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作品集名 | 仙洞句題五十首(建仁元年仙洞五十首) |
作品集名読み | せんとうくだいごじっしゅ(けんにんがんねんせんとうごじっしゅ) |
作成年月日 | (建仁元年九月〜十二月)((1201年9月末〜12月)) |
場所 |
仙洞句題五十首 全 |
00001 |
後鳥羽院 (099)
ゆききえて−けふよりはるを−みよしのの−やまもかすみて−はなをまちける
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00002 |
良経 (091)
はるきても−つれなきはなの−ふゆこもり−またしとおもへは−みねのしらくも
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00003 |
慈円 (095)
はるくれは−まつそまたるる−かさすへき−わかきみかよの−ちよのはつはな
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00004 |
俊成女 (418)
はるきぬと−かすむこすゑの−うくひすの−はなをおそしと−ききそわきける
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00005 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
はなゆゑに−はるをはけふと−まちえても−こすゑはゆきの−なほさゆるかな
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00006 |
定家 (097)
はるかすみ−かすみそめぬる−とやまより−やかていろそふ−はなのおもかけ
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00007 |
後鳥羽院 (099)
くもかかる−こすゑをはなと−たとりきて−またころあさし−しかのやまこえ
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00008 |
良経 (091)
はなをみし−こそのしをりは−あともなし−ゆきにそまとふ−みよしののやま
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00009 |
慈円 (095)
ゆくすゑの−くもやまことの−はなならむ−すきつるみねの−はなのしらくも
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00010 |
俊成女 (418)
おもかけの−はなをやまちの−しるへにて−あとなきみねの−くもをわけきぬ
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00011 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
たつねかね−ふもとにさかぬ−はなのいろを−こすゑにやとす−みねのしらくも
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00012 |
定家 (097)
みよしのの−はなもいひなしの−そらめかと−わけいるみねに−にほへしらくも
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00013 |
後鳥羽院 (099)
おほかたの−はなはまたしき−みねのつきの−はれゆくそらに−のこるしらくも
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00014 |
良経 (091)
はなもまた−さかぬかたには−やまかはの−うちいつるなみを−はるのものとて
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00015 |
慈円 (095)
さきやらぬ−みねのこすゑの−くものうへに−よそめははなの−さかりなりけり
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00016 |
俊成女 (418)
おしなへて−かせこそかをれ−はるのやま−さくさくらあれは−さかぬこすゑも
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00017 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
みわたせは−ふもとはかりに−さきそめて−はなもおくある−みよしののやま
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00018 |
定家 (097)
やまかけは−なほまちわひぬ−さくらはな−いたりいたらぬ−はるをうらみて
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00019 |
後鳥羽院 (099)
あけわたる−やまちのはなの−ほしもあへす−あさつゆなから−はるかせそふく
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00020 |
良経 (091)
ほのほのと−はなはとやまに−あらほれて−くもにかすみの−あけはなれゆく
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00021 |
慈円 (095)
いかにせむ−けさはこすゑに−かせすきて−はるもなかむる−あさかほのはな
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00022 |
俊成女 (418)
あさつゆに−しをるるはなの−いろみれは−わかれにまさる−まののぬのそて
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00023 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
にはのおもを−はなにやつして−おのれまた−あさきよめする−やまあらしのかせ
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00024 |
定家 (097)
かすかすに−さきそふはなの−いろなれや−みねのあさけの−やへのしらくも
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00025 |
後鳥羽院 (099)
さくらさく−のへのあさかせ−かをるなり−いさみにゆかむ−をちのさとひと
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00026 |
良経 (091)
たつねはや−たかすむさとの−ひとむらそ−あるしおほほゆる−はなのおくかな
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00027 |
慈円 (095)
みわのさと−はなのしるへは−いそのかみ−ふるのこすゑに−かかるしらくも
|
00028 |
俊成女 (418)
はるはまた−かすみへたつる−をちのさと−くもよりまかへ−はなやちるらむ
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00029 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
やまたかみ−なかめにかかる−いくさとそ−はなのこすゑは−ゆきのむらきえ
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00030 |
定家 (097)
たれかすむ−のはらのすゑの−ゆふかすみ−いろまよはせる−はなのこのもと
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00031 |
後鳥羽院 (099)
さきのこる−よしののやまの−はなをみて−はるやむかしと−たれうらむらむ
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00032 |
良経 (091)
かはらすな−しかのみやこの−しかすかに−いまもむかしの−はるのはなその
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00033 |
慈円 (095)
ちるちらす−ひともたつねぬ−ふるさとの−つゆけきはなに−はるかせそふく
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00034 |
俊成女 (418)
あさちふと−たかすみすてし−ふるさとの−まかきのさくら−はなをわすれぬ
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00035 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
へたてつる−かすみはよそに−なりはてて−はなにこもれる−しかのやまさと
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00036 |
定家 (097)
あすかかは−かはらぬはるの−いろなから−みやこのはなと−いつにほひけむ
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00037 |
後鳥羽院 (099)
いほむすふ−はるのやまたも−ときしあれは−なはしろみつも−はなをまかせて
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00038 |
良経 (091)
なれなれて−かとたのさはに−たつかりの−なみたのつゆは−はなにおちけり
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00039 |
慈円 (095)
さくらさく−やまたのはらの−はなさかり−あきならすとも−いほむすはなむ
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00040 |
俊成女 (418)
はるくれは−はなちるさとと−なりにけり−あきかせなれし−をやまたのいほ
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00041 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
はなのもとに−かくてをへなむ−はるさめの−ふらはやなけの−をやまたのいほ
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00042 |
定家 (097)
はるをへて−かとたにしむる−なはしろの−はなのかかみの−かけそかはらぬ
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00043 |
後鳥羽院 (099)
はつせやま−やまたちはなれ−ちるはなを−ゆくへさためす−さそふはるかせ
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00044 |
良経 (091)
のかれすむ−をはつせやまの−こけのそて−はなのうへにや−くもにほふらむ
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00045 |
慈円 (095)
はるのころも−いくへになりぬ−はつせやま−ふりぬははなの−にほひなりけり
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00046 |
俊成女 (418)
なへてよし−はなともいはし−をはつせの−やまのさくらの−あけほののいろ
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00047 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
むかしより−うゑけむときを−ひとしれぬ−はなにふりぬる−いそのかみてら
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00048 |
定家 (097)
ちらすなよ−かさきのやまの−さくらはな−にほふはかりの−そてならすとも
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00049 |
後鳥羽院 (099)
ふるさとは−よしののかせや−かよふらむ−さくらのゆきも−ふらぬひはなし
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00050 |
良経 (091)
よしのやま−きのめもはるの−ゆききえて−またふるたひは−さくらなりけり
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00051 |
慈円 (095)
あやしなほ−こそのしらゆき−はるかけて−はなさくころも−ちらすやはあらぬ
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00052 |
俊成女 (418)
このもとを−はらふあらしも−みにたへて−ゆきとのみふる−にはのはなかな
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00053 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
かせふけは−みねのくもより−ちるはなや−そらにしらるる−はるのあはゆき
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00054 |
定家 (097)
みよしのに−はるのひかすや−つもるらむ−えたもとををの−はなのしらゆき
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00055 |
後鳥羽院 (099)
よしのかは−ゐせきにはなを−せきとめて−みつのこころも−はるをしみける
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00056 |
良経 (091)
すすかかは−なみとはなとの−みちすから−やそせをわけし−はるはわすれす
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00057 |
慈円 (095)
しらかはの−なみにみたれて−さくはなは−いとよりかかる−さくらなりけり
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00058 |
俊成女 (418)
よしのかは−きしのさくらに−かせふけは−いはこすなみに−はなそくたくる
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00059 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
ゆくみつの−そこにやとれる−はなのいろを−やかてなにおふ−しらかはのさと
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00060 |
定家 (097)
すすかかは−やそせのなみの−はるのいろは−ふりしくはなの−ふちとこそなれ
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00061 |
後鳥羽院 (099)
あたらよの−よしののおくに−ひとりたれ−つきとはなとの−あはれしるらむ
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00062 |
良経 (091)
かへりみる−やまははるかに−かさなりて−ふもとのはなも−やへのしらくも
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00063 |
慈円 (095)
よしのやま−はるはすきぬと−たつぬれは−おくこそはなの−さかりなりけれ
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00064 |
俊成女 (418)
おくやまの−まきのはわけに−おのつから−たれきてみよと−はなのさきけむ
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00065 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
はなといへは−なほみやまきの−こすゑまて−かせをへたつる−こころありけり
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00066 |
定家 (097)
やまふしの−ひともきてみぬ−こけのそて−あたらさくらを−うちはらひつつ
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00067 |
後鳥羽院 (099)
みよしのや−なけのさくらを−たのみにて−しをりもしらぬ−はなのゆふくれ
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00068 |
良経 (091)
みやまいてて−はなのかたみと−なるつきは−このまわくるや−くもるなるらむ
|
00069 |
慈円 (095)
はるくれは−うれしきやまの−さくらかり−はなのこかけに−くれかかりぬる
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00070 |
俊成女 (418)
いまはとて−ねくらにかへる−とりのねに−あはれもまさる−やまさくらかな
|
00071 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
くれぬとて−ひとのみいつる−やまちかは−はなもいまはと−ねにかへるなり
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00072 |
定家 (097)
たれとまた−くものはたてに−ふきかよふ−あらしのみねの−はなをうらみむ
|
00073 |
後鳥羽院 (099)
さきてちる−おもひなしとも−いかかせむ−たににもはなの−よそならはこそ
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00074 |
良経 (091)
しもとゆふ−かつらきやまの−たにかせに−はなのゆきさへ−まなくふるなり
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00075 |
慈円 (095)
たにかはの−かけのいはかと−こけふりて−はるのみこゆる−はなのしらなみ
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00076 |
俊成女 (418)
ふりはてて−しられぬたにの−うもれきも−はるはむかしの−はなそくちせぬ
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00077 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
はるきても−かすみのふかき−たにのいほ−はなありとても−とふひとそなき
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00078 |
定家 (097)
やまひとの−あとなきたにの−ゆふかすみ−こたへぬはなに−にほふはるかせ
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00079 |
後鳥羽院 (099)
ふはのやま−かせもたまらぬ−せきのやを−もるとはなしに−さけるはなかな
|
00080 |
良経 (091)
あふさかの−せきふみならす−かちひとの−わたれとぬれぬ−はなのしらなみ
|
00081 |
慈円 (095)
こまなへて−たかひにあとを−をしむかな−はなのゆきちる−しらかはのせき
|
00082 |
俊成女 (418)
すきかはる−つきひははなも−しらせけり−あきかせふきし−しらかはのせき
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00083 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
あふさかや−こすゑのはなを−ふくからに−あらしそかすむ−せきのすきむら
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00084 |
定家 (097)
さくらいろに−よものやまかせ−そめてけり−ころものせきの−はるのあけほの
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00085 |
後鳥羽院 (099)
たひころも−きさらきやよひ−ひかすへて−はなになれたる−そてのうへかな
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00086 |
良経 (091)
たひねする−はなのしたかせ−たちわかれ−いなはのやまの−まつかひそなき
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00087 |
慈円 (095)
あつまちや−やまにひかすそ−ちかくゆく−はななきさとに−やとからすして
|
00088 |
俊成女 (418)
みやこには−おもひすててし−わかれさへ−はなにはをしき−みちのそらかな
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00089 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
はなにふる−ひかすをしらす−けふとてや−ふるさとひとの−われをまつらむ
|
00090 |
定家 (097)
おもふひと−こころへたてぬ−かひもあらし−さくらのくもの−やへのをちかた
|
00091 |
後鳥羽院 (099)
はるかせの−にほてるうみを−ふくからに−さくらをおくる−しかのうらなみ
|
00092 |
良経 (091)
くものなみ−けふりのなみや−ちるはなの−かすみにしつむ−にほのみつうみ
|
00093 |
俊成女 (418)
にほのうみ−はるはかすみの−しかのなみ−はなにふきなす−もとのやまかせ
|
00094 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
はなさそふ−ひらのやまかせ−ふきにけり−こきゆくふねの−あとみゆるまて
|
00095 |
定家 (097)
ささなみや−さくらふきかへす−うらかせを−つりするあまの−そてかとそみる
|
00096 |
後鳥羽院 (099)
いははしの−かみをたのむの−かりなれや−さくらをわけて−よるとなくなり
|
00097 |
良経 (091)
あつまちの−さののふなはし−しらなみの−うへにそかよふ−はなのちるころ
|
00098 |
慈円 (095)
かせわたる−はなをみかはの−やつはしの−くもてにかかる−たきのしらいと
|
00099 |
俊成女 (418)
かつらきや−たかまのやまの−やまかせに−はなこそわたれ−くめのいははし
|
00100 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
しなのちや−たにのこすゑを−くもてにて−ちらぬはなふむ−きそのかけはし
|
00101 |
定家 (097)
あともなき−やまちのさくら−ふりはへて−とはれぬしるき−たにのしははし
|
00102 |
後鳥羽院 (099)
はなのかけ−たひねのあらし−よころへて−つきそなれゆく−そてのたまくら
|
00103 |
良経 (091)
ふるさとの−あれまくたれか−をしむらむ−わかよへぬへき−はなのかけかな
|
00104 |
慈円 (095)
さきてちる−ひかすおもへは−やまさくら−ほとはなぬかの−はなのしたふし
|
00105 |
俊成女 (418)
いたつらに−まつとをしむと−このもとに−はなよりほかの−はるそしられぬ
|
00106 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
すみなるる−やとをかすみの−ほかにして−いくよになりぬ−はなのしたふし
|
00107 |
定家 (097)
このもとに−まちしさくらを−をしむまて−おもへはとほき−ふるさとのそら
|
00108 |
後鳥羽院 (099)
かりにたに−ひとこそとはね−ふるさとの−さくらはゆきと−にはにしけとも
|
00109 |
良経 (091)
はるさめの−わかみよにふる−なかめより−あさちかにはに−はなもうつりぬ
|
00110 |
慈円 (095)
いとふへき−にはこそいまは−さかりなれ−こすゑのかせや−とものみやつこ
|
00111 |
俊成女 (418)
ねにかへる−にはのさくらの−はなをさへ−こすゑのかせの−なみさそふらむ
|
00112 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
なこりには−はなのみにはの−ものとみる−こころはのこせ−はるのやまかせ
|
00113 |
定家 (097)
はるのいろに−きえすはけさも−みるはかり−すこしこすゑに−はなはのこりて
|
00114 |
後鳥羽院 (099)
いたつらに−はるくれにける−はなのいろの−うつるもをしむ−なけきせしまに
|
00115 |
良経 (091)
さほひめの−かすみのそての−はなのかも−なこりはつきぬ−はるのくれかな
|
00116 |
慈円 (095)
ちりのこる−はなのはるかせ−こころせよ−けふのわかれの−わすれかたみに
|
00117 |
俊成女 (418)
ことわりの−はるのくれとは−いひなから−をしみもあへす−はなのちるらむ
|
00118 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
くれてゆく−はるのかたみは−これのみと−をしむにつけて−つもるはなかな
|
00119 |
定家 (097)
いかにせむ−はるもいくかの−さくらはな−かたもさためぬ−かせのにほひを
|
00120 |
後鳥羽院 (099)
あきのきて−つゆまたなれぬ−をきのはに−やかてもやとる−ゆふつくよかな
|
00121 |
良経 (091)
あきはきぬ−つゆはたもとに−おきそめて−このまのつきの−もらぬよそなき
|
00122 |
慈円 (095)
ほしあひの−そらをまつまの−ゆふつくよ−あきのおもひの−これよりそかし
|
00123 |
俊成女 (418)
ゆふつくよ−かけもるそての−つゆよりそ−あきのあはれを−ならしそめつる
|
00124 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
かせのおとに−おもひもあへぬ−このまより−あきのけしきは−もりのつきかけ
|
00125 |
定家 (097)
つゆやおく−やとかりそむる−あきのつき−またひとへなる−うたたねのゆめ
|
00126 |
後鳥羽院 (099)
つきかけを−わかみひとつと−なかむれは−ちちにくたくる−はきのうへのつゆ
|
00127 |
良経 (091)
ふるさとの−もとあらのこはき−さきしより−よなよなにはの−つきそうつろふ
|
00128 |
慈円 (095)
あきののに−つきすむよはの−こはきはら−よるのにしきを−ひとにみせつつ
|
00129 |
俊成女 (418)
よなよなの−つきよりあきと−しりそめて−はなさきにけり−みやきののはき
|
00130 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
みやこにも−つきはかくこそ−しかあれと−はなをはたれか−みやきののはら
|
00131 |
定家 (097)
みやきのの−かせよりわたる−はきかえに−つゆをかそへて−やとるつきかけ
|
00132 |
後鳥羽院 (099)
よはになく−かりのなみたに−あめすきて−つきにうつろふ−のへのいろかな
|
00133 |
良経 (091)
ふかきよの−はしにしたたる−あきのあめの−おとたえぬれは−のきはもるつき
|
00134 |
慈円 (095)
なにせむに−しはしくもると−なけきけむ−つきかけあらふ−あきのしくれを
|
00135 |
俊成女 (418)
かきくもり−ときしもわかぬ−むらさめの−はれゆくそらの−つきそあきなる
|
00136 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
つきをなほ−まつらむものか−むらさめの−はれゆくくもの−すゑのさとひと
|
00137 |
定家 (097)
かきくもり−わひつつねにし−よころたに−なかめしそらに−つきそはれゆく
|
00138 |
後鳥羽院 (099)
ほのほのと−こころつくしに−もるつきを−なほふきしをる−にはのまつかせ
|
00139 |
良経 (091)
まつかけの−まやのあまりに−さしいりて−こすゑにつきは−かたふきにけり
|
00140 |
慈円 (095)
まつにすむ−このまのつきを−なかむれは−はわけのしもに−あきかせそふく
|
00141 |
俊成女 (418)
おほかたの−あきもさひしき−このまより−つきもるまつを−かせはらふらむ
|
00142 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
よもすから−かせにしくるる−おとはして−まつのこのまを−つきそもりくる
|
00143 |
定家 (097)
あきのつゆも−たたわかためや−をかへなる−まつのはわけの−つきのころもて
|
00144 |
後鳥羽院 (099)
やまかけや−あきそはらはぬ−にはのおもに−きりのおちはに−すめるつきかけ
|
00145 |
良経 (091)
つきみはと−いひしはかりの−みやこひと−つれなくもこぬ−やまのおくかな
|
00146 |
慈円 (095)
やまさとに−つきはみるやと−ひとはこす−そらゆくかせそ−このはをもとふ
|
00147 |
俊成女 (418)
やまふかみ−あきかせふかぬ−ねさめたに−つきにはおつる−とこのなみたを
|
00148 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
たへてすむ−ひともいかてか−ありあけの−つきにさひしき−やまのへのさと
|
00149 |
定家 (097)
おのつから−みをうちやまに−やとかれは−さもあらぬそらの−つきもすみけり
|
00150 |
後鳥羽院 (099)
ふるさとの−つきふくかせに−なよたけの−なよりあひても−いくよへぬらむ
|
00151 |
良経 (091)
ひとりかも−つきはまちいてて−くれたけの−なかなかしよを−あきかせそふく
|
00152 |
慈円 (095)
つきのすむ−まかきのたけに−ふくかせは−おのかくまをも−はらふなりけり
|
00153 |
俊成女 (418)
つきさえて−ことそともなき−あきのよの−かせにみたるる−つゆのたまささ
|
00154 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
いろかへぬ−たけのはしろく−つきさえて−つもらぬゆきを−はらふあきかせ
|
00155 |
定家 (097)
ふしわひて−つきにうかるる−みちのへの−かきねのたけを−はらふあきかせ
|
00156 |
後鳥羽院 (099)
わするなよ−つきにいくのの−みちすから−そてになれぬる−をみなへしかな
|
00157 |
良経 (091)
ゆくすゑは−そらもひとつの−むさしのに−くさのはらより−いつるつきかけ
|
00158 |
慈円 (095)
あきののに−つきのかしける−やとなれは−なかめゆくこそ−とまりなりけれ
|
00159 |
俊成女 (418)
むすひおく−さとはかりねの−くさのはら−まくらのつゆに−つきそすみける
|
00160 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
ふるさとは−おもひいててや−とほつひと−のはらのつきの−つゆにゆくらむ
|
00161 |
定家 (097)
めくりあはむ−そらゆくつきの−ゆくすゑも−またはるかなる−むさしののはら
|
00162 |
後鳥羽院 (099)
くもりこし−さはへのあしの−むもれみつ−やとしもなれぬ−つきのかけかな
|
00163 |
良経 (091)
つきかけの−わすれすやとる−わすれみつ−のさはにたれか−あきをちきりし
|
00164 |
慈円 (095)
つきすめは−さはへのあしに−すむたつの−ゆきのころもに−しもやおくらむ
|
00165 |
俊成女 (418)
かすならぬ−のさはのみつの−たえたえに−ひとしれすさへ−つきはすみけり
|
00166 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
みつきよき−のさはのあさち−ふきわけて−つきかけやとす−あきのやまかせ
|
00167 |
定家 (097)
ひとしれぬ−あしまにつきの−かけとめて−いりえのさはに−あきかせそふく
|
00168 |
後鳥羽院 (099)
おのかくる−みねのゆふきり−はれいてて−つきにかすしる−はつかりのこゑ
|
00169 |
良経 (091)
こしちより−ちさとのくもを−へたてきて−みやこのつきに−はつかりのこゑ
|
00170 |
慈円 (095)
おほえやま−かたふくつきの−かけさえて−とはたのおもに−おつるかりかね
|
00171 |
俊成女 (418)
さよふけて−つきすむそらの−あきかせに−たのめかおきし−かりそなくなる
|
00172 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
くもかかる−をちのやまたの−はすゑより−つきにほのめく−はつかりのこゑ
|
00173 |
定家 (097)
しろたへの−つきもよさむに−かせさえて−たれにころもを−かりのひとこゑ
|
00174 |
後鳥羽院 (099)
あけぬへき−よをしほかまの−うらみわひ−からくもつきの−たけにけるかな
|
00175 |
良経 (091)
かちまくら−つきをしきつの−ころもてに−たちよるなみも−うらふれにけり
|
00176 |
慈円 (095)
つきのあき−あかしのうらに−こころせよ−しまかくれすむ−あまのもしほひ
|
00177 |
俊成女 (418)
つきすめは−あかしもすまも−あきのよの−あはれへたてぬ−おのかうらうら
|
00178 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
あかている−つきをみよとや−おきつかせ−けふりふきしく−しほかまのうら
|
00179 |
定家 (097)
なみかせの−つきよせかへる−あきのよを−ひとりあかしの−うらみてそぬる
|
00180 |
後鳥羽院 (099)
ぬきみたる−たきのしらいと−くりはへて−よるともみせぬ−つきのかけかな
|
00181 |
良経 (091)
やまひとの−ころもなるらし−しろたへの−つきにさらせる−ぬのひきのたき
|
00182 |
慈円 (095)
やはらくる−かけそふなちの−つきかけに−よるともみえぬ−たきのしらいと
|
00183 |
俊成女 (418)
おとたえぬ−よしののたきも−あきのよは−つきにこほりを−くたくなりけり
|
00184 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
たきつせや−ちるたまことに−かけわけて−つゆももらさす−やとるつきかけ
|
00185 |
定家 (097)
あきのつき−そてになれにし−かけなから−ぬるるかほなる−ぬのひきのたき
|
00186 |
後鳥羽院 (099)
つきのこる−いくたのもりの−あきふけて−よさむのころも−よはにうつなり
|
00187 |
良経 (091)
ふりにける−たつたのもりの−かみさひて−このもとてらす−あきのよのつき
|
00188 |
慈円 (095)
なかなかに−しつくにやとる−つきをみむ−しのたのもりの−ちえのしたかけ
|
00189 |
俊成女 (418)
おほあらきの−もりのこのまを−もりかねて−ひとたのめなる−あきのよのつき
|
00190 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
おほあらきの−もりのこのまを−ゆくつきの−ひかりによらぬ−したくさのつゆ
|
00191 |
定家 (097)
つゆうつる−つきよりあきの−いろにいてて−ときはのもりの−かけそかひなき
|
00192 |
後鳥羽院 (099)
たかために−わけてはふかぬ−あきかせも−つきみるそての−つゆをとひける
|
00193 |
良経 (091)
そてのいろを−おもひわけとや−あきかせの−こころつくしの−つきにふくらむ
|
00194 |
慈円 (095)
さひしさや−つきのひかりに−たくふらむ−いつくもおなし−をきのうはかせ
|
00195 |
俊成女 (418)
なみたとふ−そてのつきさへ−さひしきに−ふるきあとある−かせのおとかな
|
00196 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
あきかせに−なひくくさきの−たくひとや−つきのかつらも−かたふきにける
|
00197 |
定家 (097)
ふきはらふ−とこのやまかせ−さむしろに−ころもてうすし−あきのつきかけ
|
00198 |
後鳥羽院 (099)
みしまえの−いりえのあしの−したみたれ−みたれてもなほ−つきはすみけり
|
00199 |
良経 (091)
たひひとを−おくりしあきの−あとなれや−いりえのなみに−ひたすつきかけ
|
00200 |
慈円 (095)
まつかせに−ちきりおきつる−つきかけの−あらはれわたる−すみのえのあき
|
00201 |
俊成女 (418)
ひとりのみ−あしやのいほに−なかめつつ−あきのよすから−みしまえのつき
|
00202 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
たまかしは−うつもれはつる−なにはえの−もにあらはるる−あきのよのつき
|
00203 |
定家 (097)
すみのえの−まつかねあらふ−しらなみの−かけてよるとも−みえぬつきかけ
|
00204 |
後鳥羽院 (099)
あきふけぬ−なけやしもよの−きりきりす−ややかけさむし−よもきふのつき
|
00205 |
良経 (091)
たれとなく−ひとまつむしを−しるへにて−さそふかのへに−ひとりゆくつき
|
00206 |
慈円 (095)
われもなきて−けにもかなしき−きりきりす−よもきかそまに−ありあけのつき
|
00207 |
俊成女 (418)
むしのねの−われさへあやな−つきかけを−うらみぬそても−つゆみたるらむ
|
00208 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
ひととはて−つきにふりぬる−あさちふに−たたあらましの−まつむしのこゑ
|
00209 |
定家 (097)
よるのかせ−さえゆくつきに−たかあきの−ころもおりはへ−むしのわふらむ
|
00210 |
後鳥羽院 (099)
ねさめのみ−すすのしのやに−きこゆなり−つきにつまとふ−さをしかのこゑ
|
00211 |
良経 (091)
さをしかも−をののくさふし−ふしわひて−つきよよしとや−つまをこふらむ
|
00212 |
慈円 (095)
さをしかは−こゑにたててそ−なかむなる−なみたにやとる−のへのつきかけ
|
00213 |
俊成女 (418)
おのれのみ−あきのあはれを−ねにたてて−つきかけかこつ−さをしかのこゑ
|
00214 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
あられふる−みやまのおくの−つきかけに−あきをわすれぬ−さをしかのこゑ
|
00215 |
定家 (097)
あきののの−ささわくるいほの−しかのねに−いくよつゆけき−つきをみつらむ
|
00216 |
後鳥羽院 (099)
ふねとむる−むしあけのせとの−あきかせに−わすれかたくも−すめるつきかな
|
00217 |
良経 (091)
わすれすな−いてしみやこの−よはのつき−きよみかせきに−めくりあふまて
|
00218 |
慈円 (095)
あきのよの−うきねにゆめを−みなとかは−さむるまくらに−つきそなかるる
|
00219 |
俊成女 (418)
そてのうへに−ぬるるかほなる−ひかりかな−つきこそたひの−こころしりけれ
|
00220 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
またしらぬ−うきねのとこの−なみよりも−なれたるつきの−そてぬらすらむ
|
00221 |
定家 (097)
むしあけの−まつとしらせよ−そてのうへに−しをりしままの−なみのつきかけ
|
00222 |
後鳥羽院 (099)
ゆふつゆに−やとしてつきを−みやきのの−こはきかかせも−こころしてけり
|
00223 |
良経 (091)
あきのよは−させもかつゆの−はかなきに−つきのよすかと−ならぬものかは
|
00224 |
慈円 (095)
しらつゆを−おのかやとりと−みせかほに−ちくさにかかる−あきのよのつき
|
00225 |
俊成女 (418)
かせさむみ−したはかれゆく−あきのよの−つゆにそこほる−あさちふのつき
|
00226 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
しらたまか−なにそとつきに−ひととはは−つゆとこたへよ−をきのうはかせ
|
00227 |
定家 (097)
くさのはら−つきのゆくへに−おくつゆを−やかてきえねと−ふくあらしかな
|
00228 |
後鳥羽院 (099)
しらきくも−うつろはむとの−わさなれや−しものまかきに−ありあけのつき
|
00229 |
良経 (091)
つきのすむ−そらにまれなる−ほしのいろを−まかきにのこす−しらきくのはな
|
00230 |
慈円 (095)
ませのうちに−うつろふきくの−いろをまた−かへすはつきの−ひかりなりけり
|
00231 |
俊成女 (418)
あきふかき−きくのかきねの−つきかけに−しもかとつゆそ−きえかへりける
|
00232 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
しもをまつ−まかきのきくの−よひのまに−おきまよふいろは−やまのはのつき
|
00233 |
定家 (097)
しらきくの−まかきのつきの−いろはかり−うつろひのこる−あきそすくなき
|
00234 |
後鳥羽院 (099)
あきはいなは−こひしかるへき−こよひかな−たのめはおきし−ありあけのつき
|
00235 |
良経 (091)
あきはいま−すゑのにならす−はしたかの−こひしかるへき−ありあけのつき
|
00236 |
慈円 (095)
なかめかねて−あきもいまはの−ありあけを−こころにとへは−つきそこたふる
|
00237 |
俊成女 (418)
なかつきの−ありあけかたの−そらのつき−こころほそくそ−かたふきにける
|
00238 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
なかめこし−あきはかきりに−なりぬとや−しくるるくもに−ありあけのつき
|
00239 |
定家 (097)
いまいくか−あきもあらしの−よこくもに−いつれはしらむ−やまのはのつき
|
00240 |
後鳥羽院 (099)
わかこひは−あらしにまよふ−よるのくも−うきてそことも−なきよなりけり
|
00241 |
良経 (091)
うつりゆく−ひとのこころは−しらくもの−たえてつれなき−ちきりなりけり
|
00242 |
慈円 (095)
わかこひは−はなにうつりし−はるのくもの−はれてさつきの−そらになりぬる
|
00243 |
俊成女 (418)
したもえに−おもひきえなむ−けふりたに−あとなきくもの−ねてそかなしき
|
00244 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
いまはとて−ひとはいてぬる−あとになほ−ひとりなかむる−あかつきのくも
|
00245 |
定家 (097)
しられしな−ちしほのこのは−こかるとも−しくるるくもに−いろしみえすは
|
00246 |
後鳥羽院 (099)
わかそてに−つゆはもとより−おきけるを−あらはすあきの−かせのおとかな
|
00247 |
良経 (091)
ゆきかよふ−かせのつてにも−なれぬれは−ふきこぬよはは−こひしきものを
|
00248 |
慈円 (095)
はなにいとひ−つきにしのひし−かせのおとの−よなよなひとを−まつのこすゑに
|
00249 |
俊成女 (418)
いかなりし−かせのたよりに−ききそめて−みにしむこひの−つまとなりけむ
|
00250 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
あふことは−たえにしねやの−いたまより−たのめぬとこを−はらふあきかせ
|
00251 |
定家 (097)
いかにせむ−ひともたのめぬ−くれたけの−このはふきこす−あきかせのこゑ
|
00252 |
後鳥羽院 (099)
こぬひとを−つきにまちても−なくさめき−いふせきよひの−あまそそきかな
|
00253 |
良経 (091)
わすれては−わかみしくれの−ふるさとに−いははやものを−のきのたまみつ
|
00254 |
慈円 (095)
わかたもと−しくれにいろを−みよとてや−なほさみたれに−くちのこりけむ
|
00255 |
俊成女 (418)
まつよひの−すくるむらさめ−かきくもり−たのめしよはも−そてぬらせとや
|
00256 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
いろにいてぬ−おもひのみこそ−ときはやま−わかみしくれは−ふるかひもなし
|
00257 |
定家 (097)
あまそそき−そほふるのきの−いたひさし−ひさしやひとめ−もるとせしまに
|
00258 |
後鳥羽院 (099)
そてにおく−つゆのゆくへを−たつぬれは−あはてくるよの−みちのささはら
|
00259 |
良経 (091)
やすらひに−たのめていてし−あとしあれは−なほまつものを−にはのよもきふ
|
00260 |
慈円 (095)
いかにせむと−おもひはてぬる−わかこひは−をきのうははの−あきのものかせ
|
00261 |
俊成女 (418)
わかるれは−そてにみたるる−あかつきの−つゆをくさはの−うへとのみみし
|
00262 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
たのめこし−ひとのこころは−しもむすふ−あさちかすゑと−なりはてにけり
|
00263 |
定家 (097)
いまはとて−わするるくさや−しけりにし−わかすむさとは−のきのしたくさ
|
00264 |
後鳥羽院 (099)
ひとこころ−あきのこのはに−うつろへは−かはらぬまつの−かせのおとかな
|
00265 |
良経 (091)
たかあきの−こころこのはに−かれぬらむ−まつとしきかは−よよもへなまし
|
00266 |
慈円 (095)
そてよいかに−みやまにしけき−まきのはも−しをれていろは−かはらさりけり
|
00267 |
俊成女 (418)
あきはてて−ちきりむなしき−しひしはの−はかへぬとこも−さひしかりけり
|
00268 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
たのめつつ−こぬよあまたと−うらみても−ひとりみにしむ−まつのかせかな
|
00269 |
定家 (097)
せくそてよ−せせのうもれき−あらはれて−またこすなみに−くちやはてなむ
|
00270 |
後鳥羽院 (099)
しはしこそ−あけぬるかとも−うらみしか−またはそいまは−しきのはねかき
|
00271 |
良経 (091)
ふかきえに−おもふこころは−みかくれて−かよふはかりの−にほのしたみち
|
00272 |
慈円 (095)
しるへなき−なみたのかはの−かはかせに−おもひかねても−ちとりをそきく
|
00273 |
俊成女 (418)
いたつらに−あけぬとちきる−こゑきけは−あふよのとりの−うきはものかは
|
00274 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
あふことの−やかてたえぬる−なけきまて−おもへはとりの−ねこそつらけれ
|
00275 |
定家 (097)
かりにたに−とはれぬさとの−あきかせに−わかみうつらの−とこはあれにき
|
00276 |
後鳥羽院 (099)
わすれては−ねぬへきものを−なにとまた−たれまつかせの−あらくふくらむ
|
00277 |
良経 (091)
あきはてて−みやまはけしく−ふくあらし−あらしいまはの−なけのことのは
|
00278 |
慈円 (095)
いろかはる−のへのけしきに−ふきそめて−うへやまかせを−ひとのこころに
|
00279 |
俊成女 (418)
なかなかに−さてもねぬへき−よなよなを−うたてあらしの−まとたたくらむ
|
00280 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
あらしふく−このしたふしは−あふことを−ゆめとしりても−さめすしもやは
|
00281 |
定家 (097)
わひはつる−わかおもひねの−ゆめちさへ−ちきりしられて−ふくあらしかな
|
00282 |
後鳥羽院 (099)
わたのはら−あとなきなみの−ふなひとも−たよりのかせは−ありとこそきけ
|
00283 |
良経 (091)
なみたかき−むしあけのせとに−ゆくふねの−よるへしらせよ−おきつしほかせ
|
00284 |
慈円 (095)
わかこひの−なかめをみせむ−あかしかた−こきゆくふねに−あきのあさきり
|
00285 |
俊成女 (418)
こころから−うきたるとりの−うきしつみ−あしわけふねの−さはるのみかは
|
00286 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
あふことは−いなにほあらす−いなふねの−うきみのほとを−しはしはかりそ
|
00287 |
定家 (097)
こぬひとを−つきせぬなみに−まつらふね−よるとはつきの−かけをのみみて
|
00288 |
後鳥羽院 (099)
かすかすに−おもひしことは−ねにたてし−かよふまつかせ−いかにふくらむ
|
00289 |
良経 (091)
こひわひて−なくねにかよふ−ことのねも−こほれるみつの−したむせひつつ
|
00290 |
慈円 (095)
まつかせの−このうちのつる−こゑのすみて−そてよりおつる−たきもなかれす
|
00291 |
俊成女 (418)
みにそしむ−こひしきことの−ねにたてて−かきなすまつの−かせのしらへは
|
00292 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
ことのねに−かよひてけりな−うしとても−かれなてひとを−なほやまつかせ
|
00293 |
定家 (097)
かたみそと−たのみしことの−かひもなく−うきなかのをの−たえやはてなむ
|
00294 |
後鳥羽院 (099)
からころも−きしもせぬよの−なかめこそ−さてもわすれぬ−つまとなりけれ
|
00295 |
良経 (091)
わかこひよ−やまとにはあらぬ−からあゐの−やしほのころも−ふかくそめてき
|
00296 |
慈円 (095)
からころも−いかにかへして−あふことの−ねぬよのゆめに−ならむとすらむ
|
00297 |
俊成女 (418)
くちはてむ−なみたのつまと−しらさりき−ちきりしなかの−よはのさころも
|
00298 |
後鳥羽院宮内卿 (339)
わすらるる−みをしおもへは−からころも−うらみぬそても−あやしかりけり
|
00299 |
定家 (097)
みしかけよ−さてやまあひの−すりころも−みそきかひなき−みたらしのかは
|