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作品集名 | 内裏詩歌合 |
作品集名読み | だいりしいかあわせ |
作成年月日 | 建暦三年二月二十六日(1213年3月19日) |
場所 |
00002 |
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いほしめて山のかひあるみよしのの花よりいつる月をみるかな
いほしめて−やまのかひある−みよしのの−はなよりいつる−つきをみるかな |
00004 |
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よしの山苔のさむしろしきしのひ今夜はここに花のしたふし
よしのやま−こけのさむしろ−しきしのひ−こよひはここに−はなのしたふし |
00006 |
未入力 (xxx)
はつせ山花の梢にこもるなり雨うちそふる入あひのかね
はつせやま−はなのこすゑに−こもるなり−あめうちそふる−いりあひのかね |
00008 |
未入力 (xxx)
嵐より花はたもとに匂ひきて霞にこゆるしかの夕くれ
あらしより−はなはたもとに−にほひきて−かすみにこゆる−しかのゆふくれ |
00010 |
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春といへはしるもしらぬもみ山へにこたへぬ花にたそかれの空
はるといへは−しるもしらぬも−みやまへに−こたへぬはなに−たそかれのそら |
00012 |
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雲返す嵐もしらすうつり行く桜の山の雨のゆふくれ
くもかへす−あらしもしらす−うつりゆく−さくらのやまの−あめのゆふくれ |
00014 |
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しくれせし色は匂はす唐錦竜田のみねの花の夕かせ
しくれせし−いろはにほはす−からにしき−たつたのみねの−はなのゆふかせ |
00016 |
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桜かり霞のしたにけふ暮れぬ一夜やとかせ春の山風
さくらかり−かすみのしたに−けふくれぬ−ひとよやとかせ−はるのやまかせ |
00018 |
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みよしのや花にやととふ夕くれの雲は匂はぬ春の山かせ
みよしのや−はなにやととふ−ゆふくれの−くもはにほはぬ−はるのやまかせ |
00020 |
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かつらきや高間の桜春ふけて夕ゐる雲のあとそさひしき
かつらきや−たかまのさくら−はるふけて−ゆふゐるくもの−あとそさひしき |
00022 |
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暮れぬるか山かけさひし夕月よ花にほのめくみよしのの空
くれぬるか−やまかけさひし−ゆふつくよ−はなにほのめく−みよしののそら |
00024 |
未入力 (xxx)
みよしのやいく重霞を分けつらん花に暮行く春の山道
みよしのや−いくへかすみを−わけつらむ−はなにくれゆく−はるのやまみち |
00026 |
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さひしさはたた大かたのなかめかは花にくらせる志かの山こえ
さひしさは−たたおほかたの−なかめかは−はなにくらせる−しかのやまこえ |
00028 |
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山ふかみ峰の木の間をたとりきて花になれぬる夕月よかな
やまふかみ−みねのこのまを−たとりきて−はなになれぬる−ゆふつくよかな |
00030 |
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とまるへき宿は桜にかりころもひも夕くれの山のはるかせ
とまるへき−やとはさくらに−かりころも−ひもゆふくれの−やまのはるかせ |
00032 |
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かへるさの家路は暮れぬ山さくら人たのめなる花のしたかけ
かへるさの−いへちはくれぬ−やまさくら−ひとたのめなる−はなのしたかけ |
00034 |
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にほひくる風のしるへをしたひつつひとりみ山の花のゆふ暮
にほひくる−かせのしるへを−したひつつ−ひとりみやまの−はなのゆふくれ |
00036 |
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尋ねつつかすみを分けてみねの花匂ひそふかき春の夕かせ
たつねつつ−かすみをわけて−みねのはな−にほひそふかき−はるのゆふかせ |
00038 |
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けふも又花ゆゑ暮す袖の上に山かせかよふ入あひのかね
けふもまた−はなゆゑくらす−そてのうへに−やまかせかよふ−いりあひのかね |
00040 |
未入力 (xxx)
よしの山花にや宿をかりころも暮行く空の入あひのかね
よしのやま−はなにややとを−かりころも−くれゆくそらの−いりあひのかね |
00042 |
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高砂の尾上に春の風たちて桜を分くる入あひのかね
たかさこの−をのへにはるの−かせたちて−さくらをわくる−いりあひのかね |
00044 |
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うはの空花とは風そしるへする夕日にかすむ峰のしら雲
うはのそら−はなとはかせそ−しるへする−ゆふひにかすむ−みねのしらくも |
00046 |
未入力 (xxx)
よしの山こほりし雲も春かせにつもるもはなのゆきくれの空
よしのやま−こほりしくもも−はるかせに−つもるもはなの−ゆきくれのそら |
00048 |
未入力 (xxx)
花なれや水わけ山の夕まくれ雲に波たつをちのはるかせ
はななれや−みつわけやまの−ゆふまくれ−くもになみたつ−をちのはるかせ |
00050 |
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さくら花木のしたかけは暮れやらて匂ふ山ちの袖の夕つゆ
さくらはな−このしたかけは−くれやらて−にほふやまちの−そてのゆふつゆ |
00052 |
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しをりせしたつきもしらぬ山桜花にやとかせ夕くれのくも
しをりせし−たつきもしらぬ−やまさくら−はなにやとかせ−ゆふくれのくも |
00054 |
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袖におく朝けのつゆのほしもあへて霧に分行く秋のたひ人
そてにおく−あさけのつゆの−ほしもあへて−きりにわけゆく−あきのたひひと |
00056 |
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あさちふやのへのあはれも白露のふかきは秋のならひなりけり
あさちふや−のへのあはれも−しらつゆの−ふかきはあきの−ならひなりけり |
00058 |
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村さめの玉ぬきとめぬ秋風にいく野かくたく萩の上の露
むらさめの−たまぬきとめぬ−あきかせに−いくのかくたく−はきのうへのつゆ |
00060 |
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あさなあさな草の袂はうつろひぬかりのなみたもをちのしの原
あさなあさな−くさのたもとは−うつろひぬ−かりのなみたも−をちのしのはら |
00062 |
未入力 (xxx)
むさしのや道ある時はめもはるになひく草はを秋かせそふく
むさしのや−みちあるときは−めもはるに−なひくくさはを−あきかせそふく |
00064 |
未入力 (xxx)
なかめやるいくのの原に霧はれてかきりもしらぬ秋の色かな
なかめやる−いくののはらに−きりはれて−かきりもしらぬ−あきのいろかな |
00066 |
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あさち原分行く末も白露の袖にふきこすのへの秋かせ
あさちはら−わけゆくすゑも−しらつゆの−そてにふきこす−のへのあきかせ |
00068 |
未入力 (xxx)
宮城のや小萩か下もうら枯れて露のかたみの秋かせそふく
みやきのや−こはきかしたも−うらかれて−つゆのかたみの−あきかせそふく |
00070 |
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むさしのやなかめの末のはてそなきを花ふきこす秋の夕かせ
むさしのや−なかめのすゑの−はてそなき−をはなふきこす−あきのゆふかせ |
00072 |
未入力 (xxx)
宮城野やなかむる末は霧こめて秋かせそふくさをしかの声
みやきのや−なかむるすゑは−きりこめて−あきかせそふく−さをしかのこゑ |
00074 |
未入力 (xxx)
なかめやるふるののをのの小萩原露もむかしにかはらさりけり
なかめやる−ふるののをのの−こはきはら−つゆもむかしに−かはらさりけり |
00076 |
未入力 (xxx)
野はらよりあきのあはれはしらせけり荻ふくかせのたよりたつねて
のはらより−あきのあはれは−しらせけり−をきふくかせの−たよりたつねて |
00078 |
未入力 (xxx)
分けきつる野へのにしきの袖の色もあらへはふかき萩のした露
わけきつる−のへのにしきの−そてのいろも−あらへはふかき−はきのしたつゆ |
00080 |
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露にたにわきてはなれし荻はらや末こすかせは袖にふくなり
つゆにたに−わきてはなれし−をきはらや−すゑこすかせは−そてにふくなり |
00082 |
未入力 (xxx)
むさしのや分行く方は白雲のとたゆる空の初かりのこゑ
むさしのや−わけゆくかたは−しらくもの−とたゆるそらの−はつかりのこゑ |
00084 |
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ほのかなるを花かすゑは霧こめてなかめにつつくまのの秋かせ
ほのかなる−をはなかすゑは−きりこめて−なかめにつつく−まののあきかせ |
00086 |
未入力 (xxx)
夕されは露ふきむすふあきかせにみたれてなひくをのの萩はら
ゆふされは−つゆふきむすふ−あきかせに−みたれてなひく−をののはきはら |
00088 |
未入力 (xxx)
から衣すそのの原の夕きりにいくよしをれぬ萩の花すり
からころも−すそののはらの−ゆふきりに−いくよしをれぬ−はきのはなすり |
00090 |
未入力 (xxx)
有明の雲ふきはらふ秋かせにひとりしくるるいはしろのまつ
ありあけの−くもふきはらふ−あきかせに−ひとりしくるる−いはしろのまつ |
00092 |
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村雨の露のかこともうらかれてをのの草ふし秋かせそふく
むらさめの−つゆのかことも−うらかれて−をののくさふし−あきかせそふく |
00094 |
未入力 (xxx)
藤はかま香をなつかしみきて見れはゆかりの色もむさしのの原
ふちはかま−かをなつかしみ−きてみれは−ゆかりのいろも−むさしののはら |
00096 |
未入力 (xxx)
身にそしむ千草にうつる露よりも色なききりの野へのあけほの
みにそしむ−ちくさにうつる−つゆよりも−いろなききりの−のへのあけほの |
00098 |
未入力 (xxx)
風わたる野へには秋の色見えて雲路はるかにはつかりのこゑ
かせわたる−のへにはあきの−いろみえて−くもちはるかに−はつかりのこゑ |
00100 |
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露ふかき野へのかるかや秋かせにおもひみたるるさをしかのこゑ
つゆふかき−のへのかるかや−あきかせに−おもひみたるる−さをしかのこゑ |
00102 |
未入力 (xxx)
さをしかのおのかすむのの萩の上に雁のなみたのつゆそあらそふ
さをしかの−おのかすむのの−はきのうへに−かりのなみたの−つゆそあらそふ |
00104 |
未入力 (xxx)
夕月よ月ふくかせにかよふなり野はらにすたく松むしのこゑ
ゆふつくよ−つきふくかせに−かよふなり−のはらにすたく−まつむしのこゑ |