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天正四年万句　７０巻

作品集名	天正四年万句　７０巻
作品集名読み	てんしょうよねんまんく
作成年月日	天正四年五月六日～七月十九日（1576年6月2日～8月13日）
場所

天正四年万句　第一千句　第一：何路［うめかかに］

天正四年万句　第一千句　第二：何船［とふとりの］

天正四年万句　第一千句　第四：白何［はつはるや］

天正四年万句　第一千句　第五：花何［うくひすの］

天正四年万句　第一千句　第八：唐何［はなさけは］

天正四年万句　第一千句　第九：下何［むらさきの］

天正四年万句　第一千句　第十：何木［さくはなの］

天正四年万句　第二千句　第一：何人［はつはなの］

天正四年万句　第二千句　第二：朝何［うめさける］

天正四年万句　第二千句　第三：薄何［やまとほみ］

天正四年万句　第二千句　第四：一字露顕［わかくさも］

天正四年万句　第二千句　第五：青何［ゆくみつに］

天正四年万句　第二千句　第六：夕何［はるさめに］

天正四年万句　第二千句　第七：何馬［あをやきの］

天正四年万句　第二千句　第八：何鳥［かせにしるき］

天正四年万句　第二千句　第九：三字中略［かせたえて］

天正四年万句　第三千句　第一：何人［をらてみよ］

天正四年万句　第三千句　第四：白何［くもにこゑ］

天正四年万句　第三千句　第五：初何［そてくちか］

天正四年万句　第三千句　第六：竹何［まつほとや］

天正四年万句　第三千句　第七：何風［ふちなみに］

天正四年万句　第三千句　第八：何心［やまかけや］

天正四年万句　第三千句　第九：何色［ちるはなも］

天正四年万句　第三千句　第十：何帋［いろそふや］

天正四年万句　第四千句　第一：□□［□□□□□］

天正四年万句　第四千句　第二：何鳥［さみたれに］

天正四年万句　第四千句　第三：何衣［うのはなの］

天正四年万句　第四千句　第四：何垣［かけすすし］

天正四年万句　第四千句　第五：□何［□□□□□］

天正四年万句　第四千句　第六：何文［しのひねに］

天正四年万句　第四千句　第十：何路［みそきする］

天正四年万句　第五千句　第一：唐何［ききにみし］

天正四年万句　第五千句　第二：何物［ほとときす］

天正四年万句　第五千句　第三：片何［うつせみの］

天正四年万句　第五千句　第四：初何［ゆふかほの］

天正四年万句　第五千句　第五：朝何［たにのとを］

天正四年万句　第五千句　第六：花之何［みなつきの］

天正四年万句　第六千句　第二：何船［そらにまつ］

天正四年万句　第六千句　第三：薄何［はつかりの］

天正四年万句　第六千句　第四：朝何［あきといへは］

天正四年万句　第六千句　第六：竹何［うつらなく］

天正四年万句　第六千句　第七：何路［やまかはも］

天正四年万句　第六千句　第八：二字返音［かせやいろ］

天正四年万句　第六千句　第九：何田［しかのねは］

天正四年万句　第六千句　第十：何水［むしのねや］

天正四年万句　第七千句　第一：山何［みかつきの］

天正四年万句　第七千句　第二：何路［をしかなく］

天正四年万句　第七千句　第三：何船［ときはきも］

天正四年万句　第七千句　第四：何鳥［まつむしの］

天正四年万句　第七千句　第五：白何［くさはなの］

天正四年万句　第七千句　第七：朝何［しきのたつ］

天正四年万句　第七千句　第九：一字露顕［やまのはに］

天正四年万句　第七千句　第十：何帯［ききのいろに］

天正四年万句　第八千句　第一：朝何［なみよする］

天正四年万句　第八千句　第三：□何［□□□□□］

天正四年万句　第八千句　第四：白何［つゆやいろ］

天正四年万句　第八千句　第五：何船［なかきよの］

天正四年万句　第八千句　第六：何路［うすきりに］

天正四年万句　第八千句　第七：玉何［まつはらも］

天正四年万句　第八千句　第八：一字露顕［あさしもの］

天正四年万句　第八千句　第九：唐何［ころもうつ］

天正四年万句　第八千句　第十：花何［おくつゆの］

天正四年万句　第十千句　第二：手何［はつあられ］

天正四年万句　第十千句　第三：何鳥［はつしもは］

天正四年万句　第十千句　第五：何物［きくやいかに］

天正四年万句　第十千句　第十：何路［ちりとのみ］

天正四年万句　第一千句　第一：何路［うめかかに］

句番号	句
001	うめかかに－なひかぬよもの－くももなし
002	かせにまかする－はるのあをやき
003	をちこちの－はやまにのこる－ゆきみえて
004	またありあけに－おきいつるそら
005	あきのよの－かねやたひねを－いそくらむ
006	そてややさむく－くれわたるさと
007	つゆしけく－たえたえむしの－ねにたてて
008	しもしろたへに－おきまよふころ
009	いつくにか－かれのはきくの－のこるらむ
010	つもるこのはの－うつむませかき
011	まれにたに－ひとはかよはぬ－みちのへに
012	みねなるはしを－わたるやまかつ
013	あやふきも－なるれはなみの－たかせふね
014	みるめもいその－つきのよなよな
015	すすしさを－かたらふそてに－くもきえて
016	なこりはさそな－きぬのうつりか
017	またいつと－ちきりもあへぬ－わかれちに
018	いまはみやこも－いにしへのかけ
019	ここかしこ－はなにさくらを－うゑませて
020	なくうくひすの－こゑほのかなり
021	みよしのの－さとはかりこそ－はるならめ
022	みしかうへなる－ゆきのしらやま
023	たかふても－およはしかかる－うつしゑに
024	おやのこころを－まなひとるひと
025	なにことも－むかしにかへり－まひのそて
026	さらにたたしき－よのまつりこと
027	あめかせに－そのときときや－しらるらむ
028	あをはなりしも－もみちちるやま
029	ほともなく－あきもすゑのに－なりはてて
030	つきもかすかに－あけはつるそら
031	さをしかの－なきよわるこそ－あはれなれ
032	われもおもひは－しつのをたまき
033	またるるも－まつもくるしき－みちにして
034	なみたのたまは－ひろはむもいさ
035	いまははや－こころもみにや－そはさらむ
036	ゆめはよるよる－かよふふるさと
037	さはかしき－なみのまくらし－まとろみて
038	しらぬみなとに－つなくつりふね
039	こゑのまに－なかれてとほき－つきのくれ
040	しくれかちにて－あきはふけけり
041	きのふみし－くさきもいまは－いろいろに
042	ひとのこころの－かはりもやせむ
043	つれなきと－ききてこそまた－いひよらめ
044	なきなにたつも－ちきりならすや
045	みのとかと－おもひなからも－そてぬれて
046	たをるもはかな－はなのしらつゆ
047	てふとりや－やとりうかれて－わひぬらむ
048	いりひのあとや－はるもさひしき
049	さしすてし－をふねにのこる－ゆふあらし
050	つなてもよほす－あまのよひこゑ
051	みわたしの－くももいろいろ－かはるらむ
052	はるとあきとを－あらそへるひと
053	なくさめは－たたおほみやの－うちにして
054	うきにたへつつ－すめはすむいほ
055	なみたなと－みをもはなれぬ－ものならむ
056	こころはきみに－そふるきぬきぬ
057	かなしきは－よそめをつつむ－おもひにて
058	すみかれかれの－ふみのうはかき
059	おくふかき－みちやそれとも－わかさらむ
060	いりぬるやまに－さるさけふこゑ
061	あさなあさな－くもまのつきの－みえかくれ
062	はれてくれゆく－そらはすさまし
063	ふきおくる－かせにうちちる－のへのつゆ
064	はやうつろへる－はなのをすすき
065	あたなるは－のこるもつらき－かたみにて
066	おもひすつへき－ことのはもなし
067	あさからぬ－こころくらへに－まよふらむ
068	おくれさきたつ－たたかひのには
069	おほかたの－めくみをたにも－たのむみに
070	このいへさくら－さくころやいつ
071	をりをりの－かすみにうつる－はなのもと
072	うたのむしろに－したふはるのひ
073	やまとりの－おいのゆくへに－としこえて
074	むかふかかみや－わかみつのかけ
075	つきひとつ－みれはふたつに－なるみかた
076	ひたりみきりの－そてそつゆけき
077	きりやたた－むねのおもひの－あまるらむ
078	たえすけふりの－なひくふしのね
079	たまさかの－すかたなりけり－かくやひめ
080	こやなにききし－あまのはころも
081	こころさし－ふかくもともの－おくりきて
082	またなこりある－みちのかへるさ
083	はつねをは－しのひてなけや－ほとときす
084	みねをこえぬる－くものひとすち
085	まつかせや－ふもとのさとに－しつむらむ
086	かはなみたかし－ならのたきつせ
087	なかあめは－けふいくかにか－なりてまし
088	つきかけおそき－よひよひのそら
089	あきかけて－のこるほたるや－まとふらむ
090	そてひややかに－たとりゆくみち
091	やすらへは－そこともしらぬ－たひのすゑ
092	にはよきふねや－おほうみのはら
093	もろこしに－おもひたつひや－まちぬらむ
094	こころにとほき－あらましのやま
095	すてしよは－みやこもおなし－かくれかに
096	ありともそれと－とふひとやな□
097	ちるはなを－ひとりなかむる－ゆふまくれ
098	かすみこめたる－ともしひのかけ
099	つきなから－あくるもしらぬ－はるのよに
100	ときはかきはの－きみかこのとき

天正四年万句　第一千句　第二：何船［とふとりの］

句番号	句
001	とふとりの－はかせもかすむ－はるのかな
002	くもゐににほふ－さくらさくやま
003	なみこゆる－いはほ□□かれ－のとかにて
004	つきもいりえの－かけきよきくれ
005	うらふねや－つゆのまにまに－かよふらむ
006	まちけるよはの－さをしかのこゑ
007	をたもりの－あかしかねたる－のをとほみ
008	かねもかすかに－つけわたるころ
009	わけつくす－やまやゆくへも－ふかからむ
010	はらひもあへぬ－そてのしらゆき
011	つまきとる－そのさとひとの－かすみえて
012	くるるかきねに－しるきまつのひ
013	あまをふね－かへるさとほき－みなとかは
014	なみもひとつに－くもそたなひく
015	つきほそく－あきはさなから－ものさひて
016	なくきりきりす－すかるむしのね
017	つゆふかき－ころをやとりも－うらむらむ
018	わかれしそては－なみたなりけり
019	かはかりの－つらさもしらす－なれなれて
020	みやこわするる－たひのゆくすゑ
021	はなあれは－ここをやとりの－あさほらけ
022	はるこそあかね－たかきいやしき
023	ねのひせし－のへにけふはと－たちいてて
024	うららなるひを－ひとりくらしつ
025	なかむれは－いつくもおなし－なにはかた
026	いらはやいらむ－あらましのやま
027	ちきるこそ－のちのよまての－ともならめ
028	あたにはなとか－かはすことのは
029	あさかほの－にほひゆかしき－おもかけに
030	つきすめるよの－かせのしつけさ
031	しらつゆや－たまのうてなを－みかくらむ
032	いはかとならす－たきなみのこゑ
033	いへいへに－つつくなかれは－かすかにて
034	なのみのこれる－いにしへのやと
035	こころなと－おとろふるみに－そふるらむ
036	といひかくいひ－くらすならはし
037	あらしのみ－うらむ□はなの－ませのうち
038	さくやまふきや－まつのしたくさ
039	ゆききえは－ここもはるにや－なりもせむ
040	ふゆこもりせし－たにのかりいほ
041	あはれにも－ましはをりたく－かけみえて
042	かのこゑちかき－よひよひのそら
043	あしたこそ－ふきくるかせも－すすしけれ
044	あきなりけりと－いつるみかつき
045	きりのまに－いさよふひかけ－ほのかにて
046	みをしるつゆや－しのにおくらむ
047	たまのをの－なからふもまた－はかなしや
048	しのひかねぬる－よるよるのとこ
049	われなから－あらぬおもひの－うちそひて
050	ひとのみるめを－みるもはつかし
051	にしききを－いつたてそめて－かかるらむ
052	わかはのはしの－つゆのいろいろ
053	もすのなく－かたやまもとの－くれはてて
054	このさひしさを－たれにかたらむ
055	ましはるも－なみまのふねの－とまやかた
056	ひかけきえゆく－さとのむらむら
057	たくひさへ－はやすくなくも－なりぬらむ
058	みふゆもけふは－かきりとそなる
059	なにとせむ－わかみにかかる－おいの□□
060	よわるをわふ□－ひとのあはれさ
061	まつならは－をれむたのみも－あるへきに
062	あまりつれなき－ことはくるしも
063	いひやりし－ことははかりを－ちきりにて
064	こきちかへゆく－つきのともふね
065	あきかせや－よのまにおとの－かはるらむ
066	うちかさねたる－あさのさころも
067	あきひとの－のりぬるうまに－そてみえて
068	あへののいちに－すめるたけひめ
069	はつゆきや－めつらしけなる－ふしのやま
070	くもよりうへも－てるやあつきひ
071	けさははや－あけのそほふね－うちいてて
072	いやとほさかる－あとのまつかけ
073	なにしおふ－しかのはなその－はるくれぬ
074	いまそこころも－のとかなりける
075	とにかくに－つらきはこその－みそれにて
076	またとしきくも－かせのしきしき
077	よもすから－つきやわかよと－てらすらむ
078	たけのはことに－なひくゆふつゆ
079	しらたまを－いまとりぬれは－なほひやし
080	みつやつららと－なりてこほれる
081	みちのへの－ひとやをかまむ－かはやしろ
082	かけおくにへや－たむけなるらむ
083	ほとほとの－こころさしこそ－かなしけれ
084	しはしなくさむ－やまとことのは
085	かすむのに－たれともわかす－ましはりて
086	かたへにたてる－はなのをくるま
087	おほろなる－つきはさなから－はるなれや
088	きりそかくるる－やまきはのさと
089	とりのねも－いろつくみねの－ゆふしくれ
090	ものすさましき－をきのうはかせ
091	まちわひて－いつともわかぬ－ころもかへ
092	しるしはかりの－うすすみのそて
093	わかれての－おもひはいとと－ふかきみに
094	おつるなみたを－せきそかねぬる
095	あたになる－こひこそいまは－つらからめ
096	はなちしたかの－ゆくへなきくれ
097	ふきおくる－あらしもしろき－ゆきのひに
098	みつひとすちや－みとりなるらむ
099	たちのほる－けふりにつつく－さととほみ
100	きみかよはひの－ちよをへるころ

天正四年万句　第一千句　第四：白何［はつはるや］

句番号	句
001	はつはるや－みねにかすめる－けさのゆき
002	こほりなかるる－やまかはのすゑ
003	ゆくみつの－このはにこその－いろみえて
004	そのままふくる－よひのつきかけ
005	くもりなき－ゆふへは□□□－□□□□□
006	□□□□□□□－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－□□□□□□□
011	□□□□□－□□□□□□□－□□□□て
012	うめかかかほる－はるのあさなき
013	ありあけに－つれてよのこす－やへかすみ
014	かねのならすは－ときもおほえし
015	ひとめをも－つつみてすめる－ねやのうち
016	こすのまとほに－ほのかなるこゑ
017	さそあらむ－そのおもかけの－みえもせて
018	はなももみちも－あとのやまかせ
019	こころさへ－はるあきのすゑは－いかならむ
020	いりひのうつる－なみそたたよふ
021	ふねたにも－いそくとすれは－はやからて
022	よとのわたりの－くれわたるころ
023	やとりをも－わかすまよへる－たひのそら
024	このよはかりの－すさみともしれ
025	いきのこる－みに□むかしの－おもはれて
026	すもりをしたふ－とりのあはれさ
027	いくはるか－みやまにかかる－うすかすみ
028	ひもあたたかなる－かつらきのくも
029	ひとたひの－あひみしことを－うらみにて
030	とけぬちきりは－なかなかにうし
031	ゆくなみも－せめてはかへれ－すまのうら
032	みやこのつてを－おもふ□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	かすみのうへに－つはめゆきかふ
041	ふるてらの－のきはにはなの－うつろひて
042	かけもかすかに－のこるともしひ
043	きえぬみを－なととふひとの－なかるらむ
044	わするるまなく－なみたおちけり
045	あめのくれ－あしたのくもに－うかれきて
046	はつねをきくや－やまほとときす
047	かけはたた－つきかはかりの－はなうつき
048	みつせきいれて－さなへとるころ
049	はやかはの－なかれのすゑや－あさからむ
050	いはにさはりて－いつるふなかけ
051	さかつきを－さす手さへきる－ましはりに
052	ひとふしうたふ－たけのみやこち
053	そらもはや－はをならへたる－とりのこゑ
054	いかかわかれむ－このねぬるとこ
055	またあはむ－すゑはたかみも－しらぬよに
056	かたみにのこす－ふみのかすかす
057	はこさきや－かみのちかひは－たたならて
058	うゑししるへの－まつはこたかし
059	きりくへて－たくひもなにか－みかきもり
060	□□のゆふへは－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	やふるるみのは－あめもふせかす
069	なつむしの－なかぬあはれは－しられけり
070	もゆるおもひよ－なににくらへむ
071	こひのやま－それもなけきの－ものならて
072	おくりてかへる－のへのゆふくれ
073	うきくさの－なとひややかに－うかふらむ
074	みつのそこには－みえぬつきかけ
075	かすかにも－いはまをくくる－あきのなみ
076	あらしにくもの－やすむことなし
077	はなはみな－おほゐのさとに－ちりしきて
078	はるよりのちは－やまもすまれし
079	ことしこそ－はしめてよをも－うらみつれ
080	たれかいさめむ－たらちねのあと
081	はかなくも－なみたにすくる－よなよなに
082	またとはれても－ゆめようつつよ
083	そよそよと－そてにおほゆる－あきのかせ
084	はるれはつきの－いつるうきくも
085	さしむかふ－□□□のこすゑ－いろつきて
086	□□のなこりか－ひひくたきつせ
087	ひく□□の－すくなるみちを－えらふらむ
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□ひたる－すきのひとむら
097	みわたせは－みわのやしろの－はなさかり
098	すゑはかすみの－□はつせのやま
099	□□□□□－なほなかかれと－おもふひに
100	□□□つころの－むつききさらき

天正四年万句　第一千句　第五：花何［うくひすの］

句番号	句
001	うくひすの－こゑはかすまぬ－あさとかな
002	はるのよのこす－そののむらたけ
003	きえやらぬ－ゆきのやまのは－つきすみて
004	あきやこころと－うかひきぬらむ
005	ひややかに－みつもおちそひ－ゆくふねに
006	みきはにつたふ－なみのうすきり
007	はまをきの－あをはのかせや－よわからむ
008	おきわたしたる－なつくさのつゆ
009	とやこめの－たかをかつかつ－てにふれて
010	このしきしまや－ほこのしたたり
011	あけくれの－けはひえならぬ－みやまへに
012	こやはつゆきの－みねのをちかた
013	くもまよふ－あらしのかせに－つきさえて
014	あきとふゆとの－ゆきむかふそら
015	たれかまた－すみのさかひを－しらさらむ
016	ひたのたくみは－とほきいにしへ
017	ときしらす－たみをつかへる－いへつくり
018	くたすいかたや－はやかはのすゑ
019	みつやたた－きしのいはほに－さはるらむ
020	□□かはかりの－すみよしのなみ
021	はなそのに－まつのみとりの－たちそひて
022	いろいろわたる－かせののとけさ
023	かけはしや－かすみなからの－あさほらけ
024	ほのほのつきの－のこるやまかけ
025	のにいてし－しかやよをこめ－かへるらむ
026	またうちねふる－つゆのむらはき
027	かちまけを－あらそふまとの－みたれこに
028	これかはまたぬ－ひとのいきしに
029	ほとけさへ－かくらふよとや－なりぬらむ
030	そのあかつきそ－なほもこひしき
031	ゆめかとよ－うつつとちきる－おもかけに
032	わすられもせぬ－たまつさのみち
033	ふゆかけて－てかひのかりや－なきつらむ
034	しもにくちぬる－をたのいなくき
035	みつにすむ－つきはあまたの－ひかりにて
036	のほるをふねや－あきのゆふかは
037	いはにふす－あゆやさひしき－やなくつれ
038	このはかつかつ－おつるやまかせ
039	あまやとり－いつくにかさて－たのままし
040	そてにあまれる－なみたかなしも
041	つれもなき－ひとにこころの－あこかれて
042	おいをあはれむ－ことはまれなり
043	やせにたる－うまにおもには－はかなしや
044	ここやかしこに－すつるいちしは
045	みやこより－をののおくもや－とほからむ
046	うひかうふりせし－のちのさすらへ
047	かみたにも－のかれかたきは－うれへにて
048	いとはれつつも－ましるちりのよ
049	はなにこそ－きゆへきみをも－をしみけれ
050	ぬるめはみつも－あはれうたかた
051	かはつなく－なかれのこほり－かつとけて
052	ひかりもつきは－かすむありあけ
053	しらくもの－かさなるみねや－ゆきならむ
054	さむさをわふる－をちかたのさと
055	つくしより－のほせしわたを－たのみにて
056	すすりのうみの－せきそきひしき
057	あさましや－よまれぬもしの－このさうし
058	おとろへきてや－ひかめひかみみ
059	あきのよの－そらもほのほの－うちしくれ
060	いくたひつきの－かくれいつらむ
061	すさましく－たなひくくもや－みかさやま
062	おとろわけゆく－みちかすかなり
063	さとちかく－かよふうさきの－あとさひて
064	かきねかきねに－うすきあさしも
065	ところから－ひかけやおそく－うつるらむ
066	からくれなゐの－うめのひとえた
067	したみつも－はなになりゆく－はるみえて
068	なみしろたへに－おつるたきつせ
069	うちはへて－たれてつくりを－さらすらむ
070	きのふかききし－はたをりのこゑ
071	ふゆちかく－なれはのへさへ－かれはてて
072	つゆをやとりの－つきのゆふかけ
073	くもはみな－はらひすてたる－さよかせに
074	つらしやいとと－しのひかねぬる
075	ことのはは－きみならてまた－たれしらむ
076	まきかさねたる－ふみのかよひち
077	もろこしは－とほき□さすか－とほからす
078	ききしもみしも－いまのよかたり
079	ありはてぬ－みにのちのなを－おもへたた
080	たににはいかて－おとすしかのこ
081	むはらたつ－あら□あらやま－わけ□□□
082	わりなく□□□－こころとをしれ
083	あけておく－ひと□□ねやの－まきのとに
084	おのつからみる－つきのさやけさ
085	かりかねの－わたるよすから－しつかにて
086	むらむらなひく－そらのうききり
087	やくしほの－けふりやかせに－まよふらむ
088	なきさのふねの－ともよはふこゑ
089	くれかかる－うらわのさとの－みえわかて
090	ちひろのたけも－うつむしらゆき
091	みよしのや－かねのひひきは－さたかなり
092	おくやますみを－ちきるあらまし
093	なかなかに－よ□いつるこそ－おろかなれ
094	むかしをいまの－こころとやせむ
095	わすれすも－なつはきてなく－ほとときす
096	いつくのさとに－かくれてかすむ
097	はなにかせ－こころにつらき－ゆふあらし
098	はつせのかはの－うちかすむころ
099	なみのおとも－はるやうららに－なりぬらむ
100	あみにあまれる－このさくらたひ

天正四年万句　第一千句　第八：唐何［はなさけは］

句番号	句
001	はなさけは－はなのみやこの－さくらかな
002	なかめをうつす－あをやきのかけ
003	つはめとふ－かはみつしろく－つきおちて
004	それかあらぬか－かりのひとこゑ
005	あきかせに－そらゆくくもや－きえぬらむ
006	みるみるかはる－やまのはのいろ
007	しくれする－ふもとのをかに－ひはさして
008	ひはらにつつく－まつのむらたち
009	とひよりて－すすみやからむ－はまひさし
010	ひさしくのこる－なついかにせむ
011	こしかたの－かせのつてさへ－たえたえに
012	たよりもかもな－やらむひとふて
013	およはぬを－みそめつるこそ－くやしけれ
014	こたかきはなほ－えやはたをらむ
015	たちいてて－つまはやすみれ－あさなあさな
016	かすむひろのの－さとのかたはら
017	のとかなる－くもゐはるかに－とふひはり
018	かけかすかなり－ゆきのあけほの
019	すみのほる－つきはをのへに－かたふきて
020	そてにおほゆる－よはのあきかせ
021	すさましく－このはやみたれ－ちりぬらむ
022	のきうつあめの－おとあらきくれ
023	とりはこふ－ならのかれしは－たきわひて
024	ここやうきみの－さかのふるみち
025	かへりみる－そよそのかたと－なみたおち
026	おとつれきくそ－うれしさはます
027	なかたちに－おもふかきりを－いひやりて
028	こころのほとを－しられむもうし
029	あくるまて－みるやまれなる－そらのつき
030	つゆたちのほる－みやまへのさと
031	はなすすき－ふかれてなひく－まつかせに
032	こゑをあらそふ－まつのひくらし
033	さひしくも－うらわのなみの－よせかへり
034	ゆきにおきなの－つりたるるかけ
035	おもひとる－こころやよそに－みえぬらむ
036	けふりもたてし－かかるやまもと
037	おのつから－あたたかなりし－たにのとに
038	いてゆのなかれ－むすひなれつつ
039	たひにきる－みのしろころも－きよめはや
040	あかなくひとに－うちそそひぬる
041	そらたきの－にほひもふかき－ゆふまくれ
042	これをやこひの－かたみともせむ
043	のちのよに－うきななりとも－のこさはや
044	みをつみてこそ－あはれともしれ
045	あたなれは－もるもうらみし－はなのかけ
046	ぬれてもよしや－うめのあさつゆ
047	うくひすの－はかせもおもく－うちはふき
048	おいのはるとや－なきてうれふる
049	さしいつる－ひかりもあやし－かみなつき
050	またはれやらぬ－みねのしらくも
051	かつらきや－むかしいまはの－かけならむ
052	のへふすまつに－かかるまくすは
053	このころの－あらしにむしも－なきよわり
054	たちとしられぬ－さをしかのこゑ
055	かけうすき－きりまのつきの－あけすきて
056	ものおもふよは－ほともおほえす
057	とひやせむ－とはれやせむの－やすらひに
058	なみたのあめの－かわくまもなし
059	なるかみや－むねのあひたに－やとるらむ
060	ひとのゆくへを－いはふみやしろ
061	かへらむの－そのうらかたの－まさしかれ
062	いてしひかすの－たひはるかなり
063	すかかさも－ぬきあへぬみちの－さみたれに
064	さすらふるみそ－うきをかさぬる
065	たつなみの－おとさえかはる－すまのうら
066	はるのうみへの－うららなるころ
067	はなのかに－かすむをふねを－□□□□て
068	さくらにしはし－とほさかるさと
069	とこよこそ－そらゆくかりの－すみかなれ
070	このうきあきを－いかにしるらむ
071	おほかたの－つゆをひとりの－そてにみて
072	かこつもはかな－つきのよひよひ
073	こころたに－なひかはなにか－さはらまし
074	ふみにをさむる－きみかくにくに
075	ひととなりて－まなひえぬこそ－かなしけれ
076	をむなはおにの－すかたならすや
077	ゆふかほの－はなもいらかの－かさりにて
078	あつきひかけに－あそふてふとり
079	ふゆはさて－いつくのそらに－かへるらむ
080	もとのしつくに－こほるたにかは
081	のをいろに－みたるるこそは－つゆならめ
082	はやたつねきぬ－そてのあきかせ
083	てつさひに－ふれしあふきも－うちおきて
084	なかめにけりな－つきのゆふかけ
085	あすまては－しられぬたまの－ををよわみ
086	おもひいつるに－なみたおちけり
087	ゆめにさへ－おもかけはかり－のこるらむ
088	ものうきことの－かすはつきせし
089	としことの－はなのさかりの－はるのかせ
090	かつきえそめし－ゆきのやまかけ
091	はつせかは－かすみなからも－しろたへに
092	よりくるなみの－おとのしつけさ
093	うきねして－こころよけなり－むらかもめ
094	すきしむかしを－おもふみのはて
095	すつるよに－なとうきことの－したふらむ
096	あまりさやけき－つきはみまほし
097	よもすから－しくれもきりも－はれやらて
098	もりすさむなり－をやまたのいほ
099	ふくろふの－からこゑくれて－さむきひに
100	とるさかつきや－いちのかへるさ

天正四年万句　第一千句　第九：下何［むらさきの］

句番号	句
001	むらさきの－そて□ふしみの－すみれかな
002	ほのかにつきの－かすむののすゑ
003	さえかへる－ゆふへのあらし－けさはれて
004	ふりしくあめの－おとしつかなり
005	かたふきぬ－くさのとほそや－とちぬらむ
006	にはにあつまる－すすめむらとり
007	かりひとの－かよふやまちは－はるかに□
008	ふみわけかた□－ゆきのかけはし
009	きりのはや－□□□おちはを－さそふらむ
010	いまはつかせは－をきにこゑして
011	のをとほみ－それかはかりの－きりきりす
012	かけおとろふる－つきのあけかた
013	ゆめにたに－こひしきひとは－みえもせて
014	きみかこころの－まつのつれなさ
015	たのめこし－はなやさくらむ－ちりぬらむ
016	いくほともなし－はるのおもかけ
017	かへるをや－をし□かなしむ－ももちとり
018	さひしさのみに－くらすやまさと
019	なくさめに－かへてやそめし－すみのそて
020	いたつらになと－むかしすきけむ
021	くさふかき－すそのをすこし－たになして
022	かけひにうくる－おほかはのみつ
023	ここかしこ－なかれのすゑか－いせのうみ
024	いはひうつせる－かみのみやしろ
025	まつすきの－かけのやまきは－ものさひて
026	こすゑをわたる－かしとりのこゑ
027	かせたえて－かた□しつけき－ゆふまくれ
028	ともなひつつ□－いつるたひひと
029	みやこをは－いくさとさとか－へたつらむ
030	まくらにちかき－ゆめのかよひち
031	なつのよに－しのふとすれは－つきおちて
032	かたるまもなき－しののめのそら
033	ひとすちの－くものあはれや－きえぬらむ
034	けふりのみえし－のへのかへるさ
035	さととほき－いほりはゆきに－あらはれて
036	たにの小かは□－みつまさるおと
037	にこりたる－そ□□いさかひ－くむそてに
038	ほとにしたかふ－すさみこそあれ
039	みとりこの－まさこをやまと－つくりおきて
040	これやまことの－ほとけなるへき
041	みててかく－かくれはみつる－よはのつき
042	くさはのいろも－かはるあきかせ
043	いつのまに－つゆはしくれと－なりぬらむ
044	そてをわかれぬ－なみたかなし□
045	あへはその－あは□うらみを－いひいてて
046	うらかたにしる－ふるきもののけ
047	ゆふかほの－やとをはかなく－たちはなれ
048	なかめしはなや－あとのしらくも
049	きのふまて－こころははるに－なれなれて
050	さこそなこりと－かりもなくらめ
051	なにはえの－ありあけのそらを－わすれめや
052	あしのほのかに－きりのほるころ
053	あきのいろも－むかふやまちは－みえわかて
054	うれへはすてし－よにそありける
055	いつのひの－いつまてかかる－てらこもり
056	すすみしそても－なつのひととき
057	たちいてて－くるれはかへる－まつのもと
058	ゆきかひしけき－はこさきのはま
059	あらしをも－さそひしなみの－おとはして
060	ぬきさすかちや－おほふねのかけ
061	とにかくに－とりくるしきは－こころかも
062	とはねはうらみ－とへはつれなし
063	つゆにやとる－つきこそあたの－ちきりなれ
064	よのまにち□□－おのかあさかほ
065	あきをいつ－まつ□みさをに－みはてまし
066	のきはにたかき－やまみつのおと
067	むらさめと－きけはなかめの－つれつれに
068	いまなくさめて－ゆくほとときす
069	かはらしな－ところもところ－われもわれ
070	ゆめにもうとき－ひとのおもかけ
071	こひわふる－まくらにころも－ひきかけて
072	しのふにあまる－なみたもそうき
073	いろになる－くさ□□かけの－むしのこゑ
074	いやたかかりし－つきのゆふくれ
075	はつしほの－のほるになみや－まさるらむ
076	みやこにいそく－すまのうらふね
077	あらましの－くもこそはなの－すかたなれ
078	たつひよりはや－はるのしつけさ
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第一千句　第十：何木［さくはなの］

句番号	句
001	さくはなの－ちるまををしむ－あらしかな
002	かすみになひく－あをやきのいと
003	おほろなる－つきのゆふへに－つりたれて
004	かねをしるへ□－かへるふなかけ
005	さととほみ－いそきしままの－みちのすゑ
006	むらむらみゆる－あめのしつけさ
007	みやこには－けふりましりの－うすゆきに
008	おくものふかき－くれたけのかけ
009	ふえのねや－かすかになりて－くれぬらむ
010	かせうちかをる－ゆくへすすしも
011	ゆふかほの－はなのかたみは－あふきにて
012	おくもはかなや－そてのしらつゆ
013	つきかけに－おもひのいろや－あらはれむ
014	こゑをかきりと－なくきりきりす
015	うらかるる－のへはまくさに－かりつくし
016	いまはとやまに－たのむさとひと
017	よのなかに－こころとまらす－すみわひて
018	わかやとりとや－かへるまつかせ
019	わかれにし－あともゆかしき－よもきふに
020	ゆめもむすはむ－かりねともなし
021	あまのくむ－もしほはしけき－みちひにて
022	なかれうききの－よこたはるみち
023	さみたれに－やまやみなから－くつるらむ
024	くもにそみゆる－たつのいきほひ
025	うつしゑの－かけにもひとは－おそれけり
026	おやのあととふ－ふみつきのころ
027	しけきのを－わくるもすそも－つゆふかみ
028	こころをしかに－つくすかりこゑ
029	ともしひの－ひかりもうすく－あけはてて
030	をのへのこけに－たかきふるてら
031	いつのまに－ゆきはほとなく－つもるらし
032	みのくるしみに－かはるくろかみ
033	ももしきや－みやけのこほり－あはれにて
034	ひひにたたしき－よのまつりこと
035	うみやまの－なひくもうたの－しななれや
036	ほのほのきりの－かかるはつしま
037	みかつきの－かけはくもまの－なかめにて
038	そらにひとつら－わたるかりかね
039	ふるさとの－あきはいつしか－□□ぬらむ
040	おもひやるにも－そてそぬれける
041	うときとて－ちきりをあたに－くたすなよ
042	ことしのはなを－なとみさらまし
043	いろにまた－ゐてのやまふき－いはつつし
044	かすみこめたる－ここのへのはる
045	かこひぬる－やとにはかせも－いりたたて
046	いととわひしき－ささのはのいほ
047	けふいくか－ふりつつきたる－あめならむ
048	かけすむつきの－やまほとときす
049	ききてしのひ－みてやおもひの－ますかかみ
050	あしたにかたる－ゆめははかなし
051	なにことか－まことあるよと－たのむらむ
052	たれかはかはる－こをおもふみち
053	おいつるの－すたちしまつを－さりやらて
054	ゆきかはかりの－しものあけほの
055	あきやたた－うつつともなく－ふけぬらむ
056	うゑしたつらは－かりはらふあと
057	いるまても－ありあけのつきの－かけみえて
058	とほやまふしの－みねのおこなひ
059	むかしこそ－よをさまたくる－おにならめ
060	なるれはさけに－あかぬましはり
061	まよへるや－わかみのとかも－しらさらむ
062	しのふるもたた－うきはひとつま
063	かくしおく－のきはのおくに－はなみえて
064	はるやしるへ□－うくひすのこゑ
065	ゆふつけの－なくこそとしの－はしめなれ
066	せきふきこゆる－かせものとけし
067	ひにそへて－みやここひしき－たひのそら
068	いくやまやまを－わくるつきかけ
069	このまもる－つゆもたまちる－ひかりにて
070	たきついはねの－すさましきいろ
071	かはつらの－すまひになつを－おくらはや
072	ゆふへしつかに－くひななくこゑ
073	うちそよく－あをたのはらは－ものさひて
074	ひとりふたりや－かよふほそみち
075	なかたちの－こころをたにも－うたかはれ
076	つつむなみたも－そてはくちけり
077	はしとなる－ゆめこそみには－つらからめ
078	くもゐにかくる－おもひなにそも
079	まつそらの－つきにしくれの－はれぬらむ
080	しはしやすらふ－おきつふなひと
081	いきをさへ－つきあへすあまや－かつくらむ
082	あらしのかせそ－なみにはけしき
083	ところなく－ちりまかふはなの－しろたへに
084	かすむまさこの－かけはあやなし
085	なかきひの－すさみにやまを－つきおきて
086	いまはなのみの－かたみとそなる
087	うつりかの－ふかきそてをや－かこつらむ
088	そのいろいろの－まさるこひくさ
089	たくひこそ－くるるかけのの－ひかりなれ
090	かよふきつねの－たゆるふるつか
091	ますらをか－ゆつるほのかに－うちならし
092	いきすたまこそ－よにはあたなれ
093	ほとけとも－かみともなるは－こころにて
094	すくなるやたた－ひとのあはれみ
095	のこるめり－まかきのうちの－さくらあさ
096	□もきにましる－つきのさひしさ
097	まつむしの－なくねにさよや－うつるらむ
098	なみたもとむる－そてのあきかせ
099	もののねの－すむをたよりに－いひよりて
100	ことさらになほ－たのむゆくすゑ

天正四年万句　第二千句　第一：何人［はつはなの］

句番号	句
001	はつはなの－にほひもふかき－あしたかな
002	なくうくひすの－あそふうめかえ
003	かすむのの－つきはたにより－かけさえて
004	きのふはやまを－かたしきのそて
005	さまさまに－かはりもてくる－たひのそら
006	いたすあとより－ふねよはふこゑ
007	はやかはの－はしはくちきの－あやふきに
008	むかひにつつく－つゆのひとすち
009	あきかせは－かりのつはさに－さそはれて
010	うちなひきたる－はなのをすすき
011	ふけてゆく－つきをやつゆの－したふらむ
012	あかつきふかき－きぬきぬのあと
013	なみたこそ－つらきいまはの－かたみなれ
014	たらちねのひの－けふにめくりて
015	うつしゑの－ふてやほとけの－かけならむ
016	とりけたものも－のりのほかかは
017	ひなつるの－こゑにしらるる－みふねやま
018	ちよのかけそふ－まつのむらたち
019	いへいへに－としをむかふる－かとのまへ
020	きえそめしゆきや－のきのたまみつ
021	あめははた－ふるともみえぬ－はるのひに
022	くもるはかりや－かすむなかそら
023	あらしほの－けふりはしはを－たくににて
024	あはれすまひも－すまのうらひと
025	くちのこる－をふねのかけの－ゆふちとり
026	いとひやすらむ－しものさむけさ
027	かれはつる－のはらのすゑに－つきおちて
028	みもせぬさとの－あきもくれけり
029	いりあひの－かねはきこゆる－きりのうち
030	つまとふしかの－こゑかすかなり
031	あつさゆみ－はるはるみねを－こえすきて
032	をくらのやまに－ひのかたふきぬ
033	たれもみな－みゆきののへや－をしむらむ
034	はるさめならぬ－そてのむらさめ
035	つれつれを－もよほしかほに－うちかすみ
036	はかなくかりの－たちかへるこゑ
037	としとしの－はなをはいかて－みすつらむ
038	あたらさくらを－えやはをるへき
039	いしはしる－たきよりうへの－やまたかみ
040	くたすそまきに－くるるすかかさ
041	ふるあめや－みちのさはりと－なりぬらむ
042	かならすとこそ－いひあはせつれ
043	しのふよの－なみたならては－とももなし
044	またいつはりの－あるそものうき
045	うのはなの－さけともなかぬ－ほとときす
046	しつかなるひの－のこるやまかけ
047	ふきすくる－のわきはゆめの－ここちして
048	かはるもあやし－つゆのいろいろ
049	うちなひく－かすみやくもに－まかふらむ
050	おもはぬそらに－つきはふけけり
051	つれなきも－またるるは人の－ならひにて
052	こなたかなたの－ふたみちのきみ
053	をくるまを－みやこよまちに－たちぬらむ
054	よとのにはこふ－よのみつきもの
055	ひととせを－ためすこほりの－かさなりて
056	またはるさむき－ほとそしらるる
057	さへつりし－とりはあさひを－まつかけに
058	いりかたをしむ－ありあけのつき
059	うちまねく－あふきをしはし－おきかねて
060	わかれとなれは－つゆのまもうし
061	よなよなに－したふまくらを－いかかせむ
062	はらふとすれと－しけきかの□□
063	いふせさは－□□□□したに－ね□□□□
064	このはつ□□□－またいつ□□□
065	こからしの－□□□□かたは－あり□□□
066	よりきて□□□－たのむやまか□
067	こころのみ－ひひきのなたは－それならて
068	さすそてとほき－あきのさかつき
069	うすきりの－たけやちひろの－すゑならむ
070	くさはのうへに－うつるつきかけ
071	ふるさとの－そらやゆめにも－むすはまし
072	おもひのさまの－かけるよひよひ
073	やまをこえ－うみをへたつる－こひのみち
074	またあらたかを－なとはなつらむ
075	あはれにも－すすにおとする－かせたえて
076	しつかになりぬ－みよしののおく
077	ちりさらぬ－こころのはなや－ちりぬらむ
078	いつをはるとか－おもひとるへき
079	なかきひも－つまきのしつは－ひまをなみ
080	わかわさなから－つみはくるしも
081	さすらへに－うらみむかたも－なみた□□
082	よをはなれよに－くちむもそうき
083	わかれちを－とふもなかなか－あちきなし
084	これやかたみと－のこるまくすは
085	みつくきと－きけはをかへも－みにしみて
086	ことわりしるき－みねのつきしろ
087	くもはみな－しつみはてたる－さよかせに
088	さやかにみゆる－をちのうなはら
089	ふなはたに－かかるはとまの－しつくにて
090	なみはいはほの－したそくくれる
091	かけたかく－ほたるとひかふ－ゆふくれに
092	ふるまひしけき－のきのささかに
093	とひくへき－ころをはいかて－すくすらむ
094	なみたかなしき－そてのしたつゆ
095	かきくもる－つきによすから－のをわけて
096	なかめをうつす－あきかせのそら
097	わかるるを－はなやうしとも－おもふらむ
098	くるるさかひや－かへるかほとり
099	あらたまの－はるもやよひに－おくりきて
100	かすむひかりを－くめるこのとき

天正四年万句　第二千句　第二：朝何［うめさける］

句番号	句
001	うめさける－かけやあまみつ－かみのには
002	はるのかすみと－なひくしめなは
003	をのへより－おろすあらしの－のとかにて
004	つきまつそらに－かねひひくなり
005	なかきよも－しはしのまにや－ふけぬらむ
006	まくらにちかく－すたくまつむし
007	さとよりも－のはらをたひの－おもひにて
008	こなたかなたに－のこるむらさめ
009	みわたしの－やまよりくもや－はれつらむ
010	たたなかそらを－わたるはつかせ
011	ましはつむ－ふねをみきはに－こきよせて
012	いちちにいそく－そてのかすかす
013	あけかたの－そのふにさわく－むらすすめ
014	またきえあへす－のこるよのしも
015	つきもはや－いりかたになる－やまのはに
016	ちきるまもなき－こひそみにしむ
017	おもかけは－それ□□はかり－あきくれて
018	みるにつらさの－まさるあさかほ
019	さくはなに－おくつゆはなと－あたならむ
020	わきてこころに－いとふはるかせ
021	ふゆよりも－さえかへるこそ－うかりけれ
022	うすきころもや－なつちかきころ
023	いろいろに－あしたのくもの－たちかはれ
024	くさのまくらの－やまほとときす
025	とふひとも－なきあめのよの－つれつれに
026	ゆめにいくたひ－そてぬらすらむ
027	ふるさとの－つてさへいまは－たえはてて
028	わひてすみぬる－しはのかりいほ
029	ひとすちの－みつとなかるる－つきのくれ
030	とやまのもみち－かつやちるらむ
031	かせませに－つゆやしくれの－ふりそめて
032	かさをかたふけ－ゆきかよふみち
033	とかめなは－たかなをかりて－こたへまし
034	しのふもつらし－しのはぬもうし
035	かくれかを－よのなかかはに－しめおきて
036	たけのはそよく－ゆふへさひしも
037	ねくらをも－もとむるとりの－うちさわき
038	すそのにおつる－むささひのこゑ
039	たかまとの－たにをよふかく－わけいてて
040	かたふくつきも－かけはありあけ
041	つゆなから－あさたつこひの－すゑはいさ
042	いつうらかれむ－ものおもひくさ
043	うゑしより－つくすははなの－こころにて
044	けふたつはるの－かせもうらみし
045	すまのうら－やなみやなみの－くたりふね
046	むかしにかへり－なみたおちけり
047	おいぬれは－つらきことのみ－まさりきて
048	このうつしゑの－ふてのうすすみ
049	ふゆふかき－きくのひともと－うちしをれ
050	ゆきにあけたつ－のへのをちこち
051	つきもたた－こよひはあらぬ－ひかりにて
052	みやこのあきを－おもひやるそら
053	はつかりの－こゑこそわきて－あはれなれ
054	ちちのなかめも－うらのゆふくれ
055	よるふねに－あまのたくなは－てにとりて
056	なみにたたよふ－うきもうきくさ
057	さみたれに－いつくののへか－のへならむ
058	おりゐるくもに－くらきやまもと
059	ひきむすふ－こけのいほりを－たれかしる
060	みにはことたる－はなのひとふさ
061	からころも－あやおりいたす－はるのきて
062	ぬるめはみつも－□□□□□なり
063	つたへくる－かすみはさとの－しるへかは
064	けふりつつける－いへいへのかけ
065	かせわたる－かきほのたけの－あさほらけ
066	やまをみきりの－とりのこゑこゑ
067	おとろかす－なりこにふかき－つゆちりて
068	つきもひかりを－みたすちまちた
069	くみすてし－なかれもあきの－みつくるま
070	かはしまめくる－うちのふねかは
071	よふこゑも－それかはかりに－ほのくれて
072	たたありなしの－くものあまひこ
073	こころにや－こたまのをにも－いてぬらむ
074	またもおりたつ－ひとのてならひ
075	ことのはの－かよへはうきも－すてかねて
076	けふりにしるし－ふゆこもるいほ
077	さえるひや－あらしもまつに－こほるらむ
078	つたにかくれる－つきそほのめく
079	つゆをはる－まりのおとこそ－くれにけれ
080	かへるさとほく－なくきりきりす
081	はしたかの－つかれををしむ－あきののに
082	のそみつきせぬ－ひとのよのなか
083	わけいりて－とははやすゑの－くらゐやま
084	をしへのみちは－つゑとこそなれ
085	おろかなる－みはことわりも－なにならて
086	くすりのみちも－にかきあちはひ
087	さくはなに－そそくあめこそ－はかなけれ
088	かすみのひまの－つきのあはれさ
089	うくひすの－あけほのいそく－こゑはして
090	たけのはやしに－のこるともしひ
091	なつたくる－そとものさゆり－うちなひき
092	かせふきよわる－むさしののすゑ
093	くもかかる－やまよりやまを－わけてきて
094	おほえすくるる－めくるひのかけ
095	ふりつもる－ゆきにめかれぬ－まとのまへ
096	まなははのこれ－このつましるし
097	かすみこく－あまのつりふね－たたよひて
098	はるをもわすれ－あそふいとゆふ
099	わかくさに－ふるさとのすすき－みたれあひ
100	なかきひなから－うたふこのやと

天正四年万句　第二千句　第三：薄何［やまとほみ］

句番号	句
001	やまとほく－みしはゆふへの－かすみかな
002	ほのかにいつる－はるのよのつき
003	のとかなる－ひかけにむかふ－ふねうけて
004	かせはいつくの－なみにすくらむ
005	すゑはいさ－くもにもつつく－おほうみに
006	まつひともとや－とふとりのかけ
007	おいつるの－このもかのもに－なきかはし
008	きみかちとせや－まつしらるらむ
009	かすかなる－にはにもやまを－つきおきて
010	ふけゆくあきの－かせのおとつれ
011	ゐなかとて－つきのひかりは－かはらしな
012	つゆにいろつく－ききのむらたち
013	ひとことの－こころやちちに－かはるらむ
014	おもひうかるる－こひのなかそら
015	たちかへる－そなたのくもを－なつかしみ
016	みやこのやまの－とほくなるかけ
017	あふさかや－せきのとさしを－あとにみて
018	いろもてはやす－はなのすきむら
019	まてしはし－かすみにのこる－ゆふひかけ
020	あめうちそそく－はるのつれつれ
021	まくすふく－のきのたまみつ－かつちりて
022	そてに□□なる－ひとのいていり
023	いかにせぬ－ものおもふとや－よそにみむ
024	さのみこよひの－つきもめてしな
025	みにつもる－ゆきをもしらぬ－おいのあき
026	はこふましはに－おけるしらつゆ
027	あしひきの－やまちのしくれ－いかならし
028	すすのしのやの－あはれをそきく
029	かたらふも－またしのひねの－ほとときす
030	みやこのそらを－とははとへかし
031	はなとても－みるにこそまた－はなならめ
032	かすみこめたる－はるのあさあけ
033	こそふりし－ゆきもいまはた－きえやらて
034	おとたえたえの－やまかはのみつ
035	ふきしをる－かせはいくたひ－すきぬらむ
036	なひきすてたる－くものふたむら
037	ひとすまぬ－のなかにのほる－うすけふり
038	なみたはあたの－かたみなりけり
039	あさかほの－はなにもにたる－ちきりにて
040	つゆにやとれる－みかつきのかけ
041	やまかせも－よさむのころは－やはらかに
042	はたおるむしの－こゑかすかなり
043	くれぬとや－しつやのかけも－たのむらむ
044	こころもかはす－いそくたひひと
045	すゑひろき－あめのなこりの－にこりみつ
046	つなきかねたる－うちのかはふね
047	あらこまを－なきさにちかく－ひきよせて
048	たまささふかき－をかのへのみち
049	やまはけふ－あられましりの－ゆきのひに
050	おもひやりても－たれかとふへき
051	うらみむの－こころもあへは－わすれけり
052	うれしきになと－いつるなみたそ
053	みとりこの－うちゑむをおやの－あはれみて
054	ちふさのむくひ－しるもはかなし
055	ももくさの－はなをたむくる－あきののに
056	いろをりちらす－つゆのはきかえ
057	つきのいる－かせのゆくへに－かせみえて
058	あらましちかき－やまのかくれか
059	つれなきや－のちのなさけと－なりぬらむ
060	そひなれにたる－ひとならはこそ
061	ことのはを－あるかうちにや－つくさまし
062	くさのはらまて－とはれむはいさ
063	ふるさとの－ゆめをたひねの－まくらにて
064	かせのつてさへ－うときあつまち
065	ふしのねは－ゆふたちくもも－はつゆきに
066	たくひもなみの－おきつしまやま
067	ゆるされぬ－みのうきとかに－なからへて
068	あやまりなきは－のちにこそしれ
069	あたになの－たつをはなにと－いとはまし
070	よしやはらはし－ちりのよのなか
071	まよひこそ－さとれるひとの－こころなれ
072	きりのうへなる－つきのさやけさ
073	むしのねも－いまひとしほに－なきそめて
074	かせもみにしむ－のちのゆくすゑ
075	はなといふ－はなをかれきに－わけつつし
076	かすみのくれに－わたるかけはし
077	やまふかく－たれをよふこの－とりならむ
078	こころのほとの－たとられそする
079	なけきつる－かすをかかなへ－をるゆひに
080	ひとはかへりて－かねひひくめり
081	なにはえの－あしのはわかぬ－ゆきのくれ
082	このもとしるき－ふゆのうめかか
083	かけさゆる－つきやたもとに－よをまちて
084	いりひはしはし－のこるやまのは
085	さみたれの－はるるまやまた－まれならむ
086	とはぬをしらは－ゆかましものを
087	まきのとの－あけはつるまて－うちもねす
088	さてもかなしき－こひのくるしさ
089	おもひやり－かきやるふみを－かへされて
090	つつかぬみちの－すゑいかならむ
091	たちのほる－きりのひとすち－たえたえに
092	ゆふへのくもに－とほきかりかね
093	ふくかせに－のこるほたるは－いさよひて
094	つきのよすから－はしゐをそする
095	たのめぬも－たのめかほなる－まへわたり
096	うちしめりぬる－そてのそらたき
097	あふときは－われならぬみの－こころして
098	あをはにましる－はなのひともと
099	まつたかき－かけにさきそふ－いはつつし
100	まとゐをしつつ－かすみをそくむ

天正四年万句　第二千句　第四：一字露顕［わかくさも］

句番号	句
001	わかくさも－にほふあさひの－ひかりかな
002	ゆきまほのほの－うめひらくかけ
003	くもとほき－みやまおろしに－はるさえて
004	ゆきかふすゑや－うみきはのさと
005	しつかなる－なみにをふねや－うかふらむ
006	いましはしとや－つきをまつくれ
007	なれぬへき－あきもふつかの－はつよにて
008	ひとはののちの－□□のあけほの
009	ふきわたる－かせにさきたつ－をきのこゑ
010	えらふるむしに－わくるののはら
011	のるこまや－はるけきみねに－よわるらむ
012	ゆきてはかへる－あふさかのせき
013	たれをかも－もののしるへは－ありしかし
014	なとわかおもふ－きみはつれなき
015	ひとかたに－かけしこころも－すてやらて
016	はかなくかよふ－ゆめのうきはし
017	わたるせは－いつくなるらむ－なみたかは
018	とははみやこと－とりもこたへよ
019	もののなも－ひなのすまひや－かはりけむ
020	いせのあまりの－あしのやへふき
021	さくはなを－みしめにかけて－うちなかめ
022	つきもかすめる－かみかきのうち
023	おのつから－たかねのくもは－のとかにて
024	かせもおよはし－ふしのおほやま
025	うつしゑに－なにかのこらむ－ふてのあと
026	とほきむかしも－みるはかりなり
027	かたらひに－ひとのこころを－なくさめて
028	おろかなりとも－なにはつのみち
029	いとけなき－ほとやいさめを－きかさらむ
030	うたたねのまに－みをもわすれつ
031	やまなしの－はなにかつかつ－とひよりて
032	なほはるしるき－をふのうらなみ
033	かりかへる－あらしのしたの－つはくらめ
034	あめやのきはを－うつはりのこゑ
035	まはらなる－いたやもりくる－ゆふつきよ
036	ねさめねさめし－□きのあかつき
037	こころにも－かかるおもひの－きりきりす
038	しるしはかりと－たのむむしのち
039	しのふれと－くつのあとより－あらはれて
040	といひかくいひ－そてはぬれけり
041	うひかむり－せしすへらきの－みかはみつ
042	けふのめくみに－あはぬもそなき
043	しらさりし－くさきかうへの－あまそそき
044	ふかきやまちは－はなそともなる
045	ありあけの－のこるかけまて－かすむひに
046	とりはいつこを－やとといぬらむ
047	かねにこそ－けさもさわきし－わかれなれ
048	またまつくれの－なみたなにそは
049	かならすと－ちかひしきみか－とひもせて
050	うらみやるへき－そのつてもかな
051	あまのすむ－さとのありかに－としもへぬ
052	こけむすまつに－けふりかかりて
053	をくるまを－おすもむなしき－とりへやま
054	いつのゆふへと－みはのこるらむ
055	いぬほゆる－ひとのとかめは－けはけはし
056	ほしあひちかき－つきのよひよひ
057	ささかにの－いとをちくさに－かけすてて
058	こころほそしや－かせのまのつゆ
059	いとふへき－よになからへて－なにかせむ
060	うらむるからか－なかきおいらく
061	ちりはつる－はなはまたさく－はるのきて
062	めつらしけなり－うくひすのこゑ
063	おそきひも－かすみのうちに－くれぬらむ
064	やせたるうまは－みるもかなしき
065	すゑとほく－わたるしははし－たえたえに
066	ところところの－けさのはつしも
067	くろかみも－ひとよにいろや－かはるらむ
068	うきみにあまる－おもひくるしも
069	しのひこし－かとをほのかに－あけおきて
070	とははつきみる－くれとこたへむ
071	ひややかに－せきいるるみつの－かけひろみ
072	あきをそのまま－うつすつきやま
073	たままつる－あたりのはらの－ふるつかに
074	ともすににたる－きつねひのかけ
075	うたかひは－なにのうへにも－ありてまし
076	きさむきをたた－ほとけとそいふ
077	わけいれは－みほのそまさへ－しられけり
078	となりにゆくも－とほきおとろへ
079	はるはまた－よそなるふゆの－ふゆこもり
080	またもましはを－ゆきにとるころ
081	しろたへの－つきのゆふつゆ－うちはらひ
082	なくまつむしを－たつねぬるそて
083	ののみやの－みそきのかへさ－のをわけて
084	わかれむとする－みやこしそおもふ
085	たよりなき－よをさへさすか－いてかたみ
086	いへをさためぬ－をむなはかなや
087	をしへある－のりのにはにも－おこたりて
088	たたはなのみと－あかしくらしつ
089	はるといへは－こころやあたに－なりぬらむ
090	かすみにうかふ－おきのつりふね
091	とふとりも－それかあらぬか－なみのうへ
092	はかせつゆけき－わかたけのかけ
093	これやこの－ううるさなへの－ふしみやま
094	たひねにをしき－あけかたのそら
095	とひよりし－やとのあるしの－あはれみて
096	おもひわするる－ふるさとのつて
097	あへはその－ことのはをたに－わきまへす
098	わかみなからも－いつはりはうし
099	つきはあき－あきはつきとや－ちきるらむ
100	めすにそたかき－つかさとはきく

天正四年万句　第二千句　第五：青何［ゆくみつに］

句番号	句
001	ゆくみつに－いさよふにはの－やなきかな
002	かすむなかれの－をちこちのさと
003	うくひすの－ねもうららかに－ほころひて
004	あさひにむかふ－たにのとのやま
005	つきもまた－のこれるみねの－やすらひに
006	つゆをまくらの－かたしきのそて
007	はなすすき－なひくかけのは－しつかにて
008	ききのかれはを－わたるあきかせ
009	をふねさす－さをのしつくの－しけきえに
010	いはまのなみの－たちかへるおと
011	みつとりの－みるさへつらき－すまひにて
012	よをさわかしと－いふもはつかし
013	そむるたに－おもひもとらぬ－すみのそて
014	つまきすくなき－かくれかのやま
015	かけたかく－ゆきはひことに－ふりそひて
016	とはるへきみの－とほさかるみち
017	ひとしけき－さとのあはれは－しられけり
018	たのもにかよふ－さをしかのこゑ
019	すむつきも－あけかたちかく－ふけふけて
020	しくれてすきぬ－つゆのまのつゆ
021	はなのかに－さむるゆめこそ－ゆめならめ
022	うめさくやまに－すむやたれなる
023	こころから－みをなすはるは－うらやまし
024	あさなあさなの－くもとりのこゑ
025	のきちかく－あやおるみつの－うちはへて
026	かせもめにみえ－よするささなみ
027	うらつたひ－ゆくゆくふねの－くるるひに
028	たひたつひとや－あとしたふらむ
029	おもかけの－のこるうつつを－あやしめて
030	つきにむかへは－なみたおちけり
031	あはれとも－なくやあさちか－きりきりす
032	しもにやくさの－はなもしほめる
033	あはらなる－ふゆのかきほを－かこははや
034	またはるかせの－さむきゆふくれ
035	すをいてて－ちりうちはらふ－にはたたき
036	なつをとなりの－くひなとそきく
037	すすしさの－おとにしられて－せくみつに
038	いまやふしたつ－をたのむらなへ
039	やまかつの－こころもあきや－まちぬらむ
040	たなひくくもを－きりかとそみる
041	あめはるる－あとのつきしろ－ほのかにて
042	またなかきよの－あけやらぬそら
043	ゆめのまも－いそくにみちや－とほからむ
044	かならすとこそ－たのめおくくれ
045	はなにふく－かせをはいかて－ふせかまし
046	かすみこめたる－みねのさくらと
047	はるといへは－とやまよりまつ－ゆききえて
048	あたたかになる－ここのへのうち
049	をりをりの－ころものいろや－かはるらむ
050	しのふすかたは－みにもおほえす
051	ひとかたに－おもふこころを－おもひにて
052	つれなきとても－えやはすつへき
053	おいぬまて－つらきこのよに－かかつらひ
054	ふるはもましる－わかたけのかけ
055	さみたれの－くもるとすれは－またはれて
056	いててはかへる－たひのなかやと
057	あまつかり－はるもつきをや－めてぬらむ
058	かすむゆふへの－とりのこゑこゑ
059	いりあひの－かねこそはなに－かなしけれ
060	いにしへいまの－うたのしなしな
061	あらはさぬ－ひとのこころを－つくさめや
062	うきにもたえす－なさけともなし
063	こひちには－いくたひことは－かはらまし
064	そのたまつさの－かすかすのすゑ
065	をりかさす－ちえたをあきの－もみちかり
066	のわきのやまに－さるのなくこゑ
067	つきやたた－てにとるはかり－ちかからむ
068	おもふにとほき－やまともろこし
069	ふるさとに－かへるゆめこそ－うつつなれ
070	うらかたにしも－まことあかきや
071	あたひとも－あははこころを－うたかふな
072	のちのよまてと－ちきりおくなか
073	くさふかき－かけにあふひの－はなみえて
074	かけてもしらぬ－そのかみのあと
075	いかにして－かくはととろく－くもならむ
076	いなひかりする－かせのまにまに
077	くれぬれは－みかかぬつゆも－たまちりて
078	おとひややかに－おつるたきつせ
079	をのやまの－こすゑをわくる－つきのかけ
080	かたえはかりや－けふるすみかま
081	ふゆされの－しつかいほりや－うかるらむ
082	ふふくあられの－くくるまきのと
083	ひきこもり－しのふとすれと－そてぬれて
084	こころいられの－わかわさはなそ
085	ちきりこそ－なかなかいまは－うらみなれ
086	つゆにくちぬる－はなのひともと
087	ひととはぬ－かすみかくれの－やまのかけ
088	こゑをやともと－よふことりなく
089	あまひこも－こたふるはかり－さとはあれて
090	かけのこるつきも－にこるたまみつ
091	あきのよも－あけかたになる－あめのあと
092	はらふむしろに－おけるしらつゆ
093	おきていにし－ひとのなこりの－あさきよめ
094	そてのうつりか－かはりもやせむ
095	うちしけり－はなののをわけ－やまをわけ
096	こかけをゆけは－なつもおほえす
097	かのこさへ－めつらしけなる－ねらひかり
098	ところところに－つもるはつゆき
099	うゑおきし－ちとせはよよの－すゑかけて
100	にしきをかさす－このやとのくれ

天正四年万句　第二千句　第六：夕何［はるさめに］

句番号	句
001	はるさめに－かすみもあをき－すゑのかな
002	いろにいろそふ－はなのこのもと
003	うくひすの－はかせをみるも－のとかにて
004	こすのとにほふ－つきのくれかた
005	きぬたうつ－こゑやほのかに－きこゆらむ
006	ふねとむるえの－あきのよふかさ
007	むらあしの－したはみたれて－とふほたる
008	よりくるなみに－なつそしらるる
009	さわかしき－すみかもけふは－かせたえて
010	くももみとりの－いろになるころ
011	すみよりは－いつれのやまか－ほかならむ
012	そらとふからす－やとをうしなふ
013	そのかたも－みるみるゆきに－かくろひて
014	となりのみちも－とほさかりけり
015	うらみとは－いかなることの－なりつらむ
016	おもふこころは－ひとすちにして
017	きえねかし－つきよりうへの－うすくもり
018	つゆはすそのの－たかきふしのね
019	みにそしむ－あつまのすゑの－やまこえて
020	ひかすかさなる－たひのかなしさ
021	いやましに－ふきそふかせの－みなとふね
022	みきはのなみの－おとそはけしき
023	たかさとを－すきかてならむ－さよちとり
024	かへるさとほき－いもかりのみち
025	おしこむる－なみたはそてに－おちそめて
026	おもひのいろを－もらさむもうし
027	もののけと－なりてたつなは－あさましや
028	よをすてぬれは－かなしきをのみ
029	きりのかの－うつるまくらの－ゆめたえて
030	あかつきつゆに－あらふはなさら
031	てにむすふ－みつにかけすむ－つきはをし
032	はるけきみねに－さるさけふこゑ
033	たつねいる－やまにもまれの－ほとときす
034	とはむをさのみ－えやはうらみむ
035	みのさちの－あらはなにかは－なけくらし
036	たのむるくれの－あめのはかなさ
037	ものおもふ－こひのみちこそ－□□□□□
038	こころのすゑを－いつかしられむ
039	いそけとも－わたりかねたる－ふねのうへ
040	ふりたるはしは－みるもおそろし
041	たにのとに－まかれるまつは－たつににて
042	くもにたなひく－けふりひとむら
043	あやなし□－たかなくなりし－のへならむ
044	つくりしにはも－かたちはかりに
045	すゑとほく－そのなきこゆる－たきのおと
046	なみたにとりの－あとそなかるる
047	きぬきぬに－なれはこころも－こころかは
048	はなもろともに－ひとそちりゆく
049	ちきりつる－ともさへうとき－はるのくれ
050	いてしはいつか－かすむみかつき
051	うらうらに－いりぬるふねは－なこりあれや
052	なみのうきすに－あそふにほとり
053	ほとほとに－うまれくるよを－うらむなよ
054	このしたくさに－のほるしらつゆ
055	かつちりし－やなきのいとを－うちはへて
056	おるからきぬに－むしそみたるる
057	をくるまも－つきにひかるる－のへのすゑ
058	たかかへるさか－やまもとのさと
059	たのめおく－ひとはいつくに－かよふらむ
060	なかなかいまは－ことのはもなし
061	しほかまの－うらわのけふり－たちそひて
062	あきのとまやの－うちかすむそら
063	はなはなと－ところによりて－さかさらむ
064	ひはらさひしく－さくらちるかけ
065	はるなから－なほふるゆきの－さえさえて
066	いつをかきりの－このふゆこもり
067	たくしはも－すゑのためにや－たかさらむ
068	ゆふへゆふへに－はらふかのこゑ
069	なつかけて－まくらにかせの－ふけわたり
070	うゑてものうき－をきのひともと
071	はままつの－かけたえたえに－いろみえて
072	あしたのやまの－つきかすかなり
073	たちかへり－いつかみやこの－そらのくも
074	たひにしあれは－おもふゆくすゑ
075	わするなと－いのるこころの－はかなくて
076	みのくるしさは－こひにこそあれ
077	なつむしの－もゆるひかりは－あはれなれ
078	かたわれをふね－くちのこるかけ
079	なにことも－すきにしことは－むかしにて
080	うつりてかはる－ゆめのよのなか
081	みるかうちに－はなやあらしに－まよふらむ
082	みををさむるも－はるのひととき
083	こてふさへ－しはしいるのの－くさのいほ
084	さへつるとりの－なとかへるらむ
085	おとたにも－みやまあらしは－はけしきに
086	こほるひかけの－いとそしつけき
087	くもさへも－うこかてつきや－のこるらむ
088	こよひもなかの－あきのあけほの
089	きりきりす－こゑをかきりに－なきすさみ
090	もみちのにしき－かさねきるころ
091	ふたたひは－いなしとおもふ－ふるさとに
092	あらましとくる－やまのかたはら
093	みかきつる－たまこそきみか－めくみなれ
094	のそみはつきぬ－しきしまのみち
095	はるあきを－あらそふひとの－さまさまに
096	かすみもつゆも－なひくをちかた
097	けさのゆきの－なかめになにか－まさらまし
098	このはのうへに－うつるつきかけ
099	なつのよも－あけかたとほき－やまかくれ
100	いくへかさなる－せみのはころも

天正四年万句　第二千句　第七：何馬［あをやきの］

句番号	句
001	あをやきの－えたもとををの－かすみかな
002	たかそてまても－なひくうめかか
003	はるのくる－あらしのすゑや－しらるらむ
004	かつきえのこる－ゆきのやまさと
005	ゆくとくと－ゆふへのかねを－まくらにて
006	つきをまつまの－かりふしのそら
007	あきのよも－なかからさりし－ともなひに
008	すすのはおもき－しののめのつゆ
009	とやこめの－たかにたえたえ－みつふきて
010	かりばののへの－しつかなるころ
011	あらましき－かせはいつこに－すきぬらむ
012	かへすころもの－ゆめはうつつか
013	おもかけの－さたかなりつる－あさほらけ
014	なみたにいまは－ましることのは
015	ものことに－おいのあはれや－まさるらむ
016	くちきになれは－はなもすくなし
017	かすかなる－かけよりさくら－さきいてて
018	かすみこめたる－かたをかのやま
019	はるのよの－つきもさやけき－みねのいほ
020	あかつきかたの－かせのさひしさ
021	すかこもの－とふのあみめに－ひとりねて
022	うらみわひつつ－あかしくらしつ
023	あひみすは－さのみなこりは－あらしかし
024	きくもなにはの－あさあけのそら
025	よしあしも－かたるにこそは－しられけれ
026	ほとときすなく－やまのふくろふ
027	さらてたに－みたにのあめの－すこきよに
028	こころならすの－たひねをそする
029	めすにこそ－みやこひとなる－あかたなれ
030	たとるもあはれ－なかきひのかけ
031	とほきはなに－のりにしこまや－つかるらむ
032	つけやるふみを－わすれやはせし
033	くろかみの－けはひにいろも－あらはれて
034	まとのうちより－こころみたすな
035	おもひいる－やまこそおくは－ふかからめ
036	つきのよすから－しかもなくなり
037	みやきのの－はきのさかりや－めてぬらむ
038	をきのうははの－つゆのゆふくれ
039	すむひとの－むかししらるる－ゆくへにて
040	ひはたののきの－ふりのこるかけ
041	なにとなく－すすろにそてや－しめるらむ
042	ものおもふころの－うさよつらさよ
043	こよひこそ－うらみをはらふ－なさけなれ
044	くももかからす－あけやすきつき
045	すすしくも－ふけゆくままに－かせたちて
046	ときをしるへと－やなきちるかけ
047	こゑこゑに－すをさるつはめ－うちみたれ
048	とるさかつきや－てらすいへいへ
049	みれはみな－うたのむしろの－たはふれに
050	かさねてこかす－そてのかすかす
051	みとせをも－へたておきての－にひまくら
052	ひとのわさなる－かねそものうき
053	をしむとも－はなやおもはす－ちりぬらむ
054	ひかりはよもに－のとかなるころ
055	はるふかき－かはへのこほり－うちとけて
056	ふねさしのほる－きりわたるみゆ
057	はこふてふ－おしねほのほの－かりくらし
058	つきをともなる－かへるさのみち
059	みをしれは－みをつくしぬる－みやつかへ
060	したははさのみ－きみにからめや
061	とにかくに－はからひかたき－こひなれや
062	うつしこころの－すゑいかならむ
063	いまさらに－ととかぬちきり－なれそめて
064	ふたたひものを－おもふかなしさ
065	さためなき－よにはいてしの－かくれかに
066	このまもりくる－みかつきのかけ
067	ちりまよふ－ひとはのつゆに－そてぬれて
068	またしくれぬる－みねのあきかせ
069	うつせみの－こゑにのをわけ－やまをわけ
070	かへりみやこの－あふみちのすゑ
071	いくたひと－なみにたたよふ－ふねのうへ
072	なるれはうきも－いさやかはをさ
073	たちいてて－みつののさとや－おもふらむ
074	おもかけゆかし－ゆふかほのやと
075	うつりかは－そてのものとも－にほひきて
076	おつるなみたを－なににうつさむ
077	つつみかね－あまるこころの－いやましに
078	くるれはいとと－かすむやまもと
079	こゑたゆる－とりやねぬらむ－かへるらむ
080	としこゆるまて－なかぬくたかけ
081	あさちふの－すまひはゆきに－うつもれて
082	さとのしるへや－けふりひとすち
083	もしほくむ－うらにひをふる－あさゆふに
084	いつくるしみの－たえむあまひと
085	あみたふと－となふるたまの－ををよわみ
086	かはすことはや－かせとなりにき
087	ゆめにたに－すかたのしはし－さりやらて
088	みのむしとのみ－われやなかまし
089	かやのはの－したるるのきの－つゆふかみ
090	こすにもあらき－あきかせのおと
091	あけすくる－つきやうらわに－のこるらし
092	こきゆくふねの－あとかすかなり
093	あつきひに－あしまあしまの－みつかれて
094	ともすほたるの－かけのさひしさ
095	ふるてらの－かたちはかりは－みるもうし
096	はるのしるしや－あをみぬるには
097	はなさけと－まちにしころや－いそくらむ
098	けさきてなくや－うくひすのこゑ
099	ふゆなから－ひかけうららに－うつろひて
100	つきのひかりの－さむきやまもと

天正四年万句　第二千句　第八：何鳥［かせにしるき］

句番号	句
001	かせにしるき－とほやまふきの－いろかかな
002	なかれもかすむ－のきのたまみつ
003	はるさめの－ふりにしにはの－あとみえて
004	かけしろたへに－つきそうつれる
005	あきのよも－ほとなくそらや－ふけぬらむ
006	こゑほそくなる－しものまつむし
007	かれのこる－すすきかもとの－やすらひに
008	やまのはかけも－ひはかすかなり
009	かせにゆく－ふねはちさとも－とほからて
010	いはまいはまに－なみそたたよふ
011	あまのこや－いとけなきより－かつくらむ
012	あまりちひさき－そてのすかかさ
013	なのたつを－かくしかねたる－あめかした
014	うかれはてにし－こひはくるしも
015	なかめやる－つきはさなから－かすかにて
016	ひかりことなる－あきのゆふつつ
017	くもきりや－にしふくかせの－はらふらむ
018	くさはむらむら－つゆそこほるる
019	たちよりて－あらくなをりそ－はるのはな
020	なかぬほとまつ－うくひすのこゑ
021	なつちかき－みやまのさとの－ほとときす
022	けふはつゆきの－みえしゆふされ
023	なにとなく－けしきやふゆに－うつるらむ
024	そのおもかけの－くももなつかし
025	こひしさを－ふきおこせけり－よはのかせ
026	ねさめねさめに－そふものおもひ
027	つゆはらふ－くさのまくらに－つきおちて
028	むしのなくねも－みにしめるころ
029	あきはなと－こころもちちに－かへりなむ
030	わけゆくかたの－やとりとふくれ
031	ゆきのひも－ねくらもとむる－むらからす
032	あまたにみゆる－さきのひとつれ
033	たちならふ－をのへのこまつ－みねのまつ
034	なみもはけしき－まさこちのすゑ
035	いそにより－たかしのはまの－わたしふね
036	ゆくかとすれは－かへるさとひと
037	かりはこふ－たのもにちかき－□□のまへ
038	そてにかけさす－つきもおほえす
039	しのふれは－いとふはかりの－つゆなみた
040	とはれぬときそ－むかしこひしき
041	すてしみも－きみかこのよに－またいてて
042	いくたひたまを－ささけてやみむ
043	ねこたにも－なれてののちは－なほしたし
044	こてふのやとる－はなのしたふし
045	あけぬれは－かすみもきゆる－くものうへ
046	ものさわかしき－はるのやまかせ
047	かすかなる－かけひのみつの－おとたえて
048	つちもやさけむ－をたのなつのひ
049	いつかさて－わかころもては－かはるまし
050	あへはわかれを－うちなけきつつ
051	みたれこに－よはひのすゑは－かかるらむ
052	あはれむひとの－□□□おとろへ
053	いちなかに－やせたるうまを－ひきいれて
054	のるもあやふし－このまるきふね
055	をりてこそ－いはねのみつを－くむへけれ
056	わらひにかよふ－みちのくるしさ
057	さかりなる－はなのまとゐを－よそ□みて
058	かへるやいつこ－あまつかりかね
059	かすかなる－ほのみかつきや－いてぬらむ
060	ひかけいろそふ－つゆのひとむら
061	うすきりの－まかきにかせの－ふきそめて
062	いまよりいかに－すゑさむからむ
063	ふりぬれは－かならすやるる－あさころも
064	あめにぬれぬれ－わくるささはら
065	たひはかく－うきふししけき－ものならむ
066	いつわかかたに－かへりゆかまし
067	なかそらに－たたよふくもの－きえやらて
068	たこのうらわに－うかふつりふね
069	ふちなみを－こころなくやは－たをりなむ
070	まつにかかれる－つきおほろなり
071	つけわたる－かねはかすみに－うつもれて
072	はつせのてらの－はるそはるなる
073	さしむかふ－みわのやまかけ－ものさひし
074	ゆふひのうへに－はとのなくこゑ
075	おいよわる－ひとをうやまふ－ここちして
076	またさかつきを－ささぬこのころ
077	ことのねを－かきやはするや－まちぬらむ
078	さよふけかたに－たたくまきのと
079	あさはかの－ほとこそしのふ－おもひなれ
080	つゆのいのちも－すてむものかは
081	いとはしな－とらふすのへも－つきのくれ
082	たけのはやしに－わたるあきかせ
083	すみそめの－ころもをえたに－かけすてて
084	むねのつりきや－をれむともせむ
085	ねぬるまに－ふかきしもよを－わすられつ
086	やまさとはたた－まつかせをのみ
087	ともとせむ－ともとならなむ－わかこころ
088	いろにはみえし－ことのはのみち
089	おもひをも－いはすはなきに－なりてまし
090	せめてひとをも－おとろかさはや
091	つれなくも－つきにまくらや－ふけぬらむ
092	すつるくさにも－つゆはありけり
093	のわきせし－あとののはらに－□□□□□
094	きのふにかはる－ゆふくれのそら
095	ふちもせに－なかれもてゆく－あすかかは
096	ゐせきにかかる－このはむらむら
097	さくはなも－をられぬみつに－かけみえて
098	かすみにのこる－はるのとほやま
099	ありあけの－つきのひかりの－さえかへり
100	はるけきさとの－なかきひのかけ

天正四年万句　第二千句　第九：三字中略［かせたえて］

句番号	句
001	かせたえて－はるのよしるし－あさかすみ
002	いつるひかけの－おそきやまのは
003	ゆきたかき－をのへはこその－けしきにて
004	まつのはすさむ－おとそこほれる
005	ゆくふねに－みきはのちとり－うちはふき
006	いさよふつきの－のこるしののめ
007	しろたへの－きぬたにゆめや－さめぬらむ
008	まきのやすくる－つゆよしくれよ
009	みわたせは－ちくさむらむら－いろつきて
010	あらしのすゑの－かねのいりあひ
011	いちひとや－おもひおもひに－かへるらむ
012	かいまみてもや－したふうかれめ
013	しのひつつ－わかるるやとり－あけはてて
014	うきなにもれむ－ことそかなしき
015	たたかひに－みををしむこそ－はかなけれ
016	つひにはたれも－よもきふのかけ
017	うきよには－かくあれとてや－うまるらむ
018	めてさらめやは－つきゆきのそら
019	さむさをも－わするるきぬの－やへかさね
020	たきにほはせて－けふるそてくち
021	つれなきも－はなにはこころ－なひききて
022	やなきにむすふ－つゆのたまつさ
023	はるさめは－ぬれてのちこそ－しられけれ
024	なつかはかりに－かせそすすしき
025	はるかなる－みねこえくらし－やすらひて
026	あしもとにみる－をちのさとさと
027	てるつきの－ひかりをふむは－あやなしや
028	いとめつらしき－けさのつゆしも
029	はつかりの－こゑにいまはた－さそはれて
030	たのものしきも－たちさわきけり
031	さひしさや－おいのすまひの－ものならむ
032	むかしかたりそ－すさみとはなる
033	かきおきし－ふみのまきまき－こまかにて
034	のりのみちにし－いるひとやたれ
035	ゆくこまの－あとたとらるる－ゆきのやま
036	たききとるへき－しつかあはれさ
037	はなをなと－たをりすてては－かへるらむ
038	のこるさくらは－かせもおとせす
039	うつつとも－ゆめともはるに－なれなれて
040	あまりあたなる－ちきりならすや
041	とことはに－かはらぬなかも－あるものを
042	いけみつはれて－やとすつきかけ
043	ふけわたる－かせややさむき－ろうのうへ
044	あきのしらへの－たかきよつのを
045	なくつるの－からこゑくるる－まつかえに
046	ひはをちかたの－からすとふかけ
047	たきつせと－なるこそそては－うらみなれ
048	おとにききても－あふことはなみ
049	およひかたき－ひとにこころを－あくかれて
050	かすならぬみを－かへるこそみね
051	たちましる－ゆふへゆふへの－まりのには
052	あらしもたゆむ－こすのとのうち
053	はなのかの－みちとはなにの－なりぬらむ
054	ゆきにうつもれ－かすむうめかえ
055	はるなから－またさえかへる－やまのおく
056	かかるところに－なつはきたらし
057	ささかにの－いとほしけみに－はへすてて
058	かやかのきはを－はらふあきかせ
059	さやかなる－つきにうきをや－わするらむ
060	たれもしをるる－そてのしたつゆ
061	ひとりのみ－ありとやみをも－わひてまし
062	このはののちの－しかのはままつ
063	ゆふひかけ－あしやのなたに－ふねみえて
064	むらくもとほく－すくるむらさめ
065	ひとこゑの－ほかにはきかぬ－ほとときす
066	うのはなやまを－かきねとやせむ
067	あけやすき－つきにさそはれ－やといてて
068	わかるともなき－かへるさのみち
069	こひはたた－みをいたつらに－つくせとや
070	しのひしのひの－しひのおつるま
071	くらゐやま－ふもとをめくる－あはれしれ
072	くものまよひよ－きりのへたてよ
073	さとつつく－けふりもわかぬ－あきのそら
074	いりえいりえに－のほるはつしほ
075	しもさゆる－つつみのまくさ－つきおちて
076	ともねのをしの－あけかたのこゑ
077	わけくらし－まくらしめゆふ－やまのかけ
078	ひとやりならぬ－みちのくやしさ
079	たひはたた－ものうきものと－しられめや
080	よにありてさへ－つらきたまのを
081	ことをのみ－なけくはかりの－わかおもひ
082	たまたまとふも－うらみかほなり
083	かせならて－いつみしはなの－やまならむ
084	けふあらましの－かすみたつそら
085	はるののに－ひはりのこゑの－おとつれて
086	ひかけほのかに－くれわたるころ
087	やみをまつ－いさりのふねや－いてぬらむ
088	ふかきつみをも－しらぬあまのこ
089	まなひこそ－のちはまよひの－はしめなれ
090	かろきこころや－かみもうけけむ
091	たちならふ－まつひともとに－せみのこゑ
092	ころもてさひし－つきかけのいろ
093	とふひとも－あらしのかせの－みにしみて
094	いつあふさかと－うちわふるあき
095	おもひきや－さとのこなたに－ひをおくり
096	こころをつくし－やすらふるみち
097	つもりぬる－ちりやなかれに－うかふらむ
098	あめうちしきる－ゆふたちのあと
099	おもかけは－きのふにかはり－くもみえて
100	よのまよのまに－のふるくれたけ

天正四年万句　第三千句　第一：何人［をらてみよ］

句番号	句
001	をらてみよ－つゆにいろそふ－うめのはな
002	ふかきにほひの－うつるさわらひ
003	ききすなく－ちさとのかせの－ふきおちて
004	つきすむなみに－ふねかかるおと
005	うすきりや－ゆふひのうへを－わたるらむ
006	くももみとりの－あきのなかそら
007	かけあさき－たけひとむらを－しるへにて
008	かへるやとりに－みちいそくなり
009	まくさおふ－うまのあしなみ－たとたとし
010	すゑののはらの－うちしけるころ
011	ゆくみつの－こころとともに－こかくれて
012	いつかはきみに－あふさかのやま
013	しのふみは－よそのみるめや－せきならむ
014	いろにはたさし－なみたくむそて
015	はるかなる－たひのかとてを－いはふひに
016	いむてふつきの－かけはかなしな
017	おいにけり－なにかはあきの－ともならむ
018	ききてもみみに－とほきむしのね
019	やまさとは－ものさわかしく－かせあれて
020	つもるこのはに－みちそたえぬる
021	みしはなの－かけをわすれす－たちよりて
022	したふこてふの－あはれをそしる
023	ふるみやの－まかきかたふき－かすむひに
024	あるしかほなる－たけのひとむら
025	うちそよき－おとするかせの－ひまをなみ
026	まれにもひとは－とはぬたにのと
027	くみすつる－みつにいはまの－つきすみて
028	たことにつゆの－ふかくなるいろ
029	いまはとて－しかたになかす－くるるよに
030	なにをたよりに－とひはよるへき
031	ゆふかほの－はなにくるまを－ひきいれて
032	けはひしられぬ－たそかれのそら
033	あめかせに－なるかとくもや－まよふらむ
034	たかきくらゐは－かみにこそきけ
035	すへらきの－むかしをのこす－まつりこと
036	みちはすゑまて－たたしかれとや
037	くちはなほ－おこしまほしき－はしはしら
038	こほりにつもる－ゆきのやまかは
039	かすかなる－おとこそみつの－しるへなれ
040	まつにあらしの－よわくなるころ
041	またきより－はなをまつにも－さかさらむ
042	よをうくひすの－あけほののこゑ
043	はるかにも－かすめるみちを－わけてきて
044	またもころもを－かるかやのせき
045	われなから－こころつくしの－つきのくれ
046	たれをうらみの－つゆよなみたよ
047	うつりゆく－あきのわかれは－ならひにて
048	ものすさましく－ほたるとふかけ
049	しほみては－あしのはみたれ－こすなみに
050	をふねたたよふ－あまのあくかれ
051	ともしひや－あけはてぬまに－きえぬらむ
052	まなひのこせる－こころくるしも
053	まことをや－とふもこたえぬ－のりのみち
054	ひとのいのちの－すゑいかならむ
055	いまこむと－いひつつけふは－たちわかれ
056	いつはりおほき－かねはうらめし
057	つくつくと－むなしきよはを－うちわひて
058	つきはみるみる－なとくもるらむ
059	やまのはに－しくれをいそく－あきのかせ
060	こはきむらむら－ちりそむるころ
061	おのつから－すめるかきねは－あらはにて
062	うちなくしとと－こゑさむけなり
063	のこるひも－くもにかくれて－いるそらに
064	まほろしのよの－なけきはかなや
065	たききとて－もりをはいかて－きりぬらむ
066	ふねめつらしき－このはやせかは
067	さみたれの－ころはのさはも－みつまして
068	すくなくみゆる－やまきはのさと
069	みやこをも－わかすみかとや－かへるらむ
070	つきはいつくも－おなしよのつき
071	あきといへは－むらむらつゆの－おきそめて
072	かせこころせよ－つゆそまよへる
073	うらとほく－しまねやはなの－さきぬらむ
074	となりもかなと－にほふさくらと
075	なさけある－ひとこそはるも－はるならめ
076	かすみにまきれ－とははとへかし
077	うきはたた－おきふしわかぬ－ものおもひ
078	ゆめにみゆるも－ひるのおもかけ
079	ここにてや－きくもあまよの－ものかたり
080	あかつきつきの－やまほとときす
081	うちかをる－かせはいくたひ－すきつらむ
082	えならぬかけに－あやめふくのき
083	かりそめに－むすふいほりも－ちきりにて
084	たちしみとせの－ほとそくやしき
085	あととほく－なりてやおやも－わすれまし
086	のなかのみちや－つゆのかよひち
087	あさなあさな－たつあさきりに－あきふけて
088	かつちるよりも－ききのもみちは
089	さはりなく－みるこそつきの－ひかりなれ
090	をむなとなりて－なとうまるらむ
091	おそろしや－おにはこのよに－まれなるに
092	あはてもさわく－むねのくるしさ
093	ひとめのみ－つつむこそなほ－おもひなれ
094	はなみかてらに－ゆきてとははや
095	いちなりし－さとをかすみや－かこふらむ
096	たちさわきつつ－とりそさへつる
097	そことしも－しらをのたかの－かけりきて
098	ひかけむらむら－ふふくやまもと
099	あられちる－みねのをささの－かれかれに
100	なかめにあかぬ－まつのこたかさ

天正四年万句　第三千句　第四：白何［くもにこゑ］

句番号	句
001	くもにこゑ－かへるやとほき－あまつかり
002	かせもかすめる－あけほののやま
003	つきのこる－ねのひのまつの－としをへて
004	いはほのこけの－つゆそそくには
005	むらさめや－あきのしくれと－なりぬらむ
006	ややさむけにも－くるるひくらし
007	たけのはの－さやくひまより－そらみえて
008	かけもみとりに－なかれゆくみつ
009	つなきおく－ふねのつなてや－よわからむ
010	ふきたつかせに－さわくうらひと
011	やまかつは－きるもまとほの－ころもにて
012	にくさそまさる－よはのかのこゑ
013	まとろまは－ゆめにもせめて－みえやせむ
014	まつにかひなく－つきそふけぬる
015	けふははや－あきももなかの－かのえさる
016	ふるきこよみは－とるもすさまし
017	しつかなる－ひにこそしはも－はこひけれ
018	ちひさきふねに－つらきあめかせ
019	とほしまの－はなにとゆけは－くれはてて
020	くもこそはるの－うたのさまなれ
021	もろひとの－こころやちちに－かすむらむ
022	うちそひなから－へたてぬるなか
023	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
024	□□□□□□□－□□□□□□□
025	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
026	□□□□□□□－□□□□□□□
027	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
028	□□□□□□□－□□□□□□□
029	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
030	□□□□□□□－□□□□□□□
031	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
032	□□□□□□□－□□□□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	□□□□□□□－□□□□□□□
041	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
042	□□□□□□□－□□□□□□□
043	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
044	□□□□□□□－□□□□□□□
045	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
046	□□□□□□□－□□□□□□□
047	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
048	□□□□□□□－□□□□□□□
049	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
050	□□□□□□□－□□□□□□□
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－□□□□□□□
073	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
074	□□□□□□□－□□□□□□□
075	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
076	□□□□□□□－□□□□□□□
077	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
078	□□□□□□□－□□□□□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第三千句　第五：初何［そてくちか］

句番号	句
001	そてくちか－あをはをはなの－したかさね
002	さくらさくのの－つゆのわかくさ
003	あめそそく－くもまのゆふひ－はるさえて
004	おとたえたえの－やまのゐのみつ
005	あさなあさな－さはへにつつく－かよひふね
006	かりのこしおく－しはのひとむら
007	つきもはや－おもかけちかき－たそかれに
008	しのひしのひの－まつむしのこゑ
009	たちまよふ－くもにはあきの－かせみえて
010	ふもとのさとの－きりそはれゆく
011	ふしのねや－のほりもあへぬ－やまならむ
012	みやこにかへる－ことのはもいさ
013	とりのねも－わひしきたひの－すさひにて
014	めさましなるる－よはのさひしさ
015	おもひねの－かねやまくらを－さそふらむ
016	うちそふほとも－なつのつきかけ
017	ひとたひと－こころつくして－としもへぬ
018	いつひもとかむ－にはのうめかか
019	あをやきの－いとはみたるる－はるかせに
020	はねうちかはす－うくひすのこゑ
021	そことなく－かすむのもせの－むらすすめ
022	くれむとやする－たけのしたみち
023	むらさめの－あめをかりねの－たひまくら
024	なみたならては－ゆかぬひもなし
025	わかれにし－そのおもかけを－すかたにて
026	けさゆかしくも－なひくよこくも
027	ほとときす－ゆくへあとなき－やまのはに
028	こすゑにのこる－ゆきやうのはな
029	さしのほる－つきかとみれは－あけはてて
030	あしやのさとに－ちかきはつしほ
031	わかかたの－けふりみにしむ－ふねのうち
032	またたれくさの－はらとなるらむ
033	すみうつす－かけもあまたの－とのつくり
034	このころとめる－よとそなりぬる
035	ときあらふ－あさのころもを－すておきて
036	あつさにたへぬ－やまかつのいほ
037	そなたより－ふくやいのちの－かせならむ
038	ひやくふのほかも－にほふたきもの
039	みれははや－いろにいてけり－はるのはな
040	くさかくれなり－すみれむらむら
041	ひろきのは－かすみわたるを－ゆきまにて
042	ひをほのめかし－けふるかはみつ
043	きしかけを－くたすをふねの－かすかすに
044	やまやあらしと－かへるさとひと
045	すみあらす－いへやあらため－かこふらむ
046	あめよりのちの－ささかにのいと
047	ゆふつゆの－くさはにすかる－つきのかけ
048	かりたのあとに－のこるをすすき
049	こころなきも－あきはこころの－ありつへし
050	たもとをしをる－かせのをりをり
051	おとつれも－いまやうらみと－なりぬらむ
052	なかなかとけぬ－こひはかなしも
053	いやしきを－かへりみるこそ－かしこけれ
054	いくくにくにを－わけてしるへき
055	としとしの－あかたはめすに－もれもせて
056	めつらかなれや－うたふあをやき
057	うつりゆく－かすみのころも－はなころも
058	いまはあふきを－おくやまのかけ
059	したへとも－そこはかとなく－つきいりて
060	つゆわけすてし－むさしののはら
061	あきかせは－いかなるまつに－かよふらむ
062	うきことのみに－よわきたまのを
063	つつめとも－そてにたまらぬ－なみたにて
064	あまりなけくは－ひともあやめす
065	わかれてや－とほくなりにし－おやのあと
066	こころのままに－すみかゆるやと
067	まなふまも－となりあしきは－あはれにて
068	よもきにましる－あさのひとむら
069	すくなるや－わきてそのなも－しらるらむ
070	うつすみなはの－おもひくるしき
071	とにかくに－なれるはひとの－なさけにて
072	すきをしるへと－たつねゆくころ
073	ふるてらの－みちやいまはた－たえぬらむ
074	ところもわかぬ－つきゆきのくれ
075	ふくかせに－うかれいててや－なくからす
076	みやまのさとの－すみうきをしれ
077	たちならふ－けふりもくもの－たけならて
078	そらほととほき－はままつのかけ
079	からさきや－こきはなれゆく－ふねのうへ
080	ひとりひとりに－なるはかなしも
081	こむよにも－かはらしとこそ－ちきりつれ
082	あらそひくるし－をくるまのみち
083	くれなゐも－なにやあふひの－はなのかけ
084	すゑつみつくす－そののなつくさ
085	しろたへの－つきこそつゆの－ひかりなれ
086	ととろくくもに－きりそかさなる
087	すさましき－やまのかひより－たきつなみ
088	またふるさとを－みよしののおく
089	たくひやは－かへすをとめの－まひのそて
090	およひなきにも－たちそうかるる
091	みぬほとは－かかるおもひも－しらぬみに
092	はかなのゆめや－うたたねのそら
093	きのふさへ－かへりもやらぬ－むかしにて
094	なかるるみつの－あはれよのなか
095	ちりうきし－はなやかけひに－よとむらむ
096	かへすたのもの－かすかなるかけ
097	のとかにも－のこるいりひの－うつろひて
098	くれぬるやまに－ききすなくなり
099	としもはや－はるちかしとや－いそくらむ
100	こよみもいまは－ひとりすくなし

天正四年万句　第三千句　第六：竹何［まつほとや］

句番号	句
001	まつほとや－とほやまもとの－おそさくら
002	かすみにうかふ－おきつふなかけ
003	かりかねの－かへるくもまの－なみはれて
004	かせのうへなる－ゆきのあさあけ
005	ゆくそてや－つきのかけのみ－さむからむ
006	かきねあらはに－ふゆかるるころ
007	のにたてる－みたれをささは－みとりにて
008	ひとむらさめの－すくるをちかた
009	つゆのまの－やとりにきなけ－ほとときす
010	ふねさしとむる－いそやまのかけ
011	みわたしの－くものいろいろ－うちあれて
012	しつかならさる－かせのをりをり
013	いくたひか－すみかへはやの－しはのいほ
014	もとのこころに－なれるおいかみ
015	あはれとも－つきこそしらめ－ものおもひ
016	まくらもとらす－あかすなかきよ
017	ふくるまて－きみかあたりの－つゆわけて
018	つかふるみちや－ゆるふまもなき
019	ふるさとの－はなやちるらむ－いかかせむ
020	まつふきそよく－はるかせのおと
021	たかさこの－うららなるひも－はやくれて
022	をのへにひひく－いりあひのかね
023	かりひとや－つねならぬかたに－まよふらむ
024	なさけのそてに－とりそおちくる
025	おもはすの－たまつさなれや－かりのこゑ
026	つきのほのめく－をきのうはかせ
027	のきちかき－みきりにあきや－しらるらむ
028	おともすすしく－みつひひくやま
029	はるはると－くたすそまきの－そらはれて
030	かさのはならふ－いちのやすらひ
031	ゆふされは－ねくらにさわく－むらからす
032	ふけゆくままに－しもやさゆらむ
033	□□□□□－またあけかたの－ころもはこ
034	みしろきあへす－せはきあしのや
035	たまくらも－しはしかほとの－たそかれに
036	かはしもはてぬ－ことくさのすゑ
037	しほはやき－なみのともふね－こきちかへ
038	あかしのせとは－はるかにそなる
039	あさきりに－とやまのかけも－へたたりて
040	またあきふかき－つきのよなよな
041	むしのねも－みにしむほとや－なきぬらむ
042	くさはくさはの－つゆしけきころ
043	はなおちて－かよひたえたる－こかくれに
044	あらしのみとふ－わかやとのはる
045	なかきひを－なかくかすみの－たちこめて
046	ゆくかたとほき－たひのかりふし
047	いてかての－みやこやあとに－したふらむ
048	なみたはそての－あめとこそなれ
049	うくつらく－つれなきひとを－こひそめて
050	うつつこころの－すゑいかならむ
051	そらことも－まことになれと－いのるよに
052	つきまつころの－みねのいなつま
053	きりくらき－ふもとのさとの－みえかくれ
054	たえたえかよふ－そてのあきかせ
055	なつもはや－すゑののくさの－かけたかみ
056	ねのひのこまつ－たつねてそゆく
057	こそふりし－ゆきはわすれぬ－けしきにて
058	かすみよりこそ－はるもしらるれ
059	いつれとも－くもにややまは－わかさらむ
060	すくなみかみの－すみしいにしへ
061	いまははや－われこそつくる－おもひなれ
062	うきにたえなは－なとすてもせぬ
063	みるさへも－あやしきなみの－うつせふね
064	おろすおもにや－いはかねのみち
065	ころもても－しはしあせほす－はかりにて
066	またたひたちし－なつのひのかけ
067	わかはにも－ましりてはなや－のこるらむ
068	ゆめとくれぬる－てふのはかなさ
069	さらてたに－さひしきのきの－はるのあめ
070	ちへのかすみは－よるよりもうし
071	なかつきの－ひかりといふや－これならむ
072	かけややさむき－みつのひとすち
073	くみあくる－あきのゐけたの－をけくちて
074	ふかきこころの－みたれむはいさ
075	しのふれは－さのみもいひは－わけかたみ
076	たけのなかなる－ほそきかよひち
077	ふしのねを－なとかはそれと－しらさらむ
078	ひとにいやしく－なるるあきひと
079	まなひぬる－うたのさまこそ－かたからめ
080	いはほのうへの－はなのひともと
081	なてしこや－またしたもえの－かけならむ
082	いときなきとち－あそふはるのの
083	うくひすの－きのふけふかに－すをいてて
084	またさりやらぬ－たにのとのやま
085	しはしたく－けふりにこそしれ－よすてひと
086	なはあらはれて－なみたとやなる
087	たまさかに－とふもこよひの－つきのもと
088	かねてかなしき－あきのわかれち
089	おくしもに－うつろふきくの－さきそめて
090	たちよるかけも－おほさはのみつ
091	のやまには－ねぬくもとりか－とはかりに
092	おりぬふきぬや－あけくれのそら
093	のとかなる－ひかけにいとの－うちはへて
094	かせにみたるる－はるのあをやき
095	かすみにも－まつやみさをの－いろならむ
096	むかふかかみに－かはるおもかけ
097	やまのはも－うこくはかりの－しかのうみ
098	かみなるころは－たれもおそろし
099	あつさなる－ゆみやなくひを－さきたてて
100	ちさとのほかも－なひかぬはなし

天正四年万句　第三千句　第七：何風［ふちなみに］

句番号	句
001	ふちなみに－みこもるまつの－しなひかな
002	かすみなからに－さくらさくやま
003	おほろなる－つきもたかねに－かけみえて
004	いはまのこほり－なかれこそゆけ
005	□をとほみ－あまのうけつな－たえたえに
006	かせやをふねを－さそひきぬらむ
007	ふるさとに－かへらむことも－おもほえす
008	たひにこころを－つくすあけくれ
009	そことなく－さかしきやまを－けふこえて
010	かけほのかにも－ひこそいてぬれ
011	ありあけも－ほのほののこる－なかそらに
012	つゆのちきりを－したふきぬきぬ
013	あひみても－ふかきなみたを－みにしみて
014	おもひのすゑを－さていかにせむ
015	つれなきに－なれもつれなく－とははやな
016	たれものかれぬ－おいのゆくすゑ
017	あすまては－なからへかたき－うきよにて
018	いそかはいそけ－かくれかのやま
019	うまにくら－くらまのおくの－はなさかり
020	やへのかすみは－かくかたもなし
021	はるのひや－いりあひのかねに－しらるらむ
022	つれつれのみの－さみたれのころ
023	ねさめして－きくはむかしの－ほとときす
024	くさのいほりも－つきはとひけり
025	さらぬたに－いとすさましき－やまさとに
026	なみたのつゆは－ともとしもなし
027	ひとはなと－このゆふくれに－とはさらむ
028	なからへはこそ－うらみしもせめ
029	そむかしよ－そむくもおなし－ゆめのよに
030	まとにきえぬる－ともしひのかけ
031	さよふかく－すたれふきまく－かせのおと
032	あられうちちる－にはのささはら
033	くもうすき－やまのはとほく－ひはさして
034	かたそはさひし－はとのなくこゑ
035	たれをかも－すまはこころの－しつけきに
036	よしかなしさも－あるにまかせよ
037	をりをりは－ふかきなさけも－かはらしな
038	いひなしゆゑの－とたえとをしれ
039	ませもなき－はなこそはやく－ちりぬらめ
040	かすみこめても－ふるあとはなに
041	やまたかみ－おもかけみする－はるのゆき
042	のこるもうすし－あたらよのつき
043	ひくらしの－はつかのさとに－なれそめて
044	あきはゐなのの－なさへはかなや
045	もみちはの－なかれつくせる－みなとかは
046	かかるみきはの－ふねそくちたる
047	すてらるる－みはうきしつむ－なみたにて
048	は□□しもなる－おもひかなし□
049	やるふみも－しるしはかりの－ふてのあと
050	わかれてとほき－たひのおとつれ
051	いくへとも－かさなるやまの－みねこえて
052	さとちかくなる－さをしかのこゑ
053	かけうつる－つきもまかきの－こはきはら
054	くさはのつゆの－それもあやなし
055	よそにぬるる－そてをわかみの－うへにみて
056	ものおもふころや－とにかくにうき
057	まつよりも－わかれこそなほ－くるしけれ
058	はなちるさとの－うくひすのこゑ
059	はるやたた－たけひとむらに－のこるらむ
060	かすむあらしも－とほやまのかけ
061	みやこより－くもをよかはの－てらにみて
062	うきよのほかの－みちしるへせよ
063	かしこきは－ひとにこころも－まさりきや
064	つかへしほとを－さまさまにして
065	たちかへる－たかはののへも－くれにけり
066	おのかありかを－したふとりのね
067	よるなみの－なきさはなれぬ－すまひにて
068	このはまひさし－ひさしくそなる
069	さすらへの－みにはあはれの－あさゆふに
070	なほめつらしき－うつしゑのあと
071	なきかけの－かたみをいまの－すさみにて
072	わすれはやらし－ふしのはつゆき
073	もろこしの－やまもふゆこそ－ふゆならめ
074	とらはものかは－あらきこからし
075	けをふきて－もとむるとかは－はかなしや
076	あひおもふには－なにかうきふし
077	うらみたた－そなたはかりに－たへかねて
078	まちふかすよの－つきのむらくも
079	つゆなから－わけいるやまの－さととほみ
080	まねくをはなの－かせのさむけさ
081	うつりゆく－そらよりあきの－いろみえて
082	ころものほかの－すみそめのくれ
083	けふりこそ－うきみのそての－たくひなれ
084	つみともしらし－あまのいさりひ
085	さとらぬも－さとるににたる－けしきにて
086	こころにくくや－つくりなすらむ
087	みちせはく－いもかかとたを－せくみつに
088	なみたのふちと－なにやたたまし
089	いととたに－かなしきそてを－いかかせむ
090	とめるかうへに－とめるもそある
091	のるこまの－あたりはききの－はなさきて
092	つきはひとりと－かすむありあけ
093	こちとふく－かせもあらしの－やまこえに
094	しはしやすらふ－なみのうらふね
095	うきくさも－しほにむかへは－かたよりて
096	はをほすとりの－まさこちのすゑ
097	いつるひも－くもにかくれて－くるるよに
098	これやこころの－みなつきのかけ
099	やまふかみ－しけるかうちを－やとりにて
100	たききゆたかに－おくるしはのと

天正四年万句　第三千句　第八：何心［やまかけや］

句番号	句
001	やまかけや－をるさわらひの－はるのそて
002	ゆふへのかすみ－うちはゆるいろ
003	かつとくる－こほりやよはに－かへるらむ
004	かせのまにまに－たつのなくこゑ
005	やすらへは－そこともしらぬ－たひのみち
006	みるみるつもる－ゆきのをちかた
007	つきうすき－あしたのひかり－かけそひて
008	すゑはみたるる－くさのはなかき
009	あさかほは－しをれはててや－なひくらむ
010	しつくはかりに－そそくうききり
011	ゆくふねに－ひとむらさめの－とまやかた
012	とりあへぬまて－かせのすすしさ
013	たまさかの－たよりうれしき－たまつさに
014	おもひのほとを－いひもつくしつ
015	つれなくは－わかみのはての－いかならむ
016	まつもおいきの－かたふけるかけ
017	さくはなも－つゆおもけなる－すかたにて
018	つひにくれゆく－はるのさひしさ
019	なかきひも－なかきころこそ－なかからめ
020	あまりみしかき－みしかよのつき
021	なつかりの－あしのしのひの－ほとときす
022	おとつれかほに－とふもうらめし
023	もろこしや－みぬおもかけに－あくかれて
024	こころもひとに－さわくくもかせ
025	いてやらぬ－たひのなかそら－うちしくれ
026	ひかすへてこそ－とほきみやこち
027	あふさかの－せきときくより－こえわひて
028	とりのねおそき－あらたまのとし
029	うめかかも－またうつもるる－ゆきのうち
030	つきしろたへの－はるのゆふくれ
031	よせかへる－まさこのなみの－いろみえて
032	かひをひろひし－そてのかすかす
033	とことはに－しつかことわさ－あはれなり
034	おとろへはまた－おもふのちのよ
035	ねさめして－こよひはききし－かねのこゑ
036	みをしあすとは－たれかしるへき
037	うきなのみ－よしやもるると－とへかしな
038	あはすはなにを－おもひてにせむ
039	ちりつくす－おくにひときの－はなをみて
040	ときありてとや－さくおそさくら
041	はるはたた－なほもなこりを－をしみこし
042	わかれてのちも－たのむみほとけ
043	しなしなを－うつしおくゑに－なくさめて
044	こころもすめる－あきのつきかけ
045	いとたけを－あはするさよの－ひややかに
046	たきにほはせて－そてはつゆけし
047	なひきこぬ－ひとゆゑかかる－おもひにて
048	いこまのやまの－くものあけくれ
049	つひにはと－いはのはさまを－しめおきぬ
050	しもうちはらふ－みつとりのこゑ
051	さむきよの－つらさやたれも－うれふらむ
052	こはなきいてて－せはきさころも
053	おとろかぬ－ほとこそやみの－まよひなれ
054	まなひにうとき－ことのつたなさ
055	ひとりさへ－ものいふはかり－みをわひて
056	きけはつふめく－やまかはのみつ
057	はるきぬと－ゐてのかはつの－なくこゑに
058	はやもえそむる－やまふきのいろ
059	かすみゆく－ひかけにつゆや－うつるらむ
060	あめとなりぬる－つきのたそかれ
061	いりあひの－かねことのみを－みにしめて
062	つくつくおもふ－あきもなになり
063	さをしかの－こゑ□あやなく－な□□□□
064	ふゆたのはら□－さひしさも□□
065	みさをなる－□□□□かせの－かれやら□
066	すまひもつ□き－やまさとのいほ
067	ありふるも－ひとなみならぬ－ここのへに
068	うたにはとほき－うたのさむしろ
069	まくらかる－なにはわたりの－あさほらけ
070	みれはいりえに－あさるひなつる
071	くもゐより－こゑうちかはし－かりなきて
072	きぬたのうへに－つきそさやけき
073	ふくかせや－つゆもたまらす－すきぬらむ
074	かこひかこはぬ－あはらやのうち
075	いやしきも－たかきもはなの－かけしめて
076	はるはとなりも－とほくこそなれ
077	いくえとも－かすみへたつる－やまのおく
078	とははやとりの－ゆきかへるこゑ
079	わかかたを－おもひやるには－ちかかりき
080	ゆめこそひなの－ともとなりけれ
081	なきあとの－おもかけはかり－うちそひて
082	わすれもやらす－おもふきぬきぬ
083	なみたなと－そてのものとは－なりぬらむ
084	たたおほかたの－あきさへもうし
085	いろふかき－のかせやまかせ－おとたてて
086	まつのはいつる－つきのむらくも
087	あけやすき－よひもふけゆく－なかそらに
088	かとたにたたく－くひなかなしも
089	いはにおつる－みつもや□□く－なかるらむ
090	□□すこころを－□□かしらまし
091	□□□たに－み□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□ぬらむ
095	□□□めの－そてには□□□－やとらしな
096	よのうきままに－のかれゆくあき
097	このうちの－むしをゆるせは－なきいてて
098	もとのすみかと－しるやののはら
099	かへりては－はなをあるしの－ふるさとに
100	はるのひころも－あかぬましはり

天正四年万句　第三千句　第九：何色［ちるはなも］

句番号	句
001	ちるはなも－あらしになひく－ゆきけかな
002	みわたすかたも－みやまへのはる
003	けふはなほ－そらのけしきも－のとかにて
004	いさなひいつる－あまのつりふね
005	きしかけや－みちくるしほに－ふかむらむ
006	すゑはみちかく－なれるむらあし
007	ふゆされは－のもせのいろも－それならて
008	あまりさやけき－つきのよひよひ
009	とふかりの－かすもみたれて－みえぬらむ
010	たちつつきたる－あきかせのくも
011	ゆふくれに－なれはこころも－すすろにて
012	みにしせめくる－こひはなにそも
013	さりともと－たのむつかひは－いたつらに
014	すくなくなれる－きぬのうつりか
015	はちすはの－ひひにかれゆく－いろもをし
016	つきかけさむく－すめるいけみつ
017	かせやたた－あまのとまても－こほるらむ
018	ふもとにしすむ－みねのうきくも
019	いつくにか－かりのやとりを－さためまし
020	さとめつらしき－むさしののはら
021	たちよるも－あたのえにしの－しのふくさ
022	わきてつゆけき－そてのかへるさ
023	あきもたた－うきひとゆゑや－つらからむ
024	つきもくもれと－かよひゆくみち
025	やまかつの－をたのさなへに－あめまちて
026	ゆふへはるかに－ねふるしらさき
027	よこたはる－くちきとみえし－すてをふね
028	□たりまれなる－□□つかのさと
029	なかれきて－やをいるよりも－はやきせに
030	ひかりのかけを－をしまぬはうし
031	ひとよをも－へたてぬるこそ－くるしけれ
032	そなたゆかしく－ふくるふえのね
033	しかもはや－こはきしをるる－のにいてて
034	いるかけいそく－ありあけのつき
035	ふくかせに－たかねはなるる－あきのくも
036	みやこのそらの－またやしくれむ
037	たひひとの－なみたをおさへ－かへりきて
038	こころとまらぬ－そてのはかなさ
039	ありとても－なけのなさけは－たのまれす
040	やふしかくれの－はなのひともと
041	うくひすの－ちきりもふかき－うめかえに
042	ゆきまほのほの－かすむあけほの
043	よもすから－をりたくしはの－うすけふり
044	かりねのやまは－つきもさひしな
045	そよそよと－すかのねしのく－あきのかせ
046	つゆをすゑはに－みたすかやはら
047	くさのとは－あるかなきかに－のきふりて
048	ときときひとの－うちそしはふく
049	いととさへ－こころおかるる－しのひちに
050	あははうらみを－うらみむはいさ
051	おほつかな－よそにやおもひ－うつるらむ
052	たはなすたかの－かけるなかそら
053	くさもきも－みわかぬはかり－ふるゆきに
054	くるるをのへの－かねのさやけさ
055	かせをさそふ－くもはあらしを－やとりにて
056	かたむくつきの－かけさたかなる
057	あけわたる－なみも□にしむ－あはちかた
058	□□□□たみは－□□□□□□ろ
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□ても－□□□□□かせ
071	□□□□に－なきかはし□□－ゆふちとり
072	ひとりひとりの－たひそかなしき
073	ともやさき－われやさきにと－ゆくみちに
074	すすみてあとと－なれるやまかけ
075	とりへのや－はきたるくつを－ぬきおきて
076	なたたるひとそ－いまもとふとき
077	みしはなは－いかなるよより－さきつらむ
078	わすれもやらぬ－はるのおもかけ
079	いにしへの－てらをかすみの－たてこめて
080	ころもをほすに－にたるやまくも
081	そてはふる－さほのかはらの－あさわたり
082	またおとよわき－あきのはつかせ
083	ちるあとも－みえぬひとはの－やなきかけ
084	つきもふつかの－そらはつきかは
085	いてしより－いかにかくるる－よならまし
086	のちのほとけを－たのみこそすれ
087	このくには－あかめしかみの－あとたれて
088	すくなるみちの－をしへとそしる
089	やまきはを－めくれはとほき－わたしふね
090	しくれのくもや－かせにうきたつ
091	まことある－こころはひとに－みせまほし
092	さてもつれなき－こひのはかなさ
093	おほかたに－おもふとはかり－おもはれて
094	したふもしらす－はなやちるらむ
095	はるのよの－かねのひひきの－つけわたり
096	やまのはいつく－おほろなるつき
097	うなはらや－なとしもとほく－ふなてして
098	ここによりそふ－あらいそのなみ
099	ひろははや－みるみかさなる－あさなあさな
100	まさこにたかき－まつかせのおと

天正四年万句　第三千句　第十：何帋［いろそふや］

句番号	句
001	いろそふや－いはほのつつし－かけもなし
002	つゆよりしるる－にはのはるさめ
003	やりみつに－ゆくゆくつきは－おほろにて
004	をふねとともに－わたるかりかね
005	あきかせや－ねこしやまこし－しをるらむ
006	たけひとむらに－かかるうすきり
007	かすかなる－すまひにみゆる－ゆふけふり
008	たちよるたひの－やとりからはや
009	いててこし－みやこちかきを－なこりにて
010	すすしさまさる－なつのよのそら
011	あめそそく－ころこそもゆる－ほたるなれ
012	なみたによわく－なれるたまのを
013	まつことの－しらへにふかく－あくかれて
014	まかふかたなき－しのひちのすゑ
015	あさちふの－つゆわけこほす－くれことに
016	いくめくりとか－いつるみかつき
017	あきのくる－にしをこころに－しめおきて
018	あらしのやまは－あらしこそふけ
019	しくれつる－おとはのくもや－しくるらむ
020	かすむみきはに－にほふうめかか
021	うきしつみ－なかるるはなに－ふねとめて
022	すきゆくはるを－をしまぬはいさ
023	いりあひの－かねもかきりと－つけわたり
024	またおもはるる－むねそくるしき
025	たのまぬも－くせとなりてや－またるらむ
026	なつよりのちの－やまほとときす
027	しらゆきの－ちるはうつきの－はなににて
028	おとろかれけり－ききのふゆかれ
029	ふるさとの－きぬたのおとは－たとたとし
030	きりにまよへる－みよしののおく
031	やみとなる－こころはつきも－なにならて
032	あさくおもふな－おやとこのなか
033	まほろしの－ちきりこそよの－ちきりなれ
034	そのかねことそ－もらしそめぬる
035	たたはなの－ひとりのなには－あらしかし
036	つらくとせめて－ふみなかへしそ
037	ここにしも－こころをとめよ－はるのかり
038	おなしすみかも－かすむよなよな
039	あけわたる－まかきにはなの－かつさきて
040	ほのめくつきの－かけそまたるる
041	あきといへと－ふけゆくころは－さひしきに
042	いそきてやみむ－のへのいろいろ
043	あさかほも－あしたのつゆの－ひとさかり
044	ひとのつれなき－こころかなしも
045	ことのはや－まさこもかすに－ならさらむ
046	おろかによめる－うたはうたかは
047	いつをみむ－あまのはしたて－よさのうみ
048	はるはあけほの－あきはゆふくれ
049	すてしみも－みをははなれぬ－うきよにて
050	ひろふもはかな－ふゆのおちしひ
051	ふりまかふ－ゆきふみわくる－やまのおく
052	かしこきひとの－かしこからすや
053	いにしへの－ふみをあらため－かきそへて
054	とたえしなかを－うらみこそやれ
055	あふことは－となりもとほき－こひのみち
056	なみたのあめそ－たきつせとなる
057	わたりかは－わたりかねてや－かへりこむ
058	をれたるさをや－ふねにみしかき
059	ましはこそ－ことたらぬみの－なけきなれ
060	としのこえても－さむきかたはら
061	このめさへ－またみえやらぬ－はなのかけ
062	はるのしるへの－とりのさへつり
063	たにのとに－のこるうくひす－なつかけて
064	つきもやきりに－むせふよのそら
065	おくつゆも－ゆふへにまさる－をりなれや
066	すたれふきこす－あきかせのおと
067	たきしむる－そてのかゆかし－まへわたり
068	おもひやりても－なひかむはいさ
069	くものうへに－もるるなさけの－すゑもかな
070	みちはふもとの－やまとことのは
071	よしあしの－こころのたねを－うゑてまし
072	ひとこそのちは－ほとけともなれ
073	うまれくる－みをしをあたに－おもふなよ
074	はるのこくさの－はなのさくかけ
075	かれしその－みつもぬるめる－ふるさはに
076	けふりにましる－かすみむらむら
077	ふけてこそ－つきはすむへき－かけならめ
078	またひののこる－あきのやまのは
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第四千句　第一：□□［□□□□□］

句番号	句
001	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
002	□□□□□□□－□□□□□□□
003	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
004	□□□□□□□－□□□□□□□
005	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
006	□□□□□□□－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－□□□□□□□
011	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
012	□□□□□□□－□□□□□□□
013	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
014	□□□□□□□－□□□□□□□
015	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
016	□□□□□□□－□□□□□□□
017	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
018	□□□□□□□－□□□□□□□
019	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
020	□□□□□□□－□□□□□□□
021	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
022	そのふにち□□－とりとりのこゑ
023	あさとあけて－そらのけしきや－みえぬらむ
024	きりまにとほき－うちのやまもと
025	ほのかにも－むかふかたのの－あきたちて
026	くさはにうつる－つきそさやけき
027	いまさらに－しのふたよりも－なみたおち
028	たのむかひなき－なかたちはうし
029	こひしぬと－たれかあはれと－ゆふけふり
030	たけうちなひく－やまかせのおと
031	みよしのや－はなもさくらも－ちりはてて
032	はるありかほの－くものひとむら
033	のとかにも－いてむとすらむ－あまをふね
034	□□□□□□□－とまふきのうち
035	すみかたき－よはみのむしの－たくひにて
036	みのあきかせを－さていかにせむ
037	かたみはと－いひしはゆめか－とはかりに
038	つゆもなみたも－たえぬよなよな
039	ふるさとを－おもひやるさへ－はるかにて
040	くちきにのこる－にはのまつかえ
041	きりつくす－あとあはれなる－そまのかけ
042	ゆきかひしけき－しものほそみち
043	やまとりの－をのへのあらし－かつさらて
044	くもよりをちの－いりあひのこゑ
045	きくからに－のりのをしへの－ふかからむ
046	ふねにたちそふ－なみのはけしさ
047	しをれあしの－すゑはみちこす－おきつしほ
048	ひきそかねたる－ささかにのいと
049	つゆそそく－あめものきはは－おとあらみ
050	ひとりやふかす－つきのやまさと
051	とふひとも－かへるみやこの－あきのくれ
052	なにはのおもひ－いかかつくさむ
053	うめかかを－ときはきにみむ－えたもかな
054	まつはみとりの－たちならふかけ
055	しるしらす－かすみにしつむ－とりのこゑ
056	くもよりうへに－かけるはしたか
057	そこはかと－こころもゆきの－のをひろみ
058	きえはきえねと－ものおもふやと
059	あひみすは－かかるなけきは－あらしかし
060	つきまつころの－かせのうききり
061	たれおきて－かりねのつゆを－はらふらむ
062	おくれてくやし－あきのやまこえ
063	ならのはの－かけにしはしの－ゆふすすみ
064	うすきころもそ－みにはおほゆる
065	さすらへは－なれてこそなほ－あはれなれ
066	うらのなかめの－あけくれのそら
067	あらなみや－あらいそかけて－くたくらむ
068	ちとりのこゑそ－むらむらになる
069	いまよりは－はなとのみこそ－かこちけめ
070	しのふのきはの－さくらさくかけ
071	よそのはるを－みきりのうちに－うつしおきて
072	みるにたへなる－かすのまきまき
073	ふくるよの－つきにしてうつ－からころも
074	たかためならし－あさちふのあき
075	つゆはいま－おのかすみかと－あれはてて
076	ひとかけもなき－むしのこゑこゑ
077	ひののこる－のちのかたへや－くれぬらむ
078	まつひともとに－かかるうきくも
079	からさきや－すきゆくかせの－あとみえて
080	あさつまふねや－とほくなりぬる
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第四千句　第二：何鳥［さみたれに］

句番号	句
001	さみたれに－かけひのみつは－おともなし
002	のきはをちかみ－なくほとときす
003	やまさとの－かきほのうつき－さきそめて
004	つきもうつろふ－たにのしたみち
005	わけてゆく－かたへにふかき－つゆのいろ
006	えらはむむしの－こゑほそきくれ
007	はきはらや－おのかすかたに－かせたちて
008	おほつかなくも－きりわたるそら
009	さすふねの－ゆくへはるけき－なみのうへ
010	さはへのみつの－つつくうみつら
011	しのにふる－あめのけしきや－まさるらむ
012	やまよりをちに－くもそかさなる
013	ちるはなの－おもかけのこす－かせみえて
014	みとりたちそふ－いきのまつはら
015	ねしとりや－きえやらぬゆきを－はらふらむ
016	ゆふへをかへす－つきのさやけさ
017	なさけあらは－なかきよすから－とひもせよ
018	いととおもひは－あきそくるしき
019	なけきつつ－またしいまはの－そてもうし
020	いてにしたひや－かきりとはなる
021	もろこしは－さらにはてなき－ふなちにて
022	くもをややまの－しるへとはせむ
023	かくれかは－けふるしはしも－なになれや
024	こころからよを－いとふはかなさ
025	ほとけさへ－かたちはかりの－うつしゑに
026	なへてくさきや－そのままのいろ
027	くれかかる－きりまのかりや－あともなし
028	みなたちかへる－すみよしのいち
029	つきかけは－きしうつなみに－あらはれて
030	まつかせちかし－まさこちのつゆ
031	たましきの－にははくもゐの－ことのねに
032	かいまみしこそ－ゆかしさそそふ
033	しのふるも－みたれのみゆく－こころにて
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	もののふは－おいてもこころ－ゆるさしな
040	よむうたにこそ－なをものこさめ
041	ゆきかひは－しけきひときの－はなのかけ
042	そらにうかるる－はるのとりとり
043	かすみにや－わかすむかたも－わするらむ
044	たくひもみえぬ－あしのやのうち
045	あまのかる－もくつもやまと－かさなりて
046	さすらへひとや－たのむにひしま
047	をりをりの－あらしのつては－まつもうし
048	ふゆまてうすき－なつのさころも
049	つきはなと－さむきよになほ－すみぬらむ
050	まくらのしもは－はらはれはせす
051	かたふける－よはひのすゑの－あはれしれ
052	かへのねふりの－つらつゑはいさ
053	もとのぬしを－わすれぬねこの－こゑはして
054	すたれのひまに－みゆるおもかけ
055	あたりまて－きぬのかしるき－こしくるま
056	みやこなりけり－ひとのやさしさ
057	いやしきは－はなをもはなと－うゑもせて
058	あたらさくらを－たききにそきる
059	みはいつの－のそみのはるに－のこるらむ
060	ゆふへのかすみ－あけほののやま
061	まちをしむ－つきよひとよは－こころあれ
062	□□たけのはの－あきかせのおと
063	つゆしくれ－いくたひそらに－まよふらむ
064	そてのものとそ－なれるかなしさ
065	おもひにも－あまるなけきを－こりつみて
066	ふゆのゆくへを－たのむやまかつ
067	くれてこそ－こころもゆらく－としならめ
068	あさたつたひに－まちしにはとり
069	あふさかの－せきのこなたの－なかやとり
070	おとはのたきの－おとそきこゆる
071	かけうつる－なかれもつきの－しつかにて
072	ちるともみえす－なひくあをやき
073	おくつゆに－かせたえたえの－あきのくれ
074	いつくかふゆの－けはひなるらむ
075	いたたきの－ゆきはなかめの－ほかにして
076	うきもつらきも－わかみのみかは
077	あふよにも－わすられぬこそ－わかれなれ
078	ねさめしきはは－ゆめもおほえす
079	よをこめて－いてにしみちや－さわくらむ
080	まつのひもきえ－あめそふりくる
081	かのこまつ－やまをむなしく－たちかへり
082	しけりしやふは－わけもいられす
083	はなもたた－よそめはかりは－あやなしや
084	かすみにつつく－くものひとむら
085	はるはなを－たきつなかれの－おとそひて
086	あられうちちる－□みのしはふね
087	□□わたる－しもよのをしの－ひとりねに
088	かけしろたへの－つきはありあけ
089	かねのこゑも－おとろくはかり－みにしみて
090	きのふかこちし－あきのくれぬる
091	すみすつる－ふるさといかに－あれぬらむ
092	つもるひかすの－ほともおほえす
093	うゑおきし－まつにあらしの－かせききて
094	なくさむるこそ－たたともとなれ
095	うきことは－かかみをみても－わすれはや
096	さけにしたたむ－こゑはなにそも
097	おろかなる－みは□のとかも－わきかたみ
098	□いゆめのまも－うきぬしつみぬ
099	かりにしも－とはれぬるこそ－うれしけれ
100	いているかとの－そてのかすかす

天正四年万句　第四千句　第三：何衣［うのはなの］

句番号	句
001	うのはなの－ゆきはけたれぬ－あさひかな
002	しけるかきねに－あめはるるかけ
003	たちさわく－とりやそともに－やとるらむ
004	おくるあらしの－かせそさえける
005	くもはみな－なかれつくして－すむつきに
006	つゆしつかなる－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－□□□□□□□
011	□□□□□－□□□まさこも－か□□□て
012	きえぬかうへの－ゆきのはるかせ
013	たちまよふ－くもやたかねを－かこふらむ
014	かすかにききし－やまほとときす
015	つきはまくら－ゆめはたもとに－うちさめて
016	たたつゆのまの－よはのかたらひ
017	かりにすむ－よやあさかほの－かけならむ
018	きえむもつらし－なからへむもうし
019	たくひもや－すさみとなりし－たひのやと
020	うらつたひする－あまのつりふね
021	やまかすむ－みきはのまつの－あさほらけ
022	ももさくたにの－みつのゆくすゑ
023	のにかひし－あつさのこまを－ひきとめて
024	すすしきつきに－むかふゆふくれ
025	むらさめや－つゆかはかりに－すきぬらむ
026	こすふくかせの－みにしめるころ
027	あきもはや－きのふけふかに－そらふけて
028	くさむらむらに－かるるかたはら
029	ゆくみつも－ひたすらいまや－こほるらむ
030	さわきしおとは－なみのあかつき
031	おもはすの－ひころへにけり－みなとふね
032	わかふるさとに－まつひとやなき
033	ゆめまても－むなしくさよは－あけはてて
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□ひかりを－かたしきて
040	つゆもたまらぬ－かせのあはらや
041	なかそらに－やかてすきゆく－はつしくれ
042	ふもとにこもる－まつのむらたち
043	ゆふからす－ひとりひとりに－うちなきて
044	やとりやとりに－かへるいちひと
045	うりのこす－ましはをすこし－くゆらかし
046	こころにしむる－ほとはみえけり
047	つつめとも－つつみかねたる－わかおもひ
048	おほかたならぬ－ことわりをしれ
049	きみにこそ－つかへへきよを－すてはてて
050	ひなのなかちに－くらすはかなさ
051	さくもたた－むはらのおくの－うめのはな
052	とふてふとりに－みをやまかせむ
053	くものうへも－たつらむはるの－いろいろに
054	ことのはさそな－たましきのそて
055	たなはたの－あふよはるかに－まちまちて
056	あまりあたなる－つゆのつきかけ
057	うらかれに－のこれるはなの－くさまくら
058	いもこひしらに－くらすののすゑ
059	いにしへの－なさけもいまに－わすられて
060	たたぬなかれの－つつくいへいへ
061	せきいるる－にはの□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□かさねぬる－ここのへに
068	すゑはあつまの－くものしたみち
069	つきもひも－うみよりいつる－そとのはま
070	そらのさかひも－なみのはけしさ
071	みるめのみ－つらきはおいの－すかたにて
072	あはれふゆのの－しものしらきく
073	こからしの－かせにはもれぬ－やまかけに
074	ところところに－かこふかりいほ
075	ねやのとや－もりししつくに－せはからむ
076	かかるちきりに－たへてはかなや
077	はなもはや－ちりはつるまて－とひもこて
078	けふうくひすの－なくもうらめし
079	ゆくはるを－いかてかせきは－とめさらむ
080	なこりもなみに－かすむかはかせ
081	ふねつなく－いはまのつらら－とけそめて
082	こけのすみかに－つきそなれける
083	かけふりし－をのへのまつの－あきのこゑ
084	とりもいろにや－なきてすきけむ
085	ちにおちし－なみたはそての－さはりにて
086	ふかきおもひや－なかなかにうき
087	たれもみな－おやのわかれは－あるものを
088	すめるもいとと－うちのふるみや
089	あさことの－おこなひすきて－みるはなに
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□かりの－おとつれて
096	かせのつてにも－ふみやみるらむ
097	うつつにや－こえにしうつの－やまかつら
098	そのいろとなき－つたのふゆかれ
099	ははそちる－こすゑにきほふ－たまあられ
100	みかきたててや－つくるやとやと

天正四年万句　第四千句　第四：何垣［かけすすし］

句番号	句
001	かけすすし－□□□□のへの－いは□□□
002	つゆもみたるる－はなのなてしこ
003	かせかをる－ゆふへのやまに－あめすきて
004	かへすかとたの－あとしつかなり
005	つきやたた－わか□□□□□－□□□□□
006	□□□□□□□－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－□□□□□□□
011	こけあをく－なかるるみつに－とひよりて
012	ふねなきうらも－つりそたれぬる
013	このよより－こころややみに－なりもせむ
014	のちのとをかの－つきはつきかは
015	はつあきの－ころよりかせも－すさ□□□
016	ややさむく□□－ことはか□□□
017	ほしあへぬ－□□□ころもの－すそたえて
018	よそめくるしき－こひのおとろへ
019	なかなかに－しのはすはみ□－いとはまし
020	はなみかてらの－かくれかのやま
021	みよしのや－ふかきかすみに－うつもれて
022	かねのひひきの－のとかなるくれ
023	はるちかき－しるへはやかて－しられけり
024	ふゆのころより－なかきひのかけ
025	わひひとの－ともしくすめる－さととほみ
026	のほりもあへぬ－けふりひとすち
027	くもたにも－のわきのかせに－たちきえて
028	くさのしたはの－つゆのあはれさ
029	すむつきに－むしのやとりや－あらはれむ
030	なくなくかへる－けさのかよひち
031	あふことは－いまをかきりと－いひいひて
032	いくたひちきる－なかとなるらむ
033	はなみれは－こころのきえぬ－くれもなし
034	あたしかすみや－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	いつはりも－なさけなりけ□－あきのそら
040	したしくなれし－ひとならはこそ
041	たちよるも－こころおかるる－たひのやと
042	かめにさしぬる－はなのひめゆり
043	そことなく－とほきのやまの－なかめして
044	かすみなからに－くるるおはしま
045	はるさめは－おとにもたてす－うちそそき
046	えたもうこかぬ－あをやきのつゆ
047	ゆくみつや－ところところは－よとむらむ
048	ふちもせとなる－このあすかかは
049	ひとのみの－さためなきこそ－しられけれ
050	ませのうちなる－はなのあさかほ
051	あきやたた－といひかくいひ－くらすらむ
052	つきまちかほも－なほさりのほと
053	なのたちて－のちにはなにか－つつむへき
054	そのままみえし－ふみのかすかす
055	なくなるも－こひゆゑならし－ひとのあと
056	みをすてはやの－このやまのかけ
057	ふゆされは－しひのかれはを－たききにて
058	さむきしもをは－いかにふせかむ
059	すゑとほく－つかれてきぬる－かりまくら
060	ひろきのなかの－まつのひともと
061	からさきや－はなをははなに－めてもせて
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	ときのうつる－ほとをまつこそ－かなしけれ
068	かねよりのちの－きぬきぬのそら
069	にはとりや－ひとのうきをも－しらさらむ
070	うちねむとすれは－みしかよのとこ
071	くれかかる－つきにしはしは－たちいてて
072	いつくにかまた－かへるうききり
073	あきかせや－すきゆくなみに－みえぬらむ
074	ささぬをふねの－きしによるかけ
075	さとりても－いたれるひとは－まれにして
076	つみとしるしる－あかぬみかりは
077	さかつきに－くみやそへまし－やまさくら
078	はるにひかれて－くらすこのもと
079	うしやたた－かす□□のへに－はなつ□□
080	たをすき□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第四千句　第五：□何［□□□□□］

句番号	句
001	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
002	□□□□□□□－□□□□□□□
003	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
004	□□□□□□□－□□□□□□□
005	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
006	□□□□□□□－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－□□□□□□□
011	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
012	□□□□□□□－□□□□□□□
013	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
014	□□□□□□□－□□□□□□□
015	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
016	□□□□□□□－□□□□□□□
017	ほたる□□－ゆふへのくもに－かり□□て
018	おもひをつくる－ころとこそなれ
019	いとけなき－ほとはこひちも－あさはかに
020	うちたれかみの－おもかけはいつ
021	あをやきに－さかせてもかな－はるのはな
022	かすむこのまに－にほふうめかか
023	かせわたる－みねのつつきは－さえかへり
024	きへぬかうへに－つもるしらゆき
025	さやかなる－つきはみきりに－かけおちて
026	いはかねつたふ－あきのやりみつ
027	かりのこす－□□□いなくき－みえか□□
028	むすふも□□□－□□□□□□□
029	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
030	□□□□□□□－□□□□□□□
031	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
032	□□□□□□□－□□□□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	□□□□□□□－□□□□□□□
041	□□□□□－ひまのなみたに－□□□□□
042	うちとけて□□－いつかかたら□
043	したひもの－せきてふやたた－ひとこころ
044	やすら□□□□－あつまちの□□
045	この□□の－□□□あまたの－としをへ□
046	はるのなさけを－くみはつくさし
047	なかれても－ふかきかすみの－みなとかは
048	みえみみえすみ－くたるしはふね
049	やまのはの－ゆきはよのまの－あさほらけ
050	ゆめとちくさの－かるるひのかけ
051	たかすみて－かくふるさとと－なりぬらむ
052	うさきのかよふ－みちかすかなり
053	ならのはの－そよ□おとより－くれ□□□
054	こかけの□□□－いつちい□□□
055	みしかよ□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	ふかき□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－あき□□□□□
073	ひくら□□－すすし□□□□－□□□□□
074	たちまたる□□－ゆふへなる□□
075	おもふ□□－□□□□たひに－す□□□□
076	いくうらうらを－ちきるともふね
077	もろこしは－ひとのこころの－はなにして
078	もとうたよりや－はるはきぬらむ
079	やまやまに－かかるかすみの－うすころも
080	あまつをとめそ－みるはかり□□
081	ことはを□－□□□□にしや－□□□□□
082	たつな□□□□－はとは□□□□
083	なみたに□－□□□□しのふ－□□□□□
084	こけに□□□□－も□□□□□□
085	む□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－こす□□□□□
099	あけはつる－□□□□ふねも－□□□□□
100	かけ□□□□□－しま□□□□□

天正四年万句　第四千句　第六：何文［しのひねに］

句番号	句
001	しのひねに－こゑををしむか－ほとときす
002	わかはになひく－くものをちかた
003	ひととほり－ふりゆくあめの－はれそめて
004	あらしのそこに－さゆるつきかけ
005	よるなみの－みきはしつけき－ゆふまくれ
006	かすみにうかふ－ふねはるかなり
007	やまのはの－ゆきもなこりの－かりなきて
008	こそのけしきの－うつるほとなさ
009	はるとしも－わかぬはかりの－まつのとに
010	かれしそのふの－こけのしたもえ
011	あさひかけ－さしそふしつく－ほのめきて
012	おきわかれゆく－みちのかたかた
013	とりかねや－おつるなみたの－きはならむ
014	こころなきにも－うらみなにそは
015	をたまきの－くるとあくとに－つきをみて
016	このさねかつら－いろになるころ
017	あふさかの－やまにもあきや－ふけぬらむ
018	こまをむかへて－かへるみやこち
019	おもはすも－しはしやすらふ－ゆきのうち
020	あるしのなさけ－わすられぬやと
021	をしますや－はなさくかとを－ひらくらむ
022	そとものさくら－さかりなるかけ
023	こころある－ひとははるこそ－しられけれ
024	あはれこにかふ－とりのさへつり
025	ひろきよも－やすからさりし－うきすまひ
026	かせなきやまも－なみのしらくも
027	あかつきの－つきのこるえに－ふねさして
028	つゆをふかむる－あしのみたれは
029	まつむしの－こゑもしをるる－みちのへに
030	われならすしも－こひやうからむ
031	あめつちに－みつはかりなる－なみたにて
032	なにをたよりの－うらみともなし
033	なかなかに－わすれむとする－みのむかし
034	くちきのかたえ－にほふたちはな
035	こすのとに－たちすすみつつ－はしゐして
036	にはのなかれの－おとそあけゆく
037	うすきりの－うへにやつきの－すみぬらむ
038	つゆのひかりの－きゆるささはら
039	ところところ－さゆりさくのは－うらかれて
040	ゆふへゆふへに－かよふあきかせ
041	おもひなき－ひともこころや－さわくらむ
042	しのふやつまの－いぬのこゑこゑ
043	□□□□□－あとはかきねに－みえそめて
044	ゆきのあさけの－みちかすかなり
045	たえたえに－こほりをくくる－みつのおと
046	いくたひすきし－はるのやまかせ
047	おいかみや－つれなくはなに－のこるらむ
048	かすみにかかる－あたしののすゑ
049	あらましき－あみはききすも－おとろかて
050	のかれきつつも－うきくさのいほ
051	ことしけき－よをいとひしも－なにならす
052	さとりはむねの－うちにこそあれ
053	にしをのみ－たのむはとほき－ほとけにて
054	ゆきはよのまの－あけほののやま
055	かけしろき－ねやのそらめの－つきは入ぬ
056	むすはぬゆめの－まくらすさまし
057	あきくさに－おもひのたまの－うちみたれ
058	なみたもつゆも－ちるやなきかけ
059	ほととほく－たひたつみちを－おくりきて
060	けふるのへより－かへるをくるま
061	かしこきか－たみをあはれむ－まつりこと
062	あめまつころの－そらそうるほふ
063	ここかしこ－そこのかはつの－こゑさひて
064	おもひおもひに－かへすちまちた
065	とくおそく－はるのけしきや－かはるらむ
066	かすみなからの－もりのしたつゆ
067	とふとりの－はやまのゆふひ－かけみえて
068	たかすゑかへる－かりひとのそて
069	はかなくも－たのむこひちの－すゑいかに
070	しのふつかひは－またいとけなし
071	ことのはも－ひひなあそひに－わすれきて
072	はらひもあへぬ－とこのさむしろ
073	ありあけの－つきにうちちる－はなもみち
074	みねにきえゆく－さをしかのこゑ
075	あさつゆの－まかきやとほく－へたつらむ
076	かすかにみゆる－おきのふなかけ
077	ともしひの－ひかりをみちの－わさにして
078	まなひのまとに－むかふあけくれ
079	こころから－うきよのゆめや－さめぬらむ
080	けふのみときく－いりあひのかね
081	まつひとの－いもひのひかす－まちわひて
082	ものおもふゆゑ－かみもうらめし
083	ひとふてを－おくるもよそに－もれやせむ
084	うちおきかたき－なさけこそあれ
085	みたれこの－てをゆるさるる－ましはりに
086	いしまのはなの－かけのさわらひ
087	わかみつも－おりてこそくめ－みねのいほ
088	のるうまはやく－かすむかけはし
089	たひころも－きそちのつきの－よをまちて
090	ゆみはりもてる－そてのつゆけさ
091	かりすてし－をたのかたはら－くれわたり
092	すすきにのこる－かせはさひしも
093	そのなさへ－みるはかりなる－かたみにて
094	ゆめのちきりも－よすかならすや
095	とはれては－うさもつらさも－おもほえす
096	もとのなみたの－しはのとのやま
097	あさはかに－おもひかへすな－すみのそて
098	はるなれはこそ－さくさくらなれ
099	ふきよわれ－かすみのうちの－ゆふあらし
100	おほろけとても－つきやなほみむ

天正四年万句　第四千句　第十：何路［みそきする］

句番号	句
001	みそきする－かはなみきよし－あきのこゑ
002	ほたるとひきえ－みつくるるかけ
003	つきはたた－あけやすきよを－ひかりにて
004	つゆのたまちる－のへのほそみち
005	かせわたる－くさむらむらの－うらかれに
006	□□□□□□□－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－□□□□□□□
011	ひととほり－しくれてあとや－はれぬらむ
012	うらみなからも－あひおもふなか
013	つれなきに－なとつれなくて－すくさまし
014	まつにはなかぬ－やまほとときす
015	くさのとは－とはれてよをや－すさむらむ
016	またことのはに－かへるいにしへ
017	としとしの－なにおふあきの－そらのつき
018	かせにはなひけ－くもきりのかけ
019	つゆのまも－わすれやられぬ－わかおもひ
020	きえむかきりを－それとたにしれ
021	みたれしの－いのちをはなに－まかせおきて
022	こすゑをわたる－てふのたはふれ
023	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
024	□□□□□□□－□□□□□□□
025	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
026	□□□□□□□－□□□□□□□
027	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
028	□□□□□□□－□□□□□□□
029	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
030	□□□□□□□－□□□□□□□
031	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
032	□□□□□□□－□□□□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	□□□□□□□－□□□□□□□
041	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
042	□□□□□□□－□□□□□□□
043	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
044	□□□□□□□－□□□□□□□
045	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
046	□□□□□□□－□□□□□□□
047	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
048	□□□□□□□－□□□□□□□
049	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
050	□□□□□□□－□□□□□□□
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－□□□□□□□
073	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
074	□□□□□□□－□□□□□□□
075	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
076	□□□□□□□－□□□□□□□
077	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
078	□□□□□□□－□□□□□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第五千句　第一：唐何［ききにみし］

句番号	句
001	ききにみし－はなはみやまの－わかはかな
002	ほとときすなく－みねのよこくも
003	あめとなる－そらのつきかけ－はれそめて
004	はやあきかせの－なひくくれたけ
005	たひころも－みにしむそてや－かさぬらむ
006	ゆふへのかねの－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－□□□□□□□
011	たますたれ－まきのとほそに－たたすみて
012	ものおもふとや－よそにみえなむ
013	あまそそき－そそきすてたる－わかそてに
014	それかはかりに－けふるたきもの
015	とりつめし－しはやすくなく－なりぬらむ
016	ふねはたたかく－うかふかはふね
017	みちのへの－つつみのおもに－みつこえて
018	やまきはまても－のほるあらしほ
019	まさこちや－にはかにせはく－なりぬらむ
020	つくりつつけし－□まやあしのや
021	□□のこす－たつらにつきの－かけみえて
022	ひとむらすすき－うらかるるいろ
023	ゆふつゆは－あしたのしもに－おきかはり
024	きのふのここそ－はやおやとなれ
025	わかたけや－ちひろのかけと－なりぬらむ
026	いらかもみえぬ－くさのかりいほ
027	のきはまて－ふりうすみたる－ゆきのひに
028	わすれすひとの－とふそうれしき
029	うとくとも－えやはうらみむ－かこたまし
030	さくりありてそ－とたえおくなか
031	いむことは－をむなのうへに－ありぬへし
032	たかののてらは－きくにたふとき
033	なくこゑの－かみかみしきは－からすにて
034	あまりにすめる－つきのよすから
035	くさことの－いろにやつゆも－そみぬらむ
036	やまかせさむみ－はらふうすきり
037	のるこまや－たにのわたりに－くたるらむ
038	ふむおとたかき－いはのかけはし
039	このころや－おこなひしけき－そみかくた
040	たかめもさむる－あけのかひかね
041	ひとりねに－よそのわかれを－かなしみて
042	ふたつなからや－そてはぬれまし
043	あひおもふ－ことやなかなか－つらからむ
044	つゆにいろそふ－はなそしをるる
045	はるさめの－ふるののさくら－かせたえて
046	くももしつかに－かすむとほやま
047	よのうきも－かくれてこそは－わすれけれ
048	こころのやみは－つきもよしなし
049	ともしひを－たのむはあきの－よふねにて
050	よりくるなみの－つゆそみにしむ
051	いつくにも－えやはたたへむ－きよみかた
052	みなれぬくもに－むかふふしのね
053	いくたひも－そてをぬらすは－けふりにて
054	きえやらてみの－なとのこるらむ
055	あるほとは－かさねもてくる－うきなけき
056	つくしのわたを－またももとめて
057	あつまちに－たひたつこそは－かなしけれ
058	とりかなくより－いつるなかやと
059	ありあけの－かけをすすしく－ともなひて
060	いろにみたるる－つゆのあさかほ
061	あきかせの－よそほひみゆる－うきくもに
062	それかはかりの－はつこゑはいさ
063	ものこしに－あふはあふてふ－かひもなし
064	はかなのゆめや－うつつなのみや
065	いかにせは－うつのやまへを－またこえむ
066	あとはかへての－しけきほそみち
067	あをはにも－ちりにしはなを－なくさめて
068	かきねのてふの－かけあはれなり
069	はるなから－またしもさむき－あさなあさな
070	あかなくむかふ－うつみひのもと
071	あたらしく－けふおりたちし－ころもかへ
072	□たひてらへ－かへるみとりこ
073	おいてまた－みのりのこゑを－たのむみに
074	はらひなすてそ－まつかせのあめ
075	をかのへの－さとはさひしき－すまひにて
076	つきにたになき－よはのひとかけ
077	あきならぬ－ときこそとかて－ありつらめ
078	はきかさかりを－おもひわするな
079	あさはかの－つゆのちきりの－いかならむ
080	さてもこのよに－かかるたまのを
081	はなれその－なみのなかなる－ひとついほ
082	ともなふものや－ちとりみつとり
083	のもやまも－わけすきけりな－ゆめまくら
084	かたしくそてに－かせそおちくる
085	はるあきの－いつれあやなき－つきひにて
086	まなひのみちに－おこたるはうし
087	はなにしも－さのみこころを－つくすなよ
088	かへりのこれる－とりならはこそ
089	ふるすもや－かりのやとりの－つはくらめ
090	はにふのこやも－すめはすみけり
091	みやこさへ－をりにふれては－かなしきに
092	そてのかふかき－みちのゆきすり
093	みおくらは－かへりみるやと－うちしたひ
094	ひとのてをてに－とりかはしつつ
095	みつひろみ－わたりかねたる－はやせかは
096	ゐせきにかかる－なみもひまなし
097	かけくらき－こけのしたみち－たとりきて
098	ひはらのすゑの－ひはかすかなり
099	つきはなと－くものはたてに－かくるらむ
100	とほしまくにも－なひくこのあき

天正四年万句　第五千句　第二：何物［ほとときす］

句番号	句
001	ほとときす－なかぬもけさの－はつねかな
002	つきはこのまの－なつやまのかけ
003	あめそそく－みねのよこくも－ひきすてて
004	かせたえたえに－わたるかけはし
005	ゆくふねや－なきさをとほみ－かよふらむ
006	はこふましはも－みえぬうなはら
007	むらあしの－わかはつゆけく－なみこえて
008	ほのほのかすむ－くさかきのうち
009	とりのねも－のとかにくるる－やまかけに
010	よもはあらしの－かせのしきしき
011	せきのとや－ゆくそてさむみ－たひたちて
012	ふゆのけしきに－うつるほとなき
013	ありあけに－なるこそつきの－あはれなれ
014	つゆのさかりも－すくるあさかほ
015	なみたさへ－あまりなくまは－みにしまて
016	いのちにむかふ－わかれならすや
017	またよとは－かはすも□たの－ふるさとに
018	みれはくちきの－はなのひとえた
019	うめかかの－ふかきやふしに－わけいりて
020	ふかぬかたなき－はるかせのやま
021	かすみこそ－たたおほうみの－すかたなれ
022	くもにうかふや－あまのつりふね
023	ひとかたの－とほきもつきに－しられけり
024	つゆにやとりを－かりふしのとこ
025	さひしさに－うつらなくのの－くれはてて
026	そことしもなき－こからしのおと
027	おちはさへ－のこらぬ□□の－かけなれや
028	かよひたえたる－ゆきのふるみち
029	またしとは－おもふもおもひ－きえやらて
030	むなしくいくよ－あけてゆくらむ
031	はしひめの－こころしらるる－さむしろに
032	うきみなからの－なからへはなそ
033	はることに－をしめとはなは－ちるものを
034	いささくらとに－かせそよくらむ
035	はつゆめや－たひのあさいに－さめてまし
036	こてふもとりも－みたれゆくかけ
037	うちかすむ－すそののはらに－さそはれて
038	みやこのくもの－つきかすかなり
039	やまのいろも－はやしらかはの－あとなれや
040	さをさすふねの－そてのつゆけさ
041	よにはみな－ものおもふとや－いひもせむ
042	なきなこそたた－かなしかりけれ
043	なかめやる－ゆふへのそらは－なみたにて
044	□□もいりひの－おいらくのすゑ
045	□まははや－かくれ□ころや－ちかからむ
046	むかふかかみは－なほもくもらす
047	かのきしを－ねかふこそまた－みちならめ
048	ふねをかけおく－すみよしのうら
049	たちつとふ－いちはけふにや－なりぬらむ
050	いくむれとなく－からすとひゆく
051	すすしさを－もとむるかたや－みねのくも
052	しけるこすゑに－うすきひのかけ
053	みわたしの－ところところに－しもさえて
054	くちのこりぬる－さとのしははし
055	くれぬれは－あやふむみちの－よしのかは
056	□しやとはぬも－さのみうらみし
057	こころこそ－こころのうちは－こころなれ
058	うへはつれなき－ひとそしたしき
059	あはれみも－よはいたけとや－ふかからむ
060	のへふすまつに－おもるしらゆき
061	このはちる－やまはつきさへ－まはらにて
062	さひしきねやの－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□はたた－うららかなるを－たよりにて
068	かすむそなたに－かよふかはふね
069	はるはたた－こころおしなひ－みるはなに
070	しめゆふやまの－ちとりももとり
071	くれぬれは－たにに□をきの－みたかかり
072	みやこのほかに－□をそおくれる
073	あやめふく－のきははくさの－いほににて
074	ちりもくもらぬ－いけのささなみ
075	こころをも－すましてくむや－あかのみつ
076	おなしやとりの－つきのつきかけ
077	そてことに－わけは□る□る－のへのつゆ
078	あくかれぬなき－むしのこゑこゑ
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第五千句　第三：片何［うつせみの］

句番号	句
001	うつせみの－こゑもこたかき－やまちかな
002	をのへにうすき－なつのひのかけ
003	むらさめや－くものまにまに－くれぬらむ
004	やとりとふへき－さとはわかれす
005	むすへたた－かかるはなのの－くさまくら
006	つきしろたへに－うつるささはら
007	おきそふる－つゆやしつかに－おくるらむ
008	おとたえたえに－すくるあさかせ
009	ゆくふねも－ひとほとなれは－めにたたて
010	おきつなみまを－とふとりのかけ
011	かすかなる－しまにもひとや－すみぬらむ
012	ゆくへをたにも－しらぬさすらへ
013	なかなかに－きえはてはやの－うらみにて
014	ゆめかはかりに－あふはあふかは
015	まちえても－たたよこくもの－そらのつき
016	たひのこころを－しをるあきかせ
017	かりかねは－とやまにちかく－なひききて
018	ふもとにつくる－たのもはるけし
019	たきよりや－かけひのみつを－うけぬらむ
020	けふりつつきの－いらかさひしも
021	をはつせや－はなはかすみに－うつもれて
022	□□□□ゆめ□－□□□□□□□
023	つくつくと－みれはひかけは－うららかに
024	むかふしくれの－はるるほとなさ
025	うれしさの－なみたはさのみ－ふかからて
026	おもひやむへき－かたもしられす
027	ふたみちも－たのめやりつる－ゆふくれに
028	つきみるころの－かささきのはし
029	あきかせに－そらすみわたる－あまのはら
030	とほやまのはに－かかるくもきり
031	いりあひを－しるへにたとる－たひころも
032	あらいそなみに－ふねまよふなり
033	おほつかな－たかこころゆゑ－うかるらむ
034	おもひやりても－あはれとはしれ
035	なにことも－むくひあるみは－ならひにて
036	さむさあつさそ－□□かへりみる
037	おほきみの－おこなふみちよ－たたしかれ
038	いやしきもたた－のりやねかはむ
039	みつもひも－むすふはかりを－ともにして
040	おくやますみは－となりたになき
041	のきはまて－ふりつむゆきを－はらひわひ
042	かせもうこかぬ－にはのなよたけ
043	うらみしよ－かきりのあれは－ちるはなに
044	こゑむらむらの－とりのさへつり
045	あかつきを－こえぬるとしの－さかひにて
046	にはかにかはる－ひとのことのは
047	いにしへの－つれなきもまた－うちとけつ
048	あけはててゆく－つきのをしけさ
049	すみすてし－さともさなから－あきはきて
050	おきところなき－つゆのふかくさ
051	よひわふる－こゑやかきりの－かたうつら
052	ころもみしかき－ころやさむけき
053	あはれにも－すそのやわけも－つくさまし
054	ひとつてにこそ－ききしふしのね
055	みれはなほ－ちかまさりする－そのけはひ
056	かみのかふかく－のこるたまつさ
057	ととめむは－のちのよまての－さはりにて
058	おもひとりにし－あらましのすゑ
059	はれくもる－つきになかめの－いろいろに
060	さそなみやこの－あきのよなよな
061	すさましき－ゆふへゆふへの－やまおろし
062	やしなひたてし－はなのひともと
063	いくはるか－かこふかすみの－かきのうち
064	あさなあさなに－きなくうくひす
065	くれたけの－はやしをいてて－のをとほみ
066	たえたえけふる－あまのふなかけ
067	もしほくむ－そてはをしまの－うらつたひ
068	わかあさころも－なににぬれなむ
069	さしてそれと－たのめしひとは－なきものを
070	おもひみたるる－こころはかなや
071	いとせめて－よるかたなきも－いかかせむ
072	あまりせはしき－やとのことのね
073	をりをりの－かせをすさみの－まつのとに
074	しきみのかをり－あさからぬてら
075	ところから－すみにしつきも－さやかにて
076	もてはやすにそ－あたたむるさけ
077	へたてなく－かたるにあきの－とももかな
078	やつるるかみの－かたしきのいほ
079	なれきつる－かせのすかみの－まきそめて
080	ひかけにしはし－たちそやすらふ
081	しつかなる－なかれに□きの－うちねふり
082	かたへはつもる－ゆきのしははし
083	さしおほふ－はひろかしはの－えたかれて
084	いととあらはに－なれるくさのと
085	かすみさへ－きえゆくかたの－ゆふあらし
086	□□のかたみの－くももなつかし
087	またこむも－とほきわかれの－あまつかり
088	こころのはなの－ちらまくもをし
089	□さめをも－きこえぬこそは－はかなけれ
090	□しふる□□も－□にかあるへき
091	□□□てる－みねを□□□□－□□のいろ
092	□□□ゆくらむ－□□□りのやま
093	くれかかる－かたにまつ□る－しかのこゑ
094	□つすかきねの－□□そうれふる
095	それとなく－ものおもはする－ひとはいさ
096	またみるゆめも－きみかおもかけ
097	あをやきに－みたるるつゆは－まゆににて
098	あさひかくれに－□くかほよとり
099	めつらしく－とひくるもたた－はるのやと
100	かすむみなとの－ふねのかすかす

天正四年万句　第五千句　第四：初何［ゆふかほの］

句番号	句
001	ゆふかほの－はなやのきはの－あさすすみ
002	つゆにみたるる－まとのわかたけ
003	ほたるとふ－ひかりにさよや－ふけぬらむ
004	あらしのうへの－つきそいさよふ
005	あきの□□－□□よこくもに－うつりきて
006	きりたちおほふ－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－ねふるとりとり
011	すきしよの－さむさのほとは－しられけり
012	しはしなりたた－かりふしのあと
013	いささめの－ちきりもさすか－をしまぬに
014	かけてうらみの－のこるゆくすゑ
015	さきそめし－はなをはいかて－しをるらむ
016	こころもなしや－はるのさとひと
017	かはつなく－たのものくろを－すきかへし
018	あるかなきかの－みちいかかせむ
019	すみかれの－ふみのまきまき－ふりはてて
020	たれみはやさむ－つもるしらゆき
021	さらしなや－ここもこよひの－つきのかけ
022	ふくやますみの－あきのゆふくれ
023	まきのはの－いろなきかせも－みにしみて
024	ものおもふとや－ひとにしられむ
025	うらかなし－いまはかくとも－いわまほし
026	こひにくちぬる－なこそつらけれ
027	おもふこと－いつかはつくす－そらならむ
028	ふしのけふりの－とたえもそなき
029	あきはきり－はるはかすみを－いろなれや
030	たひにおくれる－そてのあはれさ
031	ふみなれぬ－みちにはしはし－やすらひて
032	くさにむらかる－まきたしのこま
033	かけしろき－つきをみつのの－あさほらけ
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	なれ□みやこに－くらすとしとし
039	みるたひに－めつらかなれや－しかのまつ
040	こころのはなは－ちるとしもなし
041	うららなる－ひねもすうたふ－かへるさに
042	きこりのやすむ－やまかけのはら
043	おいらくの－おやのゆくへの－いかならむ
044	いさめのつゑそ－いまはあやなき
045	なすとかも－おもひしとれは－にくからて
046	とりのふまぬも－おつるもみちは
047	かせあらき－くもにやはやき－つきのかけ
048	ふりゆくあめの－あとのつゆけさ
049	あきさむき－みねのいほりに－ひとすみて
050	かかるやとりも－えにしならすや
051	たひはたた－うきぬしつみぬ－ならひかは
052	こころほそしや－ふねのかよひち
053	あたなみの－たつこそゆめの－このよなれ
054	ことをいとふは－おろかにそおもふ
055	かすならぬ－みにはあまれる－なさけにて
056	たたひとすちに－ちきることのは
057	まつにふく－あらしのかせや－をきのこゑ
058	をのへのくもに－もるるつきかけ
059	みたるるを－おのかひかりと－つゆちりて
060	なくむしのねも－さやかにそなる
061	いとたけの－しらへたえたえ－くるるよに
062	あかぬまとゐの－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	かりねしくるる－やまはかなしも
067	はなちやる－たかはのゆくへ－みえわかて
068	つきになるまて－したふゆふかせ
069	ちりのこる－はきのひともと－うちかをり
070	つゆすかるのの－あとのさひしさ
071	まれにあふ－ひとしもいまは－たちわかれ
072	あはれいちめは－こひをうるなり
073	おもふにも－おもはぬにもまた－いひよりて
074	こころのほとを－しらぬはかなさ
075	うつしゑや－すかたはかりを－まなふらむ
076	みつにさきぬる－はちすはのかけ
077	うちわふる－はなをはうへの－たきにみて
078	かすむやまへに－□□のしりける
079	かきくもり－はるひやあめに－なりぬらむ
080	ものすこけにも－はとのなくこゑ
081	ふるはたの－あはれみおほく－まきおきて
082	あきはおもひの－たねとこそなれ
083	つきにわか－なみたやつさぬ－かけもかな
084	こひにふきくる－かせはすさまし
085	いととさへ－わすられぬふえの－ねにたてて
086	ともなひかへる－のへのくさかり
087	うしのこの－おくるるみちや－まちつらむ
088	いそくこころや－いりあひのかね
089	とまりをも－さためぬうらの－ひはくれて
090	あらいそきはに－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□れかあらぬか－はなのひともと
095	これやこの－こそもわけつる－みちならめ
096	ゆきまゆきまに－□□□□□みゆ
097	おちたまる－いはほのをかは－せをはやみ
098	くたすいかたの－おとそしらるる
099	あらたむる－さともいらかや－つつくらむ
100	わけにしいへや－やそうちのすゑ

天正四年万句　第五千句　第五：朝何［たにのとを］

句番号	句
001	たにのとを－たたくくひなか－よるのあめ
002	しけるこのまの－なみかせのこゑ
003	あけわたる－つきのなかそら－くもたえて
004	あるかなきかに－きりまよふくれ
005	みにしまは－しめとやつゆの－たひころも
006	□□□□□□□－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－□□□□□□□
011	はるもまた－くははりぬるや－まれならむ
012	やよひなからの－やまほとときす
013	たそかれの－つきこそつきの－なかめなれ
014	そてもすすしき－はつあきのころ
015	おくつゆも－かことはかりに－いろみえて
016	おつるなみたを－つつむあやなさ
017	やるふみを－かへさるるこそ－うらみけれ
018	いかにしてかは－いひもよらなむ
019	なつくさの－はなのませかき－くちはてて
020	かへるもうしや－あらぬふるさと
021	そことなく－きをきるをのは－きこえけり
022	すゑはるはるの－やまのしたみつ
023	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
024	□□□□□□□－□□□□□□□
025	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
026	□□□□□□□－□□□□□□□
027	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
028	□□□□□□□－□□□□□□□
029	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
030	□□□□□□□－□□□□□□□
031	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
032	□□□□□□□－□□□□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	□□□□□□□－□□□□□□□
041	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
042	□□□□□□□－□□□□□□□
043	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
044	□□□□□□□－□□□□□□□
045	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
046	□□□□□□□－□□□□□□□
047	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
048	□□□□□□□－□□□□□□□
049	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
050	□□□□□□□－□□□□□□□
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－□□□□□□□
073	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
074	□□□□□□□－□□□□□□□
075	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
076	□□□□□□□－□□□□□□□
077	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
078	□□□□□□□－□□□□□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第五千句　第六：花之何［みなつきの］

句番号	句
001	みなつきの－こほりにのこる－にはのゆき
002	すたれをまけは－かせかをるやと
003	ほのかなる－うめのたちえに－はなみえて
004	かすむゆふへも－ひはさやかなり
005	のをひろみ－あそふこてふの－うちみたれ
006	つゆこそむしの－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－□□□□□□□
011	おもふとち－かたりともなふ－たひのそら
012	きのふもききし－なくほとときす
013	たのめても－かかるちきりや－あらさらむ
014	うちつけよりも－みゆるあたひと
015	いかにして－わかこころをも－うつさまし
016	ふるきみやこに－すみはてねたた
017	むかしをし－おもひかへせは－あはれにて
018	つひにわすれぬ－はなのおもかけ
019	まちしより－ひかすかさねし－おそさくら
020	またたちあへぬ－はるのつれつれ
021	くもはみな－しつむふもとに－あめみえて
022	ねさめねさめに－たかきかはおと
023	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
024	□□□□□□□－□□□□□□□
025	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
026	□□□□□□□－□□□□□□□
027	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
028	□□□□□□□－□□□□□□□
029	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
030	□□□□□□□－□□□□□□□
031	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
032	□□□□□□□－□□□□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	□□□□□□□－□□□□□□□
041	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
042	□□□□□□□－□□□□□□□
043	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
044	□□□□□□□－□□□□□□□
045	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
046	□□□□□□□－□□□□□□□
047	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
048	□□□□□□□－□□□□□□□
049	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
050	□□□□□□□－□□□□□□□
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－□□□□□□□
073	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
074	□□□□□□□－□□□□□□□
075	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
076	□□□□□□□－□□□□□□□
077	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
078	□□□□□□□－□□□□□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第六千句　第二：何船［そらにまつ］

句番号	句
001	そらにまつ－あきたついろや－みかのつき
002	ひとはひとはを－わたるゆふかせ
003	ささかにの－いとををふねの－つゆにかけて
004	ほすあみのめの－うららなるかけ
005	こゑこゑに－さへつるあまの－うちかすみ
006	さととほからぬ－はるのやまもと
007	わかくさの－みとりにそてを－なつさひて
008	のるこまいそく－みねのかたはら
009	みやこへと－おもふにあしや－かろからむ
010	いくへかゆきを－はらふすかかさ
011	しまきする－ころはやとりも－いてかたみ
012	まつのかれはの－つるのすこもり
013	ちとせをも－かけてちきりや－たのむらむ
014	いまたにつらき－ひとのおもかけ
015	みしゆめも－さめてののちは－かひもなし
016	つきもいりぬる－やまはるかなり
017	なかきよも－かたらふともに－あけそめて
018	こすのとほそに－ほそきあきかせ
019	わかをりと－かりやくもゐに－わたるらむ
020	しのひしのひに－むしのなくこゑ
021	したもえの－くさのいろとも－はなちりて
022	のもあをみゆく－はるのくれかた
023	つらなるは－やまのはなれや－うすかすみ
024	つきはみかさの－そらにのとけき
025	きけははや－はるかにならの－あとふりて
026	かすかのみやや－またもつくらむ
027	そのなさへ－なのみにのこる－ひたたくみ
028	すみのほかなる－くにはいつらは
029	さむさをも－あつさもいまは－よきかたし
030	きたやみなみに－めくるひのかけ
031	さしとめむ－いりえのふねに－あめすきて
032	かすのからすの－うちはふくこゑ
033	くるるまて－あかぬはいちの－ましはりに
034	さけにゑへるや－したそたみたる
035	うたたねの－ゆめをそのまま－おとろきて
036	ゆくへのほとを－しらぬ□□□□
037	ひとめみし－ひとこそふるき－ちきりなれ
038	うちかをりぬる－みちのそてふり
039	いろいろの－はなのさくのを－わけすきて
040	えらひかねたる－まつむしのこゑ
041	いつよりも－ひかりさやけき－つきのよに
042	いたつらにのみ－おくるつりふね
043	なみかせの－あらきほとこそ－しられけれ
044	しはなくちとり－たちさわくなり
045	いもかりに－うかれてひとや－いてつらむ
046	あけはつるまて－ならすよこふえ
047	きくもまた－あらはとことの－ををたちて
048	よにはかくれし－やまともころし
049	つくりそへて－しはしよしのの－はなとみむ
050	かへすたつらを－こゆるしらなみ
051	おくふかき－ゆきやしたとけ－くくるらし
052	はるかせかよふ－このふゆこもり
053	たききさへ－とるへきやまも－たえはてて
054	たのむかたなき－すみそめのそて
055	みのりこそ－たたありなしの－みちならめ
056	くちてさひしき－をくるまのかけ
057	ひくほとも－やせたるうしは－あさましや
058	あらたのはらの－くろのうきつち
059	すみあらす－さとやのらとも－なりつらむ
060	かきねにちかき－さをしかのこゑ
061	つきおそき－ころはひとしほ－くらきよに
062	つゆをかたらふ－おもひこそあれ
063	またみるも－つれなきことの－まさりきて
064	うたてやさても－ふみのことのは
065	ちるはなの－のちにはいかて－つけぬらむ
066	けさはつこゑの－うくひすそなく
067	ゆふつけを－こえぬるとしの－しるへにて
068	おきいててくむ－わかみつのかけ
069	いつはりに－いはふおいこそ－かなしけれ
070	きゆへきたまを－をしむつれつれ
071	たけのはの－つゆなからふく－かせもかな
072	くるれはきよき－まとのつきかけ
073	よるひるも－わかぬはあきの－あさくもり
074	ひはらのやまは－いろもめつらし
075	これやこの－しのふのをかの－すゑならむ
076	ときはにものを－おもひこそすれ
077	あふときも－わかるるときも－なみたおち
078	なかなかこひは－うらみとそなる
079	われひとり－いひもはるけぬ－むねのうち
080	たれにかたるも－うちはとけすや
081	むかしをは－しりぬることは－まれにして
082	かせにききなす－たかさこのまつ
083	いりあひの－かねこそくるる－しるしなれ
084	よもはかすみに－うつもるるころ
085	そことなく－すをはいてつる－とりなきて
086	ことはのはなも－いろにさきけり
087	かちまけも－ひとによりぬる－あらそひに
088	このみたれこや－てましておとり
089	さされいしは－きみをはいはふ－ならひにて
090	よよをかけても－たのむかみかき
091	ゆふしてや－つきのよころに－たたむらむ
092	あふきをおきし－くれのすすしさ
093	すすむしの－なくくさむらに－つゆみえて
094	こたかかりせし－あとのしつけさ
095	いましはと－つくりしとかや－わするらむ
096	つひのすみかと－なれるやまかけ
097	このはうく－みたにのみつを－むすひあけて
098	あかつきことに－とのゐするこゑ
099	みしかよの－つきにはいかか－かよはまし
100	なさけになひけ－くれたけのかけ

天正四年万句　第六千句　第三：薄何［はつかりの］

句番号	句
001	はつかりの－わたるはかせや－あきのくも
002	きけはかすかに－ころもうつこゑ
003	つゆくらき－かたやまもとに－ふねとめて
004	つきかけおそき－なみのとほしま
005	をりをりに－こほれるよはや－ふけぬらむ
006	このはとおつる－ゆきのくれかた
007	□□□かふ－みちを□□□は－はるかにて
008	□□のかのこの－□□□みえ□□
009	□□□はも－ともす□□□の－かすかすに
010	□□□たひとの－まよふやまかけ
011	たひころも－ならはぬみねに－かたしきて
012	はしめてかかる－うきもしられつ
013	いかにせむ－このわかれこそ－かきりあれ
014	はやあけはつる－そらのつきかけ
015	すさましき－なみのまにまに－かせたちて
016	あしまつゆけく－いつるかはふね
017	ましはとる－やまいかはかり－しくるらむ
018	あとをみかへり－いそくさとひと
019	うまにくら－くらきころより－おきなれて
020	ひもさしぬれは－うちねふるかけ
021	しをれたる－すかたははなも－あはれなり
022	ゆきまにすこし－さけるうめかえ
023	うくひすの－こゑもほのほの－うちかすみ
024	いつこやとりと－くるるののすゑ
025	いりあひの－かねよりおくに－てらみえて
026	さひしさならふ－こころかなしも
027	やまふかき－すまひもきのふ－けふなれや
028	うゑしこまつの－しけりあふかけ
029	いつのまに－かせはあらしと－かはるらむ
030	たのむかひなく－かへるあかつき
031	うきにたた－ふけぬるつきも－おもほえす
032	つゆのいのちも－をしからぬくれ
033	ひとことの－なさけを□□□－みにしめて
034	□□□らしてや－□□□□つまち
035	□□□□も－ゆくへ□□□□－□□□□に
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□かへし－かたるやおいの－くせならむ
038	みぬくにさとも－きくにこそしれ
039	もろもろの－ひとのあつまる－みやこにて
040	さしかさしたる－そてのいろいろ
041	とりかはす－あふきのうはゑ－はなやかに
042	すゑのよまてと－ちきりこそおけ
043	めのまへに－かへりにけりな－あちきなし
044	ふもとのくもを－のほるよのつき
045	かはきりや－やまのころもと－なひくらむ
046	けはひことなる－あきはきにけり
047	くるしさは－のかれぬまゆの－はつしもに
048	さむさやわふる－あしたつのこゑ
049	まつたてる－みきりのはなの－いろくちて
050	はるよりのちの－とももこそあれ
051	たかさこや－むかしいまはの－なかきひに
052	つなをうちはへ－つなくうらふね
053	はやかはの－みつやなかれて－いてぬらむ
054	いはまいはまに－うかふうきくさ
055	のわきせし－あとはのはらも－あらはにて
056	こころのままに－つきをこそみれ
057	あきもまた－すすしきころの－そてのつゆ
058	おもひするとや－ひとはいはまし
059	あふことは－まれにたになき－わかなかに
060	ちりとたちぬる－なをいかにせむ
061	をくるまの－さきをおふこそ－かなしけれ
062	くたるくらゐに－おそるるはなし
063	おいぬれは－とらのけしきも－かみかけて
064	すててののちは－やすきみそかし
065	□りぬへき－ひとめたになき－やまのおく
066	かこはぬままに－すめるしはかき
067	あけくれに－むすふいたゐの－みつさひて
068	くまなきつきに－あらふはなさら
069	しつくちる－のきやひはたの－つゆしくれ
070	こけのはうこく－あきかせのおと
071	おもひいる－こころやあさき－よすてひと
072	しめおくいほや－やまのやまくち
073	うちわたす－ふゆたのはらは－あはれにて
074	ゆきのゆふへは－こまもすすます
075	ちるはなは－ふみわけかたき－きのもとに
076	きりのわかはを－かへすはるかせ
077	いけみつは－こほれるひまも－なみのおと
078	なかれをひろみ－さわくはなれう
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第六千句　第四：朝何［あきといへは］

句番号	句
001	あきといへは－ここもやつきの－あかしかた
002	ゆくなみきよし－きりのしたかせ
003	やまきはの－つゆうちはらひ－ふねうけて
004	ふもとのさとに－やとりからはや
005	いそきても－つかるるこまを－いかかせむ
006	はるくさあをき－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－をしのひとつれ
011	つきにゆく－かはそひをふね－しつかにて
012	しらへみにしむ－よつのをのこゑ
013	むらさめの－つゆをめてつつ－くらすよに
014	あきをとなりと－ひくらしそなく
015	さひしさを－もとめていりし－やまのかけ
016	たたわひつつも－たたしはのいほ
017	とふひとも－なきをこのよの－すさみにて
018	おくれてはまた－たれにちきらむ
019	なかなかに－なからふるこそ－うらみなれ
020	かかるおもひの－よそにやはある
021	はなにかせ－いとふといふも－よしのやま
022	みをおくつゆの－かすむこかくれ
023	うくひすの－やとりさためむ－ゆふまくれ
024	さとありとても－のへのかりふし
025	やつれぬる－たひのすかたを－はつかしみ
026	つきはみやこの－つきのあさあけ
027	せむかたも－なきをこころの－あきのそら
028	つゆかはかりの－ちきりかなしも
029	あさかほの－おもかけなから－つれなきに
030	のこるまかきの－まつそふりたる
031	すみすてし－そのあとはたた－のとみえて
032	しつかにきゐる－とりとりのこゑ
033	ひかけまつ－をのへのしもの－いろふかみ
034	くものそこなる－□□□□□かね
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－かくれかはうし
039	さすらへの－そのつみとかは－おもほえす
040	ふかくしのはは－いぬやとかめむ
041	とことはに－なれぬるこそは－なさけなれ
042	つたなきになと－いひはそめにき
043	むくつけき－こころはかねて－たれしらむ
044	みをうらむるも－こひのゆくすゑ
045	おいぬれは－つきもなみたに－かくろひて
046	まちえてなほそ－あきはものうき
047	やまちかき－きりのみなかの－にはのこゑ
048	たのもにおつる－みつかすかなり
049	ちりうかふ－はなになかれを－せきかねて
050	あはれもよほす－はるのかはかせ
051	わけてくる－□□□□かすみ－うちしめり
052	たひなるそてそ－やふれやすかる
053	あめのくれ－ゆきのゆふへに－なれなれて
054	かるるかなかの－をささひともと
055	さととほく－やせたるうしを－ひきつなき
056	かしこきひとの－すみかしられす
057	くれたけの－すくなるかけを－しめおきて
058	をりふしむすふ－みつのすすしさ
059	なきあとを－とひしいまはの－たままつり
060	いとさやかなる－つきのよすから
061	ちさとをも－かけてやかりの－わたるらむ
062	くもにあられの－□□ふきたかせ
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－をれてみしかし
067	ほとたかく－こすゑはるかの－むらすすめ
068	みねにおりゐる－くものひとすち
069	あすふかむ－あらしをそらの－にしにみて
070	なとうきひとの－とひもこさらむ
071	つきをさへ－そむけるねやに－かかつらひ
072	うちそふもまた－つゆのたまゆら
073	あきはたた－とてもかくても－なけかれて
074	ふたりのおやの－つゑはわすれす
075	おほえぬは－まなひしふみの－あとなれや
076	みちをもわかて－まよふはかなさ
077	さきつつく－はなをかくせる－くもはうし
078	つめるすみ□□－ひろきの□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第六千句　第六：竹何［うつらなく］

句番号	句
001	うつらなく－のへやみとりの－をささはら
002	はなのちくさに－まくらかるくれ
003	おくつゆに－うつろふつきの－かけすみて
004	しくれをさそふ－あきのやまかせ
005	とほしまや－おりゐるくもに－うかふらむ
006	まつのこすゑを－わたるうらふね
007	□□みのおとも－□□□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□まはあらし□－かせのよなよな
011	まきのとに－まつてふひとは－とほさかり
012	わかおもひのみ－いやまさりゆく
013	かりそめに－いててくやしき－みやこかた
014	あめとなりぬる－つきのたそかれ
015	てををりし－あきのひかけも－いたつらに
016	いつかきくへき－はつかりのこゑ
017	いろにはや－たのものおしね－うちなひき
018	しつはこころの－ひまもやはある
019	つれつれに－みゆるいほりは－たれならむ
020	なれにしかさて－かはるおもかけ
021	はなちれは－うとくなるこそ－かなしけれ
022	ともうくひすの－かへすむらたけ
023	もろこしも－まつひのもとを－あふきみよ
024	よるこそつきは－ひかりともなれ
025	くれぬれは－くさきにつゆも－かくろひて
026	あきのなみたや－みさをなるらむ
027	いまさらに－ひとなとかめそ－わかおもひ
028	こころのほとを－たれかしらまし
029	まきたしの－こまひきはなつ－のをひろみ
030	おろかなからも－おとろかぬはなし
031	やまさとも－めつらしけなる－はつゆきに
032	ふきなつくしそ－ならのはのかせ
033	よむうたの－たねとはなにか－なりぬらむ
034	むねにこもれる－くもみつのかけ
035	そてにうき－なみたのたきを－せきかねて
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	かへしはも－そろへぬたかの－とやいたし
038	ほのめかしけり－すすむしのこゑ
039	やまのはの－つきのうすきり－たたよひて
040	ふもとのくもを－さそふゆふかせ
041	ふねのほる－さとのみなかみ－せをはやみ
042	いはまをつたふ－そてのかすかす
043	はなにゆく－みちははるけき－つつらをり
044	かけにひかるる－はるのとりとり
045	かすむひは－たのむしをりも－かすかにて
046	いりおくれたる－あらましのやま
047	うきなから－よにやこころの－とまるらむ
048	なくなるひとの－おもかけはいさ
049	そこはかと－たとるもふかき－よもきふに
050	とたえのほとは－かたるにそしる
051	すきにしを－おもへはつらき－ちきりにて
052	たたひとうたの－ふしとなるなか
053	うたふをも－とかめぬるこそ－くるしけれ
054	あくるよしるき－にはとりのこゑ
055	つきもたた－ひたすらくもに－うつもれて
056	にはかにかせの－のわきたつそら
057	すさましく－つなてもよほす－みなとふね
058	なみのはなをや－みえもなくさむ
059	かへるへき－みやこのはるを－こころにて
060	かりのなみたや－かすむあさつゆ
061	かよはすも－ひとやりならぬ－たまつさに
062	ものうきとても－たれかうらみむ
063	そなたこそ－のちのよまての－さはりなれ
064	あはれをむなの－いみはうらめし
065	ひとさかも－のほりかたしや－たかのやま
066	おいてはのりも－えやはうるへき
067	いととさへ－やせたるうまの－みちとほみ
068	のこるともなく－かるるふゆくさ
069	かせなから－まつはときはの－こすゑにて
070	ゆきにかくるる－ゆふくれのはる
071	みわたせは－かすみもあへぬ－みねのくも
072	ひもうらうらに－うつるをちかた
073	たれかしる－うみよりすゑの－わたのはら
074	こころをのする－おきつつりふね
075	はらふへき－つみをはいかて－かさぬらむ
076	あかすなかむる－よなよなのつき
077	ふたりあれは－うきあきをさへ－わすれきて
078	とるもあやしき－きくのさかつき
079	うひことは－かきならすねも－たとたとし
080	いとしつかなる－ふるみやのうち
081	あめくらき－すきのかたへに－はとなきて
082	ひはまたのこる－やまもとのさと
083	いつくにか－むすひさためむ－かりまくら
084	みつちかかりし－みちのかたはら
085	まなふれは－すすりのうみを－そてにみて
086	たたいつはりは－なみたにそある
087	なけきつつ－わかれしままの－としもへぬ
088	さかりともなき－はなのやまかせ
089	つきさへや－ちれはさくらに－くもるらむ
090	なへてうきよや－はるのはつゆめ
091	あすもなし－きのふのむかし－たのまれす
092	いのちはいつの－いりあひのかね
093	とにかくに－いまはのみこそ－かなしけれ
094	すゑはかならす－いてむみほとけ
095	ふねのうちも－にはよきなみや－いのるらむ
096	このころつくす－あらしこからし
097	ふゆののは－いささむらたけ－はかりにて
098	ところからにや－つきもさひしき
099	おなしくは－みやこのあきに－なれまほし
100	ひなのすまひに－きりこもるさと

天正四年万句　第六千句　第七：何路［やまかはも］

句番号	句
001	やまかはも－そめるさくらの－もみちかな
002	なかるるつきに－なひくうすきり
003	みつをとも－たかきまくらに－あきふけて
004	かけさむくなる－をちかたのそら
005	ひとむらの－たけをやゆきの－うつむらむ
006	かきねをしたふ－うくひすのこゑ
007	のきはさへ－はるけきみねに－うちかすみ
008	いつるひおそき－たにのしつけさ
009	むすふても－すすしきみつの－あさなあさな
010	くさしきなるる－いはのかりふし
011	たひはたた－いきとしいける－おもひにて
012	みをわひぬるも－あはれよのなか
013	ゆくすゑを－かたらふひまも－なみたおち
014	ゆめうつつとも－わかぬわかれち
015	みかつきは－いつるもいるも－ゆふへにて
016	まとよりしろき－つゆのあかつき
017	すさましき－とまやにちかき－なみのおと
018	ちとりなきたつ－すまのうらかせ
019	ゆくふねも－いつくとまりと－たたよひて
020	かへりみらるる－わかかたの□□
021	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
022	□□□□□□□－□□□□□□□
023	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
024	□□□□□□□－□□□□□□□
025	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
026	□□□□□□□－□□□□□□□
027	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
028	□□□□□□□－□□□□□□□
029	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
030	□□□□□□□－□□□□□□□
031	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
032	□□□□□□□－□□□□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	□□□□□□□－□□□□□□□
041	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
042	□□□□□□□－□□□□□□□
043	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
044	□□□□□□□－□□□□□□□
045	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
046	□□□□□□□－□□□□□□□
047	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
048	□□□□□□□－□□□□□□□
049	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
050	□□□□□□□－□□□□□□□
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－□□□□□□□
073	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
074	□□□□□□□－□□□□□□□
075	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
076	□□□□□□□－□□□□□□□
077	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
078	□□□□□□□－□□□□□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第六千句　第八：二字返音［かせやいろ］

句番号	句
001	かせやいろ－そてにあきしる－はなすすき
002	きりまににほふ－つきのゆふかけ
003	のをひろみ－つゆもたひねの－まくらにて
004	おきいててゆく－すゑのはるけさ
005	うちむれて－やまかたかくる－あさからす
006	みきはにのこる－さきのひとつれ
007	よるなみは－ちさとのおきに－おとたえて
008	まつもこたかく－うちなひくころ
009	おしなへて－たけのはおもく－ふるゆきに
010	そことしもなく－つきはさえにき
011	なくむしの－いとけなきこそ－あはれなれ
012	あきもすゑのの－かせのさやけさ
013	つゆわけて－たれかとひこむ－くさのいほ
014	みちのしるへも－みえぬひとかけ
015	ゆめはたた－ものおもへとや－あけはてむ
016	このたまくしけ－あふことはいつ
017	いささめに－たのめしなかを－ちきりにて
018	ありへしのよに－うまるるもうし
019	あめそそく－はなやあらしに－うかふらむ
020	そらうちしめり－かすむこのもと
021	かはつなく－みつのみなかみ－ほのくれて
022	たのものつつみ－ひとかへるみゆ
023	はらへとも－みのにちりゆく－ゆきのひに
024	たひにしあれは－やすむまそなき
025	はるはると－やまちをかよふ－よるのゆめ
026	すゑしらかはの－おもひいつまて
027	けふこそと－かへてうれしき－からころも
028	わかはのはなの－そてのうつりか
029	うゑおきて－ことしさくらの－いろふかみ
030	ゆふつゆかすむ－にはのしつけさ
031	はるのよの－つきにかかくる－たますたれ
032	はしゐになるる－まつむしのこゑ
033	うらかれの－のはらやさむく－なりぬらむ
034	をきのはわけに－かせわたるころ
035	こぬひとを－おもひたすこそ－はかなけれ
036	わかたましひ□－とにかくにう□
037	ふたみちの－こころはいまも－はれやらて
038	おほつかなくも－ちきるゆくすゑ
039	かけたのむ－□□□□□□の－ふねのうち
040	たくひにしるき－うらのをちかた
041	しつのをの－のきはかくろふ－はなうつき
042	かきねにはなけ－やよほとときす
043	ひたすらに－すむへきやまを－よそにみて
044	なにをよすかの－うきみならまし
045	のこさはや－おろかなりとも－やまとうた
046	つきもなにはの－あけかたのそら
047	あきをたか－ゆふへのころと－いひつらむ
048	こころにかかる－そてのしたつゆ
049	しのふとも－つゐにはもれむ－わかおもひ
050	いまのあふせに－みもきえねたた
051	きけはなほ－いととえかたき－のりのみち
052	もろこしふねの－なみのはけしさ
053	かへるひを－さらにいつとか－まつらかた
054	ひなのすまひは－あはれならすや
055	すたつより－つるはくもゐを－こころにて
056	ちとせとのみに－いのるきみかよ
057	さかきはの－こゑをよなよな－をりかへし
058	このまこのまの－つきかすかなり
059	うすきりの－たなひくやまは－わけやらて
060	しのひにかよふ－みねのあきかせ
061	あつさなは－のこるゆふへの－かりふしに
062	ひませにすくる－あめははらはし
063	こひしいと－おもふなみたに－またとひて
064	あやなやひとを－いけみころしみ
065	たをりきて－かめにさしおく－はなのかけ
066	おほろつきよの－ありあけのころ
067	はるかせを－さそひてふねや－いてつらむ
068	つくしのうみを－おもひやるのみ
069	ともすれは－ぬれせぬやまに－いりそめて
070	こころよりこそ－めちもかわかね
071	うきことも－いまえしふみに－わすれはや
072	たたひとかたに－なさけもそなき
073	ときしらす－たみをつかへる－このよにて
074	またうつさるる－みやことやきく
075	ならのはの－かせのみのこる－みかさやま
076	つまきにゆきを－ふみまよふくれ
077	ゆくみつも－とたえてしはし－こほるひに
078	いはねにすこし－なみそいさよふ
079	かりすてし－あとにたまもの－はなみえて
080	それかあらぬか－ほたるとふかけ
081	むねもはや－くゆるはかりの－わかおもひ
082	なみたにつきの－くるるやまかせ
083	さねこむと－まつにつれなき－あきのそら
084	ひとのさはりそ－みにしめてうき
085	かけふかき－はなのあたりの－やへむくら
086	かとはささしな－つつしさくころ
087	さひしくも－みきりにうつす－はるくれて
088	とほやまもとに－のこるとりのね
089	ひかけさす－たかねのかねや－こたふらむ
090	こりしくしもに－くもそはれぬる
091	まさこちは－さなからゆきの－ふるににて
092	かせになみよる－うらのあけほの
093	いつのまに－すくろもほには－いてぬらむ
094	たのものいほに－つゆそふかむる
095	はねおとも－しをるるはかり－しきなきて
096	あかつきつきの－あけすくるかけ
097	うたかひも－おこなひひとは－あらしかし
098	くにのすゑまて－くにそをさまる
099	つるきこそ－はこやのやまの－ものならめ
100	いまもなのみに－のこるうらしま

天正四年万句　第六千句　第九：何田［しかのねは］

句番号	句
001	しかのねは－みにしむやまの－ゆふへかな
002	つゆのかたえの－みねのひとむら
003	あきといへは－つきもほのかに－かけすみて
004	ふねさすほとも－とほきあけかた
005	たちいてし－わかふるさとや－おもふらむ
006	くものあなたに－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－たのむとまふき
011	つまきとる－やまはうしろの－かけふかみ
012	ゆきにをれふす－まつのしたえた
013	さのみなと－つれなくてのみ－すきぬらむ
014	かよふおもひや－たたかせのつて
015	ゆふくれを－よそのちきりに－かこたまし
016	つきはしるやと－うちなかめつつ
017	たれにかは－かたらむあきの－みのむかし
018	つゆのすみかも－よしやよのなか
019	かへらしな－たちぬるるとも－はなのあめ
020	をしむによらし－はるにまかせむ
021	くれてゆく－やまはかすみも－むらむらに
022	すゑはるかなる－たひのなかやと
023	ひとことも－かはすはいつの－くれならむ
024	うきなのたつも－かたみならすや
025	こよひしも－くもるをつきの－ひかりにて
026	なみにをはなに－うらのさやけさ
027	ころもての－すそふきかへす－あきのかせ
028	ころししられて－みにそおほゆる
029	とへかしな－してのたをさの－ほとときす
030	こひしきとたに－いひもやらはや
031	いかにして－かかるうらみを－きかさらむ
032	まつよのかねも－ここはかりかは
033	これやこの－けふこそかのえ－さるのこゑ
034	くもをやとりの－みやまちのすゑ
035	ふるさとを－おもひいつるも－なみたおち
036	またたひなれぬ－そてのかなしさ
037	わたりする－よとのかはなみ－みにしみて
038	みつのまこもの－うらかれのころ
039	つゆにつき－うつろふかけの－しろたへに
040	ふかきちきりや－かみのそのかみ
041	そてにこそ－よしののたきも－やとしけれ
042	やつるるすかた－さていかにせむ
043	このまより－かつかつはなの－ちりそめて
044	やかてあをはと－なれるさくらと
045	かものゐる－にはのいけみつ－うちかすみ
046	つはさならふる－をしのひとつれ
047	まくらかり－いはねのをささ－しもさえて
048	そてにいりたつ－かせのつれつれ
049	あふきこそ－なつのともとも－なりつらめ
050	なれにしひとや－よそのくもきり
051	ひとすまぬ－さとははるのみ－たちかへり
052	かすみのかこふ－しはのとのうち
053	ややさむき－つきのなかそら－ふけぬらむ
054	ゆめにしくるる－そてのあきかせ
055	つゆのまも－わすられぬこそ－かなしけれ
056	おもふむかしの－なにかかひある
057	たちはなの－にほひにしはし－なくさめて
058	みはしのもとを－ゆくひとやたれ
059	かつらきや－くもをふもとに－のほるらむ
060	おちくるおとの－たかきなるかみ
061	たきつせの－あたりはあめの－ふるににて
062	なかれのすゑに－うつるひのかけ
063	くれなゐの－いろにはなにか－まさるへき
064	すみにそめぬる－そてはまよひか
065	うしとのみ－おもひとりても－にこるよに
066	みこそはこひの－やつこなるらめ
067	たのめつつ－ゆふへをゆめに－なしはてて
068	こころにかかる－つきのうすきり
069	やまかせは－そらにものこれ－をきのこゑ
070	いととうつろふ－そののむらはき
071	まかきには－こほるるはかり－しもおきて
072	あかたすみにも－あれはありけり
073	われよりも－しもかしもまて－かへりみよ
074	みつにうかへて－とれるさかつき
075	そてちかく－はなのなみより－さくらかは
076	かすみもらさぬ－しからみもかな
077	うららかに－せきちふきこす－かせのおと
078	おもかけのみの－あふはあふかは
079	とかもなき－あきをかこつは－おろかにて
080	なみたにみれは－つきほそきくれ
081	しつかなる－こけのとほその－なからへに
082	いはうつなみも－すさひとやせむ
083	ふゆくれは－きぬたのおとも－たえはてて
084	つまきのみちに－なるるあさゆふ
085	けたものも－さきのほとこそ－おそれつれ
086	おいてののちは－いぬもいぬかは
087	しのふれは－ほしのひかりも－いとふよに
088	かすをあまたの－おもひくるしも
089	をくるまの－しちのはしかき－いかはかり
090	けふまちえたる－みゆきをやみむ
091	はるかなる－はまのとりやに－やすらひて
092	それかあらぬか－とふやまからす
093	くもかかる－みねよりきたは－おほつかな
094	いつかなかめむ－やとのはつゆき
095	はなのはる－つきのあきにも－なれなれて
096	みつはくむまて－つかへてそこし
097	あはれみや－たたおほきみの－ふかからむ
098	こまくたらにも－たのむひのもと
099	うなはらや－しまもかすみて－みゆるよに
100	なみちのとけき－ふねのゆきかひ

天正四年万句　第六千句　第十：何水［むしのねや］

句番号	句
001	むしのねや－よさむをはらふ－たまははき
002	はしゐにふくる－つゆのくさむら
003	しくれせし－こすゑのあきの－つきまちて
004	しつかになれる－ゆふくれのそら
005	ゆくふねの－とまりはいつち－さためまし
006	くもにしつめる－うみきはのやま
007	たかねより－たきのひとすち－おちそひて
008	つもるこのはの－□けものこらす
009	ふりしくや－よのまのゆきの－あさほらけ
010	けふりもほそき－さとのをちかた
011	とりへのの－たかなこりとか－なりぬらむ
012	あやしやひとの－かへるさのみち
013	しのふれは－やふしかくれを－ふみわけて
014	みやこをよきし－さすらひはうし
015	たひねをも－つきはわすれぬ－よはのそて
016	つゆのまくらを－くさのかりいほ
017	なひききて－こはきにやとる－あきのかせ
018	いつれのやまに－くもはのこらむ
019	ふしならて－えやはおよはむ－あまのはら
020	かけはちひろの－そこもみえけり
021	こころより－みたれたちそふ－はなのなみ
022	やなきのおくの－かとはゆかしも
023	きみかすむ－やとのうくひす－しるへせよ
024	かへるのちにも－はるそしたしき
025	みやこより－わけしのやまを－おもひいて
026	いくたひむかふ－つきのゆふかけ
027	おしねかる－しつかあはれの－ひまをなみ
028	なかきよすから－ちかきしかのね
029	まちてのみ－なつをおくりし－ほとときす
030	ゆめかうつつか－さめてわひしき
031	わすれすは－まことしらせよ－ふてのあと
032	ものさひしくも－かへるうらなみ
033	かれわたる－まくすのすゑは－しもふりて
034	つれなくたてる－をかのへのまつ
035	いにしへを－こたへはいかに－とひてまし
036	いときなきとち－□□ふことくさ
037	みちもたた－ありやなしやの－ひとむらに
038	はしのうきたる－ぬまみつのかけ
039	おのつから－やすむはかりに－こまとめて
040	いつあふさかの－せきをこえなむ
041	よつのをも－まつことのみに－かきならし
042	つきをよすかに－ふかすはかなさ
043	いととさへ－うすききりまに－かせたちて
044	あきのすゑのそ－のこりおほかる
045	ふゆきては－なにのいろをか－なかめまし
046	やまのみそれと－そらそうるほふ
047	あさにひに－はなをもよほす－はるたちて
048	かすみにこもる－とりのこゑこゑ
049	わかれをや－ほとけのうへも－なけくらむ
050	たれかはせきも－とめむおほかは
051	すこしある－たをつくるこそ－はかなけれ
052	けたものかよふ－のちのかたはら
053	ゆくとくと－たたもののふは－ゆみあそひ
054	けふのまとゐや－うたのましはり
055	もしほくさ－のちのかたみに－かきとめて
056	はまのあしやの－うちけふるかけ
057	くれふかく－なたこくふねの－いかはかり
058	よももしつけき－なみのをちこち
059	なかむれは－ちさともおなし－ゆきはれて
060	ひとりかうへか－うきふゆこもり
061	はるをまつ－うめやとなりも－なかるらむ
062	つきはほのかに－かくらふるやま
063	つゆのまを－もとめてもはた－しのははや
064	あやなききぬの－おとはすさまし
065	むしにこそ－しつはたもまた－おりにけれ
066	のはうちはへて－いとそみたるる
067	かせなから－かすめるくさの－あさみとり
068	たつねわひたる－このつくつくし
069	ともとちの－ゆくかたしらぬ－たひのそら
070	まちまちしにや－くるるやまこえ
071	いりあひの－かねにこころや－いそくらむ
072	たのめおきつつ－かへるあかつき
073	さやかなる－つきをやつすも－あちきなし
074	みるみるうかふ－あきかせのくも
075	ふゆちかく－なれはけしきも－たたならて
076	ひとめかるるを－やまかけのさと
077	さきそめし－はなにこころや－うつすらむ
078	はるはまつにも－こゑそたえたる
079	すみよしの－はまによるなみ－のとかにて
080	つりのをふねの－みゆるかすかす
081	ともしひは－ほしかほたるか－とはかりに
082	かせあらましく－なれるあけかた
083	つきにこそ－くれてこころを－すましつれ
084	つゆのいとまも－をしむおこなひ
085	きりのかに－しきみのかをり－うちそへて
086	みねこすくもに－わかぬやまみち
087	のるうまに－まかせてくたる－ふもとかは
088	さをさすふねの－はやきせのこゑ
089	たれとなく－うたふにさよや－ふけぬらむ
090	いもかあたりの－ねたましきくれ
091	おもひかね－いひもよるへき－うらみにて
092	たたかすならぬ－はてはてそうき
093	よのなかも－いかにやいかに－なりてまし
094	こころのままの－みをかへりみよ
095	としことの－はなにやさても－あかさらむ
096	おそきかたをは－たたよふことり
097	くれやらぬ－はるのはやまの－つきのかけ
098	それかとはかり－きゆるゆきのひ
099	すゑとほく－なかるるみつの－たえたえ□
100	さかえひさしき－やそうちのさと

天正四年万句　第七千句　第一：山何［みかつきの］

句番号	句
001	みかつきの－かけやしまねの－はつもみち
002	みきはのまつに－なひくうすきり
003	あきかせに－たたよふふねの－あとみえて
004	ゆきかふひとの－とほさかるこゑ
005	くれかかる－のをうくひすや－かへるらむ
006	ふるゆきさむみ－かすむやまもと
007	をかのへや－くさむらむらに－したもえて
008	かれたつききの－すゑくらきかけ
009	いはかねや－おくあるみちの－たえたえに
010	かせにうきたる－いりあひのこゑ
011	ひのかかる－をちのうみきは－てらみえて
012	おもひしよりも－ひろきいけみつ
013	にはにうつす－やまにもみねや－こもるらむ
014	みとりのこまつ－うちしけるかけ
015	わけてこし－はなをこころの－やすらひに
016	かそへつくさし－ちとりももとり
017	うちかすむ－そらのこてふの－みたれあひて
018	おともあらのの－かせのゆくすゑ
019	かはなかの－いしにあたれる－わたしふね
020	のりたるうまそ－なみにおとろく
021	しもかとて－そてうちはらふ－つきのかけ
022	みにしめかはす－よはのたまくら
023	をきのこゑに－さむるゆめこそ－はかなけれ
024	ふかきなみたや－あきとなりにき
025	おいぬれは－おもはぬことも－おもはれて
026	ぬしをもひかむ－いぬのあはれさ
027	けたものも－なれてののちは－なつかしみ
028	さひしかれとや－やまかけのいほ
029	よもすから－まとうつあらし－たまあられ
030	なけきくははる－すみかかなしも
031	のむさけも－あまりえたれは－したたみて
032	きこえもやらぬ－ひとのことのは
033	あしてにて－かきやるふみは－はつかしや
034	なにかなにはの－ことはやすかる
035	すむつきや－むかしなからの－はしはしら
036	くもゐをわたる－あきのさよかせ
037	むしのねも－つつりさせてふ－なきすてて
038	そてのさむさや－ひひにまされる
039	ゆきもはや－おもかけさそふ－みねたかみ
040	おもひおもひに－かこふくさかき
041	おほはらや－かみのまつりも－ちかつきて
042	はなをりかさす－はるのみやひと
043	たちいてて－きのふやけふの－さくらかり
044	くるれはかすむ－つきのかへるさ
045	かけうすき－ゆふひほのめく－つゆちりて
046	みつひややかに－おつるかはつら
047	あしのはも－たたかれわたる－たきつなみ
048	すゑはよとのの－ふねよはふこゑ
049	なかむれは－くもにかくるる－をとこやま
050	つらきかうへに－つらきもそそふ
051	あひみすは－せめてなさけを－かけねかし
052	そをたにたのむ－ひとのいつはり
053	わかよはひ－たけてやとしも－いとふらむ
054	けふはといはひ－むすふたにみつ
055	のちにこそ－はるのあはれは－しられけれ
056	わかるるかりや－あかつきのそら
057	にはとりの－こゑはきこえぬ－くさまくら
058	つきをしるへに－おきいつるみち
059	またなれぬ－のへのつゆわけ－やまをわけ
060	ちへたつきりや－うつむたにのと
061	なへてよの－あらしにくもを－ふきしきて
062	これやはこやの－かたのさむしろ
063	をりかへる－はなのひめゆり－いしのたけ
064	いつるひきよき－ゆふたちのあと
065	□□□をも－くれぬ□□とや－いそくらむ
066	□□はるかにも－おつるせのこゑ
067	やまかけを－おのかありかと－さきのゐて
068	ゆきにたてるや－まつのひともと
069	つきしろき－よはやそらめの－けさのあめ
070	そそくなみたや－そてのあきかせ
071	ひくらしの－なくよりこころ－うかれきて
072	すむもすまれぬ－しはのとのうち
073	みやこさへ－をりにふれては－さひしきに
074	いつをかきりの－たひとしもなし
075	ゆるされぬ－みのうきとかに－うつもれて
076	はなちるのちは－かせもおとせす
077	ふちなみの－いろこそまつの－かさしなれ
078	それかはかりの－とりのすこもり
079	しととさへ－またいてやらぬ－はつはるに
080	あらましよりや－いそくやまやま
081	あさまたき－□□□にともや－さそふらむ
082	わかなをすゑに－のこすみほとけ
083	うつしゑの－かけこそいまは－かたみなれ
084	ねやのあふきは－おくにおかれす
085	つきをさへ－そむくはかりの－まくらして
086	つゆのまにまに－きゆるともしひ
087	ゆふされは－みつのほたるも－たえたえに
088	すすむといふも－なつのひところ
089	しけるきも－いつこからしと－なりぬらむ
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□まれの－ちきりなれ
096	おほつかなきは－つかひなりけり
097	かせのまを－たのむもあやな－はるのはな
098	なみうちかすむ－いきのまつはら
099	みわたしの－うらうらことに－のとかにて
100	なかきひかりの－くもりなきそら

天正四年万句　第七千句　第二：何路［をしかなく］

句番号	句
001	をしかなく－とやまおろしの－あさとかな
002	かきねにつつく－みねのあききり
003	たきつせの－なかれにつきや－うかふらむ
004	ふねさすかたの－なみのさやけさ
005	みるめかる－たもとしほほに－あめすきて
006	こころすすしく－くれてこそゆけ
007	たひになと－おもひさためす－いてぬらむ
008	なれしみやこや－あとのしらくも
009	やまやまの－かけは□□□に－かさなりて
010	ふもとのさとに－ふれるうすゆき
011	ふきまよふ－かせにうちちる－はなすすき
012	うらひれかほに－むしもこそなけ
013	しつはたも－つきのよころに－おりはへて
014	みるにひまなき－あしのやへふき
015	とまつたふ－をふねのしつく－たえたえに
016	よりくるなみや－かかるころもて
017	こひならぬ－なみたなからに－おとろへて
018	よそにおもはむ－すかたはつかし
019	ましはりに－おいをわするる－はなのかけ
020	かすみくみつつ－くらすなかきひ
021	めつらかに－やよひのことし－くははりて
022	やまもとふかく－とりのなくこゑ
023	あふさかの－せきのとさしは－あけかてに
024	たたわかかたと－いそくたひひと
025	ともなひて－きつつわかるる－みちのすゑ
026	あたにうつせし－こころもそうき
027	かはかりの－きぬのかゆゑに－なはたちて
028	しのふなかこそ－しのふかひなれ
029	ひとこゑの－ほかはなかぬや－ほとときす
030	あまりみしかき－よるよるのそら
031	あさことに－なとありあけの－なかるらむ
032	やまちかくれの－きりはすさまし
033	うちそよく－たけのはことの－つゆおちて
034	ものあはれけに－みゆるしはのと
035	いつまてか－みはよのさかに－のこるらむ
036	なきはかすそふ－とりへののくれ
037	ふるあめに－きつねのこさへ－うちなきて
038	まよふかうへに－まよふこころか
039	こゑやらぬ－みねにおりゐる－くもふかみ
040	そこともしらす－たとるやまみち
041	かすかなる－なかれもすゑは－をりあひて
042	みをうきふねに－なすはあやふし
043	さそふみつ－あらはとたまの－ををよわみ
044	たのますなから－まつそはかなき
045	かせをたか－うゑそへしはなの－はるならむ
046	すみれましりの－をきのしたもえ
047	かすみのみ－あれたるやとに－たちかへり
048	かよふつはめや－すをおもふらむ
049	つきおつる－たのものはらに－みつすみて
050	さひしさもたた－みにそしみぬる
051	やまとほき－きりにいりあひの－かねのこゑ
052	てらはいつくそ－あきのたそかれ
053	つねになき－ともしひすこし－かけみえて
054	しけみかおくの－さゆりさくころ
055	をりをりに－かよははひとを－いとはめや
056	あさきちきりそ－すゑはとけなむ
057	あつさゆみ－もとのこころに－ひかれきて
058	はなれもやらぬ－きみかおもかけ
059	たにふかみ－わけいるみちの－たまかつら
060	つきはふけゆく－あさちふのつゆ
061	いかはかり－あきをかさしの－たつたひめ
062	よさむのくもに－みゆるゆふかせ
063	ひとへをも－かさねまほしき－あさころも
064	うつせみのよの－つらきなからへ
065	もしほくむ－あまりになくも－たれしらむ
066	みもこかれゆく－こひのはかなさ
067	ゆめもたた－あしたになれは－いたつらに
068	わすれやすきは－むかしなりけり
069	こそみつる－はなをちらせる－はなさきて
070	こゑほのめかす－えたのうくひす
071	けぬかうへの－ゆきにははるも－うつもれぬ
072	なつのをかけて－そらやかすまむ
073	あつきひの－いはゐのしみつ－むすひあけ
074	つきをまつまの－みちのやすらひ
075	をはすてや－やまのはあけに－いろつきて
076	しくれをよその－なかめするあき
077	われならぬ－ひともやなみたに－むせふらむ
078	ものおもふみは－いつれおなしよ
079	けふこそは－つひのわかれの－かきりなれ
080	なほものまはや－さけのさかつき
081	ふきかへす－はなのたもとの－ふえのこゑ
082	くるれはたかき－はるのやまかせ
083	ふねとむる－あとよりかすむ－なみたちて
084	かへりみするや－とほきうらうら
085	つきのかけ－みきはのゆきの－あさほらけ
086	あひにあひたる－そらのかりかね
087	むらはきの－はなすりころも－うちかをり
088	かたみかほなる－あきかせのくれ
089	なれなれぬ－あふきな□□す－おくへけれ
090	なほこりつまの－ひとのことのは
091	ひとよにも－はや□□ぬへき－なみたにて
092	かりねのとこや－うきにしるらむ
093	さすらへし－ことをはのちに－かたるなよ
094	たれかはしらむ－うみやまのはて
095	めくりぬる－つきひのゆくへ－うちなかめ
096	たたたらちねの－あとそこひしき
097	いかにして－みはおろかにも－うまるらむ
098	はやしかくれを－いてぬふくろふ
099	おちはふむ－ふるみやところ－かけさひて
100	そのとしとしの－すはのみまつり

天正四年万句　第七千句　第三：何船［ときはきも］

句番号	句
001	ときはきも－あきにまたきの－かつらかな
002	つゆのにほひも－ふかきくさむら
003	ゆふへゆふへ－むしのねさそふ－かせたちて
004	そてひややかに－わくるののすゑ
005	やまとほき－つきやまたきに－ふけぬらむ
006	ふもとのさとの－あかつきのそら
007	□□□□の－まくらに□□□－□□□きて
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□りしのの－なつのゆふくれ
011	うつろふは－たたゆめのまの－うつつにて
012	おもかけはらふ－そてのうへのかせ
013	つきやとる－つゆのかりねの－あさとてに
014	とむるにとまる－あきならはこそ
015	としとしに－ふるすをさりし－つはくらめ
016	ゆくかたしらぬ－くもみつのすゑ
017	ちるはなや－このもとをさへ－わかるらむ
018	こころこころの－はるのやまふみ
019	かりくらす－かすみのそての－かすかすに
020	たちさわきたる－とりとりのこゑ
021	つとひきて－からすうちなく－あへのいち
022	これやうるまの－さとのかよひち
023	とふことも－きかすかほなる－たそかれに
024	ところからにや－ひとのつれなき
025	いまははや－やとをかへても－あはまほし
026	たへかたくなる－あさちふのあき
027	むかしみし－つきかとはかり－かけすみて
028	なみたのつゆは－もとのおいらく
029	なにかよに－こけのそてには－さはらまし
030	たききもとむる－はやましけやま
031	ひとき二き－うゑしみきりの－まつふりて
032	かせのいろさへ－たちかはるおと
033	よつのをの－それとも□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□むらたち－しもふ□□
040	なかめさひ□□－ゆきのをちかた
041	まなひぬる－すすりのみつに－なれなれて
042	いとけなきより－みやおもふらむ
043	かみもたた－いのるにこそは－なひきけれ
044	むすふちきりの－すゑはしられす
045	とりかはす－ゐてのしたおひ－うちはへて
046	わすれられては－さていかにせむ
047	きのふけふ－はなのつてまつ－みやこひと
048	まためつらしき－とりのさへつり
049	つきとほき－やよひいまはの－やまのかけ
050	すみたえはやと－なれるくさのや
051	みるかうちに－のきはをうつむ－ゆきふりて
052	とひよるかたも－わかぬくれかた
053	ふちはせに－ひとのこころや－かはるらむ
054	みもなけぬへき－おもひとそなる
055	つまきをも－はこふにとほき－やまこえて
056	みつかふうまや－あせをほしなむ
057	もののふの－いくさはかりを－たのむよに
058	くにもをさまる－こともはかなし
059	かすかなる－おとよりつゆの－したたりて
060	みかきいたせる－つきのかほはせ
061	□□□□き－そのはら□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－ならひなれ
068	しるへはかりに－な□すふえのね
069	くれぬれは－おもひすかるの－なきいてて
070	やまたのしもに－のこるいなくき
071	ありあけや－くもかくれつつ－いりぬらむ
072	さやかになりぬ－あきのひのかけ
073	ころもほす－あまのつりさを－たておきて
074	かなしやつらし－なみかせのおと
075	ゆくかたも－わかぬはかりの－おきつふね
076	たひのすゑをは－たれかしらまし
077	あすこえむ－みねにおほゑる－はなのくも
078	かすみはきえて－たかきやまやま
079	のとかなる－のをうくひすや－しめぬらむ
080	かせもこゑせぬ－まとのくれたけ
081	かくあらは－ひとりはいかに－あかたすみ
082	いくらのともを－つきにかへめや
083	あきのよの－ほしのひかりは－かすならて
084	つゆのたまちる－ささかにのいと
085	よるなみや－とほきひかたに－かよふらむ
086	すてにしふねの－うかふうらうら
087	あはれみや－さすらへひとに－おほかりき
088	そてをかつきし－ここのへのみち
089	あたしよを－はつ□こそまた－ならひな□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□しもよの－きりきりす
096	はかなくくるる－つきそみにしむ
097	おのつから－あきにうれひや－ならふらむ
098	けふりにまかふ－きりのひとむら
099	はるのはな－そののもみちに－ちりそめて
100	とめつるうへに－なほとめるなり

天正四年万句　第七千句　第四：何鳥［まつむしの］

句番号	句
001	まつむしの－こゑもいろなる－こよひかな
002	よもきかもとの－つゆのしらたま
003	すたれまく－あしたのそらに－あきたちて
004	つきまちとほに－わたすかはふね
005	なみやたた－かすむはかりに－さわくらむ
006	はるかせたかく－おくるかりかね
007	ゆきなから－おほえすけふに－としこえて
008	にほひにしるき－うめのはつはな
009	いつるひや－すさみとならむ－ふゆこもり
010	あけてもしはし－くらきやまもと
011	つれつれと－そほふるあめに－たちぬれて
012	ものおもふそてと－ひとやあやめむ
013	みたるるや－ほのみしよりの－わかこころ
014	そのくろかみの－あかぬゆきかひ
015	うはたまの－よなかきつきに－なれなれて
016	まかきをちかみ－なくきりきりす
017	すさましく－かへのねふりや－なりぬらむ
018	おいよわりては－みをもおもはす
019	いとはるる－よにしもしらす－ましはりて
020	よしうとくとも－たたうたのみち
021	こころなく－なかめははなも－いかならむ
022	をるをうしとや－とつるさくらと
023	はるふかき－みやまのつらら－とけやらて
024	なかれによとむ－たにのみつおと
025	ううるたの－すゑやちまちに－つつくらむ
026	かせうちそよく－くさむらのかけ
027	てるつきは－つゆのくまなく－うつろひて
028	ひかりあたなる－よひのいなつま
029	とふほとも－なみたにちきる－あきのそて
030	したしかりつる－なかのふるつか
031	いまもその－くちぬるふての－あとをみて
032	ゑしまかいその－このすてをふね
033	ちとりなく－なきさのこのは－かすかすに
034	かたよるなみの－おとのさむけさ
035	のとかなる－かせやよのまに－かはるらむ
036	けさよりかすむ－はるとこそなれ
037	うくひすの－こゑほのかなる－やまさとに
038	さそはれきぬる－をちこちのひと
039	くれかかる－ものみくるまの－みちのすゑ
040	やとりさためす－たちそやすらふ
041	しのふよは－つきのいるさを－まちまちて
042	なみたにふかす－つゆのころもて
043	あかつきの－わかれのとりか－しきのこゑ
044	たのものいほを－いつるますらを
045	やまふかみ－ゆみはりもてる－かけみえて
046	しらぬみちしの－すゑはおそろし
047	こころなき－かせにまかせて－ゆくふねに
048	きしもやくつれ－むかふあらしほ
049	たちかへり－いはうつなみの－はなちりて
050	こすゑのふちの－うつるくれかた
051	やまかすむ－いりひのそこの－かねのこゑ
052	なにかうきみの－なくさめとなる
053	のきたたく－かせにしたるる－そののたけ
054	さはのくひなや－ちかくきこゆる
055	なつもはや－けふかあすかの－けしきにて
056	このもかのもに－つほむうのはな
057	ゆくすゑや－つきのひかりも－まさらまし
058	あさなあさなに－つゆそふかむる
059	みにしまは－しめとやおつる－わかなみた
060	かかるうらみは－かせもはらはす
061	もののねも－こころからなす－とかなれや
062	いくたひとふも－おなしつしうら
063	こよみにも－あやまりはまた－ありつへし
064	きさみきさみに－ひをそえらふる
065	やまかけの－かきねのうるし－うちしけり
066	つかふことりの－かちまけはうし
067	ここのへや－くもゐのにはの－そらのつき
068	きぬのかさそふ－あきかせのこゑ
069	わかれての－かたみとはさて－なにかせむ
070	ささなみのこす－ふねのはるけさ
071	たをやめの－うたひすてつつ－かへるひに
072	うしひきつなく－のへのかたはら
073	かりおきし－まくさややとに－つきぬらむ
074	たききすくなく－なれるしもゆき
075	ひとつたふ－ふゆのやまへは－なほあせて
076	かりのすみかは－まはらにそなる
077	はなにふきし－あらしのかせも－まつのかけ
078	はるくれかたの－しかのうらなみ
079	そらはまた－むかしなからに－うちかすみ
080	あきまちえても－つきおそきかけ
081	よひのまの－つゆにもまつや－なくさめむ
082	さかりいまはの－あさかほのいろ
083	またきより－おもふなこりの－なみたにて
084	みもせぬひとの－こひしきはなそ
085	のりにこそ－うまるるさきは－さとりけれ
086	こをおもはしの－みねのやままつ
087	あつきひの－かけやはらくる－このもとに
088	つゆもたまらす－すくるゆふたち
089	なかれゆく－みつもいはねは－ひあかりて
090	みれはちひさき－うをそかすそふ
091	よにはみな－いけるかきりや－なけくらむ
092	ひとのくすりは－つゑとこそきけ
093	まなふれは－のほるくらゐも－あるものを
094	みはしのこゑに－いそくあをうま
095	ねのひにも－そへてうゑはや－はるのはな
096	なとおそかりし－つつしやまふき
097	をののえも－くつるはかりに－まちまちて
098	しのひよるよも－ふかすみたれこ
099	そのゆかり－あれはこそまた－たふとけれ
100	といひなのりそ－このいもかかと

天正四年万句　第七千句　第五：白何［くさはなの］

句番号	句
001	くさはなの－つゆに□□□□－□□□□□
002	□□□□□□□－□□□□□□□
003	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
004	□□□□□□□－□□□□□□□
005	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
006	□□□□□□□－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－□□□□□□□
011	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
012	□□□□□□□－□□□□□□□
013	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
014	□□□□□□□－□□□□□□□
015	□□□□□－す□□□□□□－やまかけに
016	□さかくれかは－とはるるもなに
017	つきをこそ－たつねてきつれ－みやこひと
018	きけはみにしむ－うたのしなしな
019	つゆのまも－をしみしたひの－あつまこと
020	うまのうへにも－ゆめやまたみむ
021	ちりのこる－はなのやまちを－こゆるひに
022	さくらかもとや－あ□のはるかせ
023	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
024	□□□□□□□－□□□□□□□
025	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
026	□□□□□□□－□□□□□□□
027	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
028	□□□□□□□－□□□□□□□
029	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
030	□□□□□□□－□□□□□□□
031	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
032	□□□□□□□－□□□□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	□□□□□□□－□□□□□□□
041	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
042	□□□□□□□－□□□□□□□
043	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
044	□□□□□□□－□□□□□□□
045	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
046	□□□□□□□－□□□□□□□
047	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
048	□□□□□□□－□□□□□□□
049	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
050	□□□□□□□－□□□□□□□
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－□□□□□□□
073	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
074	□□□□□□□－□□□□□□□
075	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
076	□□□□□□□－□□□□□□□
077	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
078	□□□□□□□－□□□□□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第七千句　第七：朝何［しきのたつ］

句番号	句
001	しきのたつ－はかせしつけき－さはへかな
002	をふねにつゆの－かかるののすゑ
003	ひとすちの－みつになかるる－つきおちて
004	みねのこのはの－うつむたにのと
005	たひころも－はやくれかたの－さむしろに
006	いとゆかしさの－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－すくるあさかせ
011	つりふねの－あとかすかなる－かけみえて
012	しほのひかたに－のこるたまかひ
013	おくつゆに－ひかりを□はす－よはのつき
014	あきはこころの－ちちにこそなれ
015	のへはみな－うらかるるものを－おもひくさ
016	なみたのはては－たれかしるへき
017	あたしよの－うきをひことに－かさねきて
018	よわりもてゆく－おいらくのすゑ
019	いちしはを－おひたるうまの－あしよわみ
020	□□□さきたつ－□□□□□□□
021	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
022	□□□□□□□－□□□□□□□
023	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
024	□□□□□□□－□□ふふなかけ
025	ゆくすゑも－しられぬか□に－たひゐして
026	なれぬひととそ－つねはかたらふ
027	つれなきに－かかるおもひを－かけおきつ
028	いまはこころも－あきとこそなれ
029	さやかなる－つきもなみたに－かきくもり
030	よはひたくれは－すさましのみや
031	いとけなき－ほとはきのふか－けふかにて
032	すたちしつはめ－こゑあはれなり
033	くれたけの－はひりのこやの－うちかすみ
034	のきはつゆけき－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－あとのあまくも
039	これやこの－ぬれせぬやまの－つくしかた
040	みねのかけちに－みゆるすかかさ
041	それとなく－あれたるてらそ－あさましや
042	くつるかはらに－つきそかたふく
043	こけのはに－つゆはかりなる－みつはれて
044	いはまいはまを－つたふさひあゆ
045	いましはと－うをすゑかへる－かつらかは
046	おほゐのさとの－みちかすかなり
047	をりつくす－はなのあ□□そ－かなしけれ
048	□□□□□□□－□□□□□□□
049	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
050	□□□□□□□－□□□□□□□
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□ゆふくれ
053	□□ひろみ－あきは□□なく－き□□たり
054	ねさめねさめし－はつかりのこゑ
055	つきしろき－よはうすゆきの－ふるににて
056	かきねつつきに－さけるうのはな
057	をりたちて－おふるやまたの－みつきよみ
058	せかぬひもなき－なみのはやかは
059	あそふてふ－ちひさきふねを－うけおきて
060	はこふましはの－かすはしられす
061	やまとなる－とをちの□ちや－けふならむ
062	ゆきかふひとの－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－ねこのはかなさ
067	□のとかの－ほとをは□□て－しらさらむ
068	きみをうらむる－さすらへのはて
069	わひつつも－みやこにこそは－ありはてめ
070	みちならぬとも－うたのましはり
071	ふかかりき－のりをはあたに－おもふなよ
072	ちひろのうへを－わたるうらふね
073	もしほやく－けふりたなひく－つれつれに
074	なほこりすまの－ひとのことのは
075	かへさるる－ふみをしひてや－やりぬらむ
076	□□□□□□□－□□□□□□□
077	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
078	□□□□□□□－□□□□□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第七千句　第九：一字露顕［やまのはに］

句番号	句
001	やまのはに－つきのなたたる－ゆふへかな
002	あきのこのはの－ちりまよふあと
003	さをしかの－いるののすゑに－かせたちて
004	わたすもとほき－なみのかはふね
005	ひろきえを－ふかめてしほや－みちぬらむ
006	みしかくなれる－あしのむらたち
007	なつのよは－かりねするまに－あけはてて
008	おきいててゆく－みちのかたかた
009	はるをまつ－かれののすゑの－したもえに
010	あたたかなりし－このふゆこもり
011	そらにきえて－ゆきもやあめと－ふりぬらむ
012	かすみのうちに－そそくあさつゆ
013	うちむれて－なかめたへなる－はなのかけ
014	つきにとよをも－あかしぬるやと
015	ひとりゐの－まくらのおとか－きりきりす
016	ねふれるむろの－とこそみにしめ
017	こころをも－すかしくなすは－さとりにて
018	かをるはちすの－いけのささなみ
019	たちならふ－まつのしつえの－あさみとり
020	けふりをふかき－すゑのやまかけ
021	よをいとひ－たれかくれかを－たのむらむ
022	みをなけかする－みこそつらけれ
023	ことのねに－もるるけはひは－たたならて
024	たきにほはせる－きぬのいろいろ
025	ゆくこまの－おくにみえたる－とのつくり
026	かをさしてこそ－ほまれともなれ
027	くさもきも－なひかさらめや－ふくかせに
028	やまよりをちも－たてるしらくも
029	いつくにか－つきのまくらは－さためまし
030	おきところなく－つゆのもるとこ
031	かすかなる－みのみしろきも－なかきよに
032	ひろきよとても－かくてこそあれ
033	うまれあふ－すみかはいかて－さりぬへき
034	つるのほとりに－かくるとりのす
035	はななから－かけはやつをの－たまつはき
036	ここのかさねの－はるのましはり
037	つらなるは－なかそらなれや－くもかすみ
038	たかさもさそな－そめいろのやま
039	いかにして－あつささむさを－わきぬらむ
040	ふたつとはなき－あさのさころも
041	やとりをは－かるともかさし－たひのそて
042	またなれぬひとは－みるもはつかし
043	ひとふては－えらひてかきも－おくらはや
044	あまりにうすき－このかみやかみ
045	つきかけも－きちやうのうちに－かつすみて
046	ゆめうつつとも－わかぬいなつま
047	むらくもに－つゆのむらむら－たちおほひ
048	ゆくかたみえぬ－やまみちのすゑ
049	はなさかぬ－たににはいかて－よふことり
050	まつもみさをの－はるのあさあけ
051	ふきよわる－あらしはこその－はけしくて
052	かけをはちつつ－よにそいてける
053	つきにとて－たつるくるまや－ゆきのうち
054	あやしさはたた－ひとのくつあと
055	きみにしも－いひもやらはや－そのうらみ
056	まきのととちて－あけはつるそら
057	ききなれぬ－とりのむらかる－まとのまへ
058	くさのみおつる－にはのかたはら
059	たれたねを－まきてやおふる－はなすすき
060	つゆをつらぬく－そのいともかな
061	つきをみむと－おもふたまこそ－かなしけれ
062	ゆふへえならす－ほたるとふかけ
063	たけのはに－みたれてそよく－かせのおと
064	かたみにさけを－くみかはすそて
065	いかはかり－とほきかとてと－なりぬらむ
066	となりにゆくも－おいはくるしも
067	はなにたに－てをひかるるは－はかなしや
068	かすみなかるる－はやかはのみつ
069	すゑになる－はるはたれしも－をしみけり
070	こてふもとりも－かへるやまやま
071	あさことは－はるけきのへに－たちいてて
072	をかむもひかけ－のこるつきかけ
073	けふははや－かすかのまつり－はてつらむ
074	なきしすかるも－こころとそきく
075	ふえたけの－ねもすみわたる－あけかたに
076	あはてかへるそ－いととくやしき
077	まさしかる－うらなひこそは－ものうけれ
078	ゆひををりてや－まちしはるあき
079	はなはまた－つほみのききの－したわらひ
080	いはねつたひに－むすふわかみつ
081	あらたまの－としもややまを－こえつらむ
082	かすみなからの－ふしのおほたけ
083	くもよりも－もるこそみゆる－ゆきのかけ
084	きてもなにせむ－そてのすかかさ
085	わけつつも－あまりにしける－のちのすゑ
086	かせもとたゆる－なつのひさかり
087	あふきさへ－やふるるはかり－まねくせに
088	おもひとりては－あともととめす
089	とふひとは－たたつゆの□□－□□□にて
090	□□□□□□□－あとのやまたは
091	みとなりし－をふのうらなし－いろつきて
092	またきみにしむ－かせやふくらむ
093	くれかかる－つきのゆくへの－うきくもに
094	はしゐするにそ－□□□□□□□
095	かけはしの－あ□□□かせの－ふきおくり
096	こけにかたふく－まつのひともと
097	くちのこる－かはらはおにの－すかたにて
098	みるもあやしき－ふるみやのかと
099	つきをさへ－かかくるなつの－ともしひに
100	つきぬまなひや－まきまきのかす

天正四年万句　第七千句　第十：何帯［ききのいろに］

句番号	句
001	ききのいろに－さきたつうめの－もみちかな
002	つゆあをきのを－かよふあきかせ
003	さはみつに－つはさあやおる－かりなきて
004	なみをやととや－つきもめつらむ
005	はるはると－わたすをふねの－かりまくら
006	たひはこころと－□かれこそゆけ
007	□□ひつつ－いてし□□□□－□□にみて
008	□□ふりつもる－□□□□のゆき
009	□□□のみ－たてるは□□の－ひとつまつ
010	はなのなこりの－くもものこらす
011	なににかは－なくさめぬへき－はるのそら
012	こにかひおきし－とりのさへつり
013	ひのひかり－あけにそみたる－ろうのうへ
014	まつよなからの－つきおそきころ
015	□□のつゆも－はらひはてたる－ゆふまくれ
016	にはのきりまに－なひくははきき
017	とほくみて－ゆけはあとなき－やまのかけ
018	そまのうさきは－それかあらぬか
019	やふちかく－なかれてすくる－かつらかは
020	みなかみいつこ－みなつきのかけ
021	ゆふたちや－すこしのくもに－たまるらむ
022	おとあらましく－あらしこそふけ
023	はやふさの－いきほいたかく－かけるひに
024	のへのことりそ－つちにかくるる
025	ひとはさへ－のこりてかるる－くさのいろ
026	しもよりのちの－みそれはけしも
027	うちかたる－こゑたにこほる－つれつれに
028	となふるみなや－しつのをたまき
029	さきのよを－□□にてまつや－くるしめむ
030	かくものおもふと－しらせてもかな
031	かくふみも－よそめはつれは－やりもせて
032	うたかはしきや－なかのなかたち
033	つゆにさく－はなやつゆにし－ちりぬらむ
034	おほろけならぬ－つきのゆふかせ
035	のちのよの－ねさめをなにに－たとへまし
036	そらにこゑして－かへるかりかね
037	あめおつる－ひろさはのいけや－にこるらむ
038	たをりめおほき－はちすはのかけ
039	たままつる－ひとのつとひし－くさのはら
040	はるのころもは－みにしまはしめ
041	つきとひを－おくりもてくる－あきのくれ
042	あまりにくらき－よはおほつかな
043	いさとかれ－とはかりいひし－とのゐして
044	さむさやわふる－このこのはさる
045	ふゆふかく－なるほとくつる－おちしひに
046	ひろふたききや－やまかけのいほ
047	ゆくみつを－ちひさきをけに－くみそへて
048	そのほとみゆる－ひとのふるまひ
049	えらひぬる－うたのむしろの－ましはりに
050	かかるさくらに－たそかれはうし
051	はるもたた－きかまほしきは－ほとときす
052	またるるのへに－きなくうくひす
053	またふるも－かすみにうすき－みねのゆき
054	くもよりうへは－しらぬおほひえ
055	しかのうらや－いりぬるつきを－にしにみて
056	すゑはもみちる－あしのむらたち
057	おくつゆを－ほのかたらひし－あきかせに
058	そめてうれしき－すみのさころも
059	あらましの－おもひはいまの－むかしにて
060	はなのあととふ－みよしののやま
061	のこりてや－こころあるしの－はるのくも
062	ゆふひのすゑに－かへすあらをた
063	ふるあめの－はれゆくままに－さとみえて
064	そらとふさきの－かけさたかなり
065	またきより－いててよをまつ－つきのかけ
066	きみかめくみや－あきもたのまむ
067	めすにこそ－ほまれもまさる－つかさなれ
068	たれかはなをは－おもはさるへき
069	やさしくも－まやのまかきの－はなうつき
070	しけるあやめを－わくるあはれさ
071	かたしきの－そてもひとよの－ちきりにて
072	かけしおもひは－のちのうらみか
073	なかなかに－なさけもいまは－なにならす
074	をしえしみちの－すゑはつつかし
075	いははしは－かつらきやまの－しるへにて
076	このそみかくた－いかにまよはむ
077	おこなひの－こゑもきこえぬ－あかつきに
078	たけをわかれて－ゆくむらすすめ
079	あきのたや－てるひにいろの－まさるらむ
080	ほのみかつきは－いつるかひなし
081	ひややかに－なれはすゑおく－みなとふね
082	ひとむらたつも－くものけはしさ
083	おほそらも－やふるるはかり－なるかみに
084	むねのさわきも－つらきひとゆゑ
085	しのひよる－あたりわひしき－いぬのこゑ
086	さもあやにくに－さのみとかめそ
087	もるはなも－をれはこそをる－ならひなれ
088	よしぬるるとも－はるさめのつゆ
089	さえかへる－あらしにきりの－かつはれて
090	あきのくるかと－おもふたそかれ
091	ときならぬ－そともにききし－しかのこゑ
092	のらとなりぬる－□□はすさまし
093	おのつから－のきもるつきを－まくらにて
094	こひのあまりは－くもさへもうし
095	ふたみちや－こころのこまと－なりぬらむ
096	そてのほかなる－なみたもそある
097	あめつちも－うこくはかりの－さみたれに
098	なみのうきねの－とりのしつけさ
099	いけみつや－くるれはせはく－みえてまし
100	いさよふふねに－しけきことのね

天正四年万句　第八千句　第一：朝何［なみよする］

句番号	句
001	なみよする－つきにしきたつ－さはへかな
002	かせのしたなる－みつのゆふきり
003	やなきちる－やまもととほき－くもきえて
004	やとりかるへき－つてたにもなき
005	ひさかたの－そらもうちくれ－ふるゆきに
006	かれわたるのそ－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□たかなる－をたのすゑすゑ
011	さみたれの－はるるかたへの－さととほみ
012	つきにといつる－そてのかすかす
013	またくれぬ－ほとはあつさも－のこりきや
014	おとしつかなる－あきのはつかせ
015	めにみえぬ－ものからなにを－うれふらむ
016	ふみのかへしに－なひきもやする
017	そらにたた－かをなつかしみ－いひよりて
018	みやこのうちや－まれのしはかき
019	やまさとの－すまひこそなほ－ゆかしけれ
020	あたらはなさく－やふはらのかけ
021	うくひすの－ひとりうちなく－うめかえに
022	あらきあらしの－かすむあけかた
023	よひのまの－なみのいりえに－ふねとめて
024	つきになにはの－かねのさやけさ
025	ふるてらの－にはのつゆしも－おきかはり
026	はやちりそむる－きくのひともと
027	やまひとの－すさみいかなる－ころならむ
028	まさこもをかと－なれるきみかよ
029	かすかすの－おもひあまりて－すつるみに
030	つらきむかしそ－いまもくやしき
031	とひくとも－うらみしことは－わすれしな
032	たのめなからに－まちふくるそら
033	あまよこそ－おのかつまなれ－ほとときす
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－あきもしらるる
039	かくれかや－ときのうつるも－わかさらむ
040	かすかにひひく－のきのたまみつ
041	おくふかく－かすのすたれを－たれこめて
042	かかるおもひや－おもひやるのみ
043	あさかりし－ゆめのちきりの－いかならむ
044	うみとなりぬる－そてもこそあれ
045	しほあひの－あわときえなむ－みをしらて
046	すゑいくとしと－いとなむやなに
047	わかきにも－ちりはのこらし－はるのはな
048	うしろのやまの－かせかすむかた
049	けさはまた－ひもうらうらと－さしうつり
050	はるかにみゆる－をちこちのさと
051	つか□れは－となりにたにも－ゆきかねて
052	かすをやはかる－こをおもふつゑ
053	あたなから－かかるうきよに－うまれきや
054	たくひもまれの－かたちとをしれ
055	ころもての－つゆのひかりに－まよひきて
056	かよひちとほき－いなつまのかけ
057	つきはまた－くもゐかくれの－いさよひに
058	ふかぬにかせの－さそふをきはら
059	おのつから－なみにひかるる－ふねみえて
060	そこともしらぬ－あまのうけなは
061	ひとすちに－おもふこそみは－やすからめ
062	そのしなしなに－つかへくるみち
063	うまなくは－みかりののへを－いかかせむ
064	ときのまにしも－ゆきとこそなれ
065	そてさえて－なかむるやまの－はつしくれ
066	よはのねさめを－わすれやはする
067	わかれても－たたうちそふる－ここちして
068	おやのすかたを－のこすうつしゑ
069	なてしこや－ふるはのしたに－さきぬらむ
070	いはほにおつる－みつのすすしさ
071	ぬのひきや－たきのしらたま－うちちりて
072	くもかきりかも－つゆにこそしれ
073	つきもなき－よとこののちは－ものかなし
074	なにかよすかと－あきはふけにき
075	むしのねも－はやかれかれに－なきすてて
076	あしたをいろに－なひくくさむら
077	はなをのみ－ふきやるかせの－あさちはら
078	たかねのくもの－とりのさへつり
079	かすみもや－さそひきぬらむ－ゆふからす
080	けふやあすはの－いちのかへるさ
081	たひはたた－ひとよすくるも－うらめしな
082	いかてこころも－とめおかぬみそ
083	おもかけの－こととふはかり－うちみえて
084	なみたとなれる－ゆめようつつよ
085	しはのとも－すみうかれては－なにとせむ
086	よをはひろしと－いふそはかなき
087	かけひより－うけぬるみつは－かつおちて
088	なかれあひてや－おほかはとなる
089	いせちには－いかなるはしを－わたすらむ
090	ひとのさまみて－ゆききするみゆ
091	ととろくは－つきにくるまの－おとなれや
092	あきもなかはの－くものしつけさ
093	はつしもも－ふゆをまちてや－ふりぬらむ
094	けしきなからに－つもるしらゆき
095	みたれゆく－このまこのまの－はなのかけ
096	まつもみとりや－ちえにたつらむ
097	としことに－くみかさねたる－やへかすみ
098	たかきよこゑは－きくもあさまし
099	からひとの－ことははわかぬ－ためしにて
100	くにもをさまる－まきまきのすゑ

天正四年万句　第八千句　第三：□何［□□□□□］

句番号	句
001	□□□□□－のきはや□□□－□□□□□
002	□□□□□□□－□□□□□□□
003	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
004	□□□□□□□－□□□□□□□
005	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
006	□□□□□□□－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－□□□□□□□
011	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
012	□□□□□□□－□□□□□□□
013	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
014	□□□□□□□－□□□□□□□
015	□□なれは－□□□□□□も－とひよらて
016	□□やひとりの－あさちふのかけ
017	□□いつる－あたりはあきの－つれつれに
018	つゆにしをるる－ひくらしのこゑ
019	むらさめや－すくるまもなき－やまのかけ
020	まつのひひきに－のこることのを
021	ゆくひとも－うたたやすらふ－たひのみち
022	ききすゑかたき－はつほとときす
023	おもひねの－ゆめにやこころ－まとふらむ
024	よるよることの－そてのしらたま
025	かたひらの－うすきちきりも－かさなりて
026	なにたつことを－うらのはまゆふ
027	まなふるに－つらきねさしや－わすれくさ
028	□□てはいそく－みちもかひなし
029	あしよわき－うまや□□にを－くるしみて
030	こころこころ□－しはそ□□□□
031	さくま□□－□□□□□□□－□□□□□
032	□□□□□□□－□□□□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	□□□□□□□－□□□□□□□
041	□□□□□－□□□□くさの－□□□□□
042	みなふゆかれ□－あをきたけのは
043	なかめつつ－はるとあき□を－おくりきて
044	けふこそこゆれ－しらかはのせき
045	かりかねも－ここをたひとや－おもふらむ
046	いのちはゆふへ－つきはいにしへ
047	つゆのまと－しらすやとりの－たのまれて
048	いつさきそめし－はなのあさかほ
049	とことはの－なくさめくさも－あるものを
050	こひにつくせる－みそあはれなる
051	かはらしと－からくれなゐの－いろいろに
052	このはなかるる－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－□□□□□□□
073	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
074	□□□□□□□－□□□□□□□
075	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
076	□□□□□□□－うくひすのなく
077	たくへても－えやはえならぬ－はるならむ
078	こころひとつを－ねかふたのしみ
079	とはりをも－またはあけしな－このほとけ
080	ひめおくみちを－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第八千句　第四：白何［つゆやいろ］

句番号	句
001	つゆやいろ－ありあけのつきの－あさほらけ
002	はなうちかをり－なひくむらはき
003	むしのねも－たもとにすかる－のをわけて
004	かかるやとりに－かりねをやせむ
005	みやこには－まつへきひとや－なからまし
006	ひとりはいかに－はるのやまかけ
007	たくひやは－このたにのとの－はつさくら
008	きけはかすそふ－ちとりももとり
009	みかりせし－のへはかすみに－うつもれて
010	くれてやかへる－をちのさとさと
011	しはふねの－あはれはよそに－しられけり
012	ゆくみつはやき－うちのかはつら
013	はつせちや－はやめのまへに－ちかからむ
014	はけしくふきし－かせそみにしむ
015	すむつきや－あらぬはかりの－ひかりにて
016	ひろははつきし－つゆのたまゆら
017	ときのまも－ものおもふこそ－はかなけれ
018	あひみるほとや－うきもわするる
019	ゆめとのみ－うちちるはなの－ひとさかり
020	もろきすみれを－つむそくるしき
021	たれすみし－かきねともなく－かすむひに
022	かせのおとさへ－かはるかたはら
023	なみあれし－いそやまかくれ－ふねとめて
024	きよきいはまの－みつむすふみゆ
025	おきいてて－あさなあさなの－おこなひに
026	よみやさしたる－ふみのまきまき
027	しのふるに－ひとめしけきや－うかるらむ
028	ふけなはとのみ－ちきりおくなか
029	よひよひの－あめこそつきの－さはりなれ
030	のへはちくさの－はなそひらけり
031	あきはたた－やとにかへるや－まれならむ
032	ひろきたのもの－けたもののかけ
033	たたかひの－あとにはひとも－たえはてて
034	あはせてのちや－いぬるうつしゑ
035	あしきをは－ちかへまほしき－ゆめかたり
036	ほのかにみしを－たのむもそうき
037	ものこしに－かはすことはは－おほつかな
038	いくとしとしを－へたてきぬらむ
039	ふるさとは－それともわかぬ－やまかけに
040	うすゆきまては－つきもさやけし
041	あかつきの－まくらさわかす－たまあられ
042	ここやたひゐの－うきふしのそて
043	のちのよの－かかみはみても－なにかせむ
044	かせもわするる－はなのこのもと
045	ささなみや－かすむなきさの－しかのまつ
046	こほりのうへも－ひはうららなり
047	つりふねや－やまきはとほく－かかるらむ
048	こゑさひわたる－いりあひのかね
049	みとりなる－たけもかしけて－くるるよに
050	ほかけみたれて－ほたるとふそら
051	あきすてに－ちかくなるこそ－あはれなれ
052	はやしのかねの－をきのうはかせ
053	つきみると－いひつつひとを－まちまちて
054	わかれのつゆそ－なみたとはなる
055	かねてより－なけけはつひの－みちなれや
056	すみをしるしの－ふちのさころも
057	すゑのよや－なのみにききし－ひたたくみ
058	つくるそまきの－いへそたかかる
059	かけあまた－ならふのきはは－みやこにて
060	なかめをうつす－しほかまのうら
061	あらなみの－こゑをたえつつ－ふくかせに
062	くものゆくへを－たのむともふね
063	もろこしを－おもひうかるる－こころにて
064	うちそふとても－うちとけぬひと
065	ふゆされの－ほかにもこほる－そてのつゆ
066	うつるにつきや－ひかりわくらむ
067	まつはらに－ききのもみちを－こきませて
068	かたへさひしく－あきそくれゆく
069	むらとりの－かきほちかくも－なくこゑに
070	さそはれいつる－たひのなかやと
071	いそきぬる－みちやわかみの－ためならむ
072	さすもひまなき－さをのふなかけ
073	くもまよふ－をのへおろしの－さむきひに
074	かた□□□□□－むすふころもて
075	ふるあめに－たつらのしつは－かすみえて
076	ひともおとせぬ－ささのかりふき
077	はなにこそ－とははひらかむ－かとならめ
078	つねはむくらの－とつるしたもえ
079	のをやきし－けふりともしく－たちのほり
080	かすみのほらは－これかとそしる
081	くるとあくと－こころなかくも－こをうちて
082	ひとねふりさへ－なきをよのなか
083	とのゐする－くもゐのそらを－おもひやれ
084	このかひともし－むねさわけとや
085	あらこもを－つきにしくこそ－はかなけれ
086	ゆきてやみなむ－みちのくのあき
087	こひこかる－しのふもちすり－かれやらて
088	またもみたるる－わかおもひくさ
089	いくくれか－おもかけさそふ－かせならむ
090	きのふもけふも－しのくののすゑ
091	あつまちや－さとめつらしき－すまひして
092	のきをわするる－ふはのせきのや
093	ここのへに－いかてこころを－とめさらむ
094	かけもすすしき－つきのよるよる
095	ひとことに－ちまたにうたふ－こゑはして
096	はなになりぬる－あさあけのやま
097	しらくもや－かすみとともに－なひくらむ
098	のとかならすや－ふねかよふみち
099	ちさとまて－ここよりしるし－おきつなみ
100	はかるにくにも－をさまりそする

天正四年万句　第八千句　第五：何船［なかきよの］

句番号	句
001	なかきよの－なこりいさよふ－みねのつき
002	まかきのきくの－つゆをまつころ
003	きりさむき－ゆふへのそらに－かりなきて
004	そてにこたふる－うらなみのおと
005	ゆくみつや－いはうつかせに－ちりぬらむ
006	しつくもたかく－つたふまつかえ
007	たちならふ－かけはやなきの－うちなひき
008	たかかひすてし－のちのはるこま
009	かすみをや－わかすむかたと－わけぬらむ
010	のこるひかけも－いりあひのかね
011	くれぬるを－つきのすかたと－あらはして
012	しのにおきそふ－つゆのしらたま
013	すさましき－なみたやそてに－あまるらむ
014	しのふとすれと－なはたちにけり
015	よをいとはぬ－ひとはこころの－ままにして
016	つひにをわらむ－ことはしらすや
017	なれきつる－はるをははなも－をしままし
018	わかこすゑとや－したふうくひす
019	いてていにし－あとはかすみの－やとりにて
020	こそのしをりの－のこるやまかけ
021	わけいるも－むかしなからの－ふるつかに
022	かるるともなき－すすきひとむら
023	おくしもも－こころあるへき－あさなあさな
024	いといそかしき－ねやのくろかみ
025	おもかけの－うかへるつきを－かたみにて
026	きりにをふねを－よするやまもと
027	くれかかる－みきはのなみの－あきかせに
028	なにはわたりの－たひのやすらひ
029	おもひいつる－ここもみやこの－ここちして
030	しはしなくさむ－とりのひとこゑ
031	ねさめては－それかあらぬか－ほとときす
032	なこりかなしき－よこくものそら
033	なみたさへ－こほれぬほとに－うちなけき
034	きみをうらむる－ことそわりなき
035	のかれても－よのほかならぬ－やまのおく
036	いくたひなれし－たたかひのひは
037	うゑおきし－かかりのまへの－まりあそひ
038	まつはみさをの－ききのいろいろ
039	ありあけの－つれなきかけも－あきくれて
040	のわきのあとの－むしのさひしさ
041	そをたにも－たのむかきねの－きりきりす
042	なへてまくさを－かりつくすころ
043	ゆきつとひ－かたへにふねを－まちまちて
044	ゆふへをいそく－いちのかへるさ
045	はるかなる－すまひやをのの－さとならむ
046	こたまとはまた－なにのなるらむ
047	ひとことに－はかられぬるや－はるのはな
048	ふもとのさくら－みねのしらくも
049	けさははや－かすみもあへぬ－よしのやま
050	よのまのあめに－まさるたきつせ
051	ちさとにも－なかれのすゑや－つつくらむ
052	やそうちよりや－しるきいへいへ
053	うはそくや－おこなひそめぬ－みやのうち
054	ことふきとてや－とれるさかつき
055	うれへある－みはましはりの－すくなくて
056	とはれすとても－さのみうらみし
057	あたにしも－よそにこころを－うつすなよ
058	めかれのまにや－はなもちりなむ
059	はるのよも－あかさはかかる－うめのかけ
060	ぬるともよしや－あめかすむくれ
061	おもふとち－とひかたらふも－まれにして
062	せめてはことを－かきならさはや
063	いにしへの－なさけもいまは－たえたえに
064	うつるこころの－ふたみちはうし
065	しもゆきも－ひかけまつまの－なかめにて
066	よにあさかほの－たくひこそあれ
067	まつのいろも－おいきとなれは－なにならす
068	かせのやとりや－あきにしられむ
069	ともすれは－つきにかかれる－よはのくも
070	なひくとみえて－すくるむらさめ
071	くれたけの－すゑはるはるの－やまこえに
072	ちからともなる－このあつさゆみ
073	おしわたす－ふねのかよひの－さとちかみ
074	こしもかかまる－おとろへのはて
075	みとりこに－まなひのみちを－をしへてよ
076	こころもなくや－たをるさくらと
077	ちるまても－にほひはなしの－はなのえた
078	たたそのままの－はるのうつしゑ
079	きのふけふ－かすみににたる－きりたちて
080	いろなるとりの－おなしこゑこゑ
081	ゆふつけの－なくころつきも－いりやせむ
082	ひとかたならぬ－わかれかなしも
083	ふりかはす－ひたりみきりの－そてぬれて
084	うちしけりゆく－あさちふのかけ
085	たかすみて－のらとなりぬる－さとならむ
086	いへをいててそ－たのむのちのよ
087	みのむしは－ふゆまてなにに－かかりきや
088	またかれのこる－しものすかかさ
089	たききにや－ほねをくたきて－かへるらむ
090	いはとかしはを－くたすかはふね
091	みつしほに－なかれはふかく－なりにけり
092	うきいてつつや－あそふにほとり
093	うちねふる－おきなのこころ－いかならむ
094	はなのまそてを－かへすまひのて
095	いとたけの－こゑもかすみて－くるるひに
096	はるもさひしく－おくるかたはら
097	いのちなと－わひぬるみにし－なかからむ
098	はるなきわさを－しつのをたまき
099	かくれては－いててはめくる－つきのかけ
100	あたためてくむ－なさけいくはく

天正四年万句　第八千句　第六：何路［うすきりに］

句番号	句
001	うすきりに－くもをかさぬる－しまねかな
002	ふきもつつかぬ－あきのうらかせ
003	つきのこる－なみまなみまに－ふねとめて
004	おきいててゆく－あしのやのかけ
005	みやこへと－おもふにみちや－いそくらむ
006	またききなれぬ－いりあひのかね
007	すきのはに－かかれるゆきの－うちちりて
008	みとりむらむら－ましるふゆかれ
009	さはみつの－すゑやすくなく－なりぬらむ
010	ところところに－つくるをやまた
011	けたものの－をかへにしけく－たちなれて
012	あとさたかにも－ゆきかよふみち
013	われならて－ちきりやかはす－いもかかと
014	おもわぬことも－おもふひとりね
015	つきにこそ－こころみたるる－ものなるに
016	くるれはむしの－すたくこゑこゑ
017	おくつゆの－いろにのもせや－うるふらむ
018	おしなひはなの－しつくちるころ
019	はるかせの－おとたえたえに－ふきおちて
020	とくるこほりや－まさるたきつせ
021	またあはぬ－ほとはなみたも－あさはかに
022	ゆくへいかにと－つくすことのは
023	きぬきぬに－あけはつるまて－やすらひて
024	をりしもいとと－みしかよのつき
025	くれたけも－つゆにおされて－なひくひに
026	ふかむるきりや－とりのかくれか
027	くるるまも－おほえぬのへの－こたかかり
028	わするるもうし－のちのよのつみ
029	いつまてと－みのなからへを－たのむらむ
030	あたなることを－たれかしらまし
031	うちそへは－おもふににたる－よそめにて
032	たたあやにくの－まとのみたれこ
033	あらそひの－みちにはいかて－すすむらむ
034	やかてうきたつ－かとのむらくも
035	こくふねも－しはしみきはに－よせかねて
036	なかめくらせる－おきつしまやま
037	ちとりなく－なみにまたるる－つきのかけ
038	ゆきにはまつの－いろとしもなし
039	ときはきも－はるはかくるる－はなさかり
040	やへのかすみを－みよしののさと
041	なかきひに－たとるもみちの－おくふかみ
042	おろかなりきや－ちかたはたまき
043	なせはなる－こころひとつの－とにかくに
044	よしやかひなき－こひはやめてよ
045	わかなみた－なにをしるへに－おちぬらむ
046	たふときかけや－みわのしけやま
047	のそみをも－つくすはいちの－ゆききにて
048	のむあちさけに－みをやわするる
049	ともなひて－さそわれいつる－はしのうへ
050	くれてあらしの－みたれゆくみつ
051	つゆのちる－たけのしたみち－つきはれて
052	うかるるそてを－はらふあきかせ
053	そのかたの－くももなみたも－ひややかに
054	みしおもかけは－てにもたまらす
055	うつつにや－こえてすきにし－うつのやま
056	ゆきのひまより－おふるわかくさ
057	あさつゆに－うつるひかりは－□□□にて
058	かすみもにほふ－こすのとのうち
059	ふくかせや－のきはのこゑに－かかるらむ
060	たけのさえたの－すすめなくくれ
061	かりはらふ－たのものはらは－ものさひて
062	みつかれかれに－すめるつきかけ
063	ちきりても－あさきえにしは－すさましな
064	よそにそのなは－もれてこそゆけ
065	そらたきの－けふりをそてに－つつみかね
066	あらしにうすき－あさのさころも
067	いやしきは－こをおもふいろや－なほみえむ
068	いまよりのちの－まよひをそしる
069	ゆくかたも－けさはつしもの－みちのへに
070	ささのはくさの－かるるむらむら
071	くもくらき－まにまにつきの－わけいてて
072	たかすむさとに－あきはいぬらむ
073	つゆとちりて－わかみにそはぬ－わかこころ
074	たのみありても－つらきかへるさ
075	かたえさき－かたえはつほむ－はなのかけ
076	あをはかしたの－みつぬるむなり
077	やまふかみ－ひさしくこその－いろみえて
078	おとはのくもや－しくれむとする
079	さしいつる－みやこのひかけ－たえたえに
080	しのふゆふへを－まちそかねたる
081	たまのをの－かかるかうちを－とへかしな
082	ふかきなさけも－のちはなにせむ
083	きみかよも－うらみつくせる－さすらへに
084	ともとなりきや－うみやまのはて
085	あかつきの－まくらにちかき－かりのこゑ
086	てにとるはかり－すめるよのつき
087	あふきをも－うちおきかたく－のこるひに
088	かへりみるみる－いつるふなひと
089	たききこる－そてははるかに－やすらひて
090	むすふもひさし－やまかけのいほ
091	あたなりし－よはけふのみの－なからへに
092	くちきにのこる－はなのひともと
093	まつかえを－よすかにつたふ－ふちさきて
094	かはなみよする－はるのあさかせ
095	せのこゑや－あけかたちかく－かはるらむ
096	つきにはふねの－さをもさされす
097	あきやまは－つゆにしつみて－そらもなし
098	つゆのいとまも－をしむみやひと
099	つかふるに－いくとしとしを－おくるらむ
100	すゑかすゑまて－すめるしつけさ

天正四年万句　第八千句　第七：玉何［まつはらも］

句番号	句
001	まつはらも－しかのねそむる－しくれかな
002	やまちのあきを－さそふゆふかせ
003	かへるへき－みやこのそらを－みにしめて
004	こころとまらぬ－たひのやすらひ
005	ここかしこ－こきゆくふねの－うらとほみ
006	いりえのつきの－かすむあけほの
007	はるふかみ－よりくるなみの－しつかにて
008	むらむらなりし－あをやきのいと
009	みちのへは－いつのまにまに－しけるらむ
010	ゆききたえせぬ－をちのさとひと
011	すみなるる－ほともみえけり－ゆきのうち
012	しはのけふりの－けふるしはのや
013	きえやらぬ－いのちまつこそ－あはれなれ
014	またよにいつる－すゑはしらしな
015	なそへなき－きみとひととの－ましはりに
016	よしつらくとも－さのみうらみそ
017	つれなきも－つゐのよるへと－なりやせむ
018	あかつきかたの－ありあけのつき
019	なかめやる－くももはつかの－かりのこゑ
020	ねぬにめさます－あきかせのくれ
021	いろよりも－かやふかかりし－はなもみち
022	ききにさきたつ－うめのひともと
023	かけあさき－ゆきまゆきまを－わけいてて
024	かすみにもるる－やまそすくなき
025	はるならぬ－ときさへとほき－おきつしま
026	ふくおとよわき－かせのうらふね
027	なつかりの－あしのすゑはの－うちなひき
028	けふりにしるき－すみよしのさと
029	ちりのよは－かみものかれぬ－ちかひにて
030	こひてふみちの－たえぬはかなさ
031	かへりみよ－みをつくすもまた－わかこころ
032	たれゆゑかかる－たひとしもなし
033	よなよなの－つきにのをわけ－やまをわけ
034	あらしのかせの－はらふくもきり
035	あきのいろを－まつよりまつや－みせぬらむ
036	にしをこころの－このとよらてら
037	とほきほとを－しらぬはのりの－みちなれや
038	めのまへにしも－なにかのこらむ
039	ふゆかれの－のへにひとえた－きくさきて
040	おくもあやなし－つゆのあさあけ
041	いさなひて－いてむもつらき－わかれちに
042	かかるおもひを－ゆるせせきもり
043	みとりなる－ころもはさても－あさましや
044	つきにやつるる－やまのはのくも
045	あきのよの－ふけゆくままに－そらはれて
046	みつひややかに－すみわたるこゑ
047	おちつくす－はなのこのまの－たきつなみ
048	あらきなかれに－むかふわかあゆ
049	かすみをも－くみてさかなを－もとめはや
050	かたつゐなかは－とふもはつかし
051	したたみし－ことははたれも－ききわかて
052	あはれむことや－ふかきみとりこ
053	ゆるされて－ゆきこそかよへ－みすのうち
054	つひにこころを－よせぬねやのと
055	てらちかく－よろつのとりの－やとりして
056	かりはののへに－つつくかたやま
057	かすかすの－くるまやたてて－おきぬらむ
058	とほきなかれの－みつかるるころ
059	いさらひの－ゐけたのをけの－ひまはなし
060	ふたへのおひや－みへになるらむ
061	ひとよゆゑ－なかきおもひを－うちはへて
062	なみたのあめに－くもるつきかけ
063	われのみに－あきのうれひや－つもるらむ
064	このはよりけに－かろきみのはて
065	たちのほる－けふりをおくる－ゆふあらし
066	またいつくにか－しほかまのうら
067	こきはなれ－やそしまかけて－ゆくふねに
068	つはさやすむる－なみのうきとり
069	うまれこし－こここそやとよ－おもへたた
070	ひとのまよひか－このよのちのよ
071	いさよひの－つきもきのふの－ひかりにて
072	くるるころこそ－あきはさひしき
073	はけしさや－ふゆをとなりの－やまおろし
074	かけひのみつも－ともとなるこゑ
075	はなとりも－いりあひのかねに－ちりかへり
076	はるのわかれの－おもかけもかな
077	きさらきの－なかはのそらの－くもかすみ
078	なのみそのちの－かたみとはなる
079	ともしひに－そのひとふてを－たきすてて
080	ちきりはかなき－そてのうつりか
081	たちはなは－かけたにみえす－くつるのに
082	よもきかそまと－なりはつるさと
083	おのつから－あきふくかせの－けしきにて
084	つきにはおとの－たかきはやふさ
085	きりにとふ－つるやこころも－やみならむ
086	おやとなりては－おほきかなしみ
087	なかをかの－みやのかよひも－たえたえに
088	うらみられても－したひこそゆけ
089	おもひきえ－おもひのいかて－なかるらむ
090	ゆきをみるにも－ひとそこひしき
091	みやまへや－ひとりはあたし－はるのはな
092	ならふいろなき－くれなゐのうめ
093	たちつつく－くももかすみに－うつもれて
094	しきなくさはに－をしもなくなり
095	つきやなほ－ねさめせよとて－すみぬらむ
096	そてにおほゆる－かせはすさまし
097	はなすすき－まねくににたる－のちのくれ
098	きてはたみれは－くさのひとむら
099	いささきの－かけををかむは－ならひにて
100	ひとのくらゐを－あたにおもふな

天正四年万句　第八千句　第八：一字露顕［あさしもの］

句番号	句
001	あさしもの－つゆにうつろふ－ひかけかな
002	いりかたちかき－ありあけのつき
003	まつたてる－□□□のみねに－しかなきて
004	まくらにきけは－をたをもるこゑ
005	まかせきて－かせのうらわの－とまりふね
006	うちいてにける－なみのしつけさ
007	すゑとほく－ゆきかよふそての－ゆきはれて
008	かりはののへの－ききすなくなり
009	はるといへと－またさえかへる－やまかけに
010	しろたへにさく－うめのひともと
011	たかすみし－あとのゆかりと－のこるらむ
012	あるるかきねの－つきのゆふかけ
013	なくむしの－こゑもあはれに－うちしきり
014	よそのきぬたも－すさひとそなる
015	しのひしのひ－きみかあたりに－とひよりて
016	ものいひかはす－ほとをこそまて
017	いとけなき－こころをとるも－はかなしや
018	つれなきことの－すゑはしらしな
019	うゑうゑし－まつのあらしに－はなおちて
020	したみつかをる－きしのふちなみ
021	むらさきの－いろをもかくす－はるのそて
022	かすみそめたる－みよしののさと
023	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
024	□□□□□□□－□□□□□□□
025	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
026	□□□□□□□－□□□□□□□
027	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
028	□□□□□□□－□□□□□□□
029	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
030	□□□□□□□－□□□□□□□
031	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
032	□□□□□□□－□□□□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	□□□□□□□－□□□□□□□
041	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
042	□□□□□□□－□□□□□□□
043	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
044	□□□□□□□－□□□□□□□
045	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
046	□□□□□□□－□□□□□□□
047	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
048	□□□□□□□－□□□□□□□
049	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
050	□□□□□□□－□□□□□□□
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－□□□□□□□
073	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
074	□□□□□□□－□□□□□□□
075	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
076	□□□□□□□－□□□□□□□
077	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
078	□□□□□□□－□□□□□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　第八千句　第九：唐何［ころもうつ］

句番号	句
001	ころもうつ－よやひまもなき－つきのかけ
002	そてひややかに－ふかすあきかせ
003	ほたるとふ－そらよりかりの－こゑまちて
004	く□□□□□の－みつ□□□□□
005	かはふねを－□□□□つなや－□□□□む
006	きしよ□□□□－たかきや□□□
007	やまもとに－あしの□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－なひくくれたけ
011	ふきおくる－かせのむ□□□－□□□□て
012	そてに□□□る－□□□□□□ゑ
013	やまたか□－□□□りつきの－いるかけに
014	ふかきちきりを－したふあきのよ
015	あさきりに－かくれてしはし－またやねむ
016	あまるなみたを－うちはらひつつ
017	はるかなる－かとてをいはふ－さかつきに
018	ゆきうきみちは－きくもはかなし
019	ふねとむる－やまをひひかす－なみのおと
020	てらはをのへの－かねのゆふくれ
021	くもかへる－はなのすきむら－ゆきちりて
022	かすむこすゑの－あらきまつかせ
023	ふるさとや－こそのけしきを－のこすらむ
024	のきにたききそ－たかくかさなる
025	ふゆこもり－するとやよそに－みえてまし
026	こほれるみつも－はるをまつかけ
027	たにふかき－なかれのおとの－むすほほれ
028	いはまにかつは－たまるもみちは
029	しくれをも－あきのあらしの－さそひきて
030	つきのひかりの－かはるよひよひ
031	すてらるる－うらみはおなし－そてのうへ
032	なにか□つらき－ふし□□□□む
033	こころか□－□□□そまよへ－をささはら
034	はなたしものを－のへのあらこま
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－さみたれのころ
039	ゆめたにも－うとくなりにし－つれつれに
040	つきも□□りの－とふのすかこも
041	みやきのや－こはきかもとを－わけすきて
042	そてにうつろふ－つゆのくさくさ
043	あらましき－かせやくもをも－はらふらむ
044	かけさたかなる－をちのやまやま
045	きらきらと－いへるひかりは－はるかにて
046	ほとけはいつか－よにあらはれむ
047	おとにきく－かねはのこれる－あかつきに
048	おもふなかにも－そはぬかなしさ
049	よそめこそ－はなよりもなほ－うらみなれ
050	かせのふくには－ちらぬさくらと
051	はるさめは－ふるともみえす－うちしめり
052	わくれはもろき－つゆのくさむら
053	つきやわか－やとりとのちを－てらすらむ
054	うつつともなく－きゆるいなつま
055	なるかみの－おとにはむねも－さわかれて
056	ものおもふとや－ひとのとかめむ
057	くれぬれは－そのおもかけと－たちうかれ
058	はたてのくもの－なひくさとさと
059	きみかよの－めくみもやかて－しられけり
060	ふみにこころを－いるる□□□や
061	いと□□□－こをはあたには－おもはしな
062	すもりわすれぬ－とりとりのこゑ
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－くらすやまこえ
067	おくれぬる－つひのみちをは－なけくなよ
068	たれかはゆめに－のこるよのなか
069	たちすかる－いちのかりやに－やすらひて
070	はるるしくれの－ほとをこそまて
071	うたたねも－こころやはなき－つきのもと
072	みにしめておもふ－こひないさめそ
073	あきかせの－たよりもとめむ－みすのうち
074	すまひにまつを－うゑおきしには
075	やまをさへ－ひとのありかと－たのむらむ
076	つねはてかひに－なるるけたもの
077	ねこにたに－おそれもやらぬ－おいねすみ
078	ねふれるほとや－たのしみとなる
079	ゆめはたた－うきをわするる－くすりにて
080	あひみてこそは－ゆらくたまのを
081	くれかかる－つきをはいかて－いみぬらむ
082	ひたやこもりの－あきのさひしさ
083	ひくらしの－なかぬまもなき－やまのかけ
084	きりをふかめて－ひともおとせす
085	むろのとに－たくやしきみの－うちかをり
086	やつるるそても－しるきいにしへ
087	ひとことに－みやこかたりの－あらはれて
088	こころのおくは－いろにみえけり
089	いつはりの－なきやなみたの－しらすらむ
090	いまはあはれと－□□□とけてよ
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－ゆふへすすしも
095	いとまなき－みはよるよるや－ともならむ
096	ことわりききて－うらみたにすな
097	かすかすの－おもひかきやる－ふてのあと
098	まほにあひなは－なにかいはまし
099	ゆくふねや－よこきるかせを－しのくらむ
100	みなれぬかたに－たひゐをそする

天正四年万句　第八千句　第十：花何［おくつゆの］

句番号	句
001	おくつゆの－にほふはきくの－こころかな
002	かせもおとせぬ－こすのつきかけ
003	たちすすむ－はしゐにあきや－ふかすらむ
004	そのふにちかみ－むしそなきよる
005	くるるよに－のをわけころも－かたしきて
006	しもうちはらふ－そてのさむけさ
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－あまのをとめこ
011	みよしのの－さとにやはるも－きにけらし
012	おとめつらかに－たのもゆくみつ
013	なつのひの－なほいやましに－てりそひて
014	ちりにほこりに－まよふをくるま
015	よをふかみ－ひとしつめてや－しのはまし
016	ゆかしくなれる－ねやのきぬのか
017	やまのはに－いるまてつきに－なれなれて
018	はるかにかへる－さをしかのこゑ
019	うらつたふ－きりのをふねの－あさほらけ
020	まつをしるへに－よするささなみ
021	からさきや－はなもむかしと－なりぬらむ
022	またあらたまの－はるをこそみれ
023	ほのきえし－ゆきまのかすみ－たちそめて
024	をりえかほなる－とりのさへつり
025	さよふかく－わかるるそては－うきものを
026	ゆふへをいそき－とひもよらはや
027	のをひろみ－ゆくへはるけき－たひのみち
028	このもかのもに－くつるすかかさ
029	さみたれは－いくかふりぬる－そらならむ
030	くもはのきはに－こもるやまさと
031	たのみぬる－となりもみねを－へたてにて
032	はるまつころは－つきもめつらし
033	いててみよ－あきらかなりし－ほしのかけ
034	もろこしふねは－かかるせそなき
035	いつしかと－かせのたよりを－まつらかた
036	かかみをかけて－いのるみやつこ
037	こころにや－あまのひるめも－うかふらむ
038	そのなひめおく－ことのはのみち
039	しのふへき－かたはしるへも－なみたにて
040	またいひよらす－ならすふえのね
041	あはらなる－かきほにつゆや－すかるらむ
042	あともととめぬ－あさかほのいろ
043	なににかは－つきはかけをも－やとさまし
044	あかつきさひし－さるのなくやま
045	よもすから－あめやまくらを－さそふらむ
046	おともはけしき－このはつせかは
047	いりあひの－かねはいくたひ－きえかへり
048	はなのあととふ－くもははかなし
049	くちきさへ－はるありかほに－うちかすみ
050	はるのころもも－としはこえけり
051	みやこにて－にしきのそても－なにかせむ
052	のほるくらゐの－やまのいろいろ
053	つきたにも－やふしかくれは－それならて
054	つゆすさましく－すめるしはのと
055	おちたきつ－なかれをのきの－ともなひに
056	にはにもいけを－たたへてそみる
057	とにかくに－やるかたもなき－わかおもひ
058	たのめぬひとに－つかひなにそも
059	こころみむと－さわくこそなほ－あはれなれ
060	さかぬさくらに－かよふまつかせ
061	うちむれて－なかめたへなる－はるのはな
062	かすもしられす－きゆる□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－つきのゆふなみ
067	あきとふく－かせもやくもの－うつむらむ
068	つはさはいつち－すくるかりかね
069	こゑにこそ－とりのありかは－しられぬれ
070	わかるるころは－まとふさむしろ
071	まくらをも－さためぬほとの－ちきりにて
072	ひとよひとよの－くさのかりふし
073	あさましき－くににはてらも－かみもなし
074	たたわれからや－ほとけとはなる
075	あけくれに－みなをとなふも－おほつかな
076	にしになるひの－はてもしられす
077	くもたにも－なみにおもるる－わたのはら
078	はなれこしまは－いかかすむらむ
079	さとつつく－あきもゆふへは－さひしきに
080	またいてやらす－ふくるよのつき
081	をしかまつ－しけみかおくの－のをかけて
082	つゆわけなるる－ますらをのそて
083	けしきまて－いかるこころは－おそろしな
084	とかなきことを－きくもはかなし
085	うきふしも－おもふなかにや－ましるらむ
086	しむるもあやな－たけのひとむら
087	はなにこそ－ぬるへきとりの－まとにきて
088	はるよりのちも－かすむやまさと
089	ことしなと－ときのうつるも－おそからむ
090	つみゆるさるる－さすらへ□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－しものよなよな
095	うつみひを－ありあけのつきに－かきそへて
096	またぬになほも－むねそくるしき
097	ふたみちの－われにたえたる－みはかなし
098	かかるおもひの－いやまさるなり
099	ゆふかせの－のこすさくらの－あまそそき
100	たたまくをしき－はるのこのもと

天正四年万句　第十千句　第二：手何［はつあられ］

句番号	句
001	はつあられ－たまかきしるき－ゆふへかな
002	しものをささに－かねひひくこゑ
003	まくらかる－あかつきつきに－めはさめて
004	くもゐのかりの－なきおつるころ
005	さしかへる－をふねたたよふ－あきかせに
006	□□□すすしく－なれるやまかけ
007	まつしける－をのへつつきに－ひはいりて
008	ところところに－かるるなつくさ
009	ふむあとも－それかはかりの－みちのへに
010	うつしかへたる－さとのひとむら
011	けふうゑし－たけやのきはに－なひくらむ
012	またおとよわき－こすのあさかせ
013	ものことに－うれへすすむる－あきはきて
014	いむてふつきに－うちむかへとや
015	ややさむく－なるにきぬたや－いそくらし
016	きみをまつとは－たれにいはまし
017	くれぬれは－このもかのもに－たたすみて
018	こころほそさは－なににたくへむ
019	かつのこる－はなをすまひの－やまのおく
020	たかねのくもを－みよしののはる
021	それとのみ－たつかとはかり－かすむひに
022	おしなみいはふ－あらたまのとし
023	つねにこそ－いましめおほき－さけならめ
024	よしうきとかも－かつはゆるしそ
025	しのふるも－かくれかたしよ－よのならひ
026	けふりとともの－よもきふのかけ
027	かせのつても－しつみしすまに－おこたりて
028	みやこをよそに－なせるはかなさ
029	みねこゆる－つきこそけさの－なこりなれ
030	おなしさかりに－うつるあきのの
031	はなもはも－つゆにしをるる－いとすすき
032	きりのうちなる－なかめさひしも
033	ふねとめて－やすらふかひも－なみのさと
034	あまりはけしき－うらかせのおと
035	をちこちに－そのなもしらぬ－とりなきて
036	すみつかれける－やまさとのいほ
037	あさはかに－おもひやとりし－すみのそて
038	かりにぬきおく－あまのはころも
039	あつきひを－しはしこかけに－たちよりて
040	いそくこころは－なつのくれかた
041	ふきおくる－かせにうふねや－いてぬらむ
042	つきにまた□□－ともしひのかけ
043	ゆふやみも－つゆのまにまに－あけはてて
044	みにしみわたる－わかれちのそら
045	おもかけや－わかなみたをも－さそふらむ
046	たちうかれたる－のへのうすくも
047	ひとすちの－けふりをつひの－しるへにて
048	うつれはかはる－さためなのよや
049	はなはねに－こゑとほさかる－ももちとり
050	かねもうららに－くれわたるころ
051	まなひつつ－なかきひねもす－むすほほれ
052	ゆきにをれふす－まとのくれたけ
053	こからしの－おとにやよはも－あけぬらむ
054	くももさはらぬ－つきのたまくら
055	うきあきに－そてのなみたを－またそへて
056	ともなへとてや－まつむしのなく
057	めくりきて－なをきくほとや－みやこひと
058	かすみにこもる－おほひえのやま
059	みつうみの－みきはになにか－はるのみや
060	うちとけつつも－さえかへるなみ
061	あちきなや－みてもつれなき－わかちきり
062	なとききやらぬ－ゆめのゆくすゑ
063	おもひわひ－うちもねられぬ－かりふしに
064	よはふかくとも－おきやいてまし
065	ふるさとも－またはるかなる－たひころも
066	ひもくもかせに－かへるやまのは
067	ありあけの－つきはいつこに－いりぬらむ
068	つゆのひかりの－のこるはきかえ
069	をしかなく－こゑややほそき－ゆふつかた
070	しのはれぬへき－あきのかくれか
071	くるひとも－あせのかよひち－たえはてて
072	さみたれふかき－くさむらのかけ
073	きえもせて－ひとつふたつや－とふほたる
074	ともしひかかけ－みゆるふるてら
075	たれとなく－みなをとなふる－こゑはして
076	そのあかつきは－きくはかりなり
077	あすまては－ちりものこらし－はなさくら
078	かすむひかけの－くれかたきそら
079	しろたへの－ゆきはなからに－としこえて
080	やまもとちかく－かほとりそなく
081	なかれくる－みつやいはほに－せかるらむ
082	おとたえたえの－たきつせのすゑ
083	くちのこる－ふねはあしまに－あらはれて
084	まさこのまつの－かせわたるくれ
085	むらさめを－もよほすあきの－すすしきに
086	ねをうちそへて－ひくらしそなく
087	つきおそき－ふもとのさとは－ものさひし
088	きりのまかきの－あはらなるかけ
089	とひきても－なにをあるしに－たれとはむ
090	ひともおとせぬ－のへのかたはら
091	むれゐるも－こころのままの－ゆふからす
092	しほたに□けは－えこそひろけれ
093	よるなみも－はやたえたえに－ふなてして
094	くもひきのこす－やまそしつけき
095	しののめの－あらしやたにを－つたふらむ
096	はなのさかりは－たたけふのくれ
097	はるこそは－なこりともなる－をりならめ
098	つゆにしたへる－てふのひとつれ
099	あめすくる－さとのこなたに－ひはおちて
100	ちよのかけさす－あさゆふのそら

天正四年万句　第十千句　第三：何鳥［はつしもは］

句番号	句
001	はつしもは－うすくれなゐの－このはかな
002	やまやそらめの－ゆきのあさあけ
003	いててゆく－ひかけやよもに－てらすらむ
004	のはいろいろに－つきほのかなり
005	あきかせに－もよほすくもの－はれはれて
006	きりにたなひく－はきのひとむら
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－ゆくすゑのそら
011	とくおそき－はなをかすかす－うゑおきて
012	ゆめちにかへる－かりかねのこゑ
013	なさけこそ－なみたのとこと－なりつらめ
014	わすられやらぬ－ひとのことのは
015	うきなをも－いかになかさむ－おほゐかは
016	こひこそしなむ－ためしならまし
017	けたものの－ふすののすゑも－わけはやな
018	たのむほとけの－のりのこゑこゑ
019	いりあひや－つきをおそしと－のこるらむ
020	かせはゆふへの－みねのうすきり
021	きぬたうつ－さとはさなから－ものさひて
022	なるふえのねも－ちかきうみこし
023	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
024	□□□□□□□－□□□□□□□
025	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
026	□□□□□□□－□□□□□□□
027	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
028	□□□□□□□－□□□□□□□
029	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
030	□□□□□□□－□□□□□□□
031	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
032	□□□□□□□－□□□□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	□□□□□□□－□□□□□□□
041	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
042	□□□□□□□－□□□□□□□
043	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
044	□□□□□□□－□□□□□□□
045	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
046	□□□□□□□－□□□□□□□
047	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
048	□□□□□□□－□□□□□□□
049	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
050	□□□□□□□－□□□□□□□
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－□□□□□□□
073	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
074	□□□□□□□－□□□□□□□
075	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
076	□□□□□□□－□□□□□□□
077	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
078	□□□□□□□－□□□□□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□しらぬ－くさにまくさを－つみそへて
082	うしかふあたり－ひとそあつまる
083	すみわたる－ねもなつかしき－ふえたけに
084	すすみかるとや－とひよりてみむ
085	へたつるは－うきなかかはの－ゆふまくれ
086	およはぬみねの－はなのたきなみ
087	けふもまた－はるのやまへと－うちいてて
088	ねくらいつこと－とりかへるらむ
089	いりかたの－ひかけくもりて－ふるゆきに
090	いつれはやかて－つきはすみけり
091	さめやらぬ－ゆめにおほゆる－をきのこゑ
092	かこつもあきの－とかならめやは
093	ひとよりも－ゆふへのいろや－うかるらむ
094	あはれをのこす－すみそめのそて
095	とくのりの－ことのははみな－むかしにて
096	たけのはやしに－かせそよくころ
097	うめかかの－そこはかとなく－をりか□り
098	ありあけなから－おほろなるかけ
099	いつるひや－とほやまもとに－かすむらむ
100	かへすたのもに－そてそかさなる

天正四年万句　第十千句　第五：何物［きくやいかに］

句番号	句
001	きくやいかに－うちもねぬよの－はつしくれ
002	さえゆくつきの－いたまもるそら
003	とふかりは－くもかとはかり－なきすてて
004	いそやまつたひ－なひくあきかせ
005	うらふねや－つゆけきなみを－めくるらむ
006	のをわけころも－しほをならしや
007	なてしこの－いろをゆかりに－たちいてて
008	ほとなくくるる－かたはらのさと
009	いりあひの－かねよりのちも－のこるひに
010	それかとはかり－かすむやまもと
011	しろたへの－はなにけたるる－みねのくも
012	さくらにつつく－みよしののはる
013	あきなから－つきもやゆきに－まかふらむ
014	かけあらはなる－むしのこゑこゑ
015	みれはみな－うらかれわたる－くさむらに
016	ひともとあをき－ささのはのつゆ
017	うちしきる－あめとかせとを－しのききて
018	やれたるかさは－かほもかくれす
019	よそめをも－いかにせはさて－しのはまし
020	またとひよるも－ひとしけきやと
021	いくたひも－よをあかしては－かへるらむ
022	なみたはかりの－のこるかよひち
023	ふるてらや－いててあとなる－ふちころも
024	なにかなにはの－なみのつりふね
025	なつかりの－あしをつみおく－かけみえて
026	うきふゆこもり－なといそくらむ
027	ふくかせも－またさむからぬ－あさなあさな
028	やまのはきよみ－うつるひのかけ
029	たにのとの－かけひのつらら－かつとけて
030	いはまのみつの－かすむすゑすゑ
031	みなとたや－かけものこらす－かへすらむ
032	はなのこくさに－ましるうきつち
033	よにてらす－つきのひかりを－ふむもうし
034	のるこまいそく－あきのよなよな
035	ゆめにさへ－とほきみやこは－みえもせて
036	なみたやみちの－をしへなるらむ
037	かくはかり－ものおもふとひとに－しらせはや
038	ききてこそまた－こひしかりけれ
039	ひとこゑは－あさはかなれや－ほとときす
040	つれつれのみの－あめのたそかれ
041	すみかねて－よめるさうしも－たえたえに
042	つねにたのみし－ともしひのかけ
043	あきならぬ－ときにもつきに－なつさひて
044	ぬるるをのみの－つゆのころもて
045	わかなかを－たてへたてたる－ゆふきりに
046	こころのやみを－かさねむもうし
047	おいつるの－かけしすもりを－すてかねて
048	けささくはなに－よわきまつかせ
049	あをやきの－はるをいろにや－なひくらむ
050	いつるひおそき－さほのかはなみ
051	ありあけの－かけものこらぬ－なつのよに
052	たれをまつとや－やすらへるそて
053	とふひとの－みちのさはりを－いかかせむ
054	のきよりたかく－つもるしらゆき
055	やまかせに－ききのこのはの－おちそひて
056	みるみるはやき－たきつせのおと
057	なみたなと－かりねのゆめに－こほるらむ
058	おもひとりてそ－いてしわかかた
059	たききには－ほとけもみをは－くるしめて
060	わたるよにしや－うきはのかれし
061	ちらはやの－はなにさきたつ－はるのかせ
062	かすむみきりの－まつのこたかさ
063	まつりそめし－ころはいつしか－かすかやま
064	たえぬちかひの－しるきかみかき
065	いつはりや－かならすのちに－あらはれむ
066	なみたをつつむ－そてそあやしき
067	なつころも－ひかりもうすく－とふほたる
068	ふくかはかりの－よはのあきかせ
069	つきもはや－あけかたちかく－かたふきて
070	のをはるはるの－つゆのふかくさ
071	くるるまて－わけまよひたる－こたかかり
072	ゆくかたきゆる－くもとりのあと
073	かけあをく－あやおるみつの－かすむひに
074	うかふをふねの－なみのしつけさ
075	いつくにか－こそのあらしの－かへるらむ
076	ゆめとさめぬる－まくらかなしも
077	きぬきぬを－つけにしかねの－こゑこゑに
078	しもにあけゆく－しののめのくも
079	とほやまを－わけいるそらの－いろみえて
080	たけのすゑはの－つきのゆふくれ
081	あきにはや－さそはれそむる－をきのおと
082	すたれをまけは－つゆそみにしむ
083	そともまて－もれくるかをり－あさからす
084	あたにうつるも－なさけならすや
085	かくとこそ－ちきりおきける－えにしなれ
086	あひみるほとの－ひとふてのあと
087	ひとはみな－かたらふともを－かかみにて
088	おほえすこゆる－やまのはるけさ
089	わけまよふ－たひのすさみや－はなならむ
090	こころつくしの－はるのあけほの
091	うくひすの－こゑにまくらを－そはたてて
092	けふもいのちの－かきりとそなる
093	いくたひか－うきぬしつみぬ－ものおもひ
094	うみをへたてて－かよふしのひち
095	われならて－たれをかまたむ－まつらかた
096	みをはなれぬは－つらさなりけり
097	のかれつる－やまになみたを－さきたてて
098	かりのこしたる－とりのひとこゑ
099	くれふかく－なれはいそきし－かへるさに
100	にきはふさとに－つつくいへいへ

天正四年万句　第十千句　第十：何路［ちりとのみ］

句番号	句
001	ちりとのみ－つもりてゆきや－たかまやま
002	さえゆくつきは－かつらきのさと
003	よはにたつ－くもやあらしの－はらふらむ
004	かりねのゆめは－むすふともなし
005	たひころも－すゑはるかなる－やとりにて
006	こきぬるふねに－かねそくれける
007	なかきひも－わするるなみの－うらつたひ
008	なきにしかりも－こゑかすむなり
009	うくひすや－わかともとしも－さそふらむ
010	こすふくかせに－にほふうめかか
011	いととさへ－こころうかるる－あさほらけ
012	たもとをひかへ－したふわかれち
013	つきかけに－そのおもかけや－うつるらむ
014	またきいろそふ－しものしらきく
015	くさのはに－つゆのゆくへの－むらもみち
016	たつたのさとに－あきはきにけり
017	ほともなく－ふゆのけしきの－みえそめて
018	あまりはけしき－こからしのかせ
019	いまはとて－はなのあともや－たつぬらむ
020	さくらをかさす－ひとのそてふり
021	はるといへは－なくさみのみの－かすかすに
022	しらすやしはの－いほのさひしさ
023	ほとときも－すきてなくよの－あめはれて
024	まつにとはぬや－うらみなるらむ
025	たのみても－さはりあるこそ－はかなけれ
026	をむなをいみし－おほひえのやま
027	かせのひは－のほりもあへぬ－みねのくも
028	ひくせもはやき－なみのかはふね
029	かりすてし－あとのあしはら－かすかにて
030	かけもあらはに－さきあさるみゆ
031	うつしゑに－いかなるひとの－のこすらむ
032	すまのうへのの－ゆふへあけほの
033	なにしおふ－つきはあかしの－をかかけて
034	こまのゆくきの－みちのつゆけさ
035	きりわたる－かせは□□□□－をささはら
036	かりにすむさへ－うきはくさのと
037	あはれをも－とふへきひとは－まれにして
038	それもなさけか－たまつさのうち
039	ことのはも－つつむこそこひの－ならひなれ
040	あたにはいかて－おもひみたれむ
041	のむさけの－かすにこころも－かはりけり
042	うちねふりては－うたふひとふし
043	はるののに－いててやさそふ－ともならむ
044	はなをやとりの－てふとりのかけ
045	うすかすみ－はるるかきほの－ゆふまくれ
046	つきまちとらむ－つゆのしつけさ
047	ふくかせも－そてややさむき－ころなれや
048	きぬたおしなみ－いそくあさちふ
049	うちわふる－こころはたれに－かきるらむ
050	うときなからも－うたのさむしろ
051	みちもなき－よにしはさらに－すみかたみ
052	とらふすやまも－かよふとそきく
053	ややもせは－きみかなさけに－あくかれて
054	たましひたにも－みにしそははや
055	たまくらに－むすひとめてよ－よはのゆめ
056	あさくなりぬる－あかつきのそら
057	くもかせも－すみすててゆく－つきのもと
058	つゆしつかなる－みねのふるてら
059	かけふかき－そとものこすゑ－あきふけて
060	はらひとむらに－もすのなくこゑ
061	めちとほき－かたはほのほの－くれわたり
062	しくれにふねの－かかるいそきは
063	なみのうへに－おりゐるくもや－こほるらむ
064	いつるひかけも－さむきあさあけ
065	ひきむすふ－しはのとほそは－あはれなり
066	みやこのつても－いとふやますみ
067	はるとても－ひとけまれなる－はなのもと
068	あたらすみれを－つみのこすいろ
069	またきより－かすみかくれの－のはくれて
070	またもあらしの－おとそはけしき
071	いのるてふ－こひちはいつか－はつせかは
072	わかおもふこと－かなはぬはいさ
073	あらさらむ－くらゐもひとは－あるものを
074	くものうへなる－つきはみまほし
075	きくのかを－うつしてとれる－さかつきに
076	あふきをもては－かせそみにしむ
077	なせはなる－こころひとつは－とかくにて
078	ここらのとしを－おくりきにけり
079	そのかみは－かりそめとこそ－ちきりつれ
080	したふやならひ－うちとくるなか
081	なにとなく－わかれになれは－そてぬれて
082	けふりあやしき－あたしののくれ
083	たれもみな－ひとひひとひの－よのなかに
084	はるたちすきて－つきをみるころ
085	くははりし－やよひやけふに－めくるらむ
086	またなかれくる－はなにせくみつ
087	ふちなみの－かかるいはほの－いはつつし
088	いはれはいかに－いはむやまかけ
089	さとのなを－つらしとはたか－おもふらむ
090	めつらしけなる－おこなひのこゑ
091	もののけも－けしきにかつは－あらはれて
092	ひとこそひとの－あたとなりけれ
093	かたみをも－みるにもいまは－なみたおち
094	こころになひく－ゆふかほのつゆ
095	ゆきすりの－たもとすすしき－たそかれに
096	かへりみらるる－たまほこのみち
097	たひにこそ－みのうきふしも－しられけめ
098	いくたひつきに－かりねするそら
099	あきのたも－ちまちにつつく－かとのまへ
100	こきちかへたる－なみのいなふね

天正四年万句　追加：何木［たをりきて］

句番号	句
001	たをりきて－はなのたひたつ－みやこかな
002	かすむやまちや－かりふしのとこ
003	さえかへる－のきはのつきや－ふけぬらむ
004	つゆおくころの－あけわたるそら
005	あさかほの－さかりはかせも－よきてふけ
006	あきもみとりの－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－みたれもやかる
011	うちしける－やまはましはの－みちたえて
012	やむとしもなき－なかあめのころ
013	なみたこそ－のちのよまての－さはりなれ
014	いひしことのは－いまもわすれし
015	かきつくす－ふみのつてさへ－ききもせて
016	かすみのよそに－いそくかりかね
017	はるかせや－いくやまのはを－わたるらむ
018	ふもとにひとり－なひくあをやき
019	すみあらす－くさのいほりに－つきおちて
020	ねやのひまもる－つゆのさむしろ
021	むしのねも－かれかれになる－ゆふまくれ
022	わかおもひこそ－なみたとはふれ
023	まちよわる－うらみのかすは－かさなりて
024	つもるもむなし－こひのちりひち
025	うちすてて－またたちかへる－ふるさとに
026	なきさのいへや－なみのそこなる
027	しほみては－すさきのまつも－しまににて
028	なひきもあへす－くもそきえぬる
029	むらさめの－つきにやこころ－みえぬらむ
030	そこともわかす－きぬたうつころ
031	みよしのの－ほかもやあきは－さむからし
032	つまきとりもち－かへるもろひと
033	ふねもなき－さとのあはれは－しられけり
034	わたりかたしや－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－さていかならむ
039	かみかきに－いのりをかくる－こひのみち
040	しめゆふほとは－そなたにもしれ
041	へたてなき－なかはとほきも－うとからて
042	つきのやとかる－つゆのむらくさ
043	のをひろみ－すきかてにする－あきのくれ
044	みにしむかせや－そてにきぬらむ
045	あらましの－やまにすむこそ－しつかなれ
046	くやしきのみに－おくるあさゆふ
047	ゆきてみぬ－はなにかなしき－わかよはひ
048	ゆききえのこる－みちのはるけさ
049	はるのたつ－そらはかすみを－まかきにて
050	みつはよつはに－ならふいへいへ
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－□□□□□□□
073	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
074	□□□□□□□－□□□□□□□
075	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
076	□□□□□□□－□□□□□□□
077	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
078	□□□□□□□－□□□□□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　追加：何風［ふりつもる］

句番号	句
001	ふりつもる－ゆきをやまなる－みやこかな
002	かりねのつきの－かけさむきそら
003	わくるのの－はなうちかをり－すゑくれて
004	たもとすすしき－あきかせのころ
005	うすきりの－まかきのかたへ－たえたえに
006	こすにもりくる－ひはさやかなり
007	たけのはの－ひとよにけさの－としこえて
008	さしていつくに－かへるとりとり
009	なこりあれや－こゑとほさかる－あまつかり
010	うらわのあとも－しろたへのなみ
011	いててゆく－ふねはあらしに－さそはれて
012	ちさとのやまや－すゑのうきくも
013	つきやたた－はるるともなく－ふけぬらむ
014	なみたのつゆに－くるるよひよひ
015	あきもうき－こむといひぬる－はかりにて
016	をきのはおとに－むねさわくなり
017	のきをとち－まとをとちたる－ふゆこもり
018	しくれあられに－なれてさひしき
019	こほるひは－たにゆくみつの－かすかにて
020	こまうちわたす－かけはしのすゑ
021	みよしのや－とほくともみむ－はなさかり
022	さくらにつつく－みちのかたはら
023	ひととほり－あともととめぬ－あきかせに
024	ゆめのゆくへや－うつつならまし
025	つれなきも－ものおもへとや－みえぬらむ
026	とけぬちきりは－なかなかにうし
027	よこくもも－またねのそらの－なこりにて
028	ゆきのよしろく－まとふとりかね
029	よるなみに－みきはのをしの－たちさわき
030	いはまをしたふ－ふねのあはれさ
031	あをやきの－こふかきかけを－さりやらて
032	つゆにいろそふ－はるのはなその
033	おほろけの－つきものこるや－あさほらけ
034	ひかけのとかに－かすむやまのは
035	ふきすくる－かせよりのちの－くもひきて
036	みつもこころと－おとよわきころ
037	はるもやや－くるるをいろの－かすみにて
038	つゆおきまよふ－にはのしつけさ
039	くさくさや－かけさすつきも－はなやかに
040	たれきけとなく－むしのしのひね
041	すみすてし－すまひあらはに－かせあれて
042	おちはやかけを－うつむやりみつ
043	たきつせの－なかれもすゑは－おとよわみ
044	つくるたをさや－あめをまつらむ
045	ひとむらの－さとのわらやは－かたふきて
046	たけをやとりの－すすめかすかす
047	やまとほき－かけほのほのと－くるるひに
048	またきにいそく－つきのしらくも
049	のをひろみ－くさはのつゆの－うちみたれ
050	いろにこほるる－すすきはきかえ
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－□□□□□□□
073	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
074	□□□□□□□－□□□□□□□
075	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
076	□□□□□□□－□□□□□□□
077	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
078	□□□□□□□－□□□□□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　追加：朝何［さみたれに］

句番号	句
001	さみたれに－つゆひきこほす－さなへかな
002	のさはのあやめ－みとりなるくれ
003	ほのかにも－のきはのかせや－かをるらむ
004	くもまもりくる－つきのさむしろ
005	むしのねに－かりねのゆめの－うちさめて
006	よはのきぬたや－ふけてゆくらむ
007	ややさむく－なるこそあきの－ならひなれ
008	さのみはこはむ－ましはともなし
009	すておけは－まさこにうつむ－かよひふね
010	ひとけたえつつ－くるるやまかは
011	たきつせの－みなきるなみに－ひはおちて
012	かかるすまひや－よのほかのいほ
013	しらくもか－はなかあらぬか－とりのこゑ
014	あめのなこりの－をちかたのはる
015	おいぬれは－なみたなからに－としこえて
016	またいつはりの－ことのははうし
017	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
018	□□□□□□□－□□□□□□□
019	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
020	□□□□□□□－□□□□□□□
021	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
022	□□□□□□□－□□□□□□□
023	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
024	□□□□□□□－□□□□□□□
025	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
026	□□□□□□□－□□□□□□□
027	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
028	□□□□□□□－□□□□□□□
029	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
030	□□□□□□□－□□□□□□□
031	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
032	□□□□□□□－□□□□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	□□□□□□□－□□□□□□□
041	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
042	□□□□□□□－□□□□□□□
043	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
044	□□□□□□□－□□□□□□□
045	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
046	□□□□□□□－□□□□□□□
047	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
048	□□□□□□□－□□□□□□□
049	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
050	□□□□□□□－□□□□□□□
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
063	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
064	□□□□□□□－□□□□□□□
065	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
066	□□□□□□□－□□□□□□□
067	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
068	□□□□□□□－□□□□□□□
069	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
070	□□□□□□□－□□□□□□□
071	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
072	□□□□□□□－□□□□□□□
073	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
074	□□□□□□□－□□□□□□□
075	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
076	□□□□□□□－□□□□□□□
077	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
078	□□□□□□□－□□□□□□□
079	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
080	□□□□□□□－□□□□□□□
081	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
082	□□□□□□□－□□□□□□□
083	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
084	□□□□□□□－□□□□□□□
085	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
086	□□□□□□□－□□□□□□□
087	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
088	□□□□□□□－□□□□□□□
089	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
090	□□□□□□□－□□□□□□□
091	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
092	□□□□□□□－□□□□□□□
093	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
094	□□□□□□□－□□□□□□□
095	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
096	□□□□□□□－□□□□□□□
097	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
098	□□□□□□□－□□□□□□□
099	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
100	□□□□□□□－□□□□□□□

天正四年万句　追加：何船［さきそめし］

句番号	句
001	さきそめし－にほひもふかき－ふゆのうめ
002	のきはにかよふ－ゆきのしたかせ
003	くもさむき－まかきのやまの－つきはれて
004	むしのねほそく－ふけてゆくそら
005	あさみとり－きのふかこちし－のへのあき
006	みやこ□□□□－□□□□□□□
007	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
008	□□□□□□□－□□□□□□□
009	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
010	□□□□□□□－みのこすもなし
011	あけほのの－さとはかすみに－けふりあひて
012	よのまのあらし－ややよわきこゑ
013	たとりこし－とりもねぬるや－たけのはに
014	すゑののちくさ－あらはなるかけ
015	ありあけは－くるるともなく－すみはてて
016	いつちきえなむ－くもきりのなみ
017	ゆくふねを－みにしめおもふ－しまかくれ
018	よにはあふせの－なかもありきや
019	みしゆめも－しはしかほとは－わすれしな
020	わかるるはるの－しののめのころ
021	かすかなる－すかたをかりの－なこりにて
022	たのものはしの－つはめひとつれ
023	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
024	□□□□□□□－□□□□□□□
025	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
026	□□□□□□□－□□□□□□□
027	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
028	□□□□□□□－□□□□□□□
029	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
030	□□□□□□□－□□□□□□□
031	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
032	□□□□□□□－□□□□□□□
033	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
034	□□□□□□□－□□□□□□□
035	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
036	□□□□□□□－□□□□□□□
037	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
038	□□□□□□□－□□□□□□□
039	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
040	□□□□□□□－□□□□□□□
041	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
042	□□□□□□□－□□□□□□□
043	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
044	□□□□□□□－□□□□□□□
045	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
046	□□□□□□□－□□□□□□□
047	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
048	□□□□□□□－□□□□□□□
049	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
050	□□□□□□□－□□□□□□□
051	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
052	□□□□□□□－□□□□□□□
053	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
054	□□□□□□□－□□□□□□□
055	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
056	□□□□□□□－□□□□□□□
057	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
058	□□□□□□□－□□□□□□□
059	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
060	□□□□□□□－□□□□□□□
061	□□□□□－□□□□□□□－□□□□□
062	□□□□□□□－□□□□□□□
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天正四年万句 ７０巻

天正四年万句 第一千句 第一：何路［うめかかに］

天正四年万句 第一千句 第二：何船［とふとりの］

天正四年万句 第一千句 第四：白何［はつはるや］

天正四年万句 第一千句 第五：花何［うくひすの］

天正四年万句 第一千句 第八：唐何［はなさけは］

天正四年万句 第一千句 第九：下何［むらさきの］

天正四年万句 第一千句 第十：何木［さくはなの］

天正四年万句 第二千句 第一：何人［はつはなの］

天正四年万句 第二千句 第二：朝何［うめさける］

天正四年万句 第二千句 第三：薄何［やまとほみ］

天正四年万句 第二千句 第四：一字露顕［わかくさも］

天正四年万句 第二千句 第五：青何［ゆくみつに］

天正四年万句 第二千句 第六：夕何［はるさめに］

天正四年万句 第二千句 第七：何馬［あをやきの］

天正四年万句 第二千句 第八：何鳥［かせにしるき］

天正四年万句 第二千句 第九：三字中略［かせたえて］

天正四年万句 第三千句 第一：何人［をらてみよ］

天正四年万句 第三千句 第四：白何［くもにこゑ］

天正四年万句 第三千句 第五：初何［そてくちか］

天正四年万句 第三千句 第六：竹何［まつほとや］

天正四年万句 第三千句 第七：何風［ふちなみに］

天正四年万句 第三千句 第八：何心［やまかけや］

天正四年万句 第三千句 第九：何色［ちるはなも］

天正四年万句 第三千句 第十：何帋［いろそふや］

天正四年万句 第四千句 第一：□□［□□□□□］

天正四年万句 第四千句 第二：何鳥［さみたれに］

天正四年万句 第四千句 第三：何衣［うのはなの］

天正四年万句 第四千句 第四：何垣［かけすすし］

天正四年万句 第四千句 第五：□何［□□□□□］

天正四年万句 第四千句 第六：何文［しのひねに］

天正四年万句 第四千句 第十：何路［みそきする］

天正四年万句 第五千句 第一：唐何［ききにみし］

天正四年万句 第五千句 第二：何物［ほとときす］

天正四年万句 第五千句 第三：片何［うつせみの］

天正四年万句 第五千句 第四：初何［ゆふかほの］

天正四年万句 第五千句 第五：朝何［たにのとを］

天正四年万句 第五千句 第六：花之何［みなつきの］

天正四年万句 第六千句 第二：何船［そらにまつ］

天正四年万句 第六千句 第三：薄何［はつかりの］

天正四年万句 第六千句 第四：朝何［あきといへは］

天正四年万句 第六千句 第六：竹何［うつらなく］

天正四年万句 第六千句 第七：何路［やまかはも］

天正四年万句 第六千句 第八：二字返音［かせやいろ］

天正四年万句 第六千句 第九：何田［しかのねは］

天正四年万句 第六千句 第十：何水［むしのねや］

天正四年万句 第七千句 第一：山何［みかつきの］

天正四年万句 第七千句 第二：何路［をしかなく］

天正四年万句 第七千句 第三：何船［ときはきも］

天正四年万句 第七千句 第四：何鳥［まつむしの］

天正四年万句 第七千句 第五：白何［くさはなの］

天正四年万句 第七千句 第七：朝何［しきのたつ］

天正四年万句 第七千句 第九：一字露顕［やまのはに］

天正四年万句 第七千句 第十：何帯［ききのいろに］

天正四年万句 第八千句 第一：朝何［なみよする］

天正四年万句 第八千句 第三：□何［□□□□□］

天正四年万句 第八千句 第四：白何［つゆやいろ］

天正四年万句 第八千句 第五：何船［なかきよの］

天正四年万句 第八千句 第六：何路［うすきりに］

天正四年万句 第八千句 第七：玉何［まつはらも］

天正四年万句 第八千句 第八：一字露顕［あさしもの］

天正四年万句 第八千句 第九：唐何［ころもうつ］

天正四年万句 第八千句 第十：花何［おくつゆの］

天正四年万句 第十千句 第二：手何［はつあられ］

天正四年万句 第十千句 第三：何鳥［はつしもは］

天正四年万句 第十千句 第五：何物［きくやいかに］

天正四年万句 第十千句 第十：何路［ちりとのみ］

天正四年万句 追加：何木［たをりきて］

天正四年万句 追加：何風［ふりつもる］

天正四年万句 追加：朝何［さみたれに］

天正四年万句 追加：何船［さきそめし］

天正四年万句　７０巻

天正四年万句　第一千句　第一：何路［うめかかに］

天正四年万句　第一千句　第二：何船［とふとりの］

天正四年万句　第一千句　第四：白何［はつはるや］

天正四年万句　第一千句　第五：花何［うくひすの］

天正四年万句　第一千句　第八：唐何［はなさけは］

天正四年万句　第一千句　第九：下何［むらさきの］

天正四年万句　第一千句　第十：何木［さくはなの］

天正四年万句　第二千句　第一：何人［はつはなの］

天正四年万句　第二千句　第二：朝何［うめさける］

天正四年万句　第二千句　第三：薄何［やまとほみ］

天正四年万句　第二千句　第四：一字露顕［わかくさも］

天正四年万句　第二千句　第五：青何［ゆくみつに］

天正四年万句　第二千句　第六：夕何［はるさめに］

天正四年万句　第二千句　第七：何馬［あをやきの］

天正四年万句　第二千句　第八：何鳥［かせにしるき］

天正四年万句　第二千句　第九：三字中略［かせたえて］

天正四年万句　第三千句　第一：何人［をらてみよ］

天正四年万句　第三千句　第四：白何［くもにこゑ］

天正四年万句　第三千句　第五：初何［そてくちか］

天正四年万句　第三千句　第六：竹何［まつほとや］

天正四年万句　第三千句　第七：何風［ふちなみに］

天正四年万句　第三千句　第八：何心［やまかけや］

天正四年万句　第三千句　第九：何色［ちるはなも］

天正四年万句　第三千句　第十：何帋［いろそふや］

天正四年万句　第四千句　第一：□□［□□□□□］

天正四年万句　第四千句　第二：何鳥［さみたれに］

天正四年万句　第四千句　第三：何衣［うのはなの］

天正四年万句　第四千句　第四：何垣［かけすすし］

天正四年万句　第四千句　第五：□何［□□□□□］

天正四年万句　第四千句　第六：何文［しのひねに］

天正四年万句　第四千句　第十：何路［みそきする］

天正四年万句　第五千句　第一：唐何［ききにみし］

天正四年万句　第五千句　第二：何物［ほとときす］

天正四年万句　第五千句　第三：片何［うつせみの］

天正四年万句　第五千句　第四：初何［ゆふかほの］

天正四年万句　第五千句　第五：朝何［たにのとを］

天正四年万句　第五千句　第六：花之何［みなつきの］

天正四年万句　第六千句　第二：何船［そらにまつ］

天正四年万句　第六千句　第三：薄何［はつかりの］

天正四年万句　第六千句　第四：朝何［あきといへは］

天正四年万句　第六千句　第六：竹何［うつらなく］

天正四年万句　第六千句　第七：何路［やまかはも］

天正四年万句　第六千句　第八：二字返音［かせやいろ］

天正四年万句　第六千句　第九：何田［しかのねは］

天正四年万句　第六千句　第十：何水［むしのねや］

天正四年万句　第七千句　第一：山何［みかつきの］

天正四年万句　第七千句　第二：何路［をしかなく］

天正四年万句　第七千句　第三：何船［ときはきも］

天正四年万句　第七千句　第四：何鳥［まつむしの］

天正四年万句　第七千句　第五：白何［くさはなの］

天正四年万句　第七千句　第七：朝何［しきのたつ］

天正四年万句　第七千句　第九：一字露顕［やまのはに］

天正四年万句　第七千句　第十：何帯［ききのいろに］

天正四年万句　第八千句　第一：朝何［なみよする］

天正四年万句　第八千句　第三：□何［□□□□□］

天正四年万句　第八千句　第四：白何［つゆやいろ］

天正四年万句　第八千句　第五：何船［なかきよの］

天正四年万句　第八千句　第六：何路［うすきりに］

天正四年万句　第八千句　第七：玉何［まつはらも］

天正四年万句　第八千句　第八：一字露顕［あさしもの］

天正四年万句　第八千句　第九：唐何［ころもうつ］

天正四年万句　第八千句　第十：花何［おくつゆの］

天正四年万句　第十千句　第二：手何［はつあられ］

天正四年万句　第十千句　第三：何鳥［はつしもは］

天正四年万句　第十千句　第五：何物［きくやいかに］

天正四年万句　第十千句　第十：何路［ちりとのみ］

天正四年万句　追加：何木［たをりきて］

天正四年万句　追加：何風［ふりつもる］

天正四年万句　追加：朝何［さみたれに］

天正四年万句　追加：何船［さきそめし］