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百番歌合


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作品集名百番歌合 
作品集名読みひゃくばんうたあわせ 
作成年月日応安三年〜永和二年(1370年^1379年頃)
場所 

00001
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冬きぬとまなき時雨の槙の戸よ人めかれゆくおとつれそこれ

ふゆきぬと−まなきしくれの−まきのとよ−ひとめかれゆく−おとつれそこれ


00002
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いつしかもはやしくるめり夜もすから秋をおくれ□雲のかヘ□□

いつしかも−はやしくるめり−よもすから−あきをおくれ□−くものかヘ□□


00003
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としをへて我か身ふるやのいたひさししくれのおともそてのほかかは

としをへて−わかみふるやの−いたひさし−しくれのおとも−そてのほかかは


00004
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ちりまよふよもの木の葉を吹きませてまなくしくるるころの山風

ちりまよふ−よものこのはを−ふきませて−まなくしくるる−ころのやまかせ


00005
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おほかたにすくるあらしをまちとりてかことかましくふる木の葉かな

おほかたに−すくるあらしを−まちとりて−かことかましく−ふるこのはかな


00006
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風のおともともに時雨れてやままつのこすゑつたひを行く木の葉かな

かせのおとも−ともにしくれて−やままつの−こすゑつたひを−ゆくこのはかな


00007
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こほりかさねおきそふ霜のしは草はふみならすへき跡たにもなし

こほりかさね−おきそふしもの−しはくさは−ふみならすへき−あとたにもなし


00008
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くれていにし秋はかれふの草にみえて冬のきにける道しはのしも

くれていにし−あきはかれふの−くさにみえて−ふゆのきにける−みちしはのしも


00009
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庭のおもにあられ一むらみたれおちて夕日の影そうすくなりゆく

にはのおもに−あられひとむら−みたれおちて−ゆふひのかけそ−うすくなりゆく


00010
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ひとしきりふるやあられの庭のおもにひろひもあへぬ玉そきえゆく

ひとしきり−ふるやあられの−にはのおもに−ひろひもあへぬ−たまそきえゆく


00011
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いけのおもはこほるあさけもにほとりのしたのかよひはたえせさるらし

いけのおもは−こほるあさけも−にほとりの−したのかよひは−たえせさるらし


00012
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あしかものおのかあをはもうつもれてはらひもあへぬ霜になくなり

あしかもの−おのかあをはも−うつもれて−はらひもあへぬ−しもになくなり


00013
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和歌のうらやともなし千とりたれきけとわひても老の浪になくらむ

わかのうらや−ともなしちとり−たれきけと−わひてもおいの−なみになくらむ


00014
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ふるゆきのあとふみわけてはまちとりむかしにかへれわかのうらなみ

ふるゆきの−あとふみわけて−はまちとり−むかしにかへれ−わかのうらなみ


00015
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一しきりあられうちちるたまささの葉わけにこほる月もすさまし

ひとしきり−あられうちちる−たまささの−はわけにこほる−つきもすさまし


00016
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やとりこし露のゆかりをなほとひてかれふの霜にてらす月かけ

やとりこし−つゆのゆかりを−なほとひて−かれふのしもに−てらすつきかけ


00017
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かきくらすかりはののへのけふのゆきはらひもあへぬそての上かな

かきくらす−かりはののへの−けふのゆき−はらひもあへぬ−そてのうへかな


00018
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はしたかのかた野の御ゆき名のみにてたえぬるあとをうつむしら雪

はしたかの−かたののみゆき−名のみにて−たえぬるあとを−うつむしらゆき


00019
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かくれ家とたのみしあしは霜かれてあらはれわたるにほのかよひち

かくれかと−たのみしあしは−しもかれて−あらはれわたる−にほのかよひち


00020
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かれてたつみきはのあしに影すきて夕日もさむきいけの上かな

かれてたつ−みきはのあしに−かけすきて−ゆふひもさむき−いけのうへかな


00021
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岸かけやよとのわたりのあさこほり□ちつる舟そくたきてもゆく

きしかけや−よとのわたりの−あさこほり−□ちつるふねそ−くたきてもゆく


00022
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大井かは秋のかた身のもみち葉をゐせきにとめてこほりとちぬる

おほゐかは−あきのかたみの−もみちはを−ゐせきにとめて−こほりとちぬる


00023
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朝あらしの吹きしく音にならしはのかけにもためぬ山のうす雪

あさあらしの−ふきしくおとに−ならしはの−かけにもためぬ−やまのうすゆき


00024
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さとまてはふりやはつつく山路たにうつみもはてぬ今朝のうす雪

さとまては−ふりやはつつく−やまちたに−うつみもはてぬ−けさのうすゆき


00025
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なく鳥のこゑさへきかす野もやまもうつもれはつる雪のあさあけ

なくとりの−こゑさへきかす−のもやまも−うつもれはつる−ゆきのあさあけ


00026
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けぬかうへになほふりしきてよしの山雪さへふかきいはのかけ道

けぬかうへに−なほふりしきて−よしのやま−ゆきさへふかき−いはのかけみち


00027
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たひ人のかよふも見えすみちたえてのへのみゆきのふりつもるころ

たひひとの−かよふもみえす−みちたえて−のへのみゆきの−ふりつもるころ


00028
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玉ささのむらむらのこるあを葉しもかれ野の雪の色はすさまし

たまささの−むらむらのこる−あをはしも−かれののゆきの−いろはすさまし


00029
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むかふるとおくるとつねはいそきなれてさて身につもるとしやわするる

むかふると−おくるとつねは−いそきなれて−さてみにつもる−としやわするる


00030
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枝のゆきををりてもたれかをしまさらんとしはなこりのさ夜もふけつつ

えたのゆきを−をりてもたれか−をしまさらむ−としはなこりの−さよもふけつつ


00031
未入力 (xxx)

我な□らものおもふともしらぬ身にあやしくなそやなかめかちなる

われな□ら−ものおもふとも−しらぬみに−あやしくなそや−なかめかちなる


00032
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恋しともおもひあへぬにきのふけふ心のうちのなとかみたるる

こひしとも−おもひあへぬに−きのふけふ−こころのうちの−なとかみたるる


00033
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如何にせんしのひそあへぬともすれはすすむ涙のあやにくにして

いかにせむ−しのひそあへぬ−ともすれは−すすむなみたの−あやにくにして


00034
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きかさらんあとまておもふうき名ゆゑしのふるきはや命ならまし

きかさらむ−あとまておもふ−うきなゆゑ−しのふるきはや−いのちならまし


00035
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ほのかなる行へにたにもしほるるをなれなはまして後のなみたよ

ほのかなる−ゆくへにたにも−しをるるを−なれなはまして−のちのなみたよ


00036
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我のみとたのむ契のあらましよたたおほかたにききしゆくへを

われのみと−たのむちきりの−あらましよ−たたおほかたに−ききしゆくへを


00037
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人はしらしおほかたにたたなれなれて見せぬこころのそこを見るとも

ひとはしらし−おほかたにたた−なれなれて−みせぬこころの−そこをみるとも


00038
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おもひたゆるこころよさらはつきななむ見るめはかりはつらき契を

おもひたゆる−こころよさらは−つきななむ−みるめはかりは−つらきちきりを


00039
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しのふかたにかこちし中のたのみたにいまはなくなく身をそうらむる

しのふかたに−かこちしなかの−たのみたに−いまはなくなく−みをそうらむる


00040
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しのふこころよわらぬほとにけなはけなてつらき名たてのいのちなかさよ

しのふこころ−よわらぬほとに−けなはけなて−つらきなたての−いのちなかさよ


00041
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すゑつひにあふ瀬もなくて山川のな□れやふかくなりまさるらむ

すゑつひに−あふせもなくて−やまかはの−な□れやふかく−なりまさるらむ


00042
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つらきにもおもひよわらてあつさゆみ猶日にそへて引くこころかな

つらきにも−おもひよわらて−あつさゆみ−なほひにそへて−ひくこころかな


00043
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帰るともおもひもわかぬまたねたにうつつにたかふ夢のちきりよ

かへるとも−おもひもわかぬ−またねたに−うつつにたかふ−ゆめのちきりよ


00044
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しのひもつこころのそこをしらねはそたたおほかたに人のしたしき

しのひもつ−こころのそこを−しらねはそ−たたおほかたに−ひとのしたしき


00045
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如何にせんあふをへたてのねをそなくとほ山とりの契はかりに

いかにせむ−あふをへたての−ねをそなく−とほやまとりの−ちきりはかりに


00046
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ゆめならてうつつにいつかあふさかのせきもいくへの中そはるけき

ゆめならて−うつつにいつか−あふさかの−せきもいくへの−なかそはるけき


00047
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いまこそは浪こさしとはちきるともいさしら雲のすゑのまつやま

いまこそは−なみこさしとは−ちきるとも−いさしらくもの−すゑのまつやま


00048
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むかふうちのなさけはかりのわすれしはのちうかるへきちきりとそ思ふ

むかふうちの−なさけはかりの−わすれしは−のちうかるへき−ちきりとそおもふ


00049
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さりともとたのむにましるいつはりそたたなほさりに思ひなさるる

さりともと−たのむにましる−いつはりそ−たたなほさりに−おもひなさるる


00050
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いくたひかさらはよしやとおもひなるを心つからに又もたのむよ

いくたひか−さらはよしやと−おもひなるを−こころつからに−またもたのむよ


00051
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やすくわれゆめにあふともねられめや待つ夜になして明日そうらみん

やすくわれ−ゆめにあふとも−ねられめや−まつよになして−あすそうらみむ


00052
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かりねとやなさけはかりにたのむるをまちもよわらぬ我そつれなき

かりねとや−なさけはかりに−たのむるを−まちもよわらぬ−われそつれなき


00053
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あふことも日比はゆめのおもかけをこよひうつつの枕にそ見る

あふことも−ひころはゆめの−おもかけを−こよひうつつの−まくらにそみる


00054
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ゆめにしてさめては後のうさあはれ又いつとなきなかのあふせよ

ゆめにして−さめてはのちの−うさあはれ−またいつとなき−なかのあふせよ


00055
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ねにたつるかけのたれをのおのつから別をつけぬあかつきもかな

ねにたつる−かけのたれをの−おのつから−わかれをつけぬ−あかつきもかな


00056
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いひかくる文よいつかのそれもたたきかすちきらていそく別ち

いひかくる−ふみよいつかの−それもたた−きかすちきらて−いそくわかれち


00057
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つひにさておもひきえなん露の身よ人にうらみのそこをのこして

つひにさて−おもひきえなむ−つゆのみよ−ひとにうらみの−そこをのこして


00058
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今をかきり又はうらみしのことの葉もいへはなこりのあはれならすや

いまをかきり−またはうらみしの−ことのはも−いへはなこりの−あはれならすや


00059
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としをへてあふ夜はいととかたいとのたえぬはかりの中のくるしさ

としをへて−あふよはいとと−かたいとの−たえぬはかりの−なかのくるしさ


00060
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たくひなきちきりそつらき七夕も年にひと夜は猶たのむらし

たくひなき−ちきりそつらき−たなはたも−としにひとよは−なほたのむらし


00061
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しら露ときえても人にきかれはやおなし世をたにいとはるる身は

しらつゆと−きえてもひとに−きかれはや−おなしよをたに−いとはるるみは


00062
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人になほうらみそつきぬいとはるるうき身のとかを身にかこちても

ひとになほ−うらみそつきぬ−いとはるる−うきみのとかを−みにかこちても


00063
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いつのまになにのへたてのこころとて見えきかれしと人のなりゆく

いつのまに−なにのへたての−こころとて−みえきかれしと−ひとのなりゆく


00064
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おく山や雲のいくへにかくろへて人のつらさを見きかすもかな

おくやまや−くものいくへに−かくろへて−ひとのつらさを−みきかすもかな


00065
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はるかなる道はわくともわけかたや恋もうらみもつもるへたては

はるかなる−みちはわくとも−わけかたや−こひもうらみも−つもるへたては


00066
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我のみやわすれかた身にしたひみむおもかけまては人もへたてし

われのみや−わすれかたみに−したひみむ−おもかけまては−ひともへたてし


00067
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おもひやまぬこころも人のつれなさもいつかかきりの月日なるへき

おもひやまぬ−こころもひとの−つれなさも−いつかかきりの−つきひなるへき


00068
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人心つれなきうちのとしつきようきにもかかる命とやなる

ひとこころ−つれなきうちの−としつきよ−うきにもかかる−いのちとやなる


00069
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さめやらぬこころにのこすちきりにて又と見ぬよの夢はたえにき

さめやらぬ−こころにのこす−ちきりにて−またとみぬよの−ゆめはたえにき


00070
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かけてなほおもふもかなしおなし世につらき命をいとふならては

かけてなほ−おもふもかなし−おなしよに−つらきいのちを−いとふならては


00071
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あらましそ猶もつきせぬこしかたはおもひのこさぬ老のねさめに

あらましそ−なほもつきせぬ−こしかたは−おもひのこさぬ−おいのねさめに


00072
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なれにける暁おきやおのつから老のほかなるねさめなるらむ

なれにける−あかつきおきや−おのつから−おいのほかなる−ねさめなるらむ


00073
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とりのねはとをちのさとにかすかにてねさめしつけきあかつきのとこ

とりのねは−とをちのさとに−かすかにて−ねさめしつけき−あかつきのとこ


00074
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鳥のなく木すゑの月は夜ふかきによこ雲しらむをちかたの山

とりのなく−こすゑのつきは−よふかきに−よこくもしらむ−をちかたのやま


00075
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たれをかは松のとほそのあさ戸あけにあらしそむかふ人はおとせす

たれをかは−まつのとほその−あさとあけに−あらしそむかふ−ひとはおとせす


00076
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あさあらしに峰ゆく雲のあしはやみうつる日かけは見えみみえすみ

あさあらしに−みねゆくくもの−あしはやみ−うつるひかけは−みえみみえすみ


00077
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入あひのひひきはかりに暮れなりぬ夕日の峰は色ものこらす

いりあひの−ひひきはかりに−くれなりぬ−ゆふひのみねは−いろものこらす


00078
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あはれそへてきくときかぬにかはりけりいりあひのかねのおなしひひきも

あはれそへて−きくときかぬに−かはりけり−いりあひのかねの−おなしひひきも


00079
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□□けてもまたつきはてぬともし火もさ夜ふけかたの影しめるなり

□□けても−またつきはてぬ−ともし火も−さよふけかたの−かけしめるなり


00080
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ことかたるともにしあらはむかひてもかひこそあらめ夜はのともし火

ことかたる−ともにしあらは−むかひても−かひこそあらめ−よはのともしひ


00081
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あひおひの君か千とせをちきるらしみきりにたてる庭のわか松

あひおひの−きみかちとせを−ちきるらし−みきりにたてる−にはのわかまつ


00082
未入力 (xxx)

みかきなせはちりもたまらぬ玉しきのみきりをいととはらふ松風

みかきなせは−ちりもたまらぬ−たましきの−みきりをいとと−はらふまつかせ


00083
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竹の葉はうつりうつらすかけろひて夕日の窓に風すさふなり

たけのはは−うつりうつらす−かけろひて−ゆふひのまとに−かせすさふなり


00084
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吹きめくるよものあらしのすゑをうけておきふしなひくまとのくれたけ

ふきめくる−よものあらしの−すゑをうけて−おきふしなひく−まとのくれたけ


00085
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しけりましるしのふは露のみたれにてこけにしたたるのきのいと水

しけりましる−しのふはつゆの−みたれにて−こけにしたたる−のきのいとみつ


00086
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ふりまさるやとののきはをもるあめはしつくもこけの色におつなり

ふりまさる−やとののきはを−もるあめは−しつくもこけの−いろにおつなり


00087
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浦とほみしらすのすゑになくたつの雲井をかけてこゑそのとけき

うらとほみ−しらすのすゑに−なくたつの−くもゐをかけて−こゑそのとけき


00088
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みつしほの入江のあしもみかくれてむれゐしたつの声さわくなり

みつしほの−いりえのあしも−みかくれて−むれゐしたつの−こゑさわくなり


00089
未入力 (xxx)

いたひさし久しきあとをたつぬれはふはのせきやは名のみのこりて

いたひさし−ひさしきあとを−たつぬれは−ふはのせきやは−なのみのこりて


00090
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ことの葉もむかしの浪にたちかへれ和歌のうらわによる身とならは

ことのはも−むかしのなみに−たちかへれ−わかのうらわに−よるみとならは