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作品集名 | 仙洞歌合_崇光院 |
作品集名読み | せんとううたあわせ_すうこういん |
作成年月日 | 応安三年〜四年(1370年〜1371年頃) |
場所 |
00001 |
未入力 (xxx)
かすみあへすいつしか春と弓はりの月もおしてやおほろ夜のそら
かすみあへす−いつしかはると−ゆみはりの−つきもおしてや−おほろよのそら |
00002 |
未入力 (xxx)
かすみしくふもとのむらはほのかにて入日はれたる山のはのまつ
かすみしく−ふもとのむらは−ほのかにて−いりひはれたる−やまのはのまつ |
00003 |
未入力 (xxx)
久かたのそらにかすみのおほふよりはるのけしきそ四方にみちぬる
ひさかたの−そらにかすみの−おほふより−はるのけしきそ−よもにみちぬる |
00004 |
未入力 (xxx)
かすめともはるはすくなしみか月のたたさはかりににほふ雲まは
かすめとも−はるはすくなし−みかつきの−たたさはかりに−にほふくもまは |
00005 |
未入力 (xxx)
さえやまぬかすみのそこのうすひかりとけぬゆきけをしたにこむらし
さえやまぬ−かすみのそこの−うすひかり−とけぬゆきけを−したにこむらし |
00006 |
未入力 (xxx)
あさつくひかすみていつる山のはにきえあへぬ雪もさえよわるらし
あさつくひ−かすみていつる−やまのはに−きえあへぬゆきも−さえよわるらし |
00007 |
未入力 (xxx)
はるの日はかすむとすれとつねよりもひかりことなる物にそありける
はるのひは−かすむとすれと−つねよりも−ひかりことなる−ものにそありける |
00008 |
未入力 (xxx)
わか君の千とせのはるのはしめとやくもりなき日のかけそのとけき
わかきみの−ちとせのはるの−はしめとや−くもりなきひの−かけそのとけき |
00009 |
未入力 (xxx)
入りはつるおほろ月夜のあとならしかすみもふかきあけほののそら
いりはつる−おほろつきよの−あとならし−かすみもふかき−あけほののそら |
00010 |
未入力 (xxx)
国土にはるのこころやおほふらしくもゆき雨もさらにほとこす
あめつきに−はるのこころや−おほふらし−くもゆきあめも−さらにほとこす |
00011 |
未入力 (xxx)
空ははやかすみなからになほさえてあらしにましるゆきの夕くれ
そらははや−かすみなからに−なほさえて−あらしにましる−ゆきのゆふくれ |
00012 |
未入力 (xxx)
ゆくこともかすみにおそき月かけのあくるいそかぬおほろ夜の空
ゆくことも−かすみにおそき−つきかけの−あくるいそかぬ−おほろよのそら |
00013 |
未入力 (xxx)
宮このみはるにやあるらむきえやらぬゆきの山をはかすみへたてて
みやこのみ−はるにやあるらむ−きえやらぬ−ゆきのやまをは−かすみへたてて |
00014 |
未入力 (xxx)
さえあれしゆきふるとしの雲の色にかすみかはれる空ののとけさ
さえあれし−ゆきふるとしの−くものいろに−かすみかはれる−そらののとけさ |
00015 |
未入力 (xxx)
つくつくとおとせぬ雨のうちしめりかすみもくるるいろとなりゆく
つくつくと−おとせぬあめの−うちしめり−かすみもくるる−いろとなりゆく |
00016 |
未入力 (xxx)
ふる雨ののとけきおとにあかしかねみしかきはるの夜ともおほえす
ふるあめの−のとけきおとに−あかしかね−みしかきはるの−よともおほえす |
00017 |
未入力 (xxx)
みるままに山のはちかくしつむ日のくれなゐにほふ夕霞かな
みるままに−やまのはちかく−しつむひの−くれなゐにほふ−ゆふかすみかな |
00018 |
未入力 (xxx)
あささむき春のこころもあらはれてかすみのひまもゆきの山のは
あささむき−はるのこころも−あらはれて−かすみのひまも−ゆきのやまのは |
00019 |
未入力 (xxx)
かきくらしふるとはすれとあはゆきのきえやすきにそ春はしらるる
かきくらし−ふるとはすれと−あはゆきの−きえやすきにそ−はるはしらるる |
00020 |
未入力 (xxx)
秋もよしかすみのそこに影ふけて月にこもれる春のあはれは
あきもよし−かすみのそこに−かけふけて−つきにこもれる−はるのあはれは |
00021 |
未入力 (xxx)
なにをかもはるとはいはむ風さむみ霞みもあへすあは雪のふる
なにをかも−はるとはいはむ−かせさむみ−かすみもあへす−あはゆきのふる |
00022 |
未入力 (xxx)
そらはいまかすみの色にくれはててのきのしつくにのこるはる雨
そらはいま−かすみのいろに−くれはてて−のきのしつくに−のこるはるさめ |
00023 |
未入力 (xxx)
いしはしるたきつしら浪おときよみ秋よりさきのあきそきにける
いしはしる−たきつしらなみ−おときよみ−あきよりさきの−あきそきにける |
00024 |
未入力 (xxx)
枝なひくあをはの風は吹きたちてこのしたきよき庭の池水
えたなひく−あをはのかせは−ふきたちて−このしたきよき−にはのいけみつ |
00025 |
未入力 (xxx)
手をたゆみいは井の水のいくむすひ夏をもしらてけふそくれぬる
てをたゆみ−いはゐのみつの−いくむすひ−なつをもしらて−けふそくれぬる |
00026 |
未入力 (xxx)
すすむまのうたたねなからふくる夜のまくらにひひく庭のまし水
すすむまの−うたたねなから−ふくるよの−まくらにひひく−にはのましみつ |
00027 |
未入力 (xxx)
夕すすみ袖ふくあしのはかせまてそよたた秋の庭の池水
ゆふすすみ−そてふくあしの−はかせまて−そよたたあきの−にはのいけみつ |
00028 |
未入力 (xxx)
みちみえぬ草にまかする夏野をもわくれは人のあとはありけり
みちみえぬ−くさにまかする−なつのをも−わくれはひとの−あとはありけり |
00029 |
未入力 (xxx)
影しけきやとの木すゑのふかみとりうつるもすすし庭の池水
かけしけき−やとのこすゑの−ふかみとり−うつるもすすし−にはのいけみつ |
00030 |
未入力 (xxx)
みな月のてるひにうへはぬるけれと水のこころのそこそすすしき
みなつきの−てるひにうへは−ぬるけれと−みつのこころの−そこそすすしき |
00031 |
未入力 (xxx)
かよひくる風のやとりそしられぬる木かけすすしくむすふ泉に
かよひくる−かせのやとりそ−しられぬる−こかけすすしく−むすふいつみに |
00032 |
未入力 (xxx)
もとよりの池の心も君かいますみなすからにすすしさそそふ
もとよりの−いけのこころも−きみかいま−すみなすからに−すすしさそそふ |
00033 |
未入力 (xxx)
みるもすすしこけむす山のいはかねにたきりておつる滝のしら玉
みるもすすし−こけむすやまの−いはかねに−たきりておつる−たきのしらたま |
00034 |
未入力 (xxx)
水みえぬみさひのうへは風たちて池のこころもすすしからしや
みつみえぬ−みさひのうへは−かせたちて−いけのこころも−すすしからしや |
00035 |
未入力 (xxx)
むすふての袖にも秋のかよふまていつみの水に夏そわするる
むすふての−そてにもあきの−かよふまて−いつみのみつに−なつそわするる |
00036 |
未入力 (xxx)
すすしさはおとになかるる谷水の行かたみえぬはやましけ山
すすしさは−おとになかるる−たにみつの−ゆくかたみえぬ−はやましけやま |
00037 |
未入力 (xxx)
みな月のあつさまされるころしもあれ水の心はすすしさそそふ
みなつきの−あつさまされる−ころしもあれ−みつのこころは−すすしさそそふ |
00038 |
未入力 (xxx)
むすはねとすすしくもあるか谷あひの岩ねにおつるたきのしら玉
むすはねと−すすしくもあるか−たにあひの−いはねにおつる−たきのしらたま |
00039 |
未入力 (xxx)
たちよれは夕もまたぬすすしさよ水のこころにあきやちかつく
たちよれは−ゆふへもまたぬ−すすしさよ−みつのこころに−あきやちかつく |
00040 |
未入力 (xxx)
岩つたふ水のなかれもくらきよにひひきをとめてすすむ木のもと
いはつたふ−みつのなかれも−くらきよに−ひひきをとめて−すすむこのもと |
00041 |
未入力 (xxx)
はちす葉のつゆもきよけき夕木かけすすしくむかふ庭の池水
はちすはの−つゆもきよけき−ゆふこかけ−すすしくむかふ−にはのいけみつ |
00042 |
未入力 (xxx)
しけりそふみきはのあしはおともせてささなみしろき池の夕かせ
しけりそふ−みきはのあしは−おともせて−ささなみしろき−いけのゆふかせ |
00043 |
未入力 (xxx)
影うつすそこの色さへふかみとりむすふもすすしまつの下水
かけうつす−そこのいろさへ−ふかみとり−むすふもすすし−まつのしたみつ |
00044 |
未入力 (xxx)
杉たてるそともの谷に水みえて木かけすすしみ鷺あそふなり
すきたてる−そとものたにに−みつみえて−こかけすすしみ−さきあそふなり |
00045 |
未入力 (xxx)
そめつくす紅葉の中の山まつはさめたる色やおのか秋なる
そめつくす−もみちのうちの−やままつは−さめたるいろや−おのかあきなる |
00046 |
未入力 (xxx)
雨はれて雲のみたるるおひ風にいろこきはきそ露なからちる
あめはれて−くものみたるる−おひかせに−いろこきはきそ−つゆなからちる |
00047 |
未入力 (xxx)
した葉すくきしの柳を吹くかせの身にしむからに秋そかなしき
したはすく−きしのやなきを−ふくかせの−みにしむからに−あきそかなしき |
00048 |
未入力 (xxx)
夜をこむる雲ときりとにすゑとちて田のもにおそきあけほのの色
よをこむる−くもときりとに−すゑとちて−たのもにおそき−あけほののいろ |
00049 |
未入力 (xxx)
はつ霜のをかへのはしをそめわけてかた枝あきなる夕つくひかな
はつしもの−をかへのはしを−そめわけて−かた枝あきなる−ゆふつくひかな |
00050 |
未入力 (xxx)
秋山にしもふりおほふときはきのかはらぬ色もかはるころかな
あきやまに−しもふりおほふ−ときはきの−かはらぬいろも−かはるころかな |
00051 |
未入力 (xxx)
山ひめのそむる紅葉のにしきにもいろやはおとる秋はきの花
やまひめの−そむるもみちの−にしきにも−いろやはおとる−あきはきのはな |
00052 |
未入力 (xxx)
うゑてみる君かまかきのしらきくは老せぬあきのかさしなりけり
うゑてみる−きみかまかきの−しらきくは−おいせぬあきの−かさしなりけり |
00053 |
未入力 (xxx)
秋はきの花さく野へに立ちよれは袖にもうつるにしきなりけり
あきはきの−はなさくのへに−たちよれは−そてにもうつる−にしきなりけり |
00054 |
未入力 (xxx)
つゆ霜になへてしほれし秋草のはなのおととときくやさくらむ
つゆしもに−なへてしをれし−あきくさの−はなのおととと−きくやさくらむ |
00055 |
未入力 (xxx)
うす霧はまた晴れやらぬあさあけの露にしかるる花のすゑすゑ
うすきりは−またはれやらぬ−あさあけの−つゆにしかるる−はなのすゑすゑ |
00056 |
未入力 (xxx)
さきつくすはなの八千種いろいろにもみちのあきもした葉にそみる
さきつくす−はなのやちくさ−いろいろに−もみちのあきも−したはにそみる |
00057 |
未入力 (xxx)
あさまたきまかきをわけてうつる日に露みたれたるはなのいろいろ
あさまたき−まかきをわけて−うつるひに−つゆみたれたる−はなのいろいろ |
00058 |
未入力 (xxx)
なかめわふる心のあきはさかりなれとまたほにいてぬしののをすすき
なかめわふる−こころのあきは−さかりなれと−またほにいてぬ−しののをすすき |
00059 |
未入力 (xxx)
あきはきの花野の風のむらすすきむらむらかかる露かとそみる
あきはきの−はなののかせの−むらすすき−むらむらかかる−つゆかとそみる |
00060 |
未入力 (xxx)
ときは木に色わくまてはもみちしぬはや秋山のつゆのした染
ときはきに−いろわくまては−もみちしぬ−はやあきやまの−つゆのしたそめ |
00061 |
未入力 (xxx)
秋ふかき柳のかみよあはれわか老のすかたのたくひとそみる
あきふかき−やなきのかみよ−あはれわか−おいのすかたの−たくひとそみる |
00062 |
未入力 (xxx)
露おもき小花かうへもほのほのと月よりしらむあけかたの庭
つゆおもき−をはなかうへも−ほのほのと−つきよりしらむ−あけかたのには |
00063 |
未入力 (xxx)
こくうすくおなし時雨のそめわけて一木に色のかはるもみち葉
こくうすく−おなししくれの−そめわけて−ひときにいろの−かはるもみちは |
00064 |
未入力 (xxx)
花しめる霧のまかきのあさあけにまた夜のままの露の玉はき
はなしめる−きりのまかきの−あさあけに−またよのままの−つゆのたまはき |
00065 |
未入力 (xxx)
なひきつつく田の面のいなははるはるとほなみをたてて風わたるみゆ
なひきつつく−たのものいなは−はるはると−ほなみをたてて−かせわたるみゆ |
00066 |
未入力 (xxx)
秋ふかみもとすくはきは色さひてのこるすゑ葉に花そしをるる
あきふかみ−もとすくはきは−いろさひて−のこるすゑはに−はなそしをるる |
00067 |
未入力 (xxx)
ふるゆきにねくらの竹やうつむらんのきはにさわくむら鳥のこゑ
ふるゆきに−ねくらのたけや−うつむらむ−のきはにさわく−むらとりのこゑ |
00068 |
未入力 (xxx)
しほかせに吹きかへされてむら千鳥二たひおなしうらになくなり
しほかせに−ふきかへされて−むらちとり−ふたたひおなし−うらになくなり |
00069 |
未入力 (xxx)
なきてわたるこゑこそしるきしら鷺のつはさのいろもゆきの山もと
なきてわたる−こゑこそしるき−しらさきの−つはさのいろも−ゆきのやまもと |
00070 |
未入力 (xxx)
はらはねと羽かせにおちてはし鷹のみかりの袖は雪もかわかす
はらはねと−はかせにおちて−はしたかの−みかりのそては−ゆきもかわかす |
00071 |
未入力 (xxx)
一とほりこほりかねたるやま河のはやせはかりやにほのかよひ路
ひととほり−こほりかねたる−やまかはの−はやせはかりや−にほのかよひち |
00072 |
未入力 (xxx)
ひととほりこほりのこれるあとはかりなみかきたつる池のをしかも
ひととほり−こほりのこれる−あとはかり−なみかきたつる−いけのをしかも |
00073 |
未入力 (xxx)
うかれてやなれもなくらむ和歌の浦に我かともちとりさ夜ふかき声
うかれてや−なれもなくらむ−わかのうらに−わかともちとり−さよふかきこゑ |
00074 |
未入力 (xxx)
そらこほる雲のむらむらゆき散りてかりかねさむき冬のあさあけ
そらこほる−くものむらむら−ゆきちりて−かりかねさむき−ふゆのあさあけ |
00075 |
未入力 (xxx)
つららゐる池のみきはの岩のうへになれもさむけきをしの一つれ
つららゐる−いけのみきはの−いはのうへに−なれもさむけき−をしのひとつれ |
00076 |
未入力 (xxx)
さえさむき雪気のそらの夕ひかりにほへる雲もわたる雁かね
さえさむき−ゆきけのそらの−ゆふひかり−にほへるくもも−わたるかりかね |
00077 |
未入力 (xxx)
いもねすてききこそあかせ霜はらふ羽音もさむき池の水とり
いもねすて−ききこそあかせ−しもはらふ−はおともさむき−いけのみつとり |
00078 |
未入力 (xxx)
あらすなる和歌のうらみの霜のつるふりぬとたにもしる人やみる
あらすなる−わかのうらみの−しものつる−ふりぬとたにも−しるひとやみる |
00079 |
未入力 (xxx)
行きかへりよるへなきさのうら千とり代代のむかしのあとを尋ねて
ゆきかへり−よるへなきさの−うらちとり−よよのむかしの−あとをたつねて |
00080 |
未入力 (xxx)
けたもののいは木につのをかけまくもかしこきあとは雪もみせしを
けたものの−いはきにつのを−かけまくも−かしこきあとは−ゆきもみせしを |
00081 |
未入力 (xxx)
おもひやるつはさもさむしかきくらすふふきのそらをわたるかりかね
おもひやる−つはさもさむし−かきくらす−ふふきのそらを−わたるかりかね |
00082 |
未入力 (xxx)
はらひあへすうは毛に霜はかかれともかものあをはの色そかはらぬ
はらひあへす−うはけにしもは−かかれとも−かものあをはの−いろそかはらぬ |
00083 |
未入力 (xxx)
かきくらすはやしの雪のゆふくれはねくらあらそふ鳥たにもなし
かきくらす−はやしのゆきの−ゆふくれは−ねくらあらそふ−とりたにもなし |
00084 |
未入力 (xxx)
冬川の氷のうへになく千とりなみもまかはぬこゑのさやけさ
ふゆかはの−こほりのうへに−なくちとり−なみもまかはぬ−こゑのさやけさ |
00085 |
未入力 (xxx)
さえとほり雨さへこほる夕くれになくやからすのこゑもさむけき
さえとほり−あめさへこほる−ゆふくれに−なくやからすの−こゑもさむけき |
00086 |
未入力 (xxx)
夕からすつねよりこゑのさひしきはおのかねくらや雪にかはれる
ゆふからす−つねよりこゑの−さひしきは−おのかねくらや−ゆきにかはれる |
00087 |
未入力 (xxx)
ききなれぬまくらの池の水とりのうは毛の霜をはらふよなよな
ききなれぬ−まくらのいけの−みつとりの−うはけのしもを−はらふよなよな |
00088 |
未入力 (xxx)
風あるるゆきけの雲のうすひかりさむきみそらをわたる雁かね
かせあるる−ゆきけのくもの−うすひかり−さむきみそらを−わたるかりかね |
00089 |
未入力 (xxx)
人ももしおもひいつやの一ことをいのちののちにきかむ身もかな
ひとももし−おもひいつやの−ひとことを−いのちののちに−きかむみもかな |
00090 |
未入力 (xxx)
うしつらしおもひやとるとおもふよりこひしきことの又たへすなる
うしつらし−おもひやとると−おもふより−こひしきことの−またたへすなる |
00091 |
未入力 (xxx)
いかにせむいつはりならぬことの葉のたのむになせはたのみかたきを
いかにせむ−いつはりならぬ−ことのはの−たのむになせは−たのみかたきを |
00092 |
未入力 (xxx)
契るとてつらきをさへはゆるしかたやあはれならはそあはれなるへき
ちきるとて−つらきをさへは−ゆるしかたや−あはれならはそ−あはれなるへき |
00093 |
未入力 (xxx)
人こころうくなるとてもそれによりていまのあはれはかへしとおもふを
ひとこころ−うくなるとても−それによりて−いまのあはれは−かへしとおもふを |
00094 |
未入力 (xxx)
なさけこそいまはたうけれ契りしを命になしてものおもふ身は
なさけこそ−いまはたうけれ−ちきりしを−いのちになして−ものおもふみは |
00095 |
未入力 (xxx)
こひわひて夢なりともとたのむ夜は又あやにくにみえすそありける
こひわひて−ゆめなりともと−たのむよは−またあやにくに−みえすそありける |
00096 |
未入力 (xxx)
伊勢の海につりするあまのうけなはのうけひくまてに恋ひむとそ思ふ
いせのうみに−つりするあまの−うけなはの−うけひくまてに−こひむとそおもふ |
00097 |
未入力 (xxx)
いまはたたうらみしとてもうらむるよ人のつらさはみはてしものを
いまはたた−うらみしとても−うらむるよ−ひとのつらさは−みはてしものを |
00098 |
未入力 (xxx)
あふとみて我にはさめぬ夢もかな人はうつつになしもなさすも
あふとみて−われにはさめぬ−ゆめもかな−ひとはうつつに−なしもなさすも |
00099 |
未入力 (xxx)
いくふしのうさのあまりを思ひとるにつれなやなにそ又あはれなる
いくふしの−うさのあまりを−おもひとるに−つれなやなにそ−またあはれなる |
00100 |
未入力 (xxx)
あふとみはゆめにいのちをかぬとてもそのおもかけはたれかのこさむ
あふとみは−ゆめにいのちを−かぬとても−そのおもかけは−たれかのこさむ |
00101 |
未入力 (xxx)
おもへとはたれかをしへし□しとても人やはうきと身にかへせとも
おもへとは−たれかをしへし−□しとても−ひとやはうきと−みにかへせとも |
00102 |
未入力 (xxx)
人こころつらきかきりのうらみをはいはてやのこる契なるへき
ひとこころ−つらきかきりの−うらみをは−いはてやのこる−ちきりなるへき |
00103 |
未入力 (xxx)
しのひこめ我たにつつむこころともしらてなみたはもれんとやする
しのひこめ−われたにつつむ−こころとも−しらてなみたは−もれむとやする |
00104 |
未入力 (xxx)
つくしみる人のこころのつらさにもまけぬあはれに思ひわひぬる
つくしみる−ひとのこころの−つらさにも−まけぬあはれに−おもひわひぬる |
00105 |
未入力 (xxx)
うきに又かはらむすゑもたとられすちきるあはれの心まよひに
うきにまた−かはらむすゑも−たとられす−ちきるあはれの−こころまよひに |
00106 |
未入力 (xxx)
うき身ゆゑと人のつらさもゆるされて契ひとつのあはれにそなる
うきみゆゑと−ひとのつらさも−ゆるされて−ちきりひとつの−あはれにそなる |
00107 |
未入力 (xxx)
人はしらぬなさけも我にのこるとて心のみするおもひねの夢
ひとはしらぬ−なさけもわれに−のこるとて−こころのみする−おもひねのゆめ |
00108 |
未入力 (xxx)
なほきりのなさけはかりとみゆるにもしらはや人のそこのこころを
なほきりの−なさけはかりと−みゆるにも−しらはやひとの−そこのこころを |
00109 |
未入力 (xxx)
一すちにうらみてみはとおもひしやなほもなさけのある世なりけん
ひとすちに−うらみてみはと−おもひしや−なほもなさけの−あるよなりけむ |
00110 |
未入力 (xxx)
とははやな人もわすれぬ夢ならは見し夜の後も物やおもふと
とははやな−ひともわすれぬ−ゆめならは−みしよののちも−ものやおもふと |
00111 |
未入力 (xxx)
神やしるみかさのもりのみしめなはすくなれとのみおもふこころは
かみやしる−みかさのもりの−みしめなは−すくなれとのみ−おもふこころは |
00112 |
未入力 (xxx)
雨のおとはしつけき夜半にふりなしてこころにしめるねやのともしひ
あめのおとは−しつけきよはに−ふりなして−こころにしめる−ねやのともしひ |
00113 |
未入力 (xxx)
いてぬまもなほやたゆたふなみ風のあらき磯辺のあまのつり舟
いてぬまも−なほやたゆたふ−なみかせの−あらきいそへの−あまのつりふね |
00114 |
未入力 (xxx)
身をなけき世のはかなさを思ふまにおほえすふけぬよはのともしひ
みをなけき−よのはかなさを−おもふまに−おほえすふけぬ−よはのともしひ |
00115 |
未入力 (xxx)
こよひ又あけぬとつくるかねの音にうき世の夢もおとろかれつつ
こよひまた−あけぬとつくる−かねのおとに−うきよのゆめも−おとろかれつつ |
00116 |
未入力 (xxx)
みるもくるしはこふやしほのあま小舟からくしてこそ世をわたるらめ
みるもくるし−はこふやしほの−あまをふね−からくしてこそ−よをわたるらめ |
00117 |
未入力 (xxx)
みつき物はこひもあへす川舟ののほれはくたる淀の小車
みつきもの−はこひもあへす−かはふねの−のほれはくたる−よとのをくるま |
00118 |
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わかのうらになほき風まつすて小舟またも入江によらさらめかも
わかのうらに−なほきかせまつ−すてをふね−またもいりえに−よらさらめかも |
00119 |
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うつるらん時をもわかぬまとのうちにあかつきふかきかねそきこゆる
うつるらむ−ときをもわかぬ−まとのうちに−あかつきふかき−かねそきこゆる |
00120 |
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あつさ弓おしてむかしにかへさはやすきにしか□のみな恋しさを
あつさゆみ−おしてむかしに−かへさはや−すきにしか□の−みなこひしさを |
00121 |
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いかにして代代のむかしをつたへましとかきおく筆のあとそかしこき
いかにして−よよのむかしを−つたへましと−かきおくふての−あとそかしこき |
00122 |
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をりをりはなみたもかかるしらかみの老てまくらもはつかしの身や
をりをりは−なみたもかかる−しらかみの−おいてまくらも−はつかしのみや |
00123 |
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たれもみないましそ夢はさますらめおなし時なるあか月のかね
たれもみな−いましそゆめは−さますらめ−おなしときなる−あかつきのかね |
00124 |
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しつみける身をしら玉のゆくへたに時へたたらぬせむかたやなき
しつみける−みをしらたまの−ゆくへたに−ときへたたらぬ−せむかたやなき |
00125 |
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いまも又あつめはつきし和歌のうらにひろひのこせる玉のかすかす
いまもまた−あつめはつきし−わかのうらに−ひろひのこせる−たまのかすかす |
00126 |
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四方のうみなみしつかにてみつき物たえすそなふるみふねこくなり
よものうみ−なみしつかにて−みつきもの−たえすそなふる−みふねこくなり |
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ふけはつる夜のこころにひひきなしてねよとのかねのまれになるほと
ふけはつる−よるのこころに−ひひきなして−ねよとのかねの−まれになるほと |
00128 |
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なれなれて千世も八千代もかくしこそおなしよるへの和歌のとも舟
なれなれて−ちよもやちよも−かくしこそ−おなしよるへの−わかのともふね |
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ひひきくる入あひのこゑもおくふかみふりぬる寺のあはれいくとせ
ひひきくる−いりあひのこゑも−おくふかみ−ふりぬるてらの−あはれいくとせ |
00130 |
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風にうきてたゆたふなみにまかせつつよるへなきさの和歌の浦舟
かせにうきて−たゆたふなみに−まかせつつ−よるへなきさの−わかのうらふね |
00131 |
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おもふかたのうらわにあらぬ玉もにはひろはれし名もさもあらはあれ
おもふかたの−うらわにあらぬ−たまもには−ひろはれしなも−さもあらはあれ |
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かかけてもほのほみしかきともし火のまとかすかなる雨の夜すから
かかけても−ほのほみしかき−ともしひの−まとかすかなる−あめのよすから |