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院六首歌合


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作品集名院六首歌合 
作品集名読みいんろくしゅうたあわせ 
作成年月日康永二年冬以前(1343年冬以前)
場所 

00001
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そらさむき霜夜の月のをちかたにこほりしつまる雲のむらむら

そらさむき−しもよのつきの−をちかたに−こほりしつまる−くものむらむら


00002
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たかねより時雨れてくたる夕暮のそらにははやき雲もみえけり

たかねより−しくれてくたる−ゆふくれの−そらにははやき−くももみえけり


00003
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なかめやる夕のやまのかきくれて雲にうつめる時雨ふるらし

なかめやる−ゆふへのやまの−かきくれて−くもにうつめる−しくれふるらし


00004
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村しくれはれくもりせしうき雲のそらにこほるや雪けなるらむ

むらしくれ−はれくもりせし−うきくもの−そらにこほるや−ゆきけなるらむ


00005
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いつかたにゆくともみえぬ村雲のけしきもさむき冬の夕昏

いつかたに−ゆくともみえぬ−むらくもの−けしきもさむき−ふゆのゆふくれ


00006
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しくれすさみはるるともなき夕つく日空すさましき雲のむらむら

しくれすさみ−はるるともなき−ゆふつくひ−そらすさましき−くものむらむら


00007
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時雨れつるやまへはなれぬ雲さむみかくてや雪にならむとすらん

しくれつる−やまへはなれぬ−くもさむみ−かくてやゆきに−ならむとすらむ


00008
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ふゆのきて木の葉のこらぬ木木さひて空ものさむきくもの夕暮

ふゆのきて−このはのこらぬ−ききさひて−そらものさむき−くものゆふくれ


00009
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なきさわく夕のからすとひすきていろこくこほる村雲のそら

なきさわく−ゆふへのからす−とひすきて−いろこくこほる−むらくものそら


00010
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夕嵐時雨を北にふきなしてうきまよふ雲そ空にこほれる

ゆふあらし−しくれをきたに−ふきなして−うきまよふくもそ−そらにこほれる


00011
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ふりすさふ時雨のそらのうき雲にみえぬ夕日のかけそうつろふ

ふりすさふ−しくれのそらの−うきくもに−みえぬゆふひの−かけそうつろふ


00012
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さえあれてさむき雪けの雲まよりはつかにみゆる夕つくよかな

さえあれて−さむきゆきけの−くもまより−はつかにみゆる−ゆふつくよかな


00013
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きえおこる空のうき雲いくたひかはるるあとよりまた時雨るらん

きえおこる−そらのうきくも−いくたひか−はるるあとより−またしくるらむ


00014
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ゆふつくひくもるともなき一時雨のきはのそらをわたるうき雲

ゆふつくひ−くもるともなき−ひとしくれ−のきはのそらを−わたるうきくも


00015
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朝つくひかけすさましきのきの空にうきてしくるる雲そまちかき

あさつくひ−かけすさましき−のきのそらに−うきてしくるる−くもそまちかき


00016
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夜もすから時雨すさめる村雲のたえまにきよき里そさむけき

よもすから−しくれすさめる−むらくもの−たえまにきよき−さとそさむけき


00017
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山さむきひはらの嵐おと暮れて雪けの雲そ空にうこかぬ

やまさむき−ひはらのあらし−おとくれて−ゆきけのくもそ−そらにうこかぬ


00018
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はれくもり時雨るる雲のたえたえによわきゆふひはうつるともなし

はれくもり−しくるるくもの−たえたえに−よわきゆふひは−うつるともなし


00019
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そらたかくさえすむ月はしつかにてゆきけにこほるよその村雲

そらたかく−さえすむつきは−しつかにて−ゆきけにこほる−よそのむらくも


00020
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時雨れつる夜のまの空のそのままにうきたつくもの色もすさまし

しくれつる−よのまのそらの−そのままに−うきたつくもの−いろもすさまし


00021
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月うすき空すさましくなかむれはしくれのあとの雲のむらむら

つきうすき−そらすさましく−なかむれは−しくれのあとの−くものむらむら


00022
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いまははや雪けの空かこのゆふへ雲のけしきのたたにしもにぬ

いまははや−ゆきけのそらか−このゆふへ−くものけしきの−たたにしもにぬ


00023
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こほるかと空さへみえて月のあたりむらむらしろき雲もさむけし

こほるかと−そらさへみえて−つきのあたり−むらむらしろき−くももさむけし


00024
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花にまかへ月にいとひてみし雲の雪けにこほるふゆはきにけり

はなにまかへ−つきにいとひて−みしくもの−ゆきけにこほる−ふゆはきにけり


00025
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はれくもりしくれすさめる日の色のうつるもさひし村雲の空

はれくもり−しくれすさめる−ひのいろの−うつるもさひし−むらくものそら


00026
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時雨れつるのきのしつくは猶おちてあけゆく空のくものむらむら

しくれつる−のきのしつくは−なほおちて−あけゆくそらの−くものむらむら


00027
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山あらしにうきてたたよふ村雲のしくれてわたる冬そさひしき

やまあらしに−うきてたたよふ−むらくもの−しくれてわたる−ふゆそさひしき


00028
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むらむらにこほれる雲の空にみちてくもるとみれはゆきおちぬなり

むらむらに−こほれるくもの−そらにみちて−くもるとみれは−ゆきおちぬなり


00029
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かきくらし時雨と見えてしからきやとやまの峰に雲そかかれる

かきくらし−しくれとみえて−しからきや−とやまのみねに−くもそかかれる


00030
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ゆふ日さすおち葉かうへに時雨すきて庭にみたるるうき雲の影

ゆふひさす−おちはかうへに−しくれすきて−にはにみたるる−うきくものかけ


00031
未入力 (xxx)

山のはにたなひく雲のそのままに時雨れてくるる空そさひしき

やまのはに−たなひくくもの−そのままに−しくれてくるる−そらそさひしき


00032
未入力 (xxx)

ゆふひかけさすやのきはに影みえてしくるるくもの一むらそゆく

ゆふひかけ−さすやのきはに−かけみえて−しくるるくもの−ひとむらそゆく


00033
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ちりつもる木の葉は庭にかたよりてはけしくはらふ山おろしのかせ

ちりつもる−このははにはに−かたよりて−はけしくはらふ−やまおろしのかせ


00034
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竹の葉にあけかたしろく霜さえてふきさやく風もおとそこほれる

たけのはに−あけかたしろく−しもさえて−ふきさやくかせも−おとそこほれる


00035
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霜かれの色こそあらめをきの葉のかせのおとさへ秋にかはれる

しもかれの−いろこそあらめ−をきのはの−かせのおとさへ−あきにかはれる


00036
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ふきさやく竹の葉かせはまとさむしすたれにかかる雪のゆふくれ

ふきさやく−たけのはかせは−まとさむし−すたれにかかる−ゆきのゆふくれ


00037
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たかねより雪にあられを吹きませてふもとの庭にかせおろすなり

たかねより−ゆきにあられを−ふきませて−ふもとのにはに−かせおろすなり


00038
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いまたにも物すさましき風のおとよなほいりたたむ冬そしらるる

いまたにも−ものすさましき−かせのおとよ−なほいりたたむ−ふゆそしらるる


00039
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まほにひく舟のすくるはしつかにてかれたつあしにさわく夕かせ

まほにひく−ふねのすくるは−しつかにて−かれたつあしに−さわくゆふかせ


00040
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木の葉をはさそひつくして山おろしのはけしきおとそ松にきこゆる

このはをは−さそひつくして−やまおろしの−はけしきおとそ−まつにきこゆる


00041
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すゑにうつる入日のかけはうすくみえて竹よりさむき冬のゆふ風

すゑにうつる−いりひのかけは−うすくみえて−たけよりさむき−ふゆのゆふかせ


00042
未入力 (xxx)

山かけや人はおとせぬゆふくれの庭の木の葉に嵐ふくなり

やまかけや−ひとはおとせぬ−ゆふくれの−にはのこのはに−あらしふくなり


00043
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ふゆきぬと木の葉みたるる山かけのあらしの風もおとそさむけき

ふゆきぬと−このはみたるる−やまかけの−あらしのかせも−おとそさむけき


00044
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ちりすさふ木の葉みたるる夕暮につねよりあらきかせのおとかな

ちりすさふ−このはみたるる−ゆふくれに−つねよりあらき−かせのおとかな


00045
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冬かれのむなしき木木は枝さひて松にそむせふ山風の声

ふゆかれの−むなしきききは−えたさひて−まつにそむせふ−やまかせのこゑ


00046
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ふゆかれのむなしき梢吹きすきてまつにはけしき風のおとかな

ふゆかれの−むなしきこすゑ−ふきすきて−まつにはけしき−かせのおとかな


00047
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おきてみる朝けの檐は霜しろしおとせぬ風は身にさむくして

おきてみる−あさけののきは−しもしろし−おとせぬかせは−みにさむくして


00048
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はれきよき霜夜の星の空さえて木すゑにひひく風そはけしき

はれきよき−しもよのほしの−そらさえて−こすゑにひひく−かせそはけしき


00049
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さらてたにかたしくそてのさゆる夜に雪吹きおろすとこのやまかせ

さらてたに−かたしくそての−さゆるよに−ゆきふきおろす−とこのやまかせ


00050
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かせさやくまかきの竹の夜もすからむすへる霜もさそこほるらん

かせさやく−まかきのたけの−よもすから−むすへるしもも−さそこほるらむ


00051
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さえとほる霜夜の風は身にしみてはれたる空に星そきよけき

さえとほる−しもよのかせは−みにしみて−はれたるそらに−ほしそきよけき


00052
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吹きとほす木木のひひきもはけしきはふゆやあらしの時にはあるらん

ふきとほす−ききのひひきも−はけしきは−ふゆやあらしの−ときにはあるらむ


00053
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身にしみてききこしかせの吹きかへてまた木からしのおとそはけしき

みにしみて−ききこしかせの−ふきかへて−またこからしの−おとそはけしき


00054
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木のはなきこすゑに月はかけさえておもてにあたる風そさむけき

このはなき−こすゑにつきは−かけさえて−おもてにあたる−かせそさむけき


00055
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さそはれぬよその松さへおとそへて木の葉ちりかふかせそはけしき

さそはれぬ−よそのまつさへ−おとそへて−このはちりかふ−かせそはけしき


00056
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ふきとほす木すゑの風は身にしみてさゆるしも夜の星きよきそら

ふきとほす−こすゑのかせは−みにしみて−さゆるしもよの−ほしきよきそら


00057
未入力 (xxx)

まかひつる時雨ははやくすきにけりのきはにのこる松かせのこゑ

まかひつる−しくれははやく−すきにけり−のきはにのこる−まつかせのこゑ


00058
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ふきわたる峰の木すゑはおともせておち葉かうへにひひくやまかせ

ふきわたる−みねのこすゑは−おともせて−おちはかうへに−ひひくやまかせ


00059
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□□□□□□□□□□□□□□□せてまとにはけしき山おろしのかせ

□□□□□−□□□□□□□−□□□せて−まとにはけしき−やまおろしのかせ


00060
未入力 (xxx)

おとわかぬ木の葉時雨を吹きませてまとすさましく風はらふなり

おとわかぬ−このはしくれを−ふきませて−まとすさましく−かせはらふなり


00061
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ならはねは恋しつらしとわかねとも心にもののかかりそめぬる

ならはねは−こひしつらしと−わかねとも−こころにものの−かかりそめぬる


00062
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しらせねはあはれもうさもまたみぬに涙まてにはなにかこほるる

しらせねは−あはれもうさも−またみぬに−なみたまてには−なにかこほるる


00063
未入力 (xxx)

おもふてふことはかくこそおほえけれまたしらさりし人のあはれの

おもふてふ−ことはかくこそ−おほえけれ−またしらさりし−ひとのあはれの


00064
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うきこともなれて涙のひまやあると物おもふ人の袖にとははや

うきことも−なれてなみたの−ひまやあると−ものおもふひとの−そてにとははや


00065
未入力 (xxx)

人はいさなひきなひかす思ひあまる心にまけてもらしてやみむ

ひとはいさ−なひきなひかす−おもひあまる−こころにまけて−もらしてやみむ


00066
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夢かなほみたれそめぬるあさねかみまたかきやらむすゑもしらねは

ゆめかなほ−みたれそめぬる−あさねかみ−またかきやらむ−すゑもしらねは


00067
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我なからしらすよいつのゆふへよりありしにもにすなかめらるらむ

われなから−しらすよいつの−ゆふへより−ありしにもにす−なかめらるらむ


00068
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涙こそまつしりそむれ昨日けふ心にかかるおもひありとも

なみたこそ−まつしりそむれ−きのふけふ−こころにかかる−おもひありとも


00069
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いくうらみいくつらさにかむかふへき今より人のおもふにもにぬ

いくうらみ−いくつらさにか−むかふへき−いまよりひとの−おもふにもにぬ


00070
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うちつけにふかきおもひの我にそふよいつならひけるあはれなるらむ

うちつけに−ふかきおもひの−われにそふよ−いつならひける−あはれなるらむ


00071
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物おもふ心をかねてまちかほにいつしかもろき我か涙かな

ものおもふ−こころをかねて−まちかほに−いつしかもろき−わかなみたかな


00072
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おもひそむる心にやかてふかき色をいかさまにして人にみせまし

おもひそむる−こころにやかて−ふかきいろを−いかさまにして−ひとにみせまし


00073
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いかならむそのゆくすゑのいくおもひ人にこころのまよひそめぬる

いかならむ−そのゆくすゑの−いくおもひ−ひとにこころの−まよひそめぬる


00074
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人しれぬ心の中のおもひゆゑつねはなかめのひころにもにぬ

ひとしれぬ−こころのうちの−おもひゆゑ−つねはなかめの−ひころにもにぬ


00075
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たのむへき契のはてよいさやいかにうき名にかへてまよひそめても

たのむへき−ちきりのはてよ−いさやいかに−うきなにかへて−まよひそめても


00076
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いつしかとうたて涙のせくかたもしらぬたもとにあまるかなしさ

いつしかと−うたてなみたの−せくかたも−しらぬたもとに−あまるかなしさ


00077
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けさよ猶あやしくかはるなかめかないかなるゆめのいかかみえつる

けさよなほ−あやしくかはる−なかめかな−いかなるゆめの−いかかみえつる


00078
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うちつけに人は心のわれににぬにつひの契もすてにかなしき

うちつけに−ひとはこころの−われににぬに−つひのちきりも−すてにかなしき


00079
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いひいてぬこれは猶もとなくさめて人のうからむのちをしそおもふ

いひいてぬ−これはなほもと−なくさめて−ひとのうからむ−のちをしそおもふ


00080
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しらすかほにもてなす人のつれなさにまけてそわれもいひよわりぬる

しらすかほに−もてなすひとの−つれなさに−まけてそわれも−いひよわりぬる


00081
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こほれおつる涙よされはいつよりの人のつらさにならひそめけん

こほれおつる−なみたよされは−いつよりの−ひとのつらさに−ならひそめけむ


00082
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まよひそむるいまの心のくるしさに契のすゑそおもひしらるる

まよひそむる−いまのこころの−くるしさに−ちきりのすゑそ−おもひしらるる


00083
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つれなしとなにおもひけむかきりあれはあひみる夜はもありけるものを

つれなしと−なにおもひけむ−かきりあれは−あひみるよはも−ありけるものを


00084
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もらしてもいさやいかかのやすらひに□□□□□□□□□□□□□□

もらしても−いさやいかかの−やすらひに−□□□□□□□−□□□□□□□


00085
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□□□□□□□□□□□□□□□みてわれとやさらはうらみのかまし

□□□□□−□□□□□□□−□□□みて−われとやさらは−うらみのかまし


00086
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いつくにかあはれをとめてしたふらんかきりとみゆる人のつらさを

いつくにか−あはれをとめて−したふらむ−かきりとみゆる−ひとのつらさを


00087
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あふにしもかへぬいのちのきはに成りてさてもと思ふそさらにかなしき

あふにしも−かへぬいのちの−きはになりて−さてもとおもふそ−さらにかなしき


00088
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なからへん身ともおほえすなりはてぬよしやつらさもうさもいくほと

なからへむ−みともおほえす−なりはてぬ−よしやつらさも−うさもいくほと


00089
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わすれかねてうきおもかけの身にそふやたえてののちもかた身なるらん

わすれかねて−うきおもかけの−みにそふや−たえてののちも−かたみなるらむ


00090
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たのますはかからさらましうき中の契のすゑそうらみなりける

たのますは−かからさらまし−うきなかの−ちきりのすゑそ−うらみなりける


00091
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いまは我人も契らぬのちの世のたのみはかりやなくさめにせむ

いまはわれ−ひともちきらぬ−のちのよの−たのみはかりや−なくさめにせむ


00092
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うしとたにいまはなにかは中中にたのむまてこそ人もつらけれ

うしとたに−いまはなにかは−なかなかに−たのむまてこそ−ひともつらけれ


00093
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とはれぬにつけておもひのまさるかないのちやこひのかきりなるへき

とはれぬに−つけておもひの−まさるかな−いのちやこひの−かきりなるへき


00094
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人しれす我のみよわきあはれかなこの一ふしそかきりとおもへは

ひとしれす−われのみよわき−あはれかな−このひとふしそ−かきりとおもへは


00095
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しけかりしうらみよそれもころすきてのこるあはれそひとりかなしき

しけかりし−うらみよそれも−ころすきて−のこるあはれそ−ひとりかなしき


00096
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うきにたへていくせしたひし心さへよわるつらさのきはになりぬる

うきにたへて−いくせしたひし−こころさへ−よわるつらさの−きはになりぬる


00097
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我もこれおなし心にいとふそよつらさのはてをみつるいのちは

われもこれ−おなしこころに−いとふそよ−つらさのはてを−みつるいのちは


00098
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人心うきあまりにはおほかたの世をさへかけてうらみたちぬる

ひとこころ−うきあまりには−おほかたの−よをさへかけて−うらみたちぬる


00099
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我のみはうさをもしひてしのふともかはるかうへの人はいつまて

われのみは−うさをもしひて−しのふとも−かはるかうへの−ひとはいつまて


00100
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こひしなむいのちのはてのきはに成りぬうさもあはれもさもあらはあれ

こひしなむ−いのちのはての−きはになりぬ−うさもあはれも−さもあらはあれ


00101
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うきをみてはあらしとおもひし我か心いかになりぬるいのちなかさそ

うきをみては−あらしとおもひし−わかこころ−いかになりぬる−いのちなかさそ


00102
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うききはもつらきかきりもみつくしつつれなやさのみなにをまつ身そ

うききはも−つらきかきりも−みつくしつ−つれなやさのみ−なにをまつみそ


00103
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かきりあれはしたふ心をあらためておもひとるしもまたあはれなり

かきりあれは−したふこころを−あらためて−おもひとるしも−またあはれなり


00104
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あはれにもうき年月をかそふれはこひもいのちもかきりにそなる

あはれにも−うきとしつきを−かそふれは−こひもいのちも−かきりにそなる


00105
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なほあはれおもはさりしよよそにかくうらみのくへき契なりとは

なほあはれ−おもはさりしよ−よそにかく−うらみのくへき−ちきりなりとは


00106
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山も猶とほき峰より色きえてちかきをのへは暮れのこりけり

やまもなほ−とほきみねより−いろきえて−ちかきをのへは−くれのこりけり


00107
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うつりきゆるをかへのゆふ日かけさひてみとりいろこき松のむらたち

うつりきゆる−をかへのゆふひ−かけさひて−みとりいろこき−まつのむらたち


00108
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たかそむる物とはなしに山あをく水みとりなるいろそことなる

たかそむる−ものとはなしに−やまあをく−みつみとりなる−いろそことなる


00109
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やまのはにしつむ入日の一とほりくれなゐになる夕暮の色

やまのはに−しつむいりひの−ひととほり−くれなゐになる−ゆふくれのいろ


00110
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うき世にはいまもかはらすすみそめのゆふへの色そそめてかひなき

うきよには−いまもかはらす−すみそめの−ゆふへのいろそ−そめてかひなき


00111
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なれてすむ契ありける山まつの葉かへぬいろに我もつれなし

なれてすむ−ちきりありける−やままつの−はかへぬいろに−われもつれなし


00112
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みとりこき日影の山のはるはるとおのれまかはすわたるしらさき

みとりこき−ひかけのやまの−はるはると−おのれまかはす−わたるしらさき


00113
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あたし色に心なとめそ花の春もみちの秋も一時のゆめ

あたしいろに−こころなとめそ−はなのはる−もみちのあきも−ひとときのゆめ


00114
未入力 (xxx)

物として見えさらめやは世のなかにいろをはなるるかたちなけれは

ものとして−みえさらめやは−よのなかに−いろをはなるる−かたちなけれは


00115
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しつみぬるゆふひのにほひ空はれてにしにいろこき雲の一すち

しつみぬる−ゆふひのにほひ−そらはれて−にしにいろこき−くものひとすち


00116
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神もまたあはれとおもヘさか木葉の色もかはらすたのむ心は

かみもまた−あはれとおもヘ−さかきはの−いろもかはらす−たのむこころは


00117
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よしなしや花月雪のなさけしもすへてうき世の色そとおもへは

よしなしや−はなつきゆきの−なさけしも−すへてうきよの−いろそとおもへは


00118
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雨のなこりうきゆく雲のかけになりてゆふひにかはるやまの色かな

あめのなこり−うきゆくくもの−かけになりて−ゆふひにかはる−やまのいろかな


00119
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春のはな秋の紅葉のなさけまてもいろをはなるるかたちしそなき

はるのはな−あきのもみちの−なさけまても−いろをはなるる−かたちしそなき


00120
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うすくこく色こそかはれ葉かへせぬときはの山のおなしみとりも

うすくこく−いろこそかはれ−はかへせぬ−ときはのやまの−おなしみとりも


00121
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ほのほのとあけゆく空は星きえていろこくのこる峰のよこ雲

ほのほのと−あけゆくそらは−ほしきえて−いろこくのこる−みねのよこくも


00122
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にしの空の夕日のあとはさめやらて月よりかはる雲の色かな

にしのそらの−ゆふひのあとは−さめやらて−つきよりかはる−くものいろかな


00123
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いく千代そこけむしにける松かねのかはらぬいろをやとに契りて

いくちよそ−こけむしにける−まつかねの−かはらぬいろを−やとにちきりて


00124
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かきりなき我か君か代のゆくすゑはしら玉つはき色にみゆらん

かきりなき−わかきみかよの−ゆくすゑは−しらたまつはき−いろにみゆらむ


00125
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一しきり花も紅葉もすきぬれはみとりにかへるよもの山のは

ひとしきり−はなももみちも−すきぬれは−みとりにかへる−よものやまのは


00126
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はかなしやありはてぬ世のかりの色に心をそめてなになけくらむ

はかなしや−ありはてぬよの−かりのいろに−こころをそめて−なになけくらむ


00127
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しらみまさる空のみとりはうすく見えてあけのこるほしのかすそきえゆく

しらみまさる−そらのみとりは−うすくみえて−あけのこるほしの−かすそきえゆく


00128
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山のはにあくるひかりのにほふよりいろこき空そうすくなりゆく

やまのはに−あくるひかりの−にほふより−いろこきそらそ−うすくなりゆく


00129
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雨はれてみとりいろこき山のはに猶たちのこるくものむらむら

あめはれて−みとりいろこき−やまのはに−なほたちのこる−くものむらむら


00130
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をちこちの山のみとりのうすくこきゆふ日うつれる色そことなる

をちこちの−やまのみとりの−うすくこき−ゆふひうつれる−いろそことなる


00131
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入りかかる夕日の山はいろこくてとほき木すゑそうすく暮れゆく

いりかかる−ゆふひのやまは−いろこくて−とほきこすゑそ−うすくくれゆく


00132
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身こそあらめ心をちりの外になしてうき世の色にそましとそおもふ

みこそあらめ−こころをちりの−ほかになして−うきよのいろに−そましとそおもふ


00133
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けにいとふ心やかたき世の中をうしとはなへて人のいへとも

けにいとふ−こころやかたき−よのなかを−うしとはなへて−ひとのいへとも


00134
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いまは我か心になにかかかるへきたた一みちのまことならては

いまはわか−こころになにか−かかるへき−たたひとみちの−まことならては


00135
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つきもせすうかふおもひのいくうつりいつくにとまる心ともなし

つきもせす−うかふおもひの−いくうつり−いつくにとまる−こころともなし


00136
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すなほなる心をうけはをとこやまいのらすとても我か君の御代

すなほなる−こころをうけは−をとこやま−いのらすとても−わかきみのみよ


00137
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ときとしてとにもかくにもさたまらぬ心はなにをぬしとしもなし

ときとして−とにもかくにも−さたまらぬ−こころはなにを−ぬしとしもなし


00138
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かすならぬ身とはさすかにしるかうへをなけく心よあはれはかなき

かすならぬ−みとはさすかに−しるかうへを−なけくこころよ−あはれはかなき


00139
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きみかため二心なきこころにてつかふる道も六十へにけり

きみかため−ふたこころなき−こころにて−つかふるみちも−むそちへにけり


00140
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津の国のなにはのことのよしあしも我か心には一ふしそなき

つのくにの−なにはのことの−よしあしも−わかこころには−ひとふしそなき


00141
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よしあしとおもふ心もこころよりほかにはいてぬ物にそ有りける

よしあしと−おもふこころも−こころより−ほかにはいてぬ−ものにそありける


00142
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おもひとけはおのかさまさまかはる世の人の心のおくそゆかしき

おもひとけは−おのかさまさま−かはるよの−ひとのこころの−おくそゆかしき


00143
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つれなくもうきをしらぬになりぬへし心にけちてすくすこの世を

つれなくも−うきをしらぬに−なりぬへし−こころにけちて−すくすこのよを


00144
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うしとけに思ふ心のなけれはや猶世のなかにかくてすむらむ

うしとけに−おもふこころの−なけれはや−なほよのなかに−かくてすむらむ


00145
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物ことに心をとめはなににかはうき世の中のしられさるへき

ものことに−こころをとめは−なににかは−うきよのなかの−しられさるへき


00146
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さまさまにおほくのゆめのみゆるにそねても心のうつるをはしる

さまさまに−おほくのゆめの−みゆるにそ−ねてもこころの−うつるをはしる


00147
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心てふかたちやなにそ物にふれてうつるおもひのうこくならては

こころてふ−かたちやなにそ−ものにふれて−うつるおもひの−うこくならては


00148
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いままてに心ひとつのあらましのまことにならぬ身をそうらむる

いままてに−こころひとつの−あらましの−まことにならぬ−みをそうらむる


00149
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さのみやはうれへもあへん心をはなきになしてそ世をすくすへき

さのみやは−うれへもあへむ−こころをは−なきになしてそ−よをすくすへき


00150
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おのつから我とさとりてしるみちを心のほかになにもとめけむ

おのつから−われとさとりて−しるみちを−こころのほかに−なにもとめけむ


00151
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よしあしとうこく思ひのほかにしてむかふ心は一こともなし

よしあしと−うこくおもひの−ほかにして−むかふこころは−ひとこともなし


00152
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こころよりやかてつたふる心なれはほかにもとめぬものにそありける

こころより−やかてつたふる−こころなれは−ほかにもとめぬ−ものにそありける


00153
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おもひすてはやすからましをいとひかねて我か心から世をなけくかな

おもひすては−やすからましを−いとひかねて−わかこころから−よをなけくかな


00154
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一すちにいとひもはてぬ心もて世をうき物となにかいふらむ

ひとすちに−いとひもはてぬ−こころもて−よをうきものと−なにかいふらむ


00155
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物によらぬもとの心はあめつちにへたつるところあらしとそ思ふ

ものによらぬ−もとのこころは−あめつちに−へたつるところ−あらしとそおもふ


00156
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ありとすれはそのかたちなしなしとすれはありなしわくも心なりけり

ありとすれは−そのかたちなし−なしとすれは−ありなしわくも−こころなりけり


00157
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さ夜ふくるよものあはれはうかひきて心もちらぬ灯のもと

さよふくる−よものあはれは−うかひきて−こころもちらぬ−ともしひのもと


00158
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うしとおもひうれしとわくもすへてたたわか心よりなすにそ有りける

うしとおもひ−うれしとわくも−すへてたた−わかこころより−なすにそありける


00159
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かくはかりうき世をしらぬ心もて心ありとはなにおもふらむ

かくはかり−うきよをしらぬ−こころもて−こころありとは−なにおもふらむ


00160
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いつくよりいかにはしまる心にて時そともなくうつるおもひそ

いつくより−いかにはしまる−こころにて−ときそともなく−うつるおもひそ


00161
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世もくもり人の心もにこれるはわかみなもとのすまぬなるへし

よもくもり−ひとのこころも−にこれるは−わかみなもとの−すまぬなるへし


00162
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へたてけるまよひさとりのぬしやたれむかふままなるもとの心を

へたてける−まよひさとりの−ぬしやたれ−むかふままなる−もとのこころを


00163
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よもにおこる心のゆくへなになれやそれをしりせはまよはさらまし

よもにおこる−こころのゆくへ−なになれや−それをしりせは−まよはさらまし