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作品集名 | 院六首歌合 |
作品集名読み | いんろくしゅうたあわせ |
作成年月日 | 康永二年冬以前(1343年冬以前) |
場所 |
00001 |
未入力 (xxx)
そらさむき霜夜の月のをちかたにこほりしつまる雲のむらむら
そらさむき−しもよのつきの−をちかたに−こほりしつまる−くものむらむら |
00002 |
未入力 (xxx)
たかねより時雨れてくたる夕暮のそらにははやき雲もみえけり
たかねより−しくれてくたる−ゆふくれの−そらにははやき−くももみえけり |
00003 |
未入力 (xxx)
なかめやる夕のやまのかきくれて雲にうつめる時雨ふるらし
なかめやる−ゆふへのやまの−かきくれて−くもにうつめる−しくれふるらし |
00004 |
未入力 (xxx)
村しくれはれくもりせしうき雲のそらにこほるや雪けなるらむ
むらしくれ−はれくもりせし−うきくもの−そらにこほるや−ゆきけなるらむ |
00005 |
未入力 (xxx)
いつかたにゆくともみえぬ村雲のけしきもさむき冬の夕昏
いつかたに−ゆくともみえぬ−むらくもの−けしきもさむき−ふゆのゆふくれ |
00006 |
未入力 (xxx)
しくれすさみはるるともなき夕つく日空すさましき雲のむらむら
しくれすさみ−はるるともなき−ゆふつくひ−そらすさましき−くものむらむら |
00007 |
未入力 (xxx)
時雨れつるやまへはなれぬ雲さむみかくてや雪にならむとすらん
しくれつる−やまへはなれぬ−くもさむみ−かくてやゆきに−ならむとすらむ |
00008 |
未入力 (xxx)
ふゆのきて木の葉のこらぬ木木さひて空ものさむきくもの夕暮
ふゆのきて−このはのこらぬ−ききさひて−そらものさむき−くものゆふくれ |
00009 |
未入力 (xxx)
なきさわく夕のからすとひすきていろこくこほる村雲のそら
なきさわく−ゆふへのからす−とひすきて−いろこくこほる−むらくものそら |
00010 |
未入力 (xxx)
夕嵐時雨を北にふきなしてうきまよふ雲そ空にこほれる
ゆふあらし−しくれをきたに−ふきなして−うきまよふくもそ−そらにこほれる |
00011 |
未入力 (xxx)
ふりすさふ時雨のそらのうき雲にみえぬ夕日のかけそうつろふ
ふりすさふ−しくれのそらの−うきくもに−みえぬゆふひの−かけそうつろふ |
00012 |
未入力 (xxx)
さえあれてさむき雪けの雲まよりはつかにみゆる夕つくよかな
さえあれて−さむきゆきけの−くもまより−はつかにみゆる−ゆふつくよかな |
00013 |
未入力 (xxx)
きえおこる空のうき雲いくたひかはるるあとよりまた時雨るらん
きえおこる−そらのうきくも−いくたひか−はるるあとより−またしくるらむ |
00014 |
未入力 (xxx)
ゆふつくひくもるともなき一時雨のきはのそらをわたるうき雲
ゆふつくひ−くもるともなき−ひとしくれ−のきはのそらを−わたるうきくも |
00015 |
未入力 (xxx)
朝つくひかけすさましきのきの空にうきてしくるる雲そまちかき
あさつくひ−かけすさましき−のきのそらに−うきてしくるる−くもそまちかき |
00016 |
未入力 (xxx)
夜もすから時雨すさめる村雲のたえまにきよき里そさむけき
よもすから−しくれすさめる−むらくもの−たえまにきよき−さとそさむけき |
00017 |
未入力 (xxx)
山さむきひはらの嵐おと暮れて雪けの雲そ空にうこかぬ
やまさむき−ひはらのあらし−おとくれて−ゆきけのくもそ−そらにうこかぬ |
00018 |
未入力 (xxx)
はれくもり時雨るる雲のたえたえによわきゆふひはうつるともなし
はれくもり−しくるるくもの−たえたえに−よわきゆふひは−うつるともなし |
00019 |
未入力 (xxx)
そらたかくさえすむ月はしつかにてゆきけにこほるよその村雲
そらたかく−さえすむつきは−しつかにて−ゆきけにこほる−よそのむらくも |
00020 |
未入力 (xxx)
時雨れつる夜のまの空のそのままにうきたつくもの色もすさまし
しくれつる−よのまのそらの−そのままに−うきたつくもの−いろもすさまし |
00021 |
未入力 (xxx)
月うすき空すさましくなかむれはしくれのあとの雲のむらむら
つきうすき−そらすさましく−なかむれは−しくれのあとの−くものむらむら |
00022 |
未入力 (xxx)
いまははや雪けの空かこのゆふへ雲のけしきのたたにしもにぬ
いまははや−ゆきけのそらか−このゆふへ−くものけしきの−たたにしもにぬ |
00023 |
未入力 (xxx)
こほるかと空さへみえて月のあたりむらむらしろき雲もさむけし
こほるかと−そらさへみえて−つきのあたり−むらむらしろき−くももさむけし |
00024 |
未入力 (xxx)
花にまかへ月にいとひてみし雲の雪けにこほるふゆはきにけり
はなにまかへ−つきにいとひて−みしくもの−ゆきけにこほる−ふゆはきにけり |
00025 |
未入力 (xxx)
はれくもりしくれすさめる日の色のうつるもさひし村雲の空
はれくもり−しくれすさめる−ひのいろの−うつるもさひし−むらくものそら |
00026 |
未入力 (xxx)
時雨れつるのきのしつくは猶おちてあけゆく空のくものむらむら
しくれつる−のきのしつくは−なほおちて−あけゆくそらの−くものむらむら |
00027 |
未入力 (xxx)
山あらしにうきてたたよふ村雲のしくれてわたる冬そさひしき
やまあらしに−うきてたたよふ−むらくもの−しくれてわたる−ふゆそさひしき |
00028 |
未入力 (xxx)
むらむらにこほれる雲の空にみちてくもるとみれはゆきおちぬなり
むらむらに−こほれるくもの−そらにみちて−くもるとみれは−ゆきおちぬなり |
00029 |
未入力 (xxx)
かきくらし時雨と見えてしからきやとやまの峰に雲そかかれる
かきくらし−しくれとみえて−しからきや−とやまのみねに−くもそかかれる |
00030 |
未入力 (xxx)
ゆふ日さすおち葉かうへに時雨すきて庭にみたるるうき雲の影
ゆふひさす−おちはかうへに−しくれすきて−にはにみたるる−うきくものかけ |
00031 |
未入力 (xxx)
山のはにたなひく雲のそのままに時雨れてくるる空そさひしき
やまのはに−たなひくくもの−そのままに−しくれてくるる−そらそさひしき |
00032 |
未入力 (xxx)
ゆふひかけさすやのきはに影みえてしくるるくもの一むらそゆく
ゆふひかけ−さすやのきはに−かけみえて−しくるるくもの−ひとむらそゆく |
00033 |
未入力 (xxx)
ちりつもる木の葉は庭にかたよりてはけしくはらふ山おろしのかせ
ちりつもる−このははにはに−かたよりて−はけしくはらふ−やまおろしのかせ |
00034 |
未入力 (xxx)
竹の葉にあけかたしろく霜さえてふきさやく風もおとそこほれる
たけのはに−あけかたしろく−しもさえて−ふきさやくかせも−おとそこほれる |
00035 |
未入力 (xxx)
霜かれの色こそあらめをきの葉のかせのおとさへ秋にかはれる
しもかれの−いろこそあらめ−をきのはの−かせのおとさへ−あきにかはれる |
00036 |
未入力 (xxx)
ふきさやく竹の葉かせはまとさむしすたれにかかる雪のゆふくれ
ふきさやく−たけのはかせは−まとさむし−すたれにかかる−ゆきのゆふくれ |
00037 |
未入力 (xxx)
たかねより雪にあられを吹きませてふもとの庭にかせおろすなり
たかねより−ゆきにあられを−ふきませて−ふもとのにはに−かせおろすなり |
00038 |
未入力 (xxx)
いまたにも物すさましき風のおとよなほいりたたむ冬そしらるる
いまたにも−ものすさましき−かせのおとよ−なほいりたたむ−ふゆそしらるる |
00039 |
未入力 (xxx)
まほにひく舟のすくるはしつかにてかれたつあしにさわく夕かせ
まほにひく−ふねのすくるは−しつかにて−かれたつあしに−さわくゆふかせ |
00040 |
未入力 (xxx)
木の葉をはさそひつくして山おろしのはけしきおとそ松にきこゆる
このはをは−さそひつくして−やまおろしの−はけしきおとそ−まつにきこゆる |
00041 |
未入力 (xxx)
すゑにうつる入日のかけはうすくみえて竹よりさむき冬のゆふ風
すゑにうつる−いりひのかけは−うすくみえて−たけよりさむき−ふゆのゆふかせ |
00042 |
未入力 (xxx)
山かけや人はおとせぬゆふくれの庭の木の葉に嵐ふくなり
やまかけや−ひとはおとせぬ−ゆふくれの−にはのこのはに−あらしふくなり |
00043 |
未入力 (xxx)
ふゆきぬと木の葉みたるる山かけのあらしの風もおとそさむけき
ふゆきぬと−このはみたるる−やまかけの−あらしのかせも−おとそさむけき |
00044 |
未入力 (xxx)
ちりすさふ木の葉みたるる夕暮につねよりあらきかせのおとかな
ちりすさふ−このはみたるる−ゆふくれに−つねよりあらき−かせのおとかな |
00045 |
未入力 (xxx)
冬かれのむなしき木木は枝さひて松にそむせふ山風の声
ふゆかれの−むなしきききは−えたさひて−まつにそむせふ−やまかせのこゑ |
00046 |
未入力 (xxx)
ふゆかれのむなしき梢吹きすきてまつにはけしき風のおとかな
ふゆかれの−むなしきこすゑ−ふきすきて−まつにはけしき−かせのおとかな |
00047 |
未入力 (xxx)
おきてみる朝けの檐は霜しろしおとせぬ風は身にさむくして
おきてみる−あさけののきは−しもしろし−おとせぬかせは−みにさむくして |
00048 |
未入力 (xxx)
はれきよき霜夜の星の空さえて木すゑにひひく風そはけしき
はれきよき−しもよのほしの−そらさえて−こすゑにひひく−かせそはけしき |
00049 |
未入力 (xxx)
さらてたにかたしくそてのさゆる夜に雪吹きおろすとこのやまかせ
さらてたに−かたしくそての−さゆるよに−ゆきふきおろす−とこのやまかせ |
00050 |
未入力 (xxx)
かせさやくまかきの竹の夜もすからむすへる霜もさそこほるらん
かせさやく−まかきのたけの−よもすから−むすへるしもも−さそこほるらむ |
00051 |
未入力 (xxx)
さえとほる霜夜の風は身にしみてはれたる空に星そきよけき
さえとほる−しもよのかせは−みにしみて−はれたるそらに−ほしそきよけき |
00052 |
未入力 (xxx)
吹きとほす木木のひひきもはけしきはふゆやあらしの時にはあるらん
ふきとほす−ききのひひきも−はけしきは−ふゆやあらしの−ときにはあるらむ |
00053 |
未入力 (xxx)
身にしみてききこしかせの吹きかへてまた木からしのおとそはけしき
みにしみて−ききこしかせの−ふきかへて−またこからしの−おとそはけしき |
00054 |
未入力 (xxx)
木のはなきこすゑに月はかけさえておもてにあたる風そさむけき
このはなき−こすゑにつきは−かけさえて−おもてにあたる−かせそさむけき |
00055 |
未入力 (xxx)
さそはれぬよその松さへおとそへて木の葉ちりかふかせそはけしき
さそはれぬ−よそのまつさへ−おとそへて−このはちりかふ−かせそはけしき |
00056 |
未入力 (xxx)
ふきとほす木すゑの風は身にしみてさゆるしも夜の星きよきそら
ふきとほす−こすゑのかせは−みにしみて−さゆるしもよの−ほしきよきそら |
00057 |
未入力 (xxx)
まかひつる時雨ははやくすきにけりのきはにのこる松かせのこゑ
まかひつる−しくれははやく−すきにけり−のきはにのこる−まつかせのこゑ |
00058 |
未入力 (xxx)
ふきわたる峰の木すゑはおともせておち葉かうへにひひくやまかせ
ふきわたる−みねのこすゑは−おともせて−おちはかうへに−ひひくやまかせ |
00059 |
未入力 (xxx)
□□□□□□□□□□□□□□□せてまとにはけしき山おろしのかせ
□□□□□−□□□□□□□−□□□せて−まとにはけしき−やまおろしのかせ |
00060 |
未入力 (xxx)
おとわかぬ木の葉時雨を吹きませてまとすさましく風はらふなり
おとわかぬ−このはしくれを−ふきませて−まとすさましく−かせはらふなり |
00061 |
未入力 (xxx)
ならはねは恋しつらしとわかねとも心にもののかかりそめぬる
ならはねは−こひしつらしと−わかねとも−こころにものの−かかりそめぬる |
00062 |
未入力 (xxx)
しらせねはあはれもうさもまたみぬに涙まてにはなにかこほるる
しらせねは−あはれもうさも−またみぬに−なみたまてには−なにかこほるる |
00063 |
未入力 (xxx)
おもふてふことはかくこそおほえけれまたしらさりし人のあはれの
おもふてふ−ことはかくこそ−おほえけれ−またしらさりし−ひとのあはれの |
00064 |
未入力 (xxx)
うきこともなれて涙のひまやあると物おもふ人の袖にとははや
うきことも−なれてなみたの−ひまやあると−ものおもふひとの−そてにとははや |
00065 |
未入力 (xxx)
人はいさなひきなひかす思ひあまる心にまけてもらしてやみむ
ひとはいさ−なひきなひかす−おもひあまる−こころにまけて−もらしてやみむ |
00066 |
未入力 (xxx)
夢かなほみたれそめぬるあさねかみまたかきやらむすゑもしらねは
ゆめかなほ−みたれそめぬる−あさねかみ−またかきやらむ−すゑもしらねは |
00067 |
未入力 (xxx)
我なからしらすよいつのゆふへよりありしにもにすなかめらるらむ
われなから−しらすよいつの−ゆふへより−ありしにもにす−なかめらるらむ |
00068 |
未入力 (xxx)
涙こそまつしりそむれ昨日けふ心にかかるおもひありとも
なみたこそ−まつしりそむれ−きのふけふ−こころにかかる−おもひありとも |
00069 |
未入力 (xxx)
いくうらみいくつらさにかむかふへき今より人のおもふにもにぬ
いくうらみ−いくつらさにか−むかふへき−いまよりひとの−おもふにもにぬ |
00070 |
未入力 (xxx)
うちつけにふかきおもひの我にそふよいつならひけるあはれなるらむ
うちつけに−ふかきおもひの−われにそふよ−いつならひける−あはれなるらむ |
00071 |
未入力 (xxx)
物おもふ心をかねてまちかほにいつしかもろき我か涙かな
ものおもふ−こころをかねて−まちかほに−いつしかもろき−わかなみたかな |
00072 |
未入力 (xxx)
おもひそむる心にやかてふかき色をいかさまにして人にみせまし
おもひそむる−こころにやかて−ふかきいろを−いかさまにして−ひとにみせまし |
00073 |
未入力 (xxx)
いかならむそのゆくすゑのいくおもひ人にこころのまよひそめぬる
いかならむ−そのゆくすゑの−いくおもひ−ひとにこころの−まよひそめぬる |
00074 |
未入力 (xxx)
人しれぬ心の中のおもひゆゑつねはなかめのひころにもにぬ
ひとしれぬ−こころのうちの−おもひゆゑ−つねはなかめの−ひころにもにぬ |
00075 |
未入力 (xxx)
たのむへき契のはてよいさやいかにうき名にかへてまよひそめても
たのむへき−ちきりのはてよ−いさやいかに−うきなにかへて−まよひそめても |
00076 |
未入力 (xxx)
いつしかとうたて涙のせくかたもしらぬたもとにあまるかなしさ
いつしかと−うたてなみたの−せくかたも−しらぬたもとに−あまるかなしさ |
00077 |
未入力 (xxx)
けさよ猶あやしくかはるなかめかないかなるゆめのいかかみえつる
けさよなほ−あやしくかはる−なかめかな−いかなるゆめの−いかかみえつる |
00078 |
未入力 (xxx)
うちつけに人は心のわれににぬにつひの契もすてにかなしき
うちつけに−ひとはこころの−われににぬに−つひのちきりも−すてにかなしき |
00079 |
未入力 (xxx)
いひいてぬこれは猶もとなくさめて人のうからむのちをしそおもふ
いひいてぬ−これはなほもと−なくさめて−ひとのうからむ−のちをしそおもふ |
00080 |
未入力 (xxx)
しらすかほにもてなす人のつれなさにまけてそわれもいひよわりぬる
しらすかほに−もてなすひとの−つれなさに−まけてそわれも−いひよわりぬる |
00081 |
未入力 (xxx)
こほれおつる涙よされはいつよりの人のつらさにならひそめけん
こほれおつる−なみたよされは−いつよりの−ひとのつらさに−ならひそめけむ |
00082 |
未入力 (xxx)
まよひそむるいまの心のくるしさに契のすゑそおもひしらるる
まよひそむる−いまのこころの−くるしさに−ちきりのすゑそ−おもひしらるる |
00083 |
未入力 (xxx)
つれなしとなにおもひけむかきりあれはあひみる夜はもありけるものを
つれなしと−なにおもひけむ−かきりあれは−あひみるよはも−ありけるものを |
00084 |
未入力 (xxx)
もらしてもいさやいかかのやすらひに□□□□□□□□□□□□□□
もらしても−いさやいかかの−やすらひに−□□□□□□□−□□□□□□□ |
00085 |
未入力 (xxx)
□□□□□□□□□□□□□□□みてわれとやさらはうらみのかまし
□□□□□−□□□□□□□−□□□みて−われとやさらは−うらみのかまし |
00086 |
未入力 (xxx)
いつくにかあはれをとめてしたふらんかきりとみゆる人のつらさを
いつくにか−あはれをとめて−したふらむ−かきりとみゆる−ひとのつらさを |
00087 |
未入力 (xxx)
あふにしもかへぬいのちのきはに成りてさてもと思ふそさらにかなしき
あふにしも−かへぬいのちの−きはになりて−さてもとおもふそ−さらにかなしき |
00088 |
未入力 (xxx)
なからへん身ともおほえすなりはてぬよしやつらさもうさもいくほと
なからへむ−みともおほえす−なりはてぬ−よしやつらさも−うさもいくほと |
00089 |
未入力 (xxx)
わすれかねてうきおもかけの身にそふやたえてののちもかた身なるらん
わすれかねて−うきおもかけの−みにそふや−たえてののちも−かたみなるらむ |
00090 |
未入力 (xxx)
たのますはかからさらましうき中の契のすゑそうらみなりける
たのますは−かからさらまし−うきなかの−ちきりのすゑそ−うらみなりける |
00091 |
未入力 (xxx)
いまは我人も契らぬのちの世のたのみはかりやなくさめにせむ
いまはわれ−ひともちきらぬ−のちのよの−たのみはかりや−なくさめにせむ |
00092 |
未入力 (xxx)
うしとたにいまはなにかは中中にたのむまてこそ人もつらけれ
うしとたに−いまはなにかは−なかなかに−たのむまてこそ−ひともつらけれ |
00093 |
未入力 (xxx)
とはれぬにつけておもひのまさるかないのちやこひのかきりなるへき
とはれぬに−つけておもひの−まさるかな−いのちやこひの−かきりなるへき |
00094 |
未入力 (xxx)
人しれす我のみよわきあはれかなこの一ふしそかきりとおもへは
ひとしれす−われのみよわき−あはれかな−このひとふしそ−かきりとおもへは |
00095 |
未入力 (xxx)
しけかりしうらみよそれもころすきてのこるあはれそひとりかなしき
しけかりし−うらみよそれも−ころすきて−のこるあはれそ−ひとりかなしき |
00096 |
未入力 (xxx)
うきにたへていくせしたひし心さへよわるつらさのきはになりぬる
うきにたへて−いくせしたひし−こころさへ−よわるつらさの−きはになりぬる |
00097 |
未入力 (xxx)
我もこれおなし心にいとふそよつらさのはてをみつるいのちは
われもこれ−おなしこころに−いとふそよ−つらさのはてを−みつるいのちは |
00098 |
未入力 (xxx)
人心うきあまりにはおほかたの世をさへかけてうらみたちぬる
ひとこころ−うきあまりには−おほかたの−よをさへかけて−うらみたちぬる |
00099 |
未入力 (xxx)
我のみはうさをもしひてしのふともかはるかうへの人はいつまて
われのみは−うさをもしひて−しのふとも−かはるかうへの−ひとはいつまて |
00100 |
未入力 (xxx)
こひしなむいのちのはてのきはに成りぬうさもあはれもさもあらはあれ
こひしなむ−いのちのはての−きはになりぬ−うさもあはれも−さもあらはあれ |
00101 |
未入力 (xxx)
うきをみてはあらしとおもひし我か心いかになりぬるいのちなかさそ
うきをみては−あらしとおもひし−わかこころ−いかになりぬる−いのちなかさそ |
00102 |
未入力 (xxx)
うききはもつらきかきりもみつくしつつれなやさのみなにをまつ身そ
うききはも−つらきかきりも−みつくしつ−つれなやさのみ−なにをまつみそ |
00103 |
未入力 (xxx)
かきりあれはしたふ心をあらためておもひとるしもまたあはれなり
かきりあれは−したふこころを−あらためて−おもひとるしも−またあはれなり |
00104 |
未入力 (xxx)
あはれにもうき年月をかそふれはこひもいのちもかきりにそなる
あはれにも−うきとしつきを−かそふれは−こひもいのちも−かきりにそなる |
00105 |
未入力 (xxx)
なほあはれおもはさりしよよそにかくうらみのくへき契なりとは
なほあはれ−おもはさりしよ−よそにかく−うらみのくへき−ちきりなりとは |
00106 |
未入力 (xxx)
山も猶とほき峰より色きえてちかきをのへは暮れのこりけり
やまもなほ−とほきみねより−いろきえて−ちかきをのへは−くれのこりけり |
00107 |
未入力 (xxx)
うつりきゆるをかへのゆふ日かけさひてみとりいろこき松のむらたち
うつりきゆる−をかへのゆふひ−かけさひて−みとりいろこき−まつのむらたち |
00108 |
未入力 (xxx)
たかそむる物とはなしに山あをく水みとりなるいろそことなる
たかそむる−ものとはなしに−やまあをく−みつみとりなる−いろそことなる |
00109 |
未入力 (xxx)
やまのはにしつむ入日の一とほりくれなゐになる夕暮の色
やまのはに−しつむいりひの−ひととほり−くれなゐになる−ゆふくれのいろ |
00110 |
未入力 (xxx)
うき世にはいまもかはらすすみそめのゆふへの色そそめてかひなき
うきよには−いまもかはらす−すみそめの−ゆふへのいろそ−そめてかひなき |
00111 |
未入力 (xxx)
なれてすむ契ありける山まつの葉かへぬいろに我もつれなし
なれてすむ−ちきりありける−やままつの−はかへぬいろに−われもつれなし |
00112 |
未入力 (xxx)
みとりこき日影の山のはるはるとおのれまかはすわたるしらさき
みとりこき−ひかけのやまの−はるはると−おのれまかはす−わたるしらさき |
00113 |
未入力 (xxx)
あたし色に心なとめそ花の春もみちの秋も一時のゆめ
あたしいろに−こころなとめそ−はなのはる−もみちのあきも−ひとときのゆめ |
00114 |
未入力 (xxx)
物として見えさらめやは世のなかにいろをはなるるかたちなけれは
ものとして−みえさらめやは−よのなかに−いろをはなるる−かたちなけれは |
00115 |
未入力 (xxx)
しつみぬるゆふひのにほひ空はれてにしにいろこき雲の一すち
しつみぬる−ゆふひのにほひ−そらはれて−にしにいろこき−くものひとすち |
00116 |
未入力 (xxx)
神もまたあはれとおもヘさか木葉の色もかはらすたのむ心は
かみもまた−あはれとおもヘ−さかきはの−いろもかはらす−たのむこころは |
00117 |
未入力 (xxx)
よしなしや花月雪のなさけしもすへてうき世の色そとおもへは
よしなしや−はなつきゆきの−なさけしも−すへてうきよの−いろそとおもへは |
00118 |
未入力 (xxx)
雨のなこりうきゆく雲のかけになりてゆふひにかはるやまの色かな
あめのなこり−うきゆくくもの−かけになりて−ゆふひにかはる−やまのいろかな |
00119 |
未入力 (xxx)
春のはな秋の紅葉のなさけまてもいろをはなるるかたちしそなき
はるのはな−あきのもみちの−なさけまても−いろをはなるる−かたちしそなき |
00120 |
未入力 (xxx)
うすくこく色こそかはれ葉かへせぬときはの山のおなしみとりも
うすくこく−いろこそかはれ−はかへせぬ−ときはのやまの−おなしみとりも |
00121 |
未入力 (xxx)
ほのほのとあけゆく空は星きえていろこくのこる峰のよこ雲
ほのほのと−あけゆくそらは−ほしきえて−いろこくのこる−みねのよこくも |
00122 |
未入力 (xxx)
にしの空の夕日のあとはさめやらて月よりかはる雲の色かな
にしのそらの−ゆふひのあとは−さめやらて−つきよりかはる−くものいろかな |
00123 |
未入力 (xxx)
いく千代そこけむしにける松かねのかはらぬいろをやとに契りて
いくちよそ−こけむしにける−まつかねの−かはらぬいろを−やとにちきりて |
00124 |
未入力 (xxx)
かきりなき我か君か代のゆくすゑはしら玉つはき色にみゆらん
かきりなき−わかきみかよの−ゆくすゑは−しらたまつはき−いろにみゆらむ |
00125 |
未入力 (xxx)
一しきり花も紅葉もすきぬれはみとりにかへるよもの山のは
ひとしきり−はなももみちも−すきぬれは−みとりにかへる−よものやまのは |
00126 |
未入力 (xxx)
はかなしやありはてぬ世のかりの色に心をそめてなになけくらむ
はかなしや−ありはてぬよの−かりのいろに−こころをそめて−なになけくらむ |
00127 |
未入力 (xxx)
しらみまさる空のみとりはうすく見えてあけのこるほしのかすそきえゆく
しらみまさる−そらのみとりは−うすくみえて−あけのこるほしの−かすそきえゆく |
00128 |
未入力 (xxx)
山のはにあくるひかりのにほふよりいろこき空そうすくなりゆく
やまのはに−あくるひかりの−にほふより−いろこきそらそ−うすくなりゆく |
00129 |
未入力 (xxx)
雨はれてみとりいろこき山のはに猶たちのこるくものむらむら
あめはれて−みとりいろこき−やまのはに−なほたちのこる−くものむらむら |
00130 |
未入力 (xxx)
をちこちの山のみとりのうすくこきゆふ日うつれる色そことなる
をちこちの−やまのみとりの−うすくこき−ゆふひうつれる−いろそことなる |
00131 |
未入力 (xxx)
入りかかる夕日の山はいろこくてとほき木すゑそうすく暮れゆく
いりかかる−ゆふひのやまは−いろこくて−とほきこすゑそ−うすくくれゆく |
00132 |
未入力 (xxx)
身こそあらめ心をちりの外になしてうき世の色にそましとそおもふ
みこそあらめ−こころをちりの−ほかになして−うきよのいろに−そましとそおもふ |
00133 |
未入力 (xxx)
けにいとふ心やかたき世の中をうしとはなへて人のいへとも
けにいとふ−こころやかたき−よのなかを−うしとはなへて−ひとのいへとも |
00134 |
未入力 (xxx)
いまは我か心になにかかかるへきたた一みちのまことならては
いまはわか−こころになにか−かかるへき−たたひとみちの−まことならては |
00135 |
未入力 (xxx)
つきもせすうかふおもひのいくうつりいつくにとまる心ともなし
つきもせす−うかふおもひの−いくうつり−いつくにとまる−こころともなし |
00136 |
未入力 (xxx)
すなほなる心をうけはをとこやまいのらすとても我か君の御代
すなほなる−こころをうけは−をとこやま−いのらすとても−わかきみのみよ |
00137 |
未入力 (xxx)
ときとしてとにもかくにもさたまらぬ心はなにをぬしとしもなし
ときとして−とにもかくにも−さたまらぬ−こころはなにを−ぬしとしもなし |
00138 |
未入力 (xxx)
かすならぬ身とはさすかにしるかうへをなけく心よあはれはかなき
かすならぬ−みとはさすかに−しるかうへを−なけくこころよ−あはれはかなき |
00139 |
未入力 (xxx)
きみかため二心なきこころにてつかふる道も六十へにけり
きみかため−ふたこころなき−こころにて−つかふるみちも−むそちへにけり |
00140 |
未入力 (xxx)
津の国のなにはのことのよしあしも我か心には一ふしそなき
つのくにの−なにはのことの−よしあしも−わかこころには−ひとふしそなき |
00141 |
未入力 (xxx)
よしあしとおもふ心もこころよりほかにはいてぬ物にそ有りける
よしあしと−おもふこころも−こころより−ほかにはいてぬ−ものにそありける |
00142 |
未入力 (xxx)
おもひとけはおのかさまさまかはる世の人の心のおくそゆかしき
おもひとけは−おのかさまさま−かはるよの−ひとのこころの−おくそゆかしき |
00143 |
未入力 (xxx)
つれなくもうきをしらぬになりぬへし心にけちてすくすこの世を
つれなくも−うきをしらぬに−なりぬへし−こころにけちて−すくすこのよを |
00144 |
未入力 (xxx)
うしとけに思ふ心のなけれはや猶世のなかにかくてすむらむ
うしとけに−おもふこころの−なけれはや−なほよのなかに−かくてすむらむ |
00145 |
未入力 (xxx)
物ことに心をとめはなににかはうき世の中のしられさるへき
ものことに−こころをとめは−なににかは−うきよのなかの−しられさるへき |
00146 |
未入力 (xxx)
さまさまにおほくのゆめのみゆるにそねても心のうつるをはしる
さまさまに−おほくのゆめの−みゆるにそ−ねてもこころの−うつるをはしる |
00147 |
未入力 (xxx)
心てふかたちやなにそ物にふれてうつるおもひのうこくならては
こころてふ−かたちやなにそ−ものにふれて−うつるおもひの−うこくならては |
00148 |
未入力 (xxx)
いままてに心ひとつのあらましのまことにならぬ身をそうらむる
いままてに−こころひとつの−あらましの−まことにならぬ−みをそうらむる |
00149 |
未入力 (xxx)
さのみやはうれへもあへん心をはなきになしてそ世をすくすへき
さのみやは−うれへもあへむ−こころをは−なきになしてそ−よをすくすへき |
00150 |
未入力 (xxx)
おのつから我とさとりてしるみちを心のほかになにもとめけむ
おのつから−われとさとりて−しるみちを−こころのほかに−なにもとめけむ |
00151 |
未入力 (xxx)
よしあしとうこく思ひのほかにしてむかふ心は一こともなし
よしあしと−うこくおもひの−ほかにして−むかふこころは−ひとこともなし |
00152 |
未入力 (xxx)
こころよりやかてつたふる心なれはほかにもとめぬものにそありける
こころより−やかてつたふる−こころなれは−ほかにもとめぬ−ものにそありける |
00153 |
未入力 (xxx)
おもひすてはやすからましをいとひかねて我か心から世をなけくかな
おもひすては−やすからましを−いとひかねて−わかこころから−よをなけくかな |
00154 |
未入力 (xxx)
一すちにいとひもはてぬ心もて世をうき物となにかいふらむ
ひとすちに−いとひもはてぬ−こころもて−よをうきものと−なにかいふらむ |
00155 |
未入力 (xxx)
物によらぬもとの心はあめつちにへたつるところあらしとそ思ふ
ものによらぬ−もとのこころは−あめつちに−へたつるところ−あらしとそおもふ |
00156 |
未入力 (xxx)
ありとすれはそのかたちなしなしとすれはありなしわくも心なりけり
ありとすれは−そのかたちなし−なしとすれは−ありなしわくも−こころなりけり |
00157 |
未入力 (xxx)
さ夜ふくるよものあはれはうかひきて心もちらぬ灯のもと
さよふくる−よものあはれは−うかひきて−こころもちらぬ−ともしひのもと |
00158 |
未入力 (xxx)
うしとおもひうれしとわくもすへてたたわか心よりなすにそ有りける
うしとおもひ−うれしとわくも−すへてたた−わかこころより−なすにそありける |
00159 |
未入力 (xxx)
かくはかりうき世をしらぬ心もて心ありとはなにおもふらむ
かくはかり−うきよをしらぬ−こころもて−こころありとは−なにおもふらむ |
00160 |
未入力 (xxx)
いつくよりいかにはしまる心にて時そともなくうつるおもひそ
いつくより−いかにはしまる−こころにて−ときそともなく−うつるおもひそ |
00161 |
未入力 (xxx)
世もくもり人の心もにこれるはわかみなもとのすまぬなるへし
よもくもり−ひとのこころも−にこれるは−わかみなもとの−すまぬなるへし |
00162 |
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へたてけるまよひさとりのぬしやたれむかふままなるもとの心を
へたてける−まよひさとりの−ぬしやたれ−むかふままなる−もとのこころを |
00163 |
未入力 (xxx)
よもにおこる心のゆくへなになれやそれをしりせはまよはさらまし
よもにおこる−こころのゆくへ−なになれや−それをしりせは−まよはさらまし |