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三十六人歌合


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作品集名三十六人歌合 
作品集名読みさんじゅうろくにんうたあわせ 
作成年月日弘長二年九月(1262年10月半ば過ぎあたり頃)
場所 

00001
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はれかたき身の思ひこそうかりけれ霞める月も秋やまつらむ

はれかたき-みのおもひこそ-うかりけれ-かすめるつきも-あきやまつらむ


00002
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あけかたの天の戸わたる月かけにうき人さへや衣うつらん

あけかたの-あまのとわたる-つきかけに-うきひとさへや-ころもうつらむ


00003
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やきすてしあととも見えぬ夏草に今はたもえてゆくほたるかな

やきすてし-あとともみえぬ-なつくさに-いまはたもえて-ゆくほたるかな


00004
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秋草のかれ葉か下のきりきりすいつまていきて人にきかれむ

あきくさの-かれはかしたの-きりきりす-いつまていきて-ひとにきかれむ


00005
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たなはたの恋やつもりてあまのかはまれなるなかの淵となるらむ

たなはたの-こひやつもりて-あまのかは-まれなるなかの-ふちとなるらむ


00006
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松かけの入海かけてしらすけのみなとふきこす秋の山かせ

まつかけの-いりうみかけて-しらすけの-みなとふきこす-あきのやまかせ


00007
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遠さかるあまの小船もあはれなりゆらのみなとの秋の夕暮

とほさかる-あまのをふねも-あはれなり-ゆらのみなとの-あきのゆふくれ


00008
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秋の雨に桐の葉おつるゆふくれをおもひすつるそまつにまされる

あきのあめに-きりのはおつる-ゆふくれを-おもひすつるそ-まつにまされる


00009
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身をすつる人やみるらんからくにの虎ふす野辺の秋の夜の月

みをすつる-ひとやみるらむ-からくにの-とらふすのへの-あきのよのつき


00010
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山もとの末野のさとのあけほのにまた人わけぬ雪を見るかな

やまもとの-すゑののさとの-あけほのに-またひとわけぬ-ゆきをみるかな


00011
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日影さす枯野のまくす霜とけて過きにし秋にかへる露かな

ひかけさす-かれののまくす-しもとけて-すきにしあきに-かへるつゆかな


00012
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山人は出てたるあとのあきのいほのこれる鶴や夜半になくらん

やまひとは-いてたるあとの-あきのいほ-のこれるつるや-よはになくらむ


00013
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何とかく色かはるらむ木にもあらす草にもあらぬ人のことのは

なにとかく-いろかはるらむ-きにもあらす-くさにもあらぬ-ひとのことのは


00014
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こころなき岩木における露まても秋をはいかておもひしるらむ

こころなき-いはきにおける-つゆまても-あきをはいかて-おもひしるらむ


00015
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逢ふ事はいつにならへるこころとてひとりぬる夜のかなしかるらむ

あふことは-いつにならへる-こころとて-ひとりぬるよの-かなしかるらむ


00016
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またよひのはやまのほくしもえそめてしかまつとたにいかてしらせむ

またよひの-はやまのほくし-もえそめて-しかまつとたに-いかてしらせむ


00017
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いとひても後をいかにとおもふこそなほ世にとまる心なりけれ

いとひても-のちをいかにと-おもふこそ-なほよにとまる-こころなりけれ


00018
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世やはうき人やはつらきおほかたの身を思はぬはこころなりけり

よやはうき-ひとやはつらき-おほかたの-みをおもはぬは-こころなりけり


00019
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この里は角田河原もほととほしいかなる鳥にみやことはまし

このさとは-すみたかはらも-ほととほし-いかなるとりに-みやことはまし


00020
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わたりする人もあはれやまさるらむすみたかはらの春の明ほの

わたりする-ひともあはれや-まさるらむ-すみたかはらの-はるのあけほの


00021
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分けゆけはそれとも見えぬ朝ほらけとほきそ春のかすみなりける

わけゆけは-それともみえぬ-あさほらけ-とほきそはるの-かすみなりける


00022
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三吉野のやまのはかすむはることに身はあら玉のとしそふり行く

みよしのの-やまのはかすむ-はることに-みはあらたまの-としそふりゆく


00023
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伊勢のあまの玉ものすそやまかふらん霞にとほきおきつしらなみ

いせのあまの-たまものすそや-まかふらむ-かすみにとほき-おきつしらなみ


00024
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としことに後のはるともしらさりき花にいくたひなれてみつらん

としことに-のちのはるとも-しらさりき-はなにいくたひ-なれてみつらむ


00025
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村雨にあきの露かるたまささのみしかきよははあかつきもなし

むらさめに-あきのつゆかる-たまささの-みしかきよはは-あかつきもなし


00026
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さしも草さしもひまなき五月雨に伊吹のたけのいかにもゆらん

さしもくさ-さしもひまなき-さみたれに-いふきのたけの-いかにもゆらむ


00027
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吹きかよふ音たにかはれやましろのときはの森の秋のはつかせ

ふきかよふ-おとたにかはれ-やましろの-ときはのもりの-あきのはつかせ


00028
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夕されは露吹きおとすあきかせに末葉かたよるをののしのはら

ゆふされは-つゆふきおとす-あきかせに-すゑはかたよる-をののしのはら


00029
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おく露にあはれはかけよかすか野にのこる古枝のあきはきのはな

おくつゆに-あはれはかけよ-かすかのに-のこるふるえの-あきはきのはな


00030
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伊勢島やしほひのかたのみわたりにいそかすやとる秋の夜の月

いせしまや-しほひのかたの-みわたりに-いそかすやとる-あきのよのつき


00031
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みなと河秋ゆく水のいろそこきのこる山なくしくれふるらし

みなとかは-あきゆくみつの-いろそこき-のこるやまなく-しくれふるらし


00032
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紅葉葉を染めてしくるるあきやまに晩田のおしねほしやかぬらん

もみちはを-そめてしくるる-あきやまに-おくてのおしね-ほしやかぬらむ


00033
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いほりさすいなはの雲もうちなひき山田のはらは時雨れてそゆく

いほりさす-いなはのくもも-うちなひき-やまたのはらは-しくれてそゆく


00034
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うかりけるたかあふ事のならひよりゆふつけとりのねにわかるらん

うかりける-たかあふことの-ならひより-ゆふつけとりの-ねにわかるらむ


00035
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しりなからいとはぬ世こそかなしけれわかためつらき身を思ふとて

しりなから-いとはぬよこそ-かなしけれ-わかためつらき-みをおもふとて


00036
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ふかき夜に人しらしとてしほりつる袖のなみたを月にみえぬる

ふかきよに-ひとしらしとて-しほりつる-そてのなみたを-つきにみえぬる


00037
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あきつはのすかたのくににあとたるる神のまもりはわか君のため

あきつはの-すかたのくにに-あとたるる-かみのまもりは-わかきみのため


00038
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いかにせむくもるなみたのますかかみうらみしよりそ秋はたえにし

いかにせむ-くもるなみたの-ますかかみ-うらみしよりそ-あきはたえにし


00039
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ふりぬとも何なけくらん君か代に老といふものそ身はさかえける

ふりぬとも-なになけくらむ-きみかよに-おいといふものそ-みはさかえける


00040
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しのひかねなみたの玉の緒をたえて恋のみたれそ袖にみえゆく

しのひかね-なみたのたまの-ををたえて-こひのみたれそ-そてにみえゆく


00041
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天河あさせふむまにたなはたのまちつる夜半も更けやしぬらむ

あまのかは-あさせふむまに-たなはたの-まちつるよはも-ふけやしぬらむ


00042
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真葛原うら葉もしろくみたれつつかせのままなる秋のゆふつゆ

まくすはら-うらはもしろく-みたれつつ-かせのままなる-あきのゆふつゆ


00043
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霜かれの野もせの草はわかことや世にふりはててしほれ侘ふらん

しもかれの-のもせのくさは-わかことや-よにふりはてて-しほれわふらむ


00044
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消えのこるためしもかなしかすかやまはるの光にもるるしら雪

きえのこる-ためしもかなし-かすかやま-はるのひかりに-もるるしらゆき


00045
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いかてかは唐舟のほのかにもわかこふらくをしらせそめまし

いかてかは-もろこしふねの-ほのかにも-わかこふらくを-しらせそめまし


00046
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さをしかもこのまの月のかけみてや心つくしのつまをこふらむ

さをしかも-このまのつきの-かけみてや-こころつくしの-つまをこふらむ


00047
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あつさ弓はるかにとはぬ日かすをもこころつよくや恨みはてまし

あつさゆみ-はるかにとはぬ-ひかすをも-こころつよくや-うらみはてまし


00048
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岩に生ふるためしを何にたのみけむつひにつれなき松の色かな

いはにおふる-ためしをなにに-たのみけむ-つひにつれなき-まつのいろかな


00049
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みことのりうけてつたへしわかこころくもらぬほとそ神やしるらむ

みことのり-うけてつたへし-わかこころ-くもらぬほとそ-かみやしるらむ


00050
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蓮葉の露のうき世としりなからにこりにしむは心なりけり

はちすはの-つゆのうきよと-しりなから-にこりにしむは-こころなりけり


00051
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雁かねのつはさにかくるあしのはは雲路まとはぬしをりなるへし

かりかねの-つはさにかくる-あしのはは-くもちまとはぬ-しをりなるへし


00052
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あすしらぬわか身なからも桜はなうつろふ色そけふはかなしき

あすしらぬ-わかみなからも-さくらはな-うつろふいろそ-けふはかなしき


00053
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かくはかり名残をしくは身にそへる秋ともさらに何なけくらむ

かくはかり-なこりをしくは-みにそへる-あきともさらに-なになけくらむ


00054
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我かためになくむしのねにあらねともね覚なれはやかなしかるらむ

わかために-なくむしのねに-あらねとも-ねさめなれはや-かなしかるらむ


00055
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待つ人はむなしきくれになにとまたあしたゆくくるささかにの糸

まつひとは-むなしきくれに-なにとまた-あしたゆくくる-ささかにのいと


00056
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しらま弓いるさのやまの夕霧に立ちかくれてや鹿はなくらむ

しらまゆみ-いるさのやまの-ゆふきりに-たちかくれてや-しかはなくらむ


00057
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おなしくは浦にかきおけもしほくさはては煙も立ちははなれし

おなしくは-うらにかきおけ-もしほくさ-はてはけふりも-たちははなれし


00058
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身のうさをなけくにあまるなみたにそしのふにたへぬ色はみえける

みのうさを-なけくにあまる-なみたにそ-しのふにたへぬ-いろはみえける


00059
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いつまてか夜さむのころもぬきかけてあはれと民をおもひしりけむ

いつまてか-よさむのころも-ぬきかけて-あはれとたみを-おもひしりけむ


00060
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としをへてつらきこころのかきりをもみはててよわる玉のをもかな

としをへて-つらきこころの-かきりをも-みはててよわる-たまのをもかな


00061
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立ちかふるけふは卯月のはしめとや神のみむろにさかきとるらむ

たちかふる-けふはうつきの-はしめとや-かみのみむろに-さかきとるらむ


00062
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いくあきもかはらぬかけの月もまた万代かけてなほちきるかな

いくあきも-かはらぬかけの-つきもまた-よろつよかけて-なほちきるかな


00063
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よしさらはこしちをたひといひなさむ秋はみやこにかへる雁かね

よしさらは-こしちをたひと-いひなさむ-あきはみやこに-かへるかりかね


00064
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秋の夜はすまの関守すみかへて月やゆききの人ととむらむ

あきのよは-すまのせきもり-すみかへて-つきやゆききの-ひとととむらむ


00065
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すくもたくもしほのけふりなひけたた恨みし末のしるへにもせむ

すくもたく-もしほのけふり-なひけたた-うらみしすゑの-しるへにもせむ


00066
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よそにのみみつのはま松としをへてつれなき色にかくる波かな

よそにのみ-みつのはままつ-としをへて-つれなきいろに-かくるなみかな


00067
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はかなくもおもひなくさむこころかなおなし世にふるたのみはかりに

はかなくも-おもひなくさむ-こころかな-おなしよにふる-たのみはかりに


00068
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おのつからひかすもみえぬたに河の岩間の氷いくへともなし

おのつから-ひかすもみえぬ-たにかはの-いはまのこほり-いくへともなし


00069
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あらしふくみねのしの屋の草まくらかりねの夢はむすふともなし

あらしふく-みねのしのやの-くさまくら-かりねのゆめは-むすふともなし


00070
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千年ふるためしはいまそしら雪のかさねてつもる嶺の松か枝

ちとせふる-ためしはいまそ-しらゆきの-かさねてつもる-みねのまつかえ


00071
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おきつかせ吹あけのはまの白妙になほすみのほる秋の夜の月

おきつかせ-ふきあけのはまの-しろたへに-なほすみのほる-あきのよのつき


00072
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いかにせむ散りにしはなのおもかけをわすれむとすれはみねの白雲

いかにせむ-ちりにしはなの-おもかけを-わすれむとすれは-みねのしらくも


00073
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時わかすいつもゆふへはあるものをあきしもなとかかなしかるらむ

ときわかす-いつもゆふへは-あるものを-あきしもなとか-かなしかるらむ


00074
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うたかひしいのちのうちにさきにけりあはれなりける庭のはなかな

うたかひし-いのちのうちに-さきにけり-あはれなりける-にはのはなかな


00075
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しはしたになほ立ちかへれまくすはらうらかれてゆく秋のわかれち

しはしたに-なほたちかへれ-まくすはら-うらかれてゆく-あきのわかれち


00076
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つらかりし時こそあらめ逢ひみての後さへものはなそやかなしき

つらかりし-ときこそあらめ-あひみての-のちさへものは-なそやかなしき


00077
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松島やあまのもしほ木それならてこりぬおもひに立つけふりかな

まつしまや-あまのもしほき-それならて-こりぬおもひに-たつけふりかな


00078
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人をこそつらしと思ふになみたさへなとうきたひに身をはなるらむ

ひとをこそ-つらしとおもふに-なみたさへ-なとうきたひに-みをはなるらむ


00079
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いかなりし秋になみたの落ちそめて身はならはしと袖のぬるらむ

いかなりし-あきになみたの-おちそめて-みはならはしと-そてのぬるらむ


00080
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さためなくさても世にふるこのころの時雨のやとやわか身なるらん

さためなく-さてもよにふる-このころの-しくれのやとや-わかみなるらむ


00081
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おほ空に吹きくるかせのにほふかな雲のうへにもはなやさくらん

おほそらに-ふきくるかせの-にほふかな-くものうへにも-はなやさくらむ


00082
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むかしよりうつろふからにうらむるをくるしき世とや花のちるらむ

むかしより-うつろふからに-うらむるを-くるしきよとや-はなのちるらむ


00083
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よのつねの身よりほかなる秋ならはなへての露に袖はぬらさし

よのつねの-みよりほかなる-あきならは-なへてのつゆに-そてはぬらさし


00084
未入力 (xxx)

下もえやくるしかるらむなくこゑもきこえぬむしのよはのおもひは

したもえや-くるしかるらむ-なくこゑも-きこえぬむしの-よはのおもひは


00085
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されはとていとひもはてぬ世の中をうきたひことに何なけくらん

されはとて-いとひもはてぬ-よのなかを-うきたひことに-なになけくらむ


00086
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偽のまたれしことも今はなしそれたにいつとたのめおかねは

いつはりの-またれしことも-いまはなし-それたにいつと-たのめおかねは


00087
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あはれなり草のかけにも白露のかかるへしとはおもはさりしを

あはれなり-くさのかけにも-しらつゆの-かかるへしとは-おもはさりしを


00088
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秋風は雲のちりをやはらふらむ空のかかみの夜半の月かけ

あきかせは-くものちりをや-はらふらむ-そらのかかみの-よはのつきかけ


00089
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何とてかこと葉にふたつわかるらむよきもあしきも一こころを

なにとてか-ことはにふたつ-わかるらむ-よきもあしきも-ひとつこころを


00090
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明石潟なみの音にやかよふらむうらより遠のをかの松かせ

あかしかた-なみのおとにや-かよふらむ-うらよりをちの-をかのまつかせ


00091
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天地の外なるやまにのかれねはかくても花にものやおもはむ

あめつちの-ほかなるやまに-のかれねは-かくてもはなに-ものやおもはむ


00092
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富士のねはさきけるはなのならひまてなほときしらぬ山さくらかな

ふしのねは-さきけるはなの-ならひまて-なほときしらぬ-やまさくらかな


00093
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天河もみちのはしやあきをへてわたれとたえぬにしきなるらむ

あまのかは-もみちのはしや-あきをへて-わたれとたえぬ-にしきなるらむ


00094
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うきをしるなみたのとかといひなして袖よりかすむ秋の夜の月

うきをしる-なみたのとかと-いひなして-そてよりかすむ-あきのよのつき


00095
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物おもはていつれのとしの秋まてか露にたもとのしられさりけむ

ものおもはて-いつれのとしの-あきまてか-つゆにたもとの-しられさりけむ


00096
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秋きても岩ねのとこはつれなきになみた色つく苔の袖かな

あききても-いはねのとこは-つれなきに-なみたいろつく-こけのそてかな


00097
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荻のはにありけるものを花ゆゑにはるもうかりしかせのやとりは

をきのはに-ありけるものを-はなゆゑに-はるもうかりし-かせのやとりは


00098
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いかにしてなみたは袖にとまるらんかよふこころはひまもなきみに

いかにして-なみたはそてに-とまるらむ-かよふこころは-ひまもなきみに


00099
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とものうらの磯辺にたてるむろの木につなける舟のぬしはたれそも

とものうらの-いそへにたてる-むろのきに-つなけるふねの-ぬしはたれそも


00100
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なからへはしはしも月をみるへきに山のはちかき身こそつらけれ

なからへは-しはしもつきを-みるへきに-やまのはちかき-みこそつらけれ


00101
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春雨のあまねききみのめくみとはたのむものからぬるる袖かな

はるさめの-あまねききみの-めくみとは-たのむものから-ぬるるそてかな


00102
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難波かたかすまぬなみもかすみけりうつるもくもるおほろ月夜に

なにはかた-かすまぬなみも-かすみけり-うつるもくもる-おほろつきよに


00103
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やまのはのつらさはかりやのこるらん雲よりほかにあくる月かけ

やまのはの-つらさはかりや-のこるらむ-くもよりほかに-あくるつきかけ


00104
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晴れくもるかけをみやこにさきたててしくるとつくる山のはの月

はれくもる-かけをみやこに-さきたてて-しくるとつくる-やまのはのつき


00105
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ものことに忘かたみをとめおきてなみたのたゆむ時のまそなき

ものことに-わすれかたみを-とめおきて-なみたのたゆむ-ときのまそなき


00106
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中中に又たのまるる世なりけりかはるへしとも契りやはせし

なかなかに-またたのまるる-よなりけり-かはるへしとも-ちきりやはせし


00107
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今は又身さへ朽木のそまやまになにことのはをかきあつめけむ

いまはまた-みさへくちきの-そまやまに-なにことのはを-かきあつめけむ


00108
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今は又ちらてもまかふしくれかなひとりふりゆく庭の松かせ

いまはまた-ちらてもまかふ-しくれかな-ひとりふりゆく-にはのまつかせ


00109
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いたつらにあまのいさりひたくなはのくるしきほとを知る人もなし

いたつらに-あまのいさりひ-たくなはの-くるしきほとを-しるひともなし


00110
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ほのほのとあけのそほ舟こきかへりけふりしらめる浦のもしほ火

ほのほのと-あけのそほふね-こきかへり-けふりしらめる-うらのもしほひ


00111
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しめゆひしまかきやたわになりぬらん花おもけなる庭の山吹

しめゆひし-まかきやたわに-なりぬらむ-はなおもけなる-にはのやまふき


00112
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散るをうしと思ひしはなそまたれける春くることにもの忘して

ちるをうしと-おもひしはなそ-またれける-はるくることに-ものわすれして


00113
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足曳のやましたかせのいつのまに音ふきかへて秋はきぬらん

あしひきの-やましたかせの-いつのまに-おとふきかへて-あきはきぬらむ


00114
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天河おなしかたののをみなへし秋とちきりてたれをまつらん

あまのかは-おなしかたのの-をみなへし-あきとちきりて-たれをまつらむ


00115
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ひとりねはなかきならひのあきのよをあかしかねてや鹿もなくらん

ひとりねは-なかきならひの-あきのよを-あかしかねてや-しかもなくらむ


00116
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山里にいつしか人のまたるるやすみはつましき心なるらん

やまさとに-いつしかひとの-またるるや-すみはつましき-こころなるらむ


00117
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夕しほや遠つひかたにみちぬらんなきてちかつく友ちとりかな

ゆふしほや-とほつひかたに-みちぬらむ-なきてちかつく-ともちとりかな


00118
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いとへとて思ひしらする世の中をうきたひことになにうらむらん

いとへとて-おもひしらする-よのなかを-うきたひことに-なにうらむらむ


00119
未入力 (xxx)

しろたへの我かころもてをかたしきてひとりやねなむいもに恋ひつつ

しろたへの-わかころもてを-かたしきて-ひとりやねなむ-いもにこひつつ


00120
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みし代こそ思ひ出ててもしのはるれしらぬむかしのなそやこひしき

みしよこそ-おもひいてても-しのはるれ-しらぬむかしの-なそやこひしき


00121
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かくはかりくるるわかれをしたふとは思ひもしらす春やゆくらん

かくはかり-くるるわかれを-したふとは-おもひもしらす-はるやゆくらむ


00122
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おのかすむこしちのはなはまたさかしいそかてかへれはるの雁かね

おのかすむ-こしちのはなは-またさかし-いそかてかへれ-はるのかりかね


00123
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またれつる時はさ月になりにけり小田の早苗もいまいそくらし

またれつる-ときはさつきに-なりにけり-をたのさなへも-いまいそくらし


00124
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五月雨のふりわけかみはかたすきて井つつにあまる水のしらなみ

さみたれの-ふりわけかみは-かたすきて-ゐつつにあまる-みつのしらなみ


00125
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としなみもさこそこゆらめふる雪につもる日数のすゑのまつやま

としなみも-さこそこゆらめ-ふるゆきに-つもるひかすの-すゑのまつやま


00126
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長月のきくのしらつゆ淵とならはまかきの島は外にもとめし

なかつきの-きくのしらつゆ-ふちとならは-まかきのしまは-ほかにもとめし


00127
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思ひ侘ひうきおもかけやなくさむとみれはかなしき在明の月

おもひわひ-うきおもかけや-なくさむと-みれはかなしき-ありあけのつき


00128
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春日野の野守のかかみこれなれやよそにみかさの山のはの月

かすかのの-のもりのかかみ-これなれや-よそにみかさの-やまのはのつき


00129
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かはらやの下にこかるるゆふけふりたえぬおもひのありとたにみよ

かはらやの-したにこかるる-ゆふけふり-たえぬおもひの-ありとたにみよ


00130
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浦人の蘆火たくやのすすけたる身にはなにはの事も物うし

うらひとの-あしひたくやの-すすけたる-みにはなにはの-こともものうし


00131
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かすめともまよはてかへる雁かねは去年のこしちや空にしるらん

かすめとも-まよはてかへる-かりかねは-こそのこしちや-そらにしるらむ


00132
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一枝は折りてかへらんやまさくら家つとなから見ぬ人のため

ひとえたは-をりてかへらむ-やまさくら-いへつとなから-みぬひとのため


00133
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桜花にほふやいつこみよし野のきさ山きはに霞たつらし

さくらはな-にほふやいつこ-みよしのの-きさやまきはに-かすみたつらし


00134
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春霞かすむとみれはやまのはの雲まもくもる夜半の月影

はるかすみ-かすむとみれは-やまのはの-くもまもくもる-よはのつきかけ


00135
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またみねはおもかけもなしなにしかもまののかや原霞みたるらん

またみねは-おもかけもなし-なにしかも-まののかやはら-かすみたるらむ


00136
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しのひねとたれいひそめてほとときすきくへきころを待ちすくすらん

しのひねと-たれいひそめて-ほとときす-きくへきころを-まちすくすらむ


00137
未入力 (xxx)

みことのり道にそむかぬゆゑとてや海のほかにもまもりあるらむ

みことのり-みちにそむかぬ-ゆゑとてや-うみのほかにも-まもりあるらむ


00138
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吹くからに雲はかからし紅葉するあらしの山はいつしくれけむ

ふくからに-くもはかからし-もみちする-あらしのやまは-いつしくれけむ


00139
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いかならむ時かあらはにしらるへきくににむくゆる心ありとも

いかならむ-ときかあらはに-しらるへき-くににむくゆる-こころありとも


00140
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黒髪をてならすたひにいとふかなあはれいつかとおもひみたれて

くろかみを-てならすたひに-いとふかな-あはれいつかと-おもひみたれて


00141
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をとめ子かかさしのさくら咲きにけり袖ふるやまにかかるしらくも

をとめこか-かさしのさくら-さきにけり-そてふるやまに-かかるしらくも


00142
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きてもみよとなにかは人につけやらむ我かやとにのみ月はすましを

きてもみよと-なにかはひとに-つけやらむ-わかやとにのみ-つきはすましを


00143
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今よりのころもかりかねあきかせにたか夜寒とかなきてきぬらん

いまよりの-ころもかりかね-あきかせに-たかよさむとか-なきてきぬらむ


00144
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時わかぬこしのしらねの雪をみて秋とはいかに雁のきぬらむ

ときわかぬ-こしのしらねの-ゆきをみて-あきとはいかに-かりのきぬらむ


00145
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よそにきくわかね覚たになかきよをあかすやしつか衣うつらむ

よそにきく-わかねさめたに-なかきよを-あかすやしつか-ころもうつらむ


00146
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あすかには衣うつなりたをやめか袖のあきかせ夜寒なるらん

あすかには-ころもうつなり-たをやめか-そてのあきかせ-よさむなるらむ


00147
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山のはに更けて出てたる月かけのはつかにたにもいかてしらせむ

やまのはに-ふけていてたる-つきかけの-はつかにたにも-いかてしらせむ


00148
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長月のつつきのはらの草の葉にことしはいたくおける露かな

なかつきの-つつきのはらの-くさのはに-ことしはいたく-おけるつゆかな


00149
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さりともとわかあらましにたのまれて行末しらぬみこそをしけれ

さりともと-わかあらましに-たのまれて-ゆくすゑしらぬ-みこそをしけれ


00150
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いかはかりみのあやまりのつもるらむあはれわか世のありのすさみに

いかはかり-みのあやまりの-つもるらむ-あはれわかよの-ありのすさみに


00151
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天つ空なとて神代のはしめよりはるはかりたつ霞なるらむ

あまつそら-なとてかみよの-はしめより-はるはかりたつ-かすみなるらむ


00152
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梅のはなそれとみえねと折るそてのぬるるや雪のしるしなるらむ

うめのはな-それとみえねと-をるそての-ぬるるやゆきの-しるしなるらむ


00153
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なみたにはさらてもぬるるわか袖をしらてや秋の露はおくらん

なみたには-さらてもぬるる-わかそてを-しらてやあきの-つゆはおくらむ


00154
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もしほやくけふりは空に消えぬれとはるとや月の猶かすむらむ

もしほやく-けふりはそらに-きえぬれと-はるとやつきの-なほかすむらむ


00155
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忘らるるうきなをよそにしられしと人待かほにくらすころかな

わすらるる-うきなをよそに-しられしと-ひとまちかほに-くらすころかな


00156
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村雨はやかてはれぬる小山田のまさらぬ水に早苗とるなり

むらさめは-やかてはれぬる-をやまたの-まさらぬみつに-さなへとるなり


00157
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つらからはいかにせむとてゆくすゑの心もしらす思ひそむらん

つらからは-いかにせむとて-ゆくすゑの-こころもしらす-おもひそむらむ


00158
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木葉こそかせのさそへはもろからめなとか涙のあきはおつらん

このはこそ-かせのさそへは-もろからめ-なとかなみたの-あきはおつらむ


00159
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うかりける人のことのはなけけとてなと偽の有る世なるらん

うかりける-ひとのことのは-なけけとて-なといつはりの-あるよなるらむ


00160
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何とかは人にもいまはかたるへきみのうきほとはよそにみゆらむ

なにとかは-ひとにもいまは-かたるへき-みのうきほとは-よそにみゆらむ


00161
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みる人のなきかかすそふはることに花もあたなる世をやしるらん

みるひとの-なきかかすそふ-はることに-はなもあたなる-よをやしるらむ


00162
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沖つかせうきねの袖をふきかへしうらつたひ行く秋の夜の月

おきつかせ-うきねのそてを-ふきかへし-うらつたひゆく-あきのよのつき


00163
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蛍とふきしの木かけのあまのかは星の林の名にやたつちん

ほたるとふ-きしのこかけの-あまのかは-ほしのはやしの-なにやたつちむ


00164
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木の葉ちるかたののはちにあきくれて舟なかしたるあまのかはなみ

このはちる-かたののはちに-あきくれて-ふねなかしたる-あまのかはなみ


00165
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冬河の淵ともあらてよとめるやいかにせをせく氷なるらむ

ふゆかはの-ふちともあらて-よとめるや-いかにせをせく-こほりなるらむ


00166
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三吉野のたきつ早瀬にすむ月や冬もこほらぬ氷なるらん

みよしのの-たきつはやせに-すむつきや-ふゆもこほらぬ-こほりなるらむ


00167
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なからへてあるもつらきかためなれはうきやわかみの命なるらむ

なからへて-あるもつらきか-ためなれは-うきやわかみの-いのちなるらむ


00168
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こぬ人をいく夜か月にうらむらんわか影にのみまくらならへて

こぬひとを-いくよかつきに-うらむらむ-わかかけにのみ-まくらならへて


00169
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そむくへきうき世中のことわりをしりてまよふは心なりけり

そむくへき-うきよのなかの-ことわりを-しりてまよふは-こころなりけり


00170
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紅葉葉の色なる袖のみなとこそこころのあきのとまりなりけれ

もみちはの-いろなるそての-みなとこそ-こころのあきの-とまりなりけれ


00171
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雲よりもよそになりゆくかつらきのたかまのさくらあらしふくらし

くもよりも-よそになりゆく-かつらきの-たかまのさくら-あらしふくらし


00172
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なへて世のおもふかなかのならひにはわかれありとや春もゆくらん

なへてよの-おもふかなかの-ならひには-わかれありとや-はるもゆくらむ


00173
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秋のののをはなにましるしかの音は色にやつまをこひわたるらん

あきののの-をはなにましる-しかのねは-いろにやつまを-こひわたるらむ


00174
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いつくよりあはれをかせのさそひきて荻の上葉の音となすらん

いつくより-あはれをかせの-さそひきて-をきのうははの-おととなすらむ


00175
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手にならすかひこそなけれあつさゆみひけはなかのみ遠さかりゆく

てにならす-かひこそなけれ-あつさゆみ-ひけはなかのみ-とほさかりゆく


00176
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あはてこそ恋をいのりとたのみしかいまはたなにかいのちなるへき

あはてこそ-こひをいのりと-たのみしか-いまはたなにか-いのちなるへき


00177
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きぬきぬのたもとにわけし月かけはたかなみたにかやとりはつらん

きぬきぬの-たもとにわけし-つきかけは-たかなみたにか-やとりはつらむ


00178
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捨てやらぬこころからにやいてさらむうきよの関はもる人もなし

すてやらぬ-こころからにや-いてさらむ-うきよのせきは-もるひともなし


00179
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里とほみしほやくうらはみえわかて煙にかかるおきつしらなみ

さととほみ-しほやくうらは-みえわかて-けふりにかかる-おきつしらなみ


00180
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うきも猶さこそはあれとことわりを世になくさめて身そふりにける

うきもなほ-さこそはあれと-ことわりを-よになくさめて-みそふりにける


00181
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人にのみつらさはみえてふくかせの心にかなふやまさくらかな

ひとにのみ-つらさはみえて-ふくかせの-こころにかなふ-やまさくらかな


00182
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たえたえにたなひく雲もあらはれてまかひもはてぬ山桜かな

たえたえに-たなひくくもも-あらはれて-まかひもはてぬ-やまさくらかな


00183
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冬さむみしのふのやまのたにみつは音にもたてすさそこほるらん

ふゆさむみ-しのふのやまの-たにみつは-おとにもたてす-さそこほるらむ


00184
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かへりみるほとそ雲ゐの大江やまいくのの道や末になりぬる

かへりみる-ほとそくもゐの-おほえやま-いくののみちや-すゑになりぬる


00185
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みる夢のさめてもさすかかなしきはいかにねしよの名残なるらむ

みるゆめの-さめてもさすか-かなしきは-いかにねしよの-なこりなるらむ


00186
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逢ふ事のたえまかちなるつらさかと思ひしほとの契たになし

あふことの-たえまかちなる-つらさかと-おもひしほとの-ちきりたになし


00187
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いとせめて待つにたへたる我か身そとしらてや人はつれなかるらん

いとせめて-まつにたへたる-わかみそと-しらてやひとは-つれなかるらむ


00188
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いかにせむ恋路のすゑにせきすゑてゆけともとほき逢さかのやま

いかにせむ-こひちのすゑに-せきすゑて-ゆけともとほき-あふさかのやま


00189
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ちかひてしいのちにかへてわするるはうきわれからに身をやすつらん

ちかひてし-いのちにかへて-わするるは-うきわれからに-みをやすつらむ


00190
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おのか音につらきわかれはありとたにおもひもしらて鳥やなくらん

おのかねに-つらきわかれは-ありとたに-おもひもしらて-とりやなくらむ


00191
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なかき日のもりのしめなはくりかへしあかすかたらふ郭公かな

なかきひの-もりのしめなは-くりかへし-あかすかたらふ-ほとときすかな


00192
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あはれをはいつくにそふるかけならむつらさかすめる春の夜の月

あはれをは-いつくにそふる-かけならむ-つらさかすめる-はるのよのつき


00193
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しほれつる夜のまの露のひるまたに草はやすめぬ秋のむらさめ

しをれつる-よのまのつゆの-ひるまたに-くさはやすめぬ-あきのむらさめ


00194
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さほ姫のわか袖ひとつおほ空にありとやはるの霞たつらん

さほひめの-わかそてひとつ-おほそらに-ありとやはるの-かすみたつらむ


00195
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月ならて夜川にさせるかかりひもおなしかつらの光なりけり

つきならて-よかはにさせる-かかりひも-おなしかつらの-ひかりなりけり


00196
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月たにも霞みかへたる春の夜に山のはてらす花の色かな

つきたにも-かすみかへたる-はるのよに-やまのはてらす-はなのいろかな


00197
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かた岡のもりのこのはも色つきぬわさ田のおしね今や刈らまし

かたをかの-もりのこのはも-いろつきぬ-わさたのおしね-いまやからまし


00198
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谷の戸は夕しほさしてあまころもすそまの山にあきかせそふく

たにのとは-ゆふしほさして-あまころも-すそまのやまに-あきかせそふく


00199
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あらしこそ外山のみねのときは木に雪けしくれてかかる村雲

あらしこそ-とやまのみねの-ときはきに-ゆきけしくれて-かかるむらくも


00200
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思ふ事けになくさむる月ならはこけのたもとは秋やほさまし

おもふこと-けになくさむる-つきならは-こけのたもとは-あきやほさまし


00201
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ささなみや遠さかりゆくにほのうみは氷そうらのしほひなりける

ささなみや-とほさかりゆく-にほのうみは-こほりそうらの-しほひなりける


00202
未入力 (xxx)

さりとてもありはてぬよのはかなきになとしぬはかりこひしかるらん

さりとても-ありはてぬよの-はかなきに-なとしぬはかり-こひしかるらむ


00203
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わかれねよ夢路といひしかねことをなとそのままにたのまさるらむ

わかれねよ-ゆめちといひし-かねことを-なとそのままに-たのまさるらむ


00204
未入力 (xxx)

きぬきぬにならはいかにと思ふよりよふかくおつるわかなみたかな

きぬきぬに-ならはいかにと-おもふより-よふかくおつる-わかなみたかな


00205
未入力 (xxx)

たらちねの親のみる世と祈りこしわかかねことを神やうけけむ

たらちねの-おやのみるよと-いのりこし-わかかねことを-かみやうけけむ


00206
未入力 (xxx)

いかにせむしなはともにとおもふ身はおなしかきりのいのちならすは

いかにせむ-しなはともにと-おもふみは-おなしかきりの-いのちならすは


00207
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荒磯にこけむすはかりとしへたるいはほはいつの真砂なるらむ

あらいそに-こけむすはかり-としへたる-いはほはいつの-まさこなるらむ


00208
未入力 (xxx)

今まてもあるは思ひのほかなれはみを歎くへきことわりもなし

いままても-あるはおもひの-ほかなれは-みをなけくへき-ことわりもなし


00209
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みしめひく三輪のひはらもふりにけりこれや神代のしるしなるらん

みしめひく-みわのひはらも-ふりにけり-これやかみよの-しるしなるらむ


00210
未入力 (xxx)

おこたらぬ身にこそおもへすみよしの神はまことに道まほりけり

おこたらぬ-みにこそおもへ-すみよしの-かみはまことに-みちまもりけり