつつにも夢にも人によるしあへはくれゆくはかりうれしきはなし
うつつにも−ゆめにもひとに−よるしあへは−くれゆくはかり−うれしきはなし
異同資料句番号:00725
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00726 |
読人不知 よみ人しらす (000)
暁の別の道をおもはすはくれ行くそらはうれしからまし
あかつきの−わかれのみちを−おもはすは−くれゆくそらは−うれしからまし
異同資料句番号:00726
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00727 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君こふる涙のこほる冬の夜は心とけたるいやはねらるる
きみこふる−なみたのこほる−ふゆのよは−こころとけたる−いやはねらるる
異同資料句番号:00727
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00728 |
業平 在原業平朝臣 (017)
かからても有りにしものをしらゆきのひとひもふれはまさるわかこひ
かからても−ありにしものを−しらゆきの−ひとひもふれは−まさるわかこひ
異同資料句番号:00728
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00729 |
能宣 よしのふ (049)
あさこほりとくるまもなききみによりなとてそほつるたもとなるらん
あさこほり−とくるまもなき−きみにより−なとてそほつる−たもとなるらむ
異同資料句番号:00729
|
00730 |
読人不知 よみ人しらす (000)
身をつめは露をあはれと思ふかな暁ことにいかておくらん
みをつめは−つゆをあはれと−おもふかな−あかつきことに−いかておくらむ
異同資料句番号:00730
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00731 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うしと思ふものから人のこひしきはいつこをしのふ心なるらん
うしとおもふ−ものからひとの−こひしきは−いつこをしのふ−こころなるらむ
異同資料句番号:00731
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00732 |
読人不知 よみ人しらす (000)
よそにても有りにしものを花すすきほのかに見てそ人は恋しき
よそにても−ありにしものを−はなすすき−ほのかにみてそ−ひとはこひしき
異同資料句番号:00732
|
00733 |
読人不知 よみ人しらす (000)
夢よりもはかなきものはかけろふのほのかに見えしかけにそありける
ゆめよりも−はかなきものは−かけろふの−ほのかにみえし−かけにそありける
異同資料句番号:00733
|
00734 |
忠見 たたみ (041)
ゆめのことなとかよるしも君を見むくるるまつまもさためなきよを
ゆめのこと−なとかよるしも−きみをみむ−くるるまつまも−さためなきよを
異同資料句番号:00734
|
00735 |
順 したかふ (130)
こひしきを何につけてかなくさめむ夢たに見えすぬる夜なけれは
こひしきを−なににつけてか−なくさめむ−ゆめたにみえす−ぬるよなけれは
異同資料句番号:00735
|
00736 |
順 したかふ (130)
あけくれのそらにそ我は迷ひぬる思ふ心のゆかぬまにまに
あけくれの−そらにそわれは−まよひぬる−おもふこころの−ゆかぬまにまに
異同資料句番号:00736
|
00737 |
貫之 つらゆき (035)
たまほこのとほ道もこそ人はゆけなと時のまも見ねはこひしき
たまほこの−とほみちもこそ−ひとはゆけ−なとときのまも−みぬはこひしき
異同資料句番号:00737
|
00738 |
読人不知 よみ人しらす (000)
身にこひのあまりにしかはしのふれと人のしるらん事そわひしき
みにこひの−あまりにしかは−しのふれと−ひとのしるらむ−ことそわひしき
異同資料句番号:00738
|
00739 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しのひつつおもへはくるしすみの江の松のねなからあらはれなはや
しのひつつ−おもへはくるし−すみのえの−まつのねなから−あらはれなはや
異同資料句番号:00739
|
00740 |
番号外作者 大納言きよかけ (999)
住吉の松ならねともひさしくも君とねぬよのなりにけるかな
すみよしの−まつならねとも−ひさしくも−きみとねぬよの−なりにけるかな
異同資料句番号:00740
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00741 |
番号外作者 忠房かむすめ (999)
ひさしくもおもほえねとも住吉の松やふたたひおひかはるらん
ひさしくも−おもほえねとも−すみよしの−まつやふたたひ−おひかはるらむ
異同資料句番号:00741
|
00742 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なにせむに結ひそめけんいはしろの松はひさしき物としるしる
なにせむに−むすひそめけむ−いはしろの−まつはひさしき−ものとしるしる
異同資料句番号:00742
|
00743 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かた岸の松のうきねとしのひしはされはよつひにあらはれにけり
かたきしの−まつのうきねと−しのひしは−されはよつひに−あらはれにけり
異同資料句番号:00743
|
00744 |
人麿 人まろ (003)
あひ見てはいくひささにもあらねとも年月のことおもほゆるかな
あひみては−いくひささにも−あらねとも−としつきのこと−おもほゆるかな
異同資料句番号:00744
|
00745 |
人麿 人まろ (003)
年をへて思ひ思ひてあひぬれは月日のみこそうれしかりけれ
としをへて−おもひおもひて−あひぬれは−つきひのみこそ−うれしかりけれ
異同資料句番号:00745
|
00746 |
人麿 人まろ (003)
すきいたもてふけるいたまのあはさらは如何せんとかわかねそめけん
すきいたもて−ふけるいたまの−あはさらは−いかにせむとか−わかねそめけむ
異同資料句番号:00746
|
00747 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こぬかなとしはしは人におもはせんあはてかへりしよひのねたさに
こぬかなと−しはしはひとに−おもはせむ−あはてかへりし−よひのねたさに
異同資料句番号:00747
|
00748 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋霧のはれぬ朝のおほそらを見るかことくも見えぬ君かな
あききりの−はれぬあしたの−おほそらを−みるかことくも−みえぬきみかな
異同資料句番号:00748
|
00749 |
読人不知 よみ人しらす (000)
恋ひわひぬねをたになかむ声たてていつこなるらんおとなしのさと
こひわひぬ−ねをたになかむ−こゑたてて−いつこなるらむ−おとなしのさと
異同資料句番号:00749
|
00750 |
元輔 もとすけ (042)
おとなしのかはとそつひに流れけるいはて物思ふ人の渡は
おとなしの−かはとそつひに−なかれける−いはてものおもふ−ひとのなみたは
異同資料句番号:00750
|
00751 |
読人不知 よみ人しらす (000)
風さむみ声よわり行く虫よりもいはて物思ふ我そまされる
かせさむみ−こゑよわりゆく−むしよりも−いはてものおもふ−われそまされる
異同資料句番号:00751
|
00752 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しかのあまのつりにともせるいさり火のほのかにいもを見るよしもかな
しかのあまの−つりにともせる−いさりひの−ほのかにいもを−みるよしもかな
異同資料句番号:00752
|
00753 |
読人不知 よみ人しらす (000)
恋するはくるしき物としらすへく人をわか身にしはしなさはや
こひするは−くるしきものと−しらすへく−ひとをわかみに−しはしなさはや
異同資料句番号:00753
|
00754 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しるや君しらすはいかにつらからむわかかくはかり思ふ心を
しるやきみ−しらすはいかに−つらからむ−わかかくはかり−おもふこころを
異同資料句番号:00754
|
00755 |
能宣 よしのふ (049)
あすしらぬわか身なりとも怨みおかむこの世にてのみやましと思へは
あすしらぬ−わかみなりとも−うらみおかむ−このよにてのみ−やましとおもへは
異同資料句番号:00755
|
00756 |
人麿 (003)
思ふなと君はいへともあふ事をいつとしりてかわかこひさらん
おもふなと−きみはいへとも−あふことを−いつとしりてか−わかこひさらむ
異同資料句番号:00756
|
00757 |
順 源順 (130)
おもふらむ心の内をしらぬ身はしぬはかりにもあらしとそ思ふ
おもふらむ−こころのうちを−しらぬみは−しぬはかりにも−あらしとそおもふ
異同資料句番号:00757
|
00758 |
伊尹 一条摂政 (045)
かくれぬのそこの心そうらめしきいかにせよとてつれなかるらん
かくれぬの−そこのこころそ−うらめしき−いかにせよとて−つれなかるらむ
異同資料句番号:00758
|
00759 |
読人不知 よみ人しらす (000)
我なからさももとかしき心かなおもはぬ人はなにかこひしき
われなから−さももとかしき−こころかな−おもはぬひとは−なにかこひしき
異同資料句番号:00759
|
00760 |
元輔 もとすけ (042)
草かくれかれにし水はぬるくともむすひしそては今もかわかす
くさかくれ−かれにしみつは−ぬるくとも−むすひしそては−いまもかわかす
異同資料句番号:00760
|
00761 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わか思ふ人は草葉のつゆなれやかくれは抽のまつそほつらむ
わかおもふ−ひとはくさはの−つゆなれや−かくれはそての−まつそほつらむ
異同資料句番号:00761
|
00762 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たもとよりおつる涙はみちのくの衣河とそいふへかりける
たもとより−おつるなみたは−みちのくの−ころもかはとそ−いふへかりける
異同資料句番号:00762
|
00763 |
読人不知 よみ人しらす (000)
衣をやぬきてやらまし涙のみかかりけりとも人の見るへく
ころもをや−ぬきてやらまし−なみたのみ−かかりけりとも−ひとのみるへく
異同資料句番号:00763
|
00764 |
実方 実方朝臣 (051)
人めをもつつまぬ物と思ひせは袖の涙のかからましやは
ひとめをも−つつまぬものと−おもひせは−そてのなみたの−かからましやは
異同資料句番号:00764
|
00765 |
番号外作者 大伴方見 (999)
礒神ふるとも雨にさはらめやあはむといもにいひてしものを
いそのかみ−ふるともあめに−さはらめや−あはむといもに−いひてしものを
異同資料句番号:00765
|
00766 |
元良親王 もとよしのみこ (020)
わひぬれは今はたおなしなにはなる身をつくしてもあはむとそ思ふ
わひぬれは−いまはたおなし−なにはなる−みをつくしても−あはむとそおもふ
異同資料句番号:00766
|
00767 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつかともおもはぬさはのあやめ草たたつくつくとねこそなかるれ
いつかとも−おもはぬさはの−あやめくさ−たたつくつくと−ねこそなかるれ
異同資料句番号:00767
|
00768 |
躬恒 みつね (029)
おふれともこまもすさめぬあやめ草かりにも人のこぬかわひしさ
おふれとも−こまもすさへぬ−あやめくさ−かりにもひとの−こぬかわひしさ
異同資料句番号:00768
|
00769 |
能宣 よしのふ (049)
かやり火は物思ふ人の心かも夏のよすからしたにもゆらん
かやりひは−ものおもふひとの−こころかも−なつのよすから−したにもゆらむ
異同資料句番号:00769
|
00770 |
番号外作者 勝観法師 (999)
しのふれはくるしかりけりしのすすき秋のさかりになりやしなまし
しのふれは−くるしかりけり−しのすすき−あきのさかりに−なりやしなまし
異同資料句番号:00770
|
00771 |
読人不知 よみ人しらす (000)
思ひきやわかまつ人はよそなからたなはたつめのあふを見むとは
おもひきや−わかまつひとは−よそなから−たなはたつめの−あふをみむとは
異同資料句番号:00771
|
00772 |
読人不知 よみ人しらす (000)
けふさへやよそに見るへきひこほしのたちならすらんあまのかはなみ
けふさへや−よそにみるへき−ひこほしの−たちならすらむ−あまのかはなみ
異同資料句番号:00772
|
00773 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わひぬれはつねはゆゆしきたなはたもうらやまれぬる物にそ有りける
わひぬれは−つねはゆゆしき−たなはたも−うらやまれぬる−ものにそありける
異同資料句番号:00773
|
00774 |
読人不知 よみ人しらす (000)
露たにもなからましかは秋の夜に誰とおきゐて人をまたまし
つゆたにも−なからましかは−あきのよに−たれとおきゐて−ひとをまたまし
異同資料句番号:00774
|
00775 |
読人不知 よみ人しらす (000)
今更にとふへき人もおもほえすやへむくらしてかとさせりてへ
いまさらに−とふへきひとも−おもほえす−やへむくらして−かとさせりてへ
異同資料句番号:00775
|
00776 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋はわか心のつゆにあらねとも物なけかしきころにもあるかな
あきはわか−こころのつゆに−あらねとも−ものなけかしき−ころにもあるかな
異同資料句番号:00776
|
00777 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あしひきの山した風もさむけきにこよひも又やわかひとりねん
あしひきの−やましたかせも−さむけきに−こよひもまたや−わかひとりねむ
異同資料句番号:00777
|
00778 |
人麿 人まろ (003)
葦引の山鳥の尾のしたりをのなかなかし夜をひとりかもねむ
あしひきの−やまとりのをの−したりをの−なかなかしよを−ひとりかもねむ
異同資料句番号:00778
|
00779 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あしひきの葛木山にゐる事のたちてもゐても君をこそおもへ
あしひきの−かつらきやまに−ゐるくもの−たちてもゐても−きみをこそおもへ
異同資料句番号:00779
|
00780 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あしひきの山の山すけやますのみ見ねはこひしききみにもあるかな
あしひきの−やまのやますけ−やますのみ−みねはこひしき−きみにもあるかな
異同資料句番号:00780
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00781 |
番号外作者 石上乙麿 (999)
あしひきの山こえくれてやとからはいもたちまちていねさらむかも
あしひきの−やまこえくれて−やとからは−いもたちまちて−いねさらむかも
異同資料句番号:00781
|
00782 |
人麿 人まろ (003)
あしひきの山よりいつる月まつと人にはいひて君をこそまて
あしひきの−やまよりいつる−つきまつと−ひとにはいひて−きみをこそまて
異同資料句番号:00782
|
00783 |
人麿 人まろ (003)
みか月のさやかに見えす雲隠見まくそほしきうたてこのころ
みかつきの−さやかにみえす−くもかくれ−みまくそほしき−うたてこのころ
異同資料句番号:00783
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00784 |
読人不知 よみ人しらす (000)
逢ふ事はかたわれ月の雲かくれおほろけにやは人のこひしき
あふことは−かたわれつきの−くもかくれ−おほろけにやは−ひとのこひしき
異同資料句番号:00784
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00785 |
人麿 人まろ (003)
秋の夜の月かも君はくもかくれしはしも見ねはここらこひしき
あきのよの−つきかもきみは−くもかくれ−しはしもみねは−ここらこひしき
異同資料句番号:00785
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00786 |
兼盛 平兼盛 (040)
秋の夜の月見るとのみおきゐつつ今夜もねてや我はかへらん
あきのよの−つきみるとのみ−おきゐつつ−こよひもねてや−われはかへらむ
異同資料句番号:00786
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00787 |
信明 源さねあきら (124)
こひしさはおなし心にあらすとも今夜の月を君見さらめや
こひしさは−おなしこころに−あらすとも−こよひのつきを−きみみさらめや
異同資料句番号:00787
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00788 |
中務 (136)
さやかにも見るへき月を我はたた涙にくもるをりそおほかる
さやかにも−みるへきつきを−われはたた−なみたにくもる−をりそおほかる
異同資料句番号:00788
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00789 |
人麿 人まろ (003)
久方のあまてる月もかくれ行く何によそへてきみをしのはむ
ひさかたの−あまてるつきも−かくれゆく−なにによそへて−きみをしのはむ
異同資料句番号:00789
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00790 |
読人不知 よみ人しらす (000)
宮こにて見しにかはらぬ月影をなくさめにてもあかすころかな
みやこにて−みしにかはらぬ−つきかけを−なくさめにても−あかすころかな
異同資料句番号:00790
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00791 |
貫之 つらゆき (035)
てる月も影みなそこにうつりけりにたる物なきこひもするかな
てるつきも−かけみなそこに−うつりけり−にたるものなき−こひもするかな
異同資料句番号:00791
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00792 |
馬内侍 中宮内侍 (172)
今夜君いかなるさとの月を見て宮こにたれを思ひいつらむ
こよひきみ−いかなるさとの−つきをみて−みやこにたれを−おもひいつらむ
異同資料句番号:00792
|
00793 |
忠峯 たたみね (030)
月かけをわか身にかふる物ならはおもはぬ人もあはれとや見む
つきかけを−わかみにかふる−ものならは−おもはぬひとも−あはれとやみむ
異同資料句番号:00793
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00794 |
順 したかふ (130)
ひとりぬるやとには月の見えさらは恋しき事のかすはまさらし
ひとりぬる−やとにはつきの−みえさらは−こひしきことの−かすはまさらし
異同資料句番号:00794
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00795 |
人麿 人まろ (003)
長月の在明の月の有りつつも君しきまさは我こひめやも
なかつきの−ありあけのつきの−ありつつも−きみしきまさは−わかこひめやも
異同資料句番号:00795
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00796 |
人麿 人まろ (003)
ことならはやみにそあらまし秋のよのなそ月かけの人たのめなる
ことならは−やみにそあらまし−あきのよの−なそつきかけの−ひとたのめなる
異同資料句番号:00796
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00797 |
春宮左近 (131)
ふらぬ夜の心をしらておほそらの雨をつらしと思ひけるかな
ふらぬよの−こころをしらて−おほそらの−あめをつらしと−おもひけるかな
異同資料句番号:00797
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00798 |
読人不知 よみ人しらす (000)
衣たになかに有りしはうとかりきあはぬ夜をさへへたてつるかな
ころもたに−なかにありしは−うとかりき−あはぬよをさへ−へたてつるかな
異同資料句番号:00798
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00799 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なかき夜も人をつらしと思ふにはねなくにあくる物にそ有りける
なかきよも−ひとをつらしと−おもふには−ねなくにあくる−ものにそありける
異同資料句番号:00799
|
00800 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わすれなん今はとはしと思ひつつぬる夜しもこそゆめに見えけれ
わすれなむ−いまはとはしと−おもひつつ−ぬるよしもこそ−ゆめにみえけれ
異同資料句番号:00800
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00801 |
読人不知 よみ人しらす (000)
よるとてもねられさりけり人しれすねさめのこひにおとろかれつつ
よるとても−ねられさりけり−ひとしれす−ねさめのこひに−おとろかれつつ
異同資料句番号:00801
|
00802 |
読人不知 よみ人しらす (000)
むはたまのいもかくろかみこよひもやわかなきとこになひきいてぬらん
うはたまの−いもかくろかみ−こよひもや−わかなきとこに−なひきいてぬらむ
異同資料句番号:00802
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00803 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかせこかありかもしらてねたる夜はあか月かたの枕さひしも
わかせこか−ありかもしらて−ねたるよは−あかつきかたの−まくらさひしも
異同資料句番号:00803
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00804 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いかなりし時くれ竹のひと夜たにいたつらふしをくるしといふらん
いかなりし−ときくれたけの−ひとよたに−いたつらふしを−くるしといふらむ
異同資料句番号:00804
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00805 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いかならんをりふしにかはくれ竹のよるはこひしき人にあひ見む
いかならむ−をりふしにかは−くれたけの−よるはこひしき−ひとにあひみむ
異同資料句番号:00805
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00806 |
人麿 ひとまろ (003)
まさしてふやそのちまたにゆふけとふうらまさにせよいもにあふへく
まさしてふ−やそのちまたに−ゆふけとふ−うらまさにせよ−いもにあふへく
異同資料句番号:00806
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00807 |
人麿 ひとまろ (003)
ゆふけとふうらにもよくありこよひたにこさらむきみをいつかまつへき
ゆふけとふ−うらにもよくあり−こよひたに−こさらむきみを−いつかまつへき
異同資料句番号:00807
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00808 |
人麿 ひとまろ (003)
夢をたにいかてかたみに見てしかなあはてぬるよのなくさめにせん
ゆめをたに−いかてかたみに−みてしかな−あはてぬるよの−なくさめにせむ
異同資料句番号:00808
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00809 |
人麿 ひとまろ (003)
うつつにはあふことかたし玉の緒のよるはたえせすゆめに見えなん
うつつには−あふことかたし−たまのをの−よるはたえせす−ゆめにみえなむ
異同資料句番号:00809
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00810 |
番号外作者 ひろはたのみやす所 (999)
いにしへをいかてかとのみ思ふ身に今夜のゆめを春になさはや
いにしへを−いかてかとのみ−おもふみに−こよひのゆめを−はるになさはや
異同資料句番号:00810
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00811 |
貫之 つらゆき (035)
わすらるる時しなけれは春の田を返す返すそ人はこひしき
わすらるる−ときしなけれは−はるのたを−かへすかへすそ−ひとはこひしき
異同資料句番号:00811
|
00812 |
読人不知 よみひとしらす (000)
あつさゆみ春のあら田をうち返し思ひやみにし人そこひしき
あつさゆみ−はるのあらたを−うちかへし−おもひやみにし−ひとそこひしき
異同資料句番号:00812
|
00813 |
躬恒 みつね (029)
かのをかにはきかるをのこなはをなみねるやねりそのくたけてそ思ふ
かのをかに−はきかるをのこ−なはをなみ−ねるやねりその−くたけてそおもふ
異同資料句番号:00813
|
00814 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春くれは柳のいともとけにけりむすほほれたるわか心かな
はるくれは−やなきのいとも−とけにけり−むすほほれたる−わかこころかな
異同資料句番号:00814
|
00815 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつ方によるとかは見むあをやきのいとさためなき人の心を
いつかたに−よるとかはみむ−あをやきの−いとさためなき−ひとのこころを
異同資料句番号:00815
|
00816 |
読人不知 よみ人しらす (000)
まきもくのひはらの霞立返りかくこそは見めあかぬ君かな
まきもくの−ひはらのかすみ−たちかへり−かくこそはみめ−あかぬきみかな
異同資料句番号:00816
|
00817 |
番号外作者 藤原きよたたかむすめ (999)
なかめやる山へはいととかすみつつおほつかなさのまさる春かな
なかめやる−やまへはいとと−かすみつつ−おほつかなさの−まさるはるかな
異同資料句番号:00817
|
00818 |
人麿 人まろ (003)
わかせこをきませの山とひとはいへと君もきまさぬ山のなならし
わかせこを−きませのやまと−ひとはいへと−きみもきまさぬ−やまのなならし
異同資料句番号:00818
|
00819 |
赤人 山辺赤人 (004)
我か背子をならしの岡のよふことり君よひかへせ夜のふけぬ時
わかせこを−ならしのをかの−よふことり−きみよひかへせ−よのふけぬとき
異同資料句番号:00819
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00820 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こぬ人をまつちの山の郭公おなし心にねこそなかるれ
こぬひとを−まつちのやまの−ほとときす−おなしこころに−ねこそなかるれ
異同資料句番号:00820
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00821 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しののめになきこそわたれ時鳥物思ふやとはしるくやあるらん
しののめに−なきこそわたれ−ほとときす−ものおもふやとは−しるくやあるらむ
異同資料句番号:00821
|
00822 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たたくとてやとのつまとをあけたれは人もこすゑのくひななりけり
たたくとて−やとのつまとを−あけたれは−ひともこすゑの−くひななりけり
異同資料句番号:00822
|
00823 |
読人不知 よみ人しらす (000)
夏衣うすきなからそたのまるるひとへなるしも身にちかけれは
なつころも−うすきなからそ−たのまるる−ひとへなるしも−みにちかけれは
異同資料句番号:00823
|
00824 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かりてほすよとのまこもの雨ふれはつかねもあへぬこひもするかな
かりてほす−よとのまこもの−あめふれは−つかぬもあへぬ−こひもするかな
異同資料句番号:00824
|
00825 |
読人不知 よみ人しらす (000)
みな月のつちさへさけててる日にもわかそてひめやいもにあはすして
みなつきの−つちさへさけて−てるひにも−わかそてひめや−いもにあはすして
異同資料句番号:00825
|
00826 |
人麿 人まろ (003)
なる神のしはしうこきてそらくもり雨もふらなん君とまるへく
なるかみの−しはしうこきて−そらくもり−あめもふらなむ−きみとまるへく
異同資料句番号:00826
|
00827 |
人麿 人まろ (003)
人ことは夏野の草のしけくとも君と我としたつさはりなは
ひとことは−なつののくさの−しけくとも−きみとわれとし−たつさはりなは
異同資料句番号:00827
|
00828 |
読人不知 よみ人しらす (000)
野も山もしけりあひぬる夏なれと人のつらさは事のはもなし
のもやまも−しけりあひぬる−なつなれと−ひとのつらさは−ことのはもなし
異同資料句番号:00828
|
00829 |
読人不知 よみ人しらす (000)
夏草のしけみにおふるまろこすけまろかまろねよいくよへぬらん
なつくさの−しけみにおふる−まろこすけ−まろかまろねよ−いくよへぬらむ
異同資料句番号:00829
|
00830 |
村上院 御製 (512)
山かつのかきほにおふるなてしこに思ひよそへぬ時のまそなき
やまかつの−かきほにおふる−なてしこに−おもひよそへぬ−ときのまそなき
異同資料句番号:00830
|
00831 |
元輔 清原元輔 (042)
思ひしる人に見せはやよもすからわかとこ夏におきゐたるつゆ
おもひしる−ひとにみせはや−よもすから−わかとこなつに−おきゐたるつゆ
異同資料句番号:00831
|
00832 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋の野の草葉もわけぬわか袖のつゆけくのみもなりまさるかな
あきののの−くさはもわけぬ−わかそての−つゆけくのみも−なりまさるかな
異同資料句番号:00832
|
00833 |
好忠 曾禰好忠 (046)
わかせこかきまさぬよひの秋風はこぬ人よりもうらめしきかな
わかせこか−きまさぬよひの−あきかせは−こぬひとよりも−うらめしきかな
異同資料句番号:00833
|
00834 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うら山しあさひにあたる白露をわか身と今はなすよしもかな
うらやまし−あさひにあたる−しらつゆを−わかみといまは−なすよしもかな
異同資料句番号:00834
|
00835 |
人麿 人まろ (003)
秋の田のほのうへにおけるしらつゆのけぬへく我はおもほゆるかな
あきのたの−ほのうへにおける−しらつゆの−けぬへくわれは−おもほゆるかな
異同資料句番号:00835
|
00836 |
人麿 人まろ (003)
住吉の岸を田にほりまきしいねのかるほとまてもあはぬきみかな
すみよしの−きしをたにほり−まきしいねの−かるほとまても−あはぬきみかな
異同資料句番号:00836
|
00837 |
赤人 (004)
こひしくはかたみにせむとわかやとにうゑし秋はき今さかりなり
こひしくは−かたみにせむと−わかやとに−うゑしあきはき−いまさかりなり
異同資料句番号:00837
|
00838 |
番号外作者 広平親王 (999)
秋はきのしたはを見すはわすらるる人の心をいかてしらまし
あきはきの−したはをみすは−わすらるる−ひとのこころを−いかてしらまし
異同資料句番号:00838
|
00839 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しめゆはぬのへの秋はき風ふけはとふしかくふし物をこそ思へ
しめゆはぬ−のへのあきはき−かせふけは−とふしかくふし−ものをこそおもへ
異同資料句番号:00839
|
00840 |
馬内侍 中宮内侍 (172)
うつろふはしたははかりと見しほとにやかても秋になりにけるかな
うつろふは−したははかりと−みしほとに−やかてもあきに−なりにけるかな
異同資料句番号:00840
|
00841 |
能宣 よしのふ (049)
事の葉も霜にはあへすかれにけりこや秋はつるしるしなるらん
ことのはも−しもにはあへす−かれにけり−こやあきはつる−しるしなるらむ
異同資料句番号:00841
|
00842 |
貫之 つらゆき (035)
色もなき心を人にそめしよりうつろはむとはわかおもはなくに
いろもなき−こころをひとに−そめしより−うつろはむとは−わかおもはなくに
異同資料句番号:00842
|
00843 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かすならぬ身をうち河のあしろ木におほくの日をもすくしつるかな
かすならぬ−みをうちかはの−あしろきに−おほくのひをも−すくしつるかな
異同資料句番号:00843
|
00844 |
読人不知 よみ人しらす (000)
したもみちするをはしらて松の木のうへの緑をたのみけるかな
したもみち−するをはしらて−まつのきの−うへのみとりを−たのみけるかな
異同資料句番号:00844
|
00845 |
人麿 (003)
わかせこをわかこひをれはわかやとの草さへ思ひうらかれにけり
わかせこを−わかこひをれは−わかやとの−くささへおもひ−うらかれにけり
異同資料句番号:00845
|
00846 |
読人不知 よみ人しらす (000)
霜のうへにふるはつ雪のあさ氷とけすも物を思ふころかな
しものうへに−ふるはつゆきの−あさこほり−とけすもものを−おもふころかな
異同資料句番号:00846
|
00847 |
番号外作者 源景明 (999)
三吉野の雪にこもれる山人もふる道とめてねをやなくらん
みよしのの−ゆきにこもれる−やまひとも−ふるみちとめて−ねをやなくらむ
異同資料句番号:00847
|
00848 |
人麿 (003)
たのめつつこぬ夜あまたに成りぬれはまたしと思ふそまつにまされる
たのめつつ−こぬよあまたに−なりぬれは−またしとおもふそ−まつにまされる
異同資料句番号:00848
|
00849 |
人麿 (003)
あさねかみ我はけつらしうつくしき人のた枕ふれてしものを
あさねかみ−われはけつらし−うつくしき−ひとのたまくら−ふれてしものを
異同資料句番号:00849
|
00850 |
実方 藤原実方朝臣 (051)
時のまも心はそらになるものをいかてすくしし昔なるらむ
ときのまも−こころはそらに−なるものを−いかてすくしし−むかしなるらむ
異同資料句番号:00850
|
00851 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しらなみのうちしきりつつ今夜さへいかてかひとりぬるとかやきみ
しらなみの−うちしきりつつ−こよひさへ−いかてかひとり−ぬるとかやきみ
異同資料句番号:00851
|
00852 |
番号外作者 小弐命婦 (999)
如何してけふをくらさむこゆるきのいそきいててもかひなかりけり
いかにして−けふをくらさむ−こゆるきの−いそきいてても−かひなかりけり
異同資料句番号:00852
|
00853 |
人麿 人まろ (003)
みなといりの葦わけを舟さはりおほみわか思ふ人にあはぬころかな
みなといりの−あしわけをふね−さはりおほみ−わかおもふひとに−あはぬころかな
異同資料句番号:00853
|
00854 |
人麿 人まろ (003)
いはしろのの中にたてる結松心もとけす昔おもへは
いはしろの−のなかにたてる−むすひまつ−こころもとけす−むかしおもへは
異同資料句番号:00854
|
00855 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかやとははりまかたにもあらなくにあかしもはてて人のゆくらん
わかやとは−はりまかたにも−あらなくに−あかしもはてて−ひとのゆくらむ
異同資料句番号:00855
|
00856 |
読人不知 よみ人しらす (000)
浪まより見ゆるこ舟の浜ひさ木ひさしく成りぬ君にあはすて
なみまより−みゆるこしまの−はまひさき−ひさしくなりぬ−きみにあはすて
異同資料句番号:00856
|
00857 |
人麿 人まろ (003)
ますかかみ手にとりもちてあさなあさな見れともきみにあく時そなき
ますかかみ−てにとりもちて−あさなあさな−みれともきみに−あくときそなき
異同資料句番号:00857
|
00858 |
人麿 人まろ (003)
みな人のかさにぬふてふ有ますけありてののちもあはんとそ思ふ
みなひとの−かさにぬふてふ−ありますけ−ありてののちも−あはむとそおもふ
異同資料句番号:00858
|
00859 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いかほのやいかほのぬまのいかにして恋しき人を今ひとめみむ
いかほのや−いかほのぬまの−いかにして−こひしきひとを−いまひとめみむ
異同資料句番号:00859
|
00860 |
読人不知 よみ人しらす (000)
玉河にさらすてつくりさらさらに昔の人のこひしきやなそ
たまかはに−さらすてつくり−さらさらに−むかしのひとの−こひしきやなそ
異同資料句番号:00860
|
00861 |
読人不知 よみ人しらす (000)
身ははやくならの都になりにしをこひしき事のふりせさるらん
みははやく−ならのみやこに−なりにしを−こひしきことの−ふりせさるらむ
異同資料句番号:00861
|
00862 |
忠房 藤原忠房朝臣 (182)
いその神ふりにしこひのかみさひてたたるに我はねきそかねつる
いそのかみ−ふりにしこひの−かみさひて−たたるにわれは−ねきそかねつる
異同資料句番号:00862
|
00863 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いかはかり苦しきものそ葛木のくめちのはしの中のたえまは
いかはかり−くるしきものそ−かつらきの−くめちのはしの−なかのたえまは
異同資料句番号:00863
|
00864 |
読人不知 よみ人しらす (000)
限なく思ひなからの橋柱思ひなからに中やたえなん
かきりなく−おもひなからの−はしはしら−おもひなからに−なかやたえなむ
異同資料句番号:00864
|
00865 |
番号外作者 源頼光 (999)
中中にいひもはなたてしなのなるきそちのはしのかけたるやなそ
なかなかに−いひもはなたて−しなのなる−きそちのはしの−かけたるやなそ
異同資料句番号:00865
|
00866 |
読人不知 よみ人しらす (000)
すきたてるやとをそ人はたつねける心の松はかひなかりけり
すきたてる−やとをそひとは−たつねける−こころのまつは−かひなかりけり
異同資料句番号:00866
|
00867 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いその神ふるの社のゆふたすきかけてのみやはこひむと思ひし
いそのかみ−ふるのやしろの−ゆふたすき−かけてのみやは−こひむとおもひし
異同資料句番号:00867
|
00868 |
読人不知 よみ人しらす (000)
我やうき人やつらきとちはやふる神てふ神にとひ見てしかな
われやうき−ひとやつらきと−ちはやふる−かみてふかみに−とひみてしかな
異同資料句番号:00868
|
00869 |
読人不知 よみ人しらす (000)
住吉のあら人神にちかひてもわするる君か心とそきく
すみよしの−あらひとかみに−ちかひても−わするるきみか−こころとそきく
異同資料句番号:00869
|
00870 |
右近 (038)
わすらるる身をはおもはすちかひてし人のいのちのをしくもあるかな
わすらるる−みをはおもはす−ちかひてし−ひとのいのちの−をしくもあるかな
異同資料句番号:00870
|
00871 |
実方 実方朝臣 (051)
何せむに命をかけてちかひけんいかはやと思ふをりも有りけり
なにせむに−いのちをかけて−ちかひけむ−いかはやとおもふ−をりもありけり
異同資料句番号:00871
|
00872 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ちりひちのかすにもあらぬ我ゆゑに思ひわふらんいもかかなしさ
ちりひちの−かすにもあらぬ−われゆゑに−おもひわふらむ−いもかかなしさ
異同資料句番号:00872
|
00873 |
人麿 人まろ (003)
こひこひて後もあはむとなくさむる心しなくはいのちあらめや
こひこひて−のちもあはむと−なくさむる−こころしなくは−いのちあらめや
異同資料句番号:00873
|
00874 |
人麿 人まろ (003)
かくはかりこひしき物としらませはよそに見るへくありけるものを
かくはかり−こひしきものと−しらませは−よそにみるへく−ありけるものを
異同資料句番号:00874
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00875 |
読人不知 よみ人しらす (000)
涙河のとかにたにもなかれなんこひしき人の影や見ゆると
なみたかは−のとかにたにも−なかれなむ−こひしきひとの−かけやみゆると
異同資料句番号:00875
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00876 |
貫之 つらゆき (035)
涙河おつるみなかみはやけれはせきそかねつるそてのしからみ
なみたかは−おつるみなかみ−はやけれは−せきそかねつる−そてのしからみ
異同資料句番号:00876
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00877 |
順 源したかふ (130)
なみた河そこのみくつとなりはててこひしきせせに流れこそすれ
なみたかは−そてのみくつと−なりはてて−こひしきせせに−なかれこそすれ
異同資料句番号:00877
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00878 |
番号外作者 藤原惟成 (999)
人しれすおつる涙のつもりつつかすかくはかりなりにけるかな
ひとしれす−おつるなみたの−つもりつつ−かすかくはかり−なりにけるかな
異同資料句番号:00878
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00879 |
斎宮女御 (119)
かつ見つつ影はなれゆく水のおもにかくかすならぬ身をいかにせん
かつみつつ−かけはなれゆく−みつのおもに−かくかすならぬ−みをいかにせむ
異同資料句番号:00879
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00880 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さをしかのつめたにひちぬ山河のあさましきまてとはぬ君かな
さをしかの−つめたにひちぬ−やまかはの−あさましきまて−とはぬきみかな
異同資料句番号:00880
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00881 |
読人不知 よみ人しらす (000)
浅猿やこのしたかけのいはし水いくその人の影を見つらん
あさましや−このしたかけの−いはしみつ−いくそのひとの−かけをみつらむ
異同資料句番号:00881
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00882 |
読人不知 よみ人しらす (000)
行く水のあわならはこそきえかへり人のふちせを流れても見め
ゆくみつの−あわならはこそ−きえかへり−ひとのふちせを−なかれてもみめ
異同資料句番号:00882
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00883 |
読人不知 よみ人しらす (000)
つのくにのほり江のふかく思ふとも我はなにはのなにとたに見す
つのくにの−ほりえのふかく−おもふとも−われはなにはの−なにとたにみす
異同資料句番号:00883
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00884 |
読人不知 よみ人しらす (000)
つのくにのいくたの池のいくたひかつらき心を我に見すらん
つのくにの−いくたのいけの−いくたひか−つらきこころを−われにみすらむ
異同資料句番号:00884
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00885 |
読人不知 よみ人しらす (000)
つのくにのなには渡につくるなるこやといはなんゆきて見るへく
つのくにの−なにはわたりに−つくるなる−こやといはなむ−ゆきてみるへく
異同資料句番号:00885
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00886 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たひひとのかやかりおほひつくるてふまろやは人を思ひわするる
たひひとの−かやかりおほひ−つくるてふ−まろやはひとを−おもひわするる
異同資料句番号:00886
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00887 |
人麿 人まろ (003)
なには人あし火たくやはすすたれとおのかつまこそとこめつらなれ
なにはひと−あしひたくやは−すすたれと−おのかつまこそ−とこめつらなれ
異同資料句番号:00887
|
00888 |
読人不知 よみ人しらす (000)
住吉の岸におひたる忘草見すやあらましこひはしぬとも
すみよしの−きしにおひたる−わすれくさ−みすやあらまし−こひはしぬとも
異同資料句番号:00888
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00889 |
読人不知 よみ人しらす (000)
やほかゆくはまのまさことわかこひといつれまされりおきつしまもり
やほかゆく−はまのまさこと−わかこひと−いつれまされり−おきつしまもり
異同資料句番号:00889
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00890 |
兼盛 かねもり (040)
さしなから人の心を見くまののうらのはまゆふいくへなるらん
さしなから−ひとのこころを−みくまのの−うらのはまゆふ−いくへなるらむ
異同資料句番号:00890
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00891 |
村上院 天暦御製 (512)
世の人のおよはぬ物はふしのねのくもゐにたかき思ひなりけり
よのひとの−およはぬものは−ふしのねの−くもゐにたかき−おもひなりけり
異同資料句番号:00891
|
00892 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかこひのあらはに見ゆる物ならはみやこのふしといはれなましを
わかこひの−あらはにみゆる−ものならは−みやこのふしと−いはれなましを
異同資料句番号:00892
|
00893 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あしねはふうきはうへこそつれなけれしたはえならす思ふ心を
あしねはふ−うきはうへこそ−つれなけれ−したはえならす−おもふこころを
異同資料句番号:00893
|
00894 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ねぬなはのくるしかるらん人よりも我そます田のいけるかひなき
ねぬなはの−くるしかるらむ−ひとよりも−われそますたの−いけるかひなき
異同資料句番号:00894
|
00895 |
人麿 人まろ (003)
たらちねのおやのかふこのまゆこもりいふせくもあるかいもにあはすして
たらちねの−おやのかふこの−まゆこもり−いふせくもあるか−いもにあはすて
異同資料句番号:00895
|
00896 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いさやまたこひてふ事もしらなくにこやそなるらんいこそねられね
いさやまた−こひてふことも−しらなくに−こやそなるらむ−いこそねられね
異同資料句番号:00896
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00897 |
読人不知 よみ人しらす (000)
たらちねのおやのいさめしうたたねは物思ふ時のわさにそ有りける
たらちねの−おやのいさめし−うたたねは−おもおもふときの−わさにそありける
異同資料句番号:00897
|
00898 |
中務 (136)
うちとなくなれもしなまし玉すたれたれ年月をへたてそめけん
うちとなく−なれもしなまし−たまたれの−たれとしつきを−へたてそめけむ
異同資料句番号:00898
|
00899 |
貫之 つらゆき (035)
うかりけるふしをはすててしらいとの今くる人と思ひなさなん
うかりける−ふしをはすてて−しらいとの−いまくるひとと−おもひなさなむ
異同資料句番号:00899
|
00900 |
読人不知 よみ人しらす (000)
思ふとていとこそ人になれさらめしかならひてそ見ねはこひしき
おもふとて−いとこそひとに−なれさらめ−しかならひてそ−みねはこひしき
異同資料句番号:00900
|
00901 |
読人不知 よみ人しらす (000)
た枕のすきまの風もさむかりき身はならはしの物にそ有りける
たまくらの−すきまのかせも−さむかりき−みはならはしの−ものにそありける
異同資料句番号:00901
|
00902 |
読人不知 よみ人しらす (000)
吹く風に雲のはたてはととむともいかかたのまん人の心は
ふくかせに−くものはたては−ととむとも−いかかたのまむ−ひとのこころは
異同資料句番号:00902
|
00903 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わか草にととめもあへぬこまよりもなつけわひぬる人の心か
わかくさに−ととめもあへぬ−こまよりも−なつけわひぬる−ひとのこころか
異同資料句番号:00903
|
00904 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あふことのかたかひしたるみちのくのこまほしくのみおもほゆるかな
あふことの−かたかひしたる−みちのくの−こまほしくのみ−おもほゆるかな
異同資料句番号:00904
|
00905 |
読人不知 よみ人しらす (000)
みちのくのあたちの原のしらまゆみ心こはくも見ゆるきみかな
みちのくの−あたちのはらの−しらまゆみ−こころこはくも−みゆるきみかな
異同資料句番号:00905
|
00906 |
伊勢 (019)
年月の行くらん方もおもほえす秋のはつかに人の見ゆれは
としつきの−ゆくらむかたも−おもほえす−あきのはつかに−ひとのみゆれは
異同資料句番号:00906
|
00907 |
伊勢 (019)
思ひきやあひ見ぬほとの年月をかそふはかりにならん物とは
おもひきや−あひみぬほとの−としつきを−かそふはかりに−ならむものとは
異同資料句番号:00907
|
00908 |
伊勢 (019)
遥なる程にもかよふ心かなさりとて人のしらぬものゆゑ
はるかなる−ほとにもかよふ−こころかな−さりとてひとの−しらぬものゆゑ
異同資料句番号:00908
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00909 |
番号外作者 源経基 (999)
雲井なる人を遥に思ふにはわか心さへそらにこそなれ
くもゐなる−ひとをはるかに−おもふには−わかこころさへ−そらにこそなれ
異同資料句番号:00909
|
00910 |
人麿 ひとまろ (003)
よそに有りてくもゐに見ゆるいもか家に早くいたらむあゆめくろこま
よそにありて−くもゐにみゆる−いもかいへに−はやくいたらむ−あゆめくろこま
異同資料句番号:00910
|
00911 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかかへるみちのくろこま心あらは君はこすともおのれいななけ
わかかへる−みちのくろこま−こころあらは−きみはこすとも−おのれいななけ
異同資料句番号:00911
|
00912 |
道綱母 右大将道綱母 (053)
歎きつつ独ぬる夜のあくるまはいかにひさしき物とかはしる
なけきつつ−ひとりぬるよの−あくるまは−いかにひさしき−ものとかはしる
異同資料句番号:00912
|
00913 |
読人不知 よみ人しらす (000)
なけ木こる人いる山のをののえのほとほとしくもなりにけるかな
なけきこる−ひといるやまの−をののえの−ほとほとしくも−なりにけるかな
異同資料句番号:00913
|
00914 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひとにたにしらせていりしおく山に恋しさいかてたつねきつらん
ひとにたに−しらせていりし−おくやまに−こひしさいかて−たつねきつらむ
異同資料句番号:00914
|
00915 |
番号外作者 くにもち (999)
影たえておほつかなさのますかかみ見すはわか身のうさもしられし
かけたえて−おほつかなさの−ますかかみ−みすはわかみの−うさもしられし
異同資料句番号:00915
|
00916 |
読人不知 よみ人しらす (000)
思ひます人しなけれはますかかみうつれる影とねをのみそなく
おもひます−ひとしなけれは−ますかかみ−うつれるかけと−ねをのみそなく
異同資料句番号:00916
|
00917 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わか袖のぬるるを人のとかめすはねをたにやすくなくへきものを
わかそての−ぬるるをひとの−とかめすは−ねをたにやすく−なくへきものを
異同資料句番号:00917
|
00918 |
読人不知 こまの命婦 (000)
かすならぬ身はたたにたにおもほえていかにせよとかなかめらるらん
かすならぬ−みはたたにたに−おもほえて−いかにせよとか−なかめらるらむ
異同資料句番号:00918
|
00919 |
読人不知 よみ人しらす (000)
夢にさへ人のつれなく見えつれはねてもさめても物をこそおもへ
ゆめにさへ−ひとのつれなく−みえつれは−ねてもさめても−ものをこそおもへ
異同資料句番号:00919
|
00920 |
読人不知 よみ人しらす (000)
見る夢のうつつになるはよのつねそうつつのゆめになるそかなしき
みるゆめの−うつつになるは−よのつねそ−うつつのゆめに−なるそかなしき
異同資料句番号:00920
|
00921 |
読人不知 よみ人しらす (000)
逢ふ事は夢の中にもうれしくてねさめのこひそわひしかりける
あふことは−ゆめのうちにも−うれしくて−ねさめのこひそ−わひしかりける
異同資料句番号:00921
|
00922 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わすれしよゆめとちきりし事のははうつつにつらき心なりけり
わすれしよ−ゆめとちきりし−ことのはは−うつつにつらき−こころなりけり
異同資料句番号:00922
|
00923 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あたらしと何にいのちを思ひけんわすれはふるくなりぬへき身を
あたらしと−なににいのちを−おもひけむ−わすれはふるく−なりぬへきみを
異同資料句番号:00923
|
00924 |
人麿 柿本人麿 (003)
ちはやふる神のいかきもこえぬへし今はわか身のをしけくもなし
ちはやふる−かみのいかきも−こえぬへし−いまはわかみの−をしけくもなし
異同資料句番号:00924
|
00925 |
番号外作者 善祐法師の母 (999)
なく涙世はみな海となりななんおなしなきさに流れよるへく
なくなみた−よはみなうみと−なりななむ−おなしなきさに−なかれよるへく
異同資料句番号:00925
|
00926 |
人麿 人まろ (003)
住吉の岸にむかへるあはち島あはれと君をいはぬ日そなき
すみよしの−きしにむかへる−あはちしま−あはれときみを−いはぬひそなき
異同資料句番号:00926
|
00927 |
読人不知 よみ人しらす (000)
すてはてむいのちを今はたのまれよあふへきことのこの世ならねは
すてはてむ−いのちをいまは−たのまれよ−あふへきことの−このよならねは
異同資料句番号:00927
|
00928 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いきしなん事の心にかなひせはふたたひ物はおもはさらまし
いきしなむ−ことのこころに−かなひせは−ふたたひものは−おもはさらまし
異同資料句番号:00928
|
00929 |
読人不知 よみ人しらす (000)
もえはててはひとなりなん時にこそ人を思ひのやまむこにせめ
もえはてて−はひとなりなむ−ときにこそ−ひとをおもひの−やまむこにせめ
異同資料句番号:00929
|
00930 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつ方にゆきかくれなん世の中に身のあれはこそ人もつらけれ
いつかたに−ゆきかくれなむ−よのなかに−みのあれはこそ−ひともつらけれ
異同資料句番号:00930
|
00931 |
読人不知 よみ人しらす (000)
有りへむと思ひもかけぬ世の中はなかなか身をそなけかさりける
ありへむと−おもひもかけぬ−よのなかは−なかなかみをそ−なけかさりける
異同資料句番号:00931
|
00932 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつはりと思ふものから今さらにたかまことをか我はたのまむ
いつはりと−おもふものから−いまさらに−たかまことをか−われはたのまむ
異同資料句番号:00932
|
00933 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世の中のうきもつらきもしのふれは思ひしらすと人や見るらん
よのなかの−うきもつらきも−しのふれは−おもひしらすと−ひとやみるらむ
異同資料句番号:00933
|
00934 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ひたふるにしなはなにかはさもあらはあれいきてかひなき物思ふ身は
ひたふるに−しなはなにかは−さもあらはあれ−いきてかひなき−ものおもふみは
異同資料句番号:00934
|
00935 |
人麿 人まろ (003)
恋するにしにする物にあらませはちたひそ我はしにかへらまし
こひするに−しにするものに−あらませは−ちたひそわれは−しにかへらまし
異同資料句番号:00935
|
00936 |
人麿 人まろ (003)
こひてしねこひてしねとやわきもこかわか家の門をすきてゆくらん
こひてしね−こひてしねとや−わきもこか−わかいへのかとを−すきてゆくらむ
異同資料句番号:00936
|
00937 |
人麿 人まろ (003)
こひしなはこひもしねとや玉桙の道ゆき人に事つてもなき
こひしなは−こひもしねとや−たまほこの−みちゆきひとに−ことつてもなき
異同資料句番号:00937
|
00938 |
重之 (048)
恋しきをなくさめかねてすかはらや伏見にきてもねられさりけり
こひしきを−なくさめかねて−すかはらや−ふしみにきても−ねられさりけり
異同資料句番号:00938
|
00939 |
読人不知 読人しらす (000)
こひしきは色にいてても見えなくにいかなる時かむねにしむらん
こひしきは−いろにいてても−みえなくに−いかなるときか−むねにしむらむ
異同資料句番号:00939
|
00940 |
読人不知 読人しらす (000)
しのはむにしのはれぬへきこひならはつらきにつけてやみもしなまし
しのはむに−しのはれぬへき−こひならは−つらきにつけて−やみもしなまし
異同資料句番号:00940
|
00941 |
能宣 大中臣能宣 (049)
いかていかてこふる心をなくさめてのちの世まての物をおもはし
いかていかて−こふるこころを−なくさめて−のちのよまての−ものをおもはし
異同資料句番号:00941
|
00942 |
読人不知 よみ人しらす (000)
限なく思ふ心のふかけれはつらきもしらぬものにそありける
かきりなく−おもふこころの−ふかけれは−つらきもしらぬ−ものにそありける
異同資料句番号:00942
|
00943 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わりなしやしひてもたのむ心かなつらしとかつは思ふものから
わりなしや−しひてもたのむ−こころかな−つらしとかつは−おもふものから
異同資料句番号:00943
|
00944 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うしと思ふものから人のこひしきはいつこをしのふ心なるらん
うしとおもふ−ものからひとの−こひしきは−いつこをしのふ−こころなるらむ
異同資料句番号:00944
|
00945 |
読人不知 よみ人しらす (000)
身のうきを人のつらきと思ふこそ我ともいはしわりなかりけれ
みのうきを−ひとのつらきと−おもふこそ−われともいはし−わりなかりけれ
異同資料句番号:00945
|
00946 |
読人不知 よみ人しらす (000)
つらしとは思ふものからこひしきは我にかなはぬ心なりけり
つらしとは−おもふものから−こひしきは−われにかなはぬ−こころなりけり
異同資料句番号:00946
|
00947 |
読人不知 よみ人しらす (000)
つらきをも思ひしるやはわかためにつらき人しも我をうらむる
つらきをも−おもひしるやは−わかために−つらきひとしも−われをうらむる
異同資料句番号:00947
|
00948 |
読人不知 よみ人しらす (000)
心をはつらき物そといひおきてかはらしと思ふかほそこひしき
こころをは−つらきものそと−いひおきて−かはらしとおもふ−かほそこひしき
異同資料句番号:00948
|
00949 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あさましや見しかとたにもおもはぬにかはらぬかほそ心ならまし
あさましや−みしかとたにも−おもはぬに−かはらぬかほそ−こころならまし
異同資料句番号:00949
|
00950 |
伊尹 一条摂政 (045)
あはれともいふへき人はおもほえて身のいたつらに成りぬへきかな
あはれとも−いふへきひとは−おもほえて−みのいたつらに−なりぬへきかな
異同資料句番号:00950
|
00951 |
伊勢 (019)
さもこそはあひ見むことのかたからめわすれすとたにいふ人のなき
さもこそは−あひみむことの−かたからめ−わすれすとたに−いふひとのなき
異同資料句番号:00951
|
00952 |
番号外作者 藤原有時 (999)
あふことのなけきの本をたつぬれはひとりねよりそおひはしめける
あふことの−なけきのもとを−たつぬれは−ひとりねよりそ−おひはしめける
異同資料句番号:00952
|
00953 |
貫之 つらゆき (035)
おほかたのわか身ひとつのうきからになへての世をも怨みつるかな
おほかたの−わかみひとつの−うきからに−なへてのよをも−うらみつるかな
異同資料句番号:00953
|
00954 |
人麿 人まろ (003)
あらちをのかるやのさきに立つしかもいと我はかり物はおもはし
あらちをの−かるやのさきに−たつしかも−いとわれはかり−ものはおもはし
異同資料句番号:00954
|
00955 |
人麿 人まろ (003)
荒磯の外ゆく浪の外心我はおもはしこひはしぬとも
あらいその−ほかゆくなみの−ほかこころ−われはおもはし−こひはしぬとも
異同資料句番号:00955
|
00956 |
人麿 人まろ (003)
かきくもり雨ふる河のささらなみまなくも人のこひらるるかな
かきくもり−あめふるかはの−ささらなみ−まなくもひとの−こひらるるかな
異同資料句番号:00956
|
00957 |
人麿 人まろ (003)
わかことや雲の中にも思ふらむ雨もなみたもふりにこそふれ
わかことや−くものうちにも−おもふらむ−あめもなみたも−ふりにこそふれ
異同資料句番号:00957
|
00958 |
貫之 つらゆき (035)
ふる雨にいててもぬれぬわかそてのかけにゐなからひちまさるかな
ふるあめに−いててもぬれぬ−わかそての−かけにゐなから−ひちまさるかな
異同資料句番号:00958
|
00959 |
読人不知 よみ人しらす (000)
これをたにかきそわつらふ雨とふる涙をのこふいとまなけれは
これをたに−かきそわつらふ−あめとふる−なみたをぬくふ−いとまなけれは
異同資料句番号:00959
|
00960 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君こふる我もひさしくなりぬれは袖に涙もふりぬへらなり
きみこふる−われもひさしく−なりぬれは−そてになみたも−ふりぬへらなり
異同資料句番号:00960
|
00961 |
読人不知 よみ人しらす (000)
きみこふる涙のかかる袖のうらはいはほなりともくちそしぬへき
きみこふる−なみたのかかる−そてのうらは−いはほなりとも−くちそしぬへき
異同資料句番号:00961
|
00962 |
読人不知 よみ人しらす (000)
またしらぬおもひにもゆるわか身かなさるはなみたの河の中にて
またしらぬ−おもひにもゆる−わかみかな−さるはなみたの−かはのうちにて
異同資料句番号:00962
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00963 |
番号外作者 源景明 (999)
風をいたみおもはぬ方にとまりするあまのを舟もかくやわふらん
かせをいたみ−おもはぬかたに−とまりする−あまのをふねも−かくやわふらむ
異同資料句番号:00963
|
00964 |
読人不知 よみ人しらす (000)
せをはやみたえすなかるる水よりもつきせぬ物は涙なりけり
せをはやみ−たえすなかるる−みつよりも−つきせぬものは−なみたなりけり
異同資料句番号:00964
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00965 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わかことく物思ふ人はいにしへも今ゆくすゑもあらしとそ思ふ
わかことく−ものおもふひとは−いにしへも−いまゆくすゑも−あらしとそおもふ
異同資料句番号:00965
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00966 |
坂上郎女 (521)
くろかみにしろかみましりおふるまてかかるこひにはいまたあはさるに
くろかみに−しろかみましり−おふるまて−かかるこひには−いまたあはさるに
異同資料句番号:00966
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00967 |
坂上郎女 (521)
しほみては入りぬるいその草なれや見らくすくなくこふらくのおほき
しほみては−いりぬるいその−くさなれや−みらくすくなく−こふらくのおほき
異同資料句番号:00967
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00968 |
坂上郎女 (521)
しかのあまのつりにともせるいさり火のほのかに人を見るよしもかな
しかのあまの−つりにともせる−いさりひの−ほのかにひとを−みるよしもかな
異同資料句番号:00968
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00969 |
坂上郎女 (521)
いはねふみかさなる山はなけれともあはぬ日かすをこひやわたらん
いはねふみ−かさなるやまは−なけれとも−あはぬひかすを−こひやわたらむ
異同資料句番号:00969
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00970 |
番号外作者 藤原有時 (999)
なけ木こる山ちは人もしらなくにわか心のみつねにゆくらん
なけきこる−やまちはひとも−しらなくに−わかこころのみ−つねにゆくらむ
異同資料句番号:00970
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00971 |
番号外作者 円融院 (999)
限なき思ひのそらにみちぬれはいくその煙雲となるらん
かきりなき−おもひのそらに−みちぬれは−いくそのけふり−くもとなるらむ
異同資料句番号:00971
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00972 |
番号外作者 少将更衣 (999)
そらにみつ思ひの煙雲ならはなかむる人のめにそ見えまし
そらにみつ−おもひのけふり−くもならは−なかむるひとの−めにそみえまし
異同資料句番号:00972
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00973 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おもはすはつれなき事もつらからしたのめは人を怨みつるかな
おもはすは−つれなきことも−つらからし−たのめはひとを−うらみつるかな
異同資料句番号:00973
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00974 |
読人不知 よみ人しらす (000)
つらけれとうらむる限ありけれは物はいはれてねこそなかるれ
つらけれと−うらむるかきり−ありけれは−ものはいはれて−ねこそなかるれ
異同資料句番号:00974
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00975 |
読人不知 よみ人しらす (000)
紅のやしほの衣かくしあらは思ひそめすそあるへかりける
くれなゐの−やしほのころも−かくしあらは−おもひそめすそ−あるへかりける
異同資料句番号:00975
|
00976 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ほのかにも我をみしまのあくた火のあくとや人のおとつれもせぬ
ほのかにも−われをみしまの−あくたひの−あくとやひとの−おとつれもせぬ
異同資料句番号:00976
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00977 |
番号外作者 承香殿中納言 (999)
人をとくあくた河てふつのくにの名にはたかはぬ物にそ有りける
ひとをとく−あくたかはてふ−つのくにの−なにはたかはぬ−ものにそありける
異同資料句番号:00977
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00978 |
読人不知 よみ人しらす (000)
限なく思ひそめてし紅の人をあくにそかへらさりける
かきりなく−おもひそめてし−くれなゐの−ひとをあくにそ−かへらさりける
異同資料句番号:00978
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00979 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ありそ海の浦とたのめしなこり浪うちよせてけるわすれかひかな
ありそうみの−うらとたのめし−なこりなみ−うちよせてける−わすれかひかな
異同資料句番号:00979
|
00980 |
読人不知 よみ人しらす (000)
つらけれと人にはいはすいはみかた怨そふかき心ひとつに
つらけれと−ひとにはいはす−いはみかた−うらみそふかき−こころひとつに
異同資料句番号:00980
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00981 |
読人不知 よみ人しらす (000)
怨みぬもうたかはしくそおもほゆるたのむ心のなきかとおもへは
うらみぬも−うたかはしくそ−おもほゆる−たのむこころの−なきかとおもへは
異同資料句番号:00981
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00982 |
読人不知 よみ人しらす (000)
近江なる打出のはまのうちいてつつ怨みやせまし人の心を
あふみなる−うちてのはまの−うちいてつつ−うらみやせまし−ひとのこころを
異同資料句番号:00982
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00983 |
読人不知 よみ人しらす (000)
渡つ海のふかき心は有りなからうらみられぬる物にそ有りける
わたつうみの−ふかきこころは−ありなから−うらみられぬる−ものにそありける
異同資料句番号:00983
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00984 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かすならぬ身は心たになからなん思ひしらすは怨みさるへく
かすならぬ−みはこころたに−なからなむ−おもひしらすは−うらみさるへく
異同資料句番号:00984
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00985 |
読人不知 よみ人しらす (000)
怨みてののちさへ人のつらからはいかにいひてかねをもなかまし
うらみての−のちさへひとの−つらからは−いかにいひてか−ねをもなかまし
異同資料句番号:00985
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00986 |
番号外作者 閑院大君 (999)
きみを猶怨みつるかなあまのかるもにすむむしの名を忘れつつ
きみをなほ−うらみつるかな−あまのかる−もにすむむしの−なをわすれつつ
異同資料句番号:00986
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00987 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あまのかるもにすむむしのなはきけとたた我からのつらきなりけり
あまのかる−もにすむむしの−なはきけと−たたわれからの−つらきなりけり
異同資料句番号:00987
|
00988 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こひわひぬかなしき事もなくさめんいつれなかすのはまへなるらん
こひわひぬ−かなしきことも−なくさめむ−いつれなかすの−はまへなるらむ
異同資料句番号:00988
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00989 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かくはかりうしと思ふにこひしきは我さへ心ふたつ有りけり
かくはかり−うしとおもふに−こひしきは−われさへこころ−ふたつありけり
異同資料句番号:00989
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00990 |
人麿 人まろ (003)
とにかくに物はおもはすひたたくみうつすみなはのたたひとすちに
とにかくに−ものはおもはす−ひたたくみ−うつすみなはの−たたひとすちに
異同資料句番号:00990
|
00991 |
村上院 天暦御製 (512)
いにしへをさらにかけしと思へともあやしくめにもみつなみたかな
いにしへを−さらにかけしと−おもへとも−あやしくめにも−みつなみたかな
異同資料句番号:00991
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00992 |
番号外作者 平忠依 (999)
逢ふ事は心にもあらてほとふともさやは契りし忘れはてねと
あふことは−こころにもあらて−ほとふとも−さやはちきりし−わすれはてねと
異同資料句番号:00992
|
00993 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わするるかいささは我も忘れなん人にしたかふ心とならは
わするるか−いささはわれも−わすれなむ−ひとにしたかふ−こころとならは
異同資料句番号:00993
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00994 |
読人不知 よみ人しらす (000)
わすれぬる君は中中つらからていままていける身をそ怨むる
わすれぬる−きみはなかなか−つらからて−いままていける−みをそうらむる
異同資料句番号:00994
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00995 |
読人不知 よみ人しらす (000)
我はかり我をおもはむ人もかなさてもやうきと世を心みん
われはかり−われをおもはむ−ひともかな−さてもやうきと−よをこころみむ
異同資料句番号:00995
|
00996 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あやしくも厭ふにはゆる心かないかにしてかは思ひたゆへき
あやしくも−いとふにはゆる−こころかな−いかにしてかは−おもひたゆへき
異同資料句番号:00996
|
00997 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おもふ事なすこそ神のかたからめしはしわするる心つけなん
おもふこと−なすこそかみの−かたからめ−しはしわするる−こころつけなむ
異同資料句番号:00997
|
00998 |
読人不知 よみ人しらす (000)
高砂にわかなくこゑは成りにけり宮この人はききやつくらん
たかさこに−わかなくこゑは−なりにけり−みやこのひとは−ききやつくらむ
異同資料句番号:00998
|
00999 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かしまなるつくまの神のつくつくとわか身ひとつにこひをつみつる
かしまなる−つくまのかみの−つくつくと−わかみひとつに−こひをつみつる
異同資料句番号:00999
|
01000 |
躬恒 凡河内躬恒 (029)
春立つと思ふ心はうれしくて今ひととせのおいそそひける
はるたつと−おもふこころは−うれしくて−いまひととせの−おいそそひける
異同資料句番号:01000
|
01001 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あたらしき年はくれともいたつらにわか身のみこそふりまさりけれ
あたらしき−としはくれとも−いたつらに−わかみのみこそ−ふりまさりけれ
異同資料句番号:01001
|
01002 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あたらしきとしにはあれとも鴬のなくねさへにはかはらさりけり
あたらしき−としにはあれとも−うくひすの−なくねさへには−かはらさりけり
異同資料句番号:01002
|
01003 |
右近 (038)
年月のゆくへもしらぬ山かつはたきのおとにやはるをしるらん
としつきの−ゆくへもしらぬ−やまかつは−たきのおとにや−はるをしるらむ
異同資料句番号:01003
|
01004 |
貫之 紀貫之 (035)
春くれは滝のしらいといかなれやむすへとも猶あわに見ゆらん
はるくれは−たきのしらいと−いかなれや−むすへともなほ−あわにみゆらむ
異同資料句番号:01004
|
01005 |
後醍醐院 中務卿具平親王 (623)
あかさりし君かにほひのこひしさに梅の花をそけさは折りつる
あかさりし−きみかにほひの−こひしさに−うめのはなをそ−けさはをりつる
異同資料句番号:01005
|
01006 |
道真 贈太政大臣 (024)
こちふかはにほひおこせよ梅の花あるしなしとて春をわするな
こちふかは−にほひおこせよ−うめのはな−あるしなしとて−はるをわするな
異同資料句番号:01006
|
01007 |
読人不知 よみ人しらす (000)
梅の花雪よりさきにさきしかと見る人まれに雪のふりつつ
うめのはな−はるよりさきに−さきしかと−みるひとまれに−ゆきのふりつつ
異同資料句番号:01007
|
01008 |
番号外作者 安倍広庭 (999)
いにし年ねこしてうゑしわかやとのわか木の梅は花さきにけり
いにしとし−ねこしてうゑし−わかやとの−わかきのうめは−はなさきにけり
異同資料句番号:01008
|
01009 |
伊尹 一条摂政 (045)
花の色はあかす見るとも鴬のねくらの枝に手ななふれそも
はなのいろは−あかすみるとも−うくひすの−ねくらのえたに−てななふれそも
異同資料句番号:01009
|
01010 |
番号外作者 源寛信朝臣 (999)
折りて見るかひもあるかな梅の花けふここのへのにほひまさりて
をりてみる−かひもあるかな−うめのはな−けふここのへの−にほひまさりて
異同資料句番号:01010
|
01011 |
番号外作者 参議伊衡 (999)
かさしてはしらかにまかふ梅の花今はいつれをぬかむとすらん
かさしては−しらかにまかふ−うめのはな−いまはいつれを−ぬかむとすらむ
異同資料句番号:01011
|
01012 |
貫之 つらゆき (035)
かそふれとおほつかなきをわかやとの梅こそ春のかすをしるらめ
かそふれと−おほつかなきを−わかやとの−うめこそはるの−かすをしるらめ
異同資料句番号:01012
|
01013 |
読人不知 よみ人しらす (000)
年ことにさきはかはれと梅の花あはれなるかはうせすそありける
としことに−さきはかはれと−うめのはな−あはれなるかは−うせすそありける
異同資料句番号:01013
|
01014 |
順 源したかふ (130)
梅かえをかりにきてをる人やあるとのへの霞はたちかくすかも
うめかえを−かりにきてをる−ひとやあると−のへのかすみは−たちかくすかも
異同資料句番号:01014
|
01015 |
公任 右衛門督公任 (055)
春きてそ人もとひける山さとは花こそやとのあるしなりけれ
はるきてそ−ひともとひける−やまさとは−はなこそやとの−あるしなりけれ
異同資料句番号:01015
|
01016 |
安法 安法法師 (185)
おほつかなくらまの山の道しらて霞の中にまとふけふかな
おほつかな−くらまのやまの−みちしらて−かすみのうちに−まとふけふかな
異同資料句番号:01016
|
01017 |
貫之 きのつらゆき (035)
思ふ事ありてこそゆけはるかすみ道さまたけにたちなかくしそ
おもふこと−ありてこそゆけ−はるかすみ−みちさまたけに−たちなかくしそ
異同資料句番号:01017
|
01018 |
能宣 よしのふ (049)
たこの浦に霞のふかく見ゆるかなもしほのけふりたちやそふらん
たこのうらに−かすみのふかく−みゆるかな−もしほのけふり−たちやそふらむ
異同資料句番号:01018
|
01019 |
読人不知 よみ人しらす (000)
思ふ事いはてやみなん春霞山ちもちかしたちもこそきけ
おもふこと−いはてやみなむ−はるかすみ−やまちもちかし−たちもこそきけ
異同資料句番号:01019
|
01020 |
馬内侍 中宮内侍 (172)
かすかののをきのやけはらあさるとも見えぬなきなをおほすなるかな
かすかのの−をきのやけはら−あさるとも−みえぬなきなを−おほすなるかな
異同資料句番号:01020
|
01021 |
長能 藤原長能 (176)
雪をうすみかきねにつめるからなつななつさはまくのほしききみかな
ゆきをうすみ−かきねにつめる−からなつな−なつさはまくの−ほしききみかな
異同資料句番号:01021
|
01022 |
公任 右衛門督公任 (055)
たれにより松をもひかん鴬のはつねかひなきけふにもあるかな
たれにより−まつをもひかむ−うくひすの−はつねかひなき−けふにもあるかな
異同資料句番号:01022
|
01023 |
恵慶 恵慶法師 (047)
ひきて見る子の日の松はほとなきをいかてこもれるちよにかあるらん
ひきてみる−ねのひのまつは−ほとなきを−いかてこもれる−ちよにかあるらむ
異同資料句番号:01023
|
01024 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しめてこそちとせの春はきつつ見め松をてたゆくなにかひくへき
しめてこそ−ちとせのはるは−きつつみめ−まつをてたゆく−なにかひくへき
異同資料句番号:01024
|
01025 |
順 したかふ (130)
ひともとの松のちとせもひさしきにいつきの宮そ思ひやらるる
ひともとの−まつのちとせも−ひさしきに−いつきのみやそ−おもひやらるる
異同資料句番号:01025
|
01026 |
元輔 清原元輔 (042)
おいの世にかかるみゆきは有りきやとこたかき峯の松にとははや
おいのよに−かかるみゆきは−ありきやと−こたかきみねの−まつにとははや
異同資料句番号:01026
|
01027 |
能宣 大中臣能宣 (049)
松ならは引く人けふは有りなまし袖の緑そかひなかりける
まつならは−ひくひとけふは−ありなまし−そてのみとりそ−かひなかりける
異同資料句番号:01027
|
01028 |
元輔 もとすけ (042)
引く人もなくてやみぬるみよしのの松は子の日をよそにこそきけ
ひくひとも−なくてやみぬる−みよしのの−まつはねのひを−よそにこそきけ
異同資料句番号:01028
|
01029 |
順 したかふ (130)
ひく人もなしと思ひしあつさゆみ今そうれしきもろやしつれは
ひくひとも−なしとおもひし−あつさゆみ−いまそうれしき−もろやしつれは
異同資料句番号:01029
|
01030 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さきし時猶こそ見しかももの花ちれはをしくそ思ひなりぬる
さきしとき−なほこそみしか−もものはな−ちれはをしくそ−おもひなりぬる
異同資料句番号:01030
|
01031 |
嘉言 弓削嘉言 (163)
山さとの家ゐは霞こめたれとかきねの柳すゑはとに見ゆ
やまさとの−いへゐはかすみ−こめたれと−かきねのやなき−すゑはとにみゆ
異同資料句番号:01031
|
01032 |
番号外作者 賀朝法師 (999)
はるののにところもとむといふなるはふたりぬはかりみてたりやきみ
はるののに−ところもとむと−いふなるは−ふたりぬはかり−みてたりやきみ
異同資料句番号:01032
|
01033 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春ののにほるほる見れとなかりけり世に所せき人のためには
はるののに−ほるほるみれと−なかりけり−よにところせき−ひとのためには
異同資料句番号:01033
|
01034 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かきくらし雪もふらなん桜花またさかぬまはよそへても見む
かきくらし−ゆきもふらなむ−さくらはな−またさかぬまは−よそへてもみむ
異同資料句番号:01034
|
01035 |
読人不知 よみ人しらす (000)
はる風は花のなきまにふきはてねさきなは思ひなくて見るへく
はるかせは−はなのなきまに−ふきはてね−さきなはおもひ−なくてみるへく
異同資料句番号:01035
|
01036 |
躬恒 みつね (029)
さかさらむ物とはなしにさくら花おもかけにのみまたき見ゆらん
さかさらむ−ものとはなしに−さくらはな−おもかけにのみ−またきみゆらむ
異同資料句番号:01036
|
01037 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつこにかこのころ花のさかさらむ所からこそたつねられけれ
いつこにか−このころはなの−さかさらむ−こころからこそ−たつねられけれ
異同資料句番号:01037
|
01038 |
躬恒 みつね (029)
さくら花わかやとにのみ有りと見はなき物くさはおもはさらまし
さくらはな−わかやとにのみ−ありとみは−なきものくさは−おもはさらまし
異同資料句番号:01038
|
01039 |
読人不知 よみ人しらす (000)
もろともにをりしはるのみこひしくてひとり見まうき花さかりかな
もろともに−をりしはるのみ−こひしくて−ひとりみまうき−はなさかりかな
異同資料句番号:01039
|
01040 |
忠見 壬生忠見 (041)
もろともに我しをらねは桜花思ひやりてやはるをくらさん
もろともに−われしをらねは−さくらはな−おもひやりてや−はるをくらさむ
異同資料句番号:01040
|
01041 |
番号外作者 御導師浄蔵 (999)
霞立つ山のあなたの桜花思ひやりてやはるをくらさむ
かすみたつ−やまのあなたの−さくらはな−おもひやりてや−はるをくらさむ
異同資料句番号:01041
|
01042 |
貫之 つらゆき (035)
をち方の花も見るへく白浪のともにや我もたちわたらまし
をちかたの−はなもみるへく−しらなみの−ともにやわれも−たちわたらまし
異同資料句番号:01042
|
01043 |
遍昭 僧正遍昭 (012)
まてといははいともかしこし花山にしはしとなかん鳥のねもかな
まてといはは−いともかしこし−はなやまに−しはしとなかむ−とりのねもかな
異同資料句番号:01043
|
01044 |
忠房 藤原忠房朝臣 (182)
鴬のなきつるなへにかすかののけふのみゆきを花とこそ見れ
うくひすの−なきつるなへに−かすかのの−けふのみゆきを−はなとこそみれ
異同資料句番号:01044
|
01045 |
忠房 藤原忠房朝臣 (182)
ふるさとにさくとわひつるさくら花ことしそ君に見えぬへらなる
ふるさとに−さくとわひつる−さくらはな−ことしそきみに−みえぬへらなる
異同資料句番号:01045
|
01046 |
忠房 藤原忠房朝臣 (182)
春霞かすかののへに立ちわたりみちても見ゆるみやこ人かな
はるかすみ−かすかののへに−たちわたり−みちてもみゆる−みやこひとかな
異同資料句番号:01046
|
01047 |
兼盛 かねもり (040)
世の中にうれしき物は思ふとち花見てすくす心なりけり
よのなかに−うれしきものは−おもふとち−はなみてすくす−こころなりけり
異同資料句番号:01047
|
01048 |
元輔 もとすけ (042)
さくら花そこなるかけそをしまるるしつめる人のはるとおもへは
さくらはな−そこなるかけそ−をしまるる−しつめるひとの−はるとおもへは
異同資料句番号:01048
|
01049 |
長能 藤原長能 (176)
あつまちののちの雪まをわけてきてあはれ宮この花を見るかな
あつまちの−のちのゆきまを−わけてきて−あはれみやこの−はなをみるかな
異同資料句番号:01049
|
01050 |
番号外作者 兼盛弟 (999)
ひのもとにさけるさくらの色見れは人のくににもあらしとそ思ふ
ひのもとに−さけるさくらの−はなみれは−ひとのくににも−あらしとそおもふ
異同資料句番号:01050
|
01051 |
番号外作者 平きむさね (999)
み山木のふたはみつはにもゆるまてきえせぬ雪と見えもするかな
みやまきの−ふたはみつはに−もゆるまて−きえせぬゆきと−みえもするかな
異同資料句番号:01051
|
01052 |
長能 藤原長能 (176)
かた山にはたやくをのこかの見ゆるみ山さくらはよきてはたやけ
かたやまに−はたやくをのこ−かのみゆる−みやまさくらは−よきてはたやけ
異同資料句番号:01052
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01053 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うしろめたいかてかへらん山さくらあかぬにほひを風にまかせて
うしろめた−いかてかへらむ−やまさくら−あかぬにほひを−かせにまかせて
異同資料句番号:01053
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01054 |
貫之 つらゆき (035)
ひさしかれあたにちるなとさくら花かめにさせれとうつろひにけり
ひさしかれ−あたにちるなと−さくらはな−かめにさせれと−うつろひにけり
異同資料句番号:01054
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01055 |
公忠 源公忠朝臣 (117)
とのもりのとものみやつこ心あらはこの巻はかりあさきよめすな
とのもりの−とものみやつこ−こころあらは−このはるはかり−あさきよめすな
異同資料句番号:01055
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01056 |
読人不知 よみ人しらす (000)
さくら花みかさの山のかけしあれは雪とふれともぬれしとそ思ふ
さくらはな−みかさのやまの−かけしあれは−ゆきとふれとも−ぬれしとそおもふ
異同資料句番号:01056
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01057 |
読人不知 よみ人しらす (000)
年ことに春のなかめはせしかとも身さへふるともおもはさりしを
としことに−はるのなかめは−せしかとも−みさへふるとも−おもはさりしを
異同資料句番号:01057
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01058 |
順 したかふ (130)
としことに春はくれとも池水におふるぬなははたえすそ有りける
としことに−はるはくれとも−いけみつに−おふるぬなはは−たえすそありける
異同資料句番号:01058
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01059 |
輔昭 菅原輔昭 (183)
春風はのとけかるへしやへよりもかさねてにほへ山吹の花
はるかせは−のとけかるへし−やへよりも−かさねてにほへ−やまふきのはな
異同資料句番号:01059
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01060 |
輔昭 菅原輔昭 (183)
浦人はかすみをあみにむすへはや浪の花をもとめてひくらん
うらひとは−かすみをあみに−むすへはや−なみのはなをも−とめてひくらむ
異同資料句番号:01060
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01061 |
貫之 つらゆき (035)
やな見れは河風いたくふく時そ浪の花さへおちまさりける
やなみれは−かはかせいたく−ふくときそ−なみのはなさへ−おちまさりける
異同資料句番号:01061
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01062 |
番号外作者 一条のきみ (999)
このまよりちりくる花をあつさゆみえやはととめぬはるのかたみに
このまより−ちりくるはなを−あつさゆみ−えやはととめぬ−はるのかたみに
異同資料句番号:01062
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01063 |
高光 如覚法師 (116)
春すきてちりはてにける梅の花たたかはかりそ枝にのこれる
はるすきて−ちりはてにける−うめのはな−たたかはかりそ−えたにのこれる
異同資料句番号:01063
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01064 |
道長 左大臣 (524)
谷の戸をとちやはてつる鴬のまつにおとせてはるもすきぬる
たにのとを−とちやはてつる−うくひすの−まつにおとせて−はるもすきぬる
異同資料句番号:01064
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01065 |
公任 公任朝臣 (055)
ゆきかへる春をもしらす花さかぬみ山かくれのうくひすのこゑ
ゆきかへる−はるをもしらす−はなさかぬ−みやまかくれの−うくひすのこゑ
異同資料句番号:01065
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01066 |
元輔 もとすけ (042)
春はをし郭公はたきかまほし思ひわつらふしつ心かな
はるはをし−ほとときすはた−きかまほし−おもひわつらふ−しつこころかな
異同資料句番号:01066
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01067 |
貫之 つらゆき (035)
松風のふかむ限はうちはへてたゆへくもあらすさけるふちなみ
まつかせの−ふかむかきりは−うちはへて−たゆへくもあらす−さけるふちなみ
異同資料句番号:01067
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01068 |
番号外作者 皇太后宮権大夫国章 (999)
ふちの花宮の内には紫のくもかとのみそあやまたれける
ふちのはな−みやのうちには−むらさきの−くもかとのみそ−あやまたれける
異同資料句番号:01068
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01069 |
公任 右衛門督公任 (055)
紫の雲とそ見ゆる藤の花いかなるやとのしるしなるらん
むらさきの−くもとそみゆる−ふちのはな−いかなるやとの−しるしなるらむ
異同資料句番号:01069
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01070 |
読人不知 読人しらす (000)
むらさきの色しこけれはふちの花松のみとりもうつろひにけり
むらさきの−いろしこけれは−ふちのはな−まつのみとりも−うつろひにけり
異同資料句番号:01070
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01071 |
人麿 人まろ (003)
郭公かよふかきねの卯の花のうきことあれや君かきまさぬ
ほとときす−かよふかきねの−うのはなの−うきことあれや−きみかきまさぬ
異同資料句番号:01071
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01072 |
重之 (048)
卯の花のさけるかきねにやとりせしねぬにあけぬとおとろかれけり
うのはなの−さけるかきねに−やとりせし−ねぬにあけぬと−おとろかれけり
異同資料句番号:01072
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01073 |
実方 実方朝臣 (051)
年をへてみ山かくれの郭公きく人もなきねをのみそなく
としをへて−みやまかくれの−ほとときす−きくひともなき−ねをのみそなく
異同資料句番号:01073
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01074 |
読人不知 よみ人しらす (000)
声たててなくといふとも郭公たもとはぬれしそらねなりけり
こゑたてて−なくといふとも−ほとときす−たもとはぬれし−そらねなりけり
異同資料句番号:01074
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01075 |
元輔 もとすけ (042)
かくはかりまつとしらはや郭公こすゑたかくもなきわたるかな
かくはかり−まつとしらはや−ほとときす−こすゑたかくも−なきわたるかな
異同資料句番号:01075
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01076 |
輔親 大中臣輔親 (170)
あしひきの山郭公さとなれてたそかれ時になのりすらしも
あしひきの−やまほとときす−さとなれて−たそかれときに−なのりすらしも
異同資料句番号:01076
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01077 |
番号外作者 大伴像見 (999)
ふるさとのならしのをかに郭公事つてやりきいかにつけきや
ふるさとの−ならしのをかに−ほとときす−ことつてやりき−いかにつけきや
異同資料句番号:01077
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01078 |
番号外作者 健守法師 (999)
終夜もゆるほたるをけさ見れは草のはことにつゆそおきける
よもすから−もゆるほたるを−けさみれは−くさのはことに−つゆそおきける
異同資料句番号:01078
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01079 |
貫之 つらゆき (035)
とこ夏の花をし見れはうちはへてすくる月日のかすもしられす
とこなつの−はなをしみれは−うちはへて−すくるつきひの−かすもしられす
異同資料句番号:01079
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01080 |
番号外作者 贈皇后宮 (999)
しはしたにかけにかくれぬ時は猶うなたれぬへきなてしこの花
しはしたに−かけにかくれぬ−ときはなほ−うなたれぬへき−なてしこのはな
異同資料句番号:01080
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01081 |
躬恒 (029)
いたつらにおいぬへらなりおほあらきのもりのしたなる草葉ならねと
いたつらに−おいぬへらなり−おほあらきの−もりのしたなる−くさはならねと
異同資料句番号:01081
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01082 |
順 源したかふ (130)
たなはたはそらにしるらんささかにのいとかくはかりまつる心を
たなはたは−そらにしるらむ−ささかにの−いとかくはかり−まつるこころを
異同資料句番号:01082
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01083 |
兼盛 平兼盛 (040)
たなはたのあかぬ別もゆゆしきをけふしもなとか君かきませる
たなはたの−あかぬわかれも−ゆゆしきを−けふしもなとか−きみかきませる
異同資料句番号:01083
|
01084 |
貫之 つらゆき (035)
あさとあけてなかめやすらん織女のあかぬ別のそらをこひつつ
あさとあけて−なかめやすらむ−たなはたの−あかぬわかれの−そらをこひつつ
異同資料句番号:01084
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01085 |
人麿 人まろ (003)
わたしもりはや舟かくせひととせにふたたひきます君ならなくに
わたしもり−はやふねかくせ−ひととせに−ふたたひきます−きみならなくに
異同資料句番号:01085
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01086 |
村上院 天暦御製 (512)
織女のうらやましきに天の河こよひはかりはおりやたたまし
たなはたの−うらやましきに−あまのかは−こよひはかりは−おりやたたまし
異同資料句番号:01086
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01087 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世をうみてわかかすいとはたなはたの涙の玉のをとやなるらん
よをうみて−わかかすいとは−たなはたの−なみたのたまの−をとやなるらむ
異同資料句番号:01087
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01088 |
中務 (136)
あまの河河辺すすしきたなはたに扇の風を猶やかさまし
あまのかは−かはへすすしき−たなはたに−あふきのかせを−なほやかさまし
異同資料句番号:01088
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01089 |
元輔 中務 (042)
天の河扇の風にきりはれてそらすみわたる鵲のはし
あまのかは−あふきのかせに−きりはれて−そらすみわたる−かささきのはし
異同資料句番号:01089
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01090 |
順 源したかふ (130)
ことのねはなそやかひなきたなはたのあかぬ別をひきしとめねは
ことのねは−なそやかひなき−たなはたの−あかぬわかれを−ひきしとめねは
異同資料句番号:01090
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01091 |
貞文 平定文 (161)
水のあやをおりたちてきむぬきちらしたなはたつめに衣かすよは
みつのあやを−おりたちてきむ−ぬきちらし−たなはたつめに−ころもかすよは
異同資料句番号:01091
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01092 |
義孝 藤原義孝 (050)
秋風よたなはたつめに事とはんいかなる世にかあはんとすらん
あきかせよ−たなはたつめに−こととはむ−いかなるよにか−あはむとすらむ
異同資料句番号:01092
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01093 |
公任 右衛門督公任 (055)
天の河のちのけふたにはるけきをいつともしらぬふなてかなしな
あまのかは−のちのけふたに−はるけきを−いつともしらぬ−ふなてかなしな
異同資料句番号:01093
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01094 |
貫之 つらゆき (035)
あひ見すてひとひも君にならはねはたなはたよりも我そまされる
あひみすて−ひとひもきみに−ならはねは−たなはたよりも−われそまされる
異同資料句番号:01094
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01095 |
読人不知 よみ人しらす (000)
むつましきいもせの山としらねはやはつ秋きりの立ちへたつらん
むつましき−いもせのやまと−しらねはや−はつあききりの−たちへたつらむ
異同資料句番号:01095
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01096 |
読人不知 よみ人しらす (000)
もしほやく煙になるるすまのあまは秋立つ霧もわかすやあるらん
もしほやく−けふりになるる−すまのあまは−あきたつきりも−わかすやあるらむ
異同資料句番号:01096
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01097 |
重之 源重之 (048)
ゆく水の岸ににほへる女郎花しのひに浪や思ひかくらん
ゆくみつの−きしににほへる−をみなへし−しのひになみや−おもひかくらむ
異同資料句番号:01097
|
01098 |
遍昭 僧正遍昭 (012)
ここにしも何にほふらんをみなへし人の物いひさかにくきよに
ここにしも−なににほふらむ−をみなへし−ひとのものいひ−さかにくきよに
異同資料句番号:01098
|
01099 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋の野の花の色色とりすゑてわか衣手にうつしてしかな
あきののの−はなのいろいろ−とりすゑて−わかころもてに−うつしてしかな
異同資料句番号:01099
|
01100 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ふなをかのの中にたてるをみなへしわたさぬ人はあらしとそ思ふ
ふなをかの−のなかにたてる−をみなへし−わたさぬひとは−あらしとそおもふ
異同資料句番号:01100
|
01101 |
兼盛 平兼盛 (040)
家つとにあまたの花もをるへきにねたくもたかをすゑてけるかな
いへつとに−あまたのはなも−をるへきに−ねたくもたかを−すゑてけるかな
異同資料句番号:01101
|
01102 |
貫之 つらゆき (035)
をくら山みね立ちならしなくしかのへにける秋をしる人のなき
をくらやま−みねたちならし−なくしかの−へにけるあきを−しるひとそなき
異同資料句番号:01102
|
01103 |
貫之 つらゆき (035)
こてふにもにたる物かな花すすきこひしき人に見すへかりけり
こてふにも−にたるものかな−はなすすき−こひしきひとに−みすへかりけり
異同資料句番号:01103
|
01104 |
能宣 よしのふ (049)
帰りにし雁そなくなるむへ人はうき世の中をそむきかぬらん
かへりにし−かりそなくなる−うへひとは−うきよのなかを−そむきかぬらむ
異同資料句番号:01104
|
01105 |
番号外作者 善滋為政 (999)
九重の内たにあかき月影にあれたるやとを思ひこそやれ
ここのへの−うちたにあかき−つきかけに−あれたるやとを−おもひこそやれ
異同資料句番号:01105
|
01106 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ももしきの大宮なからやそしまを見る心地する秋のよの月
ももしきの−おほみやなから−やそしまを−みるここちする−あきのよのつき
異同資料句番号:01106
|
01107 |
順 したかふ (130)
水のおもにやとれる月ののとけきはなみゐて人のねぬよなれはか
みつのおもに−やとれるつきの−のとけきは−なみゐてひとの−ねぬよなれはか
異同資料句番号:01107
|
01108 |
元輔 もとすけ (042)
はしり井のほとをしらはや相坂の関ひきこゆるゆふかけのこま
はしりゐの−ほとをしらはや−あふさかの−せきひきこゆる−ゆふかけのこま
異同資料句番号:01108
|
01109 |
好忠 曾禰好忠 (046)
虫ならぬ人もおとせぬわかやとに秋ののへとて君はきにけり
むしならぬ−ひともおとせぬ−わかやとに−あきののへとて−きみはきにけり
異同資料句番号:01109
|
01110 |
人麿 人まろ (003)
庭草にむらさめふりてひくらしのなくこゑきけは秋はきにけり
にはくさに−むらさめふりて−ひくらしの−なくこゑきけは−あきはきにけり
異同資料句番号:01110
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01111 |
好忠 よしたた (046)
秋風は吹きなやふりそわかやとのあはらかくせるくものすかきを
あきかせは−ふきなやふりそ−わかやとの−あはらかくせる−くものすかきを
異同資料句番号:01111
|
01112 |
躬恒 みつね (029)
住の江の松を秋風ふくからに声うちそふるおきつしら浪
すみのえの−まつをあきかせ−ふくからに−こゑうちそふる−おきつしらなみ
異同資料句番号:01112
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01113 |
人麿 人まろ (003)
秋風のさむくふくなるわかやとのあさちかもとにひくらしもなく
あきかせの−さむくふくなる−わかやとの−あさちかもとに−ひくらしもなく
異同資料句番号:01113
|
01114 |
人麿 人まろ (003)
あき風し日ことにふけはわかやとのをかのこのはは色つきにけり
あきかせし−ひことにふけは−わかやとの−をかのこのはは−いろつきにけり
異同資料句番号:01114
|
01115 |
人麿 人まろ (003)
秋きりのたなひくをのの萩の花今やちるらんいまたあかなくに
あききりの−たなひくをのの−はきのはな−いまやちるらむ−いまたあかなくに
異同資料句番号:01115
|
01116 |
読人不知 女 (000)
秋はきのしたはにつけてめにちかくよそなる人の心をそみる
あきはきの−したはにつけて−めにちかく−よそなるひとの−こころをそみる
異同資料句番号:01116
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01117 |
貫之 つらゆき (035)
世の中の人に心をそめしかは草葉にいろも見えしとそ思ふ
よのなかの−ひとにこころを−そめしかは−くさはにいろも−みえしとそおもふ
異同資料句番号:01117
|
01118 |
人麿 人まろ (003)
このころのあか月つゆにわかやとの萩のしたはは色つきにけり
このころの−あかつきつゆに−わかやとの−はきのしたはは−いろつきにけり
異同資料句番号:01118
|
01119 |
人麿 人まろ (003)
夜をさむみ衣かりかねなくなへにはきのしたはは色つきにけり
よをさむみ−ころもかりかね−なくなへに−はきのしたはは−いろつきにけり
異同資料句番号:01119
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01120 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かの見ゆる池辺にたてるそかきくのしけみさえたの色のてこらさ
かのみゆる−いけへにたてる−そかきくの−しけみさえたの−いろのてこらさ
異同資料句番号:01120
|
01121 |
忠見 (041)
吹く風にちる物ならは菊の花くもゐなりとも色は見てまし
ふくかせに−ちるものならは−きくのはな−くもゐなりとも−いろはみてまし
異同資料句番号:01121
|
01122 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おいか世にうき事きかぬ菊たにもうつろふ色は有りけりと見よ
おいかよに−うきこときかぬ−きくたにも−うつろふいろは−ありけりとみよ
異同資料句番号:01122
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01123 |
人麿 人まろ (003)
わきもこかあかもぬらしてうゑし田をかりてをさめむくらなしのはま
わきもこか−あかもぬらして−うゑしたを−かりてをさめむ−くらなしのはま
異同資料句番号:01123
|
01124 |
忠見 (041)
秋ことにかりつるいねはつみつれと老いにける身そおき所なき
あきことに−かりつるいねは−つみつれと−おいにけるみそ−おきところなき
異同資料句番号:01124
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01125 |
躬恒 みつね (029)
かりてほす山田の稲をほしわひてまもるかりいほにいくよへぬらん
かりてほす−やまたのいねを−ほしわひて−まもるかりいほに−いくよへぬらむ
異同資料句番号:01125
|
01126 |
恵慶 恵慶法師 (047)
おく山にたてらましかはなきさこくふな木も今は紅葉しなまし
おくやまに−たてらましかは−なきさこく−ふなきもいまは−もみちしなまし
異同資料句番号:01126
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01127 |
読人不知 よみ人しらす (000)
久方の月をさやけみもみちはのこさもうすさもわきつへらなり
ひさかたの−つきをさやけみ−もみちはの−こさもうすさも−わきつへらなり
異同資料句番号:01127
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01128 |
忠平 小一条太政大臣 (026)
小倉山峯のもみちは心あらは今ひとたひのみゆきまたなん
をくらやま−みねのもみちは−こころあらは−いまひとたひの−みゆきまたなむ
異同資料句番号:01128
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01129 |
能宣 大中臣能宣 (049)
ふるさとにかへると見てやたつたひめ紅葉の錦そらにきすらん
ふるさとに−かへるとみてや−たつたひめ−もみちのにしき−そらにきすらむ
異同資料句番号:01129
|
01130 |
読人不知 よみ人しらす (000)
白浪はふるさとなれやもみちはのにしきをきつつ立帰るらん
しらなみは−ふるさとなれや−もみちはの−にしきをきつつ−たちかへるらむ
異同資料句番号:01130
|
01131 |
躬恒 みつね (029)
もみちはのなかるる時はたけ河のふちのみとりも色かはるらむ
もみちはの−なかるるときは−たけかはの−ふちのみとりも−いろかはるらむ
異同資料句番号:01131
|
01132 |
躬恒 みつね (029)
水のおもの深く浅くも見ゆるかな紅葉の色やふちせなるらん
みつのおもの−ふかくあさくも−みゆるかな−もみちのいろや−ふちせなるらむ
異同資料句番号:01132
|
01133 |
元輔 清原元輔 (042)
月影のたなかみ河にきよけれは綱代にひをのよるも見えけり
つきかけの−たなかみかはに−きよけれは−あしろにひをの−よるもみえけり
異同資料句番号:01133
|
01134 |
番号外作者 修理 (999)
いかて猶あしろのひをに事とはむなにによりてか我をとはぬと
いかてなほ−あしろのひをに−こととはむ−なにによりてか−われをとはぬと
異同資料句番号:01134
|
01135 |
読人不知 よみ人しらす (000)
はふりこかいはふ社のもみちはもしめをはこえてちるといふものを
はふりこか−いはふやしろの−もみちはも−しめをはこえて−ちるといふものを
異同資料句番号:01135
|
01136 |
順 源したかふ (130)
いかなれはもみちにもまたあかなくに秋はてぬとはけふをいふらん
いかなれは−もみちにもまた−あかなくに−あきはてぬとは−けふをいふらむ
異同資料句番号:01136
|
01137 |
元輔 清原元輔 (042)
秋もまたとほくもあらぬにいかて猶たちかへれともつけにやらまし
あきもまた−とほくもあらぬに−いかてなほ−たちかへれとも−つけにやらまし
異同資料句番号:01137
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01138 |
能宣 よしのふ (049)
そま山にたつけふりこそ神な月時雨をくたすくもとなりけれ
そまやまに−たつけふりこそ−かみなつき−しくれをくたす−くもとなりけれ
異同資料句番号:01138
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01139 |
順 源したかふ (130)
名をきけは昔なからの山なれとしくるるころは色かはりけり
なをきけは−むかしなからの−やまなれと−しくるるころは−いろかはりけり
異同資料句番号:01139
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01140 |
躬恒 みつね (029)
もみちはやたもとなるらん神な月しくるることに色のまされは
もみちはや−たもとなるらむ−かみなつき−しくるることに−いろのまされは
異同資料句番号:01140
|
01141 |
中務 (136)
しくれつつふりにしやとの言の葉はかきあつむれととまらさりけり
しくれつつ−ふりにしやとの−ことのはは−かきあつむれと−とまらさりけり
異同資料句番号:01141
|
01142 |
村上院 天暦御製 (512)
昔より名たかきやとの事のははこの本にこそおちつもるてへ
むかしより−なたかきやとの−ことのはは−このもとにこそ−おちつもるてへ
異同資料句番号:01142
|
01143 |
番号外作者 権中納言義懐のむすめ (999)
山かつのかきほわたりをいかにそとしもかれかれにとふ人もなし
やまかつの−かきほわたりを−いかにそと−しもかれかれに−とふひともなし
異同資料句番号:01143
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01144 |
好忠 曾禰好忠 (046)
み山木をあさなゆふなにこりつめてさむさをこふるをののすみやき
みやまきを−あさなゆふなに−こりつめて−さむさをこふる−をののすみやき
異同資料句番号:01144
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01145 |
好忠 曾禰好忠 (046)
にほとりの氷の関にとちられて玉ものやとをかれやしぬらん
にほとりの−こほりのせきに−とちられて−たまものやとを−かれやしぬらむ
異同資料句番号:01145
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01146 |
元輔 もとすけ (042)
いさかくてをりあかしてん冬の月春の花にもおとらさりけり
いさかくて−をりあかしてむ−ふゆのつき−はるのはなにも−おとらさりけり
異同資料句番号:01146
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01147 |
東宮女蔵人左近 (131)
限なくとくとはすれと葦引の山井の水は猶そこほれる
かきりなく−とくとはすれと−あしひきの−やまゐのみつは−なほそこほれる
異同資料句番号:01147
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01148 |
能宣 よしのふ (049)
ありあけの心地こそすれ杯に日かけもそひていてぬとおもへは
ありあけの−ここちこそすれ−さかつきに−ひかけもそひて−いてぬとおもへは
異同資料句番号:01148
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01149 |
貫之 つらゆき (035)
あしひきの山ゐにすれる衣をは神につかふるしるしとそ思ふ
あしひきの−やまゐにすれる−ころもをは−かみにつかふる−しるしとそおもふ
異同資料句番号:01149
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01150 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ちはやふる神のいかきに事ふりてそらよりかかるゆふにそありける
ちはやふる−かみのいかきに−ゆきふりて−そらよりかかる−ゆふにそありける
異同資料句番号:01150
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01151 |
貫之 つらゆき (035)
ひとりねはくるしき物とこりよとや旅なる夜しも雪のふるらん
ひとりねは−くるしきものと−こりよとや−たひなるよしも−ゆきのふるらむ
異同資料句番号:01151
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01152 |
後醍醐院 中務のみこ (623)
わたつみもゆきけの水はまさりけりをちのしましま見えすなりゆく
わたつみも−ゆきけのみつは−まさりけり−をちのしましま−みえすなりゆく
異同資料句番号:01152
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01153 |
後醍醐院 中務のみこ (623)
もとゆひにふりそふ雪のしつくには枕のしたに浪そたちける
もとゆひに−ふりそふゆきの−しつくには−まくらのしたに−なみそたちける
異同資料句番号:01153
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01154 |
番号外作者 藤原通頼 (999)
さわらひやしたにもゆらんしもかれののはらの煙春めきにけり
さわらひや−したにもゆらむ−しもかれの−のはらのけふり−はるめきにけり
異同資料句番号:01154
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01155 |
貫之 つらゆき (035)
霜かれに見えこし梅はさきにけり春にはわか身あはむとはすや
しもかれに−みえこしうめは−さきにけり−はるにはわかみ−あはむとはすや
異同資料句番号:01155
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01156 |
番号外作者 三統元夏 (999)
梅の花匂の深く見えつるは春の隣のちかきなりけり
うめのはな−にほひのふかく−みえつるは−はるのとなりの−ちかきなりけり
異同資料句番号:01156
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01157 |
貫之 つらゆき (035)
むめもみな春ちかしとてさくものをまつ時もなき我やなになる
うめもみな−はるちかしとて−さくものを−まつときもなき−われやなになる
異同資料句番号:01157
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01158 |
貫之 つらゆき (035)
むはたまのわかくろかみに年くれてかかみのかけにふれるしらゆき
うはたまの−わかくろかみに−としくれて−かかみのかけに−ふれるしらゆき
異同資料句番号:01158
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01159 |
貫之 紀貫之 (035)
昨日よりをちをはしらすももとせの春の始はけふにそ有りける
きのふより−をちをはしらす−ももとせの−はるのはしめは−けふにそありける
異同資料句番号:01159
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01160 |
伊勢 (019)
はるはると雲井をさして行く舟の行末とほくおもほゆるかな
はるはると−くもゐをさして−ゆくふねの−ゆくすゑとほく−おもほゆるかな
異同資料句番号:01160
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01161 |
元輔 もとすけ (042)
花の色もときはならなんなよ竹のなかきよにおくつゆしかからは
はなのいろも−ときはならなむ−なよたけの−なかきよにおく−つゆしかからは
異同資料句番号:01161
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01162 |
元輔 もとすけ (042)
よろつ世をかそへむ物はきのくにのちひろのはまのまさこなりけり
よろつよを−かそへむものは−きのくにの−ちひろのはまの−まさこなりけり
異同資料句番号:01162
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01163 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こけむさはひろひもかへむさされいしのかすをみなとるよはひいくよそ
こけむさは−ひろひもかへむ−さされいしの−かすをみなとる−よはひいくよそ
異同資料句番号:01163
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01164 |
貫之 (035)
松のねにいつる泉の水なれはおなしき物をたえしとそ思ふ
まつのねに−いつるいつみの−みつなれは−おなしきものを−たえしとそおもふ
異同資料句番号:01164
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01165 |
道長 左大臣 (524)
いはのうへの松にたとへむきみきみは世にまれらなるたねそとおもへは
いはのうへの−まつにたとへむ−きみきみは−よにまれらなる−たねそとおもへは
異同資料句番号:01165
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01166 |
元輔 もとすけ (042)
松かえのかよへる枝をとくらにてすたてらるへきつるのひなかな
まつかえの−かよへるえたを−とくらにて−すたてらるへき−つるのひなかな
異同資料句番号:01166
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01167 |
元輔 もとすけ (042)
まつの苔ちとせをかねておひしけれつるのかひこのすとも見るへく
まつのこけ−ちとせをかねて−おひしけれ−つるのかひこの−すともみるへく
異同資料句番号:01167
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01168 |
読人不知 よみ人しらす (000)
我のみやこもたるてへは高砂のをのへにたてる松もこもたり
われのみや−こもたるてへは−たかさこの−をのへにたてる−まつもこもたり
異同資料句番号:01168
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01169 |
貫之 つらゆき (035)
いく世へしいそへの松そ昔よりたちよる浪やかすはしるらん
いくよへし−いそへのまつそ−むかしより−たちよるなみや−かすはしるらむ
異同資料句番号:01169
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01170 |
元輔 もとすけ (042)
こ紫たなひく事をしるへにて位の山の峯をたつねん
こむらさき−たなひくくもを−しるへにて−くらゐのやまの−みねをたつねむ
異同資料句番号:01170
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01171 |
番号外作者 参議好古 (999)
ももしきにちとせの事はおほかれとけふの君はためつらしきかな
ももしきに−ちとせのことは−おほかれと−けふのきみはた−めつらしきかな
異同資料句番号:01171
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01172 |
道綱母 春宮大夫道綱母 (053)
心さしふかきみきはにかるこもはちとせのさ月いつかわすれん
こころさし−ふかきみきはに−かるこもは−ちとせのさつき−いつかわすれむ
異同資料句番号:01172
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01173 |
元輔 清原元輔 (042)
ちとせへん君しいまさはすへらきのあめのしたこそうしろやすけれ
ちとせへむ−きみしいまさは−すめらきの−あめのしたこそ−うしろやすけれ
異同資料句番号:01173
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01174 |
公任 右衛門督公任 (055)
きみか世に今いくたひかかくしつつうれしき事にあはんとすらん
きみかよに−いまいくたひか−かくしつつ−うれしきことに−あはむとすらむ
異同資料句番号:01174
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01175 |
公任 右衛門督公任 (055)
すみそむるすゑの心の見ゆるかなみきはの松のかけをうつせは
すみそむる−すゑのこころの−みゆるかな−みきはのまつの−かけをうつせは
異同資料句番号:01175
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01176 |
敦忠 権中納言敦忠 (043)
ちとせふる霜のつるをはおきなからひさしき物は君にそありける
ちとせふる−しものつるをは−おきなから−ひさしきものは−きみにそありける
異同資料句番号:01176
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01177 |
貫之 つらゆき (035)
しらゆきはふりかくせともちよまてに竹のみとりはかはらさりけり
しらゆきは−ふりかくせとも−ちよまてに−たけのみとりは−かはらさりけり
異同資料句番号:01177
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01178 |
元輔 もとすけ (042)
世の中にことなる事はあらすともとみはたしてむいのちなかくは
よのなかに−ことなることは−あらすとも−とみはたしてむ−いのちなかくは
異同資料句番号:01178
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01179 |
番号外作者 右大将実資/むねかたの朝臣 (999)
流俗のいろにはあらす梅の花/珍重すへき物とこそ見れ
りうそくの−いろにはあらす−うめのはな/ちむちようすへき−ものとこそみれ
異同資料句番号:01179
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01180 |
元輔 もとすけ (042)
春はもえ秋はこかるるかまと山/かすみもきりもけふりとそ見る
はるはもえ−あきはこかるる−かまとやま/かすみもきりも−けふりとそみる
異同資料句番号:01180
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01181 |
番号外作者 藤原忠君朝臣/むすめ (999)
思ひたちぬるけふにもあるかな/かからてもありにしものをはるかすみ
おもひたちぬる−けふにもあるかな/かからても−ありにしものを−はるかすみ
異同資料句番号:01181
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01182 |
村上院 ひろはたのみやす所/内 (512)
くらすへしやはいままてにきみ/とふやとそ我もまちつるはるの日を
くらすへしやは−いままてにきみ/とふやとそ−われもまちつる−はるのひを
異同資料句番号:01182
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01183 |
番号外作者 天暦御製/しけののないし (999)
さ夜ふけて今はねふたくなりにけり/夢にあふへき人やまつらん
さよふけて−いまはねふたく−なりにけり/ゆめにあふへき−ひとやまつらむ
異同資料句番号:01183
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01184 |
遍昭 女/良岑宗貞 (012)
人心うしみついまはたのましよ/夢に見ゆやとねそすきにける
ひとこころ−うしみついまは−たのましよ/ゆめにみゆやと−ねそすきにける
異同資料句番号:01184
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01185 |
貞文 平定文 (161)
ひきよせはたたにはよらて春こまの綱引するそなはたつときく
ひきよせは−たたにはよらて−はるこまの−つなひきするそ−なはたつときく
異同資料句番号:01185
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01186 |
読人不知 よみ人しらす (000)
花の木はまかきちかくはうゑて見しうつろふ色に人ならひけり
はなのきは−まかきちかくは−うゑてみし−うつろふいろに−ひとならひけり
異同資料句番号:01186
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01187 |
読人不知 よみ人しらす (000)
夏は扇冬は火をけに身をなしてつれなき人によりもつかはや
なつはあふき−ふゆはひをけに−みをなして−つれなきひとに−よりもつかはや
異同資料句番号:01187
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01188 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こひするに仏になるといはませは我そ浄土のあるしならまし
こひするに−ほとけになると−いはませは−われそしやうとの−あるしならまし
異同資料句番号:01188
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01189 |
読人不知 よみ人しらす (000)
唐衣たつよりおつる水ならてわか袖ぬらす物やなになる
からころも−たつよりおつる−みつならて−わかそてぬらす−ものやなになる
異同資料句番号:01189
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01190 |
義孝 藤原義孝 (050)
つらからは人にかたらむしきたへの枕かはしてひとよねにきと
つらからは−ひとにかたらむ−しきたへの−まくらかはして−ひとよねにきと
異同資料句番号:01190
|
01191 |
義孝 藤原義孝 (050)
あやしくもわかぬれきぬをきたるかなみかさの山を人にかられて
あやしくも−われぬれきぬを−きたるかな−みかさのやまを−ひとにかられて
異同資料句番号:01191
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01192 |
番号外作者 平公誠 (999)
かくれみのかくれかさをもえてしかなきたりと人にしられさるへく
かくれみの−かくれかさをも−えてしかな−きたりとひとに−しられさるへく
異同資料句番号:01192
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01193 |
読人不知 よみ人しらす (000)
心ありてとふにはあらす世の中にありやなしやのきかまほしきそ
こころありて−とふにはあらす−よのなかに−ありやなしやの−きかまほしきそ
異同資料句番号:01193
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01194 |
読人不知 よみ人しらす (000)
きみとはていくよへぬらん色かへぬ竹のふるねのおひかはるまて
きみとはて−いくよへぬらむ−いろかへぬ−たけのふるねの−おひかはるまて
異同資料句番号:01194
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01195 |
貫之 紀貫之 (035)
こぬ人をしたにまちつつ久方の月をあはれといはぬよそなき
こぬひとを−したにまちつつ−ひさかたの−つきをあはれと−いはぬよそなき
異同資料句番号:01195
|
01196 |
人麿 柿本人麿 (003)
あつさゆみひきみひかすみこすはこすこはこそをなそよそにこそ見め
あつさゆみ−ひきみひかすみ−こすはこす−こはこそをなそ−よそにこそみめ
異同資料句番号:01196
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01197 |
伊尹 一条摂政 (045)
くれはとく行きてかたらむあふ時のとをちのさとのすみうかりしも
くれはとく−ゆきてかたらむ−あふことの−とをちのさとの−すみうかりしも
異同資料句番号:01197
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01198 |
読人不知 よみ人しらす (000)
おろかにもおもはましかはあつまちのふせやといひしのへにねなまし
おろかにも−おもはましかは−あつまちの−ふせやといひし−のへにねなまし
異同資料句番号:01198
|
01199 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あともなきかつら木山をふみみれはわかわたしこしかたはしかもし
あともなき−かつらきやまを−ふみみれは−わかわたしこし−かたはしかもし
異同資料句番号:01199
|
01200 |
読人不知 よみ人しらす (000)
かきつくる心見えなるあとなれと見てもしのはむ人やあるとて
かきつくる−こころみえなる−あとなれと−みてもしのはむ−ひとやあるとて
異同資料句番号:01200
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01201 |
春宮女蔵人左近 (131)
いははしのよるの契もたえぬへしあくるわひしき葛木の神
いははしの−よるのちきりも−たえぬへし−あくるわひしき−かつらきのかみ
異同資料句番号:01201
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01202 |
道綱母 春宮大夫道綱母 (053)
うたかはしほかにわたせるふみみれは我やとたえにならむとすらん
うたかはし−ほかにわたせる−ふみみれは−われやとたえに−ならむとすらむ
異同資料句番号:01202
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01203 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いかてかはたつねきつらん蓬ふの人もかよはぬわかやとのみち
いかてかは−たつねきつらむ−よもきふの−ひともかよはぬ−わかやとのみち
異同資料句番号:01203
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01204 |
斎宮女御 承香殿女御 (119)
雨ならてもる人もなきわかやとをあさちかはらと見るそかなしき
あめならて−もるひともなき−わかやとを−あさちかはらと−みるそかなしき
異同資料句番号:01204
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01205 |
番号外作者 大納言朝光 (999)
いにしへはたかふるさとそおほつかなやともる雨にとひてしらはや
いにしへは−たかふるさとそ−おほつかな−やともるあめに−とひてしらはや
異同資料句番号:01205
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01206 |
儀同三司母 高階成忠女 (054)
夢とのみ思ひなりにし世の中をなに今更におとろかすらん
ゆめとのみ−おもひなりにし−よのなかを−なにいまさらに−おとろかすらむ
異同資料句番号:01206
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01207 |
公忠 源公忠朝臣 (117)
人も見ぬ所に昔きみとわかせぬわさわさをせしそこひしき
ひともみぬ−ところにむかし−きみとわか−せぬわさわさを−せしそこひしき
異同資料句番号:01207
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01208 |
番号外作者 藤原後生か女 (999)
けふまてはいきの松原いきたれとわか身のうさになけきてそふる
けふまては−いきのまつはら−いきたれと−わかみのうさに−なけきてそふる
異同資料句番号:01208
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01209 |
番号外作者 則忠朝臣女 (999)
いきたるかしぬるかいかにおもほえす身よりほかなるたまくしけかな
いきたるか−しぬるかいかに−おもほえす−みよりほかなる−たまくしけかな
異同資料句番号:01209
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01210 |
人麿 柿本人麿 (003)
をとめこか袖ふる山のみつかきのひさしきよより思ひそめてき
をとめこか−そてふるやまの−みつかきの−ひさしきよより−おもひそめてき
異同資料句番号:01210
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01211 |
貞文 平定文 (161)
いなり山社のかすを人とははつれなき人をみつとこたへむ
いなりやま−やしろのかすを−ひととはは−つれなきひとを−みつとこたへむ
異同資料句番号:01211
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01212 |
人麿 柿本人麿 (003)
みしま江の玉江のあしをしめしよりおのかとそ思ふいまたからねと
みしまえの−たまえのあしを−しめしより−おのかとそおもふ−いまたからねと
異同資料句番号:01212
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01213 |
能宣 大中臣能宣 (049)
あたなりとあたにはいかかさたむらん人の心を人はしるやは
あたなりと−あたにはいかか−さたむらむ−ひとのこころを−ひとはしるやは
異同資料句番号:01213
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01214 |
読人不知 よみ人しらす (000)
すくろくのいちはにたてるひとつまのあはてやみなん物にやはあらぬ
すくろくの−いちはにたてる−ひとつまの−あはてやみなむ−ものにやはあらぬ
異同資料句番号:01214
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01215 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ぬれきぬをいかかきさらん世の人はあめのしたにしすまんかきりは
ぬれきぬを−いかかきさらむ−よのひとは−あめのしたにし−すまむかきりは
異同資料句番号:01215
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01216 |
道真 贈太政大臣 (024)
あめのしたのかるる人のなけれはやきてしぬれきぬひるよしもなき
あめのした−のかるるひとの−なけれはや−きてしぬれきぬ−ひるよしもなし
異同資料句番号:01216
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01217 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつくとも所定めぬ白雲のかからぬ山はあらしとそ思ふ
いつくとも−ところさためぬ−しらくもの−かからぬやまは−あらしとそおもふ
異同資料句番号:01217
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01218 |
読人不知 よみ人しらす (000)
白雲のかかるそら事する人を山のふもとによせてけるかな
しらくもの−かかるそらこと−するひとを−やまのふもとに−よせてけるかな
異同資料句番号:01218
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01219 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いつしかもつくまのまつりはやせなんつれなき人のなへのかす見む
いつしかも−つくまのまつり−はやせなむ−つれなきひとの−なへのかすみむ
異同資料句番号:01219
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01220 |
実頼 小野宮太政大臣 (511)
人しれぬ人まちかほに見ゆめるはたかたのめたるこよひなるらん
ひとしれぬ−ひとまちかほに−みゆめるは−たかたのめたる−こよひなるらむ
異同資料句番号:01220
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01221 |
番号外作者 明日香采女 (999)
池水のそこにあらてはねぬなはのくる人もなしまつ人もなし
いけみつの−そこにあらては−ねぬなはの−くるひともなし−まつひともなし
異同資料句番号:01221
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01222 |
右近 (038)
人しれすたのめし事は柏木のもりやしにけむ世にふりにけり
ひとしれす−たのめしことは−かしはきの−もりやしにけむ−よにふりにけり
異同資料句番号:01222
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01223 |
読人不知 よみ人しらす (000)
秋はきの花もうゑおかぬやとなれはしかたちよらむ所たになし
あきはきの−はなもうゑおかぬ−やとなれは−しかたちよらむ−ところたになし
異同資料句番号:01223
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01224 |
読人不知 よみ人しらす (000)
こゆるきのいそきてきつるかひもなくまたこそたてれおきつしらなみ
こゆるきの−いそきてきつる−かひもなく−またこそたてれ−おきつしらなみ
異同資料句番号:01224
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01225 |
読人不知 よみ人しらす (000)
しのひつつよるこそきしか唐衣ひとや見むとはおもはさりしを
しのひつつ−よるこそきしか−からころも−ひとやみむとは−おもはさりしを
異同資料句番号:01225
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01226 |
番号外作者 くにもち (999)
宮つくるひたのたくみのてをのおとほとほとしかるめをも見しかな
みやつくる−ひたのたくみの−てをのおと−ほとほとしかる−めをもみしかな
異同資料句番号:01226
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01227 |
読人不知 よみ人しらす (000)
有りとてもいく世かはふるからくにのとらふすのへに身をもなけてん
ありとても−いくよかはふる−からくにの−とらふすのへに−みをもなけてむ
異同資料句番号:01227
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01228 |
貫之 つらゆき (035)
むすふ手のしつくににこる山の井のあかても人に別れぬるかな
むすふての−しつくににこる−やまのゐの−あかてもひとに−わかれぬるかな
異同資料句番号:01228
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01229 |
貫之 つらゆき (035)
家なからわかるる時は山の井のにこりしよりもわひしかりけり
いへなから−わかるるときは−やまのゐの−にこりしよりも−わひしかりけり
異同資料句番号:01229
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01230 |
読人不知 よみ人しらす (000)
はしたかのとかへる山のしひしはのはかへはすともきみはかへせし
はしたかの−とかへるやまの−しひしはの−はかへはすとも−きみはかへせし
異同資料句番号:01230
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01231 |
読人不知 よみ人しらす (000)
あやまちのあるかなきかをしらぬ身はいとふににたる心ちこそすれ
あやまちの−あるかなきかを−しらぬみは−いとふににたる−ここちこそすれ
異同資料句番号:01231
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01232 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ゆく水のあわならはこそきえかへり人のふちせを流れても見め
ゆくみつの−あわならはこそ−きえかへり−ひとのふちせを−なかれてもみめ
異同資料句番号:01232
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01233 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ともかくもいひはなたれよ池水のふかさあささをたれかしるへき
ともかくも−いひはなたれよ−いけみつの−ふかさあささを−たれかしるへき
異同資料句番号:01233
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01234 |
業平 在原業平朝臣 (017)
そめ河をわたらん人のいかてかは色になるてふ事のなからん
そめかはを−わたらむひとの−いかてかは−いろになるてふ−ことのなからむ
異同資料句番号:01234
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01235 |
番号外作者 兵衛 (999)
ちはやふるかもの河辺のふちなみはかけてわするる時のなきかな
ちはやふる−かものかはへの−ふちなみは−かけてわするる−ときのなきかな
異同資料句番号:01235
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01236 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世の中はいかかはせまししけ山のあをはのすきのしるしたになし
よのなかは−いかかはせまし−しけやまの−あをはのすきの−しるしたになし
異同資料句番号:01236
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01237 |
読人不知 よみ人しらす (000)
むもれ木は中むしはむといふめれはくめちのはしは心してゆけ
うもれきは−なかむしはむと−いふめれは−くめちのはしは−こころしてゆけ
異同資料句番号:01237
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01238 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世の中はいさともいさや風のおとは秋に秋そふ心地こそすれ
よのなかは−いさともいさや−かせのおとは−あきにあきそふ−ここちこそすれ
異同資料句番号:01238
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01239 |
人麿 人まろ (003)
いはみなるたかまの山のこのまよりわかふるそてをいも見けんかも
いはみなる−たかまのやまの−このまより−わかふるそてを−いもみけむかも
異同資料句番号:01239
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01240 |
貫之 つらゆき (035)
おきつ浪たかしのはまのはま松のなにこそきみをまちわたりつれ
おきつなみ−たかしのはまの−はままつの−なにこそきみを−まちわたりつれ
異同資料句番号:01240
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01241 |
村上院 天暦御製 (512)
君をのみ思ひやりつつ神よりも心のそらになりしよひかな
きみをのみ−おもひやりつつ−かみよりも−こころのそらに−なりしよひかな
異同資料句番号:01241
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01242 |
貫之 つらゆき (035)
思ひやるこしのしら山しらねともひと夜も夢にこえぬ日そなき
おもひやる−こしのしらやま−しらねとも−ひとよもゆめに−こえぬひそなき
異同資料句番号:01242
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01243 |
人麿 人まろ (003)
山しなのこはたの里に馬はあれとかちよりそくる君を思へは
やましなの−こはたのさとに−うまはあれと−かちよりそくる−きみをおもへは
異同資料句番号:01243
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01244 |
人麿 人まろ (003)
春日山雲井かくれてとほけれと家はおもはす君をこそおもへ
かすかやま−くもゐかくれて−とほけれと−いへはおもはす−きみをこそおもへ
異同資料句番号:01244
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01245 |
坂上郎女 (521)
わかせこをこふるもくるしいとまあらはひろひてゆかむ恋忘かひ
わかせこを−こふるもくるし−いとまあらは−ひろひてゆかむ−こひわすれかひ
異同資料句番号:01245
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01246 |
恵慶 恵慶法師 (047)
旧里をこふるたもともかわかぬに又しほたるるあまも有りけり
ふるさとを−こふるたもとも−かわかぬに−またしほたるる−あまもありけり
異同資料句番号:01246
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01247 |
頼基 大中臣頼基 (120)
しほたるる身は我とのみ思へともよそなるたつもねをそなくなる
しほたるる−みはわれのみと−おもへとも−よそなるたつも−ねをそなくなる
異同資料句番号:01247
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01248 |
読人不知 よみ人しらす (000)
つれつれと思へはうきにおふるあしのはかなき世をはいかかたのまむ
つれつれと−おもへはうきに−おふるあしの−はかなきよをは−いかかたのまむ
異同資料句番号:01248
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01249 |
順 したかふ (130)
定なき人の心にくらふれはたたうきしまは名のみなりけり
さためなき−ひとのこころに−くらふれは−たたうきしまは−なのみなりけり
異同資料句番号:01249
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01250 |
元輔 もとすけ (042)
ひとりのみ年へけるにもおとらしをかすならぬ身のあるはあるかは
ひとりのみ−としへけるにも−おとらしを−かすならぬみの−あるはあるかは
異同資料句番号:01250
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01251 |
読人不知 よみ人しらす (000)
風はやみ峯のくすはのともすれはあやかりやすき人のこころか
かせはやみ−みねのくすはの−ともすれは−あやかりやすき−ひとのこころか
異同資料句番号:01251
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01252 |
家持 中納言家持 (006)
久方のあめのふるひをたたひとり山へにをれはむもれたりけり
ひさかたの−あめのふるひを−たたひとり−やまへにをれは−うもれたりけり
異同資料句番号:01252
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01253 |
読人不知 よみ人しらす (000)
雨ふりて庭にたまれるにこり水たかすまはかはかけの見ゆへき
あめふりて−にはにたまれる−にこりみつ−たかすまはかは−かけのみゆへき
異同資料句番号:01253
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01254 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世とともに雨ふるやとの庭たつみすまぬに影は見ゆるものかは
よとともに−あめふるやとの−にはたつみ−すまぬにかけは−みゆるものかは
異同資料句番号:01254
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01255 |
番号外作者 太皇太后宮 (999)
あふ事のかくてやつひにやみの夜の思ひもいてぬ人のためには
あふことの−かくてやつひに−やみのよの−おもひもいてぬ−ひとのためには
異同資料句番号:01255
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01256 |
人麿 人まろ (003)
いはしろの野中にたてるむすひ松心もとけす昔おもへは
いはしろの−のなかにたてる−むすひまつ−こころもとけす−むかしおもへは
異同資料句番号:01256
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01257 |
読人不知 よみ人しらす (000)
けふかともあすともしらぬ白菊のしらすいく世をふへきわか身そ
けふかとも−あすともしらぬ−しらきくの−しらすいくよを−ふへきわかみそ
異同資料句番号:01257
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01258 |
番号外作者 まさのふ (999)
涙河水まされはやしきたへの枕のうきてとまらさるらん
なみたかは−みつまされはや−しきたへの−まくらのうきて−とまらさるらむ
異同資料句番号:01258
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01259 |
番号外作者 按察のみやす所 (999)
世の中を常なき物とききしかとつらきことこそひさしかりけれ
よのなかを−つねなきものと−ききしかと−つらきことこそ−ひさしかりけれ
異同資料句番号:01259
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01260 |
番号外作者 延喜御製 (999)
つらきをはつねなき物と思ひつつひさしき事をたのみやはせぬ
つらきをは−つねなきものと−おもひつつ−ひさしきことを−たのみやはせぬ
異同資料句番号:01260
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01261 |
伊勢 (019)
我こそはにくくもあらめわかやとの花見にたにも君かきまさぬ
われこそは−にくくもあらめ−わかやとの−はなみにたにも−きみかきまさぬ
異同資料句番号:01261
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01262 |
読人不知 よみ人しらす (000)
いはみかたなにかはつらきつらからは怨みかてらにきても見よかし
いはみかた−なにかはつらき−つらからは−うらみかてらに−きてもみよかし
異同資料句番号:01262
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01263 |
番号外作者 本院侍従 (999)
それならぬ事もありしをわすれねといひしはかりをみみにとめけん
それならぬ−こともありしを−わすれねと−いひしはかりを−みみにとめけむ
異同資料句番号:01263
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01264 |
読人不知 よみ人しらす (000)
みかりするこまのつまつくあをつつら君こそ我はほたしなりけれ
みかりする−こまのつまつく−あをつつら−きみこそわれは−ほたしなりけれ
異同資料句番号:01264
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01265 |
読人不知 よみ人しらす (000)
君見れはむすふの神そうらめしきつれなき人をなにつくりけん
きみみれは−むすふのかみそ−うらめしき−つれなきひとを−なにつくりけむ
異同資料句番号:01265
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01266 |
貫之 つらゆき (035)
いつれをかしるしとおもはむみわの山有りとしあるはすきにそありける
いつれをか−しるしとおもはむ−みわのやま−ありとしあるは−すきにそありける
異同資料句番号:01266
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01267 |
長能 藤原長能 (176)
我といへはいなりの神もつらきかな人のためとはいのらさりしを
われといへは−いなりのかみも−つらきかな−ひとのためとは−いのらさりしを
異同資料句番号:01267
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01268 |
読人不知 よみ人しらす (000)
滝の水かへりてすまはいなり山なぬかのほれるしるしとおもはん
たきのみつ−かへりてすまは−いなりやま−なぬかのほれる−しるしとおもはむ
異同資料句番号:01268
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01269 |
読人不知 よみ人しらす (000)
思ひいててとふにはあらす秋はつる色の限を見するなりけり
おもひいてて−とふにはあらす−あきはつる−いろのかきりを−みするなりけり
異同資料句番号:01269
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01270 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ゆゆしとていむとも今はかひもあらしうきをは風につけてやみなん
ゆゆしとて−いむともいまは−かひもあらし−うきをはかせに−つけてやみなむ
異同資料句番号:01270
|
01271 |
貫之 つらゆき (035)
ひとりして世をしつくさは高砂の松のときはもかひなかりけり
ひとりして−よをしつくさは−たかさこの−まつのときはも−かひなかりけり
異同資料句番号:01271
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01272 |
貫之 つらゆき (035)
玉もかるあまのゆき方さすさをの長くや人を怨渡らん
たまもかる−あまのゆきかた−さすさをの−なかくやひとを−うらみわたらむ
異同資料句番号:01272
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01273 |
貫之 つらゆき (035)
たのめつつ別れし人をまつほとに年さへせめてうらめしきかな
たのめつつ−わかれしひとを−まつほとに−としさへせめて−うらめしきかな
異同資料句番号:01273
|
01274 |
実頼 小野宮太政大臣 (511)
さくら花のとけかりけりなき人をこふる涙そまつはおちける
さくらはな−のとけかりけり−なきひとを−こふるなみたそ−まつはおちける
異同資料句番号:01274
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01275 |
兼盛 平兼盛 (040)
おもかけに色のみのこる桜花いく世の春をこひむとすらん
おもかけに−いろのみのこる−さくらはな−いくよのはるを−こひむとすらむ
異同資料句番号:01275
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01276 |
元輔 清原元輔 (042)
花の色もやとも昔のそれなからかはれる物は露にそ有りける
はなのいろも−やともむかしの−それなから−かはれるものは−つゆにそありける
異同資料句番号:01276
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01277 |
能宣 大中臣能宣 (049)
桜花にほふものから露けきはこのめも物を思ふなるへし
さくらはな−にほふものから−つゆけきは−このめもものを−おもふなるへし
異同資料句番号:01277
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01278 |
番号外作者 大納言延光 (999)
君まさはまつそをらまし桜花風のたよりにきくそかなしき
きみまさは−まつそをらまし−さくらはな−かせのたよりに−きくそかなしき
異同資料句番号:01278
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01279 |
伊尹 一条摂改 (045)
いにしへはちるをや人の惜みけん花こそ今は昔こふらし
いにしへは−ちるをやひとの−をしみけむ−はなこそいまは−むかしこふらし
異同資料句番号:01279
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01280 |
番号外作者 女蔵人兵庫 (999)
さ月きてなかめまされはあやめ草思ひたえにしねこそなかるれ
さつききて−なかめまされは−あやめくさ−おもひたえにし−ねこそなかるれ
異同資料句番号:01280
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01281 |
番号外作者 粟田右大臣 (999)
しのへとやあやめもしらぬ心にもなかからぬよのうきにうゑけん
しのへとや−あやめもしらぬ−こころにも−なかからぬよの−うきにうゑけむ
異同資料句番号:01281
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01282 |
番号外作者 右大臣 (999)
ここにたにつれつれになく郭公ましてここひのもりはいかにそ
ここにたに−つれつれになく−ほとときす−ましてここひの−もりはいかにそ
異同資料句番号:01282
|
01283 |
道信 藤原道信朝臣 (052)
あさかほを何はかなしと思ひけん人をも花はさこそ見るらめ
あさかほを−なにはかなしと−おもひけむ−ひとをもはなは−さこそみるらめ
異同資料句番号:01283
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01284 |
村上院 天暦御製 (512)
時ならてははその紅葉ちりにけりいかにこのもとさひしかるらん
ときならて−ははそのもみち−ちりにけり−いかにこのもと−さひしかるらむ
異同資料句番号:01284
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01285 |
番号外作者 大弐国章 (999)
思ひきや秋のよ風のさむけきにいもなきとこにひとりねむとは
おもひきや−あきのよかせの−さむけきに−いもなきとこに−ひとりねむとは
異同資料句番号:01285
|
01286 |
村上院 天暦御製 (512)
秋風になひく草葉のつゆよりもきえにし人をなににたとへん
あきかせに−なひくくさはの−つゆよりも−きえにしひとを−なににたとへむ
異同資料句番号:01286
|
01287 |
人麿 人まろ (003)
こそ見てし秋の月夜はてらせともあひ見しいもはいやとほさかり
こそみてし−あきのつきよは−てらせとも−あひみしいもは−いやとほさかり
異同資料句番号:01287
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01288 |
敦忠 権中納言敦忠 (043)
君なくて立つあさきりは麻衣池さへきるそかなしかりける
きみなくて−たつあさきりは−ふちころも−いけさへきるそ−かなしかりける
異同資料句番号:01288
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01289 |
人麿 人まろ (003)
わきもこかねくたれかみをさるさはの池のたまもと見るそかなしき
わきもこか−ねくたれかみを−さるさはの−いけのたまもと−みるそかなしき
異同資料句番号:01289
|
01290 |
読人不知 よみ人しらす (000)
心にもあらぬうき世にすみそめの衣の袖のぬれぬ日そなき
こころにも−あらぬうきよに−すみそめの−ころものそての−ぬれぬひそなき
異同資料句番号:01290
|
01291 |
読人不知 よみ人しらす (000)
ふち衣はらへてすつる涙河きしにもまさる水そなかるる
ふちころも−はらへてすつる−なみたかは−きしにもまさる−みつそなかるる
異同資料句番号:01291
|
01292 |
読人不知 よみ人しらす (000)
藤衣はつるるいとはきみこふる涙の玉のをとやなるらん
ふちころも−はつるるいとは−きみこふる−なみたのたまの−をとやなるらむ
異同資料句番号:01292
|
01293 |
道信 藤原道信朝臣 (052)
限あれはけふぬきすてつ藤衣はてなき物は涙なりけり
かきりあれは−けふぬきすてつ−ふちころも−はてなきものは−なみたなりけり
異同資料句番号:01293
|
01294 |
番号外作者 としのふの母 (999)
人なししむねのちふさをほむらにてやくすみそめの衣きよきみ
ひとなしし−むねのちふさを−ほむらにて−やくすみそめの−ころもきよきみ
異同資料句番号:01294
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01295 |
番号外作者 大江為基 (999)
藤衣あひ見るへしと思ひせはまつにかかりてなくさめてまし
ふちころも−あひみるへしと−おもひせは−まつにかかりて−なくさめてまし
異同資料句番号:01295
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01296 |
番号外作者 大江為基 (999)
年ふれといかなる人かとこふりてあひ思ふ人にわかれさるらん
としふれと−いかなるひとか−とこふりて−あひおもふひとに−わかれさるらむ
異同資料句番号:01296
|
01297 |
読人不知 よみ人しらす (000)
墨染の衣の袖は雲なれや涙の雨のたえすふるらん
すみそめの−ころものそては−くもなれや−なみたのあめの−たえすふるらむ
異同資料句番号:01297
|
01298 |
番号外作者 よみ人しらす (999)
あまといへといかなるあまの身なれはか世ににぬしほをたれわたるらん
あまといへと−いかなるあまの−みなれはか−よににぬしほを−たれわたるらむ
異同資料句番号:01298
|
01299 |
番号外作者 藤原為頼 (999)
世の中にあらましかはと思ふ人なきかおほくも成りにけるかな
よのなかに−あらましかはと−おもふひと−なきかおほくも−なりにけるかな
異同資料句番号:01299
|
01300 |
公任 右衛門督公任 (055)
常ならぬ世はうき身こそかなしけれそのかすにたにいらしとおもへは
つねならぬ−よはうきみこそ−かなしけれ−そのかすにたに−いらしとおもへは
異同資料句番号:01300
|
01301 |
伊勢 (019)
なき人もあるかつらきを思ふにも色わかれぬは涙なりけり
なきひとも−あるかつらきを−おもふにも−いろわかれぬは−なみたなりけり
異同資料句番号:01301
|
01302 |
読人不知 よみ人しらす (000)
うつくしと思ひしいもを夢に見ておきてさくるになきそかなしき
うつくしと−おもひしいもを−ゆめにみて−おきてさくるに−なきそかなしき
異同資料句番号:01302
|
01303 |
元輔 清原元輔 (042)
思ひやるここひのもりのしつくにはよそなる人の袖もぬれけり
おもひやる−ここひのもりの−しつくには−よそなるひとの−そてもぬれけり
異同資料句番号:01303
|
01304 |
兼盛 平兼盛 (040)
なよ竹のわかこの世をはしらすしておほしたてつと思ひけるかな
なよたけの−わかこのよをは−しらすして−おほしたてつと−おもひけるかな
異同資料句番号:01304
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01305 |
番号外作者 藤原共政朝臣妻 (999)
我のみやこの世はうきとおもへとも君もなけくと聞くそかなしき
われのみや−このよはうきと−おもへとも−きみもなけくと−きくそかなしき
異同資料句番号:01305
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01306 |
番号外作者 大納言朝光 (999)
うき世にはある身もうしとなけきつつ涙のみこそふるここちすれ
うきよには−あるみもうしと−なけきつつ−なみたのみこそ−ふるここちすれ
異同資料句番号:01306
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01307 |
伊勢 (019)
しての山こえてきつらん郭公こひしき人のうへかたらなん
してのやま−こえてきつらむ−ほとときす−こひしきひとの−うへかたらなむ
異同資料句番号:01307
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01308 |
貞文 平定文 (161)
思ふよりいふはおろかに成りぬれはたとへていはん事のはそなき
おもふより−いふはおろかに−なりぬれは−たとへていはむ−ことのはそなき
異同資料句番号:01308
|
01309 |
貫之 つらゆき (035)
こふるまに年のくれなはなき人の別やいとととほくなりなん
こふるまに−としのくれなは−なきひとの−わかれやいとと−とほくなりなむ
異同資料句番号:01309
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01310 |
読人不知 よみ人しらす (000)
如何せん忍の草もつみわひぬかたみと見えしこたになけれは
いかにせむ−しのふのくさも−つみわひぬ−かたみとみえし−こたになけれは
異同資料句番号:01310
|
01311 |
読人不知 よみ人しらす (000)
春は花秋は紅葉とちりはててたちかくるへきこのもともなし
はるははな−あきはもみちと−ちりはてて−たちかくるへき−このもともなし
異同資料句番号:01311
|
01312 |
中務 (136)
わすられてしはしまとろむほともかないつかはきみをゆめならて見ん
わすられて−しはしまとろむ−ほともかな−いつかはきみを−ゆめならてみむ
異同資料句番号:01312
|
01313 |
中務 (136)
うきなからきえせぬ物は身なりけりうら山しきは水のあわかな
うきなから−きえせぬものは−みなりけり−うらやましきは−みつのあわかな
異同資料句番号:01313
|
01314 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世の中をかくいひいひのはてはてはいかにやいかにならむとすらん
よのなかを−かくいひいひの−はてはては−いかにやいかに−ならむとすらむ
異同資料句番号:01314
|
01315 |
人麿 人まろ (003)
ささなみのしかのてこらかまかりにし河せの道を見れはかなしも
ささなみの−しかのてこらか−まかりにし−かはせのみちを−みれはかなしも
異同資料句番号:01315
|
01316 |
人麿 人まろ (003)
おきつ浪よるあらいそをしきたへの枕とまきてなれる君かも
おきつなみ−よるあらいそを−しきたへの−まくらとまきて−なれるきみかも
異同資料句番号:01316
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01317 |
貫之 つらゆき (035)
あすしらぬわか身とおもへとくれぬまのけふは人こそかなしかりけれ
あすしらぬ−わかみとおもへと−くれぬまの−けふはひとこそ−かなしかりけれ
異同資料句番号:01317
|
01318 |
貫之 つらゆき (035)
夢とこそいふへかりけれ世の中はうつつある物と思ひけるかな
ゆめとこそ−いふへかりけれ−よのなかは−うつつあるものと−おもひけるかな
異同資料句番号:01318
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01319 |
人麿 人まろ (003)
家にいきてわかやを見れはたまささのほかにおきけるいもかこまくら
いへにゆきて−わかやをみれは−たまささの−ほかにおきける−いもかこまくら
異同資料句番号:01319
|
01320 |
人麿 人まろ (003)
まきもくの山へひひきてゆく水のみなわのことによをはわか見る
まきもくの−やまへひひきて−ゆくみつの−みなわのことに−よをはわかみる
異同資料句番号:01320
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01321 |
人麿 人まろ (003)
いも山のいはねにおける我をかもしらすていもかまちつつあらん
いもやまの−いはねにおける−われをかも−しらすていもか−まちつつあらむ
異同資料句番号:01321
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01322 |
貫之 紀貫之 (035)
手に結ふ水にやとれる月影のあるかなきかの世にこそありけれ
てにむすふ−みつにやとれる−つきかけの−あるかなきかの−よにこそありけれ
異同資料句番号:01322
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01323 |
番号外作者 御製 (999)
くれ竹のわか世はことに成りぬともねはたえせすもなかるへきかな
くれたけの−わかよはことに−なりぬとも−ねはたえせすも−なかるへきかな
異同資料句番号:01323
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01324 |
読人不知 よみ人しらす (000)
とりへ山たににけふりのもえたたははかなく見えし我としらなん
とりへやま−たににけふりの−もえたたは−はかなくみえし−われとしらなむ
異同資料句番号:01324
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01325 |
番号外作者 すけきよ (999)
みな人のいのちをつゆにたとふるは草むらことにおけはなりけり
みなひとの−いのちをつゆに−たとふるは−くさむらことに−おけはなりけり
異同資料句番号:01325
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01326 |
順 したかふ (130)
草枕人はたれとかいひおきしつひのすみかはの山とそ見る
くさまくら−ひとはたれとか−いひおきし−つひのすみかは−のやまとそみる
異同資料句番号:01326
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01327 |
番号外作者 沙弥満誓 (999)
世の中をなににたとへむあさほらけこきゆく舟のあとのしら浪
よのなかを−なににたとへむ−あさほらけ−こきゆくふねの−あとのしらなみ
異同資料句番号:01327
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01328 |
番号外作者 源相方朝臣 (999)
契あれはかはねなれともあひぬるを我をはたれかとはんとすらん
ちきりあれは−かはねなれとも−あひぬるを−われをはたれか−とはむとすらむ
異同資料句番号:01328
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01329 |
読人不知 よみ人しらす (000)
山寺の入あひのかねのこゑことにけふもくれぬときくそかなしき
やまてらの−いりあひのかねの−こゑことに−けふもくれぬと−きくそかなしき
異同資料句番号:01329
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01330 |
番号外作者 慶滋保胤 (999)
うき世をはそむかはけふもそむきなんあすもありとはたのむへき身か
うきよをは−そむかはけふも−そむきなむ−あすもありとは−たのむへきみか
異同資料句番号:01330
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01331 |
読人不知 よみ人しらす (000)
世の中に牛の車のなかりせは思ひの家をいかていてまし
よのなかに−うしのくるまの−なかりせは−おもひのいへを−いかていてまし
異同資料句番号:01331
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01332 |
高光 藤原高光 (116)
世の中にふるそはかなき白雪のかつはきえぬる物としるしる
よのなかに−ふるそはかなき−しらゆきの−かつはきえぬる−ものとしるしる
異同資料句番号:01332
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01333 |
能宣 よしのふ (049)
すみそめの色は我のみと思ひしをうき世をそむく人もあるとか
すみそめの−いろはわれのみと−おもひしを−うきよをそむく−ひともあるとか
異同資料句番号:01333
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01334 |
読人不知 よみ人しらす (000)
すみそめの衣と見れはよそなからもろともにきる色にそ有りける
すみそめの−ころもとみれは−よそなから−もろともにきる−いろにそありける
異同資料句番号:01334
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01335 |
公任 右衛門督公任 (055)
思ひしる人も有りける世の中をいつをいつとてすくすなるらん
おもひしる−ひともありける−よのなかを−いつをいつとて−すくすなるらむ
異同資料句番号:01335
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01336 |
公任 右衛門督公任 (055)
ささなみやしかのうら風いかはかり心の内の源しかるらん
ささなみや−しかのうらかせ−いかはかり−こころのうちの−すすしかるらむ
異同資料句番号:01336
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01337 |
選子内親王 斎院 (522)
こふつくすみたらし河のかめなれはのりのうききにあはぬなりけり
こふつくす−みたらしかはの−かめなれは−のりのうききに−あはぬなりけり
異同資料句番号:01337
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01338 |
村上院 御製 (512)
いつしかと君にと思ひしわかなをはのりの道にそけふはつみつる
いつしかと−きみにとおもひし−わかなをは−のりのみちにそ−けふはつみつる
異同資料句番号:01338
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01339 |
道綱母 春宮大夫道綱母 (053)
たき木こる事は昨日につきにしをいさをののえはここにくたさん
たききこる−ことはきのふに−つきにしを−いさをののえは−ここにくたさむ
異同資料句番号:01339
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01340 |
実方 実方朝臣 (051)
けふよりは露のいのちもをしからす蓮のうへのたまとちきれは
けふよりは−つゆのいのちも−をしからす−はちすのうへの−たまとちきれは
異同資料句番号:01340
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01341 |
番号外作者 夢想歌 (999)
あさことにはらふちりたにあるものをいまいくよとてたゆむなるらん
あさことに−はらふちりたに−あるものを−いまいくよとて−たゆむなるらむ
異同資料句番号:01341
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01342 |
和泉式部 雅致女式部 (056)
暗きより暗き道にそ入りぬへき遥に照せ山のはの月
くらきより−くらきみちにそ−いりぬへき−はるかにてらせ−やまのはのつき
異同資料句番号:01342
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01343 |
番号外作者 仙慶法師 (999)
極楽ははるけきほととききしかとつとめていたるところなりけり
こくらくは−はるけきほとと−ききしかと−つとめていたる−ところなりけり
異同資料句番号:01343
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01344 |
番号外作者 空也上人 (999)
ひとたひも南無阿弥陀仏といふ人の蓮の上にのほらぬはなし
ひとたひも−なむあみたふつと−いふひとの−はちすのうへに−のほらぬはなし
異同資料句番号:01344
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01345 |
番号外作者 光明皇后 (999)
みそちあまりふたつのすかたそなへたるむかしの人のふめるあとそこれ
みそちあまり−ふたつのすかた−そなへたる−むかしのひとの−ふめるあとそこれ
異同資料句番号:01345
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01346 |
番号外作者 大僧正行基 (999)
法華経をわかえし事はたき木こりなつみ水くみつかへてそえし
ほけきやうを−わかえしことは−たききこり−なつみみつくみ−つかへてそえし
異同資料句番号:01346
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01347 |
番号外作者 大僧正行基 (999)
ももくさにやそくさそへてたまひてしちふさのむくいけふそわかする
ももくさに−やそくさそへて−たまひてし−ちふさのむくひ−けふそわかする
異同資料句番号:01347
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01348 |
番号外作者 大僧正行基 (999)
霊山の釈迦のみまへにちきりてし真如くちせすあひ見つるかな
りやうせむの−しやかのみまへに−ちきりてし−しむによくちせす−あひみつるかな
異同資料句番号:01348
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01349 |
番号外作者 婆羅門僧正 (999)
かひらゑにともにちきりしかひありて文殊のみかほあひ見つるかな
かひらゑに−ともにちきりし−かひありて−もむしゆのみかほ−あひみつるかな
異同資料句番号:01349
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01350 |
番号外作者 聖徳太子 (999)
しなてるやかたをか山にいひにうゑてふせるたひ人あはれおやなし
しなてるや−かたをかやまに−いひにうゑて−ふせるたひひと−あはれおやなし
異同資料句番号:01350
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01351 |
読人不知 うゑ人 (000)
いかるかやとみのを河のたえはこそわかおほきみのみなをわすれめ
いかるかや−とみのをかはの−たえはこそ−わかおほきみの−みなをわすれめ
異同資料句番号:01351
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01352 |
番号外作者 藤原輔相 (999)
我はあすはのみやつまむさはのせり水はこほりてくきし見えねは
われはあす−はのみやつまむ−さはのせり−みつはこほりて−くきしみえねは |
01353 |
読人不知 (000)
むまよりはひつしはかりはあるものをとりにいぬるかかゐてきぬらむ
うまよりは−ひつしはかりは−あるものを−とりにいぬるか−かひてきぬらむ |
01354 |
読人不知 (000)
うしと思ふ心をしはしなくさめむ後によひとをあはれと思はむ
うしとおもふ−こころをしはし−なくさめむ−のちによひとを−あはれとおもはむ |
01355 |
人麿 柿本人丸 (003)
かも山のいはねしまきてあるわれをしらぬかいもかまちつつあらむ
かもやまの−いはねしまきて−あるわれを−しらぬかいもか−まちつつあらむ |
01356 |
番号外作者 式部 (999)
日くるれはまつ人もきぬからいともよるをはあふといふはかりなり
ひくるれは−まつひともきぬ−からいとも−よるをはあふと−いふはかりなり |
01357 |
番号外作者 不記 (999)
よもやまのまほりにたのむあつさゆみ神のたからにいましつるかな
よのなかの−まもりにたのむ−あつさゆみ−かみのたからに−いましつるかな |
01358 |
番号外作者 不記 (999)
わかくさのいもものりたりわれものりふねかたふくなふなかせふくな
わかくさの−いもものりたり−われものり−ふねかたふくな−ふなかせふくな |
01359 |
番号外作者 源重之 (999)
このこにて心をさなくとはすともおやのおやにてうらむへしやは
このこにて−こころをさなく−とはすとも−おやのおやにて−うらむへしやは |
01360 |
読人不知 (000)
夢のうちの花に心をつけてこそこのよのなかはおもひしらるれ
ゆめのうちの−はなにこころを−つけてこそ−このよのなかは−おもひしらるれ |