[ 日文研トップ ] [ 日文研データベースの案内 ] [ データベースメニュー ] |
作品集名 | 石清水若宮歌合 |
作品集名読み | いわしみずわかみやうたあわせ |
作成年月日 | 寛喜四年三月廿五日(1232年4月17日) |
場所 | 石清水若宮 (いわしみずわかみや) |
00001 |
未入力 (xxx)
わたりする河瀬の霞立ちなれて藤なみかさす雲の上人
わたりする−かはせのかすみ−たちなれて−ふちなみかさす−くものうへひと |
00002 |
未入力 (xxx)
橋姫の袖の朝霜なほさえてかすみ吹きこすうちの河風
はしひめの−そてのあさしも−なほさえて−かすみふきこす−うちのかはかせ |
00003 |
未入力 (xxx)
河船のゆききの跡も白浪の音さへかすむ春のあけほの
かはふねの−ゆききのあとも−しらなみの−おとさへかすむ−はるのあけほの |
00004 |
未入力 (xxx)
あすか河よとまぬ水も霞みつつ心有りとやはるは見ゆらむ
あすかかは−よとまぬみつも−かすみつつ−こころありとや−はるはみゆらむ |
00005 |
未入力 (xxx)
行きかへりみつのかは長さす棹のみなれし跡もかすむ春かな
ゆきかへり−みつのかはをさ−さすさをの−みなれしあとも−かすむはるかな |
00006 |
未入力 (xxx)
立ちわたる霞の衣春きても浪風さむきよとの川長
たちわたる−かすみのころも−はるきても−なみかせさむき−よとのかはをさ |
00007 |
未入力 (xxx)
わたり船それともみえす朝ほらけみつ野をかけてかすむ河浪
わたりふね−それともみえす−あさほらけ−みつのをかけて−かすむかはなみ |
00008 |
未入力 (xxx)
朝日影さすや霞の立田川かは水くくるはるのくれなゐ
あさひかけ−さすやかすみの−たつたかは−かはみつくくる−はるのくれなゐ |
00009 |
未入力 (xxx)
明けわたる川瀬の浪に立つ煙やかてもふかくかすむ空かな
あけわたる−かはせのなみに−たつけふり−やかてもふかく−かすむそらかな |
00010 |
未入力 (xxx)
春霞うきてなかるる柴舟の跡さへみえぬ宇治の河浪
はるかすみ−うきてなかるる−しはふねの−あとさへみえぬ−うちのかはなみ |
00011 |
未入力 (xxx)
春くれは霞の衣立田川あらへとぬれぬ浪そかけける
はるくれは−かすみのころも−たつたかは−あらへとぬれぬ−なみそかけける |
00012 |
未入力 (xxx)
したさわく高瀬の川の浪間より露むや袖のみなとなるらん
したさわく−たかせのかはの−なみまより−つゆむやそての−みなとなるらむ |
00013 |
未入力 (xxx)
あすか川行瀬の浪に春たちて昨日もけふもかすむふるさと
あすかかは−ゆくせのなみに−はるたちて−きのふもけふも−かすむふるさと |
00014 |
未入力 (xxx)
春の色はそれともみえす立田河霞をくくる瀬瀬の岩なみ
はるのいろは−それともみえす−たつたかは−かすみをくくる−せせのいはなみ |
00015 |
未入力 (xxx)
かすむ日は消えこそ渡れ谷川の氷りし水の浪のはつはな
かすむひは−きえこそわたれ−たにかはの−こほりしみつの−なみのはつはな |
00016 |
未入力 (xxx)
水上や岸の柳のふかみとり霞のみをのしるしなりけり
みなかみや−きしのやなきの−ふかみとり−かすみのみをの−しるしなりけり |
00017 |
未入力 (xxx)
秋よりも花のにしきの立田川霞みわたれとなかそ絶えせぬ
あきよりも−はなのにしきの−たつたかは−かすみわたれと−なかそたえせぬ |
00018 |
未入力 (xxx)
春といへはかすみにけりな絶えす行くあすかの河の末みえぬまて
はるといへは−かすみにけりな−たえすゆく−あすかのかはの−すゑみえぬまて |
00019 |
未入力 (xxx)
朝またき霞のみをも白浪の竜田の川をわたるかち人
あさまたき−かすみのみをも−しらなみの−たつたのかはを−わたるかちひと |
00020 |
未入力 (xxx)
とほつかはをちかた人やまよふらん霞の間より袖そちかつく
とほつかは−をちかたひとや−まよふらむ−かすみのまより−そてそちかつく |
00021 |
未入力 (xxx)
高せ船ゆききはみえす霞めとも声はへたてぬ淀の川長
たかせふね−ゆききはみえす−かすめとも−こゑはへたてぬ−よとのかはをさ |
00022 |
未入力 (xxx)
さはた川霞の袖はそれなから下にふかめて春そ暮行く
さはたかは−かすみのそては−それなから−したにふかめて−はるそくれゆく |
00023 |
未入力 (xxx)
高せさす淀のわたりは道絶えてまた夜深きに立つ霞かな
たかせさす−よとのわたりは−みちたえて−またよふかきに−たつかすみかな |
00024 |
未入力 (xxx)
我か身よにたつせそしらぬ飛鳥川霞は深き淵となれとも
わかみよに−たつせそしらぬ−あすかかは−かすみはふかき−ふちとなれとも |
00025 |
未入力 (xxx)
吉野川すくる岩なみ高けれとかすめる比は下くくるなり
よしのかは−すくるいはなみ−たかけれと−かすめるころは−したくくるなり |
00026 |
未入力 (xxx)
あさなあさな浮きて霞の思川なほ晴れやらて有る世なりけり
あさなあさな−うきてかすみの−おもひかは−なほはれやらて−あるよなりけり |
00027 |
未入力 (xxx)
心あてにむかひの里やなかむらん霞をわたる淀の川船
こころあてに−むかひのさとや−なかむらむ−かすみをわたる−よとのかはふね |
00028 |
未入力 (xxx)
もののふのやそうち川や霞むらん行へもみえすせせのあしろ木
もののふの−やそうちかはや−かすむらむ−ゆくへもみえす−せせのあしろき |
00029 |
未入力 (xxx)
遠近のゆききも遠くなるままに霞わかるろよとの川船
をちこちの−ゆききもとほく−なるままに−かすみわかるろ−よとのかはふね |
00030 |
未入力 (xxx)
山風や霞ふきなかせ吉野川しらゆふ花の色そくもれる
やまかせや−かすみふきなかせ−よしのかは−しらゆふはなの−いろそくもれる |
00031 |
未入力 (xxx)
吉野川はやくも春やなかるらん音さへかすむせせの岩浪
よしのかは−はやくもはるや−なかるらむ−おとさへかすむ−せせのいはなみ |
00032 |
未入力 (xxx)
きよくすむ水の心やみわ河の波も霞の衣たつらん
きよくすむ−みつのこころや−みわかはの−なみもかすみの−ころもたつらむ |
00033 |
未入力 (xxx)
おしなへて霞の衣たつた川春の色とや浪もおるらん
おしなへて−かすみのころも−たつたかは−はるのいろとや−なみもおるらむ |
00034 |
未入力 (xxx)
音羽川せきいれし人の心まてかすめは見えぬはるの曙
おとはかは−せきいれしひとの−こころまて−かすめはみえぬ−はるのあけほの |
00035 |
未入力 (xxx)
たのみこしみ山の桜けふやみる我か身夕の春のひかりを
たのみこし−みやまのさくら−けふやみる−わかみゆふへの−はるのひかりを |
00036 |
未入力 (xxx)
月影もうつろふ花にかはる色の夕を春もみよし野の山
つきかけも−うつろふはなに−かはるいろの−ゆふへをはるも−みよしののやま |
00037 |
未入力 (xxx)
尋ねても花の山辺はあかなくにいる日をかへす道をしらはや
たつねても−はなのやまへは−あかなくに−いるひをかへす−みちをしらはや |
00038 |
未入力 (xxx)
くれぬとて雲に一よの宿とへは花こそあるしみよしのの山
くれぬとて−くもにひとよの−やととへは−はなこそあるし−みよしののやま |
00039 |
未入力 (xxx)
まてしはし花下かけの夕つくひうつろふ雲にくるる山かせ
まてしはし−はなしたかけの−ゆふつくひ−うつろふくもに−くるるやまかせ |
00040 |
未入力 (xxx)
桜色の雲のはたての山風に花の錦のぬきやみたれむ
さくらいろの−くものはたての−やまかせに−はなのにしきの−ぬきやみたれむ |
00041 |
未入力 (xxx)
山のはも夕日のとけき白雲のにほふは春の花さかりかも
やまのはも−ゆふひのとけき−しらくもの−にほふははるの−はなさかりかも |
00042 |
未入力 (xxx)
けふも又とよらの鐘の入相に花にやととふかつらきの山
けふもまた−とよらのかねの−いりあひに−はなにやととふ−かつらきのやま |
00043 |
未入力 (xxx)
なかしとは花まつ程や山桜日をすかのねにくらしわひけむ
なかしとは−はなまつほとや−やまさくら−ひをすかのねに−くらしわひけむ |
00044 |
未入力 (xxx)
三吉野の里もとははや山さくら夕ゐる雲に色そうつろふ
みよしのの−さともとははや−やまさくら−ゆふゐるくもに−いろそうつろふ |
00045 |
未入力 (xxx)
山人の峰の桜ををりそへてかへるかさしもにほふはる風
やまひとの−みねのさくらを−をりそへて−かへるかさしも−にほふはるかせ |
00046 |
未入力 (xxx)
なかき日そさかりは見ゆる山桜夕ゐるまての雲にまかへて
なかきひそ−さかりはみゆる−やまさくら−ゆふゐるまての−くもにまかへて |
00047 |
未入力 (xxx)
あすもこむ風しつかなる三吉野の山の桜はけふくれぬとも
あすもこむ−かせしつかなる−みよしのの−やまのさくらは−けふくれぬとも |
00048 |
未入力 (xxx)
桜かり山路もくれぬさらすとてやとらさるへき花の陰かは
さくらかり−やまちもくれぬ−さらすとて−やとらさるへき−はなのかけかは |
00049 |
未入力 (xxx)
待つ人にとはれぬ山の桜花あたなるなにや日をくらすらん
まつひとに−とはれぬやまの−さくらはな−あたなるなにや−ひをくらすらむ |
00050 |
未入力 (xxx)
夕月夜ほのかにかかる山のはのあかても花にやとりぬるかな
ゆふつくよ−ほのかにかかる−やまのはの−あかてもはなに−やとりぬるかな |
00051 |
未入力 (xxx)
桜かりなほ行く山の遠けれはくるとも花にやとはさためし
さくらかり−なほゆくやまの−とほけれは−くるともはなに−やとはさためし |
00052 |
未入力 (xxx)
尋ねみる花もなこりやしたふらんくるるもしらす匂ふ山風
たつねみる−はなもなこりや−したふらむ−くるるもしらす−にほふやまかせ |
00053 |
未入力 (xxx)
音羽山夕ゐる雲を吹く風にさく程見ゆる花さくらかな
おとはやま−ゆふゐるくもを−ふくかせに−さくほとみゆる−はなさくらかな |
00054 |
未入力 (xxx)
いたつらに匂ふもつらし心なきいはきの山の花の夕はえ
いたつらに−にほふもつらし−こころなき−いはきのやまの−はなのゆふはえ |
00055 |
未入力 (xxx)
いさやさは花咲く山にやとしめて夕いそかむかたとくらさん
いさやさは−はなさくやまに−やとしめて−ゆふへいそかむ−かたとくらさむ |
00056 |
未入力 (xxx)
よしの山暮れなはなけの花はあれといつらは春のなかしてふ日は
よしのやま−くれなはなけの−はなはあれと−いつらははるの−なかしてふひは |
00057 |
未入力 (xxx)
此里は桜そちかきみなせ山ほとはむかひの夕暮の空
このさとは−さくらそちかき−みなせやま−ほとはむかひの−ゆふくれのそら |
00058 |
未入力 (xxx)
越えやらぬ心そしるき夕くれのまかきの山の花の下かけ
こえやらぬ−こころそしるき−ゆふくれの−まかきのやまの−はなのしたかけ |
00059 |
未入力 (xxx)
山桜たたけふのまの風にたに夕や花のさかりすくらむ
やまさくら−たたけふのまの−かせにたに−ゆふへやはなの−さかりすくらむ |
00060 |
未入力 (xxx)
暮れぬとて花にもかへるともは有りとよしみむ人はみよしのの山
くれぬとて−はなにもかへる−ともはありと−よしみむひとは−みよしののやま |
00061 |
未入力 (xxx)
初瀬山夕日のちかくなるままに峰より花の色そうつろふ
はつせやま−ゆふひのちかく−なるままに−みねよりはなの−いろそうつろふ |
00062 |
未入力 (xxx)
なかめやる雲のはたても匂ふらんたかまの峰のはなの盛は
なかめやる−くものはたても−にほふらむ−たかまのみねの−はなのさかりは |
00063 |
未入力 (xxx)
山陰のたそかれ時の花の色はおるまてなから雲とみえつつ
やまかけの−たそかれときの−はなのいろは−おるまてなから−くもとみえつつ |
00064 |
未入力 (xxx)
ちりつもる桜にうつむ山の井のあかてもくるる花の色かな
ちりつもる−さくらにうつむ−やまのゐの−あかてもくるる−はなのいろかな |
00065 |
未入力 (xxx)
しはしとてたつこの本と思へとも花にくらしつしかの山越
しはしとて−たつこのもとと−おもへとも−はなにくらしつ−しかのやまこえ |
00066 |
未入力 (xxx)
よそにたつ高間の雲の色まても桜になりぬ夕くれの空
よそにたつ−たかまのくもの−いろまても−さくらになりぬ−ゆふくれのそら |
00067 |
未入力 (xxx)
故郷はさもくれかたき春の日の花にすくなきみよしのの山
ふるさとは−さもくれかたき−はるのひの−はなにすくなき−みよしののやま |
00068 |
未入力 (xxx)
桜さく春にしなれは山のはに夕をそめぬ雲そかかれる
さくらさく−はるにしなれは−やまのはに−ゆふへをそめぬ−くもそかかれる |
00069 |
未入力 (xxx)
なかきよといたたく雪も有りふれはあふくちかひの恵なりけり
なかきよと−いたたくゆきも−ありふれは−あふくちかひの−めくみなりけり |
00070 |
未入力 (xxx)
たのみこし心にもすめ石清水むかしの袖の影やとすまて
たのみこし−こころにもすめ−いはしみつ−むかしのそての−かけやとすまて |
00071 |
未入力 (xxx)
なかきよをかねてそいのる石清水やとれる月のもとの光に
なかきよを−かねてそいのる−いはしみつ−やとれるつきの−もとのひかりに |
00072 |
未入力 (xxx)
男山さかゆく時のいかならむたたよをわたる道そくるしき
をとこやま−さかゆくときの−いかならむ−たたよをわたる−みちそくるしき |
00073 |
未入力 (xxx)
思ひやる契もふかし石清水みとせの花を外にかささて
おもひやる−ちきりもふかし−いはしみつ−みとせのはなを−ほかにかささて |
00074 |
未入力 (xxx)
あはれ我君にまかせてみつかきのひさしく物を思はすもかな
あはれわれ−きみにまかせて−みつかきの−ひさしくものを−おもはすもかな |
00075 |
未入力 (xxx)
数ならてわか身はふりぬ男山老せぬみやも哀かけなん
かすならて−わかみはふりぬ−をとこやま−おいせぬみやも−あはれかけなむ |
00076 |
未入力 (xxx)
ひよしのや光をやとす石清水心をわけてたのみそめてさ
ひよしのや−ひかりをやとす−いはしみつ−こころをわけて−たのみそめてさ |
00077 |
未入力 (xxx)
いのりこししるしあらはせ男山いはにも松のおふるためしに
いのりこし−しるしあらはせ−をとこやま−いはにもまつの−おふるためしに |
00078 |
未入力 (xxx)
たのみこしよのことわりは石清水神と君とにまかせてそまつ
たのみこし−よのことわりは−いはしみつ−かみときみとに−まかせてそまつ |
00079 |
未入力 (xxx)
神垣や照すひかりにたつちりのちかひもあたに頼みやはする
かみかきや−てらすひかりに−たつちりの−ちかひもあたに−たのみやはする |
00080 |
未入力 (xxx)
男山ゆくてふおいの榊葉のかけたのまるる道をしらはや
をとこやま−ゆくてふおいの−さかきはの−かけたのまるる−みちをしらはや |
00081 |
未入力 (xxx)
いたつらにかけし思ひそ朽ちぬへきねかひをみつの杜のしめ縄
いたつらに−かけしおもひそ−くちぬへき−ねかひをみつの−もりのしめなは |
00082 |
未入力 (xxx)
たまくしの光をやとす石清水にこらぬ人の心くむなり
たまくしの−ひかりをやとす−いはしみつ−にこらぬひとの−こころくむなり |
00083 |
未入力 (xxx)
いはし水おなし流に年を経ていのるおもひの末をしらはや
いはしみつ−おなしなかれに−としをへて−いのるおもひの−すゑをしらはや |
00084 |
未入力 (xxx)
ゆふたすきたのみをかくる陰なれはなれぬ榊の色もなつかし
ゆふたすき−たのみをかくる−かけなれは−なれぬさかきの−いろもなつかし |
00085 |
未入力 (xxx)
君か代を祈れは神もなひくらむけふゆふしてにかくる心を
きみかよを−いのれはかみも−なひくらむ−けふゆふしてに−かくるこころを |
00086 |
未入力 (xxx)
みをうしとおもひも捨てし神垣や祈るしるへの道はへたてす
みをうしと−おもひもすてし−かみかきや−いのるしるへの−みちはへたてす |
00087 |
未入力 (xxx)
後の世のやみをもてらせ八幡山神のふもとの有明の月
のちのよの−やみをもてらせ−やはたやま−かみのふもとの−ありあけのつき |
00088 |
未入力 (xxx)
やはた山神やきりけむ鳩の杖おいてさかゆく道のためとて
やはたやま−かみやきりけむ−はとのつゑ−おいてさかゆく−みちのためとて |
00089 |
未入力 (xxx)
むかしよりきよき流の石清水にこらぬ御代をいかに守らん
むかしより−きよきなかれの−いはしみつ−にこらぬみよを−いかにもるらむ |
00090 |
未入力 (xxx)
君すめはにこらぬみよに石清水わかみくつたにしつますもかな
きみすめは−にこらぬみよに−いはしみつ−わかみくつたに−しつますもかな |
00091 |
未入力 (xxx)
やはた山猶神かきに祈りみんをしかるへくもあらぬ身なれと
やはたやま−なほかみかきに−いのりみむ−をしかるへくも−あらぬみなれと |
00092 |
未入力 (xxx)
をとこ山春のめくみにもらすなよまつは久しき心なれとも
をとこやま−はるのめくみに−もらすなよ−まつはひさしき−こころなれとも |
00093 |
未入力 (xxx)
かさしこし花のかたみの岩清水ふりぬる春を哀とも見よ
かさしこし−はなのかたみの−いはしみつ−ふりぬるはるを−あはれともみよ |
00094 |
未入力 (xxx)
いつまてか世をしたひけん男山あはれをかけよこけのたもとに
いつまてか−よをしたひけむ−をとこやま−あはれをかけよ−こけのたもとに |
00095 |
未入力 (xxx)
けふまてはつれなく過きぬ男山さか行く時もしらぬものゆゑ
けふまては−つれなくすきぬ−をとこやま−さかゆくときも−しらぬものゆゑ |
00096 |
未入力 (xxx)
いはし水すみにこれるをわきて思ふ神の誓のはつかしのみや
いはしみつ−すみにこれるを−わきておもふ−かみのちかひの−はつかしのみや |
00097 |
未入力 (xxx)
さりともとちかひをたのむみや柱こと人よりも契くちめや
さりともと−ちかひをたのむ−みやはしら−ことひとよりも−ちきりくちめや |
00098 |
未入力 (xxx)
神は只人の心をいはし水すむも濁るもあはれとや見る
かみはたた−ひとのこころを−いはしみつ−すむもにこるも−あはれとやみる |
00099 |
未入力 (xxx)
わかたのむかみかみならはゆふたすき心にかくるしるしあらはせ
わかたのむ−かみかみならは−ゆふたすき−こころにかくる−しるしあらはせ |
00100 |
未入力 (xxx)
すてぬ世をかりの姿の男山あふけはもとの君もみえけり
すてぬよを−かりのすかたの−をとこやま−あふけはもとの−きみもみえけり |
00101 |
未入力 (xxx)
男山まつとせしまにふりにけりひとり老木の色もかはらて
をとこやま−まつとせしまに−ふりにけり−ひとりおいきの−いろもかはらて |
00102 |
未入力 (xxx)
わかたのむ神のみ前の榊葉にかけてそいのるしけき歎を
わかたのむ−かみのみまへの−さかきはに−かけてそいのる−しけきなけきを |