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和漢名所詩歌合


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作品集名和漢名所詩歌合 
作品集名読みわかんめいしょしいかあわせ 
作成年月日文永九年頃(1272年頃)
場所 

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住吉のいかきのうちにともす火やまよへる歌のやみちなるらん

すみよしの−いかきのうちに−ともすひや−まよへるうたの−やみちなるらむ


00004
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住江に神のかたひくつなしあらはしほせのをふねおしていつとも

すみえにか−みのかたひくつ−なしあらは−しほせのをふね−おしていつとも


00006
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かすか山心のたねをまきおきしのへとやみえんおいのことくさ

かすかやま−こころのたねを−まきおきし−のへとやみえむ−おいのことくさ


00008
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ななそちに身はゆきかかる春日山いのりし峰に月はくもるな

ななそちに−みはゆきかかる−かすかやま−いのりしみねに−つきはくもるな


00010
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みしまえにあしかりすつる里人のかへさは舟の音そすくなき

みしまえに−あしかりすつる−さとひとの−かへさはふねの−おとそすくなき


00012
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人なみにしつみはてたるみしまえの入江のみくつさそむせふらん

ひとなみに−しつみはてたる−みしまえの−いりえのみくつ−さそむせふらむ


00014
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かつらきやおくの岩屋のあれまくに心すめとや月はすむらん

かつらきや−おくのいはやの−あれまくに−こころすめとや−つきはすむらむ


00016
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かつらきや嵐をおへる山ふしの苔の袖にも花そかかれる

かつらきや−あらしをおへる−やまふしの−こけのそてにも−はなそかかれる


00018
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わかやとや世はすみかたきはつせ山かすむ川せに月そのこれる

わかやとや−よはすみかたき−はつせやま−かすむかはせに−つきそのこれる


00020
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あまを舟はつせの山にかりなきて夕日さしこす峰のかけはし

あまをふね−はつせのやまに−かりなきて−ゆふひさしこす−みねのかけはし


00022
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むさし野はあすもいかなる露ならんおなし衣の秋の花そめ

むさしのは−あすもいかなる−つゆならむ−おなしころもの−あきのはなそめ


00024
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おちつもる露のきえすは武蔵のの草葉の下や海とならまし

おちつもる−つゆのきえすは−むさしのの−くさはのしたや−うみとならまし


00026
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あふきをもあけてたとへよまつらひめひれふる袖の月にかせとか

あふきをも−あけてたとへよ−まつらひめ−ひれふるそての−つきにかせとか


00028
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つま木たく煙そつたふ松浦山もろこし人や冬こもるらん

つまきたく−けふりそつたふ−まつらやま−もろこしひとや−ふゆこもるらむ


00030
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みむろ山よよのかかみや五月雨の雲のこなたの月をみすらん

みむろやま−よよのかかみや−さみたれの−くものこなたの−つきをみすらむ


00032
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みむろ山したはふくすの玉かつらかけてや雪のふるの神杉

みむろやま−したはふくすの−たまかつら−かけてやゆきの−ふるのかみすき


00034
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よしの山これもや花のかすならんみかきの原の秋の白菊

よしのやま−これもやはなの−かすならむ−みかきのはらの−あきのしらきく


00036
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さくらさく春にならひのよしの山月にかかるな峰のしら雲

さくらさく−はるにならひの−よしのやま−つきにかかるな−みねのしらくも


00038
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老いぬとてあはれかくへき人そなき波にぬれたる宇治のはしひめ

おいぬとて−あはれかくへき−ひとそなき−なみにぬれたる−うちのはしひめ


00040
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ふけぬるか宇治の川せをさす棹のうたのすさみそ月にのこれる

ふけぬるか−うちのかはせを−さすさをの−うたのすさみそ−つきにのこれる


00042
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つくつくといつも歎のおなし枝にねをや信太の杜のうくひす

つくつくと−いつもなけきの−おなしえに−ねをやしのたの−もりのうくひす


00044
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ちえことのしつくは雪のたるひにてしのたの杜はみかさなくとも

ちえことの−しつくはゆきの−たるひにて−しのたのもりは−みかさなくとも


00046
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きよみかたかすめる関のむかひより又煙たつふしの大たけ

きよみかた−かすめるせきの−むかひより−またけふりたつ−ふしのおほたけ


00048
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関の戸は入海かけて清見かたかくこそは見め秋のよの月

せきのとは−いりうみかけて−きよみかた−かくこそはみめ−あきのよのつき


00050
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大井川かみはあらしの山さくらちれは入江の松のしら雪

おほゐかは−かみはあらしの−やまさくら−ちれはいりえの−まつのしらゆき


00052
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大井川遠ある道の筏師はいまやよもきの島つたふらん

おほゐかは−をちあるみちの−いかたしは−いまやよもきの−しまつたふらむ


00054
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ほとときすいこまの山は夏なからなに秋しのの里なれぬらん

ほとときす−いこまのやまは−なつなから−なにあきしのの−さとなれぬらむ


00056
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哀とは見つつそこゆるいこま山花のあたりにのこる月影

あはれとは−みつつそこゆる−いこまやま−はなのあたりに−のこるつきかけ


00058
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五月雨に里にもみつの川ちかみほすかりこもや庭のうき草

さみたれに−さとにもみつの−かはちかみ−ほすかりこもや−にはのうきくさ


00060
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里しるき民の煙をのこしつつ水上はるるみつの川きり

さとしるき−たみのけふりを−のこしつつ−みなかみはるる−みつのかはきり


00062
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きよ滝やこほりはてたる川風に猶石はしる雪の白波

きよたきや−こほりはてたる−かはかせに−なほいしはしる−ゆきのしらなみ


00064
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山もとの清滝川のそはつたひ紅葉になりぬ筏おとすな

やまもとの−きよたきかはの−そはつたひ−もみちになりぬ−いかたおとすな


00066
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たかまとの山下嵐さゆる夜ののかみの薄霜おきぬへし

たかまとの−やましたあらし−さゆるよの−のかみのすすき−しもおきぬへし


00068
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雪もまた名におふみやとふる里のまかきは今朝や高円の山

ゆきもまた−なにおふみやと−ふるさとの−まかきはけさや−たかまとのやま


00070
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つかへこし路はたえにき水無瀬川汀の氷何むすふらん

つかへこし−みちはたえにき−みなせかは−みきはのこほり−なにむすふらむ


00072
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みなせ川むすはぬ袖のぬれそふはありて行く物や涙なるらん

みなせかは−むすはぬそての−ぬれそふは−ありてゆくものや−なみたなるらむ


00074
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氷るともきえて音羽の川なくはいかてか水の春をきかまし

こほるとも−きえておとはの−かはなくは−いかてかみつの−はるをきかまし


00076
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しるしらすすすむ木かけは音羽川関のあなたも関のこなたも

しるしらす−すすむこかけは−おとはかは−せきのあなたも−せきのこなたも


00078
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おしはかれ常はの杜のおくの山秋なれはとて時雨ふるさと

おしはかれ−ときはのもりの−おくのやま−あきなれはとて−しくれふるさと


00080
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みしか夜のあけはなれ行く常磐山かかる春をはいつかなかめし

みしかよの−あけはなれゆく−ときはやま−かかるはるをは−いつかなかめし


00082
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もしほやく浦こそあらめ誰すみてすまのうへのも煙たつらん

もしほやく−うらこそあらめ−たれすみて−すまのうへのも−けふりたつらむ


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別路は昔をかけてもしほたれなこりとすまと残る月影

わかれちは−むかしをかけて−もしほたれ−なこりとすまと−のこるつきかけ


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竜田山霞もやへのみなと川紅くくる舟やいつらん

たつたやま−かすみもやへの−みなとかは−くれあゐくくる−ふねやいつらむ


00087
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たつた山神もやすすむ柳かけゆふかけてよる夏の川なみ

たつたやま−かみもやすすむ−やなきかけ−ゆふかけてよる−なつのかはなみ


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春くれは我かすむかたの霞をもいそくあし屋のなたのしほやき

はるくれは−わかすむかたの−かすみをも−いそくあしやの−なたのしほやき


00091
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あしのやのいそ山紅葉こかれてやけにも一葉の舟とみゆらん

あしのやの−いそやまもみち−こかれてや−けにもひとはの−ふねとみゆらむ


00093
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ふりつつく雪のさかひのふしのねや月の都のとやまなるらん

ふりつつく−ゆきのさかひの−ふしのねや−つきのみやこの−とやまなるらむ


00095
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夕煙たかみかしこみふしのねに雪ははかりてあまるしら雲

ゆふけふり−たかみかしこみ−ふしのねに−ゆきははかりて−あまるしらくも


00097
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はま荻の外もにつつく雪をれやいせをの海人のまかきなるらん

はまをきの−そともにつつく−ゆきをれや−いせをのあまの−まかきなるらむ


00099
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いせの海のあまのはらなるいさり火もおなし光のほしあひの空

いせのうみの−あまのはらなる−いさりひも−おなしひかりの−ほしあひのそら


00101
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しる人もあらはやみせんたかさこのをのへの松の春のあけほの

しるひとも−あらはやみせむ−たかさこの−をのへのまつの−はるのあけほの


00103
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舟つなく室のとまりの月影にまた高砂の松の秋かせ

ふねつなく−むろのとまりの−つきかけに−またたかさこの−まつのあきかせ


00105
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白妙のなみにたちそふあま人は花をさへくむたこのうら風

しろたへの−なみにたちそふ−あまひとは−はなをさへくむ−たこのうらかせ


00107
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たこのうらに□□うち出てて見渡せはうへしまかけてきゆるしら雲

たこのうらに−□□うちいてて−みわたせは−うへしまかけて−きゆるしらくも


00109
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あしそよくなにはわたりの夕くれは心ありける秋風そふく

あしそよく−なにはわたりの−ゆふくれは−こころありける−あきかせそふく


00111
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あしはらのみつほの国にまよふかないつはなにはの路はひろきに

あしはらの−みつほのくにに−まよふかな−いつはなにはの−みちはひろきに


00113
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うかれ行くわかのうら舟人なみにみちにはいててつなく江もなし

うかれゆく−わかのうらふね−ひとなみに−みちにはいてて−つなくえもなし


00115
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いかにせん人にこえにしたらちねのあとはつかしきわかのうら波

いかにせむ−ひとにこえにし−たらちねの−あとはつかしき−わかのうらなみ


00117
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すかはらや伏見の里のあれまくを月まつ人と人やみるらん

すかはらや−ふしみのさとの−あれまくを−つきまつひとと−ひとやみるらむ


00119
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ふしみ山みやこの人はそれなからくるれはかへる春のかりかね

ふしみやま−みやこのひとは−それなから−くるれはかへる−はるのかりかね


00121
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しら露のゐなのの小篠いかならんおなしはまやも秋のむら雨

しらつゆの−ゐなののをささ−いかならむ−おなしはまやも−あきのむらさめ


00123
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かへるさをいそくゐなのの旅衣きりはよふかきけしきなりとも

かへるさを−いそくゐなのの−たひころも−きりはよふかき−けしきなりとも


00125
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はつ雁もさしてやきつるあかしかたむかしの舟の跡をたつねて

はつかりも−さしてやきつる−あかしかた−むかしのふねの−あとをたつねて


00127
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わかくにの光や月日空にのみいつもあかしのやまとしまやま

わかくにの−ひかりやつきひ−そらにのみ−いつもあかしの−やまとしまやま


00129
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あつまちの山のあなたの雲井よりみえつる月やさよの中山

あつまちの−やまのあなたの−くもゐより−みえつるつきや−さよのなかやま


00131
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たひにしていも恋ひまつもあかしとてなに中中のさよの中山

たひにして−いもこひまつも−あかしとて−なになかなかの−さよのなかやま


00133
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なるみかたてらす春日にあま人のてかりのわかめいはにかくらし

なるみかた−てらすはるひに−あまひとの−てかりのわかめ−いはにかくらし


00135
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浦かけて波はなるみの海のかてひかりみちたる月の入しほ

うらかけて−なみはなるみの−うみのかて−ひかりみちたる−つきのいりしほ


00137
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雲の入るあまのかく山ほのほのとあけ行く空はみなさくらなり

くものいる−あまのかくやま−ほのほのと−あけゆくそらは−みなさくらなり


00139
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ものおもふの心のおよふ方はなし雲のはたてかあまのかく山

ものおもふ−こころのおよふ−かたはなし−くものはたてか−あまのかくやま