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作品集名 | 光明峰寺摂政家歌合 |
作品集名読み | こうみょうぶじせっしょうけうたあわせ |
作成年月日 | 貞永元年七月(1232年7月頃) |
場所 | 光明峰寺 (こうみょうぶじ) |
00001 |
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くれなゐのこそめのころもたちそめてこころの色をしらせつるかな
くれなゐの−こそめのころも−たちそめて−こころのいろを−しらせつるかな |
00002 |
未入力 (xxx)
山ひめのそめぬころももくれなゐの色にいててや今はこひしき
やまひめの−そめぬころもも−くれなゐの−いろにいててや−いまはこひしき |
00003 |
未入力 (xxx)
こひころもわかむらさきの色に出てて乱れそまさるしのふもちすり
こひころも−わかむらさきの−いろにいてて−みたれそまさる−しのふもちすり |
00004 |
未入力 (xxx)
秋草の露わけころもおきもせすねもせぬそてはほすひまもなし
あきくさの−つゆわけころも−おきもせす−ねもせぬそては−ほすひまもなし |
00005 |
未入力 (xxx)
しら露のささわけわひしあさころもまたうきふしのそてはかわかす
しらつゆの−ささわけわひし−あさころも−またうきふしの−そてはかわかす |
00006 |
未入力 (xxx)
須磨の海人のしほたれころも朽ちねたたほさぬためしの名さへうらめし
すまのあまの−しほたれころも−くちねたた−ほさぬためしの−なさへうらめし |
00007 |
未入力 (xxx)
如何にしてゆきてみたれむみちのくのおもひしのふのころもへにけり
いかにして−ゆきてみたれむ−みちのくの−おもひしのふの−ころもへにけり |
00008 |
未入力 (xxx)
おもひしれ胸にたく藻のしたころもうへはつれなきけふりなりとも
おもひしれ−むねにたくもの−したころも−うへはつれなき−けふりなりとも |
00009 |
未入力 (xxx)
くれなゐの初しほいそくころも手の秋のなみたや時雨なるらむ
くれなゐの−はつしほいそく−ころもての−あきのなみたや−しくれなるらむ |
00010 |
未入力 (xxx)
から衣かさねぬ夜はのあきかせはかへすにつけて夢をやはみる
からころも−かさねぬよはの−あきかせは−かへすにつけて−ゆめをやはみる |
00011 |
未入力 (xxx)
月草の花すりころもあたにのみこころの色のうつりゆくかな
つきくさの−はなすりころも−あたにのみ−こころのいろの−うつりゆくかな |
00012 |
未入力 (xxx)
から衣袖のなみたのはつしほに思ひそめたるいろをみせはや
からころも−そてのなみたの−はつしほに−おもひそめたる−いろをみせはや |
00013 |
未入力 (xxx)
つつみあまるそてのなみたのいつみかはくちなんはてはころもかせやま
つつみあまる−そてのなみたの−いつみかは−くちなむはては−ころもかせやま |
00014 |
未入力 (xxx)
さ夜ころもかへすしるしのなくさめもねられしまての夢にそありける
さよころも−かへすしるしの−なくさめも−ねられしまての−ゆめにそありける |
00015 |
未入力 (xxx)
おのつからかへすころものゆゑならて夢のたたちにあひみつるかな
おのつから−かへすころもの−ゆゑならて−ゆめのたたちに−あひみつるかな |
00016 |
未入力 (xxx)
物やおもふみのしろころもうちしめり身をしる雨におとろかれつつ
ものやおもふ−みのしろころも−うちしめり−みをしるあめに−おとろかれつつ |
00017 |
未入力 (xxx)
あま人の浪かけころもほさてのみはてはうらみの名をや立てなむ
あまひとの−なみかけころも−ほさてのみ−はてはうらみの−なをやたてなむ |
00018 |
未入力 (xxx)
いかかせんしのひしのひにそてぬれてこかくれあへぬせみの羽ころも
いかかせむ−しのひしのひに−そてぬれて−こかくれあへぬ−せみのはころも |
00019 |
未入力 (xxx)
我かおもふかたにもふかぬうら風に塩たれころもいととぬれけり
わかおもふ−かたにもふかぬ−うらかせに−しほたれころも−いととぬれけり |
00020 |
未入力 (xxx)
とほさかる身は空蝉の夏ころもなれはまさらて秋かせそふく
とほさかる−みはうつせみの−なつころも−なれはまさらて−あきかせそふく |
00021 |
未入力 (xxx)
如何にせむころもかたしきこよひさへねられぬ床にねをのみそなく
いかにせむ−ころもかたしき−こよひさへ−ねられぬとこに−ねをのみそなく |
00022 |
未入力 (xxx)
唐藍のやしほのころもふかけれとあらぬなみたの色そまかはぬ
からあゐの−やしほのころも−ふかけれと−あらぬなみたの−いろそまかはぬ |
00023 |
未入力 (xxx)
別れにし石井の水のますかかみあかぬかけさへなとにこるらむ
わかれにし−いしゐのみつの−ますかかみ−あかぬかけさへ−なとにこるらむ |
00024 |
未入力 (xxx)
ととめおきてさらぬかかみのかけにたに涙へたててえやはみえける
ととめおきて−さらぬかかみの−かけにたに−なみたへたてて−えやはみえける |
00025 |
未入力 (xxx)
あけて見ぬ二見のうらのますかかみあかぬたもとに浪やかくらん
あけてみぬ−ふたみのうらの−ますかかみ−あかぬたもとに−なみやかくらむ |
00026 |
未入力 (xxx)
行く水のはなのかかみのかけもうしあたなる色のうつりやすさは
ゆくみつの−はなのかかみの−かけもうし−あたなるいろの−うつりやすさは |
00027 |
未入力 (xxx)
みくさゐる野もりのかかみかけたえてへたてしなかはよそにたにみす
みくさゐる−のもりのかかみ−かけたえて−へたてしなかは−よそにたにみす |
00028 |
未入力 (xxx)
うきたひのなみたくもりてますかかみ面かけそはぬつらさをやみむ
うきたひの−なみたくもりて−ますかかみ−おもかけそはぬ−つらさをやみむ |
00029 |
未入力 (xxx)
あさなあさな手にもとりえすますかかみわすらるる身のかけしうつれは
あさなあさな−てにもとりえす−ますかかみ−わすらるるみの−かけしうつれは |
00030 |
未入力 (xxx)
ちはやふるみむろのかかみかけてなとこひしきかたをいのりそめけん
ちはやふる−みむろのかかみ−かけてなと−こひしきかたを−いのりそめけむ |
00031 |
未入力 (xxx)
ますかかみみえはみつへきかけにたにへたつる中をなにしたふらむ
ますかかみ−みえはみつへき−かけにたに−へたつるなかを−なにしたふらむ |
00032 |
未入力 (xxx)
ますかかみくもらぬ程のなみたにやかはるとたにもかけはみえけむ
ますかかみ−くもらぬほとの−なみたにや−かはるとたにも−かけはみえけむ |
00033 |
未入力 (xxx)
照る月のますみのかかみくもらねとわかおもふ人のかけはみえけり
てる月のま−すみのかかみく−もらねとわ−かおもふひとの−かけはみえけり |
00034 |
未入力 (xxx)
かかみ山かけとなるみのとしへてもたちよらはやはあはれにもみむ
かかみやま−かけとなるみの−としへても−たちよらはやは−あはれにもみむ |
00035 |
未入力 (xxx)
ます鏡底なるかけをみてそおもふしらぬ翁はさそいとふらむ
ますかかみ−そこなるかけを−みてそおもふ−しらぬおきなは−さそいとふらむ |
00036 |
未入力 (xxx)
ます鏡うつりしものをとはかりにとまらぬかけもかたみなりけり
ますかかみ−うつりしものを−とはかりに−とまらぬかけも−かたみなりけり |
00037 |
未入力 (xxx)
なきこふるなみたにくもれます鏡わすらるるにはかけをたにみす
なきこふる−なみたにくもれ−ますかかみ−わすらるるには−かけをたにみす |
00038 |
未入力 (xxx)
あた人のかけもとまらぬますかかみなにをかいまはかたみともみむ
あたひとの−かけもとまらぬ−ますかかみ−なにをかいまは−かたみともみむ |
00039 |
未入力 (xxx)
ますかかみみぬめの浦の名もしらすたかおもかけにかけてこふらむ
ますかかみ−みぬめのうらの−なもしらす−たかおもかけに−かけてこふらむ |
00040 |
未入力 (xxx)
うつりゆく人こそあらめますかかみわか影さへにおもかはりして
うつりゆく−ひとこそあらめ−ますかかみ−わかかけさへに−おもかはりして |
00041 |
未入力 (xxx)
さてもかくえこそかくてはやま鳥のはつをのかかみかけはなるとも
さてもかく−えこそかくては−やまとりの−はつをのかかみ−かけはなるとも |
00042 |
未入力 (xxx)
ますかかみうつれはかはるかたみかはわかみる影もあらすなりゆく
ますかかみ−うつれはかはる−かたみかは−わかみるかけも−あらすなりゆく |
00043 |
未入力 (xxx)
ますかかみわか身をしれる外に又なきてもいはむおもかけそなき
ますかかみ−わかみをしれる−ほかにまた−なきてもいはむ−おもかけそなき |
00044 |
未入力 (xxx)
かたみともあらはみつへきかけをたにとめぬならひのますかかみかな
かたみとも−あらはみつへき−かけをたに−とめぬならひの−ますかかみかな |
00045 |
未入力 (xxx)
ちきりのみあたちのま弓色にいてて今はしくれのすゑのあきかせ
ちきりのみ−あたちのまゆみ−いろにいてて−いまはしくれの−すゑのあきかせ |
00046 |
未入力 (xxx)
人はいさあたちのま弓おしかへしこころのすゑもいかかたのまむ
ひとはいさ−あたちのまゆみ−おしかへし−こころのすゑも−いかかたのまむ |
00047 |
未入力 (xxx)
みちのくのあたちのま弓すゑたわみいかなるかたになほなひくらむ
みちのくの−あたちのまゆみ−すゑたわみ−いかなるかたに−なほなひくらむ |
00048 |
未入力 (xxx)
かり人のひくやゆすゑのよるさへやたゆまぬ関のもるにまとはむ
かりひとの−ひくやゆすゑの−よるさへや−たゆまぬせきの−もるにまとはむ |
00049 |
未入力 (xxx)
ひきとめよあり明の月のしらま弓かへるさいそく人のわかれ路
ひきとめよ−ありあけのつきの−しらまゆみ−かへるさいそく−ひとのわかれち |
00050 |
未入力 (xxx)
わかかたによるとちきらぬあつさ弓おしてはいかか人をたのまむ
わかかたに−よるとちきらぬ−あつさゆみ−おしてはいかか−ひとをたのまむ |
00051 |
未入力 (xxx)
わかこひはよしののおくのやま人のとつかはま弓ひけとよわらす
わかこひは−よしののおくの−やまひとの−とつかはまゆみ−ひけとよわらす |
00052 |
未入力 (xxx)
たつか弓ひきののくさの葉すゑよりおきふしそてに露そこほるる
たつかゆみ−ひきののくさの−はすゑより−おきふしそてに−つゆそこほるる |
00053 |
未入力 (xxx)
あつさ弓おきふししけくまたれてもはてははかなくあくるしののめ
あつさゆみ−おきふししけく−またれても−はてははかなく−あくるしののめ |
00054 |
未入力 (xxx)
あつさゆみいくたの河に身をすてし名をのみをしむあとそはかなき
あつさゆみ−いくたのかはに−みをすてし−なをのみをしむ−あとそはかなき |
00055 |
未入力 (xxx)
つらきをはうらみもはてすあつさ弓こころよわくもなほこふるかな
つらきをは−うらみもはてす−あつさゆみ−こころよわくも−なほこふるかな |
00056 |
未入力 (xxx)
人こころあたちのま弓たのますよひくてあまたにかはるちきりは
ひとこころ−あたちのまゆみ−たのますよ−ひくてあまたに−かはるちきりは |
00057 |
未入力 (xxx)
つれなさのためしにひかんあつさ弓おもひよわらぬこころつよさを
つれなさの−ためしにひかむ−あつさゆみ−おもひよわらぬ−こころつよさを |
00058 |
未入力 (xxx)
あつさ弓いるののをささむすひてもよよのちきりのひくかたそなき
あつさゆみ−いるののをささ−むすひても−よよのちきりの−ひくかたそなき |
00059 |
未入力 (xxx)
なほたのめあつさのま弓ひくにてもあらきよりこそしなひそむなれ
なほたのめ−あつさのまゆみ−ひくにても−あらきよりこそ−しなひそむなれ |
00060 |
未入力 (xxx)
おもひあれは年の三とせのあつさ弓こころよわさをよそにやはきく
おもひあれは−としのみとせの−あつさゆみ−こころよわさを−よそにやはきく |
00061 |
未入力 (xxx)
引きすてて手にたにとらぬあつさ弓またわかかたにかへりやはせん
ひきすてて−てにたにとらぬ−あつさゆみ−またわかかたに−かへりやはせむ |
00062 |
未入力 (xxx)
いさや又人のつらさもしらまゆみひくかたにこそこころよるらめ
いさやまた−ひとのつらさも−しらまゆみ−ひくかたにこそ−こころよるらめ |
00063 |
未入力 (xxx)
あつさ弓すゑののはらのはるのくさかれぬこころの色をみせはや
あつさゆみ−すゑののはらの−はるのくさ−かれぬこころの−いろをみせはや |
00064 |
未入力 (xxx)
色かはるあたちのま弓ひきかへしまたはよりこんすゑもたのます
いろかはる−あたちのまゆみ−ひきかへし−またはよりこむ−すゑもたのます |
00065 |
未入力 (xxx)
おもふことまつほにいててあつさゆみいるののすすきあきかせそふく
おもふこと−まつほにいてて−あつさゆみ−いるののすすき−あきかせそふく |
00066 |
未入力 (xxx)
さても又なほやうらみんあつさ弓いてやと人のおもふものから
さてもまた−なほやうらみむ−あつさゆみ−いてやとひとの−おもふものから |
00067 |
未入力 (xxx)
きえかへり袖にくたくるなみたゆゑこひちにひろふ玉もはかなし
きえかへり−そてにくたくる−なみたゆゑ−こひちにひろふ−たまもはかなし |
00068 |
未入力 (xxx)
かひもなしとへとしらたまみたれつつこたへぬ袖のつゆのかたみは
かひもなし−とへとしらたま−みたれつつ−こたへぬそての−つゆのかたみは |
00069 |
未入力 (xxx)
くろ髪のみたれてよわるねをそなくなみたの玉のぬきもととめす
くろかみの−みたれてよわる−ねをそなく−なみたのたまの−ぬきもととめす |
00070 |
未入力 (xxx)
ををたえしかさしの玉とみゆるはかり君にくたくるそてのしら玉
ををたえし−かさしのたまと−みゆるはかり−きみにくたくる−そてのしらたま |
00071 |
未入力 (xxx)
なけけたたみぬめのなみたはてはまたよし玉緒もたえぬはかりに
なけけたた−みぬめのなみた−はてはまた−よしたまのをも−たえぬはかりに |
00072 |
未入力 (xxx)
しら玉かなにそとまよふ袖もかなあまるなみたの色もしのはむ
しらたまか−なにそとまよふ−そてもかな−あまるなみたの−いろもしのはむ |
00073 |
未入力 (xxx)
いかにせんぬしはたれともしらたまのとへとこたへぬあたのかたみは
いかにせむ−ぬしはたれとも−しらたまの−とへとこたへぬ−あたのかたみは |
00074 |
未入力 (xxx)
いせしまやおきつしら玉よそにのみなみたくたくるそてのうへかな
いせしまや−おきつしらたま−よそにのみ−なみたくたくる−そてのうへかな |
00075 |
未入力 (xxx)
しら玉かとはかりいひしゆくへとて露をもあたにおもひやはする
しらたまか−とはかりいひし−ゆくへとて−つゆをもあたに−おもひやはする |
00076 |
未入力 (xxx)
人こころよのうきよりはうきたひの袖にそひろふ滝のしら玉
ひとこころ−よのうきよりは−うきたひの−そてにそひろふ−たきのしらたま |
00077 |
未入力 (xxx)
こひわふるなみたの玉にみつしほの袖しのうらはひるひまもなし
こひわふる−なみたのたまに−みつしほの−そてしのうらは−ひるひまもなし |
00078 |
未入力 (xxx)
塩みてはたまもひろはぬ袖のうらなみたのかすをなににまかへむ
しほみては−たまもひろはぬ−そてのうら−なみたのかすを−なににまかへむ |
00079 |
未入力 (xxx)
よるひかるたまかと人をみてしよりそのおもかけにますかけそなき
よるひかる−たまかとひとを−みてしより−そのおもかけに−ますかけそなき |
00080 |
未入力 (xxx)
あはてふるあわをのすちにぬく玉のみたれてよわきなみたなりけり
あはてふる−あわをのすちに−ぬくたまの−みたれてよわき−なみたなりけり |
00081 |
未入力 (xxx)
人しれぬ秋のちきりのなかりせは玉のかさしはかへらさらまし
ひとしれぬ−あきのちきりの−なかりせは−たまのかさしは−かへらさらまし |
00082 |
未入力 (xxx)
あたなたつこころはかりはきよけれと玉ならぬ身はけにそかなしき
あたなたつ−こころはかりは−きよけれと−たまならぬみは−けにそかなしき |
00083 |
未入力 (xxx)
岩のうへのたきつしら玉いたつらにおもひくたけてこひやわたらむ
いはのうへの−たきつしらたま−いたつらに−おもひくたけて−こひやわたらむ |
00084 |
未入力 (xxx)
いつまてかそてのたきつせおろかなるなみたの玉といひけたれけむ
いつまてか−そてのたきつせ−おろかなる−なみたのたまと−いひけたれけむ |
00085 |
未入力 (xxx)
玉の緒のさしもみしかきすゑの夜の一夜はかりはあふかひもなし
たまのをの−さしもみしかき−すゑのよの−ひとよはかりは−あふかひもなし |
00086 |
未入力 (xxx)
かつきせし浪の中にもしらさりき人をみぬめの袖のしらたま
かつきせし−なみのうちにも−しらさりき−ひとをみぬめの−そてのしらたま |
00087 |
未入力 (xxx)
いとと又なみたの露もおちそひぬたまのをなかく人をこふとて
いととまた−なみたのつゆも−おちそひぬ−たまのをなかく−ひとをこふとて |
00088 |
未入力 (xxx)
はてはまたゆきわかれつつたまのをのなかきちきりはむすはさりけり
はてはまた−ゆきわかれつつ−たまのをの−なかきちきりは−むすはさりけり |
00089 |
未入力 (xxx)
せくとこのうらわのもしほかくとのみ枕のうへそけふりたえせぬ
せくとこの−うらわのもしほ−かくとのみ−まくらのうへそ−けふりたえせぬ |
00090 |
未入力 (xxx)
なみたもる枕やこひをしりぬらむさためかねてはうちもねぬ夜に
なみたもる−まくらやこひを−しりぬらむ−さためかねては−うちもねぬよに |
00091 |
未入力 (xxx)
時雨れゆくもみちのしたのかりまくらあたなる秋の色にこひつつ
しくれゆく−もみちのしたの−かりまくら−あたなるあきの−いろにこひつつ |
00092 |
未入力 (xxx)
忘れすよ三とせの後のにひまくらさたむはかりの月日なりとも
わすれすよ−みとせののちの−にひまくら−さたむはかりの−つきひなりとも |
00093 |
未入力 (xxx)
敷妙のとこのみをなるなみたには枕なかれてみるゆめもなし
しきたへの−とこのみをなる−なみたには−まくらなかれて−みるゆめもなし |
00094 |
未入力 (xxx)
なほさりのまくらはかりやのこるらむいかにねしよのゆめのかたみに
なほさりの−まくらはかりや−のこるらむ−いかにねしよの−ゆめのかたみに |
00095 |
未入力 (xxx)
よしさらはあふせにみえよ名とり河つけの枕のよよのむもれ木
よしさらは−あふせにみえよ−なとりかは−つけのまくらの−よよのうもれき |
00096 |
未入力 (xxx)
なけきわひさてあるほとのおもひねにむすひもはてぬゆめの手枕
なけきわひ−さてあるほとの−おもひねに−むすひもはてぬ−ゆめのたまくら |
00097 |
未入力 (xxx)
さはかりにつもるなみたをしきたへの枕そこひの淵となりぬる
さはかりに−つもるなみたを−しきたへの−まくらそこひの−ふちとなりぬる |
00098 |
未入力 (xxx)
何に又まくらの塵をはらふらむこぬ夜のかすはつもるものから
なににまた−まくらのちりを−はらふらむ−こぬよのかすは−つもるものから |
00099 |
未入力 (xxx)
人しれすおつるなみたのたきまくら音にはたてすこひわたるかな
ひとしれす−おつるなみたの−たきまくら−おとにはたてす−こひわたるかな |
00100 |
未入力 (xxx)
うきなからひとりやねなんわたつうみとあれゆく床のなみのまくらに
うきなから−ひとりやねなむ−わたつうみと−あれゆくとこの−なみのまくらに |
00101 |
未入力 (xxx)
こも枕たかせのよとにさすさてのさてや恋ちにしほれはつへき
こもまくら−たかせのよとに−さすさての−さてやこひちに−しほれはつへき |
00102 |
未入力 (xxx)
おもふことありとはかりはしらるともかかる枕のつゆはもらさし
おもふこと−ありとはかりは−しらるとも−かかるまくらの−つゆはもらさし |
00103 |
未入力 (xxx)
袖のうへの露をあやめてしきたへのまくらの外はひとやしるらむ
そてのうへの−つゆをあやめて−しきたへの−まくらのほかは−ひとやしるらむ |
00104 |
未入力 (xxx)
たのめねとたたあらましのよひよひにまくらの塵をうちはらひつつ
たのめねと−たたあらましの−よひよひに−まくらのちりを−うちはらひつつ |
00105 |
未入力 (xxx)
なみた川わたらぬなかになかるなりまくらのしたの淵となるまて
なみたかは−わたらぬなかに−なかるなり−まくらのしたの−ふちとなるまて |
00106 |
未入力 (xxx)
草まくらあたにむすひし夢なれとさもわすられすのこるおもかけ
くさまくら−あたにむすひし−ゆめなれと−さもわすられす−のこるおもかけ |
00107 |
未入力 (xxx)
まつ人のこすけの枕あはれなとつらきなにしもむすひそめけん
まつひとの−こすけのまくら−あはれなと−つらきなにしも−むすひそめけむ |
00108 |
未入力 (xxx)
たちいつるうき名は塵にうつもれて払はぬねやのつけのをまくら
たちいつる−うきなはちりに−うつもれて−はらはぬねやの−つけのをまくら |
00109 |
未入力 (xxx)
敷妙のまくらたにせてみる夢はさむるとまてもしる人そなき
しきたへの−まくらたにせて−みるゆめは−さむるとまても−しるひとそなき |
00110 |
未入力 (xxx)
にこり江にかけみぬ水や塵つもるまくらのしたのなみたなるらむ
にこりえに−かけみぬみつや−ちりつもる−まくらのしたの−なみたなるらむ |
00111 |
未入力 (xxx)
待ちわふるわかなみたさへむすほほれ逢ひみぬなかにとけぬ下おひ
まちわふる−わかなみたさへ−むすほほれ−あひみぬなかに−とけぬしたおひ |
00112 |
未入力 (xxx)
かりそめにむすひすてたる下帯をなかきちきりとなほやしのはむ
かりそめに−むすひすてたる−したおひを−なかきちきりと−なほやしのはむ |
00113 |
未入力 (xxx)
いまそしるかことはかりをひたち帯のとくともとけしこころたゆまて
いまそしる−かことはかりを−ひたちおひの−とくともとけし−こころたゆまて |
00114 |
未入力 (xxx)
如何にせむうへはつれなき下帯の別れしみちにめくりあはすは
いかにせむ−うへはつれなき−したおひの−わかれしみちに−めくりあはすは |
00115 |
未入力 (xxx)
あさはたのしつかかり帯のあたにのみ文もむすはぬちきりなれとや
あさはたの−しつかかりおひの−あたにのみ−ふみもむすはぬ−ちきりなれとや |
00116 |
未入力 (xxx)
あしのやのしつはた帯のかりそめを結ふちきりとたのみやはする
あしのやの−しつはたおひの−かりそめを−むすふちきりと−たのみやはする |
00117 |
未入力 (xxx)
めくりあはむちきりもしらぬひたち帯のひたみちにのみこひやわたらむ
めくりあはむ−ちきりもしらぬ−ひたちおひの−ひたみちにのみ−こひやわたらむ |
00118 |
未入力 (xxx)
むらさきのこそめの帯のかたむすひとけてぬるよのかきりしらせよ
むらさきの−こそめのおひの−かたむすひ−とけてぬるよの−かきりしらせよ |
00119 |
未入力 (xxx)
恋をのみしつはたおひのむかしよりたえぬうらみやむすひおきけむ
こひをのみ−しつはたおひの−むかしより−たえぬうらみや−むすひおきけむ |
00120 |
未入力 (xxx)
むすひおきし花田のおひのいくよへてあはぬにかへる色はみゆらん
むすひおきし−はなたのおひの−いくよへて−あはぬにかへる−いろはみゆらむ |
00121 |
未入力 (xxx)
ちきりをはいかなるおひにむすひけんなれにしなかもいまはたえつつ
ちきりをは−いかなるおひに−むすひけむ−なれにしなかも−いまはたえつつ |
00122 |
未入力 (xxx)
こころのみ花田の帯の一すちにうつろふ色はいふかひもなし
こころのみ−はなたのおひの−ひとすちに−うつろふいろは−いふかひもなし |
00123 |
未入力 (xxx)
こひをのみしつはたおひのむすほほれこころしとけはそれもとけなん
こひをのみ−しつはたおひの−むすほほれ−こころしとけは−それもとけなむ |
00124 |
未入力 (xxx)
あし引の山田にならすひたちおひのかりにもとけぬちきりなりけり
あしひきの−やまたにならす−ひたちおひの−かりにもとけぬ−ちきりなりけり |
00125 |
未入力 (xxx)
月草のはなたのおひのとけそめてうらみにかへるはてそかなしき
つきくさの−はなたのおひの−とけそめて−うらみにかへる−はてそかなしき |
00126 |
未入力 (xxx)
むすひおきしちきりたえすは山しろのゐてのしたおひめくりあひなむ
むすひおきし−ちきりたえすは−やましろの−ゐてのしたおひ−めくりあひなむ |
00127 |
未入力 (xxx)
山かつのしつはたおひのいくかへりとけてかひなきおもひそふらむ
やまかつの−しつはたおひの−いくかへり−とけてかひなき−おもひそふらむ |
00128 |
未入力 (xxx)
いしかはやあはにちきりやむすひおきしはなたのおひのかへりやすさは
いしかはや−あはにちきりや−むすひおきし−はなたのおひの−かへりやすさは |
00129 |
未入力 (xxx)
ちきりのみしつはたおひをむすひてもなほしたはるるむかしなりけり
ちきりのみ−しつはたおひを−むすひても−なほしたはるる−むかしなりけり |
00130 |
未入力 (xxx)
しらさりきしつはたおひのめくりあひてむすほほれけるちきりありとは
しらさりき−しつはたおひの−めくりあひて−むすほほれける−ちきりありとは |
00131 |
未入力 (xxx)
さても又身をははなれぬ下おひのゆきわかるるやちきりなるらむ
さてもまた−みをははなれぬ−したおひの−ゆきわかるるや−ちきりなるらむ |
00132 |
未入力 (xxx)
いにしへのちきりもいかにむすひけんしつはたおひのとけぬこころは
いにしへの−ちきりもいかに−むすひけむ−しつはたおひの−とけぬこころは |
00133 |
未入力 (xxx)
あはぬ夜はみたれやわふるささかにの逢ふをかきりにとしをへにけり
あはぬよは−みたれやわふる−ささかにの−あふをかきりに−としをへにけり |
00134 |
未入力 (xxx)
ささかにのてたまもゆらにひくいとのくるれは人をまたぬ夜そなき
ささかにの−てたまもゆらに−ひくいとの−くるれはひとを−またぬよそなき |
00135 |
未入力 (xxx)
夏引のいとしもなれしおもかけはたえてみしかき後そかなしき
なつひきの−いとしもなれし−おもかけは−たえてみしかき−のちそかなしき |
00136 |
未入力 (xxx)
あふまてのちきりもまたす夏引の手ひきのいとのこひのみたれは
あふまての−ちきりもまたす−なつひきの−てひきのいとの−こひのみたれは |
00137 |
未入力 (xxx)
さらに又なるるとまてもたのまれすおのか手引のいとのみたれは
さらにまた−なるるとまても−たのまれす−おのかてひきの−いとのみたれは |
00138 |
未入力 (xxx)
たかために人のかたいとよりかけてわか玉のをのたえんとすらむ
たかために−ひとのかたいと−よりかけて−わかたまのをの−たえむとすらむ |
00139 |
未入力 (xxx)
青柳のはなたのいとのかたよりにあふよもしらぬ名こそつらけれ
あをやきの−はなたのいとの−かたよりに−あふよもしらぬ−なこそつらけれ |
00140 |
未入力 (xxx)
あはぬ夜のうきふしことにかたいとのこなたかなたにものやおもはん
あはぬよの−うきふしことに−かたいとの−こなたかなたに−ものやおもはむ |
00141 |
未入力 (xxx)
くるる日のちきりもいまはかたいとのいかなるふしになかはたえなむ
くるるひの−ちきりもいまは−かたいとの−いかなるふしに−なかはたえなむ |
00142 |
未入力 (xxx)
夏引の手ひきのいとのたれゆゑにたえぬおもひもみたれそめけん
なつひきの−てひきのいとの−たれゆゑに−たえぬおもひも−みたれそめけむ |
00143 |
未入力 (xxx)
くりかへしあはれはかけよかたいとのあはてもたえぬこころなかさを
くりかへし−あはれはかけよ−かたいとの−あはてもたえぬ−こころなかさを |
00144 |
未入力 (xxx)
あふことはおもひもよらてかたいとのこなたかなたにとしはへにけり
あふことは−おもひもよらて−かたいとの−こなたかなたに−としはへにけり |
00145 |
未入力 (xxx)
ふかき色のほとをみよとや唐あゐのちしほのいとのまつみたれつつ
ふかきいろの−ほとをみよとや−からあゐの−ちしほのいとの−まつみたれつつ |
00146 |
未入力 (xxx)
いかかせむあふことしらぬかたいとのよるはすからにみたれわひつつ
いかかせむ−あふことしらぬ−かたいとの−よるはすからに−みたれわひつつ |
00147 |
未入力 (xxx)
なにと又うきふしなからあは糸のたえぬちきりのむすほほるらん
なにとまた−うきふしなから−あはいとの−たえぬちきりの−むすほほるらむ |
00148 |
未入力 (xxx)
たまをにやかけてむすはんかたいとのみたれてあはぬ人のこころに
たまをにや−かけてむすはむ−かたいとの−みたれてあはぬ−ひとのこころに |
00149 |
未入力 (xxx)
なかなかにたえぬもくるし夏引のいとふこころのほとは見えにき
なかなかに−たえぬもくるし−なつひきの−いとふこころの−ほとはみえにき |
00150 |
未入力 (xxx)
うつりにし人のこころもかたいとのあはてやからくこのよへたてむ
うつりにし−ひとのこころも−かたいとの−あはてやからく−このよへたてむ |
00151 |
未入力 (xxx)
たえさらむこころもしらすしら糸のあわをにむすふ中のちきりは
たえさらむ−こころもしらす−しらいとの−あわをにむすふ−なかのちきりは |
00152 |
未入力 (xxx)
かかりけるちきりもつらしかたいとのいかなる色におもひよりけん
かかりける−ちきりもつらし−かたいとの−いかなるいろに−おもひよりけむ |
00153 |
未入力 (xxx)
かくしつついつたえはてんしらいとのうきふししけくなりまさりつつ
かくしつつ−いつたえはてむ−しらいとの−うきふししけく−なりまさりつつ |
00154 |
未入力 (xxx)
うち返しころもかたしく狭むしろに人のこころをみるゆめもかな
うちかへし−ころもかたしく−さむしろに−ひとのこころを−みるゆめもかな |
00155 |
未入力 (xxx)
よしさらはなみたの下にくちもせよ身さへなかるる床の狭席
よしさらは−なみたのしたに−くちもせよ−みさへなかるる−とこのさむしろ |
00156 |
未入力 (xxx)
笛竹のふしみの里のすかむしろねにのみなきてひとりかもねむ
ふえたけの−ふしみのさとの−すかむしろ−ねにのみなきて−ひとりかもねむ |
00157 |
未入力 (xxx)
あつまのの露のかりねのかやむしろみゆらんきえてしきしのふとは
あつまのの−つゆのかりねの−かやむしろ−みゆらむきえて−しきしのふとは |
00158 |
未入力 (xxx)
あふことはかりほの小田のいなむしろ露たにそてのかわきやはする
あふことは−かりほのをたの−いなむしろ−つゆたにそての−かわきやはする |
00159 |
未入力 (xxx)
いたつらにくらせるよひの狭むしろはゆめをたのみてねんかたもなし
いたつらに−くらせるよひの−さむしろは−ゆめをたのみて−ねむかたもなし |
00160 |
未入力 (xxx)
くちねたた人やあやめむあやむしろをになるまてもしきしのへとも
くちねたた−ひとやあやめむ−あやむしろ−をになるまても−しきしのへとも |
00161 |
未入力 (xxx)
はかなしやその夜のゆめをかたみにてうつつもつらき床のさむしろ
はかなしや−そのよのゆめを−かたみにて−うつつもつらき−とこのさむしろ |
00162 |
未入力 (xxx)
あや筵なみたの露のたてぬきにたれおりそめてしきしのふらん
あやむしろ−なみたのつゆの−たてぬきに−たれおりそめて−しきしのふらむ |
00163 |
未入力 (xxx)
おもひねのなみたのかすにしきかへて下に朽ちゆく床のさむしろ
おもひねの−なみたのかすに−しきかへて−したにくちゆく−とこのさむしろ |
00164 |
未入力 (xxx)
いはかねのこりしく山のこけむしろぬるともなしになけくころかな
いはかねの−こりしくやまの−こけむしろ−ぬるともなしに−なけくころかな |
00165 |
未入力 (xxx)
今夜こそこぬもつらけれひとりねのわかさむしろにあき風そふく
こよひこそ−こぬもつらけれ−ひとりねの−わかさむしろに−あきかせそふく |
00166 |
未入力 (xxx)
へたてなきすきまの風もおのつから猶さむしろの夜半の手枕
へたてなき−すきまのかせも−おのつから−なほさむしろの−よはのたまくら |
00167 |
未入力 (xxx)
待つ夜のみむなしき床のあやむしろくるれはこりすなほはらふかな
まつよのみ−むなしきとこの−あやむしろ−くるれはこりす−なほはらふかな |
00168 |
未入力 (xxx)
狭筵にひとりぬる夜の夢もみつけにならはしの風はふきけり
さむしろに−ひとりぬるよの−ゆめもみつ−けにならはしの−かせはふきけり |
00169 |
未入力 (xxx)
独ねしかりそめふしのかやむしろいまはなみたをかさねてそしく
ひとりねし−かりそめふしの−かやむしろ−いまはなみたを−かさねてそしく |
00170 |
未入力 (xxx)
さてもなほ敷きしのふてふいなむしろ河そひやなき浪はこすとも
さてもなほ−しきしのふてふ−いなむしろ−かはそひやなき−なみはこすとも |
00171 |
未入力 (xxx)
払ふへき袖さへくちぬいたつらに塵のみつもる床のさむしろ
はらふへき−そてさへくちぬ−いたつらに−ちりのみつもる−とこのさむしろ |
00172 |
未入力 (xxx)
ひとりねの夜をさむしろの霜をたにおきところなきこころともみよ
ひとりねの−よをさむしろの−しもをたに−おきところなき−こころともみよ |
00173 |
未入力 (xxx)
たえてなほまちみんものかあやむしろほさぬなみたにをさへくちなは
たえてなほ−まちみむものか−あやむしろ−ほさぬなみたに−をさへくちなは |
00174 |
未入力 (xxx)
うきものとさのみや塵のつもるらむぬる夜わするる床のさむしろ
うきものと−さのみやちりの−つもるらむ−ぬるよわするる−とこのさむしろ |
00175 |
未入力 (xxx)
なみたもるとこの狭むしろうきなからうへはつれなくしきしのひつつ
なみたもる−とこのさむしろ−うきなから−うへはつれなく−しきしのひつつ |
00176 |
未入力 (xxx)
袖のうらよするなみたも色そへていととちしほのあけのそほ舟
そてのうら−よするなみたも−いろそへて−いととちしほの−あけのそほふね |
00177 |
未入力 (xxx)
にこり江にうきみこかるるもかり舟はてはゆききのかけたにもみす
にこりえに−うきみこかるる−もかりふね−はてはゆききの−かけたにもみす |
00178 |
未入力 (xxx)
あらたまの年の緒なかくまつらふねいくよになりぬ浪ちへたてて
あらたまの−としのをなかく−まつらふね−いくよになりぬ−なみちへたてて |
00179 |
未入力 (xxx)
白妙の袖のうらなみよるよるはもろこし舟やこきわたるらむ
しろたへの−そてのうらなみ−よるよるは−もろこしふねや−こきわたるらむ |
00180 |
未入力 (xxx)
うきなかのあしかりをふねこきまよひ猶おなし江にまたやこかれむ
うきなかの−あしかりをふね−こきまよひ−なほおなしえに−またやこかれむ |
00181 |
未入力 (xxx)
いかなりし風のしるへのなみのまにおもはぬかたのあまのすてふね
いかなりし−かせのしるへの−なみのまに−おもはぬかたの−あまのすてふね |
00182 |
未入力 (xxx)
浪たかき人のこころのあらいそはまかちしけぬきよるふねそなき
なみたかき−ひとのこころの−あらいそは−まかちしけぬき−よるふねそなき |
00183 |
未入力 (xxx)
みるめなきしかつのあまのいさりふね君をはよそにこかれてそふる
みるめなき−しかつのあまの−いさりふね−きみをはよそに−こかれてそふる |
00184 |
未入力 (xxx)
またしらぬなみちはるかにゆく舟の風をたよりにこひやわたらん
またしらぬ−なみちはるかに−ゆくふねの−かせをたよりに−こひやわたらむ |
00185 |
未入力 (xxx)
葦しけきおなし湊にこくふねも月日はかりはさはらさりけり
あししけき−おなしみなとに−こくふねも−つきひはかりは−さはらさりけり |
00186 |
未入力 (xxx)
こきいつるおきつ波間のあまをふねうらみしほとにとほさかりつつ
こきいつる−おきつなみまの−あまをふね−うらみしほとに−とほさかりつつ |
00187 |
未入力 (xxx)
わすらるる身はすてふねのうかみ出ててみるめのうらもとほさかるなり
わすらるる−みはすてふねの−うかひいてて−みるめのうらも−とほさかるなり |
00188 |
未入力 (xxx)
うらめしなあふ事なみにこくふねもまつとしきけはよするならひを
うらめしな−あふことなみに−こくふねも−まつとしきけは−よするならひを |
00189 |
未入力 (xxx)
風をいたみとまりもしらてゆく舟のうきてはかなき身のちきりかな
かせをいたみ−とまりもしらて−ゆくふねの−うきてはかなき−みのちきりかな |
00190 |
未入力 (xxx)
おきてゆくうきねの床のわかれちはちきりおくへきくさの葉もなし
おきてゆく−うきねのとこの−わかれちは−ちきりおくへき−くさのはもなし |
00191 |
未入力 (xxx)
あまを舟われをはよそにみくまのの浦よりをちにとほさかりぬる
あまをふね−われをはよそに−みくまのの−うらよりをちに−とほさかりぬる |
00192 |
未入力 (xxx)
玉江こくあしかりをふねゆきなやみみのうきからに又やさはらむ
たまえこく−あしかりをふね−ゆきなやみ−みのうきからに−またやさはらむ |
00193 |
未入力 (xxx)
うらむれとゆきあふみちはかたたふねさてもかひなき名こそつらけれ
うらむれと−ゆきあふみちは−かたたふね−さてもかひなき−なこそつらけれ |
00194 |
未入力 (xxx)
おもひ川さします舟のみなれさをわかてにとりていつかわたらん
おもひかは−さしますふねの−みなれさを−わかてにとりて−いつかわたらむ |
00195 |
未入力 (xxx)
いかにせん丹生の河なみよるたにもかよはぬ舟のうきななかさは
いかにせむ−にふのかはなみ−よるたにも−かよはぬふねの−うきななかさは |
00196 |
未入力 (xxx)
浪のうへはさとのしるへにあらねとも恨みなれたるあまのつりふね
なみのうへは−さとのしるへに−あらねとも−うらみなれたる−あまのつりふね |
00197 |
未入力 (xxx)
湊いるあまのをふねのあしわけに又このくれもまちそわつらふ
みなといる−あまのをふねの−あしわけに−またこのくれも−まちそわつらふ |
00198 |
未入力 (xxx)
須磨の海人のあさなゆふなにひく網のかけてもこひぬ浪の間そなき
すまのあまの−あさなゆふなに−ひくあみの−かけてもこひぬ−なみのまそなき |
00199 |
未入力 (xxx)
志賀の海人の網のうけなはうきなからたえぬうらみはなほそくるしき
しかのあまの−あみのうけなは−うきなから−たえぬうらみは−なほそくるしき |
00200 |
未入力 (xxx)
あま人の手引のあみのくるとあくとめかれぬこひにそてや朽ちなむ
あまひとの−てひきのあみの−くるとあくと−めかれぬこひに−そてやくちなむ |
00201 |
未入力 (xxx)
人こころあたなる名のみたつしきのあみのゆく手になにかかるらん
ひとこころ−あたなるなのみ−たつしきの−あみのゆくてに−なにかかるらむ |
00202 |
未入力 (xxx)
なかかれとなにひきかけてたのみけんおもはぬかたの網のうけ縄
なかかれと−なにひきかけて−たのみけむ−おもはぬかたの−あみのうけなは |
00203 |
未入力 (xxx)
よとともに浪ちへたててひく網のたえぬうらみはさてやくちなん
よとともに−なみちへたてて−ひくあみの−たえぬうらみは−さてやくちなむ |
00204 |
未入力 (xxx)
伊勢の海たえぬうらみにひく網のめにあまりぬるわかなみたかな
いせのうみ−たえぬうらみに−ひくあみの−めにあまりぬる−わかなみたかな |
00205 |
未入力 (xxx)
年へぬる網の手縄のうちはへてこころひとつをかけぬ日はなし
としへぬる−あみのたなはの−うちはへて−こころひとつを−かけぬひはなし |
00206 |
未入力 (xxx)
恋すてふ袖しのうらにひくあみのめにもたまらぬなみたなりけり
こひすてふ−そてしのうらに−ひくあみの−めにもたまらぬ−なみたなりけり |
00207 |
未入力 (xxx)
浦人のかたをさためてひくあみもくるしとのみや身をしほるらむ
うらひとの−かたをさためて−ひくあみも−くるしとのみや−みをしほるらむ |
00208 |
未入力 (xxx)
しかの海人のあさなゆふなに引く網のほすまもしらすぬるる袖かな
しかのあまの−あさなゆふなに−ひくあみの−ほすまもしらす−ぬるるそてかな |
00209 |
未入力 (xxx)
かすならす身をはうらわにおく網のうけひく人もなきおもひかな
かすならす−みをはうらわに−おくあみの−うけひくひとも−なきおもひかな |
00210 |
未入力 (xxx)
ひく網のめならふ浦のひとなみも身のうきかたはかけはなれにき
ひくあみの−めならふうらの−ひとなみも−みのうきかたは−かけはなれにき |
00211 |
未入力 (xxx)
あふこともいまはなきさにほす網のかわくをみてもそてそかなしき
あふことも−いまはなきさに−ほすあみの−かわくをみても−そてそかなしき |
00212 |
未入力 (xxx)
おもふともいかかたのまむたれとなくひくてあまたのあみのうけ縄
おもふとも−いかかたのまむ−たれとなく−ひくてあまたの−あみのうけなは |
00213 |
未入力 (xxx)
おく網のしけき人めにことよせてまたことうらにひくこころかな
おくあみの−しけきひとめに−ことよせて−またことうらに−ひくこころかな |
00214 |
未入力 (xxx)
よしさらはうらみもはてよひく網のめならふ人にこころおくとて
よしさらは−うらみもはてよ−ひくあみの−めならふひとに−こころおくとて |
00215 |
未入力 (xxx)
いせの海おもはぬかたにひくあみの我には人のこころおくらむ
いせのうみ−おもはぬかたに−ひくあみの−われにはひとの−こころおくらむ |
00216 |
未入力 (xxx)
見し人をしのふの海にひくあみのくるしやかくはまなくぬるらん
みしひとを−しのふのうみに−ひくあみの−くるしやかくは−まなくぬるらむ |
00217 |
未入力 (xxx)
うきめかるあまのしわさにおく網のたれうけひけとうらみそめけん
うきめかる−あまのしわさに−おくあみの−たれうけひけと−うらみそめけむ |
00218 |
未入力 (xxx)
たえすひく網のうけ縄うきてのみよるへくるしき身のちきりかな
たえすひく−あみのうけなは−うきてのみ−よるへくるしき−みのちきりかな |
00219 |
未入力 (xxx)
おく網のひくてあまたに袖ぬれてさてもうらみぬ浪の間そなき
おくあみの−ひくてあまたに−そてぬれて−さてもうらみぬ−なみのまそなき |